(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080904
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】貯湯給湯システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/36 20220101AFI20240610BHJP
F24H 15/174 20220101ALI20240610BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20240610BHJP
F24H 15/238 20220101ALI20240610BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240610BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240610BHJP
【FI】
F24H15/36
F24H15/174
F24H15/223
F24H15/238
F24H1/00 A
F24H1/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194253
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 凌
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和久
(72)【発明者】
【氏名】舘 大介
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA54
3L122AA62
3L122AA64
3L122BA02
3L122BA12
3L122BA13
3L122BA14
3L122BB03
3L122DA02
3L122EA02
3L122EA09
3L122FA02
(57)【要約】
【課題】補助熱源機の入水温度が急激に上昇する場合に発生する給湯温度のオーバーシュートを低減することができる貯湯給湯システムを提供すること。
【解決手段】主熱源機(4)で加熱した湯水を貯湯する貯湯タンク(2)及びこの貯湯タンク(2)の湯水と上水を混合して出湯する混合弁(14)を備えた貯湯ユニット(3)と、貯湯ユニット(3)から出湯された湯水をその入水温度に応じて加熱して又は非加熱で給湯する補助熱源機(5)と、貯湯ユニット(3)と補助熱源機(5)による給湯運転を制御する制御手段を有する貯湯給湯システム(1)は、貯湯タンク(2)の湯水温度を検知する貯湯温度検知手段(2d)を備え、制御手段は給湯運転の開始時に、混合弁(14)が上水側を所定開度以上に開けた状態であり且つ貯湯タンク(2)の湯水温度が所定の基準温度以上である場合に、補助熱源機(5)の目標加熱温度を、混合弁が上水側を所定開度以上に開けていない場合よりも低温に設定するように制限する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主熱源機で加熱した湯水を貯湯する貯湯タンク及びこの貯湯タンクの湯水と上水を混合して出湯する混合弁を備えた貯湯ユニットと、前記貯湯ユニットから出湯された湯水をその入水温度に応じて加熱して又は非加熱で給湯する補助熱源機と、前記貯湯ユニットと前記補助熱源機による給湯運転を制御する制御手段を有する貯湯給湯システムにおいて、
前記貯湯タンクの湯水温度を検知する貯湯温度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記給湯運転の開始時に、前記混合弁が上水側を所定開度以上に開けた状態であり且つ前記貯湯タンクの湯水温度が所定の基準温度以上である場合に、前記補助熱源機の目標加熱温度を、前記混合弁が上水側を前記所定開度以上に開けていない場合よりも低温に設定するように制限することを特徴とする貯湯給湯システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記目標加熱温度を制限した状態での前記貯湯ユニットからの積算出湯流量が、前記貯湯ユニットと前記補助熱源機とを接続する連結通路の通路容積に相当する量に到達した場合には、前記目標加熱温度の制限を解除することを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯システム。
【請求項3】
前記補助熱源機の目標加熱温度を給湯設定温度に応じて設定する通常モードと、前記目標加熱温度を前記通常モードの場合よりも低温に設定するように制限する制限モードを選択可能であり、前記制御手段は、前記制限モードが選択されている場合に前記目標加熱温度を制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の貯湯給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主熱源機で加熱して貯湯タンクに貯湯した湯水を給湯に使用する貯湯給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、加熱運転効率が高い主熱源機として例えばヒートポンプユニットで加熱された湯水を貯湯タンクに貯湯し、この貯湯タンクの湯水を給湯に使用する貯湯給湯システムが広く利用されている。貯湯給湯システムは、主熱源機と、貯湯タンクを備えた貯湯ユニットと、主熱源機よりも加熱能力が大きい例えば燃焼式の補助熱源機を備えている。
【0003】
貯湯給湯システムには、例えば特許文献1のように、貯湯ユニットから出湯された湯水が、補助熱源機を介して給湯栓に給湯されるように構成されたものがある。この貯湯給湯システムは、給湯栓の開栓により給湯使用が開始されると、貯湯ユニットの湯水混合部において貯湯タンクからの高温の湯水と上水とが混合され、温度が調整された湯水が貯湯ユニットから出湯される。そして、貯湯ユニットから出湯された湯水が、補助熱源機を介して給湯栓に給湯される。
【0004】
このとき補助熱源機は、貯湯ユニットから出湯された湯水の温度に応じて加熱して、又は非加熱で給湯する。補助熱源機による加熱運転は、給湯設定温度で給湯可能な温度の湯水が貯湯タンクにない場合に行い、貯湯ユニットから出湯された湯水を加熱して給湯設定温度に調整した湯水を給湯する。一方、貯湯ユニットで給湯設定温度に調整された湯水が出湯される場合には、補助熱源機は非加熱で給湯する。
【0005】
特許文献1には、貯湯ユニットと補助熱源機を接続する連結通路の配管容量に相当する湯水量が給湯先に供給されるまで、補助熱源機の加熱開始のタイミングを遅らせることが記載されている。これにより、貯湯ユニットから出湯された湯水を補助熱源機で加熱して給湯する場合と非加熱で給湯する場合とで、給湯先に給湯設定温度の湯水が供給されるまでの時間が異ならないようにしている。
【0006】
また、特許文献2には、試運転時に貯湯ユニットと補助熱源機を接続する連結通路の配管容量を算出しておくことと、貯湯タンクの湯水では貯湯ユニットから給湯設定温度で出湯できない場合に補助熱源機で加熱して給湯設定温度の給湯を行うことが記載されている。そして、補助熱源機での加熱を伴う給湯中に、貯湯タンクに給湯設定温度で出湯可能な湯水が貯湯された場合に、貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水を出湯して補助熱源機で非加熱の給湯に切り替える際に、連結通路の配管容量相当量が給湯されるまで補助熱源機で加熱し、その後は非加熱で給湯する。これにより貯湯タンクの湯水が有効に使用される。
【0007】
一方、特許文献3には、貯湯タンクの高温水が使い尽くされて上水が出湯される前に、貯湯タンクからの高温水に上水を混合して出湯温度を下げ、この湯水を補助熱源機で加熱して給湯することが記載されている。これにより、補助熱源機の加熱開始時における給湯温度の低下が小さくなり、貯湯タンクの高温水が使い尽くされて上水が補助熱源機に入水する際の給湯温度の低下が小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6385071号公報
【特許文献2】特許第5309061号公報
【特許文献3】特開2016-44949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
補助熱源機は、貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水を出湯する場合には、非加熱で給湯する。貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水を出湯できない場合には、所定の温度以下に調整された湯水又は上水が貯湯ユニットから出湯され、この湯水を補助熱源機が加熱して給湯する。このとき補助熱源機は、貯湯ユニットから出湯された湯水の温度(入水温度)に基づいて設定した加熱後の湯水温度(目標加熱温度)に加熱した湯水に、非加熱の湯水を混合することにより給湯設定温度に調整して給湯する。
【0010】
前回の給湯使用では補助熱源機が非加熱であって、次の給湯使用でも貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水を出湯可能な場合、前回の給湯使用からの時間経過に伴って連結通路に滞留している湯水温度が低下する。このとき補助熱源機には、貯湯ユニットからの給湯設定温度の湯水が供給されるまで、連結通路に滞留している間に温度が低下した湯水が供給される。また、前回の給湯使用が補助熱源機による加熱を伴い、その後の貯湯運転によって貯湯タンクに給湯設定温度で出湯可能な湯水が貯湯された場合、次の給湯使用では貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水が出湯される。このとき、貯湯ユニットから出湯された給湯設定温度の湯水が補助熱源機に到達するまでは、連結通路に滞留している低温の湯水が補助熱源機に供給される。
【0011】
補助熱源機は、入水温度に基づいて給湯設定温度で給湯できるように低温の湯水を加熱するので、連結通路に滞留していた湯水を加熱して給湯する。しかし、貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水が出湯されて、加熱中に入水温度が給湯設定温度まで急上昇するので、補助熱源機での加熱と混合による給湯温度の調整が入水温度の急上昇に追い付かず、給湯温度のオーバーシュートが発生してしまう。
【0012】
ここで特許文献1、2のように、給湯使用開始時に貯湯タンクに給湯設定温度で出湯可能な湯水が貯湯されている場合に補助熱源機で加熱しないようにすると、上記のようなオーバーシュートが発生しない。しかし、連結通路が長いほど給湯設定温度の湯水が給湯されるまで時間がかかるので、利便性が低い。この利便性向上のため、給湯使用開始時には補助熱源機で入水温度に応じて加熱して給湯することが要求されているので、特許文献3とは逆に入水温度が急激に上昇する場合に発生する給湯温度のオーバーシュートを小さくする技術が求められていた。
【0013】
そこで、本発明は、補助熱源機の入水温度が急激に上昇する場合に発生する給湯温度のオーバーシュートを低減することができる貯湯給湯システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明の貯湯給湯システムは、主熱源機で加熱した湯水を貯湯する貯湯タンク及びこの貯湯タンクの湯水と上水を混合して出湯する混合弁を備えた貯湯ユニットと、前記貯湯ユニットから出湯された湯水をその入水温度に応じて加熱して又は非加熱で給湯する補助熱源機と、前記貯湯ユニットと前記補助熱源機による給湯運転を制御する制御手段を有する貯湯給湯システムにおいて、前記貯湯タンクの湯水温度を検知する貯湯温度検知手段を備え、前記制御手段は、前記給湯運転の開始時に、前記混合弁が上水側を所定開度以上に開けた状態であり且つ前記貯湯タンクの湯水温度が所定の基準温度以上である場合に、前記補助熱源機の目標加熱温度を、前記混合弁が上水側を前記所定開度以上に開けていない場合よりも低温に設定するように制限することを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、貯湯タンクからの湯水と上水が混合弁で混合されて貯湯ユニットから出湯された湯水は、補助熱源機を介して給湯される。補助熱源機は、加熱後の湯水温度である目標加熱温度を設定して加熱した湯水を給湯設定温度に調整して給湯する、又は非加熱で給湯する。この給湯運転の開始時に、貯湯ユニットの混合弁が上水側を所定開度以上に開けた状態であり且つ貯湯タンクに基準温度以上の湯水がある場合には、補助熱源機の目標加熱温度を、混合弁が上水側を所定開度以上に開けていない場合よりも低温に設定するように制限する。従って、給湯開始時には補助熱源機で加熱されるので、給湯設定温度の湯水を早く給湯することができる。そして、このときの目標加熱温度は低温に設定するように制限されているので、貯湯ユニットから出湯された湯水が補助熱源機に到達して入水温度が急上昇しても、給湯する湯水の温度調整が追い付かずに発生する給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。
【0016】
請求項2の発明の貯湯給湯システムは、請求項1の発明において、前記制御手段は、前記目標加熱温度を制限した状態での前記貯湯ユニットからの積算出湯流量が、前記貯湯ユニットと前記補助熱源機とを接続する連結通路の通路容積に相当する量に到達した場合には、前記目標加熱温度の制限を解除することを特徴としている。
上記構成によれば、連結通路に滞留していた湯水の全部が補助熱源機に入水した後は、貯湯ユニットから出湯された湯水が入水するが、このとき目標加熱温度の制限が解除される。貯湯ユニットから給湯設定温度の湯水が出湯されて補助熱源機の入水温度が急上昇する場合には加熱が停止されるが、目標加熱温度が制限されていたので、給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。給湯設定温度未満であって基準温度以上の湯水が補助熱源機に入水する場合には加熱が継続されるが、目標加熱温度が制限されていたので、目標加熱温度が変更されても給湯温度の変動を小さくすることができる。
【0017】
請求項3の発明の貯湯給湯システムは、請求項1又は2の発明において、前記補助熱源機の目標加熱温度を給湯設定温度に応じて設定する通常モードと、前記目標加熱温度を前記通常モードの場合よりも低温に設定するように制限する制限モードを選択可能であり、前記制御手段は、前記制限モードが選択されている場合に前記目標加熱温度を制限することを特徴としている。
上記構成によれば、例えば連結配管が長い場合に制限モードを選択しておくことにより、補助熱源機で加熱した湯水を早く給湯することができると共に、加熱中に補助熱源機の入水温度が急激に上昇した場合に、給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の貯湯給湯システムによれば、補助熱源機の入水温度が急激に上昇する場合に発生する給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例に係る貯湯給湯システムの全体構成の説明図である。
【
図2】
図1の補助熱源機の内部構成の説明図である。
【
図3】本発明の実施例に係る貯湯ユニットの出湯制御のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例に係る補助熱源機の加熱運転制御のフローチャートである。
【
図5】従来の加熱運転による給湯温度のオーバーシュート例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0021】
最初に、本発明の貯湯給湯システム1の構成について、
図1に基づいて説明する。
貯湯給湯システム1は、貯湯タンク2を備えた貯湯ユニット3と、主熱源機4として例えばヒートポンプユニットと、例えば燃焼式の補助熱源機5を有する。この貯湯給湯システム1は、主熱源機4で目標貯湯温度に加熱された湯水を貯湯タンク2に貯湯する貯湯運転を行う。目標貯湯温度は、例えば給湯設定温度と給湯使用量の予測に基づいて設定される。補助熱源機5は、貯湯ユニット3から出湯された湯水を、その温度に応じて加熱して又は非加熱で給湯栓6に給湯する。
【0022】
次に、貯湯ユニット3について説明する。
貯湯タンク2の下部には、主熱源機4に貯湯タンク2の湯水を供給するために、ポンプ7を備えた主熱源機往き通路8が接続されている。貯湯タンク2の上部には、主熱源機4で加熱された湯水を貯湯タンク2に貯湯するための主熱源機戻り通路9が接続されている。主熱源機戻り通路9の途中には、湯水の流路を切り替える切替弁10が配設され、この切替弁10において主熱源機戻り通路9から分岐された戻り分岐通路9aが、主熱源機往き通路8のポンプ7よりも上流部分に接続されている。
【0023】
主熱源機戻り通路9の切替弁10よりも上流側には、主熱源機4で加熱された湯水の温度を検知する戻り温度センサ9bが配設されている。例えば貯湯運転の開始により主熱源機4を起動した直後には十分に加熱することができないので、切替弁10を貯湯タンク2側から戻り分岐通路9a側に切り替えて、十分に加熱できるようになるまで貯湯タンク2に湯水を戻さずに循環させることができる。
【0024】
貯湯タンク2の底部には、矢印CWで示す上水を供給する給水通路11が接続されている。貯湯タンク2の頂部には、貯湯ユニット3から貯湯タンク2の湯水を出湯するための出湯通路12が接続されている。出湯通路12の途中には、混合弁14(湯水混合部)が配設されている。この混合弁14には、給水通路11の途中から分岐された給水分岐通路11aが接続されている。そして、貯湯タンク2からの湯水と給水分岐通路11aからの上水とが混合弁14で混合されて、貯湯ユニット3から出湯される。尚、混合弁14の代わりに、貯湯タンク2側の流量を調整する流量調整弁と、給水分岐通路11a側の流量を調整する流量調整弁とで湯水混合部が構成されていてもよい。
【0025】
貯湯タンク2には、複数の貯湯温度センサ2a~2d(貯湯温度検知手段)が高さ方向に所定の間隔を空けて配設されており、貯湯タンク2に貯湯された湯水の温度とその温度の湯水の貯湯量を検知することができる。そして、貯湯された湯水の降温を防ぐため、これら貯湯温度センサ2a~2dと貯湯タンク2を覆うように図示外の保温材が配設されている。
【0026】
給水通路11には、上水の温度(給水温度)を検知する給水温度センサ11bが配設されている。出湯通路12には、貯湯ユニット3から出湯する湯水の出湯流量を検知する出湯流量センサ12aと、貯湯タンク2から出湯される湯水の温度を検知する貯湯タンク出湯温度センサ12bと、貯湯ユニット3からの出湯温度を検知する出湯温度センサ12c(出湯温度検知手段)が配設されている。
【0027】
貯湯ユニット3の出湯通路12と補助熱源機5の給水口5aは、連結通路15によって接続されている。補助熱源機5の給湯口5bには、給湯栓6に接続された給湯通路16が接続されている。貯湯ユニット3から出湯された湯水は、補助熱源機5を介して給湯栓6に給湯される。
【0028】
貯湯運転では、主熱源機4とポンプ7を駆動して貯湯タンク2と主熱源機4の間で湯水を循環させ、貯湯タンク2の下部から主熱源機4に導入した湯水を加熱し、貯湯タンク2の上部に戻して貯湯する。これにより、貯湯タンク2内に、上層の目標貯湯温度の湯水と下層の加熱前の湯水からなる温度成層が形成される。貯湯ユニット3は、この貯湯運転と貯湯ユニット3から出湯する湯水の温度調整を制御する貯湯ユニット制御部18を有する。
【0029】
次に、補助熱源機5について説明する。
図2に示すように、補助熱源機5は、給水口5aと給湯口5bを接続する給湯通路21と、給湯通路21の途中に配設された熱交換器22と、送風ファン23と、送風ファン23から送られる空気を利用して燃料ガスを燃焼させるバーナ24を有する。給湯通路21を流通する湯水は、送風ファン23によって熱交換器22に送られるバーナ24の燃焼ガスの熱(燃焼熱)を利用して、熱交換器22で加熱される。熱交換器22は、燃焼ガスの顕熱を利用する一次熱交換器と燃焼ガスの潜熱を利用する二次熱交換器によって構成されている。給湯通路21の熱交換器22の出口部分には、熱交換器22で加熱された湯水の温度を検知する熱交出口温度センサ22aが装備されている。
【0030】
給湯通路21は給水口5aと熱交換器22の間に分配弁25を有し、熱交換器22をバイパスするバイパス通路26が分配弁25で給湯通路21から分岐されている。また、給湯通路21は熱交換器22と給湯口5bの間に給湯流量調整弁27を有し、熱交換器22と給湯流量調整弁27の間にバイパス通路26が接続されている。分配弁25は、給水口5aから入水した湯水を熱交換器22側の給湯通路21とバイパス通路26とに、分配比を調整して分配する。給湯流量調整弁27は、補助熱源機5から給湯される湯水の流量を調整する。
【0031】
補助熱源機5は、給湯流量調整弁27において給湯通路21から分岐された湯張り通路28を介して浴槽に湯水を供給することができる。また、補助熱源機5は、説明を省略するが、浴槽の湯水の追い焚き機能と温水暖房機能を備えている。
【0032】
給湯通路21は、入水温度センサ5cと、給湯温度センサ5dと、給湯流量センサ5eを有する。入水温度センサ5cは、給水口5aから入水する湯水の入水温度を検知する。給湯温度センサ5dは、補助熱源機5を介して給湯される湯水の給湯温度を検知する。給湯流量センサ5eは、分配弁25によって熱交換器22側に分配された湯水の流量を検知し、この流量と分配弁25の分配比に基づいて補助熱源機5を介して給湯される湯水の流量が算出される。
【0033】
補助熱源機5は、貯湯タンク2に貯湯されている湯水の温度では給湯設定温度の給湯ができない場合に、バーナ24の燃焼熱を利用して、貯湯ユニット3から出湯された湯水を熱交換器22で加熱する加熱運転を行う。加熱運転の加熱能力は、貯湯ユニット3から出湯された湯水の温度に応じてバーナ24における燃焼量を調整することによって調整される。そして、熱交換器22で加熱された湯水とバイパス通路26からの非加熱の湯水が混合され、給湯設定温度に調整された湯水が給湯される。
【0034】
加熱運転と、この加熱運転による給湯を制御するために、補助熱源機5は、入水温度センサ5cと給湯温度センサ5dの検知温度に基づいて、送風ファン23と分配弁25と給湯流量調整弁27の駆動を制御する補助熱源機制御部29を備えている。補助熱源機制御部29には、
図1のように貯湯ユニット制御部18に接続された操作端末19が接続され、貯湯ユニット制御部18と補助熱源機制御部29とが通信可能に接続されている。この貯湯ユニット制御部18と補助熱源機制御部29によって、貯湯給湯システム1の各種制御を連携して行う制御手段が構成されている。
【0035】
操作端末19は、ユーザが例えば給湯設定温度等を設定操作するためのものであり、複数台接続されていてもよい。また、貯湯ユニット3に対応する操作端末19が貯湯ユニット制御部18に接続され、補助熱源機5に対応する操作端末が補助熱源機制御部29に接続され、貯湯ユニット制御部18と補助熱源機制御部29とが通信線で接続されていてもよい。
【0036】
次に貯湯給湯システム1の給湯運転の制御について
図3、
図4のフローチャートに基づいて説明する。図中のSi(i=1,2,・・・)はステップを表す。この制御は、制御手段である貯湯ユニット制御部18と補助熱源機制御部29とが連携して行い、制御に必要となる湯水温度、流量のような検知情報及び判定結果、演算結果は、貯湯ユニット制御部18と補助熱源機制御部29とで共有される。
【0037】
給湯栓6が開栓されて、例えば補助熱源機5の給湯流量センサ5eと貯湯ユニット3の出湯流量センサ12aにおいて夫々流量が検知され、給湯運転の制御として貯湯ユニット3の出湯制御と補助熱源機5の加熱運転制御が開始される。出湯制御では、
図3に示すように、S1において貯湯温度と給水温度と出湯流量を取得してS2に進む。
【0038】
次にS2において、貯湯温度が給湯設定温度以上であるか否か判定する。貯湯タンク2に非加熱で給湯可能な温度の湯水があるか否か判定するステップである。この判定における貯湯温度は、貯湯タンク2の最上段の貯湯温度センサ2dの検知温度である。貯湯タンク2の湯水が給湯栓6に到達するまでに降温することを考慮して、給湯設定温度よりも高い温度を判定基準に用いてもよい。
【0039】
貯湯温度が給湯設定温度以上でS2の判定がYesの場合はS3に進み、S3において出湯温度が給湯設定温度となるように混合弁14の開度を設定してS5に進む。一方、S2の判定がNoの場合はS4に進み、S4において、出湯温度が要加熱目標出湯温度以下となるように混合弁14の開度を設定してS5に進む。混合弁14の開度は、貯湯タンク出湯温度センサ12bの検知温度と給水温度に基づいて、出湯温度が給湯設定温度になるように又は要加熱目標出湯温度以下となるように設定される。
【0040】
要加熱目標出湯温度は、給湯設定温度よりも所定温度(例えば7℃)だけ低く設定される。この要加熱目標出湯温度は、例えば補助熱源機5の最小加熱能力時に給湯設定温度に調整して給湯可能な補助熱源機5の入水温度であり、給湯流量と給湯設定温度に基づいて設定することもできる。
【0041】
次にS5において、出湯流量がゼロになったか否か判定する。給湯使用が終了したか否か判定するステップである。S5の判定がNoの場合はS1に戻る。S5の判定がYesの場合はS6に進み、S6において再出湯に備えてそのまま待機してS7に進む。
【0042】
次にS7において、出湯が再開されたか否か判定する。S7の判定がYesの場合はS1に戻る。S7の判定がNoの場合はS8に進み、S8において所定の待機時間が経過したか否か判定する。待機時間は適宜設定可能であり、例えば10分に設定されている。S8の判定がNoの場合はS6に戻る。S8の判定がYesの場合はS9に進み、S9において混合弁14の開度を、上水側を所定開度以上に開けた状態(上水側所定開度以上)に設定して、出湯制御を終了する。所定開度は、上水側全開を100%、上水側全閉を0%としたきに、例えば90%の開度であり、貯湯タンク2からの湯水よりも上水が多く混合される。貯湯運転によって高温の湯水が貯湯された後で給湯使用が開始されたときに、混合弁14において上水側を所定開度以上に開けた状態から貯湯タンク側を開けてゆくので、高温の出湯が防止され安全性が向上する。
【0043】
加熱運転制御では、
図4に示すように、S11において補助熱源機5の入水温度と給湯流量を取得してS12に進む。給湯流量は、給湯流量センサ5eの検知流量と分配弁25の分配比によって算出されるが、貯湯ユニット3の出湯流量センサ12aの検知流量を使用してもよい。
【0044】
S12において、通常モードが現在選択されているか否か判定する。通常モードでは、給湯設定温度に応じて補助熱源機5の熱交換器22で加熱される湯水の目標加熱温度を設定し、入水温度と給湯流量に基づいて熱交出口温度センサ22aの検知温度がこの目標加熱温度となるようにバーナ24の燃焼量(加熱能力)を調整する。
【0045】
通常モードが選択されており、S12の判定がYesの場合にはS13に進み、S13において入水温度が要加熱目標出湯温度以下であるか否か判定する。S13の判定がYesの場合はS14に進み、S14において給湯設定温度に基づいて目標加熱温度を設定してS15に進む。そしてS15において、目標加熱温度となるように加熱した湯水と非加熱の湯水とを混合して給湯し、S17に進む。一方、S13の判定がNoの場合は、入水温度が給湯設定温度になっているので、補助熱源機5に入水した湯水を加熱せずに給湯してS17に進む。
【0046】
次にS17において、入水温度と給湯流量を取得してS18に進む。そしてS18において、給湯流量が最低作動流量未満に減少したか否か判定する。給湯栓6が閉栓されて給湯使用が終了したか否か判定するステップである。S18の判定がNoの場合はS13に戻る。S18の判定がYesの場合はS19に進み、S19において給湯終了動作を行って給湯運転制御を終了する。
【0047】
給湯終了動作は、補助熱源機5が加熱して給湯していた場合には、バーナ24への燃料供給を止め、燃焼ガスをパージしてから送風ファン23を停止して、加熱運転制御を終了する。補助熱源機5が非加熱で給湯していた場合には、燃焼していないのでそのまま加熱運転制御を終了する。
【0048】
一方、S12の判定がNoの場合(後述する制限モードが選択されている場合)にはS20に進む。そして、S20において、貯湯ユニット3の混合弁14の開度が上水側を所定開度以上に開けた状態であり、且つ貯湯温度が予め設定された基準温度よりも高いか否か判定する。貯湯タンク2に基準温度よりも高温の湯水があるが、前回の給湯終了後から所定の待機時間以上の時間が経過して連結通路15内には上水又は降温した低温の湯水が滞留しているため、入水温度が途中で急上昇することを判定するステップである。
【0049】
混合弁14の開度は、上記のように給湯終了後に所定の待機時間が経過すると安全のために上水側所定開度以上に設定される。基準温度は、補助熱源機5で加熱される場合に加熱能力が大きくならない温度に予め設定され、例えば30℃に設定されている。
【0050】
S20の判定がNoの場合(入水温度が途中で急上昇しない場合)はS13に進み、通常モードと同様にして加熱して、又は非加熱で給湯する。混合弁14が上水側所定開度以上の状態でなければ、前回の給湯終了後の経過時間が短いため給湯開始時の入水温度が前回の給湯時と概ね同等になり、前回の給湯運転が再現される。また、貯湯温度が基準温度を超えていなければ、途中で入水温度が急上昇することはない。従って、給湯温度のオーバーシュートが発生しない。
【0051】
途中で入水温度が急上昇するためS20の判定がYesの場合はS21に進む。そしてS21において、連結通路15内に滞留していた湯水を加熱して給湯温度を給湯設定温度に近づけるため、通常モードにおける目標加熱温度(S14の目標加熱温度)よりも低くなるように制限された目標加熱温度を給湯設定温度に基づいて設定して、S22に進む。制限された目標加熱温度は、通常モードの場合に設定される目標加熱温度よりも所定温度(例えば10℃)だけ低い温度に設定される。
【0052】
次にS22において、制限された目標加熱温度となるように加熱した湯水とバイパス通路26からの非加熱の湯水とを混合して給湯し、S23に進む。そしてS23において、入水温度と給湯流量を取得してS24に進む。
【0053】
次にS24において、給湯流量が最低作動流量以上であるか否か判定する。給湯使用の終了を判定するステップである。S24の判定がNoの場合はS19に進み、S19において給湯終了動作を行って給湯運転制御を終了する。S24の判定がYesの場合は、給湯使用が継続されているのでS25に進む。
【0054】
次にS25において、今回の給湯運転開始からの積算給湯流量、即ち貯湯ユニット3の積算出湯流量が、連結通路15の通路容積に相当する量に到達したか否か判定する。給湯運転開始前に連結通路15内に滞留していた湯水の全部が補助熱源機5に入水したか否か判定するステップである。S25の判定がNoの場合はS21に戻る。S25の判定がYesの場合はS26に進み、S26において、目標加熱温度の制限を解除してS13に進む。そして、補助熱源機5で加熱して又は非加熱で給湯し、上記のように給湯使用が終了したら給湯を終了して加熱運転制御を終了する。
【0055】
S13~18の通常モードの制御に加えてS20~S26の制御を行ってオーバーシュートを小さく抑えるモードが制限モードであり、操作端末19の操作によって通常モードと制限モードの何れか一方を選択可能である。そして、制限モードが選択されている場合には、混合弁14の状態と貯湯温度に基づき加熱目標温度が制限される場合がある。
【0056】
例えば前回の給湯時には貯湯ユニット3から出湯された湯水を非加熱で給湯し、その後に貯湯ユニット3の混合弁14が上水側全開の状態で給湯使用が開始された場合を例にして、給湯温度等の推移について説明する。
図5は、給湯設定温度が40℃に設定された従来通りの通常モードの加熱運転制御における給湯流量、入水温度、目標加熱温度、給湯温度の推移の1例である。給湯使用開始前は、連結通路15内の湯水温度は一様ではないがその一部は30℃未満に降温し、貯湯タンク2には給湯設定温度で出湯可能な湯水が貯留された状態である。尚、入水温度を検知する入水温度センサ5cは、ある程度放熱が防がれる補助熱源機5内にあるので、給湯使用開始前の入水温度は連結通路15内の湯水温度よりも降温し難くなっており、ここでは38℃程度になっている。
【0057】
時刻t0で給湯使用が開始されて給湯流量が増加し、時刻t1から入水温度として連結通路15内の降温した低温の湯水の温度が検知され、設定される目標加熱温度が55℃まで上昇して加熱が開始される。少し時間がかかるが、目標加熱温度に応じて給湯温度が上昇し始める。時刻t2で入水温度が上昇に転じて急上昇し、これに合わせて目標加熱温度が低く設定される。貯湯ユニット3で給湯設定温度に調整されて出湯された湯水は、時刻t3で補助熱源機5に到達して入水温度が給湯設定温度になり、バーナ24の燃焼が停止される。
【0058】
このとき、入水温度が低い時刻t1~t3の間に加熱された湯水は、非加熱の湯水と混合するため給湯設定温度よりも高温になっている。しかし、非加熱の湯水の温度(入水温度)は急上昇して給湯設定温度になるので、加熱能力と温度の調整が追いつかず、混合しても給湯温度が給湯設定温度よりも高くなるオーバーシュートが発生し、加熱停止後に給湯温度が最高で45℃まで上昇している。
【0059】
それ故、制限モードが選択されており、低温の湯水が入水した後で貯湯ユニット3から基準温度以上の湯水が出湯されることがわかっている場合(
図4のS20の判定がYesの場合)に、通常モードよりも目標加熱温度が低くなるように制限する。
図5の場合には、制限された目標加熱温度を例えば45℃に設定する。
【0060】
目標加熱温度の制限によって、補助熱源機5の加熱能力を小さくすることができるので、給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。特に、連結通路15が長いほど、この通路内に滞留していた湯水が加熱されて給湯設定温度で安定的に給湯されるようになるので、その後に発生する給湯温度のオーバーシュートが目立つ場合に有用である。
【0061】
図5の場合には、貯湯タンク2に給湯設定温度で出湯可能な湯水が貯留されているので、連結通路15内に滞留していた湯水の全部が補助熱源機5に入水した後は、目標加熱温度の制限を解除し、通常モードと同様にして非加熱で給湯する。貯湯タンク2に給湯設定温度未満であるが基準温度よりも温度が高い湯水が貯留されている場合にも、給湯使用開始後は、目標加熱温度の制限によって補助熱源機5の加熱能力を小さくする。そして目標加熱温度の制限解除後は、入水温度が基準温度よりも高いので、加熱能力を大きく変動させずに給湯することができ、給湯温度を安定させることができる。
【0062】
上記の貯湯給湯システム1の作用、効果について説明する。
貯湯タンク2からの湯水と上水が混合弁14で混合されて貯湯ユニット3から出湯された湯水は、補助熱源機5を介して給湯先の例えば給湯栓6に給湯される。補助熱源機5は、貯湯ユニット3からの湯水の入水温度に応じて加熱して又は非加熱で給湯する。加熱する場合は、目標加熱温度を設定して加熱した湯水と分配弁25でバイパス通路26に分配された非加熱の湯水を混合し、給湯設定温度に調整して給湯する。この給湯運転の開始時に、混合弁14が上水側を所定開度以上に開けた状態であり且つ貯湯タンク2に基準温度以上の湯水がある場合には、目標加熱温度を、上記のように混合弁が上水側を所定開度以上に開けていない場合よりも低温に設定するように制限する。
【0063】
従って、給湯開始時には給湯される湯水が補助熱源機5で加熱されるので、給湯設定温度の湯水を早く給湯することができる。そして、このときの目標加熱温度を低温に設定するように制限されているので、貯湯ユニット3から出湯された湯水が補助熱源機5に到達して入水温度が急上昇しても、給湯する湯水の温度調整が追い付かずに発生する給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。混合弁14が上水側を所定開度以上に開けていない状態の場合には前回の給湯使用から時間が経過しておらず、連結通路15内の湯水の温度低下が小さいので、目標加熱温度を制限しなくても前回の給湯運転を再現して給湯温度のオーバーシュートを発生させずに給湯することができる。貯湯タンク2に基準温度以上の湯水がない場合には、補助熱源機5で加熱している途中で入水温度が急上昇しないので、給湯温度のオーバーシュートを発生させずに給湯することができる。
【0064】
連結通路15に滞留していた湯水の全部が補助熱源機5に入水した後は、貯湯ユニット3から出湯された湯水が入水するが、このとき目標加熱温度の制限が解除される。貯湯ユニット3から給湯設定温度の湯水が出湯されて補助熱源機5の入水温度が急上昇する場合には加熱が停止されるが、目標加熱温度が制限されていたので、給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。給湯設定温度未満であって基準温度以上の湯水が補助熱源機5に入水する場合には加熱が継続されるが、目標加熱温度が制限されていたので、目標加熱温度が変更されても給湯温度の変動を小さくすることができる。
【0065】
例えば連結通路15が長い場合に制限モードを選択しておくことにより、補助熱源機5で加熱した温水を早く給湯することができると共に、加熱中に補助熱源機5への入水温度が急激に上昇した場合に、給湯温度のオーバーシュートを低減することができる。一方、例えば連結通路15が短いため、補助熱源機5で十分に加熱できるようになる前に貯湯タンク2の湯水が給湯される場合に、給湯温度のオーバーシュートが発生し難いので通常モードを選択しておくことにより、貯湯タンク2に高温の湯水がなくても早く給湯設定温度で給湯することができる。
【0066】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。