(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080909
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】開閉体装置の下枠構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20240610BHJP
E06B 1/70 20060101ALI20240610BHJP
E06B 1/36 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
E06B9/17 Z
E06B1/70 Z
E06B1/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194263
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 忠明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011DA08
2E011DA09
2E011DC00
2E011MA04
(57)【要約】
【課題】開閉体装置をバルコニー上の開口部に設置する場合において、防水層に穴を空けることなく、設置できる開閉体装置の下枠構造を提供する。
【解決手段】外壁17に開口する開口部15に設けられたサッシ枠19の周囲を囲むようにして外壁17に設けられる枠体29を備える開閉体装置の下枠構造であって、枠体29は、左右一対の縦枠31と、左右一対の縦枠31の下端同士を接続する下枠33と、を有し、縦枠31は、シャッターカーテン25を昇降ガイドするガイドレール35を有して外壁17に固定され、下枠33は、下面で長手方向に亘って中空部43を備えて延在し延在方向両端が左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に開口する開口部に設けられたサッシ枠の周囲を囲むようにして前記外壁に設けられる枠体を備える開閉体装置の下枠構造であって、
前記枠体は、左右一対の縦枠と、前記左右一対の縦枠の下端同士を接続する下枠と、を有し、
前記縦枠は、開閉体を昇降ガイドするレール部を有して前記外壁に固定され、
前記下枠は、下面で長手方向に亘って中空部を備えて延在し延在方向両端が前記左右一対の縦枠におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材を有することを特徴とする開閉体装置の下枠構造。
【請求項2】
外壁に開口する開口部に設けられたサッシ枠の周囲を囲むようにして前記外壁に設けられる枠体を備える開閉体装置の下枠構造であって、
前記枠体は、左右一対の縦枠と、前記左右一対の縦枠の下端同士を接続する下枠と、を有し、
前記縦枠は、開閉体を昇降ガイドするレール部を有して前記外壁に固定され、
前記下枠は、前記下枠の下面で前記下枠の長手方向に沿って中空部を備えて延在し延在方向両端が前記左右一対の縦枠におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材を備え、
前記下枠補強材は、上方に突出して長手方向両端に延びる固定片を有し、前記固定片の長手方向両端が、前記左右一対の縦枠の下端と、前記下枠の長手方向両端とに共締め固定されるとともに、前記固定片における前記長手方向両端の間が前記下枠に固定手段にて固定されることを特徴とする開閉体装置の下枠構造。
【請求項3】
前記下枠補強材が、前記中空部から手前に延出し、前記下枠の下面を支える支持片を有することを特徴とする請求項2に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項4】
前記下枠補強材が、前記中空部と前記固定片とを別体で形成して長手方向に所定ピッチで一体に固定されたことを特徴とする請求項2または3に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項5】
前記下枠補強材が、垂直方向の前記固定片と、水平方向の水平片とにより断面略L字形状に形成される補強アングルを有し、
前記水平片は、下面が前記中空部の上面に接して前記中空部に固定されるとともに、上面が前記下枠の下面に接して前記下枠を支持することを特徴とする請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項6】
前記固定片がスチール製で、前記中空部がアルミ製であることを特徴とする請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項7】
前記固定片がスチール製で、前記中空部がアルミ製であることを特徴とする請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項8】
前記中空部の両端に、少なくとも中空端開口を覆うキャップが装着されることを特徴とする請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項9】
前記中空部の両端に、少なくとも中空端開口を覆うキャップが装着されることを特徴とする請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項10】
前記中空部の両端に、少なくとも中空端開口を覆うキャップが装着されることを特徴とする請求項6に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項11】
前記中空部の両端に、少なくとも中空端開口を覆うキャップが装着されることを特徴とする請求項7に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項12】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項13】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項14】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項15】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項6に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項16】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項7に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項17】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項8に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項18】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項9に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項19】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項10に記載の開閉体装置の下枠構造。
【請求項20】
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする請求項11に記載の開閉体装置の下枠構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体装置の下枠構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターの下枠における基端側部位を、螺子等を用いて躯体に固定する窓シャッターの下枠の構造が知られている。この窓シャッターの下枠の構造において、窓シャッターの下枠は、躯体に対して屋外側に持ち出し状に取り付けられており、下枠は、躯体から屋外側に向かって延びる上面と、基端側部位と、を備え、下枠の基端側部位は、第1基端側辺と第2基端側辺を備えており、下枠は、第1基端側辺を固定手段によって躯体に固定することで躯体に取り付けられており、下枠が躯体に取り付けられた状態において、第2基端側辺は躯体に対して少なくとも一部が離間して対向しており、第2基端側辺の躯体に対向する面には、熱膨張耐火部材が設けてある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した窓シャッターの下枠の構造において、下枠は、基端側上辺の上側当接部と下側当接部の先端を外壁に当接させた状態で、基端側上辺を螺子で外壁に固定することで取り付けられている(特許文献1の
図2、同
図25参照)。
しかしながら、上記した特許文献1などの一般的な窓シャッターの構造は、躯体の外壁に固定、より具体的には外壁材にビス等の固定部材を貫通させ躯体に対して固定する構造とされることを前提としており、上述した下枠も躯体に固定手段であるビスを打つことで固定される構造となっているが、バルコニーを備えた窓に対して窓シャッターを取り付ける場合、バルコニー上には防水層が床面から窓のサッシ下まで立ち上がっている。すなわち、バルコニーを備えた窓の場合、サッシ下には外壁、具体的には躯体の外表面を構成する外壁材は無く、バルコニーの床面を構成する防水層がサッシ下まで連続形成されることで躯体への防水処理が施されており、窓シャッターの下枠を固定するためにねじ打ちするとサッシ下の防水層を貫通することになる。すなわち、上記特許文献1の
図2や
図25に示される螺子では、下枠を貫通し躯体に向けて打たれるものであり、躯体と下枠との間に位置する防水層を貫通することになる。防水層に穴があいてしまうと、雨水などの水がねじ穴を通り、躯体に浸入してしまう問題が発生する。つまり、防水の機能を失うことになる。また、下枠を躯体に固定しない場合、縦枠のみの固定となると強度を保持することができない問題がある。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば開閉体装置をバルコニー上の開口部に設置する場合において、このバルコニーを構成する防水層に穴を空けることなく設置することができるなど、開閉体装置を構成する枠体の建物躯体側への設置を行うことができる開閉体装置の下枠構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体装置の下枠構造は、外壁17に開口する開口部15に設けられたサッシ枠19の周囲を囲むようにして前記外壁17に設けられる枠体29を備える開閉体装置11の下枠構造であって、
前記枠体29は、左右一対の縦枠31と、前記左右一対の縦枠31の下端同士を接続する下枠33と、を有し、
前記縦枠31は、開閉体25を昇降ガイドするレール部35を有して前記外壁17に固定され、
前記下枠33は、下面で長手方向に亘って中空部43を備えて延在し延在方向両端が前記左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45を有することを特徴とする。
【0007】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠33を補強する下枠補強材45が、下枠33の下面を支えて縦枠31の下端に固定される。つまり、下枠33は、左右一対の縦枠31の下端同士に、下枠補強材45とともにぶら下がった状態で固定される。そのため、防水層37にねじを打たずに下枠33を設置することができる。すなわち、開閉体装置11の下枠構造によれば、下枠補強材45に下枠33を固定することにより、防水層37に穴を空けることなく、開閉体装置11を設置することができるようになる。
また、下枠33は、単にアングル材を沿わせても補強が弱い。そこで、下枠補強材45は、中空部43を有する角パイプ状構造体が組み合わされる。角パイプ状構造体を有する下枠補強材45が下枠33に一体的に固定されることで、下枠33中央に人(例えば成人男性、体重80kg程度)が乗る集中荷重を加えても、残留歪みの残らない高い強度の開閉体装置の下枠構造を得ることが可能となる。
また、下枠33の背部は、一般的に建物外壁面となるサイディングが施工されない面となり、サイディングの表面よりも一段奥まった面となる。つまり、段差が生じる。この面は、例えば躯体や基礎となる。下枠33は、例えば基礎のコンクリートに固定も可能となるが、ビスを打つと割れや亀裂、ヒビが入る虞がある。本構造では、このような下枠33の背部が一段奥まった面や基礎自体となる場合であっても、下枠33を固定するねじを下枠33の背部に位置する面に対して打たずに、高い強度で下枠33を支持することができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の開閉体装置の下枠構造は、外壁17に開口する開口部15に設けられたサッシ枠19の周囲を囲むようにして前記外壁17に設けられる枠体29を備える開閉体装置11の下枠構造であって、
前記枠体29は、左右一対の縦枠31と、前記左右一対の縦枠31の下端同士を接続する下枠33と、を有し、
前記縦枠31は、開閉体25を昇降ガイドするレール部35を有して前記外壁17に固定され、
前記下枠33は、前記下枠33の下面で前記下枠33の長手方向に沿って中空部43を備えて延在し延在方向両端が前記左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45を備え、
前記下枠補強材45は、上方に突出して長手方向両端に延びる固定片59を有し、前記固定片59の長手方向両端が、前記左右一対の縦枠31の下端と、前記下枠33の長手方向両端とに共締め固定されるとともに、前記固定片59における前記長手方向両端の間が前記下枠33に固定手段101にて固定されることを特徴とする。
【0009】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠33を補強する下枠補強材45が、下枠33の下面を支えて縦枠31の下端に固定される。つまり、下枠33は、左右一対の縦枠31の下端同士に、下枠補強材45とともにぶら下がった状態で固定される。そのため、防水層37にねじを打たずに下枠33を設置することができる。すなわち、開閉体装置11の下枠構造によれば、下枠補強材45に下枠33を固定することにより、防水層37に穴を空けることなく、開閉体装置11を設置することができるようになる。
また、下枠33は、単にアングル材を沿わせても補強が十分ではない。そこで、下枠補強材45は、中空部43を有する角パイプ状構造体が組み合わされる。角パイプ状構造体を有する下枠補強材45が下枠33に一体的に固定されることで、下枠33中央に人(例えば成人男性、体重80kg程度)が乗る集中荷重を加えても、残留歪みの残らない高い強度の開閉体装置の下枠構造を得ることが可能となる。
さらに、開閉体装置の下枠構造は、下枠補強材45が、上方に突出して長手方向両端に延びる固定片59を有する。固定片59は、長手方向両端が、左右一対の縦枠31の下端と、下枠33の長手方向両端とに共締め固定される。これにより、下枠33は、長手方向両端がより強固となって縦枠31の下端に連結される。これに加え、固定片59は、長手方向両端の間が、下枠33に固定手段101にて、例えば長手方向に所定ピッチで固定されるので、下枠33と下枠補強材45とが長手方向全長に亘ってしっかりとした一体の構造体となり、一層高い強度が得られるようになる。
また、下枠33の背部は、一般的にサイディングが施工されない面となり、サイディングの表面よりも一段奥まった面となる。つまり、段差が生じる。この面は、殆どが躯体や基礎となる。下枠33を例えば基礎のコンクリートに固定する場合、基礎に対してビスを打つと割れや亀裂、ヒビが入る虞がある。開閉体装置の下枠構造は、このような下枠33の背部が一段奥まった面や基礎となる場合であっても、下枠33を固定するねじをそのような面に打たずに、高い強度で下枠33を支持することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項2に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠補強材45が、前記中空部43から手前に延出し、前記下枠33の下面を支える支持片109を有することを特徴とする。
【0011】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43から手前に延出する支持片109を有する。支持片109は、下枠33を下から支える。支持片109は、外壁17と反対側となる手前に延出するので、下枠33が手前側に回転して倒れる方向のモーメントを生じさせる荷重を支持することができる。これにより、開閉体装置の下枠構造では、上方から荷重が加えられた際の捩れ変形が抑制可能となる。
【0012】
本発明の請求項4記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項2または3に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠補強材45が、前記中空部43と前記固定片59とを別体で形成して長手方向に所定ピッチで一体に固定されたことを特徴とする。
【0013】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43と固定片59とを別体で形成して成る。別体となった中空部43と固定片59とは、長手方向に所定ピッチでビス等の締結により一体に固定される。中空部43と固定片59とは、別体となることで、それぞれの機能に適した材質で形成することが可能となる。ビス等を用いた下枠33との締結により締結穴に局所的な集中荷重が作用する固定片59には、アルミ材よりもスチール材が使用されることにより、安価な材料費で強度を確保することができる。また、下枠33の下方で目に触れる位置で表出する中空部材47には、スチール材よりもアルミ製の形材が使用されることにより、意匠性や良好な見栄えが得られ、かつ複雑な断面形状に成形可能となることにより、複雑な補強用断面形状を付与して強度を確保することができる。
【0014】
本発明の請求項5記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠補強材45が、垂直方向の前記固定片59と、水平方向の水平片103とにより断面略L字形状に形成される補強アングル49を有し、
前記水平片103は、下面が前記中空部43の上面に接して前記中空部43に固定されるとともに、上面が前記下枠33の下面に接して前記下枠33を支持することを特徴とする。
【0015】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43を有した中空部材47と、中空部材47と別体の補強アングル49と、からなる。中空部材47は、例えば角パイプ状構造体である。補強アングル49は、垂直方向の固定片59と、水平方向の水平片103とにより断面略L字形状に形成される。補強アングル49は、水平片103の下面が、中空部43の上面に接してビス等の締結により中空部43に固定されるとともに、上面が下枠33の下面に接して下枠33を支持する。
この開閉体装置の下枠構造では、補強アングル49と中空部材47とが別体となるので、中空部材47を簡素な断面形状の形材、例えば角パイプで成形できる。また、補強アングル49は、断面略L字形状に形成された補強アングル49の水平片103が、下枠33と中空部材47とに挟まれる。したがって、下枠補強材45は、水平片103と、中空部材47とが上下方向に2重に重なって一体となる。これにより、上方からの荷重をより高い強度で支持できるようになる。
【0016】
本発明の請求項6記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記固定片59がスチール製で、前記中空部43がアルミ製であることを特徴とする。
【0017】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45の固定片59と中空部43とが、スチールとアルミの別素材で形成され、相互に固定されて一体となる。固定片59には、下枠33とのビス等を用いた締結により締結穴に局所的な集中荷重が作用するので、アルミ材よりも硬度の高いスチール製の板金材が使用される。一方、目に触れる中空部43には、容易な成形により複雑な補強用断面形状を付与でき、見栄えのよいアルミ製の型材などを使用することができる。
【0018】
本発明の請求項7記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記固定片59がスチール製で、前記中空部43がアルミ製であることを特徴とする。
【0019】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項6と同じである。
【0020】
本発明の請求項8記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項4または5に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記中空部43の両端に、少なくとも中空端開口51を覆うキャップ53が装着されることを特徴とする。
【0021】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45の中空部43や、中空部43を別部材で構成する場合の中空部材47における下枠補強材45の延在方向両端が、中空端開口51となって開口する。この中空端開口51は、左右一対の縦枠31のそれぞれの下方で横方向に開口する。開閉体装置の下枠構造では、この中空端開口51にキャップ53が装着されて塞がれることにより、雨水等の浸入が防止される。また、角パイプ状構造体の切断面がキャップ53により覆われるので、見栄えが良好になるとともに、角部が覆われて安全性が確保される。
【0022】
本発明の請求項9記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記中空部43の両端に、少なくとも中空端開口51を覆うキャップ53が装着されることを特徴とする。
【0023】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項8と同じである。
【0024】
本発明の請求項10記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項6に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記中空部43の両端に、少なくとも中空端開口51を覆うキャップ53が装着されることを特徴とする。
【0025】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項8と同じである。
【0026】
本発明の請求項11記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項7に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記中空部43の両端に、少なくとも中空端開口51を覆うキャップ53が装着されることを特徴とする。
【0027】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項8と同じである。
【0028】
本発明の請求項12記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項1~3のいずれか1つに記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0029】
この開閉体装置の下枠構造では、下枠33の配置位置が外壁表面よりも一段奥まった面、例えば、建物外壁面となるサイディングが施工されない面で、サイディングの表面よりも一段奥まった面を、下枠33の背部として、下枠33が配置される。下枠33は、左右の縦枠31の下端に、下枠補強材45とともに固定され、縦枠31の下端同士を接続する。下枠33の背部には、段差が生じた部分であり躯体21や基礎との間に隙間41が空くことになる。すなわち、下枠33自体を建物側に固定することができない場合でも、下枠33は縦枠31に固定されており、この下枠33を開閉体装置の枠体29として構成することができる。また、下枠補強材45にて補強されていることで下枠33を強度を備えた開閉体装置の枠体29として構成することができる。下枠33は、例えば基礎のコンクリートに固定も可能となるが、ビスを打つと割れや亀裂、ヒビが入る虞がある。本構造では、このような下枠33の背部が一段奥まった面や基礎自体となる場合であっても、下枠33を固定するねじを下枠33の背部に位置する面に対して打たずに、高い強度で下枠33を支持することができる。
【0030】
本発明の請求項13記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項4に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0031】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0032】
本発明の請求項14記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項5に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0033】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0034】
本発明の請求項15記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項6に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0035】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0036】
本発明の請求項16記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項7に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0037】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0038】
本発明の請求項17記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項8に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0039】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0040】
本発明の請求項18記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項9に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0041】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0042】
本発明の請求項19記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項10に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0043】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【0044】
本発明の請求項20記載の開閉体装置の下枠構造は、請求項11に記載の開閉体装置の下枠構造であって、
前記下枠33を配置する位置が、前記外壁表面よりも一段奥まった面を背部としていることを特徴とする。
【0045】
この開閉体装置の下枠構造では、作用が請求項12と同じである。
【発明の効果】
【0046】
本発明に係る請求項1記載の開閉体装置の下枠構造によれば、中空部を備え、両端が左右一対の縦枠におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材によって下枠が支持されるので、例えば開閉体装置をバルコニー上の開口部に設置する場合において、バルコニーの防水層に穴を空けることなく下枠を設置できるなど、開閉体装置を構成する枠体の建物躯体側への設置を行う際に、下枠を躯体自体に固定しなくても設置を行うことができる。
【0047】
本発明に係る請求項2記載の開閉体装置の下枠構造によれば、中空部を備え、両端が左右一対の縦枠におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材によって下枠が支持され、下枠補強材の固定片における長手方向両端が、左右一対の縦枠の下端と、下枠の長手方向両端とに共締め固定されるとともに、固定片の長手方向両端の間が下枠に固定され、例えば固定箇所を所定ピッチの複数箇所とすることで、開閉体装置をバルコニー上の開口部に設置する場合において、バルコニーの防水層に穴を空けることなく下枠を高い強度で設置できるなど、開閉体装置を構成する枠体の建物躯体側への設置を行う際に、下枠を躯体自体に固定しなくても設置を行うことができる。
【0048】
本発明に係る請求項3記載の開閉体装置の下枠構造によれば、下枠補強材に設けられた中空部から、外壁と反対側となる手前に延出する支持片が下枠の下面を支えるので、上方から下枠に荷重が作用したときの、下枠の手前側に回転して倒れる方向の強度を高めて、下枠をよりしっかりと補強することができる。
【0049】
本発明に係る請求項4記載の開閉体装置の下枠構造によれば、別体の中空部と固定片とを一体に固定するので、中空部の断面形状を簡素にできるとともに、中空部と固定片をそれぞれの機能に応じた別素材で形成でき、下枠との固定部分となる固定片を中空部よりもビス固定に適した素材で作ることができるようになる。
【0050】
本発明に係る請求項5記載の開閉体装置の下枠構造によれば、固定片と水平片を有して作られた別体の補強アングルにおける水平片が、中空部の上面に固定されるので、中空部の断面形状を簡素にできるとともに、中空部と固定片をそれぞれの機能に応じた別素材で形成でき、下枠との固定部分となる固定片を中空部よりもビス固定に適した素材で作ることができるのに加え、中空部と水平片とが2重構造となって下枠を支えるので、下枠をさらにしっかりと補強することができる。
【0051】
本発明に係る請求項6記載の開閉体装置の下枠構造によれば、固定片がスチール製で、中空部がアルミ製であるので、下枠との固定部分となる固定片をビス固定に適した強度の高いスチールで作ることができる一方、中空部を軽量かつ複雑な断面形状に成形可能なアルミ製の形材とすることにより、見栄えをよくしながら、複雑な補強用断面形状を付与して強度も確保することができる。
【0052】
本発明に係る請求項7記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項6と同じ効果を得ることができる。
【0053】
本発明に係る請求項8記載の開閉体装置の下枠構造によれば、下枠端部材における中空端開口をキャップにより塞いで見栄えをよくできるとともに、中空部への雨水等の浸入を防止することができる。
【0054】
本発明に係る請求項9記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項8と同じ効果を得ることができる。
【0055】
本発明に係る請求項10記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項8と同じ効果を得ることができる。
【0056】
本発明に係る請求項11記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項8と同じ効果を得ることができる。
【0057】
本発明に係る請求項12記載の開閉体装置の下枠構造によれば、下枠の配置位置が外壁表面よりも一段奥まった面を下枠の背部として左右の縦枠の下端に下枠補強材とともに固定され、すなわち、下枠の背部に下枠自体を固定させる面が無くても、十分な強度を備えて開閉体装置の枠体を構成することができる。
【0058】
本発明に係る請求項13記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0059】
本発明に係る請求項14記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0060】
本発明に係る請求項15記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0061】
本発明に係る請求項16記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0062】
本発明に係る請求項17記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0063】
本発明に係る請求項18記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0064】
本発明に係る請求項19記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【0065】
本発明に係る請求項20記載の開閉体装置の下枠構造によれば、請求項12と同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】本実施形態に係る開閉体装置の下枠構造を備えるシャッター装置が取り付けられたバルコニーの斜視図である。
【
図2】バルコニーの開口部に取り付けられた枠体の要部縦断面図である。
【
図3】下枠補強材を含まない縦枠と下枠のみの固定位置関係を表した要部分解斜視図である。
【
図4】下枠端部材を含まない下枠と下枠補強材のみの固定位置関係を表した要部分解斜視図である。
【
図5】下枠端部材を省略して描いた開閉体装置の下枠構造を表す分解側面図である。
【
図6】下枠端部材が一体となった下枠と、縦枠および下枠補強材との分解斜視図である。
【
図7】(a)は変形例1に係る一体物の下枠補強材の断面図、(b)は下枠補強材の取り付けられた下枠の側面図である。
【
図8】(a)は変形例2に係る一体物の下枠補強材の断面図、(b)は下枠補強材の取り付けられた下枠の側面図である。
【
図9】(a)は変形例3に係る一体物の下枠補強材の断面図、(b)は下枠補強材の取り付けられた下枠の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉体装置の下枠構造を備えるシャッター装置11が取り付けられたバルコニー13の斜視図である。
本実施形態に係る開閉体装置の下枠構造は、例えば住宅のバルコニー13やベランダ等に設けられた窓などの開口部15を覆う開閉体装置であるシャッター装置11に好適に用いることができる。住宅の例えばサイディングを用いた外壁17には、開口部15が設けられる。この開口部15には、サッシ枠19が躯体21に支持されて取り付けられる。シャッター装置11は、サッシ枠19の外側に取り付けられる。サッシ枠19の取り付けられた開口部15の上方には、シャッター装置11の収納部23が取り付けられる。
【0068】
収納部23は、巻取装置(不図示)を収納している。巻取装置は、例えば巻胴の両端に設けられる支持軸によって回動自在に支持される。巻胴には、開閉体であるシャッターカーテン25の繰出方向後端である吊元が固定される。開閉体は、スチール製のスラット27を複数連結した一般的なシャッターカーテン25の他、パネル材やパイプを連結したカーテンとすることもできる。シャッター装置11は、減速装置を介して巻胴に接続された開閉機(駆動モータ)が駆動されると、巻胴が巻取り・繰り出し方向へ回転され、開口部15においてシャッターカーテン25を昇降させて、開口部15を開閉自在とする。
【0069】
シャッター装置11は、外壁17に開口する開口部15に設けられたサッシ枠19の周囲を囲むようにして外壁17に設けられる枠体29を備える。枠体29は、左右一対の縦枠31と、左右一対の縦枠31の下端同士を接続する長尺のアルミよりなる下枠33と、を有する。縦枠31は、シャッターカーテン25を昇降ガイドするレール部であるガイドレール35(
図2参照)を有して外壁17に固定される。
【0070】
バルコニー13には、FRP等を含んだ防水層37が床39を水密に覆って施工される。防水層37は、サイディングが不在となって床39から所定高さで立ち上がる躯体21の表面にも床39と連続して施工される。縦枠31は、サイディングの貼設された外壁17の表面に接して躯体21等に固定され、サイディングが不在となった防水層37の立ち上がり部分にも隙間41を有して垂下する。したがって、縦枠31の下端同士を接続する下枠33の背部には、躯体21との間に隙間41が空くことになる。
【0071】
図2は、バルコニー13の開口部15に取り付けられた枠体29の要部縦断面図である。
下枠33は、下面で長手方向に亘って中空部43を備えて延在し延在方向両端が左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45を有する。下枠補強材45は、後述するように単一の部材であってもよく、複数部材が組み立てられて一体に構成されるものであってもよい。本実施形態では、下枠補強材45が、複数部材からなる例を説明する。
【0072】
下枠補強材45は、中空部43を有した中空部材47と、補強アングル49と、が一体に組み立てられる。中空部材47は、スチール製、アルミ製のいずれであってもよい。本実施形態においては、補強アングル49がスチール製で、中空部材47がアルミ製である。中空部材47は、断面形状が横長長方形となった角パイプ状構造体となって押出成形される所謂型材が用いられる。
【0073】
中空部材47は、手前から躯体21へ向かう奥行き方向(
図2の左右方向)の寸法が、下枠33における同方向の寸法よりも短い寸法で形成される。間口幅方向となる長手方向の寸法は、下枠33とほぼ同一長で形成される。中空部材47は、中空部43の両端に、少なくとも中空端開口51を覆うキャップ53が装着される。中空部材47の上面には、補強アングル49が固定される。補強アングル49は、テクスねじ55によって中空部材47の上面に固定される。テクスねじ55は、ドリルねじとも称され下穴不要となる。開閉体装置の下枠構造は、下枠33と下枠補強材45とにおける手前側の間隙がシール材57によって水密に塞がれる。また、補強アングル49の後述する固定片59と下枠33の起立後片83との間は、シール材61によって水密に塞がれる。
【0074】
図3は、下枠補強材45を含まない縦枠31と下枠33のみの固定位置関係を表した要部分解斜視図である。
ここで、縦枠31と下枠33のみの固定位置関係を説明する。なお、本実施形態での開閉体装置の下枠構造では、これら縦枠31と下枠33とに、さらに下枠補強材45が後述するように固定される。
縦枠31は、外壁17に垂直な外側板部63を有する。外側板部63は、縦枠31の全長に渡って形成される。縦枠31は、この外側板部63から外壁17と平行に折れ曲がる取付板部65を有する。縦枠31は、取付板部65を挟み外側板部63と反対側に、取付板部65と平行な段板部67が形成される。取付板部65と段板部67との間は、外側板部63と平行な内側板部69により接続される。段板部67には、内側板部69の反対側に、内側板部69と平行な固定座部71が折り曲げ形成される。固定座部71には、ガイドレール35が固定されることになる。
【0075】
下枠33は、本体73と、本体73の長手方向両端に、本体73と一体に固定される下枠端部材75と、を有する。本体73は、本体底板77を有する。本体底板77の前側には、起立前板79が全長に渡って起立して形成される。本体底板77は、起立前板79と反対側の後縁に、長手方向に延在する水切傾斜片81が一体成形される。水切傾斜片81は、起立前板79と反対側が、起立後片83となる。水切傾斜片81は、本体底板77の長手方向両端に至る手前で水切終端となり、水切不在部85を作る。
【0076】
下枠端部材75には、外側板部63と平行な側片部87が底板部89から起立して形成される。側片部87は、外側板部63と連結具により連結固定される。連結具としては、例えばリベットを好適に用いることができる。外側板部63および側片部87には、リベットを挿通するための複数(図例ではそれぞれに2つ)のリベット孔91が穿設される。
【0077】
また、下枠端部材75には、取付板部65と平行な共締め片部93が底板部89から起立して形成される。共締め片部93および取付板部65には、ビスを挿通するビス挿通孔95が穿設される。共締め片部93は、取付板部65を挟み固定手段である固定具101により下枠補強材45に共締めされる。固定具101としては、固定ビス等が好適に用いられる。なお、共締め片部93、取付板部65および下枠補強材45の固定構造は、後に述べる。
【0078】
さらに、下枠端部材75には、縦枠31の段板部67と平行な背片部97が底板部89から起立して形成される。段板部67と背片部97には、リベットを挿通するためのリベット孔91が穿設される。背片部97は、縦枠31の段板部67とリベットにより連結固定される。
【0079】
下枠端部材75の底板部89には、複数の固定用穴99が穿設される。この固定用穴99は、本体底板77に穿設された複数の固定用穴100とそれぞれが同位置となって重なる。下枠端部材75と本体底板77の固定用穴99,100は、固定ビス102(
図6参照)により締結される。
【0080】
図4は、下枠端部材75を含まない下枠33と下枠補強材45のみの固定位置関係を表した要部分解斜視図である。
下枠補強材45は、中空部43を有した中空部材47と、固定片59を備えた補強アングル49とが別体で形成されて、長手方向に所定ピッチでテクスねじ55により一体に固定される。
【0081】
補強アングル49は、垂直方向の固定片59と、水平方向の水平片103とにより断面略L字形状に形成される。固定片59は、下枠33の起立後片83と長手方向に所定ピッチで固定ビス101により一体に固定される。水平片103は、奥行き方向の中間に、下枠33の下面に接して支持する山折り部105が形成される。山折り部105は、上方の下枠33から補強アングル49が受ける荷重に対する強度を高める。水平片103は、下面が中空部材47の上面に接して中空部材47に固定されるとともに、上面、本実施形態では山折り部105の上面が下枠33の下面に接して下枠33を支持する。なお、固定片59と起立後片83とには固定ビス101が挿通され螺着される透孔104,84が穿設され、水平片103と中空部材47とにはテクスねじ55が挿通され螺着される固定孔50,44が穿設される。
ここで、下枠33と水平片103、山折り部105とは、互いをビスなどで固定は行われない。下枠33にビス止めを水平片103や山折り部105に対して行うと貫通孔を形成してしまうことになり、下枠33の強度低下の虞があり、また下枠33の外観としてビスなどが表出しない構成が好ましい。
【0082】
図5は、下枠端部材75を省略して描いた開閉体装置の下枠構造を表す分解側面図である。
開閉体装置の下枠構造は、下枠補強材45の固定片59と下枠33の起立後片83とが固定ビス101によって締結され、下枠補強材45が下枠33に一体となって固定される。下枠補強材45と一体となった下枠33は、縦枠31に対し下方より固定される。縦枠31に固定された下枠33は、縦枠31の取付板部65の背部に補強アングル49の固定片59が重ねられて固定ビス101により固定される(
図6参照)。縦枠31は、取付板部65が外壁17に接して固定される。したがって、サイディングが不在となった躯体21側と、固定片59との間には、隙間41が空くことになる(
図2参照)。開閉体装置の下枠構造では、下枠33が下枠補強材45により補強されて左右一対の縦枠31の下端に固定されるので、この隙間41と防水層37を貫通して例えばコーススレッドビス等によって躯体21に下枠33を固定する必要がなくなる。
【0083】
図6は、下枠端部材75が一体となった下枠33と、縦枠31および下枠補強材45との分解斜視図である。
開閉体装置の下枠構造は、下枠33の長手方向両端において、縦枠31に対して、下枠端部材75の一体となった下枠33と、下枠補強材45とが上述の通り一体に固定される。下枠補強材45は、上方に突出して長手方向両端に延びる固定片59を有し、固定片59の長手方向両端が、左右一対の縦枠31の下端と、下枠33の長手方向両端とに3重構造で共締め固定される。
固定片59の長手方向両端における固定は、固定ビス101を締結することにより行われる。この締結部では、下枠端部材75の共締め片部93と、縦枠31の取付板部65と、下枠補強材45の固定片59とが、この順で手前より重ねられて手前より打ち込まれる固定ビス101によりビス挿通孔95、ビス挿通孔95、締結固定孔106とに締結されて共締めされる。したがって、この締結部では、下枠端部材75、縦枠31および下枠補強材45が3重構造で一体となって強固に固定される。
【0084】
また、下枠補強材45は、固定片59における長手方向両端の間が下枠33に所定ピッチで固定される。固定片59と下枠33の起立後片83との固定は、その長さに対して固定位置を算出して少なくとも1ヶ所、複数の場合ではそれぞれが略等間隔となるように、上記透孔84,104を形成して固定ビス101にて固定されることが好ましい。
【0085】
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
【0086】
図7(a)は変形例1に係る一体物の下枠補強材107の断面図、(b)は下枠補強材107の取り付けられた下枠33の側面図である。
変形例1に係る下枠補強材107は、押出成形により成形したアルミ製の型材を所定長で切断した一体物として形成される。下枠補強材107は、断面形状が縦長の長方形となる中空部43に、手前側に水平方向で延出する支持片109と、奥側で垂直方向に起立する固定片59と、を有する。また、下枠補強材107の上面には、支持片109とで下枠33の下面を支持する垂直突起111を有する。
【0087】
下枠補強材107は、中空部43の上方に設けられた垂直突起111が下枠33の下面に接し、固定片59が起立後片83に固定ビス101により締結される。支持片109は、下枠33の下面に接して下枠33を支える。この変形例1に係る下枠補強材107によれば、中空部43の断面形状が縦長の長方形となるので、奥行き方向の寸法を小さくでき、バルコニー13より下枠33を見た際に目につきにくくできる。したがって、変形例1に係る開閉体装置の下枠構造によれば、下枠補強材107を下枠下面の奥側へ配置して目立たなくできる。また、支持片109が下枠33の下面に沿い、延出する長さで下枠33を支え、垂直突起111により、剛性を得られるようになる。
【0088】
図8(a)は変形例2に係る一体物の下枠補強材113の断面図、(b)は下枠補強材113の取り付けられた下枠33の側面図である。
変形例2に係る下枠補強材113は、断面略正方形とした中空部43の背部から固定片59が起立するのみの簡素な形状で形成される。下枠補強材113は、スチール製の板金材、または押出成形により成形したアルミ製の形材を、所定長で切断した一体物として形成される。変形例2に係る開閉体装置の下枠構造によれば、下枠補強材113を下枠下面の奥側へ配置して目立たなくすることができるとともに、下枠補強材113を安価にできる。なお、中空部43の形状は、上記した断面略正方形に限らず、四角形以外の多角形や湾曲部分を備えた形状としてもよい。
【0089】
図9(a)は変形例3に係る一体物の下枠補強材115の断面図、(b)は下枠補強材115の取り付けられた下枠33の側面図である。
変形例3に係る下枠補強材115は、押出成形により成形したアルミ製の矩形中空形材である中空部材47と、スチール製の前部Lアングル117および後部Lアングル119と、の3部材を組み立てて成る。
前部Lアングル117は、中空部材47の手前側の前面に山折り側の垂直な一辺部121が固定されることで、他辺部が水平な支持片109を構成する。後部Lアングル119は、中空部材奥側の後面に谷折り側の垂直な一辺部123が固定されることで、一辺部の上端が固定片59を構成する。後部Lアングル119の谷折り側の水平な他辺部125は、中空部材47の下面に接して中空部材47を載置し固定することにより、中空部材47からの荷重を固定片59を介して縦枠31で支持することができる。したがって、変形例3に係る開閉体装置の下枠構造によれば、中空部材47を簡素な断面形状で成形することができ、例えば一般的な型材を利用することで安価にできるとともに、下枠33とのビス等を用いた締結により締結穴に局所的な集中荷重が作用する後部Lアングル119を、アルミ材よりも硬度の高いスチール製の板金材とすることができる。
なお、中空部材47は、上記した断面矩形状に限らず、四角形以外の多角形や湾曲部分を備える形状でもよく、或いは中空部材47を複数で構成させ互いを並設し連結固定して組み合わせるような構造や、中空部43内にさらに中空部材47を貫通配置させ多重構造とするなどとしてもよい。複数構成とすれば、より高い強度で支持できる構造になる。
【0090】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0091】
本実施形態に係る開閉体装置の下枠構造では、シャッター装置11の枠体29が、サッシ枠19の周囲を囲むようにして外壁17に設けられる。枠体29は、左右一対の縦枠31と、左右一対の縦枠31の下端同士を接続する長尺の下枠33と、を有している。下枠33は、下面で長手方向に亘って中空部43を備えて延在する下枠端部材75を有する。下枠端部材75は、延在方向両端が左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される。
【0092】
従来はバルコニー13などで防水層37があるために、サッシ下枠の下方で躯体21へ向けてねじを打てない場合、シャッター装置における長尺の下枠を踏んでしまうと、強度的に曲がってしまう虞があった。
【0093】
そこで、開閉体装置の下枠構造では、下枠33を補強する下枠補強材45が、下枠33の下面を支えて縦枠31の下端に固定される。つまり、下枠33は、左右一対の縦枠31の下端同士に、下枠補強材45とともにぶら下がった状態で固定される。そのため、防水層37にねじを打たずに下枠33を設置することができる。すなわち、開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45に下枠33を固定することにより、防水層37に穴を空けることなく、シャッター装置11を設置することができるようになる。
【0094】
また、下枠33は、単にアングル材を沿わせても補強が十分ではない。そこで、下枠補強材45は、中空部43を有する角パイプ状構造体が組み合わされる。角パイプ状構造体を有する下枠補強材45が下枠33に一体的に固定されることで、下枠中央に人(成人男性、体重80kg程度)が乗る集中荷重を加えても、残留歪みの残らない高い強度の開閉体装置の下枠構造を得ることが可能となる。
【0095】
また、下枠33の背部は、一般的にサイディングが施工されない面となり、サイディングの表面よりも一段奥まった面となる。つまり、段差が生じる。この面は、殆どが躯体21や基礎となる。下枠33を例えば基礎のコンクリートに固定する場合、基礎に対してビスを打つと割れや亀裂、ヒビが入る虞がある。開閉体装置の下枠構造は、このような下枠33の背部が一段奥まった面や基礎となる場合であっても、下枠33を固定するねじをそのような面に打たずに、高い強度で下枠33を支持することができる。
【0096】
さらに、開閉体装置の下枠構造は、下枠補強材45が、上方に突出して長手方向両端に延びる固定片59を有する。固定片59は、長手方向両端が、左右一対の縦枠31の下端と、下枠33の長手方向両端とに3重構造で共締め固定される。これにより、下枠33は、長手方向両端がより強固となって縦枠31の下端に連結される。これに加え、固定片59は、長手方向両端の間が、下枠33に所定ピッチで固定されるので、下枠33と下枠補強材45とが長手方向全長に亘ってしっかりとした一体の構造体となり、一層高い強度が得られるようになる。
【0097】
その結果、開閉体装置の下枠構造によれば、中空部43を備え、両端が左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45によって下枠33が支持され、下枠補強材45の固定片59における長手方向両端が、左右一対の縦枠31の下端と、下枠33の長手方向両端とに3重構造で共締め固定されるとともに、固定片59の長手方向両端の間が下枠33に所定ピッチの複数箇所で固定されるので、例えば、シャッター装置11をバルコニー上の開口部15に設置する場合において、防水層37に穴を空けることなく下枠33を高い強度で設置できる。
【0098】
上述したように、下枠補強材45は中空部43をアルミ素材、補強アングル49をスチール素材とし、下枠33はアルミを素材として構成されており、それぞれの両端が縦枠31の下端に固定され、所謂両端固定梁となる。そして、それぞれが両端のみを単に固定されるのではなく、下枠補強材45においては、中空部43と補強アングル49とがテクスねじ55で固定され、また下枠33に対しては長手方向両端の間にて固定ビス101にて固定されるとともに、上面に下枠33が接するように組み合わされている。このことから、下枠33に対して人が乗るような荷重が加わっても、それぞれのたわみを両端の固定位置にのみ集中させずに、互いの接する部分やビス固定部分にて分散させ、素材を異なる構成としたことも加えてたわみ変形を大きくしない。つまり、開閉体装置の下枠構造によれば、スチールの持つ剛性や変形しにくさとアルミの持つ軽さを併せた複合材料のような構成となり、下枠33そのものを支持し、強度を備えたものとすることができる。
【0099】
また、この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43から手前に延出する支持片109を有する。支持片109は、下枠33を下から支える。支持片109は、外壁17と反対側となる手前に延出するので、下枠33が手前側に回転して倒れる(ころぶ)方向、下枠33の手前側が下に向く方向のモーメントを生じさせる荷重を支持することができる。これにより、開閉体装置の下枠構造では、上方から荷重が加えられた際の捩れ変形が抑制可能となる。その結果、下枠補強材45に設けられた中空部43から、外壁17と反対側となる手前に延出する支持片109が下枠33の下面を支えるので、上方から下枠33に荷重が作用したときの、下枠33の手前側に回転して倒れる方向の強度を高めて、下枠33をよりしっかりと補強することができる。
【0100】
また、この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43と固定片59とを別体で形成して成る。別体となった中空部43と固定片59とは、長手方向に所定ピッチでビス等の締結により一体に固定される。中空部43と固定片59とは、別体となることで、それぞれの機能に適した材質で形成することが可能となる。ビス等を用いた下枠33との締結により締結穴に局所的な集中荷重が作用する固定片59には、アルミ材よりもスチール材が使用されることにより、安価な材料費で強度を確保することができる。また、下枠33の下方で目に触れる位置で表出する中空部材47には、スチール材よりもアルミ製の形材が使用されることにより、意匠性や良好な見栄えが得られ、かつ複雑な断面形状に成形可能となることにより、複雑な補強用断面形状を付与して強度を確保することができる。その結果、中空部43を有する別体の中空部材47と、固定片59とを一体に固定するので、中空部材47の断面形状を簡素にできるとともに、中空部材47と固定片59をそれぞれの機能に応じた別素材で形成でき、下枠33との固定部分となる固定片59を中空部43よりもビス固定に適した素材で作ることができるようになる。
【0101】
そして、この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45が、中空部43を有した中空部材47と、中空部材47と別体の補強アングル49と、からなる。中空部材47は、角パイプ状構造体である。補強アングル49は、垂直方向の固定片59と、水平方向の水平片103とにより断面略L字形状に形成される。補強アングル49は、水平片103の下面が、中空部43の上面に接してビス等の締結により中空部43に固定されるとともに、上面が下枠33の下面に接して下枠33を支持する。
【0102】
さらに、この開閉体装置の下枠構造では、補強アングル49と中空部材47とが別体となるので、中空部材47を簡素な断面形状の形材(例えば角パイプ)で成形できる。また、補強アングル49は、断面略L字形状に形成された補強アングル49の水平片103が、下枠33と中空部材47とに挟まれる。したがって、下枠補強材45は、水平片103と、中空部材47とが上下方向に2重に重なって一体となる。これにより、上方からの荷重をより高い強度で支持できるようになる。その結果、固定片59と水平片103を有して作られた別体の補強アングル49における水平片103が、中空部43の上面に固定されるので、中空部材47の断面形状を簡素にできるとともに、中空部材47と固定片59をそれぞれの機能に応じた別素材で形成でき、下枠33との固定部分となる固定片59を中空部43よりもビス固定に適した素材で作ることができるのに加え、中空部43と水平片103とが2重構造となって下枠33を支えるので、下枠33をさらにしっかりと補強することができる。
【0103】
また、この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45の固定片59と中空部材47とが、スチールとアルミの別素材で形成され、相互に固定されて一体となる。固定片59には、下枠33とのビス等を用いた締結により締結穴に局所的な集中荷重が作用するので、アルミ材よりも硬度の高いスチール製の板金材が使用される。一方、目に触れる中空部材47には、容易な成形により複雑な補強用断面形状を付与でき、見栄えのよいアルミ製の形材が使用される。その結果、固定片59がスチール製で、中空部43がアルミ製であるので、下枠33との固定部分となる固定片59をビス固定に適した強度の高いスチールで作ることができる一方、中空部43を軽量かつ複雑な断面形状に成形可能なアルミ製の形材とすることにより、見栄えをよくしながら、複雑な補強用断面形状を付与して強度も確保することができる。
【0104】
また、この開閉体装置の下枠構造では、下枠補強材45の中空部43や、中空部43を別部材で構成する場合の中空部材47における下枠補強材45の延在方向両端が、中空端開口51となって開口する。この中空端開口51は、左右一対の縦枠31のそれぞれの下方で横方向に開口する。開閉体装置の下枠構造では、この中空端開口51にキャップ53が装着されて塞がれることにより、雨水等の浸入が防止される。また、角パイプ状構造体の切断面がキャップ53により覆われるので、見栄えが良好になるとともに、角部が覆われて安全性が確保される。その結果、下枠端部材75における中空端開口51をキャップ53により塞いで見栄えをよくできるとともに、中空部43への雨水等の浸入を防止することができる。
【0105】
したがって、本実施形態に係る開閉体装置の下枠構造によれば、中空部43を備え、両端が左右一対の縦枠31におけるそれぞれの下端に固定される下枠補強材45によって下枠33が支持されるので、例えばシャッター装置11をバルコニー13上の開口部15に設置する場合において、バルコニー13の防水層37に穴を空けることなく下枠33を設置できるなど、シャッター装置11を構成する枠体29の建物躯体側への設置を行う際に、下枠33を躯体21自体に固定しなくても設置を行うことができる。
【実施例0106】
次に、バルコニー上での納まりにおいて、実施形態に係る開閉体装置の下枠構造と同様となるように下枠33、縦枠31、下枠補強材45を製作し、下枠33の強度試験を行った結果を説明する。
[試験目的]
一般住宅の2階バルコニーFRP防水において、建物の防水性能上、FRP防水層にシャッター下枠固定ねじの下穴を開けずに施工した場合の下枠強度を確認する。
[試験場所]
文化シヤッター株式会社ライフイン環境防災研究所
[試験体]
「マドマスタータップ2」 手動シャッター 開口W2000×H1000
[試験方法]
・成人男性、体重80kgを想定し、集中荷重80kgfを加える。
・試験体は「下枠補強材45」、「下枠33」、「縦枠31」を組み合わせた状態とした(
図2参照)。なお、下枠補強材45における中空部43と補強アングル49との固定は、長手方向において等間隔の8ヶ所をテクスねじ55でそれぞれ固定し、下枠補強材45の固定片49と下枠33の起立後片83との固定は、長手方向において等間隔の4ヶ所を固定ビス101でそれぞれ固定した。
・縦枠躯体部分はスペーサ(2×4材)で持ち出し、下枠部分を浮かした状態で施工する。すなわち、下枠33の躯体21への固定は行わない。
・試験前、試験中、試験後の下枠中央部のたわみ量を測定し、変形の状況を確認する。
・試験機器:コンベックス、直尺
・判定基準:使用上有害な変形が無いこと
[結果]
試験前:下枠から床面までの距離=274mm、変位(たわみ)量=0mm
試験中:下枠から床面までの距離=264mm、変位(たわみ)量=10mm
試験後:下枠から床面までの距離=274mm、変位(たわみ)量=0mm
[考察]
載荷時の変位量10mmは、下枠固定構造、すなわち下枠を躯体へ固定する従来の構造とした場合の同試験と同等の結果であり、乗った感覚も強さを感じた。参考として、繰り返し5回荷重を加えたが、残留変形に影響(変化)は見られなかった。
[結論]
仕様上有害な変形は無く、問題は予見されなかった。