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特開2024-80880記録媒体処理装置および画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080880
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】記録媒体処理装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/18 20060101AFI20240610BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20240610BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B65H45/18
B65H37/06
G03G15/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194206
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 一梅
(72)【発明者】
【氏名】林 千登
(72)【発明者】
【氏名】荻野 孝
(72)【発明者】
【氏名】深町 昂志
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072GA01
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA03
3F108BA09
3F108BB11
3F108BB21
3F108CD07
3F108GA01
3F108GB03
(57)【要約】
【課題】折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制する。
【解決手段】モータを備える駆動装置500からの駆動力を搬送ロール449が受け、搬送ロール449が回転する。第1搬送ロール449Aが駆動装置500からの駆動力を受けて回転する。そして、第2搬送ロール449Bが、第1搬送ロール449Aからの駆動力を受けて回転する。搬送ロール449は、用紙束を押圧しながらこの用紙束の搬送を行う。一方、押圧ロール448は、用紙束からの力を受けて回転する回転部材であり、用紙束の移動方向における下流側へ用紙束を移動させる力を用紙束に対して与えない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部および他端部を有する記録媒体束のうちの当該一端部と当該他端部との間に位置する部分に向かって進出して当該記録媒体束を押圧する進出部材と、
前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分が先頭となって移動する前記記録媒体束を押圧する押圧手段と、
前記記録媒体束の移動方向において前記押圧手段よりも下流側に配置され、当該押圧手段により押圧されている記録媒体束を下流側へ搬送する搬送手段と、
を備え、
前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、
又は、
前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい、
記録媒体処理装置。
【請求項2】
前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、
前記押圧手段は、前記記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項3】
前記押圧手段は、互いに圧接配置された一対の回転部材により構成され、
前記一対の回転部材は、前記記録媒体束からの力を受けて回転する回転部材であり、当該記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない請求項2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項4】
前記押圧手段は、前記記録媒体束の搬送機能を有し、
前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項5】
前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始される際、前記押圧手段により当該記録媒体束が押圧されている状態にある請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項6】
前記搬送手段は、前記記録媒体束を押圧しながら当該記録媒体束の搬送を行い、
前記押圧手段から前記記録媒体束に作用する押圧力の方が、前記搬送手段から当該記録媒体束に作用する押圧力よりも大きい請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項7】
前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、前記押圧手段から当該記録媒体束に作用する押圧力が低下する請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項8】
前記進出部材が、前記搬送手段まで達する請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項9】
記録媒体束が有する2つの面のうちの1つの面側から当該記録媒体束に向かって進出し当該記録媒体束を押圧する進出部材と、
前記進出部材により押圧されている前記記録媒体束の当該進出部材に対する移動を規制する規制手段と、
前記規制手段により移動が規制されている前記記録媒体束に接触し、当該記録媒体束を搬送する搬送手段と、
を備える記録媒体処理装置。
【請求項10】
前記規制手段は、前記記録媒体束が有する前記1つの面とは反対側の面に接触して当該記録媒体束の移動を規制する請求項9に記載の記録媒体処理装置。
【請求項11】
前記規制手段は、前記進出部材に向けて前記記録媒体束を付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する請求項9に記載の記録媒体処理装置。
【請求項12】
前記規制手段は、前記記録媒体束のうちの前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する請求項11に記載の記録媒体処理装置。
【請求項13】
前記規制手段は、前記被押圧部分を挟み前記進出部材が位置する側とは反対側から当該被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢する請求項12に記載の記録媒体処理装置。
【請求項14】
前記規制手段は、前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、当該記録媒体束の移動の規制を止める請求項9に記載の記録媒体処理装置。
【請求項15】
前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段による当該記録媒体束の搬送が開始された後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する請求項9に記載の記録媒体処理装置。
【請求項16】
前記規制手段は、前記搬送手段を通過し、前記記録媒体束が当該搬送手段を通過している最中にも、前記進出部材に対する当該記録媒体束の移動の規制を行う請求項9に記載の記録媒体処理装置。
【請求項17】
前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段を通過した後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する請求項16に記載の記録媒体処理装置。
【請求項18】
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置と、当該画像形成装置による画像の形成が行われた記録媒体に対する処理を行う記録媒体処理装置とを備え、当該記録媒体処理装置が、請求項1乃至17の何れかに記載された記録媒体処理装置を含んで構成された画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体処理装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1、第2の折ロールを回転駆動するロール駆動手段と、折ブレードを待機位置から折ロールのニップ位置に向けて移動するブレード駆動手段と、ロール駆動手段とブレード駆動手段を制御する駆動制御手段とを備えるシート折り装置が開示されている。
特許文献2には、シート束の折り目部に当接する突き出し板の先端部が、駆動手段により、折りローラの圧接位置を通過する最大挿入位置まで移動する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-184324号公報
【特許文献2】特開2000-143088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数枚の記録媒体からなる記録媒体束に対する折り処理が行われている最中にこの記録媒体束の搬送が開始されると、記録媒体束の位置ずれを招いたり、記録媒体束を構成する一部の記録媒体の位置ずれを招いたりする。
本発明の目的は、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、一端部および他端部を有する記録媒体束のうちの当該一端部と当該他端部との間に位置する部分に向かって進出して当該記録媒体束を押圧する進出部材と、前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分が先頭となって移動する前記記録媒体束を押圧する押圧手段と、前記記録媒体束の移動方向において前記押圧手段よりも下流側に配置され、当該押圧手段により押圧されている記録媒体束を下流側へ搬送する搬送手段と、を備え、前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、又は、前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい、記録媒体処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、前記押圧手段は、前記記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記押圧手段は、互いに圧接配置された一対の回転部材により構成され、前記一対の回転部材は、前記記録媒体束からの力を受けて回転する回転部材であり、当該記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない請求項2に記載の記録媒体処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記押圧手段は、前記記録媒体束の搬送機能を有し、前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始される際、前記押圧手段により当該記録媒体束が押圧されている状態にある請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記搬送手段は、前記記録媒体束を押圧しながら当該記録媒体束の搬送を行い、前記押圧手段から前記記録媒体束に作用する押圧力の方が、前記搬送手段から当該記録媒体束に作用する押圧力よりも大きい請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、前記押圧手段から当該記録媒体束に作用する押圧力が低下する請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記進出部材が、前記搬送手段まで達する請求項1に記載の記録媒体処理装置である。
請求項9に記載の発明は、記録媒体束が有する2つの面のうちの1つの面側から当該記録媒体束に向かって進出し当該記録媒体束を押圧する進出部材と、前記進出部材により押圧されている前記記録媒体束の当該進出部材に対する移動を規制する規制手段と、前記規制手段により移動が規制されている前記記録媒体束に接触し、当該記録媒体束を搬送する搬送手段と、を備える記録媒体処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記規制手段は、前記記録媒体束が有する前記1つの面とは反対側の面に接触して当該記録媒体束の移動を規制する請求項9に記載の記録媒体処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記規制手段は、前記進出部材に向けて前記記録媒体束を付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する請求項9に記載の記録媒体処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記規制手段は、前記記録媒体束のうちの前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する請求項11に記載の記録媒体処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記規制手段は、前記被押圧部分を挟み前記進出部材が位置する側とは反対側から当該被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢する請求項12に記載の記録媒体処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記規制手段は、前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、当該記録媒体束の移動の規制を止める請求項9に記載の記録媒体処理装置である。
請求項15に記載の発明は、前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段による当該記録媒体束の搬送が開始された後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する請求項9に記載の記録媒体処理装置である。
請求項16に記載の発明は、前記規制手段は、前記搬送手段を通過し、前記記録媒体束が当該搬送手段を通過している最中にも、前記進出部材に対する当該記録媒体束の移動の規制を行う請求項9に記載の記録媒体処理装置である。
請求項17に記載の発明は、前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段を通過した後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する請求項16に記載の記録媒体処理装置である。
請求項18に記載の発明は、記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置と、当該画像形成装置による画像の形成が行われた記録媒体に対する処理を行う記録媒体処理装置とを備え、当該記録媒体処理装置が、請求項1乃至17の何れかに記載された記録媒体処理装置を含んで構成された画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、押圧手段から記録媒体束に対して、記録媒体束の移動方向における下流側へ記録媒体束を移動させる力が作用する場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、一対の回転部材が駆動源からの駆動力を受けて自ら回転する構成に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、押圧手段による記録媒体束の搬送の速度の方が、搬送手段による記録媒体束の搬送の速度よりも大きい場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、搬送手段による記録媒体束の搬送が開始される際に、記録媒体束が押圧手段により押圧されていない場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、押圧手段から記録媒体束に作用する押圧力の方が、搬送手段から記録媒体束に作用する押圧力よりも小さい場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
請求項7の発明によれば、押圧手段から記録媒体束に作用する押圧力が低下しない構成に比べ、搬送手段による記録媒体束の搬送をより円滑なものにできる。
請求項8の発明によれば、進出部材が搬送手段まで達しない構成に比べ、搬送手段まで記録媒体束をより確実に移動させることができる。
請求項9の発明によれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
請求項10の発明によれば、記録媒体束が有する1つの面であって進出部材により押圧される側の面であるこの1つの面とは反対側の面側から記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
請求項11の発明によれば、進出部材以外に向けて記録媒体束を付勢する場合に比べ、進出部材に対する記録媒体束の移動をより確実に規制することができる。
請求項12の発明によれば、記録媒体束のうちの進出部材により押圧される部分である被押圧部分を進出部材に向けて付勢して、進出部材に対する記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
請求項13の発明によれば、被押圧部分を挟み進出部材が位置する側とは反対側からこの被押圧部分を進出部材に向けて付勢することができる。
請求項14の発明によれば、搬送手段による記録媒体束の搬送が開始された後に、記録媒体束の移動の規制を止めることができる。
請求項15の発明によれば、記録媒体束の移動経路上に規制手段が位置して記録媒体の移動がこの規制手段により阻害されることを防止できる。
請求項16の発明によれば、記録媒体束が搬送手段を通過している最中にも、進出部材に対する記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
請求項17の発明によれば、記録媒体束の移動経路上に規制手段が位置して記録媒体の移動がこの規制手段により阻害されることを防止できる。
請求項18の発明によれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】制御部の構成を示した図である。
図3】第1後処理装置に設けられた中綴じユニットの構成を説明する図である。
図4】(A)、(B)は、進出部材、押圧ロール、および、搬送ロールを説明する図である。
図5】(A)、(B)は、進出部材の進出後の状態を示した図である。
図6】(A)~(C)は、進出部材、押圧ロール、および、搬送ロールの動きを示した図である。
図7】搬送ロールに用紙束が到達する際の用紙束の状態を示した図である。
図8】比較例を示した図である。
図9】進出部材の進出に要する荷重を示した図である。
図10】用紙支持部材の他の配置例を示した図である。
図11】(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。
図12】(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。
図13】(A)、(B)は、規制部材等の他の構成例を示した図である。
図14】(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。
図15】(A)、(B)は、第1規制部材、第2規制部材の変形例を示した図である。
図16】(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。
図17】(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成を示した図である。
同図に示す画像形成システム1は、記録媒体の一例である用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに対する処理を行う用紙処理装置3とを備える。
なお、画像形成装置2における画像の形成方式は、特に制限されず、画像形成装置2では、例えば、電子写真方式や、インクジェット方式などが用いられて、用紙Pへの画像の形成が行われる。
【0009】
記録媒体処理装置の一例としての用紙処理装置3は、画像形成装置2から出力された用紙Pを下流側に搬送する搬送装置10、搬送装置10により搬送される用紙Pに対して厚紙や窓空き用紙等の合紙を供給する合紙供給装置20を備える。
また、用紙処理装置3は、搬送装置10から搬送された用紙Pに対して内三折り(C折り)や外三折り(Z折り)等の折り処理を施す折り装置30、折り装置30の下流側に設けられ用紙束に対して綴じ処理や折り処理を行う第1後処理装置40を備える。
【0010】
また、用紙処理装置3には、第1後処理装置40の下流側に設けられ、綴じ処理や折り処理が行われた用紙束に対する処理を行う第2後処理装置50が設けられている。
本実施形態では、第1後処理装置40にて、綴じ処理や折り処理が行われた用紙束よりなる冊子が生成され、第2後処理装置50は、この冊子に対する処理を行う。
また、用紙処理装置3には、用紙処理装置3の各部の制御を行う制御部100が設けられている。
【0011】
第1後処理装置40には、図1に示すように、用紙Pに穴あけ(パンチ)を施す穿孔ユニット41、用紙束の端を綴じる端綴じステープラユニット42が設けられている。
また、第1後処理装置40には、端綴じされた用紙束が積載される第1積載部43が設けられている。また、第1後処理装置40には、第1後処理装置40での処理が行われない用紙Pまたは穴あけだけが施された用紙Pが積載される第2積載部45が設けられている。
また、第1後処理装置40には、用紙束に対する綴じ処理や折り処理を行って見開き状の冊子を作製する中綴じユニット44が設けられている。
【0012】
図2は、制御部100の構成を示した図である。
制御部100には、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部120と、プログラムなどの情報が記録される2次記憶部129と、外部装置との間における情報の送受信を行う通信部130とを有する。
2次記憶部129は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0013】
演算処理部120には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。本実施形態では、このCPU11aが、本実施形態に係る処理を実行する。
また、演算処理部120には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部120には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11dが設けられている。
【0014】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。
本実施形態では、CPU11aが、2次記憶部129やROM11cに記憶されたプログラムを読み込むことによって、以下で説明する各処理が実行される。
演算処理部120と、2次記憶部129と、通信部130とは、バスや信号線を通じて接続されている。
【0015】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、制御部100へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、制御部100へ提供してもよい。
【0016】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0017】
図3は、第1後処理装置40に設けられた中綴じユニット44の構成を説明する図である。
中綴じユニット44には、用紙Pが集積される用紙集積部440が設けられている。用紙集積部440には、順次搬送されてくる用紙Pを支持する用紙支持部材441が設けられている。用紙支持部材441は、板状の部材により構成されている。用紙支持部材441は、用紙Pを下方から支持する支持面441Aを有する。
用紙支持部材441は、水平方向および鉛直方向に対して傾斜した状態で設けられている。用紙支持部材441は、下方に向かうに従い、押圧手段の一例としての押圧ロール448(詳細は後述)が設けられている側とは反対側に向かうように配置されている。
【0018】
支持面441Aの対向位置には、下方に向かって移動する用紙Pの案内を行う案内部材450が設けられている。案内部材450は、用紙支持部材441との間に間隙を有した状態で配置されるともに、用紙支持部材441に沿うように配置されている。
また、中綴じユニット44には、用紙Pを下方に向けて送り出す送り出しロール442が設けられている。また、中綴じユニット44には、用紙Pの一方の端部である下端部が押し当てられる被押し当て部443が設けられている。
【0019】
本実施形態では、用紙Pのこの一方の端部が、被押し当て部443に押し当てられる。これにより、送り出しロール442による用紙Pの送り出し方向における用紙Pの位置決めが行われる。
本実施形態では、送り出しロール442により送り出された用紙Pは、用紙支持部材441に沿って且つ下方に向かって移動する。そして、本実施形態では、用紙Pの一方の端部である下端部が、被押し当て部443に突き当たる。
【0020】
また、中綴じユニット44には、用紙支持部材441上に集積される用紙Pを被押し当て部443に向けて付勢する用紙付勢部材444が設けられている。この用紙付勢部材444は、弾性片が外周部に設けられた回転部材により構成されている。
また、中綴じユニット44には、用紙Pの側辺に向かって進出しこの側辺を押圧する押圧部材445が設けられている。
【0021】
また、中綴じユニット44には、用紙集積部440に集積された用紙Pによって構成された用紙束の綴じ処理を行う綴じ手段の一例としてのステープラ446が設けられている。
なお、本実施形態では、綴じ針を用いて用紙束の綴じを行う場合を説明するが、綴じ針は用いずに、用紙P同士を圧着させて綴じを行う形態としてもよい。
【0022】
また、中綴じユニット44には、記録媒体束の一例であるこの用紙束の一方の面側からこの用紙束に向かって進出してこの用紙束を押圧する進出部材447が設けられている。
本実施形態では、リンク機構やカム機構によって、用紙束に向かって進出部材447が移動する。
さらに、本実施形態では、押圧手段として機能する押圧ロール448が設けられている。
押圧ロール448は、進出部材447によって押圧されてこの押圧ロール448へ送り込まれる用紙束を挟み込む一対のロールにより構成されている。言い換えると、押圧ロール448は、一対の回転部材により構成されている。
【0023】
本実施形態では、この一対のロールとして、回転可能に設けられ上側に位置する第1押圧ロール448Aと、回転可能に設けられ下側に位置する第2押圧ロール448Bとが設けられている。
第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとは、互いに圧接する形で設けられている。
本実施形態では、第1押圧ロール448Aおよび第2押圧ロール448Bのうちの少なくとも一方の押圧ロール448を他方の押圧ロール448に向けて付勢するばねなどの弾性部材(不図示)が設けられている。
【0024】
本実施形態では、この弾性部材によって、第1押圧ロール448Aおよび第2押圧ロール448Bのうちの少なくとも一方の押圧ロールが他方の押圧ロールに向けて付勢され、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとが互いに圧接する。
押圧ロール448は、進出部材447により押圧されこの押圧ロール448へ移動してくる用紙束を押圧する。
【0025】
さらに、本実施形態では、押圧ロール448による押圧されている用紙束を下流側へ搬送する搬送手段の一例としての搬送ロール449が設けられている。
搬送ロール449は、用紙束の移動方向において、押圧ロール448よりも下流側に配置され、押圧ロール448による押圧されている用紙束を下流側に位置する第2後処理装置50へ搬送する。
【0026】
搬送ロール449も、一対のロールにより構成されている。
搬送ロール449には、回転可能に設けられ上側に位置する第1搬送ロール449Aと、回転可能に設けられ下側に位置する第2搬送ロール449Bとが設けられている。
第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとは、互いに圧接する形で設けられている。
押圧ロール448と同様、本実施形態では、第1搬送ロール449Aおよび第2搬送ロール449Bのうちの少なくとも一方の搬送ロールを他方の搬送ロールに向けて付勢するばねなどの弾性部材(不図示)が設けられている。
本実施形態では、この弾性部材によって、第1搬送ロール449Aおよび第2搬送ロール449Bのうちの少なくとも一方の搬送ロールが他方の搬送ロールに向けて付勢され、第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとが互いに圧接する。
【0027】
図4(A)、(B)は、進出部材447、押圧ロール448、および、搬送ロール449を説明する図である。
図4(A)は、進出部材447、押圧ロール448、および、搬送ロール449を上方から見た場合の図である。図4(B)は、図4(A)の矢印IVBで示す方向から、進出部材447、押圧ロール448、および、搬送ロール449を見た場合の図である。
本実施形態では、図4(A)に示すように、押圧ロール448と搬送ロール449とは、互いに平行となる関係で配置されている。
【0028】
図4(A)に示すように、押圧ロール448を構成する第1押圧ロール448A、第2押圧ロール448B(図4(B)参照)の各々には、円柱状の回転軸448Nと、この回転軸448Nの外周面に取り付けられた円筒状の弾性体448Cとが設けられている。この弾性体448Cは、例えば、ゴムや、軟質の樹脂により構成される。
弾性体448Cは、複数設けられ、また、回転軸448Nの軸方向に並んだ状態で設けられている。互いに隣接する弾性体448Cの間には、間隙448Eが設けられている。
第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとは、接触部448G(図4(A)参照)にて接触している。
【0029】
また、図4(A)に示すように、第1搬送ロール449A、第2搬送ロール449B(図4(B)参照)の各々にも、円柱状の回転軸449Nと、この回転軸449Nの外周面に取り付けられた円筒状の弾性体449Cとが設けられている。この弾性体449Cは、例えば、ゴムや、軟質の樹脂により構成される。
弾性体449Cは、複数設けられ、また、回転軸449Nの軸方向に並んだ状態で設けられている。互いに隣接する弾性体449Cの間には、間隙449Eが設けられている。
第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとは、接触部449G(図4(A)参照)にて接触している。
【0030】
本実施形態では、モータを備える駆動装置500(図4(A)参照)からの駆動力を搬送ロール449が受け、搬送ロール449が回転する。
より具体的には、本実施形態では、第1搬送ロール449Aが駆動装置500からの駆動力を受けて回転する。そして、第2搬送ロール449B(図4(B)参照)が、第1搬送ロール449Aからの駆動力を受けて回転する。
【0031】
第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとは、接触部449G(図4(A)参照)にて接触しており、第2搬送ロール449Bは、この接触部449Gにて、第1搬送ロール449Aからの駆動力を受ける。
なお、第1搬送ロール449Aおよび第2搬送ロール449Bの各々に個別に駆動力を供給して、第1搬送ロール449Aおよび第2搬送ロール449Bの各々を個別に回転させてもよい。
本実施形態の搬送ロール449は、用紙束を押圧しながらこの用紙束の搬送を行う。
【0032】
一方、押圧ロール448は、用紙束からの力を受けて回転する回転部材であり、用紙束の移動方向における下流側へ用紙束を移動させる力を用紙束に対して与えない。
本実施形態では、モータなどの駆動源からの押圧ロール448への駆動力の供給が行われず、本実施形態では、押圧ロール448から用紙束に対して、用紙束の移動方向における下流側へこの用紙束を移動させる力が作用しない。
【0033】
本実施形態では、押圧ロール448から用紙束に作用する押圧力の方が、搬送ロール449から用紙束に作用する押圧力よりも大きくなっている。具体的には、本実施形態では、図4(B)にて示す荷重448Xの方が、荷重449Xよりも大きくなっている。
本実施形態では、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとの間における圧接力の方が、第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとの間における圧接力よりも大きい。
言い換えると、本実施形態では、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとが接触する接触部448Gにおける両者の接触圧の方が、第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとが接触する接触部449Gにおける両者の接触圧よりも大きい。
【0034】
進出部材447(図4(A)参照)には、押圧ロール448の軸方向に沿って延びる基部447Aと、この基部447Aから押圧ロール448、搬送ロール449側に向かって突出する突出部447Cとが設けられている。
突出部447Cは、複数設けられ、また、押圧ロール448の軸方向に並んでいる。
【0035】
図5(A)、(B)は、進出部材447の進出後の状態を示した図である。
本実施形態では、進出部材447が、押圧ロール448、搬送ロール449に向かって進出すると、図5(A)に示すように、押圧ロール448に設けられた間隙448Eの間に、進出部材447の突出部447Cが入りこむ。
また、搬送ロール449に設けられた間隙449Eの間に、進出部材447の突出部447Cが入りこむ。
【0036】
さらに、本実施形態では、進出部材447が進出すると、進出部材447の突出部447Cが、図5(B)に示すように、第1押圧ロール448Aの回転軸448Nと第2押圧ロール448Bの回転軸448Nとの間を通る。
また、進出部材447が進出すると、進出部材447の突出部447Cの先端部447Eが、第1搬送ロール449Aの回転軸449Nと第2搬送ロール449Bの回転軸449Nとの間に位置する空間に達する。
【0037】
本実施形態では、進出部材447が、押圧ロール448を通過し、搬送ロール449まで達する構成となっている。
本実施形態では、進出部材447により押圧されている用紙束(図5では不図示)が搬送ロール449に接触する際の進出部材447の移動速度が、搬送ロール449を構成する第1搬送ロール449A、第2搬送ロール449Bの周速と同じとなっており、又は、この周速よりも大きい。
【0038】
図3を参照し、折り処理や綴じ処理が行われる場合における各部の動きを説明する。
折り処理や綴じ処理が行われる場合、まず、中綴じユニット44の送りロール442が、上流側から送られてきた用紙P(図3では不図示)を用紙支持部材441へ送り出す。
複数枚の用紙Pに対する処理が行われる場合、送りロール442は、用紙支持部材441への用紙Pの送り出しを複数回行う。
【0039】
これにより、予め設定された枚数の用紙Pが、この用紙支持部材441上に集積され、用紙支持部材441上には用紙束が生成される。
なお、用紙束が1枚の用紙Pにより構成される場合は、1枚の用紙Pが用紙支持部材441上に集積される。本明細書において、「用紙束」には、1枚の用紙Pにより構成されるものも含まれる。
【0040】
用紙支持部材441上に用紙Pが集積される際、用紙Pを下方から支持する被押し当て部443は、例えば用紙Pの中央部分がステープラ446によるステープル位置に位置するように停止している。また、このとき、用紙付勢部材444は、回転し、集積される用紙Pを被押し当て部443に向けて付勢する。
また、用紙支持部材441に用紙Pが集積される際、押圧部材445が、用紙支持部材441上に用紙Pが搬送されてくる度にこの用紙Pの側辺を押圧する。
【0041】
用紙支持部材441上に予め定められた枚数の用紙Pが集積された後、ステープラ446によって、用紙Pの例えば中央部分に対する綴じ処理が行われる。
なお、綴じ処理が実行されずに、折り処理のみが行われる場合は、ステープラ446による綴じ処理は行われない。
次いで、被押し当て部443が上方へ移動し、折り処理が行われる部分である折り部分が、進出部材447の先端部447Eの対向位置に配置される。より具体的には、例えば、用紙束の中央部分が、進出部材447の先端部447Eの対向位置に配置される。
【0042】
用紙束の折り位置が、進出部材447の先端部447Eの対向位置へ移動した後、進出部材447が、用紙束の一方の面側からこの用紙束に向かって進出し、この用紙束を押圧する。
これにより、用紙束は、用紙支持部材441に設けられた開口(不図示)を通って、用紙支持部材441の裏側にある押圧ロール448に向かう。本実施形態では、用紙束を押圧する進出部材447が押圧ロール448に向かい、これに伴い、進出部材447により押圧されている用紙束が押圧ロール448に向かう。
そして、用紙束が押圧ロール448に達すると、この押圧ロール448によって、この用紙束の両面側から用紙束が押圧される。
【0043】
なお、上記では、用紙支持部材441に用紙Pが集積される際に、用紙Pの中央部分がステープラ446によるステープル位置に位置するように、被押し当て部443が配置される場合を説明したが、被押し当て部443の配置位置はこれに限られない。
ステープラ446による綴じ処理が行われない場合には、用紙Pの中央部分が進出部材447の先端部447Eの対向位置に位置するように、被押し当て部443が配置されるようにしてもよい。
【0044】
用紙束が押圧ロール448によって押圧された後、本実施形態では、用紙束が搬送ロール449に達する。より具体的には、本実施形態では、用紙束を押圧する進出部材447が搬送ロール449に達し、これにより、用紙束が搬送ロール449に達する。
用紙束が搬送ロール449に達すると、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始され、用紙束は、第2後処理装置50へ送られる。
本実施形態の進出部材447は、上記の通り、搬送ロール449の設置箇所まで移動する。このため、用紙束が搬送ロール449に達し、用紙束が搬送ロール449によって搬送される。
【0045】
このようにして、ステープラ446による綴じ処理、および、進出部材447および押圧ロール448による折り処理が行われた用紙束が生成され、さらに、この用紙束が、搬送ロール449によって搬送される。
あるいは、ステープラ446による綴じ処理は行われず、進出部材447および押圧ロール448による折り処理のみが行われた用紙束が生成され、さらに、この用紙束が、搬送ロール449によって搬送される。
【0046】
図6(A)~(C)は、進出部材447、押圧ロール448、および、搬送ロール449の動きを示した図である。
折り処理が行われる際には、まず、図6(A)に示すように、進出部材447が、用紙束の一方の面923側からこの用紙束に向かって進出する。
本実施形態では、用紙束が有する2つの面のうちの1つの面側から用紙束に向かって進出部材447が進出し、用紙束がこの進出部材447により押圧される。
【0047】
このとき、本実施形態では、用紙束の一端部921が下方に位置し、他端部922が上方に位置する。
本実施形態では、進出部材447は、一端部921および他端部922を有するこの用紙束のうちの一端部921と他端部922との間に位置する部分に向かって進出して用紙束を押圧する。
より具体的には、進出部材447は、用紙束のうちの一端部921と他端部922との間の中間位置に位置する中央部分に向かって進出して用紙束を押圧する。
【0048】
これにより、この例では、図6(B)に示すように、用紙束のうちの進出部材447により押圧されている部分である、用紙束の中央部分が、押圧ロール448へ達する。
用紙束の中央部分は、用紙束のうち、進出部材447により押圧されている部分である被押圧部分924であり、本実施形態では、この被押圧部分924が先頭となって移動し、この被押圧部分924が、押圧ロール448に達する。
そして、図6(B)に示すように、押圧ロール448によって、この用紙束の押圧が開始される。
本実施形態では、用紙束のうちの折り処理により外側となる面925(図6(B)参照)に、押圧ロール448が接触して、用紙束の押圧が行われる。
【0049】
より具体的には、本実施形態では、外側となる面925のうち、被押圧部分924と一端部921との間に位置する部分に第2押圧ロール448Bが接触し、外側となる面925のうち、被押圧部分924と他端部922との間に位置する部分に第1押圧ロール448Aが接触して、用紙束の押圧が行われる。
その後、本実施形態では、図6(C)に示すように、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始される。この際、本実施形態では、押圧ロール448により用紙束が押圧されている状態にある。これにより、本実施形態では、用紙束からの一部の用紙Pの離脱が抑制される。
【0050】
図7は、搬送ロール449に用紙束が到達する際の用紙束の状態を示した図である。なお、図7では、進出部材447の図示を省略している。
本実施形態では、図7のように、搬送ロール449に到達する用紙束は、既に押圧ロール448(図7では不図示)により押圧されており、扁平状となっている。
このため、用紙束は、搬送ロール449に触れない状態で、搬送ロール449の接触部449Gの直前まで移動する。そして、用紙束は、搬送ロール449の接触部449Gに進入する。用紙束が接触部449Gに進入すると、搬送ロール449からの力を用紙束が受け、用紙束は下流側へ移動する。
【0051】
図8は、比較例を示した図である。
この比較例では、押圧ロール448が設けられておらず、搬送ロール449のみが設けられており、搬送ロール449によって用紙束の押圧および搬送が行われる。
この比較例では、進出部材447により押圧されている用紙束が搬送ロール449に達すると、搬送ロール449に対して用紙束が接触し、これに伴い、用紙束のうちの搬送ロール449に最も近い用紙PNが、搬送ロール449によって下流側へ送られる。これにより、用紙束から、この最も近い用紙PNが離脱する。
【0052】
この比較例では、進出部材447が搬送ロール449に達する際の進出部材447の移動速度よりも、搬送ロール449の周速の方が大きくなっている。
この場合、進出部材447により押圧されている用紙束が搬送ロール449に達すると、上記の最も近い用紙PNが、搬送ロール449によって下流側へ送られ、用紙束から、この最も近い用紙PNが離脱する。
また、図示は省略するが、用紙束の綴じ処理が行われている場合においては、最も近い用紙PNが離脱すると、この最も近い用紙PNなどが破れるなどの事態が生じる。
【0053】
この比較例では、図中矢印449Yで示す方向における移動速度を比べた場合に、搬送ロール449の表面の移動速度の方が、進出部材447の移動速度よりも大きくなる。
また、この比較例では、用紙束を構成する用紙Pと搬送ロール449の表面との間に作用する摩擦力の方が、用紙束を構成する用紙P間に作用する摩擦力よりも大きい。
この場合、用紙束を構成する用紙Pのこしが小さい場合などに、上記の最も近い用紙PNが離脱する。
【0054】
また、用紙束を構成する用紙Pの枚数が多いと、用紙束を構成する用紙Pと搬送ロール449との接触圧がさらに大きくなり、最も近い用紙PNの離脱がさらに生じやすくなる。また、用紙束を構成する用紙Pのこしが小さいほど、最も近い用紙PNの離脱が生じやすくなる。
さらに、上記の最も近い用紙PNが有する2つの面のうちの搬送ロール449側に位置する一方の面の摩擦係数が大きいほど、また、この一方の面とは反対側に位置する反対面の摩擦係数が小さいほど、最も近い用紙PNの離脱が生じやすくなる。
なお、最も近い用紙PNの離脱を抑制するために、進出部材447の移動速度を大きくする態様も考えられが、この場合は、用紙束を構成する用紙Pにしわが生じやすくなる。
【0055】
これに対し、本実施形態の構成では、上記の通り、搬送ロール449に加え、押圧ロール448が設けられている。
この場合、図6(C)に示すように、この押圧ロール448によって用紙Pが拘束されている状態にて、搬送ロール449による用紙Pの搬送が開始される。
この場合、上記の最も近い用紙PNが、搬送ロール449によって搬送されやすい状況にあったとしても、この最も近い用紙PNの移動が規制され、この最も近い用紙PNの離脱が抑制される。
また、本実施形態では、図7に示した通り、用紙束は、搬送ロール449に触れない状態で、搬送ロール449の接触部449Gの直前まで移動して、この接触部449Gに進入する。本実施形態では、これによっても、上記の最も近い用紙PNの離脱が抑制される。
【0056】
本実施形態では、押圧ロール448(図6(C)参照)は、用紙束を介して進出部材447からの力を受け、この進出部材447に従動して回転する。
この場合、押圧ロール448から用紙束に作用する力の向きは、用紙束の移動方向とは逆方向となる。この場合、押圧ロール448から用紙束に作用するこの力は、用紙Pを離脱させる力とはならない。
また、本実施形態のように、押圧ロール448が進出部材447に従動して回転する構成では、押圧ロール448と進出部材447との間における両者の速度差が生じにくくなる。この場合、押圧ロール448と進出部材447との間における速度差に起因する用紙Pのしわが生じにくくなる。
【0057】
なお、上記では、押圧ロール448が、用紙束の搬送機能を有していない場合を説明したが、これに限らず、押圧ロール448が、用紙束の搬送機能を有する構成としてもよい。
但し、この場合は、押圧ロール448による用紙束の搬送の速度よりも、搬送ロール449による用紙束の搬送の速度の方を大きくすることが好ましい。
【0058】
また、押圧ロール448が、用紙束の搬送機能を有する構成では、進出部材447が押圧ロール448を通過する際の進出部材447の移動速度よりも、押圧ロール448に設けられた第1押圧ロール448A、第2押圧ロール448Bの各々の周速の方を小さくすることが好ましい。
より具体的には、進出部材447(図4(A)参照)に設けられた突出部447Cの先端部447Eが、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとの接触部448Gの横を通過する際の進出部材447の移動速度よりも、第1押圧ロール448A、第2押圧ロール448Bの各々の周速の方を小さくすることが好ましい。
【0059】
また、その他に、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始された後、押圧ロール448からこの用紙束に作用する押圧力を低下させるようにしてもよい。
言い換えると、搬送ロール449に設けられた第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449Bとにより用紙束が挟まれた後に、押圧ロール448からこの用紙束に作用する押圧力を低下させるようにしてもよい。
【0060】
押圧ロール448から用紙束に作用する押圧力を低下させる場合は、例えば、押圧ロール448を構成する第1押圧ロール448A(図4(B)参照)、第2押圧ロール448Bのうちの少なくとも一方の押圧ロールを他方の押圧ロールから離れる方向へ移動させる。
より具体的には、押圧ロール448から用紙束に作用する押圧力を低下させる場合は、少なくとも一方の押圧ロールを移動させる移動機構を設けるようにし、この移動機構を用いて、少なくとも一方の押圧ロールを他方の押圧ロールから離れる方向へ移動させる。
この移動機構は、特に限定されず、カムやリンクなど公知の機構により構成する。
【0061】
なお、少なくとも一方の押圧ロールを他方の押圧ロールから離れる方向へ移動させる際には、両者が完全に離れるようにしてよいし、両者の接触を維持しつつ少なくとも一方の押圧ロールを他方の押圧ロールから離れる方向へ移動させるようにしてもよい。
本明細書において、押圧ロール448から用紙束に作用する押圧力を低下させる態様には、この押圧力を零とする態様も含む。
【0062】
また、本実施形態では、回転可能な押圧ロール448によって用紙束が押圧される場合を一例に説明したが、押圧ロール448の回転は必須ではない。
例えば、押圧ロール448に替えて、少なくとも一方がパッド状の部材により構成された一対の部材を設けるようにしてもよい。この場合、用紙束が、この一対の部材の間を通過することで、この用紙束の押圧が行われる。
【0063】
また、その他に、本実施形態では、図4(A)、(B)に示すように、押圧ロール448と搬送ロール449とが同じ形状となっているが、押圧ロール448の形状と搬送ロール449の形状とを異ならせてもよい。
例えば、押圧ロール448に設けられた弾性体448C(図4(A)参照)の直径と、搬送ロール449に設けられた弾性体449Cの直径とを異ならせてもよい。また、例えば、押圧ロール448に設けられた回転軸448Nの直径と、搬送ロール449に設けられた回転軸449Nの直径とを異ならせてもよい。
また、例えば、押圧ロール448に設けられた弾性体448Cの硬度と、搬送ロール449に設けられた弾性体449Cの硬度とを異ならせてもよい。
【0064】
また、押圧ロール448の表面の摩擦係数を高くすることは必ずしも必要ではなく、押圧ロール448のうちの用紙束に接触する部分を、金属としてもよい。
但し、押圧ロール448を用紙束が通過したときに第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとが接触することにより生じる衝突音や、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとが接触することに起因する傷の発生を抑制する観点からは、第1押圧ロール448Aと第2押圧ロール448Bとが互いに接触する箇所を、ゴムなどの弾性部材により構成することが好ましい。
【0065】
また、本実施形態では、図4(A)に示すように、用紙束の移動方向と直交する直交方向において、押圧ロール448に設けられた弾性体448Cの位置と、搬送ロール449に設けられた弾性体449Cの位置とが一致する。ところで、弾性体448Cの位置、弾性体449Cの位置はこれに限られない。
押圧ロール448に設けられた弾性体448Cの上記の直交方向における位置と、搬送ロール449に設けられた弾性体449Cのこの直交方向における位置とを異ならせてもよい。
【0066】
また、その他に、押圧ロール448に接触し押圧ロール448の回転速度を低下させる低下機構を設けてもよい。
押圧ロール448に対し、複数の用紙束が連続して供給される場合、一の用紙束が押圧ロール448に供給されることによって押圧ロール448が慣性によって回転し、次の用紙束が押圧ロール448に供給される時点において、この回転が継続している事態が生じうる。
低下機構を設ければ、上記の次の用紙束が押圧ロール448に供給される際には、押圧ロール448は停止し、あるいは、押圧ロール448の回転数は小さくなる。
【0067】
本実施形態のように、搬送ロール449よりも上流側に押圧ロール448が設けられていると、搬送ロール449が用紙束を搬送する際に要する力が小さくなる。
より具体的には、搬送ロール449が用紙束を搬送する際に要する力が、搬送ロール449にて用紙束の押圧と搬送の両方を行う場合に比べて小さくなる。
【0068】
言い換えると、押圧ロール448が設けられておらず、搬送ロール449にて用紙束の押圧と搬送の両方を行う場合に比べ、搬送ロール449が用紙束を搬送する際に要する力が小さくなる。
具体的には、本実施形態では、搬送ロール449が用紙束を搬送する際に要する力は、搬送ロール449にて用紙束の押圧と搬送の両方を行う場合に要する力の数分の1から数十分の1となる。
【0069】
図9は、進出部材447の進出に要する荷重を示した図である。
押圧ロール448が設けられておらず、搬送ロール449にて用紙束の押圧と搬送の両方を行う場合、図9の符号99Aで示すように、進出部材447の進出に要する荷重は大きくなる。
これに対し、本実施形態のように、押圧ロール448と搬送ロール449とが個別に設けられている場合、符号99Bで示すように、進出部材447の進出に要する荷重は小さくなる。
【0070】
図10は、用紙支持部材441の他の配置例を示した図である。
上記では、用紙支持部材441(図3参照)が、下方に向かうに従い、押圧ロール448が設けられている側とは反対側に向かうように傾斜する態様を説明したが、用紙支持部材441の配置の態様はこれに限らない。
図10に示すように、用紙支持部材441が、下方に向かうに従い、押圧ロール448が設けられている側に向かうように傾斜する態様としてもよい。この場合、用紙Pを支持する支持面441Aは、押圧ロール448側を向き、用紙支持部材441よりも押圧ロール448側に、用紙Pが集積される。
【0071】
〔他の構成例〕
図11(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。図11(A)は正面図であり、図11(B)は上面図である。また、図11(B)では、用紙束については、図11(A)のXIB-XIB線における断面の状態を示している。
この構成例でも、図11(A)、(B)に示すように、用紙束の移動方向において、進出部材447よりも下流側に、用紙束の搬送を行う搬送ロール449が設けられている。なお、この構成例では、上記にて説明した押圧ロール448は設けられていない。
進出部材447および搬送ロール449は、図4にて示した進出部材447、搬送ロール449と同様に構成されている。搬送ロール449は、進出部材447により押圧されている用紙束に接触して、この用紙束を下流側へ搬送する。
【0072】
この構成例では、さらに、図11(A)、(B)に示すように、進出部材447に対する用紙束の移動を規制する規制手段の一例としての規制部材510が設けられている。
この規制部材510は、進出部材447により押圧されている用紙束のこの進出部材447に対する移動を規制する(詳細は後述)。
さらに、この構成例では、図11(A)に示すように、規制部材510を移動させる移動機構520が設けられている。
【0073】
図11(B)に示すように、移動機構520は、規制部材510の幅方向における一端部511側および他端部512側の両方に設けられている。
規制部材510の幅方向は、搬送ロール449の軸方向と一致し、規制部材510は、搬送ロール449の軸方向における位置が互いに異なる一端部511および他端部512を有する。移動機構520は、この一端部511側および他端部512側の両方に設けられている。
【0074】
移動機構520の各々は、プロセッサの一例としてのCPU11a(図2参照)からの指示に基づき動作する。
本実施形態では、図11(A)に示すように、移動機構520の一部として、回転中心521を中心に回転可能に設けられ規制部材510を支持する支持部材522が設けられている。
この構成例では、支持部材522は、複数設けられている。具体的には、この構成例では、2つ設けられた移動機構520の各々に、支持部材522が2つ設けられている。
【0075】
さらに、この構成例では、移動機構520の他の一部として、図11(A)に示すように、モータなどの駆動源(不図示)を有し回転中心521を中心として支持部材522を図中時計回り方向および反時計回り方向へ回転させる回転部523が設けられている。
図11(A)は、回転部523により、支持部材522が時計回り方向へ回転した状態を示しており、この状態では、支持部材522により支持されている規制部材510が図中左側方向に向かって付勢されてこの左方向へ移動した状態となっている。
言い換えると、図11(A)では、規制部材510が、用紙束の移動方向における上流側に向かって付勢されてこの上流側へ移動した状態となっている。
【0076】
図11(B)に示すように、規制部材510は、用紙束の移動方向における上流側に向かって突出する複数の突出部514を有し、図11(A)、(B)に示す状態では、この突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449よりも上流側に位置する。
より具体的には、突出部514の各々は、搬送ロール449(図11(B)参照)に設けられた弾性体449Cの間に位置する間隙449Eを通り、搬送ロール449よりも上流側に向かって突出している。
【0077】
また、突出部514の各々は、第1搬送ロール449A(図11(A)参照)に設けられた回転軸449Nと、第2搬送ロール449Bに設けられた回転軸449Nとの間を通り、搬送ロール449よりも上流側に向かって突出している。
突出部514の各々が、搬送ロール449よりも上流側に突出すると、図11(A)、(B)に示すように、突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449よりも上流側に位置する状態となる。
【0078】
図12(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。図12(A)は、図11(A)にて示した状態と同じ状態を示している。また、図12(A)~(C)の各々では、下段に正面図を示し、上段に上面図を示している。
本実施形態では、まず、図12(A)、(B)に示すように、進出部材447が、用紙束が有する2つの面のうちの1つの面81側からこの用紙束に向かって進出してこの用紙束の押圧を開始する。
この構成例では、進出部材447による用紙束の押圧が開始されると、図12(B)に示すように、進出部材447により押圧されている用紙束が、規制部材510に押し当てられる。
【0079】
本実施形態では、進出部材447が用紙束の押圧を開始する際、この用紙束の下流側に、規制部材510が待機しており、進出部材447により押圧される用紙束は、待機しているこの規制部材510に向かって移動してこの規制部材510に押し当てられる。
本実施形態では、進出部材447が、初期位置から予め定められた量だけ進出すると、進出部材447により押圧される用紙束が、規制部材510に押し当てられる。
【0080】
図12(B)に示す状態となると、規制部材510が、用紙束が有する上記の1つの面81とは反対側の面82に接触してこの用紙束の移動の規制を開始する。
本実施形態では、規制部材510は、進出部材447に向けて用紙束を付勢して、進出部材447に対する用紙束の移動を規制する。
ここで、規制部材510による用紙束の付勢は、規制部材510が自ら用紙束に向かって移動して用紙束の付勢を行う態様に限られない。
規制部材510による用紙束の付勢の態様には、図12(A)、(B)に示すこの構成例のように、待機している規制部材510に対して用紙束が押し当てられることにより、規制部材510が用紙束を進出部材447に向けて付勢する態様も含まれる。
【0081】
図12(B)に示すように、規制部材510は、用紙束のうちの進出部材447により押圧される部分である被押圧部分924をこの進出部材447に向けて付勢して、進出部材447に対する用紙束の移動を規制する。
規制部材510は、被押圧部分924を挟み進出部材447が位置する側とは反対側からこの被押圧部分924を進出部材447に向けて付勢して、進出部材447に対する用紙束の移動を規制する。
【0082】
また、この構成例では、図12(B)に示す状態の後、用紙束が搬送ロール449に達し、搬送ロール449によるこの用紙束の搬送が開始される。
搬送ロール449は、進出部材447により押圧され且つ規制部材510により移動が規制されている用紙束に接触して、この用紙束の搬送を開始する。
本実施形態では、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、規制部材510による用紙束の移動の規制が開始される。言い換えると、本実施形態では、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、規制部材510が用紙束に接触する。
さらに説明すると、本実施形態では、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、進出部材447と規制部材510とによって用紙束が挟まれる。
【0083】
なお、これに限らず、用紙束が搬送ロール449に接触した直後に、規制部材510による用紙束の移動の規制が開始されるようにしてもよい。言い換えると、用紙束が搬送ロール449に接触した直後に、規制部材510が用紙束に接触する構成としてもよい。
この場合は、図8にて示した、最も近い用紙PNが搬送ロール449によって搬送されるおそれがあるが、この最も近い用紙PNのすぐ下流側には、規制部材510(図12(B)参照)が位置しており、この最も近い用紙PNの移動は規制される。
この場合、この最も近い用紙PNの移動が規制されている状態にて、他の残りの用紙Pが規制部材510に向かって進出し、この場合も、用紙束が進出部材447と規制部材510とより挟まれる。これにより、この場合も、用紙束からの一部の用紙Pの離脱が生じにくくなる。
【0084】
その後、この構成例では、規制部材510(図12(B)参照)が、用紙束の移動方向における下流側へ移動する用紙束により押圧されながら、この下流側へ移動する。
そして、この構成例では、規制部材510(図12(C)参照)が有する突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449よりも下流側へ移動する。
突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449よりも下流側へ移動すると、図12(C)の下段に示すように、規制部材510が、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。これにより、規制部材510は、用紙束の移動の規制を止める。
【0085】
この構成例では、規制部材510は、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始された後、用紙束の移動経路100Rから外れた箇所へ退避し、用紙束の移動の規制を止める。
この構成例では、図12(A)~(C)に示すように、規制部材510は、搬送手段である搬送ロール449を通過するようになっており、用紙束が搬送ロール449を通過している最中にも、進出部材447に対する用紙束の移動の規制が行われる。
より具体的には、本実施形態では、規制部材510(図12(A)参照)に設けられた突出部514の先端部514Aが、図12(A)~(C)に示すように搬送ロール449を通過し、用紙束が搬送ロール449を通過している最中にも、進出部材447に対する用紙束の移動の規制が行われる。
【0086】
本実施形態では、図12(A)に示すように、進出部材447による用紙束の押圧が開始される際、規制部材510は、その先端部514Aが搬送ロール449よりも上流側に位置する状態で配置される。
さらに、進出部材447による用紙束の押圧が開始される際、規制部材510は、用紙束の移動方向において、用紙束よりも下流側に配置されるとともに、図12(A)の下段に示しているように、用紙束の移動経路100R上に配置される。
【0087】
この状態にて、進出部材447による用紙束の押圧が開始される。そして、この用紙束は、上記の通り、規制部材510による移動の規制が行われながら、搬送ロール449に達し、そして、搬送ロール449により搬送される。
搬送ロール449による用紙束の搬送が開始された後、規制部材510は、図12(B)、(C)に示すように、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。
【0088】
より具体的には、本実施形態では、CPU11aからの指示に応じて回転部523(図11(A)参照)が作動し、支持部材522(図12(C)の下段参照)が反時計回り方向へ回転する。これにより、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ、規制部材510が移動する。
本実施形態では、規制部材510は、その先端部514Aが搬送ロール449を通過した後、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。規制部材510が、移動経路100R上から外れた箇所へ移動することで、用紙束がこの移動経路100Rを通ってさらに下流側へ移動する。
【0089】
図13(A)、(B)は、規制部材510等の他の構成例を示した図である。図13(A)は正面図であり、図13(B)は上面図である。
この構成例における、基本的な構成は、図11、12にて示した構成と同じであり、図13(A)、(B)では、図11、12にて示した構成とは異なる構成を中心に説明する。
【0090】
図13にて示すこの構成例では、図13(A)に示すように、規制部材510が、用紙束の移動経路100Rを挟んで相対する2つの領域100U,100Bのうちの一方の領域100U側に配置された第1規制部材510Aと、他方の領域100B側に配置された第2規制部材510Bとにより構成されている。
また、この構成例では、図13(A)に示すように、移動機構520として、第1規制部材510Aを移動させる第1移動機構520Aと、第2規制部材510Bを移動させる第2移動機構520Bとが設けられている。
【0091】
第1移動機構520A、第2移動機構520Bの各々は、図11にて示した移動機構520と同様に構成されている。
本実施形態では、第1移動機構520Aとして、回転中心621を中心に回転可能に設けられ第1規制部材510Aを支持する第1支持部材622と、モータなどの駆動源を有し回転中心621を中心としてこの第1支持部材622を図中時計回り方向および反時計回り方向へ回転させる第1回転部623とが設けられている。第1支持部材622は、複数設けられている。
【0092】
また、第2移動機構520Bとして、回転中心721を中心に回転可能に設けられ第2規制部材510Bを支持する第2支持部材722が設けられている。
さらに、第2移動機構520Bとして、モータなどの駆動源を有し回転中心721を中心としてこの第2支持部材722を図中時計回り方向および反時計回り方向へ回転させる第2回転部723が設けられている。第2支持部材722は、複数設けられている。
【0093】
この構成例では、第1回転部623により、第1支持部材622が図中時計回り方向へ回転し、第1支持部材622により支持されている第1規制部材510Aが、用紙束の移動方向における上流側に向かって付勢されてこの上流側に向かって移動する。
また、第2回転部723により、第2支持部材722が図中反時計回り方向へ回転して、第2支持部材722により支持されている第2規制部材510Bが、用紙束の移動方向における上流側に向かって付勢されてこの上流側に向かって移動する。
これにより、この場合も、図13(A)に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bの各々に設けられた突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449よりも上流側に位置する。
【0094】
図14(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。
なお、図14(A)~(C)の各々では、下段に正面図を示し、上段に上面図を示している。また、図14(A)は、図13(A)、(B)にて示した状態と同じ状態を示している。
この構成例でも、まず、図14(A)、(B)に示すように、進出部材447が、用紙束が有する2つの面のうちの1つの面81側からこの用紙束に向かって進出してこの用紙束の押圧を開始する。
そして、この構成例では、図14(B)の下段に示すように、進出部材447により押圧される用紙束が、第1規制部材510A、第2規制部材510Bの両者に押し当てられる。
【0095】
図14(B)に示す状態となると、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束が有する上記の1つの面81とは反対側の面82に接触してこの用紙束の移動の規制を開始する。
その後、この構成例では、用紙束が、搬送ロール449に達し、搬送ロール449によるこの用紙束の搬送が開始される。
【0096】
この構成例でも、搬送ロール449は、進出部材447により押圧され且つ第1規制部材510A、第2規制部材510Bにより移動が規制されている用紙束に接触して、この用紙束の搬送を開始する。
なお、上記と同様、用紙束が搬送ロール449に接触した後に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bに用紙束が接触するようにしてもよい。この場合、用紙束が搬送ロール449に接触した後に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bによる用紙束の移動の規制が開始される。
【0097】
その後、第1規制部材510A、第2規制部材510Bの先端部514A(図14(B)の上段参照)が、搬送ロール449よりも下流側へ移動する。
次いで、図14(C)の下段に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動の規制を止める。
【0098】
この構成例では、第1規制部材510Aは、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動するにあたり、移動経路100Rよりも上方に位置する一方の領域100U側へ移動する。
また、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動するにあたり、移動経路100Rよりも下方に位置する他方の領域100B側へ移動する。
【0099】
より具体的には、この構成例では、第1移動機構520A(図14(B)の下段参照)に設けられた第1回転部623を作動させて、第1移動機構520Aに設けられた第1支持部材622を図中反時計回り方向へ回転させる。
また、第2移動機構520Bに設けられた第2回転部723を作動させて、第2移動機構520Bに設けられた第2支持部材722を図中時計回り方向へ回転させる。
これにより、第1規制部材510Aが、一方の領域100U(図14(C)の下段参照)側へ移動し、第2規制部材510Bが、他方の領域100B側へ移動する。
この結果、この構成例では、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが位置する。
【0100】
なお、図11~14にて示した移動機構520は一例であり、規制部材510の移動機構520は、特に限定されない。
用紙束の移動方向における上流側および下流側へ規制部材510を移動させ、さらに、規制部材510を用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動させることができる機構であれば、図11~14に示した移動機構520に限らず、他の移動機構520を用いてもよい。
【0101】
また、移動機構520としては、例えば、用紙束の移動経路100Rに沿って規制部材510を移動させる第1の移動部と、用紙束の移動経路100Rから離れる方向およびこの移動経路100Rに接近する方向へ規制部材510を移動させる第2の移動部の2つの移動部をそれぞれ個別に備える移動機構520を用いてもよい。
また、移動機構520を構成する要素も特に制限されず、カム、リンク、シリンダ、ソレノイド、モータなどの公知の既存の要素を組み合わせて移動機構520は構成すればよい。
【0102】
図15(A)、(B)は、図13、14にて示した第1規制部材510A、第2規制部材510Bの変形例を示した図である。
この変形例では、図15(A)に示すように、第1規制部材510Aのうちの第2規制部材510Bに対向する対向面510C、および、第2規制部材510Bのうちの第1規制部材510Aに対向する対向面510Dの各々に、回転可能な回転部材の一例としての回転ロール510Fが設けられている。
この回転ロール510Fは、複数設けられ、用紙束の移動方向に並んだ状態で設けられている。
【0103】
この変形例でも、図13(A)に示した第1支持部材622により第1規制部材510Aが支持され、図13(A)に示した第2支持部材722により第2規制部材510Bが支持される。
その一方で、この変形例では、第1支持部材622を回転させる第1回転部623(図13(A)参照)、第2支持部材722を回転させる第2回転部723は、ばねなど、回転力をこれらの支持部材に与える付勢部材によって構成されている。
【0104】
この変形例では、この付勢部材により、第1支持部材622、第2支持部材722の回転が行われて、第1規制部材510A(図15(A)参照)、第2規制部材510Bが、用紙束の移動方向における上流側に向かって付勢されて移動する。
さらに、この変形例では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bの先端部514Aに、進出部材447(図13参照)により押圧されて移動する用紙束の案内を行う案内部519が設けられている。
【0105】
図15に示すこの変形例では、進出部材447により押圧されて移動する用紙束が、第1規制部材510A(図15(A)参照)、第2規制部材510Bへ達すると、この用紙束により、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが押圧される。
これにより、図14(A)~(C)にて示した動きと同様、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動方向における下流側へ移動し、さらに、用紙束の移動経路100Rから外れた箇所へ移動する。
【0106】
この構成例では、第1規制部材510A(図15(A)参照)、第2規制部材510Bの各々に設けられた突出部514の先端部514Aが、搬送ロール449(図14(B)参照)よりも下流側へ達すると、第1規制部材510Aと第2規制部材510Bとの間に、搬送ロール449からの力を受けている用紙束が入り込む。
より具体的には、この構成例では、第1規制部材510A(図15(A)参照)、第2規制部材510Bの先端部514Aに、搬送ロール449からの力を受けている用紙束の案内を行う案内部519が設けられており、用紙束は、この案内部519により案内されて、第1規制部材510Aと第2規制部材510Bとの間に入り込む。
【0107】
これにより、第1規制部材510Aおよび第2規制部材510Bは、図15(B)に示すように、互いに離れる方向へ移動する。
この変形例では、第1規制部材510Aと第2規制部材510Bとが互いに離れる方向へ移動することで、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束の移動経路100Rから外れた箇所へ移動する。
具体的には、上記と同様、第1規制部材510Aは、移動経路100Rの一方の領域100U側に向かい、第2規制部材510Bは、移動経路100Rの他方の領域100B側に向かう。これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、移動経路100R上から外れた箇所に位置する。
【0108】
第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、移動経路100R上から外れた箇所に位置すると、図15(B)に示すように、第1規制部材510Aと第2規制部材510Bとの間に間隙100Kが生じることになる。
この構成例では、この間隙100K内を、搬送ロール449(図14(C)参照)からの力を受けている用紙束が移動する。この場合、用紙束は、第1規制部材510Aが有する対向面510Cと、第2規制部材510Bが有する対向面510Dとの間を通って移動する。
【0109】
対向面510C、対向面510Dには、回転ロール510Fが設けられており、対向面510Cと対向面510Dとの間を通って移動する用紙束は、この回転ロール510Fにより案内されながら移動する。
この構成例では、回転ロール510Fによる用紙束の案内が行われる際、回転ロール510Fは、用紙束からの力を受けて回転する。言い換えると、回転ロール510Fによる用紙束の案内が行われる際、回転ロール510Fは、用紙束に従動して回転する。
【0110】
この変形例では、第1規制部材510Aと、第2規制部材510Bとの間を用紙束が通過すると、第1回転部623(図13(A)参照)、第2回転部723の各々に設けられた付勢部材によって、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが移動し、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、当初の位置に復帰する。
これにより、図14(A)に示す状態となる。即ち、第1規制部材510A(図15(A)参照)の先端部514A、第2規制部材510Bの先端部514Aが、搬送ロール449よりも上流側に位置する状態となる。
【0111】
なお、図15では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bの2つの規制部材510が設けられている構成において、回転ロール510Fが設けられた場合を説明したが、図12にて示したように、1つの規制部材510が設けられている構成においても、この1つの規制部材510に回転ロール510Fを設けてもよい。
具体的には、図12(B)の符号510Pで示す箇所に、回転ロール510F(図12(B)では不図示)を設けてもよい。より具体的には、規制部材510のうち、移動経路100R(図12(C)参照)から退避した際にこの移動経路100Rに面する箇所に、回転ロール510Fを設けてもよい。
【0112】
図16(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。図16(A)は、上面図であり、図16(B)は、図16(A)の符号191で示す部分を拡大した図である。
上記にて説明した構成例では、規制部材510が、用紙束の移動経路100Rの上方又は下方へ移動する場合を説明した。
言い換えると、上記にて説明した構成例では、規制部材510が、移動経路100Rを通る用紙束の厚み方向へ移動する場合を説明した。
【0113】
これに対し、図16にて示すこの構成例では、規制部材510は、移動経路100Rを移動する用紙Pの延び方向へ且つ用紙束の移動方向と直交する方向へ移動する。
言い換えると、この構成例では、規制部材510は、用紙束の幅方向へ移動する。さらに説明すると、この構成例では、規制部材510は、搬送ロール449の軸方向へ移動する。
【0114】
この構成例でも、図16(A)に示すように、規制部材510として、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが設けられている。
この構成例では、第1規制部材510Aは、用紙束の移動経路100Rの一方の側方からこの移動経路100R上に突出する形で設けられている。また、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100Rの他方の側方からこの移動経路100R上に突出する形で設けられている。
さらに、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100Rから離れた側に位置する回転中心521を中心に回転可能に設けられている。
【0115】
さらに、この構成例では、移動機構520として、第1規制部材510Aを移動させる第1移動機構520A、第2規制部材510Bを移動させる第2移動機構520Bが設けられている。
第1移動機構520Aには、第1規制部材510Aを支持する第1支持部材673が設けられている。この第1支持部材673は、用紙束の移動方向に沿って移動可能に設けられている。
さらに、第1移動機構520Aには、用紙束の移動方向に沿って第1支持部材673を移動させる第1移動部674と、回転中心521を中心として第1規制部材510Aを回転させる第1回転部675とが設けられている。
【0116】
また、第2移動機構520Bには、第2規制部材510Bを支持する第2支持部材683が設けられている。この第2支持部材683は、用紙束の移動方向に沿って移動可能に設けられている。
さらに、第2移動機構520Bには、第2支持部材683を用紙束の移動方向に沿って移動させる第2移動部684と、回転中心521を中心として第2規制部材510Bを回転させる第2回転部685とが設けられている。
【0117】
第1移動部674、第2移動部684の構成は、特に限定されず、例えば、シリンダや、ラックアンドピニオン機構などにより構成される。
また、第1回転部675、第2回転部685の構成も特に限定されず、第1回転部675、第2回転部685は、例えば、モータやギアなどにより構成される。
【0118】
図17(A)~(C)は、各部の動きを示した図である。
この構成例でも、図17(A)に示すように、進出部材447が、用紙束が有する2つの面のうちの1つの面81側からこの用紙束に向かって進出してこの用紙束の押圧を開始する。
さらに、第1規制部材510Aおよび第2規制部材510Bが、この進出部材447に対するこの用紙束の移動の規制を開始する。
【0119】
この構成例では、進出部材447による用紙束の押圧が開始されると、図17(A)に示すように、進出部材447により押圧されている用紙束の幅方向における両端部が、規制部材510に押し当てられる。
この構成例では、図17(A)に示すように、第1規制部材510Aおよび第2規制部材510Bによって、用紙束の幅方向における一端部98Aおよび他端部98Bの両端部の移動が規制される。
【0120】
この構成例においても、用紙束の移動方向において、用紙束よりも下流側に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが待機する構成となっている。
進出部材447により押圧される用紙束は、待機しているこの第1規制部材510A、第2規制部材510Bに向かって移動してこの第1規制部材510A、第2規制部材510Bに押し当てられる。
【0121】
その後、この構成例では、図17(B)に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束により押圧されながら、用紙束の移動方向における下流側へ移動する。
より具体的には、この構成例では、第1移動部674、第2移動部684が作動して、第1支持部材673、第2支持部材683が移動し、これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束の移動方向における下流側へ移動する。
この際、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100R(図16参照)上に突出した状態にあり、さらに、用紙束により押圧されている状態にある。
【0122】
そして、この構成例では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束により押圧されながら、用紙束の移動方向における下流側へ移動している途中で、図17(B)に示すように、用紙束が、搬送ロール449に達する。これにより、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始される。
この構成例でも、搬送ロール449は、進出部材447により押圧され且つ第1規制部材510A、第2規制部材510Bにより移動が規制されている用紙束に接触して、この用紙束の搬送を開始する。
【0123】
この構成例でも、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bによる用紙束の移動の規制が開始される。
言い換えると、この構成例でも、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが用紙束に接触する。
さらに説明すると、この構成例でも、用紙束が搬送ロール449に接触する前に、進出部材447と第1規制部材510A、第2規制部材510Bとによって用紙束が挟まれる。
【0124】
なお、上記と同様、用紙束が搬送ロール449に接触した直後に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bによる用紙束の移動の規制が開始されるようにしてもよい。
言い換えると、用紙束が搬送ロール449に接触した直後に、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが用紙束に接触する構成としてもよい。
【0125】
その後、この構成例では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが搬送ロール449を通過する。
この構成例では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが搬送ロール449を通過すると、図17(C)に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束の移動経路100R(図16参照)上から外れた箇所へ移動する。
これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動の規制を止める。
【0126】
より具体的には、この構成例では、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動経路100Rの側方であって用紙束の幅方向へ向かい、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。
これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bによる用紙束の移動の規制が終了する。
第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始された後、用紙束の移動の規制を止める。
【0127】
この構成例でも、進出部材447による用紙束の押圧が開始される際、図17(A)に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、搬送ロール449よりも上流側に位置する状態で配置される。より具体的には、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、第1搬送ロール449Aと第2搬送ロール449B(図17では不図示)との接触部449Gよりも上流側に位置する状態で配置される。
さらに、進出部材447による用紙束の押圧が開始される際、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、用紙束の移動方向においてこの用紙束よりも下流側に配置されるとともに、この用紙束の移動経路100R(図16参照)上に配置される。
【0128】
さらに、この構成例では、搬送ロール449による用紙束の搬送が開始された後、図17(C)に示すように、用紙束の移動経路100R(図16参照)上から外れた箇所へ、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが移動する。
より具体的には、この構成例では、第1回転部675(図16参照)を作動させて、第1規制部材510Aを、反時計回り方向へ回転させる。また、第2回転部685(図16参照)を作動させて、第2規制部材510Bを時計回り方向へ回転させる。
これにより、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが移動する。
この構成例でも、図17(A)~(C)に示すように、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、搬送ロール449を通過した後、用紙束の移動経路100R上から外れた箇所へ移動する。
【0129】
なお、この構成例では、第1回転部675(図16参照)、第2回転部685を用い、第1規制部材510A、第2規制部材510Bを、用紙束の移動経路100R上から退避させたが、退避の方法はこれに限らず、他の方法を用いてもよい。
例えば、用紙束から第1規制部材510A、第2規制部材510Bに作用する荷重を利用して、第1規制部材510A、第2規制部材510Bを、用紙束の移動経路100R上から退避させてもよい。
【0130】
具体的には、この場合は、例えば、ばねなどの付勢部材を用い、用紙束の移動経路100R上へ、第1規制部材510A、第2規制部材510Bを突出させるようにする。
また、この場合、ばねなどの付勢部材を用い、第1支持部材673(図16参照)および第2支持部材683を、用紙束の移動方向における上流側へ付勢してこの上流側へ移動させる。
【0131】
そして、この場合、用紙束から第1規制部材510A、第2規制部材510Bに作用する荷重を利用して、第1規制部材510A、第2規制部材510Bを、用紙束の移動経路100R上から退避させる。
この場合、第1規制部材510A、第2規制部材510Bを用紙束の移動経路100R上へ突出させる付勢部材からの力に抗して、第1規制部材510A、第2規制部材510Bは、移動し、用紙束の移動経路100R上から退避する。
【0132】
より具体的には、この場合は、まず、用紙束から、第1規制部材510Aを介して第1支持部材673に伝わる荷重、および、用紙束から、第2規制部材510Bを介して第2支持部材683に伝わる荷重によって、第1支持部材673および第2支持部材683が、用紙束の移動方向における下流側へ移動する。
【0133】
第1支持部材673および第2支持部材683が、予め定められた箇所まで移動すると、第1支持部材673および第2支持部材683は、不図示の被突き当て部に突き当たり、移動を停止する。
第1支持部材673および第2支持部材683の移動が停止すると、用紙束から第1規制部材510A、第2規制部材510Bに対して作用する荷重が大きくなる。
これにより、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが回転し、第1規制部材510A、第2規制部材510Bが、用紙束の移動経路100R上から退避する。
【0134】
(付記)
(((1)))
一端部および他端部を有する記録媒体束のうちの当該一端部と当該他端部との間に位置する部分に向かって進出して当該記録媒体束を押圧する進出部材と、
前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分が先頭となって移動する前記記録媒体束を押圧する押圧手段と、
前記記録媒体束の移動方向において前記押圧手段よりも下流側に配置され、当該押圧手段により押圧されている記録媒体束を下流側へ搬送する搬送手段と、
を備え、
前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、
又は、
前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい、
記録媒体処理装置。
(((2)))
前記押圧手段から前記記録媒体束に対して、当該記録媒体束の移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力が作用せず、
前記押圧手段は、前記記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない(((1)))に記載の記録媒体処理装置。
(((3)))
前記押圧手段は、互いに圧接配置された一対の回転部材により構成され、
前記一対の回転部材は、前記記録媒体束からの力を受けて回転する回転部材であり、当該記録媒体束の前記移動方向における下流側へ当該記録媒体束を移動させる力を当該記録媒体束に対して与えない(((2)))に記載の記録媒体処理装置。
(((4)))
前記押圧手段は、前記記録媒体束の搬送機能を有し、
前記押圧手段による前記移動方向への前記記録媒体束の搬送の速度よりも、前記搬送手段による当該移動方向への当該記録媒体束の搬送の速度の方が大きい(((1)))に記載の記録媒体処理装置。
(((5)))
前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始される際、前記押圧手段により当該記録媒体束が押圧されている状態にある(((1)))乃至(((4)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((6)))
前記搬送手段は、前記記録媒体束を押圧しながら当該記録媒体束の搬送を行い、
前記押圧手段から前記記録媒体束に作用する押圧力の方が、前記搬送手段から当該記録媒体束に作用する押圧力よりも大きい(((1)))乃至(((5)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((7)))
前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、前記押圧手段から当該記録媒体束に作用する押圧力が低下する(((1)))乃至(((6)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((8)))
前記進出部材が、前記搬送手段まで達する(((1)))乃至(((7)))のいずれかに記載の記録媒体処理装置。
(((9)))
記録媒体束が有する2つの面のうちの1つの面側から当該記録媒体束に向かって進出し当該記録媒体束を押圧する進出部材と、
前記進出部材により押圧されている前記記録媒体束の当該進出部材に対する移動を規制する規制手段と、
前記規制手段により移動が規制されている前記記録媒体束に接触し、当該記録媒体束を搬送する搬送手段と、
を備える記録媒体処理装置。
(((10)))
前記規制手段は、前記記録媒体束が有する前記1つの面とは反対側の面に接触して当該記録媒体束の移動を規制する(((9)))に記載の記録媒体処理装置。
(((11)))
前記規制手段は、前記進出部材に向けて前記記録媒体束を付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する(((9)))又は(((10)))に記載の記録媒体処理装置。
(((12)))
前記規制手段は、前記記録媒体束のうちの前記進出部材により押圧される部分である被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢して、当該進出部材に対する当該記録媒体束の移動を規制する(((11)))に記載の記録媒体処理装置。
(((13)))
前記規制手段は、前記被押圧部分を挟み前記進出部材が位置する側とは反対側から当該被押圧部分を当該進出部材に向けて付勢する(((12)))に記載の記録媒体処理装置。
(((14)))
前記規制手段は、前記搬送手段による前記記録媒体束の搬送が開始された後、当該記録媒体束の移動の規制を止める(((9)))乃至(((13)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((15)))
前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段による当該記録媒体束の搬送が開始された後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する(((9)))乃至(((14)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((16)))
前記規制手段は、前記搬送手段を通過し、前記記録媒体束が当該搬送手段を通過している最中にも、前記進出部材に対する当該記録媒体束の移動の規制を行う(((9)))乃至(((15)))の何れかに記載の記録媒体処理装置。
(((17)))
前記規制手段は、前記記録媒体束の移動方向において当該記録媒体束よりも下流側に配置されるとともに当該記録媒体束の移動経路上に配置され、前記搬送手段を通過した後、当該移動経路上から外れた箇所へ移動する(((16)))に記載の記録媒体処理装置。
(((18)))
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置と、当該画像形成装置による画像の形成が行われた記録媒体に対する処理を行う記録媒体処理装置とを備え、当該記録媒体処理装置が、(((1)))乃至(((17)))の何れかに記載された記録媒体処理装置を含んで構成された画像形成システム。
【0135】
(((1)))に係る記録媒体処理装置によれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
(((2)))に係る記録媒体処理装置によれば、押圧手段から記録媒体束に対して、記録媒体束の移動方向における下流側へ記録媒体束を移動させる力が作用する場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
(((3)))に係る記録媒体処理装置によれば、一対の回転部材が駆動源からの駆動力を受けて自ら回転する構成に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
(((4)))に係る記録媒体処理装置によれば、押圧手段による記録媒体束の搬送の速度の方が、搬送手段による記録媒体束の搬送の速度よりも大きい場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
(((5)))に係る記録媒体処理装置によれば、搬送手段による記録媒体束の搬送が開始される際に、記録媒体束が押圧手段により押圧されていない場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
(((6)))に係る記録媒体処理装置によれば、押圧手段から記録媒体束に作用する押圧力の方が、搬送手段から記録媒体束に作用する押圧力よりも小さい場合に比べ、記録媒体束の含まれる一部の記録材が離脱することを抑制することができる。
(((7)))に係る記録媒体処理装置によれば、押圧手段から記録媒体束に作用する押圧力が低下しない構成に比べ、搬送手段による記録媒体束の搬送をより円滑なものにできる。
(((8)))に係る記録媒体処理装置によれば、進出部材が搬送手段まで達しない構成に比べ、搬送手段まで記録媒体束をより確実に移動させることができる。
(((9)))に係る記録媒体処理装置によれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
(((10)))に係る記録媒体処理装置によれば、記録媒体束が有する1つの面であって進出部材により押圧される側の面であるこの1つの面とは反対側の面側から記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
(((11)))に係る記録媒体処理装置によれば、進出部材以外に向けて記録媒体束を付勢する場合に比べ、進出部材に対する記録媒体束の移動をより確実に規制することができる。
(((12)))に係る記録媒体処理装置によれば、記録媒体束のうちの進出部材により押圧される部分である被押圧部分を進出部材に向けて付勢して、進出部材に対する記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
(((13)))に係る記録媒体処理装置によれば、被押圧部分を挟み進出部材が位置する側とは反対側からこの被押圧部分を進出部材に向けて付勢することができる。
(((14)))に係る記録媒体処理装置によれば、搬送手段による記録媒体束の搬送が開始された後に、記録媒体束の移動の規制を止めることができる。
(((15)))に係る記録媒体処理装置によれば、記録媒体束の移動経路上に規制手段が位置して記録媒体の移動がこの規制手段により阻害されることを防止できる。
(((16)))に係る記録媒体処理装置によれば、記録媒体束が搬送手段を通過している最中にも、進出部材に対する記録媒体束の移動の規制を行うことができる。
(((17)))に係る記録媒体処理装置によれば、記録媒体束の移動経路上に規制手段が位置して記録媒体の移動がこの規制手段により阻害されることを防止できる。
(((18)))に係る画像形成システムによれば、折り処理が行われる記録媒体束の移動を規制する構成が設けられていない場合に比べ、記録媒体束に対する折り処理が行われている最中に記録媒体束の搬送が開始されることに起因する折り処理の質の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0136】
1…画像形成システム、2…画像形成装置、3…用紙処理装置、81…1つの面、82…反対側の面、100R…移動経路、447…進出部材、448…押圧ロール、448A…第1押圧ロール、448B…第2押圧ロール、449…搬送ロール、510…規制部材、921…一端部、922…他端部、924…被押圧部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17