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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080882
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194208
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】青木 敏師
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA07
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】自店を含む特定の商圏に属する遊技場の遊技機の入替の傾向を把握し、効果的な入替戦略の策定に役立てる。
【解決手段】管理装置6は、総入替台数(例えば店舗「AAA」の導入台数「410」台)に対する貢献中台数(例えば店舗「AAA」の貢献中台数「168」台)の割合である貢献シェア率(店舗「AAA」の貢献シェア率「41.0%」)を、マーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示する。所定商圏においてどの程度の遊技機1の入替が行われ、何れの遊技場に貢献中の遊技機1がどの程度導入されているか把握することができる。自店を含む特定の商圏に属する遊技場の遊技機1の入替の傾向を把握し、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技場毎に設置される各遊技機の遊技情報を収集する遊技情報収集手段と、
前記複数の遊技場毎に設置される各遊技機の設置状況を示す設置情報を収集する設置情報収集手段と、
前記遊技情報収集手段による遊技情報と前記設置情報収集手段による設置情報とに基づいて特定の遊技場、及び当該特定の遊技場を含む所定商圏に属する複数の競合遊技場のうち何れかに設置される遊技機の遊技情報と設置情報とを含むマーケットデータを作成するマーケットデータ作成手段と、
対象となる遊技情報の基準を示す基準遊技情報を設定する設定手段と、
前記遊技情報の単位期間情報である単位遊技情報と前記基準遊技情報とを比較し、前記単位遊技情報が前記基準遊技情報を上回った期間である貢献期間が終了したか否かを特定する貢献終了特定手段と、
前記設置情報により所定期間に遊技場に新たに設置された遊技機の総台数である総入替台数を集計する総入替台数集計手段と、
前記総入替台数のうち前記所定期間において前記貢献終了特定手段により貢献期間が終了していないと特定した遊技機の総台数である貢献中台数を集計する貢献中台数集計手段と、
前記所定期間における前記総入替台数に対する前記貢献中台数の割合である貢献シェア率を算出する貢献シェア率算出手段と、
前記貢献シェア率を前記マーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示する表示手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記対象となる遊技情報は、遊技機の稼動状況を示す稼動情報、及び遊技機を稼動させることで遊技場が得た粗利状況を示す粗利情報のうち少なくとも何れか一方を含み、
前記貢献終了特定手段は、前記稼動情報及び前記粗利情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて貢献期間の終了を特定する請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記貢献中台数集計手段は、遊技機が設置された時点における前記貢献期間毎に遊技機の総台数を区分して集計し、
前記貢献シェア率算出手段は、前記貢献期間が所定条件を満たした遊技機の割合を算出する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記貢献中台数集計手段は、遊技場に設置されている遊技機のうち前記稼動貢献又は前記総合貢献が現在継続している遊技機の総台数を集計し、
前記貢献シェア率算出手段は、現在遊技場に設置されている遊技機の総台数に対する前記稼動貢献又は前記総合貢献が現在継続している遊技機の総台数の割合を算出し、
前記表示手段は、前記貢献シェア率算出手段により算出された前記稼動貢献又は前記総合貢献が現在継続している遊技機の総台数の割合を表示する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では集客力を維持するために定期的に遊技機の入替が行われている。入替対象となる遊技機を検討する際、遊技場の業績に貢献できる遊技機を選定することが望ましい。例えば特許文献1には、遊技機がどのように使用されているかを示す多様な情報を取得して分析し、遊技場の運営の効率化を実現する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-037163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機の入替を行う際に自店のみではなく例えば同一の商圏に属する所謂競合店でどの程度の規模で遊技機の入替が行われているかといった状況を考慮する必要がある。しかしながら、特許文献1では入替対象となる遊技機について分析することはできるが、競合店の入替状況について把握することができず、その点で改善が必要である。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、自店を含む特定の商圏に属する遊技場の遊技機の入替の傾向を把握し、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、複数の遊技場毎に設置される各遊技機の遊技情報を収集する遊技情報収集手段(例えば管理サーバ10は、各遊技場A~Cの各管理装置6により作成される遊技情報を集計管理する)と、前記複数の遊技場毎に設置される各遊技機の設置状況を示す設置情報を収集する設置情報収集手段(例えば管理サーバ10)と、前記遊技情報収集手段による遊技情報と前記設置情報収集手段による設置情報とに基づいて特定の遊技場、及び当該特定の遊技場を含む所定商圏に属する複数の競合遊技場のうち何れかに設置される遊技機の遊技情報と設置情報とを含むマーケットデータを作成するマーケットデータ作成手段(例えば管理サーバ10)と、対象となる遊技情報の基準を示す基準遊技情報(例えばアウトに対して集計対象となる全機種の平均アウト)を設定する設定手段(例えば管理サーバ10)と、前記遊技情報の単位期間情報である単位遊技情報と前記基準遊技情報とを比較し、前記単位遊技情報が前記基準遊技情報を上回った期間である貢献期間が終了したか否かを特定する(例えば3週目のアウト基準値を「16,500」と設定した場合、3週目以降のアウト(3週目のアウトは「13,297」)がアウト基準値に達していないので、貢献期間が終了したと特定)貢献終了特定手段(例えば管理サーバ10)と、前記設置情報により所定期間に遊技場に新たに設置された遊技機の総台数である総入替台数(例えば図8のA5における店舗「AAA」の導入台数「410」台)を集計する総入替台数集計手段(例えば管理サーバ10)と、前記総入替台数のうち前記所定期間において前記貢献終了特定手段により貢献期間が終了していないと特定した遊技機の総台数である貢献中台数(例えば図8のA5における店舗「AAA」の貢献中台数「168」台)を集計する貢献中台数集計手段(例えば管理サーバ10)と、前記所定期間における前記総入替台数に対する前記貢献中台数の割合である貢献シェア率(例えば図8のA5における店舗「AAA」の貢献シェア率「41.0%」)を算出する貢献シェア率算出手段(例えば管理サーバ10)と、前記貢献シェア率を前記マーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示する表示手段(例えば図8図9におけるA5)と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、総入替台数に対する貢献中台数の割合である貢献シェア率を、マーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示するようにしたので、所定商圏においてどの程度の遊技機の入替が行われ、何れの遊技場に貢献中の遊技機がどの程度導入されているか把握することができる。自店を含む特定の商圏に属する遊技場の遊技機の入替の傾向を把握し、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。又、貢献中の遊技機は価格が高騰する傾向にあることから、対応する遊技場の購買力を把握することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの構成を示す概略図
図2】遊技機及びカードユニットの正面図
図3】遊技情報表示装置の正面図
図4】遊技情報集計(機種A)の一例を示す図
図5】場内機種貢献(機種A)の一例を示す図
図6】サーバ機種貢献(機種A)の一例を示す図
図7】サーバ機種貢献(機種B)の一例を示す図
図8】マーケットデータの表示の一例を示す図
図9】マーケットデータの表示の一例を示す図
図10】マーケットデータの表示の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示し、遊技場A内には多数の(複数機種の)遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応してカードユニット2及び遊技情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、カードユニット2及び遊技情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(表示手段に相当する)と接続されている。又、遊技場A内にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。図1では図示を省略したが、実際には例えばスロットマシンを含む数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
POSは、カードユニット2にて発行された会員カードや一般カードといったICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている持玉やカード識別情報をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った持玉やカード識別情報に対応する貯玉等に基づいて景品交換処理を行う。一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。
【0011】
精算機は、ICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に基づいて紙幣や硬貨の返却処理を行う。又、精算機は、紙幣が投入される紙幣投入口を備えており、紙幣が投入されると、その投入金額を、ICカードに記録されている入金残高に加算する残高加算処理を行う。
【0012】
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、カードユニット2、遊技情報表示装置3等)から出力される遊技信号を入力し、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1やカードユニット2、遊技情報表示装置3等の稼動状態等を管理する。
【0013】
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されている遊技機1、カードユニット2、遊技情報表示装置3、中継装置4、LAN5及び管理装置6等と同様の構成が別の遊技場(図1の例示では遊技場B、遊技場C)内にも設置されている。これらの各遊技場A~Cに設置されている各管理装置6は、それぞれインターネットやVPN接続等の公衆回線9を介して各遊技場A~Cとは別に設置されている管理サーバ10(遊技情報収集手段、設置情報収集手段、マーケットデータ作成手段、設定手段、貢献終了特定手段、総入替台数集計手段、貢献中台数集計手段、貢献シェア率算出手段に相当する)と接続されており、公衆回線9等を介して各種信号や各種情報を管理サーバ10と通信可能に構成されている。管理サーバ10は、各遊技場A~Cの各管理装置6により作成される遊技情報を集計管理するサーバである。又、図1では図示を省略したが、管理サーバ10と接続される管理装置6は各遊技場A~C以外の多数の遊技場に設置されても良い。
【0014】
遊技機1について以下に説明する。遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技点数)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値が増減される。
【0015】
遊技機1は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。遊技機1は、計数操作に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。遊技機1は、情報表示操作に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を表示する。
【0016】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面11と、発射装置を構成する発射ハンドル12と、タッチパネルを含む情報表示部13と、装飾ランプ14a,14bとを有する。盤面11には、液晶表示部15と、特図表示部16と、普図表示部17と、普図始動口18a,18bと、特図1始動口19(ヘソ)と、特図2始動口20(電チュー)と、大入賞口21と、開閉入賞装置22とが設けられている。
【0017】
遊技機1のスペックは以下の通りである。
(1)大当り確率(特図1抽選、特図2抽選共通)は1/239(TS=239)である。
(2)小当り確率(特図2抽選)は1/6であり、特図2中の実質的な大当り確率は1/5.8(=1/239+1/6)(TSA=5.8)である。
(3)遊技状態として、初期状態、内部時短状態、時短状態、大当り状態等を発生可能である。
初期状態は、遊技機1における初期化操作を受付けるか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。初期状態における特図1抽選では時短図柄の抽選も行われる。
内部時短状態は、初期状態における特定図柄(時短図柄)に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。内部時短状態では、普通図柄(普図)抽選の当選確率は向上するが、当選した場合であっても電チューの開放時間が極めて短い(例えば0.1秒)ため遊技者は電チューに入賞させることはできない。内部時短状態における特図1抽選では時短図柄の抽選は行われない。
時短状態(遊技者にとって有利な有利状態)は、初期状態における時短図柄に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。時短状態では普図抽選の当選確率が向上する。普図抽選に当選すると、電チューが開放する(例えば3秒)。
大当り状態は、特図抽選に当選することで移行する状態である。
【0018】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)通常状態(初期状態、内部時短状態)では左打ちを行い、ヘソへの入賞を目指す。ヘソへ入賞することで特図1での大当り抽選(特図1抽選)を行う。大当り抽選1回をスタートと称する場合もある。特図1抽選では1/239の確率で大当り抽選を行う。特図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が開始(大当り状態に移行)され、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口21が開放する。特図1では全て4Rとなる。尚、1Rの上限入賞数は10個である。大入賞口21に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0019】
(2)特図1での大当り遊技が終了すると、大当りに当選した際の特図の種類によって異なる遊技状態に移行する。大当り後の80%で時短状態に移行する。時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が連続して128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の15%で内部時短状態に移行する。内部時短状態は特図1抽選に当選するか特図1抽選が連続して9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の5%で初期状態に移行する。
【0020】
(3)時短状態では右打ちを行い、スルーである普図始動口18a,18bへの入賞を目指す。普図始動口18a,18bに入賞すると、1/1の確率で普図抽選を行う。普図抽選に当選すると、電チューが開放し、電チューに入賞させることができるようになる。電チューでは特図2での大当り抽選(特図2抽選)を行い、1/239の確率で大当りに当選し、1/6の確率で小当りに当選する。
【0021】
(4)特図2抽選で大当りに当選した場合、特図1同様大当り遊技が開始され、そのR数は10Rである。特図2抽選で小当り当選すると、開閉入賞装置22が開放する。開閉入賞装置22の内部にはV入賞口(特定領域)が設けられており、V入賞口に入賞すると、大当り遊技が開始される。即ち、小当りを経由することで大当り遊技を行うことができるようになる。
【0022】
(5)小当り経由での大当りでは小当り当選時の特別図柄の種類に応じたR数だけ大入賞口21が開放し、大当り遊技終了後は時短状態、内部時短状態、及び初期状態の何れかに移行する。それぞれの割合は次の通りである。
10R+時短状態:20%
2R+時短状態:60%
2R+内部時短状態:15%
2R+初期状態:5%
【0023】
(6)時短状態は、特図2抽選に当選するか特図2抽選が128回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。内部時短状態は、特図1抽選に当選するか特図1抽選が9999回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。
【0024】
(7)初期状態における特図1抽選では時短図柄の抽選を行い、時短図柄に当選すると、50%の割合で時短状態に移行し、50%の割合で内部時短状態に移行する。時短図柄由来の時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。時短図柄由来の内部時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。尚、時短図柄の当選確率は1/50である。又、時短図柄由来の時短状態を突時と称する場合もある。
【0025】
(8)通常状態とは時短状態及び大当り状態を除く状態である。初期状態における普図抽選の当選確率は1/65536である。又、時短状態と大当り状態とに設定される状態を特別状態とする。
【0026】
遊技機1からは例えば以下の遊技信号が出力される。
セーフ信号=遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号である。
アウト信号=発射されたパチンコ玉の数であるアウトを特定可能な信号である。
大当り信号=大当り状態を特定可能な信号である。
特別状態信号=大当り状態中及び時短状態中に出力される信号である。
【0027】
初期化信号=遊技機1におけるクリアスイッチ33(後述する図3参照)の操作(初期化操作)を受付けた場合に出力される信号である。
スタート信号(図柄変動停止信号)=特図1始動口19又は特図2始動口20への入賞により変動する液晶表示部15における図柄変動を特定可能な信号である。
入賞信号(始動口入賞信号)=特図1始動口19又は特図2始動口20への入賞により出力される信号である。
【0028】
カードユニット2について以下に説明する。カードユニット2は、遊技機1の遊技状態やカードユニット2の状態(エラー状態等)を示す状態ランプ23と、紙幣が投入される紙幣挿入口24と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部25と、貸出操作を行うための貸出釦26と、再遊技操作を行うための再遊技釦27と、返却操作を行うための返却釦28と、ICカードが挿入されるカード挿入口29等を有する。又、カードユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示せず)も有する。
【0029】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶すると共に中継装置4を経由して管理装置6や遊技情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置6へ送信する。管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。
【0030】
(2)紙幣が紙幣挿入口24に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口29に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。貸出釦26が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。再遊技釦27が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0031】
(3)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却釦28が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、遊技機1側に残る。
(4)ICカードを最大10枚ストックしている。
【0032】
遊技情報表示装置3について以下に説明する。図3に示すように、遊技情報表示装置3は、液晶表示部30と、ランプ部31と、遊技者が従業員を呼出すための呼出釦32と、液晶表示部30における表示画面の表示内容を切替えるための切替釦等を含む操作釦群33と、従業員が携帯するリモコン(図示せず)から送信されるリモコン信号を受光するリモコン受光部34とを有する。操作釦群33に代えて或いは加えて、液晶表示部30にタッチパネルを設け、遊技者のタッチ操作を受付ける構成としても良い。液晶表示部30は、メイン表示領域30aと、第1~第6サブ表示領域30b~30gとに区分可能であり、大当り回数やスタート回数等を区分して表示すると共に、スランプグラフやキャラクタ等の数字以外の様々な表示が可能であり、それらの表示内容や区分を変更して表示する等、多様な態様で表示可能である。図3では、メイン表示領域30aに当日、1日前、2日前の大当り回数を表示し、第1サブ表示領域30bに当日、1日前、2日前の初当り回数を表示し、第2サブ表示領域30cに大当内訳を表示し、第3サブ表示領域30dに過去最高玉数を表示し、第4サブ表示領域30eにスタート回数を表示し、第5サブ表示領域30fにスランプグラフを表示し、第6サブ表示領域30gに機種名を表示している態様を例示しているが、切替釦の操作により各種遊技情報を切替表示可能である。
【0033】
遊技情報表示装置3は、以下のように動作する。
(1)管理装置6から中継装置4を経由して各種の設定情報を受信すると共に遊技機1及びカードユニット2から中継装置4を経由して各種の遊技情報を受信し、その受信した設定情報及び遊技情報に基づいて各種の表示情報を作成して表示する。
【0034】
(2)遊技情報に基づいてスタート回数や大当り回数等の各種データを集計して表示したり、遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示したりする。遊技機1から出力される信号に基づいて図柄変動の開始及び停止のタイミングに基づいて単位図柄変動の時間を算出し、単位図柄変動の時間に基づいて遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示する。
【0035】
管理装置6は、遊技情報を遊技機単位で集計し、図4に示す遊技情報集計(機種A)を機種単位で集計する。尚、管理装置6は、周知の通り、台番と機種とを対応付ける機種設定等の設定も行う。図4に示す遊技情報集計(機種A)における各項目の意味は以下の通りである。尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均を示す。
【0036】
アウト=アウト信号により特定される遊技機1にて消費された遊技玉数(消費価値)である。
セーフ=セーフ信号により特定される遊技機1への入賞に応じて付与された遊技玉数(入賞付与価値)である。
売上玉=売上信号により特定される対応するカードユニット2にて貨幣価値を対価として付与された遊技玉数(貸出玉数、対価付与価値)である。
台粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益である。「売上額-獲得玉×貸単価×原価率」の演算式により求まる値である。尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=75%にて演算している。
【0037】
出率=アウトに対するセーフの割合(払出率)である。「セーフ÷アウト」の演算式により求まる値である。
玉単価=アウト1当りの売上額である。「売上額÷アウト」の演算式により求まる値である。
【0038】
玉粗利=アウト1当りの粗利である。「粗利÷アウト」の演算式により求まる値である。
営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合である。「獲得玉÷売上玉」の演算式により求まる値である。
【0039】
このような集計は所定期間(例えば400日)保存されている。尚、本実施形態では説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。
【0040】
管理装置6は、図4に示した遊技情報集計(機種A)に基づいて機種の導入日から単位期間(1週間)別に遊技情報を集計し、図5に示す場内機種貢献(機種A)の帳票を作成する。図5において、期間平均アウトは、導入日から該当期間の終了日までの1営業日の1台当りのアウトの平均値を示す。累計台粗利は、導入日から該当期間の終了日までの1営業日の1台当りの平均累計台粗利を示す。アウト、台粗利は、それぞれ図4の1営業日の1台当りの平均値を示す。台数は、1営業日の設置台数を示す。
【0041】
管理装置6は、累計台粗利に対して遊技機1の購入金額を目安とした累計台粗利基準値を設定しており、累計台粗利と累計台粗利基準値とを比較し、累計台粗利が累計台粗利基準値に達した場合に識別出力する。図5の例示では、累計台粗利基準値を例えば「300,000」と設定した場合に、4週目以降の累計台粗利(4週目の累計台粗利は「338,093」)が累計台粗利基準値に達しているので、4週目以降の累計台粗利を識別出力する。尚、図5、後述する図6及び図7では識別出力をハッチングにて示している。識別出力の方法は、例えば色を変更する等どのような方法でも良い。
【0042】
管理装置6は、アウトに対して遊技場全体のアウトの平均値を目安したアウト基準値を単位期間別に設定しており、単位期間別にアウトとアウト基準値とを比較し、アウトがアウト基準値に達していない場合に識別出力する。図5の例示では、例えば5週目のアウト基準値を「17,000」と設定した場合に、5週目以降のアウト(5週目のアウトは「13,495」)がアウト基準値に達していないので、5週目以降の累計台粗利を識別出力する。
【0043】
管理装置6は、台粗利に対して遊技場全体の台粗利の平均値を目安とした台粗利基準値を単位期間別に設定しており、単位期間別に台粗利と台粗利基準値とを比較し、台粗利が台粗利基準値に達していない場合に識別出力する。図5の例示では、例えば8週目の台粗利基準値を「4,000」と設定した場合に、8週目以降の台粗利(8週目の台粗利は「3,354」)が台粗利基準値に達していないので、8週目以降の台粗利を識別出力する。
【0044】
管理装置6は、導入日から起算して初めてアウトがアウト基準値に達しない状態となった単位期間を稼動貢献終了として特定し(図5の例示では5週目が該当する)、稼動貢献終了以降に初めて台粗利が台粗利基準値に達しない状態となった単位期間を総合貢献終了として特定する(図5の例示では8週目が該当する)。尚、図5の例示では総合貢献終了後の9週目以降を集計対象としていないが、遊技機1が設置されており、遊技情報を特定可能であれば総合貢献終了後の単位期間も集計対象としても良い。又、以上は機種Aの場内機種貢献の帳票について例示したが、機種A以外の機種についても同様に場内機種貢献の帳票を作成可能である。
【0045】
管理サーバ10は、前述したように公衆回線9等を介して各遊技場の管理装置6と通信可能であり、遊技場毎に設置される各遊技機1の遊技情報を収集し(遊技情報収集手段)、各遊技機1の設置状況を示す設置情報を収集し(設置情報収集手段)、それら収集した遊技情報と設置情報とに基づいて特定の遊技場、及び当該特定の遊技場を含む所定商圏に属する複数の競合遊技場に設置される遊技機1の遊技情報と設置情報とを含むマーケットデータを作成する(マーケットデータ作成手段)。
【0046】
管理サーバ10は、図4に示した遊技情報集計(機種A)を各遊技場の管理装置6から受信して総合遊技情報として管理し、図5に示した場内機種貢献(機種A)の帳票と同様に、図6に示すサーバ機種貢献(機種A)の帳票を作成する。
【0047】
管理サーバ10は、集計対象となる全機種の平均値を基準値とするが、後述するように遊技場毎に導入週が異なる場合があるので、各週の遊技情報が常に更新対象となるが、貢献の判定対象は最新週と、その最新週の前週とする。
【0048】
図6に示すアウトや台粗利等の項目は図5に示した項目と同様である。管理サーバ10は、累計台粗利に対して集計対象となる全ての遊技機1の購入金額の平均値を目安とした累計台粗利基準値を設定し、累計台粗利と累計台粗利基準値とを比較し、累計台粗利が累計台粗利基準値に達した場合に識別出力する。図6の例示では、累計台粗利基準値を例えば「310,000」と設定した場合、4週目以降の累計台粗利(4週目の累計台粗利は「338,093」)が累計台粗利基準値に達しているので、4週目以降の累計台粗利を識別出力する。
【0049】
管理サーバ10は、アウトに対して集計対象となる全機種の平均アウトを目安としたアウト基準値を単位期間別に設定し(設定手段)、単位期間別にアウトとアウト基準値とを比較し、アウトがアウト基準値に達していない場合に識別出力する。図6の例示では、例えば3週目のアウト基準値を「16,500」と設定した場合、3週目以降のアウト(3週目のアウトは「13,297」)がアウト基準値に達していないので(単位遊技情報が基準遊技情報を上回った期間である貢献期間が終了した)、貢献期間が終了したと特定し(貢献終了特定手段)、3週目以降のアウトを識別出力する。
【0050】
管理サーバ10は、台粗利に対して集計対象となる全機種の平均台粗利を目安とした台粗利基準値を単位期間別に設定し、単位期間別に台粗利と台粗利基準値とを比較し、台粗利が台粗利基準値に達していない場合に識別出力する。図6の例示では、例えば9週目の台粗利基準値を「3,800」と設定した場合、9週目以降の台粗利(9週目の台粗利は「3,559」)が台粗利基準値に達していないので(単位遊技情報が基準遊技情報を上回った期間である貢献期間が終了した)、貢献期間が終了したと特定し(貢献終了特定手段)、9週目以降の台粗利を識別出力する。
【0051】
ここで、同一の機種であっても各遊技場により導入日が異なる場合があり、導入日からの経過期間により単位期間別の集計を行っているので、例えば1週目の期間が3月2日の週の遊技場もあれば3月9日(3月2日から1週間後の日)の週の遊技場もあることになる。よって、例えば図6に示すように9週目の集計が可能であっても1週目から8週目までの集計が更新される場合があるが、貢献終了の特定は最新単位期間とその1つ前の単位期間(図6例示では9週目と8週目)が対象となり、それ以前の週にて基準値を下回っても遡って貢献終了とは特定しない。これは例えば中古購入等、一般的な新台の導入からかなり遅れて機種が導入された場合、新台としての魅力が下がりアウト等が新台時よりも落ちる傾向があり得、その傾向により遡って貢献終了が特定される虞を軽減するためにある。尚、最新単位期間のみを対象としても勿論良い。又、台数は各単位期間の延べ台数の1営業日当りの平均台数としても良いが、各単位期間の終了時の台数としても良い。更に増台があった遊技場の場合、新台として導入された日が導入日となるので、例えば3週目に増台されれば増台分は3週目からが対象となる。
【0052】
前述した図5も含め貢献終了の特定について補足する。貢献終了を一旦特定した後に基準値を上回ることもあるが、その場合であっても貢献終了の特定を覆すことはせずに貢献継続等とは特定しない。同様に基準値について補足する。基準値は単位期間別に全体の遊技情報を参照して設定されるが、全体の遊技情報は対応する単位期間だけを対象としても良いし、対応する単位期間から所定期間遡った単位期間から対応する単位期間を対象としても良い。例えば8週目であれば5週目から8週目を対象として全体の平均値を特定する等しても良い。この場合、例えば3週目であれば0週目から3週目が対象となり、0週目には対応機種が設置されていないが、この場合でも全体の平均値を特定することは可能である。このように基準値を特定する場合、対応する機種が設置されていない単位期間を対象としても良い。
【0053】
図5に示した場内機種貢献と、図6に示したサーバ機種貢献とを比較すると、図5では稼動貢献終了が5週目となり、総合貢献終了が8週目となっているのに対し、図6では稼動貢献終了が3週目となり、総合貢献終了が9週目となっている。これは、1週目から3週目までは図5に示す玉粗利が図6に示す玉粗利に対して低く抑えることで稼動貢献を4週目まで保つことができたものの、4週目以降では図5に示す玉粗利が図6に示す玉粗利と同等となることで、総合貢献が早めに終了したことを把握することができる。
【0054】
図7は、図6と同様に管理サーバ10にて作成したサーバ機種貢献(機種B)の帳票を示す。図7では4週目に台粗利が台粗利基準値を下回っているが、アウトはアウト基準値を下回っていないので、総合貢献中であると特定し、図7では示していないが30週連続して総合貢献中である旨を示している。図7では10週目までしか示しておらずMAX週として最新週である30週目のデータが示されている。尚、10週目以降のデータは出力しなくとも良いし、スクロール等により出力しても良い。又、図7では1週目に台粗利がマイナス営業となっているが、アウトはアウト基準値に達しているので総合貢献中であると特定し、2週目、3週目では台粗利が台粗利基準値に達するものの、4週目以降は台粗利が台粗利基準値に達していないがアウトはアウト基準値に達したままなので総合貢献中であると特定し、最新週である30週目においても同様に台粗利が台粗利基準値に達していないがアウトはアウト基準値に達したままなので総合貢献中であると特定する。このような傾向は遊技場から長期稼動が見込まれる優秀機種の場合に多く見られる傾向である。即ち、新台時に赤字すれすれで営業して機種のイメージを付け、その後、台粗利を少し見込むものの、長期稼動を得られると判断され、4週目以降は再び低粗利で(玉粗利を低く抑えて)営業し、長期稼動を期待している機種の傾向となる。この場合、遊技場としては貢献が継続しているイメージであるので、台粗利が台粗利基準値を下回った1週目や4週目以降に総合貢献が終了したと特定すべきではないが、上述した通り粗利貢献していない(粗利貢献が終了した場合に)稼動貢献が終了したことを条件として総合貢献が終了したと特定するので、実際のイメージに合致した貢献を特定することが可能となる。又、台粗利が貢献していない週を識別出力することで、低粗利として対象機種を大事に運用する時期を、稼動貢献が継続しているが粗利貢献していない4週目を目処とすれば良いことを把握可能となる。尚、図5から図7では省略しているが、項目の左側等に機種名、導入日、及び稼動貢献継続又は終了週、総合貢献継続又は終了週を、上記した遊技情報と対応付けて出力しても良い。
【0055】
管理サーバ10は、所定期間において遊技場に新たに設置された遊技機1の総台数である総入替台数を集計し(総入替台数集計手段)、所定期間において貢献期間が終了していないと特定した遊技機1の総台数である貢献中台数を集計する(貢献中台数集計手段)。管理サーバ10は、総入替台数に対する貢献中台数の割合である貢献シェア率を次式にしたがって算出する(貢献シェア率算出手段)。
貢献シェア率=貢献中台数(台)÷導入総台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」について、貢献中台数が「168」台であり、導入総台数が「410」台であれば、貢献シェア率を以下の通りに算出する。
貢献シェア率=168÷410*100≒41.0%
管理サーバ10は、他の店舗についても同様に貢献シェア率を算出する。
【0056】
管理装置6は、公衆回線9を介して上記したように管理サーバ10により集計された稼動貢献及び総合貢献に基づく貢献シェア率を受信し、図8に示すように、その受信した貢献シェア率をマーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示する(表示手段)。管理装置6は、期間表示欄A1に入替対象期間を表示し、エリア表示欄A2に参照対象のエリア(自店商圏)を表示し、貢献情報表示欄A3に参照対象の貢献情報の種別を表示し、遊技機表示欄A4に参照対象の遊技機1の種別を表示し、データ表示欄A5に各種データを表示する。入替対象期間は任意の期間を入力可能であり、参照対象の貢献情報は「稼動」、「総合」のうち何れかを選択可能であり、参照対象の遊技機は「全て」、「パチンコ」、「スロット」のうち何れかを選択可能である。図8の例示では、参照対象の貢献情報は「稼動」を選択し、参照対象の遊技機は「全て」を選択した場合を例示している。管理装置6は、入替対象期間、参照対象のエリア、参照対象の貢献情報又は参照対象の遊技機の項目が切換わる毎に、データ表示欄A5に各種データを切換えて表示する。
【0057】
管理装置6は、データ表示欄A5に、店舗名、導入機種数・台数、撤去機種数・台数、貢献中機種数・台数、貢献終了機種数・台数、貢献シェア率を表示する。導入台数と撤去台数とは、遊技場の総台数が変わらない限りは同数となることが多い。一方、同一の機種を貢献中に導入し、貢献終了してから再度導入することも考えられるため、貢献中の機種数と貢献終了の機種数との合計が導入機種数と一致しないこともある。例えば店舗「AAA」であれば、導入機種数が「175」機種であるが、貢献中機種数が「42」機種、貢献終了機種数が「135」機種であり、貢献中機種数と貢献終了機種数との合計が「177」機種となり、導入機種数と貢献中機種数と貢献終了機種数との合計とが一致しない。これは貢献中に導入し、貢献終了後にも再度導入した機種が「2」機種含まれていることを示す。
【0058】
このように貢献シェア率を表示することで、所定商圏においてどの程度の遊技機1の入替が行われ、何れの遊技場に貢献中の遊技機1がどの程度導入されているかを把握することができる。貢献中の遊技機1は価格が高騰する傾向にあることから、対応する遊技場の購買力を把握することもできる。例えば店舗「AAA」では、店舗「BBB」や店舗「CCC」と比較して頻繁に遊技機1の入替を行っており、貢献シェア率が「41.0%」であり、導入機種の4割程度が貢献中であったことを把握することができる。一方、店舗「DDD」では、店舗「AAA」と同様に頻繁に遊技機1の入替を行っているが、貢献シェア率が「22.8%」であり、店舗「AAA」より低くなっている。そのため、店舗「DDD」は、一般的に中古価格が高騰しやすい貢献中の遊技機1を導入するための購買力が低いと推測することができる。
【0059】
又、表示装置6は、各遊技場が導入した貢献中の機種のうち導入時点でどの程度の期間貢献中であったかを特定可能に管理し、貢献週を所定期間で区分し、導入時点で当該区分に対応する遊技機1の機種数と台数とを遊技場毎に表示する。表示装置6は、図9に示すように、データ表示欄A5に貢献週毎のデータとして、店舗名、貢献週3週以下の機種数・台数、貢献週4~9週以下の機種数・台数、貢献週10~19週以下の機種数・台数、貢献週20週以上の機種数・台数、貢献週判定不可の機種数・台数、貢献シェア率(10週over)を表示する。
【0060】
管理サーバ10は、図9の例示では、所定期間に導入された遊技機1の総台数に対する例えば10週以上貢献中である遊技機1の台数の割合である貢献シェア率(10週over)を次式にしたがって算出する。
貢献シェア率(10週over)=貢献週10週以上台数(台)÷導入総台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」については以下の通りに算出する。
貢献シェア率(10週over)=(19+6)÷410*100≒6.1%
管理サーバ10は、図示しないが、例えば20週以上貢献中である遊技機1の台数の割合である貢献シェア率(20週over)を次式にしたがって算出する。
貢献シェア率(20週over)=貢献週20週以上台数(台)÷導入総台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」については以下の通りに算出する。
貢献シェア率(20週over)=6÷410*100≒1.5%
【0061】
管理サーバ10は、他の店舗についても同様に貢献シェア率(10週over)等を算出する。尚、分母は、所定期間に貢献中として導入された遊技機1の総台数を採用しても良い。その場合、管理サーバ10は、所定期間に貢献中として導入された遊技機1の総台数に対する例えば10週以上貢献中である遊技機1の台数の割合である貢献シェア率(10週over)を次式にしたがって算出する。
貢献シェア率(10週over)=貢献週10週以上台数(台)÷貢献中台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」については以下の通りに算出する。
貢献シェア率(10週over)=(19+6)÷168*100≒14.9%
管理サーバ10は、例えば20週以上貢献中である遊技機1の台数の割合である貢献シェア率(20週over)を次式にしたがって算出する。
貢献シェア率(20週over)=貢献週20週以上台数(台)÷貢献中台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」については以下の通りに算出する。
貢献シェア率(20週over)=6÷168*100≒3.6%
一般的に貢献中の期間が長い程、価格が高騰する傾向にあることから、貢献期間毎の機種数や台数を表示することで遊技場の購買力を把握することができる。更に、遊技場毎の入替傾向を把握することができ、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。
【0062】
又、表示装置6は、各遊技場に設置されている遊技機1の総台数に対して、どの程度貢献中であるかを特定可能に管理し、現在貢献中の遊技機1を判定し、当該貢献中の遊技機1の台数の割合を遊技場毎に表示する。表示装置6は、図10に示すように、日付表示欄A6に対象日を表示し、エリア表示欄A2に参照対象のエリア(自店商圏)を表示し、貢献情報表示欄A3に参照対象の貢献情報の種別を表示し、遊技機表示欄A4に参照対象の遊技機の種別を表示し、データ表示欄A5に各種データを表示する。日付は任意の日付を入力可能である。管理装置6は、データ表示欄A5に、店舗名、総台数の機種数・台数、貢献中の機種数・台数、貢献シェア率を表示する。管理装置6は、総台数に対する貢献中台数の割合である貢献シェア率を次式にしたがって算出する。
【0063】
貢献シェア率=貢献中台数(台)÷総台数(台)*100
管理サーバ10は、例えば店舗「AAA」については以下の通りに算出する。
貢献シェア率=423÷1020*100≒41.0%
管理サーバ10は、他の店舗についても同様に貢献シェア率を算出する。所定期間の導入台数に対する貢献シェア率を同時に表示しても良い。貢献中の遊技機1は遊技場の業績を良好にする傾向にあることから、現在貢献中の遊技機1の台数の割合を表示することで、所定商圏に存在する遊技場の業績を客観的に把握することができる。
【0064】
以上に説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。総入替台数に対する貢献中台数の割合である貢献シェア率を、マーケットデータにおける遊技場に対応付けて表示するようにしたので、所定商圏においてどの程度の遊技機1の入替が行われ、何れの遊技場に貢献中の遊技機1がどの程度導入されているか把握することができる。自店を含む特定の商圏に属する遊技場の遊技機1の入替の傾向を把握し、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。又、貢献中の遊技機1は価格が高騰する傾向にあることから、対応する遊技場の購買力を把握することもできる。
【0065】
貢献期間の特定を稼動情報や粗利情報を用いて行うようにしたので、遊技場の営業状況をより詳細に把握することができ、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。
所定期間に導入された遊技機1の総台数に対する例えば10週以上貢献中である遊技機1の台数の割合を表示するようにしたので、一般的に貢献中の期間が長い程、価格が高騰する傾向にあることから、貢献期間毎の機種数や台数を表示することで遊技場の購買力を把握することができる。更に、遊技場毎の入替傾向を把握することができ、効果的な入替戦略の策定に役立てることができる。
【0066】
稼動貢献又は総合貢献が現在継続している遊技機1の総台数の割合を表示するようにしたので、貢献中の遊技機1は遊技場の業績を良好にする傾向にあることから、現在貢献中の遊技機1の台数の割合を表示することで所定商圏に存在する遊技場の業績を客観的に把握することができる。
【0067】
本発明は、上記した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。
稼動情報としてアウトを例示したが、スタートや稼動時間等であっても稼動状況を示すので稼動情報となり得る。同様に粗利情報として台粗利を例示したが、玉粗利や理論上の粗利(大当り抽選が偏らずに大当り等が発生した場合に得られることが想定される粗利)等、台粗利以外の粗利情報を採用しても良い。
【0068】
管理サーバ10はクラウド型サーバを用いても良く、各処理をクラウド上で行っても良い。
管理サーバ10が行う処理の一部又は全体を管理装置6が行っても良く、管理装置6が行う処理の一部又は全体を管理サーバ10が行っても良い。
競合店が含まれる商圏についてはどのように設定しても良く、自店を中心とした任意の範囲に位置する遊技場を含めたり、遊技場管理者により予め選択したりするようにしても良い。
【0069】
管理装置6から送信される遊技情報によりマーケットデータを作成しているが、遊技情報を送信することができない管理装置6が設置されている遊技場に対しては実際に集計した値を管理装置6に入力し、その入力した値を管理サーバ10へ送信するようにしても良い。
【0070】
管理サーバ10の情報を管理装置6で閲覧可能としているが、例えば通常のパソコン等においても閲覧可能としても良い。その場合、ID等の入力を要件とすることで閲覧者を特定可能とすることが望ましい。
貢献週を所定期間に区分して遊技場毎に表示するようにしたが、期間はどのように区分されても良い。
【0071】
基準情報に全国平均を用いたが、例えば所定商圏内の平均や遊技場の平均を用いても良く、管理サーバ10の管理会社や遊技場管理者により予め定められる値を用いても良い。基準値を上回るか否かを判定して貢献期間の終了を特定することを例示したが、基準値以上であるか否かを判定して貢献期間の終了を特定しても良く、両者を包含するように基準値との比較を行っても良い。
各マーケットデータは個別に表示しても良いし、任意に組み合わせて表示しても良い。
【0072】
遊技機1の大当り確率などのスペックについてもどのように設計されても良い。
時短中に小当りを当選させることで大当りとなる遊技機1を例示したが、小当りを採用せずに、大当り後は大当り確率が向上する所謂確変タイプの遊技機を対象にしても良い。
玉の払出が行われない所謂封入式の遊技機1を例示したが、入賞により玉が払出される遊技機やスロットマシンを対象にしても良い。
例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0073】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(表示手段)、10は管理サーバ(遊技情報収集手段、設置情報収集手段、マーケットデータ作成手段、設定手段、貢献終了特定手段、総入替台数集計手段、貢献中台数集計手段、貢献シェア率算出手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10