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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080889
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】壁面連結構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/06 20060101AFI20240610BHJP
   E04B 1/61 20060101ALN20240610BHJP
【FI】
F16B5/06 G
F16B5/06 S
E04B1/61 503B
E04B1/61 502
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194226
(22)【出願日】2022-12-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】593058673
【氏名又は名称】前田鋼材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100210295
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 誠心
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】前田 勇
【テーマコード(参考)】
2E125
3J001
【Fターム(参考)】
2E125AG23
2E125AG25
2E125BB03
2E125BB25
3J001FA05
3J001FA07
3J001GB01
3J001HA04
3J001HA08
3J001HA09
3J001JB02
3J001KA05
3J001KA19
(57)【要約】
【課題】部品数が少なく、連結作業及び分離作業の手間及び時間を減らすことができる壁面連結構造を提供すること。
【解決手段】一方の壁面1と他方の壁面2の連結において、図3に示すような一方の壁面1及び他方の壁面2同士が当接して角が形成される連結と、図5に示すような一方の壁面1及び他方の壁面2同士が当接して直列となる連結との両方が、1種類の連結部材3で可能となっている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面の連結において、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で可能となっていることを特徴とする壁面連結構造。
【請求項2】
連結する壁面は同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の壁面連結構造。
【請求項3】
壁面の対向する第一端と第二端において、
壁面において、第一端に第一突起が設けられており、第二端に第二突起が設けられており、
一方の壁面の第一端と他方の壁面の第二端とを当接させると、第一突起と第二突起とが一体となった結合突起となり、
連結部材で、結合突起の第一突起と第二突起とが一体となった状態を維持可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁面連結構造。
【請求項4】
連結部材は、中央孔を有しており、
第一突起と第二突起とが一体となった状態の結合突起を中央孔に挿入可能となっていることを特徴とする請求項3に記載の壁面連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の壁面を連結する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面の連結において、壁面同士が直角となる連結と、壁面同士が直列となる連結の両方が可能となることを求められる場合がある。
【0003】
このような壁面の連結として、特開2000-160737号公報に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021―065578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特開2000-160737号公報に記載の壁面の連結では、壁面の間に支柱が存在し、この支柱に連結具を介して、壁面同士が直角となる連結と、壁面同士が直列となる連結の両方が可能となっている。
【0006】
そのため、支柱が必須となり、壁面の連結を実現するための部品数が多くなってしまうという問題がある。一つの連結箇所において、壁面と支柱の連結作業及び分離作業が2回必要となり連結作業及び分離作業のための手間及び時間がかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、部品数が少なく、連結作業及び分離作業の手間及び時間を減らすことができる壁面連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の壁面連結構造は、壁面の連結において、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で可能となっている。
【0009】
請求項1の壁面連結構造によれば、壁面同士が直接当接して連結可能となっているので、壁面以外の支柱等の部品が必要ない。また、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で実現できる。
【0010】
本発明の請求項2の壁面連結構造は、請求項1の壁面連結構造において、連結する壁面は同一形状である。
【0011】
請求項2の壁面連結構造によれば、請求項1の壁面連結構造と同様の作用に加えて、連結する壁面が同一形状であることによって、壁面の製造コストの抑制、壁面が多種の形状であることに比べて容易な壁面の管理・保管が実現できる。
【0012】
本発明の請求項3の壁面連結構造は、請求項1又は2の壁面連結構造において、壁面の対向する第一端と第二端において、壁面において、第一端に第一突起が設けられており、第二端に第二突起が設けられており、一方の壁面の第一端と他方の壁面の第二端とを当接させると、第一突起と第二突起とが一体となった結合突起となり、連結部材で、結合突起の第一突起と第二突起とが一体となった状態を維持可能となっている。
【0013】
請求項3の壁面連結構造によれば、請求項1又は2の壁面連結構造と同様の作用に加えて、連結部材によって、一方の壁面と他方の壁とを連結及び分離することができる。
【0014】
本発明の請求項4の壁面連結構造は、請求項3の壁面連結構造において、連結部材は、中央孔を有しており、第一突起と第二突起とが一体となった状態の結合突起を中央孔に挿入可能となっている。
【0015】
請求項4の壁面連結構造によれば、請求項3の壁面連結構造と同様の作用に加えて、結合突起を連結部材の中央孔に挿入すれば、容易に一方の壁面と他方の壁とを連結する。また、連結した状態から、結合突起を中央孔から引き抜くように連結部材を動かせば、容易に一方の壁面と他方の壁とを分離することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の壁面連結構造は、壁面同士が当接して直角となる連結と壁面同士が当接して直列となる連結が可能で、部品数が少なく、連結作業及び分離作業の手間及び時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の壁面連結構造の壁面の平面図である。
図2】本発明の一実施形態の壁面連結構造の連結部材の拡大平面図である。
図3】壁面同士が直角となる連結の過程を示す斜視図である。
図4図3の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
図5】壁面同士が直列となる連結の過程を示す斜視図である。
図6図5の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
図7】壁面同士が上下に連結の過程を示す斜視図である。
図8図7の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態の壁面連結構造は、図1に示す一方の壁面1と他方の壁面2とを、図2に示す連結部材3で連結する構成となっている。なお、図1図2は、説明の都合上、縮尺が異なっている。
【0019】
一方の壁面1及び他方の壁面2は、所定の厚さの板材からなる。
【0020】
一方の壁面1及び他方の壁面2は、同一形状となっており、その外形は略矩形となっている。
【0021】
一方の壁面1においては、第一端11と第二端12とが対向し、上端13と下端14とが対向する。
【0022】
同様に、他方の壁面2においても、第一端21と第二端22とが対向し、上端23と下端24とが対向する。
【0023】
一方の壁面1の第一端11及び他方の壁面2の第一端21には、それぞれ、第一凹凸41が形成されている。
【0024】
一方の壁面1の第二端12及び他方の壁面2の第二端22には、それぞれ、第一凹凸41とでっぱりとくぼみが逆になった第二凹凸42が形成されている。
【0025】
第一凹凸41及び第二凹凸42において、凹の底からの凸の最大でっぱり量Hは、壁面の板厚と一致するようになっている。
【0026】
一方の壁面1の第二端12及び他方の壁面2の第二端22には、それぞれ、第一突起51が設けられている。
【0027】
一方の壁面1の第一端11及び他方の壁面2の第一端21には、それぞれ、第二突起52が設けられている。
【0028】
第一突起51は、第一端11,21において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっている。
【0029】
第二突起52も、同様に、第二端12,22において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっている。
【0030】
下端14を接地させて垂直に壁面を立てた場合に、第一突起51及び第二突起52は重力方向と反対に根元から先端が伸びることとなる。
【0031】
一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを当接させると、第一突起51と第二突起52とが一体となった結合突起5となる。
【0032】
第一突起51及び第二突起52は、根元から先端に至るまでの途中から先細る形状となっている。第一突起51と第二突起52が一体となった結合突起5も、根元から先端に至るまでの途中から先細った形状となる。
【0033】
壁面の第一端11,21及び第二端12,22には、それぞれ、壁面の対向する一方の端から他方の端に向かって形成された第一切り欠き61と、第一切り欠き61の途中から分岐する第二切り欠き62とが形成されている。
【0034】
第一突起51は、第一切り欠き61、第二切り欠き62、第一端11(21)に囲まれた状態となっている。
【0035】
第二突起52も同様に、第一切り欠き61、第二切り欠き62、第二端12(22)に囲まれた状態となっている。
【0036】
第一突起51と第二切り欠き62を挟んで対向する位置に肩部71が形成されている。同様に、第二突起52と第二切り欠き62を挟んで対向する位置にも肩部72が形成されている。
【0037】
肩部71,72は、それぞれ、第一切り欠き61、第二切り欠き62に囲まれている。
【0038】
上端13,23には、上下連結用切り欠き8が形成されている。下端14,24にも、上下連結用切り欠き9が形成されている。
【0039】
上下連結用切り欠き8,9は、上端13,23及び下端14,24のそれぞれに、一定間隔で複数形成されている。
【0040】
上下連結用切り欠き8,9の最小幅W1は、壁面の板厚とほぼ同じとなっている。上下連結用切り欠き8,9は、切り欠きの底から離れるにしたがって幅が大きくなっている。
【0041】
連結部材3は、略矩形となっている。
【0042】
連結部材3は、壁面と同じ厚さの板材からなる。
【0043】
連結部材3は中央孔31を有している。中央孔31は、平面図において、略矢印形状となっている。
【0044】
中央孔31の鏃31aは、壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士の直角の連結で、結合突起5が挿入できるようになっている。
【0045】
中央孔31のシャフト31bの端から鏃31aの端までの間の部分は、壁面同士の直列の連結での結合突起5が挿入できるようになっている。
【0046】
連結部材3は、外縁から中央孔31に向かって形成されている一対の対向切り欠き32,32をさらに有する。
【0047】
対向切り欠き32の最小幅W2は、壁面の板厚とほぼ同じとなっている。対向切り欠き32は、切り欠きの底から離れるにしたがって幅が大きくなっている。これにより、上下連結用切り欠き8,9を対向切り欠き32と嵌め合いが、閊えにくくなっている。
【0048】
壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士が直角となる連結について、主に図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4において、図中に表記できない符号については、図1及び図2の参照ください。
【0049】
壁面同士が直角となるように、図3(a)の状態から、一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを接近させて、図3(b)の状態とする。
【0050】
壁面同士が直角となる連結では、図3(b)の状態において、一方の壁面1の第一端11の表面と他方の壁面2の第二端22の端面とが当接する。
【0051】
一方の壁面1の第一凹凸41の凸は、他方の壁面2の第二凹凸42の凹に入り込む。一方の壁面1の第一凹凸41の凸の表面に、他方の壁面2の第二凹凸42の凹の端面が当接するようになっている。
【0052】
他方の壁面2の第二凹凸42の凸は、一方の壁面1の第一凹凸41の凹に入り込む。他方の壁面2の第二凹凸42の凸の表面に、一方の壁面1の第一凹凸41の凹の端面が当接するようになっている。
【0053】
このように、一方の壁面1の第一端の第一凹凸と他方の壁面2の第二凹凸が互いに嵌まり込むことによって、図3(b)に示すように、一方の壁面1と他方の壁面2とが、直角になった状態で位置決めされる。
【0054】
位置決めされた一方の壁面1と他方の壁面2において、第一突起51と第二突起52とが一体となって結合突起5を構成する。
【0055】
壁面同士が直角となる連結では、結合突起5も第一突起51と第二突起52とが直角に当接した状態となっている。
【0056】
図3(c)及び図4に示すように、この結合突起5が、中央孔31に挿入されるように連結部材3を取り付ける。これにより、結合突起5の第一突起51と第二突起52とが直角に一体となった状態を維持される。
【0057】
結合突起5は中央孔31を貫通した状態となっている。より詳細に説明すると、結合突起5は、ちょうど中央孔31の鏃31aに嵌まり込むようになっている。そのため、中央孔31の中で第一突起51及び第二突起52が直角に当接したまま、それぞれ動くことができないようになっている。
【0058】
連結部材3は、一方の壁面1の肩部71と他方の壁面2の肩部72に挟まれて、第二切り欠き62の底に達して結合突起5の根本に位置する状態となっている。
【0059】
これにより、一方の壁面1及び他方の壁面2同士が直角となる連結が実現することができる。
【0060】
図3(c)の状態で、結合突起5が連結部材3の中央孔31から抜けるように連結部材3を取り外すと図3(b)の状態となる。さらに、一方の壁面1と他方の壁面2とを離間させれば図3(a)の状態となる。
【0061】
上記のように、本発明によれば、壁面同士が直角になる連結及び分離が容易に行うことができる。
【0062】
壁面同士が直列となる連結について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図5及び図5において、図中に表記できない符号については、図1及び図2を参照ください。
【0063】
壁面同士が直列となる図5(a)の状態から、一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを接近させて、図5(b)の状態とする。
【0064】
壁面同士が直列となる連結では、図5(b)の状態において、一方の壁面1の第一端11の端面と他方の壁面の第二端22の端面とが当接する。
【0065】
一方の壁面1の第一凹凸41の凸は、他方の壁面2の第二凹凸42の凹に入り込む。一方の壁面1の第一凹凸41の凸の端面に、他方の壁面2の第二凹凸42の凹の端面が当接するようになっている。
【0066】
他方の壁面2の第二凹凸42の凸は、一方の壁面1の第一凹凸41の凹に入り込む。他方の壁面2の第二凹凸42の凸の端面に、一方の壁面1の第一凹凸41の凹の端面が当接するようになっている。
【0067】
このように、一方の壁面1の第一凹凸41と他方の壁面2の第二凹凸42が互いに嵌まり込むことによって、図5(b)に示すように、一方の壁面1と他方の壁面2とが、直列になった状態で位置決めされる。
【0068】
位置決めされた一方の壁面1と他方の壁面2において、第一突起51と第二突起52とが一体となって結合突起5を構成する。
【0069】
壁面同士が直列となる連結では、結合突起5も第一突起51と第二突起52とが直列に当接した状態となっている。
【0070】
一方の壁面1と他方の壁面2とが、直列になった状態で位置決めされると、一方の壁面1の第一端11と第一切り欠き61と他方の壁面2の第二端22の第一切り欠き61とが一体となった穴が形成される。
【0071】
この穴に連結部材3を壁面の厚さ方向に一旦挿入し、次いで、結合突起5が、中央孔31に挿入されるように連結部材5を壁面の下端に向かって動かす。これにより、結合突起5に連結部材3が取り付けられ、結合突起の第一突起と第二突起とが直列に一体となった状態を維持される。
【0072】
結合突起5は中央孔31を貫通した状態となっている。より詳細に説明すると、結合突起5は、ちょうど連結部材3の中央孔31のシャフト31bの端から鏃31aの端までの間に嵌まり込むようになっている。
【0073】
一方の壁面1の第一端11の肩部71と、他方の壁面2の第二端22の肩部72は、それぞれ、連結部材3の対向切り欠き32,32を通過して、最終的に連結部材3は、第二切り欠き62の底に達して結合突起5の根本に位置する状態となっている。
【0074】
連結部材3が結合突起5の根元にある状態では、連結部材3の一方の対向切り欠き32は、一方の壁面1の第一端11の肩部71を挟んでいる。
【0075】
同様に、連結部材3が結合突起5の根元にある状態では、連結部材3の他方の対向切り欠き32は、他方の壁面2の第二端22の肩部72を挟んでいる。
【0076】
そのため、連結部材3が結合突起5の根元に位置する状態では、連結部材3と一方の壁面1及び他方の壁面2とが互いに位置決めする関係となる。
【0077】
そのため、連結部材3の中央孔31の中で第一突起51及び第二突起52が直列に当接したまま、それぞれ動くことができないようになっている。
【0078】
これにより、一方の壁面1及び他方の壁面2同士が直列となる連結が実現することができる。
【0079】
図5(c)の状態で、結合突起5が連結部材3の中央孔31から抜けるように連結部材を取り外すと図5(b)の状態となる。さらに、一方の壁面1と他方の壁面2とを離間させれば図5(a)の状態となる。
【0080】
このように、壁面同士が直列になる連結及び分離が容易に行うことができる。
【0081】
壁面同士の上下の連結について、図7及び図8を参照して説明する。なお、図7及び図8において、図中に表記できない符号については、図1及び図2の参照ください。
【0082】
下の一方の壁面1の上端13において、複数の上下連結用切り欠き8に、それぞれ、連結部材3が下の対向切り欠き32から挿入される。
【0083】
それぞれの連結部材3と一方の壁面1の上端13とは、互いに嵌まり合った状態となる。
【0084】
図7(a)の状態から、下の一方の壁面1の上端13に向かって、上の他方の壁面2の下端24を接近させて、図7(b)の状態とする。
【0085】
また、連結部材3の上の対向切り欠きに、それぞれ、上の他方の壁面2の下端24の上下連結用切り欠き9が挿入される。
【0086】
それぞれの連結部材3と他方の壁面2の下端24とは、互いに嵌まり合った状態となる。壁面同士の上下の連結では、図7(b)の状態において、下の一方の壁面1の上端13の端面と、上の他方の壁面2の下端24の端面とが当接する。
【0087】
これにより、一方の壁面及び他方の壁面同士の上下の連結が実現することができる。
【0088】
図7(b)の状態で、上の他方の壁面2を持ち上げると、図7(a)の状態となる。
【0089】
さらに、下の一方の壁面1の上端13において、上下連結用切り欠き8から連結部材3を持ち上げると、一方の壁面1から連結部材3を取り外すことができる。
【0090】
このように、壁面同士の上下の連結及び分離が容易に行うことができる。
【0091】
上記実施形態では、壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士が直角となる連結の場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、直角以外の角度で壁面同士が当接して角が形成される連結であってもよい。
【0092】
上記実施形態では、各図に示すように、一方の壁面1及び他方の壁面2が平らな壁面である場合について説明したが、これに限定されることはない。壁面は、平らな壁面以外に、例えば、湾曲した壁面や、屈曲した壁面であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、一方の壁面1及び他方の壁面2は、所定の厚さの板材からなる場合について説明したが、これに限定されることはない。連結する壁面の厚さはことなっていてもよい。
【0094】
上記実施形態では、一方の壁面1及び他方の壁面2は、同一形状となっており、その外形は略矩形となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。連結する壁面の形状が異なる形状であってもよく、その外形は略矩形以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【0095】
上記実施形態では、図1に示すような第一凹凸41及び第二凹凸42の形状について説明したが、これに限定されることはない。第一凹凸及び第二凹凸の形状は、連結する壁面同士を位置決めできるのであれば、図1以外の形状であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、図1に示すような第一突起51及び第二突起52の形状について説明したが、これに限定されることはない。第一突起及び第二突起の形状は、連結部材によって第一突起と第二突起とが一体となった状態が維持されるのであれば、図1以外の形状であってもよい。
【0097】
上記実施形態では、図1に示すような個数、配置で上下連結用切り欠き8及び上下連結用切り欠き9が形成されている場合について説明したが、これに限定されることはない。上下連結用切り欠きは、自由に個数、配置を変更してもよい。
【0098】
上記実施形態では、連結部材3が略矩形となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。連結部材は、その外形が略矩形以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【0099】
上記実施形態では、中央孔31は、平面図において、略矢印形状となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。中央孔は略矢印形状以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 一方の壁面
2 他方の壁面
3 連結部材
5 結合突起
8 上下連結用切り欠き
9 上下連結用切り欠き
11,21 第一端
12,22 第二端
13,23 上端
14,24 下端
31 中央孔
31a 鏃
31b シャフト
32 対向切り欠き
41 第一凹凸
42 第二凹凸
51 第一突起
52 第二突起
61 第一切り欠き
62 第二切り欠き
71 肩部
72 肩部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端と第二端とが対向し、上端と下端とが対向する略矩形の壁面の連結において、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で可能となっており、
壁面には、第一端の上下方向途中に第一突起が設けられており、第二端の上下方向途中に第二突起が設けられており、
第一突起は、第一端において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっており、
第二突起は、第二端において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっており、
角が形成される連結と直列となる連結との両方において、一方の壁面の第一端と他方の壁面の第二端とを当接させると、第一突起と第二突起とが一体となった結合突起となり、前記連結部材で、結合突起の第一突起と第二突起とが一体となった状態を維持可能となっていることを特徴とする壁面連結構造。
【請求項2】
第一突起及び第二突起は、根元から先端に至るまでの途中から先細る形状となっており、第一突起と第二突起が一体となった結合突起も、根元から先端に至るまでの途中から先細った形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の壁面連結構造。
【請求項3】
壁面の第一端には、第一凹凸が形成されており、
壁面の第二端には、第一凹凸とでっぱりとくぼみが逆になった第二凹凸が形成されており、
一方の壁面の第一凹凸と他方の壁面の第二凹凸とが互いに嵌まり込むことによって、壁面同士が位置決めされた上で、前記連結部材で連結可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の壁面連結構造。
【請求項4】
連結する壁面は同一形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の壁面連結構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の壁面を連結する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面の連結において、壁面同士が直角となる連結と、壁面同士が直列となる連結の両方が可能となることを求められる場合がある。
【0003】
このような壁面の連結として、特開2000-160737号公報に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021―065578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特開2000-160737号公報に記載の壁面の連結では、壁面の間に支柱が存在し、この支柱に連結具を介して、壁面同士が直角となる連結と、壁面同士が直列となる連結の両方が可能となっている。
【0006】
そのため、支柱が必須となり、壁面の連結を実現するための部品数が多くなってしまうという問題がある。一つの連結箇所において、壁面と支柱の連結作業及び分離作業が2回必要となり連結作業及び分離作業のための手間及び時間がかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、部品数が少なく、連結作業及び分離作業の手間及び時間を減らすことができる壁面連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の壁面連結構造は、第一端と第二端とが対向し、上端と下端とが対向する略矩形の壁面の連結において、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で可能となっており、壁面には、第一端の上下方向途中に第一突起が設けられており、第二端の上下方向途中に第二突起が設けられており、第一突起は、第一端において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっており、第二突起は、第二端において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっており、角が形成される連結と直列となる連結との両方において、一方の壁面の第一端と他方の壁面の第二端とを当接させると、第一突起と第二突起とが一体となった結合突起となり、前記連結部材で、結合突起の第一突起と第二突起とが一体となった状態を維持可能となっている。
【0009】
請求項1の壁面連結構造によれば、壁面同士が直接当接して連結可能となっているので、壁面以外の支柱等の部品が必要ない。また、壁面同士が当接して角が形成される連結と、壁面同士が当接して直列となる連結との両方が1種類の連結部材で実現できる。
【0010】
本発明の請求項2の壁面連結構造は、請求項1の壁面連結構造において、第一突起及び第二突起は、根元から先端に至るまでの途中から先細る形状となっており、第一突起と第二突起が一体となった結合突起も、根元から先端に至るまでの途中から先細った形状となっている。
【0011】
本発明の請求項3の壁面連結構造は、請求項1の壁面連結構造において、壁面の第一端には、第一凹凸が形成されており、壁面の第二端には、第一凹凸とでっぱりとくぼみが逆になった第二凹凸が形成されており、一方の壁面の第一凹凸と他方の壁面の第二凹凸とが互いに嵌まり込むことによって、壁面同士が位置決めされた上で、前記連結部材で連結可能となっている。
【0012】
本発明の請求項4の壁面連結構造は、請求項1から3のいずれかの壁面連結構造において、連結する壁面は同一形状である。
【0013】
請求項4の壁面連結構造によれば、請求項1から3のいずれかの壁面連結構造と同様の作用に加えて、連結する壁面が同一形状であることによって、壁面の製造コストの抑制、壁面が多種の形状であることに比べて容易な壁面の管理・保管が実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の壁面連結構造は、壁面同士が当接して直角となる連結と壁面同士が当接して直列となる連結が可能で、部品数が少なく、連結作業及び分離作業の手間及び時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の壁面連結構造の壁面の平面図である。
図2】本発明の一実施形態の壁面連結構造の連結部材の拡大平面図である。
図3】壁面同士が直角となる連結の過程を示す斜視図である。
図4図3の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
図5】壁面同士が直列となる連結の過程を示す斜視図である。
図6図5の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
図7】壁面同士が上下に連結の過程を示す斜視図である。
図8図7の連結した状態での連結部材の周辺を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態の壁面連結構造は、図1に示す一方の壁面1と他方の壁面2とを、図2に示す連結部材3で連結する構成となっている。なお、図1図2は、説明の都合上、縮尺が異なっている。
【0017】
一方の壁面1及び他方の壁面2は、所定の厚さの板材からなる。
【0018】
一方の壁面1及び他方の壁面2は、同一形状となっており、その外形は略矩形となっている。
【0019】
一方の壁面1においては、第一端11と第二端12とが対向し、上端13と下端14とが対向する。
【0020】
同様に、他方の壁面2においても、第一端21と第二端22とが対向し、上端23と下端24とが対向する。
【0021】
一方の壁面1の第一端11及び他方の壁面2の第一端21には、それぞれ、第一凹凸41が形成されている。
【0022】
一方の壁面1の第二端12及び他方の壁面2の第二端22には、それぞれ、第一凹凸41とでっぱりとくぼみが逆になった第二凹凸42が形成されている。
【0023】
第一凹凸41及び第二凹凸42において、凹の底からの凸の最大でっぱり量Hは、壁面の板厚と一致するようになっている。
【0024】
一方の壁面1の第一端11及び他方の壁面2の第一端21には、それぞれ、第一突起51が設けられている。
【0025】
一方の壁面1の第二端12及び他方の壁面2の第二端22には、それぞれ、第二突起52が設けられている。
【0026】
第一突起51は、第一端11,21において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっている。
【0027】
第二突起52も、同様に、第二端12,22において、その根元が下端側にあり、その先端が上端側にある形状となっている。
【0028】
下端14を接地させて垂直に壁面を立てた場合に、第一突起51及び第二突起52は重力方向と反対に根元から先端が伸びることとなる。
【0029】
一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを当接させると、第一突起51と第二突起52とが一体となった結合突起5となる。
【0030】
第一突起51及び第二突起52は、根元から先端に至るまでの途中から先細る形状となっている。第一突起51と第二突起52が一体となった結合突起5も、根元から先端に至るまでの途中から先細った形状となる。
【0031】
壁面の第一端11,21及び第二端12,22には、それぞれ、壁面の対向する一方の端から他方の端に向かって形成された第一切り欠き61と、第一切り欠き61の途中から分岐する第二切り欠き62とが形成されている。
【0032】
第一突起51は、第一切り欠き61、第二切り欠き62、第一端11(21)に囲まれた状態となっている。
【0033】
第二突起52も同様に、第一切り欠き61、第二切り欠き62、第二端12(22)に囲まれた状態となっている。
【0034】
第一突起51と第二切り欠き62を挟んで対向する位置に肩部71が形成されている。同様に、第二突起52と第二切り欠き62を挟んで対向する位置にも肩部72が形成されている。
【0035】
肩部71,72は、それぞれ、第一切り欠き61、第二切り欠き62に囲まれている。
【0036】
上端13,23には、上下連結用切り欠き8が形成されている。下端14,24にも、上下連結用切り欠き9が形成されている。
【0037】
上下連結用切り欠き8,9は、上端13,23及び下端14,24のそれぞれに、一定間隔で複数形成されている。
【0038】
上下連結用切り欠き8,9の最小幅W1は、壁面の板厚とほぼ同じとなっている。上下連結用切り欠き8,9は、切り欠きの底から離れるにしたがって幅が大きくなっている。
【0039】
連結部材3は、略矩形となっている。
【0040】
連結部材3は、壁面と同じ厚さの板材からなる。
【0041】
連結部材3は中央孔31を有している。中央孔31は、平面図において、略矢印形状となっている。
【0042】
中央孔31の鏃31aは、壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士の直角の連結で、結合突起5が挿入できるようになっている。
【0043】
中央孔31のシャフト31bの端から鏃31aの端までの間の部分は、壁面同士の直列の連結での結合突起5が挿入できるようになっている。
【0044】
連結部材3は、外縁から中央孔31に向かって形成されている一対の対向切り欠き32,32をさらに有する。
【0045】
対向切り欠き32の最小幅W2は、壁面の板厚とほぼ同じとなっている。対向切り欠き32は、切り欠きの底から離れるにしたがって幅が大きくなっている。これにより、上下連結用切り欠き8,9を対向切り欠き32と嵌め合いが、閊えにくくなっている。
【0046】
壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士が直角となる連結について、主に図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4において、図中に表記していない符号については、図1及び図2を参照ください。
【0047】
壁面同士が直角となるように、図3(a)の状態から、一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを接近させて、図3(b)の状態とする。
【0048】
壁面同士が直角となる連結では、図3(b)の状態において、一方の壁面1の第一端11の表面と他方の壁面2の第二端22の端面とが当接する。
【0049】
一方の壁面1の第一凹凸41の凸は、他方の壁面2の第二凹凸42の凹に入り込む。一方の壁面1の第一凹凸41の凸の表面に、他方の壁面2の第二凹凸42の凹の端面が当接するようになっている。
【0050】
他方の壁面2の第二凹凸42の凸は、一方の壁面1の第一凹凸41の凹に入り込む。他方の壁面2の第二凹凸42の凸の表面に、一方の壁面1の第一凹凸41の凹の端面が当接するようになっている。
【0051】
このように、一方の壁面1の第一凹凸41と他方の壁面2の第二凹凸42とが互いに嵌まり込むことによって、図3(b)に示すように、一方の壁面1と他方の壁面2とが、直角になった状態で位置決めされる。
【0052】
位置決めされた一方の壁面1と他方の壁面2において、第一突起51と第二突起52とが一体となって結合突起5を構成する。
【0053】
壁面同士が直角となる連結では、結合突起5も第一突起51と第二突起52とが直角に当接した状態となっている。
【0054】
図3(c)及び図4に示すように、この結合突起5が、中央孔31に挿入されるように連結部材3を取り付ける。これにより、結合突起5の第一突起51と第二突起52とが直角に一体となった状態を維持される。
【0055】
結合突起5は中央孔31を貫通した状態となっている。より詳細に説明すると、結合突起5は、ちょうど中央孔31の鏃31aに嵌まり込むようになっている。そのため、中央孔31の中で第一突起51及び第二突起52が直角に当接したまま、それぞれ動くことができないようになっている。
【0056】
連結部材3は、一方の壁面1の肩部71と他方の壁面2の肩部72に挟まれて、第二切り欠き62の底に達して結合突起5の根本に位置する状態となっている。
【0057】
これにより、一方の壁面1及び他方の壁面2同士が直角となる連結が実現することができる。
【0058】
図3(c)の状態で、結合突起5が連結部材3の中央孔31から抜けるように連結部材3を取り外すと図3(b)の状態となる。さらに、一方の壁面1と他方の壁面2とを離間させれば図3(a)の状態となる。
【0059】
上記のように、本発明によれば、壁面同士が直角になる連結及び分離が容易に行うことができる。
【0060】
壁面同士が直列となる連結について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図5及び図において、図中に表記していない符号については、図1及び図2を参照ください。
【0061】
壁面同士が直列となる図5(a)の状態から、一方の壁面1の第一端11と他方の壁面2の第二端22とを接近させて、図5(b)の状態とする。
【0062】
壁面同士が直列となる連結では、図5(b)の状態において、一方の壁面1の第一端11の端面と他方の壁面の第二端22の端面とが当接する。
【0063】
一方の壁面1の第一凹凸41の凸は、他方の壁面2の第二凹凸42の凹に入り込む。一方の壁面1の第一凹凸41の凸の端面に、他方の壁面2の第二凹凸42の凹の端面が当接するようになっている。
【0064】
他方の壁面2の第二凹凸42の凸は、一方の壁面1の第一凹凸41の凹に入り込む。他方の壁面2の第二凹凸42の凸の端面に、一方の壁面1の第一凹凸41の凹の端面が当接するようになっている。
【0065】
このように、一方の壁面1の第一凹凸41と他方の壁面2の第二凹凸42が互いに嵌まり込むことによって、図5(b)に示すように、一方の壁面1と他方の壁面2とが、直列になった状態で位置決めされる。
【0066】
位置決めされた一方の壁面1と他方の壁面2において、第一突起51と第二突起52とが一体となって結合突起5を構成する。
【0067】
壁面同士が直列となる連結では、結合突起5も第一突起51と第二突起52とが直列に当接した状態となっている。
【0068】
一方の壁面1と他方の壁面2とが、直列になった状態で位置決めされると、一方の壁面1の第一端11と第一切り欠き61と他方の壁面2の第二端22の第一切り欠き61とが一体となった穴が形成される。
【0069】
この穴に連結部材3を壁面の厚さ方向に一旦挿入し、次いで、結合突起5が、中央孔31に挿入されるように連結部材5を壁面の下端に向かって動かす。これにより、結合突起5に連結部材3が取り付けられ、結合突起5の第一突起51と第二突起52とが直列に一体となった状態を維持される。
【0070】
結合突起5は中央孔31を貫通した状態となっている。より詳細に説明すると、結合突起5は、ちょうど連結部材3の中央孔31のシャフト31bの端から鏃31aの端までの間に嵌まり込むようになっている。
【0071】
一方の壁面1の第一端11の肩部71と、他方の壁面2の第二端22の肩部72は、それぞれ、連結部材3の対向切り欠き32,32を通過して、最終的に連結部材3は、第二切り欠き62の底に達して結合突起5の根本に位置する状態となっている。
【0072】
連結部材3が結合突起5の根元にある状態では、連結部材3の一方の対向切り欠き32は、一方の壁面1の第一端11の肩部71を挟んでいる。
【0073】
同様に、連結部材3が結合突起5の根元にある状態では、連結部材3の他方の対向切り欠き32は、他方の壁面2の第二端22の肩部72を挟んでいる。
【0074】
そのため、連結部材3が結合突起5の根元に位置する状態では、連結部材3と一方の壁面1及び他方の壁面2とが互いに位置決めする関係となる。
【0075】
そのため、連結部材3の中央孔31の中で第一突起51及び第二突起52が直列に当接したまま、それぞれ動くことができないようになっている。
【0076】
これにより、一方の壁面1及び他方の壁面2同士が直列となる連結が実現することができる。
【0077】
図5(c)の状態で、結合突起5が連結部材3の中央孔31から抜けるように連結部材を取り外すと図5(b)の状態となる。さらに、一方の壁面1と他方の壁面2とを離間させれば図5(a)の状態となる。
【0078】
このように、壁面同士が直列になる連結及び分離が容易に行うことができる。
【0079】
壁面同士の上下の連結について、図7及び図8を参照して説明する。なお、図7及び図8において、図中に表記できない符号については、図1及び図2の参照ください。
【0080】
下の一方の壁面1の上端13において、複数の上下連結用切り欠き8に、それぞれ、連結部材3が下の対向切り欠き32から挿入される。
【0081】
それぞれの連結部材3と一方の壁面1の上端13とは、互いに嵌まり合った状態となる。
【0082】
図7(a)の状態から、下の一方の壁面1の上端13に向かって、上の他方の壁面2の下端24を接近させて、図7(b)の状態とする。
【0083】
また、連結部材3の上の対向切り欠きに、それぞれ、上の他方の壁面2の下端24の上下連結用切り欠き9が挿入される。
【0084】
それぞれの連結部材3と他方の壁面2の下端24とは、互いに嵌まり合った状態となる。壁面同士の上下の連結では、図7(b)の状態において、下の一方の壁面1の上端13の端面と、上の他方の壁面2の下端24の端面とが当接する。
【0085】
これにより、一方の壁面及び他方の壁面同士の上下の連結が実現することができる。
【0086】
図7(b)の状態で、上の他方の壁面2を持ち上げると、図7(a)の状態となる。
【0087】
さらに、下の一方の壁面1の上端13において、上下連結用切り欠き8から連結部材3を持ち上げると、一方の壁面1から連結部材3を取り外すことができる。
【0088】
このように、壁面同士の上下の連結及び分離が容易に行うことができる。
【0089】
上記実施形態では、壁面同士が当接して角が形成される連結の一例として、壁面同士が直角となる連結の場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、直角以外の角度で壁面同士が当接して角が形成される連結であってもよい。
【0090】
上記実施形態では、各図に示すように、一方の壁面1及び他方の壁面2が平らな壁面である場合について説明したが、これに限定されることはない。壁面は、平らな壁面以外に、例えば、湾曲した壁面や、屈曲した壁面であってもよい。
【0091】
上記実施形態では、一方の壁面1及び他方の壁面2は、所定の厚さの板材からなる場合について説明したが、これに限定されることはない。連結する壁面の厚さはなっていてもよい。
【0092】
上記実施形態では、一方の壁面1及び他方の壁面2は、同一形状となっており、その外形は略矩形となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。連結する壁面の形状が異なる形状であってもよく、その外形は略矩形以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、図1に示すような第一凹凸41及び第二凹凸42の形状について説明したが、これに限定されることはない。第一凹凸及び第二凹凸の形状は、連結する壁面同士を位置決めできるのであれば、図1以外の形状であってもよい。
【0094】
上記実施形態では、図1に示すような第一突起51及び第二突起52の形状について説明したが、これに限定されることはない。第一突起及び第二突起の形状は、連結部材によって第一突起と第二突起とが一体となった状態が維持されるのであれば、図1以外の形状であってもよい。
【0095】
上記実施形態では、図1に示すような個数、配置で上下連結用切り欠き8及び上下連結用切り欠き9が形成されている場合について説明したが、これに限定されることはない。上下連結用切り欠きは、自由に個数、配置を変更してもよい。
【0096】
上記実施形態では、連結部材3が略矩形となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。連結部材は、その外形が略矩形以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【0097】
上記実施形態では、中央孔31は、平面図において、略矢印形状となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。中央孔は略矢印形状以外の多角形や幾何学図形であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 一方の壁面
2 他方の壁面
3 連結部材
5 結合突起
8 上下連結用切り欠き
9 上下連結用切り欠き
11,21 第一端
12,22 第二端
13,23 上端
14,24 下端
31 中央孔
31a 鏃
31b シャフト
32 対向切り欠き
41 第一凹凸
42 第二凹凸
51 第一突起
52 第二突起
61 第一切り欠き
62 第二切り欠き
71 肩部