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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080849
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】カッター
(51)【国際特許分類】
   B26B 1/08 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
B26B1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194140
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】522474066
【氏名又は名称】田中 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕二
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA10
3C061AA16
3C061BA04
3C061BB12
3C061BB13
3C061CC19
3C061CC24
(57)【要約】
【課題】刃の交換作業を容易に行うことができるようにしたカッターを提供する。
【解決手段】カッター1は、替刃2を着脱可能に連結するスライダ3と、このスライダ3をスライド可能に保持するとともに替刃2を先端4から突没可能に収容するホルダー5とを具備し、スライダ3は、替刃2に離脱可能に係止する係止部24と、この係止部24を弾性的に支持する第1弾性部材23と、係止部24と一体的に設けられた係合部25とを有し、ホルダー5は、係合部25を先端4の近傍において係止部24が弾性部材の弾性力に抗して替刃2から離脱するように案内する案内部37を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃を着脱可能に連結するスライダと、
該スライダをスライド可能に保持するとともに前記刃を先端から突没可能に収容するホルダーと、
を具備し、
前記スライダは、
前記刃に離脱可能に係止する係止部と、
該係止部を弾性的に支持する弾性部材と、
前記係止部と一体的に設けられた係合部と、
を有し、
前記ホルダーは、前記係合部を前記先端の近傍において前記係止部が前記弾性部材の弾性力に抗して前記刃から離脱するように案内する案内部を有している、
ことを特徴とするカッター。
【請求項2】
前記案内部は、前記先端の近傍において前記先端の側程、前記係合部を前記弾性部材の弾性力に抗して前記刃から遠ざける案内面を有する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のカッター。
【請求項3】
前記ホルダーは、
前記スライダの一方の側をスライド可能に支持する第1レールを有する第1部材と、
前記スライダの他方の側をスライド可能に支持する第2レールを有する第2部材と、
これら第1部材と第2部材とを連結する連結手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃の交換が可能なカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカッターとしては、従来、次のようなものも提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1~3には、ホルダー内にスライド自在に設けられたスライダの突部に刃の孔を嵌合させ、スライダをスライドさせることにより、刃をホルダーから突没することができるようにしたカッターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭52-154798号公報
【特許文献2】実開昭58-119356号公報
【特許文献3】特開2003-265873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれも刃を交換するには、ホルダーからスライダを抜き出してスライダから刃を分離する必要があり、交換作業が面倒である。
【0006】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、刃の交換作業を容易に行うことができるようにしたカッターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るカッターは、刃を着脱可能に連結するスライダと、このスライダをスライド可能に保持するとともに刃を先端から突没可能に収容するホルダーとを具備し、スライダは、刃に離脱可能に係止する係止部と、この係止部を弾性的に支持する弾性部材と、係止部と一体的に設けられた係合部とを有し、ホルダーは、係合部を先端の近傍において係止部が弾性部材の弾性力に抗して刃から離脱するように案内する案内部を有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、刃の交換作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係るカッターを示す平面図。
図2】同カッターを示す図1のII-II線断面図。
図3】同カッターを示す図1のIII-III線断面図。
図4】同カッターのスライダを示す斜視図。
図5】同スライダを示す平面図。
図6】同スライダを示す側面図。
図7】同スライダを先端側から示す側面図。
図8】同スライダを基端側から示す側面図。
図9】同カッターを示す分解斜視図。
図10】同カッターの第1部材を示す平面図。
図11】同カッターの第1部材を示す側面図。
図12】同カッターの第2部材を示す平面図。
図13】同カッターの第2部材を示す側面図。
図14】同カッターの使用状態を示す斜視図。
図15】同カッターの使用状態を示す斜視図。
図16】同カッターの使用状態を示す平面図。
図17】同カッターの使用状態を示す図16のXVII-XVII線断面図。
図18】同カッターの替刃を交換する状態を示す断面図。
図19】同カッターの替刃を交換する状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1図3中、符号1は、本発明の一実施形態に係るカッターを示している。
【0012】
このカッター1は、替刃(刃)2を着脱可能に連結するスライダ3と、このスライダ3をスライド可能に保持するとともに替刃2を先端4から突没可能に収容するホルダー5を備えている。
【0013】
このホルダー5の上面にはスライダ3の上面が露出していて、スライダ3をスライド操作することができるようになっている。
【0014】
替刃2は、先端6から基端7まで一側縁に鋭利なエッジ部8が形成されている。
【0015】
また、替刃2は、一面側(たとえば上面側)に複数の切断線9が刻設され、この切断線9で折って既使用部分を分離することができるようになっている。
【0016】
さらに、替刃2の基端7側には、たとえば円形状の係止穴10が形成されている。
【0017】
スライダ3は、図4図8にも示すように、直方体状のスライダ本体21を備えている。
【0018】
このスライダ本体21の先端面22には、ホルダー5の先端4側に向けてスライド方向と平行に延出する板状の第1弾性部材(弾性部材)23が連結されている。
【0019】
この第1弾性部材23の先端4側かつ上面側には、替刃2の係止穴10に離脱可能に嵌入して係止するたとえば円柱状の係止部24が設けられている。
【0020】
また、第1弾性部材23の先端4側かつ下面側には、第1弾性部材23からスライド方向と直交する方向かつ第1弾性部材23の両側に延出するたとえば円柱状の係合部25が設けられている。
【0021】
すなわち、この第1弾性部材23は、係止部24および係合部25を一体的にかつ弾性的に支持する構成となっている。
【0022】
また、スライダ本体21の先端面22には、ホルダー5の先端4側に向けてスライド方向と平行に延出する板状の第2弾性部材26が連結されている。
【0023】
すなわち、この第2弾性部材26は第1弾性部材23と平行に設けられている。
【0024】
この第2弾性部材26の先端下面すなわち第1弾性部材23と反対側には、凸部27が設けられている。
【0025】
さらに、スライダ本体21の上部の両側には、スライド方向に沿う一対の案内溝28が形成されている。
【0026】
そして、このように構成されたスライダ3は一体成型により形成されている。
【0027】
ホルダー5は、図1図3に戻り、内部にスライダ3および替刃2をスライド自在に収容する収容部31が形成されている。
【0028】
また、ホルダー5の先端6には、替刃2がホルダー5の収容部31から突没させるための刃出入口32が形成されている。
【0029】
さらに、ホルダー5の上面には、収容部31に連通する長穴33がスライド方向に沿って形成され、スライダ3の上部が露出してスライドできるようにている。
【0030】
すなわち、この長穴33の幅は、収容部31の幅より狭くなっていて、これによりホルダー5の長穴33の幅方向両側を形成する部分がスライダ3の案内溝28にスライド自在に嵌合する一対のガイドレール34を構成するようになっている。
【0031】
そして、この一対のガイドレール34と収容部31の底面部35によってスライダ3をガイドするようになっている。
【0032】
なお、スライダ3の露出部分は指でスライド操作するための操作部39となっている。
【0033】
また、底面部35の幅方向中央にはスライド方向に沿って凹凸部36が形成され、スライダ3の凸部27が弾性的に嵌合するようになっている。
【0034】
さらに、ホルダー5は、収容部31の先端6近傍に、係合部25を先端6の近傍において係止部24が第1弾性部材23の弾性力に抗して替刃2から離脱するように案内する案内部37を有している。
【0035】
すなわち、この案内部37は、収容部31の幅方向両側部分に、係合部25の両端側周面が係合可能な案内面38を有している。
【0036】
この案内面38は、先端4の側程、替刃2から遠ざかる傾斜となっていて、これにより係合部25を先端4の側程、替刃2から遠ざけるようになっている。
【0037】
このように構成されたホルダー5は、図9図13に示すように、幅方向中央かつスライド方向に沿う境界面41を境に、スライダ3の一方の側をスライド可能に支持する第1レール42を有する第1部材43と、スライダ3の他方の側をスライド可能に支持する第2レール44を有する第2部材45とで構成されている。
【0038】
すなわち、上述のガイドレール34は、第1レール42と第2レール44とによって構成され、第1レール42がスライダ3の一方の側の案内溝28に嵌合し、第2レール44がスライダ3の他方の側の案内溝28に嵌合するようになっている。
【0039】
また、第1部材43には複数の位置決め用凸部46が第2部材45に向けて突設され、第2部材45には位置決め用凸部46と嵌合する複数の位置決め用凹部47が形成されている。
【0040】
さらに、これら第1部材43と第2部材45は、それぞれ一体成型により形成されている。
【0041】
そして、これら第1部材43と第2部材45がスライダ3を挟持するように接着材(連結手段)48によって接着(連結)されることにより、ホルダー5が組立てられている。
【0042】
以上の構成において、カッター1の使用時は、図1図2および図14に示すように、替刃2の先端6をホルダー5の先端4から突出させる。
【0043】
このとき、スライダ3の凸部27が第2弾性部材26によってホルダー5の凹凸部36に弾性的に係合するため、替刃2は容易にスライドしない。
【0044】
ついで、カッター1の不使用時には、図15図17に示すように、替刃2をホルダー5内に収容する。
【0045】
このときも、スライダ3の凸部27が第2弾性部材26によってホルダー5の凹凸部36に弾性的に係合するため、替刃2は容易にホルダー5から突出しない。
【0046】
ついで、替刃2の交換時には、図18および図19に示すように、スライダ3をホルダー5の先端4側に移動させると、係合部25が案内面38に案内され、係止部24が替刃2の係止穴10から抜け出る。
【0047】
したがって、替刃2の交換を、スライダ3をホルダー5から抜き出すことなく、容易に行うことができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、第1部材43と第2部材45とを接着剤48で接着するようにしたが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえば第1部材43と第2部材45の一方を他方に嵌め込む構成としてもよい。
【0049】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0050】
すなわち、本発明に係るカッターは、刃を着脱可能に連結するスライダと、このスライダをスライド可能に保持するとともに刃を先端から突没可能に収容するホルダーとを具備し、スライダは、刃に離脱可能に係止する係止部と、この係止部を弾性的に支持する弾性部材と、係止部と一体的に設けられた係合部とを有し、ホルダーは、係合部を先端の近傍において係止部が弾性部材の弾性力に抗して刃から離脱するように案内する案内部を有していることを特徴とするものである。
【0051】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0052】
(1)案内部は、先端の近傍において先端側程、係合部を弾性部材の弾性力に抗して刃から遠ざける案内面を備える。
【0053】
(2)ホルダーは、スライダの一方の側をスライド可能に支持する第1レールを有する第1部材と、スライダの他方の側をスライド可能に支持する第2レールを有する第2部材と、これら第1部材と第2部材とを連結する連結手段とを備える。
【符号の説明】
【0054】
1 カッター
2 刃(替刃)
3 スライダ
5 ホルダー
24 係止部
23 弾性部材(第1弾性部材)
25 係合部
37 案内部
38 案内面
42 第1レール
43 第1部材
44 第2レール
45 第2部材
48 連結手段(接着剤)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19