IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アリミノの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080911
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】脱染剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20240610BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240610BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20240610BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240610BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240610BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240610BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/34
A61Q5/08
A61K8/73
A61K8/41
A61K8/46
A61K8/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194267
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】595082283
【氏名又は名称】株式会社アリミノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 裕活
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC542
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC771
4C083AC772
4C083AC861
4C083AC862
4C083AD261
4C083AD282
4C083BB01
4C083BB06
4C083CC35
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE27
(57)【要約】
【課題】毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができ、操作性にも優れる、乳化状またはゲル状の脱染剤を提供すること。
【解決手段】本発明の脱染剤は、サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%とを含み、さらに、乳化剤(F)あるいは、エタノール(D)および増粘剤(G)を含み、25℃におけるpHが7.5~13.0である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、乳化剤(F)とを含み、
25℃におけるpHが7.5~13.0である、脱染剤。
【請求項2】
サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、エタノール(D)と、増粘剤(G)とを含み、
25℃におけるpHが7.5~13.0である、脱染剤。
【請求項3】
前記増粘剤(G)が水溶性セルロースである、請求項2に記載の脱染剤。
【請求項4】
還元剤(E)をさらに含む、請求項1または2に記載の脱染剤。
【請求項5】
前記サッカリンまたはその塩である成分(A)が、サッカリンおよびサッカリンナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の脱染剤。
【請求項6】
前記カチオン性界面活性剤(B)が、4級アンモニウム塩である、請求項1または2に記載の脱染剤。
【請求項7】
前記還元剤(E)が、システイン、チオグリコール酸、システアミン、およびこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の脱染剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱染剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、酸性染料で染めた毛髪から、酸性染料を除去するために、ブリーチ剤や脱染剤が利用されている。
ブリーチ剤は、酸化剤とアルカリ剤とを含有しており、アルカリ剤の作用によって酸化剤から発生した活性酸素が酸性染料を分解して、酸性染料を除去している。
【0003】
脱染剤は、還元剤と溶剤として低級アルコール等とを含有しており、還元剤の作用によって酸性染料を分解すると共に、溶剤中に酸性染料を溶出させて、酸性染料を除去している。
【0004】
このようなブリーチ剤や脱染剤は、酸性染料を除去する一定の効果はあるものの、オレンジ色の酸性染料を除去できず、毛髪にオレンジみが残りやすいという問題があった。また、従来のブリーチ剤や脱染剤は、酸性染料だけでなく、毛髪中のメラニンや他の組織の構造も変化させてしまうことから、毛髪がダメージを受けてしまう問題もあった。
【0005】
そこで、毛髪のダメージを抑えて酸性染料を除去する技術として、陽イオン界面活性剤、低級アルキレンカーボネイト、芳香族アルコール、およびアルカリ成分を特定量含有する毛髪化粧料が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、毛髪および皮膚を傷めない脱染剤として、陽イオン界面活性剤、所定の有機溶剤、低級アルコール、アルカリ成分、および増粘剤を特定量含有する脱染剤が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-308736号公報
【特許文献2】特開2001-294521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1および2の技術では、毛髪のダメージは抑制しているものの、脱染力が弱く、毛髪にオレンジみが残ってしまい、満足な品質ではなかった。
そのため、本発明者は、毛髪のダメージを抑えることと、優れた脱染力とを両立する脱染剤の技術について検討を重ねた。
【0009】
本発明者は、脱染力の向上には、酸性染料と脱染剤の成分との相溶性が高いこと、および毛髪に均一に塗布できる優れた操作性を有していることが重要であることを見出した。
さらに、本発明者は、優れた脱染力を維持しつつ、毛髪美容業界におけるカラー剤の剤型の流行に合わせて、脱染剤の剤型も変更できれば、有用であると考えた。剤型の流行としては、例えば、乳化状、およびゲル状が主であった。そこで、これらの剤型に自在に変更できる脱染剤として、顧客ニーズに合わせた脱染剤を提供できないか検討を重ねた。
【0010】
このようなことから、本発明は、毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができ、操作性にも優れる、乳化状またはゲル状の脱染剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する脱染剤は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[7]である。
【0012】
[1]サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、乳化剤(F)とを含み、25℃におけるpHが7.5~13.0である、脱染剤。
【0013】
[2]サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、エタノール(D)と、増粘剤(G)とを含み、25℃におけるpHが7.5~13.0である、脱染剤。
【0014】
[3]前記増粘剤(G)が水溶性セルロースである、[2]に記載の脱染剤。
[4]還元剤(E)をさらに含む、[1]または[2]に記載の脱染剤。
[5]前記サッカリンまたはその塩である成分(A)が、サッカリンおよびサッカリンナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[4]のいずれかに記載の脱染剤。
【0015】
[6]前記カチオン性界面活性剤(B)が、4級アンモニウム塩である、[1]~[5]のいずれかに記載の脱染剤。
[7]前記還元剤(E)が、システイン、チオグリコール酸、システアミン、およびこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[4]に記載の脱染剤。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができ、操作性にも優れる、乳化状またはゲル状の脱染剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の脱染剤について具体的に説明する。
<脱染剤>
本発明の脱染剤は、サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、乳化剤(F)とを含み、25℃におけるpHが7.5~13.0である。
【0018】
本発明の脱染剤は、サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%と、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%と、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%と、エタノール(D)と、増粘剤(G)とを含み、25℃におけるpHが7.5~13.0である。
【0019】
本発明の脱染剤は、還元剤(E)をさらに含むことが好ましい。
本発明の脱染剤は、乳化剤(F)を含む場合には、剤型が乳化状となり、エタノール(D)と増粘剤(G)とを含む場合には、剤型がゲル状となる。
【0020】
本発明において、オレンジみとは、酸性染料で染めた毛髪を脱染剤で脱染した後の毛髪がオレンジ色に見えることを指す。毛髪にオレンジみが残る状態とは、例えば、後述する色差計において、カラースト―リーオアシックC.Orange(株式会社アリミノ製)で染色処理した毛髪の脱染剤未処理毛と脱染剤処理毛との色差がΔE10未満の状態のことを指す。
【0021】
本発明者は、従来の脱染剤で脱染した際に毛髪に残るオレンジみは、主に酸性染料の橙205号が毛髪に残った色味であることを見出した。そして、本発明者は、茶色の染毛料等に少量しか橙205号が配合されていない場合でも、その茶色で染毛した後、脱染剤で脱染した後の毛髪にはオレンジみが残りやすいことを見出した。
【0022】
酸性染料は、キューティクルとそのやや内側に浸透して留まることが知られているため、本発明者は、橙205号でもその他の酸性染料でも毛髪への浸透はあまり変わらないと考えている。しかし、本発明者は、橙205号は分子量が比較的小さい等の何らかの理由で、従来の脱染剤では分解されずに毛髪に残りやすいと推察している。
【0023】
本発明の脱染剤によれば、剤型が乳化状またはゲル状のいずれの形状であっても、サッカリンまたはその塩である成分(A)と、カチオン性界面活性剤(B)と、ベンジルアルコール(C)とを特定量含むことで、毛髪中の酸性染料との相溶性が高まり、毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができる。
本発明の脱染剤は、より操作性に優れる観点から、剤型がゲル状であることが好ましい。
【0024】
<サッカリンまたはその塩である成分(A)>
本発明において、サッカリンまたはその塩である成分(A)を、単に「成分(A)」とも記す。
【0025】
サッカリンまたはその塩は、人工甘味料として歯磨き粉等に広く使用されている。
本発明の脱染剤は、サッカリンまたはその塩である成分(A)を0.01~30.0質量%、好ましくは1.0質量%~30.0質量%、さらに好ましくは2.0質量%~30.0質量%、最も好ましくは2.0質量%~5.0質量%含む。
【0026】
本発明の脱染剤は、成分(A)を上記の量で含むことによって、脱染力に優れる。
成分(A)が前記下限量より少ないと、脱染力が弱く、毛髪のオレンジみが落ちにくい傾向がある。前記上限量より多いと、操作性が悪くなり、毛髪に均一に塗布することが困難な場合がある。
【0027】
成分(A)としては、例えば、サッカリン、およびサッカリン塩が挙げられる。サッカリン塩として具体的には、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、およびサッカリンアンモニウムが挙げられる。
【0028】
これらの中でも、成分(A)が、サッカリンおよびサッカリンナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、水への溶解性に特に優れることから、サッカリンナトリウムがより好ましい。
【0029】
成分(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(A)の市販品としては、例えば、サッカリン(富士フィルム和光純薬工業株式会社製)を用いることができる。
【0030】
<カチオン性界面活性剤(B)>
本発明において、カチオン性界面活性剤(B)を、単に「成分(B)」とも記す。
本発明の脱染剤は、カチオン性界面活性剤(B)を0.07~7.0質量%、好ましくは0.35~1.75質量%、より好ましくは0.75~1.75質量%含む。
本発明の脱染剤は、成分(B)を上記の量で含むことによって、脱染力および操作性の向上に寄与する。
【0031】
成分(B)が前記下限量より少ないと、脱染力が弱く、毛髪のオレンジみが落ちにくい傾向がある。前記上限量より多いと、操作性が悪くなり、毛髪に均一に塗布することが困難な場合がある。
【0032】
成分(B)としては、例えば、アルキルアミン塩;脂肪酸アミドアミン塩;モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム等の4級アンモニウム塩;が挙げられる。これらの中でも、成分(B)は、脱染力を向上させる観点から、4級アンモニウム塩が好ましく、モノアルキル型4級アンモニウム塩がより好ましい。
【0033】
モノアルキル型4級アンモニウム塩として、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベへニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウムが挙げられる。
【0034】
これらの中でも、成分(B)としては、脱染力の観点から、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベへニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、および塩化セチルトリメチルアンモニウムが好ましく、脱染力に特に優れることから、塩化セチルトリメチルアンモニウムがより好ましい。
成分(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0035】
<ベンジルアルコール(C)>
本発明において、ベンジルアルコール(C)を、単に「成分(C)」とも記す。
本発明の脱染剤は、ベンジルアルコール(C)を0.5~25.0質量%、好ましくは5~20質量%、剤型の安定性に優れる観点から、より好ましくは10.0~18.0質量%含む。
【0036】
本発明の脱染剤は、成分(C)を上記の量で含むことによって、脱染力に優れる。
成分(C)が前記下限量より少ないと、脱染力が悪くなることがある。前記上限量より多いと、操作性が悪くなり、毛髪に均一に塗布することが困難な場合がある。
【0037】
<pH>
本発明の脱染剤は、25℃におけるpHが7.5~13.0、好ましくは9.0~12.0、より好ましくは9.5~11.0、皮膚刺激を抑える観点から、さらに好ましくは9.5~10.0である。
【0038】
本発明の脱染剤は、pHが上記の範囲であることによって、優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができる。
pHが前記下限値より低いと、脱染力が弱く、毛髪のオレンジみが落ちにくい傾向がある。前記上限値より高いと、毛髪のダメージがあり、脱染力も弱くなる場合がある。
【0039】
pHの調整は、アスコルビン酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸等の酸;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸アンモニウム等のアルカリ;を配合することにより、適宜調整することができる。
【0040】
pH調整剤の中でも、酸としては、クエン酸、乳酸、およびグリコール酸が好ましく、アルカリとしては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、乳酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化カリウム、および重炭酸アンモニウムが好ましく、毛髪を膨潤させやすいという観点から、モノエタノールアミンがより好ましい。
なお、pHの測定方法は特に限定されるものではなく、一般的なpHの測定法(例えばガラス電極法)を用いて、適切な測定条件において測定すればよい。
【0041】
<還元剤(E)>
本発明において、還元剤(E)を、単に「成分(E)」とも記す。
本発明の脱染剤は、還元剤(E)を好ましくは0.01~8.0質量%、より好ましくは0.5~3.0質量%含む。
本発明の脱染剤は、成分(E)を含むことで、やや毛髪にダメージを与えてしまう傾向があるものの、高い脱染力が得られるため、オレンジみがよく落ちることから好ましい。
【0042】
成分(E)が8.0質量%より多いと、毛髪へのダメージが高くなってしまう場合がある。
成分(E)としては、システイン、チオグリコール酸、システアミン、およびこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0043】
成分(E)として、具体的には、L-システイン、D-システイン、N-アシルシステイン、およびこれらの塩として、塩酸塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)、ならびにアセチルシステイン等のシステイン類;チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸リチウム等のチオグリコール酸類;システアミン、システアミン塩酸塩等のシステアミン類;が挙げられる。
【0044】
これらの中でも、成分(E)は、パーマ剤に汎用されており、毛髪への作用に対する知見が蓄積されていることから、システイン、チオグリコール酸アンモニウム、およびシステアミンが好ましい。
成分(E)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0045】
<乳化剤(F)>
本発明において、乳化剤(F)を、単に「成分(F)」とも記す。
本発明の脱染剤は、剤型を乳化状にする場合には、乳化剤(F)を含む。なお、本発明の乳化剤(F)には、増粘剤(G)としても使用できる成分は含まれない。例えば、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、ポリアクリルアミド、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等のポリマーは、本発明の乳化剤(F)には含まれない。
【0046】
乳化剤(F)の量は特に限定されないが、乳化剤(F)は、好ましくは1.5~9.0質量%、剤の安定性の観点から、より好ましくは2.0~7.0質量%、さらに好ましくは3.5~5.5質量%である。
【0047】
成分(F)としては、例えば、カチオン性、アニオン性、ノニオン性および両性界面活性剤が挙げられる。
カチオン性界面活性剤として、具体的には、アルキルアンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0048】
アニオン性界面活性剤として、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)ラウリルエーテル硫酸塩、POEアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、N-アシルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルリン酸およびその塩、ステアリン酸塩等が挙げられる。
【0049】
ノニオン性界面活性剤として、具体的には、POEアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、POE硬化ヒマシ油、ピログルタミン酸イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油、POEエチレンラノリン、POEコレステロール、POEフィトステロール、POEコレスタノール、POEフィトスタノール、ステアリン酸エステル、PEG-30水添ヒマシ油、セタノールのポリエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。
【0050】
両性界面活性剤として、具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン型、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン型、アミノ酸型等が挙げられる。
【0051】
成分(F)は、皮膚への刺激が少ないことからノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
さらに、ノニオン性界面活性剤の中でも、成分(F)は、HLB値が5.0~20.0であるノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0052】
成分(F)は、POEセチルエーテルおよびPOEステアリルエーテルが、乳化状の剤型が安定する観点から、さらに好ましい。
成分(F)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよいが、乳化状の剤型が安定する観点から、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
【0053】
成分(F)を2種以上組み合わせて使用する場合には、POEセチルエーテルおよびPOEステアリルエーテルを組み合わせて用いることが、乳化状の剤型が安定する観点から好ましい。さらに、POEセチルエーテルおよびPOEステアリルエーテルと、賦形剤としてセトステアリルアルコールと流動パラフィンとを組み合わせて用いることが、乳化状の剤型がより安定する観点から好ましい。
【0054】
<エタノール(D)>
本発明において、エタノール(D)を、単に「成分(D)」とも記す。
本発明の脱染剤は、剤型をゲル状にする場合には、エタノール(D)を含む。
エタノール(D)の量は、上述したベンジルアルコール(C)を可溶化する量であれば特に制限されないが、好ましくは0.5~50.0質量%、より好ましくは10.0~40.0質量%である。
【0055】
ベンジルアルコール(C)とエタノール(D)との質量比(C:D)は、好ましくは1:1~1:2.5、より好ましくは1:1.5~1:2である。
ベンジルアルコール(C)とエタノール(D)との質量比(C:D)が、上記の範囲内であると、剤型の安定性が高く、操作性にも優れるため好ましい。また、毛髪にオレンジみが残りにくく、脱染力に優れるため好ましい。
【0056】
<増粘剤(G)>
本発明において、増粘剤(G)を、単に「成分(G)」とも記す。
本発明の脱染剤は、剤型をゲル状にする場合には、増粘剤(G)を含む。
増粘剤(G)の量は特に限定されないが、増粘剤(G)は、好ましくは0.5~10.0質量%、より好ましくは2.0~6.0質量%である。
【0057】
増粘剤(G)としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロース;ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム)、タラガム、クインスシードガム、カシアガム、アマシードガム等の植物の種子から採取または抽出して得られる多糖類;カラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、ガッティーガム等の植物の樹液から採取または抽出して得られる多糖類;ペクチン等の果実から採取または抽出して得られる多糖類;寒天、カラギーナン、アルギン酸、ファーセレラン等の海藻から採取または抽出して得られる多糖類;キサンタンガム、スクレロチウムガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム等の微生物が生産して得られる多糖類;カルボマー(カルボキシビニルポリマーとも記す)、ポリアクリルアミド、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマーアクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマーが等が挙げられる。
【0058】
これらの中でも、増粘剤(G)が水溶性セルロースであることが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが均一に溶解しやすく剤が分離しないため、より好ましい。
増粘剤(G)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0059】
<水>
本発明の脱染剤は、水を含む。
本発明の脱染剤は、剤型を乳化状にする場合、およびゲル状にする場合、水を好ましくは15.0~90.0質量%、より好ましくは20.0~80.0質量%、さらに好ましくは40.0~60.0質量%含む。水が前記範囲内にあると、上述した成分(A)を溶解できるため好ましい。
水として、具体的には、水道水、イオン交換水、精製水、天然水、および蒸留水が挙げられ、イオン交換水が好ましい。
【0060】
<その他の成分>
本発明の脱染剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に賦形剤として、高級アルコール、炭化水素、エステル油、植物油、脂肪酸等を含有することができる。
【0061】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコールなどが挙げられる。
【0062】
炭化水素としては、スクワラン、イソドデカン、流動パラフィン、パラフィン、ワセリンなどが挙げられる。
エステル油としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸イソステアリル、ジリノール酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0063】
植物油としては、ローズヒップ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、マカデミアンナッツオイル、ヒマシ油などが挙げられる。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
【0064】
本発明の脱染剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に生薬類、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、および色素等の添加剤を含有することができる。
【0065】
<脱染剤の製造等>
本発明の脱染剤は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。
本発明の脱染剤は、1剤式であることが好ましい。
【0066】
〔剤型〕
本発明の脱染剤の剤型は、乳化状またはゲル状であることが好ましい。これらの中でも、剤型がゲル状であると、剤型の安定性、毛髪に均一に塗布しやすい操作性、および毛髪への浸透性に優れることからより好ましい。
【0067】
本発明において、乳化状とは、乳化剤で乳化された油系の粒子が、水系の外相に分散している状態を指す。乳化の状態としては、例えば、O/W(オイル・イン・ウォーター)型、W/O/W型(複合エマルション、マルチプルエマルションとも呼ばれる)が挙げられる。本発明の脱染剤の剤型が乳化状である場合は、O/W型が好ましい。
【0068】
本発明において、ゲル状とは、半固体の状態を指す。ゲルの状態としては、例えば、B型粘度計で計測した25℃における粘度が2000~250000mPa・sである状態を指す。
【0069】
本発明の脱染剤の外観は、例えば、白濁、および透明な外観が挙げられる。本発明の脱染剤の剤型が乳化状である場合には、外観が白濁していることが好ましく、剤型がゲル状である場合には、外観が透明であることが好ましい。
本発明の脱染剤は、噴射剤とともに用いることによりスプレー用組成物として用いることもできる。
【0070】
〔用途〕
本発明の脱染剤は、染めた毛髪に適用でき、例えば、酸性染料、HC染料、塩基性染料、および酸化染料で染めた毛髪に適用できる。これらの中でも、本発明の脱染剤は、毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有する観点から、酸性染料で染めた毛髪に適用することが好ましい。
【0071】
本発明の脱染剤は、染めていない毛髪は脱染しないため、毛髪の所定の部分、例えば染めた毛髪部分のみを脱染するために用いることもできる。
本発明の脱染剤は、毛髪に塗布またはスプレーして使用することができる。本発明の脱染剤を毛髪に塗布する場合は、適量をコームやハケで塗布し、塗布した後は、必要に応じて20~50℃、好ましくは40℃で、1~30分間加温することが好ましい。
【実施例0072】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0073】
〔実施例1~60、比較例1~20〕
実施例、および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
【0074】
【表1】
【0075】
なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは2種類の原料を混合して使用し、POEセチルエーテルは3種類の原料を混合して使用した。
実施例および比較例で用いたPOEセチルエーテルのHLBは、ブラウノン302Lが5.7、ブラウノン340Fが17.4、NIKKOL BC-150が20.0であった。POEステアリルエーテルのHLBは16.6であった。
【0076】
表2~表9に示す処方で各成分を混合して、脱染剤を製造し、試料とした。表2~表9の処方の数値は、脱染剤全体を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
【0077】
〔毛束の調製〕
10cmの人毛白髪毛束(ビューラックス社製BM-W-A)1.0gに対して、毛髪染毛料であるカラースト―リーオアシックM-B(株式会社アリミノ製)2.0gをハケで均一に塗布した。40℃で15分間放置して、毛束を茶色に染色した(染色処理)。
【0078】
染色処理した毛束を10%アルスコープDA-330S(東邦化学工業株式会社)水溶液で洗浄し、流水ですすいだ後、ドライヤーで乾燥させて、評価項目(1)~(3)で用いる毛束とした。
【0079】
評価項目(4)では、毛髪染毛料であるカラースト―リーオアシックC.Orange(株式会社アリミノ製)を用いてオレンジ色に染色処理した以外は、上記〔毛束の調製〕と同様の処理をして、評価項目(4)で用いる毛束とした。
【0080】
〔試験方法〕
上述のとおり調製した毛束に、試料1.0gをハケで均一に塗布した。塗布する際の操作性について、評価項目(1)の評価を行った。
【0081】
その後、試料を塗布した毛束を40℃で15分間放置して、毛束を脱染した(脱染処理)。
脱染処理した毛束を、10%アルスコープDA-330S(東邦化学工業株式会社)水溶液で洗浄し、流水ですすいだ後、ドライヤーで乾燥させて、評価項目(2)~(4)の評価を行った。
【0082】
〔評価方法〕
評価項目(1)~(4)では、10人の専門パネラー(美容師)が1人ずつ、評価基準に従って官能評価を行った。各評価項目につき10人の評価点の平均を算出し、平均点を以下のとおり評価した。
【0083】
・評価項目(1)~(2)
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が3点以上4点以下である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が2.5点以上3点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が2点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が1点以上2点未満である。
【0084】
・評価項目(3)~(4)
◎◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が4点以上5点以下である。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が3点以上4点未満である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が2.5点以上3点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が2点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が1点以上2点未満である。
【0085】
〔評価項目および評価基準〕
評価項目(1)操作性
毛束に試料をハケで均一に塗布する際の、試料の塗布のしやすさについて評価した。
4点:試料が軽い力で良く伸び、非常に塗布しやすい。
3点:試料が刷毛および毛束から垂れ落ちず、塗布しやすい。
2点:試料がややゆるいため刷毛および毛束から垂れ落ちする、もしくは試料がやや固いため塗布しにくい。
1点:試料がゆるすぎる、もしくは固すぎるため、毛束に均一に塗布することが困難である。
【0086】
評価項目(2)ダメージ
脱染処理した毛束と、未処理の毛束との指通りを比較して、脱染処理によるダメージを触感で評価した。
4点:脱染処理毛束と未処理毛束との指通りに差が無く、全くダメージを感じない。
3点:脱染処理毛束は未処理毛束と比較すると、やや引っ掛かりがあり、わずかにダメージを感じる。
2点:脱染処理毛束は未処理毛束と比較すると、引っ掛かりがあり、ダメージを感じる。
1点:脱染処理毛束は未処理毛束と比較すると、とても引っ掛かりがあり、ちりつきが生じており非常にダメージを感じる。
【0087】
評価項目(3)脱染力
脱染処理した毛束について、目視および色差計(日本電色工業社製 NF555)により、脱染力を評価した。
色差計による脱染力の評価では、未処理毛束と脱染処理毛束との測定値から、下記の式(1)を用いて毛束の色差ΔEを算出した。
[ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2]・・・式(1)
上記式(1)中、ΔLは明るさの差を表し、Δaは赤・緑の色相差を表し、Δbは黄・青の色相差を表す。ΔEの値が大きいほど、未処理毛束と脱染処理毛束との色差が大きいことを示しており、脱染力があると評価した。
5点:非常に良く色が落ちており、ΔEが35以上である。
4点:良く色が落ちており、ΔEが25以上35未満である。
3点:色が落ちており、ΔEが15以上25未満である。
2点:あまり色が落ちておらず、ΔEが10以上15未満である。
1点:ほとんど色が落ちておらず、ΔEが10未満である。
【0088】
評価項目(4)オレンジみの残り
脱染処理した毛束について、目視および色差計(日本電色工業社製 NF555)により、オレンジみの残りを評価した。
色差計によるオレンジみの残りの評価では、評価項目(3)と同様にしてΔEを算出した。ΔEの値が大きいほど、未処理毛束と脱染処理毛束との色差が大きいことを示しており、オレンジみの残りが無いと評価した。
5点:全くオレンジみが残っておらず、ΔEが20以上である。
4点:ほとんどオレンジみが残っておらず、ΔEが15以上20未満である。
3点:ややオレンジみが残っており、ΔEが10以上15未満である。
2点:かなりオレンジみが残っており、ΔEが5以上10未満である。
1点:非常にオレンジみが残っており、ΔEが5未満である。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】
【表9】
【0097】
実施例1~60で製造した脱染剤は、(1)~(4)の評価項目において良好な結果となった。
本発明の脱染剤は、毛髪にオレンジみが残りにくい優れた脱染力を有しつつ、毛髪のダメージを抑制することができ、操作性にも優れることがわかる。
【0098】
比較例1で製造した脱染剤は、成分(A)の配合量が規定量より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例2で製造した脱染剤は、成分(A)の配合量が規定量より多いため、成分(A)が溶解しきれず、剤がざらついてしまい、操作性が悪かった。
【0099】
比較例3で製造した脱染剤は、成分(B)の配合量がが規定値より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例4で製造した脱染剤は、成分(B)の配合量が規定値より多いため、剤が固すぎて操作性が悪かった。
【0100】
比較例5で製造した脱染剤は、成分(C)の配合量が規定量より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例6で製造した脱染剤は、成分(C)の配合量が規定量より多いため、剤がゆるすぎて操作性が悪かった。
【0101】
比較例7で製造した脱染剤は、pHが規定値より低いため、非常にオレンジみが残っていた。
比較例8で製造した脱染剤は、pHが規定値より高いため、ほとんど色が落ちておらず、非常にオレンジみが残っており、非常にダメージを感じた。
【0102】
比較例9で製造した脱染剤は、成分(D)の配合量が少ないため、剤が分離してしまい、操作性が悪かった。
比較例10で製造した脱染剤は、成分(D)の配合量が多いため、剤がゆるすぎて操作性が悪かった。
【0103】
比較例11で製造した脱染剤は、成分(A)の配合量が規定量より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例12で製造した脱染剤は、成分(A)の配合量が規定量より多く、成分(A)が溶解しきれず、剤がざらついてしまい、操作性が悪かった。
【0104】
比較例13で製造した脱染剤は、成分(B)の配合量がが規定値より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例14で製造した脱染剤は、成分(B)の配合量が規定値より多いため、剤が固すぎて操作性が悪かった。
【0105】
比較例15で製造した脱染剤は、成分(C)の配合量が規定量より少ないため、あまり色が落ちておらず、かなりオレンジみが残っていた。
比較例16で製造した脱染剤は、成分(C)の配合量が規定量より多いため、剤が分離してしまい、操作性が悪かった。
【0106】
比較例17で製造した脱染剤は、pHが規定値より低いため、非常にオレンジみが残っていた。
比較例18で製造した脱染剤は、pHが規定値より高いため、ほとんど色が落ちておらず、非常にオレンジみが残っており、非常にダメージを感じた。
【0107】
比較例19で製造した脱染剤は、成分(F)が少なすぎたため、剤がゆるすぎて操作性が悪く、非常にオレンジみが残っていた。
比較例20で製造した脱染剤は、成分(F)が多すぎたため、剤が固くなり操作性が悪く、ほとんど色が落ちなかった。非常にオレンジみが残っており、非常にダメージを感じた。