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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080917
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】導光板および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20240610BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20240610BHJP
   G02B 5/00 20060101ALN20240610BHJP
【FI】
G02B30/56
G09F13/18 Q
G02B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194277
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】倉田 剛大
(72)【発明者】
【氏名】田上 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】北村 智和
【テーマコード(参考)】
2H042
2H199
5C096
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA03
2H042AA16
2H042AA26
2H199BA32
2H199BA67
2H199BB27
2H199BB29
2H199BB59
5C096AA11
5C096BA02
5C096CA15
5C096CA27
5C096CA32
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD19
5C096CD28
5C096CD33
5C096CG14
5C096FA01
(57)【要約】
【課題】表示される画像の輪郭の歪みを低減可能な導光板を実現する。
【解決手段】導光板は、光が入射する入射面と、光が出射される出射面と、光を反射させて出射面から出射させる光偏向部と、備え、1以上の前記光偏向部が設けられるセル領域(17A)がマトリクス状に設けられ、セル領域の輪郭は、出射面に垂直な方向から見て、入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜輪郭部分を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の平面画像または立体画像である表示画像を複数の画素によって表示する導光板であって、
光源からの光が入射する入射面と、
前記光が出射される出射面と、
前記入射面から入射し導光された前記光を反射させることによって前記出射面から出射させる複数の光偏向部と、備え、
1以上の前記光偏向部が設けられるセル領域がマトリクス状に複数設けられているとともに、
(1)前記セル領域の行方向の配列方向および列方向の配列方向の少なくとも一方は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している、複数の前記セル領域から構成される傾斜配列部分を有する、および、
(2)前記セル領域の輪郭は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜輪郭部分を有する、の少なくともいずれか一方である導光板。
【請求項2】
前記セル領域は、互いに異なる方向に前記光を反射させる複数の前記光偏向部が設けられている、請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記傾斜配列部分を構成する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される、請求項1に記載の導光板。
【請求項4】
前記傾斜輪郭部分を有する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される、請求項1に記載の導光板。
【請求項5】
前記セル領域の前記行方向に平行な輪郭の辺の長さと、前記列方向に平行な輪郭の辺の長さとの大小関係は、前記行方向における前記表示画像のサイズと前記列方向における前記表示画像のサイズとの大小関係と一致する請求項1に記載の導光板。
【請求項6】
前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列、および、前記傾斜輪郭部分の少なくともいずれか一方は、曲線状となっている、請求項1に記載の導光板。
【請求項7】
前記セル領域を複数含む第1領域と、該第1領域とは異なる位置に配置される、前記セル領域を複数含む第2領域と、を有し、
前記第1領域と、前記第2領域とで、前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列方向、および、前記傾斜輪郭部分の方向の少なくともいずれか一方が互いに異なっている、請求項1に記載の導光板。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の導光板と、
前記光源と、を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板、および当該導光板を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、立体視可能な光デバイスが開示されている。当該光デバイスは、導光板と、導光板内を伝播する光を偏向して、空間に画像を形成する光を出射面から出射させる複数の光偏向部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-32665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような光デバイスでは、表示される画像における一定のサイズの領域(画素)は、1以上の光偏向部が設けられるセル領域によって表示される。このセル領域に含まれる光偏向部は、広い範囲で光を反射させる必要があるため、セル領域には多数の光偏向部を設けたり、反射方向が異なる面を有する光偏向部を設けたりする必要がある。よって、セル領域はある程度の面積が必要となる。
【0005】
しかしながら、セル領域の面積に応じて、表示される画像における画素の大きさも大きくなるため、表示される画像の輪郭の方向によっては、画素の大きさによる輪郭線の歪みが生じるという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、表示される画像の輪郭の歪みを低減可能な導光板を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る導光板は、所定の平面画像または立体画像である表示画像を複数の画素によって表示する導光板であって、光源からの光が入射する入射面と、前記光が出射される出射面と、前記入射面から入射し導光された前記光を反射させることによって前記出射面から出射させる複数の光偏向部と、備え、1以上の前記光偏向部が設けられるセル領域がマトリクス状に複数設けられているとともに、(1)前記セル領域の行方向の配列方向および列方向の配列方向の少なくとも一方は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している、複数の前記セル領域から構成される傾斜配列部分を有する、および、(2)前記セル領域の輪郭は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜輪郭部分を有する、の少なくともいずれか一方である。
【0008】
従来の導光板では、セル領域は、入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に沿ってマトリクス状に配置されている。この場合、光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜した方向に並んでいるセル領域によって直線または曲線を表示しようとすると、画素の大きさによる輪郭線の歪みが生じる場合がある。これに対して、上記構成では、表示しようとする画像の輪郭の方向に応じて、傾斜配列部分または傾斜輪郭部分を設けることが可能となる。よって、画像の輪郭の歪みを低減できる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る導光板においては、前記セル領域は、互いに異なる方向に前記光を反射させる複数の前記光偏向部が設けられている。
【0010】
前記構成では、セル領域に複数の光偏向部を設けることにより、該セル領域から反射される光の方向を広くすることができる。よって、各光偏向部を比較的単純な形状とすることができるので、光偏向部の形成が容易な導光板を提供することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る導光板においては、前記傾斜配列部分を構成する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される。
【0012】
前記構成によれば、傾斜配列部分を構成するセル領域によって表示される輪郭の歪みを低減できる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る導光板においては、前記傾斜輪郭部分を有する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される。
【0014】
前記構成によれば、傾斜輪郭部分を構成するセル領域によって表示される輪郭の歪みを低減できる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る導光板においては、前記セル領域の前記行方向に平行な輪郭の辺の長さと、前記列方向に平行な輪郭の辺の長さとの大小関係は、前記行方向における前記表示画像のサイズと前記列方向における前記表示画像のサイズとの大小関係と一致する。
【0016】
前記構成によれば、表示画像のサイズが大きい方向における、セル領域の境界の数が少なくなることで、表示画像の輪郭の歪みを低減できる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る導光板においては、前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列、および、前記傾斜輪郭部分の少なくともいずれか一方は、曲線状となっている。
【0018】
前記構成によれば、輪郭が曲線状である画像の輪郭の歪みを低減できる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る導光板は、前記セル領域を複数含む第1領域と、該第1領域とは異なる位置に配置される、前記セル領域を複数含む第2領域と、を有し、前記第1領域と、前記第2領域とで、前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列方向、および、前記傾斜輪郭部分の方向の少なくともいずれか一方が互いに異なっている。
【0020】
前記構成によれば、輪郭の方向が互いに異なる複数の表示画像のそれぞれを、歪みを低減して表示できる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る表示装置は、上記のいずれかの態様の導光板と、前記光源と、を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、表示される画像の輪郭の歪みを低減可能な導光板を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の適用例に係る表示装置の斜視図である。
図2】本発明の適用例に係る表示装置の断面図である。
図3】本発明の適用例に係る表示装置を、空間上に形成される像と共に概略的に示す斜視図である。
図4】特定の観察位置に向かう光を提供するセル領域を模式的に示す図である。
図5】光偏向部の構成の例を示す斜視図である。
図6】セル領域の構成の例を模式的に示す図である。
図7】第1の構成例に係る導光板において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。
図8】第1の構成例に係る導光板において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の別の例を示す平面図である。
図9】第2の構成例に係る導光板において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。
図10】第3の構成例に係る導光板において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。
図11】第3の構成例に係る導光板において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の別の例を示す平面図である。
図12】第1の変形例に係る導光板領域の構成を示す平面図である。
図13】第2の変形例に係る導光板領域の構成を示す平面図である。
図14】第2の変形例に係る導光板領域の具体例を示す平面図である。
図15】第3の変形例に係る導光板の平面図である。
図16】第3の変形例に係る光偏向部の配列を示す斜視図である。
図17】第3の変形例に係る導光板による立体画像の結像方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0025】
§1 適用例
図1は、本発明の適用例に係る表示装置10の斜視図である。図2は、表示装置10の断面図である。図1および図2に示すように、表示装置10は、導光板11および光源12を備える。
【0026】
導光板11は、所定の平面画像または立体画像である表示画像を複数の画素によって表示する。導光板11は、直方体形状をしており、透明性および比較的高い屈折率を有する樹脂材料で成形されている。導光板11を形成する材料としては、例えばポリカーボネイト樹脂、またはポリメチルメタクリレート樹脂などを使用することができる。本適用例では、導光板11は、ポリメチルメタクリレート樹脂によって成形されている。導光板11は、図2に示すように、出射面11aと、背面11bと、入射面11cとを備えている。
【0027】
出射面11aは、導光板11の内部を導光され、後述する光偏向部13により光路変更された光を出射する面である。出射面11aは、導光板11の前面を構成している。背面11bは、出射面11aと互いに平行な面であり、後述する光偏向部13が配置される面である。入射面11cは、光源12から出射された光が導光板11の内部に入射される面である。
【0028】
光源12は、入射面11cから導光板11の内部へ光を入射させる。光源12から出射され入射面11cから導光板11に入射した光は、出射面11aまたは背面11bで全反射され、導光板11内を導光される。光源12は、例えばLED(Light Emitting diode)光源である。
【0029】
各図面には、XYZ座標軸を示している。出射面11aおよび背面11bが、XY平面に平行な面となっている。特に、光源12から導光板11に入射する光の光軸方向が、Y軸方向である。出射面11aおよび背面11bに平行かつY軸方向に垂直な方向が、X軸方向である。また、X軸方向およびY軸方向の両方に垂直な方向が、Z軸方向である。
【0030】
図2に示すように、導光板11の背面11bには、複数の光偏向部13が形成されている。光偏向部13は、導光板11内を導光された光を光路変更して出射面11aから出射させる。
【0031】
図3は、表示装置10を、空間上に形成される像と共に概略的に示す斜視図である。図3に示す例では、表示装置10は、出射面11aから出射する光によって、空間中に画像I(表示画像)を表示する。画像Iは、出射面11aよりもZ軸プラス側に位置する「A」の字の像である。
【0032】
図3に示すように、表示装置10の導光板11には、複数のセル領域15がマトリクス状に設けられている。セル領域15は、1以上の光偏向部13が設けられる領域である。セル領域のそれぞれは、導光板11内を伝搬する光を変更して出射面11aから出射させることで画像Iを表示させる。
【0033】
図3において、セル領域15の一例としてのセル領域15a,15b,15cが示されている。図3には、セル領域15aからの光が、画像Iのいくつかの位置に向けて広がっていく様子が示されている。セル領域15b,15c,および他のセル領域15のそれぞれも同様である。
【0034】
セル領域15のそれぞれは、背面11b内において微小な領域を占める。セル領域15のそれぞれは、画像IをXY平面内に投影した場合に占める面積より小さい。画像Iは、それぞれが画像内の各位置に向けて光を広げる多数のセル領域15からの光によって、形成される。すなわち、多数のセル領域15からの光が、画像Iから発散する方向の光を形成する。
【0035】
図4は、特定の観察位置に向かう光を提供する光偏向部13を模式的に示す図である。図4には、セル領域15の一例としての、セル領域15d,15e,15f,15gが示されている。例えば、画像Iが有する「A」の形状の、左側の斜辺の下端を形成する光は、セル領域15e内の特定の反射面からの光、およびセル領域15f内の特定の反射面からの光によって提供され、セル領域15d,15gからの光によっては提供されない。このように、特定の観察位置から見た場合、画像Iの特定の部位は、複数のセル領域15のうちの特定のセル領域15からの光によって形成される。
【0036】
図5は、光偏向部13の構成の例を示す斜視図である。図5に示す例では、光偏向部13は、三角錐形状となっており、入射した光を反射(全反射)する単一の反射面14を備えている。光偏向部13は、例えば、導光板11の背面11bに形成された凹部であってもよい。なお、光偏向部13は、三角錐形状に限られるものではない。
【0037】
また、図5に示した例における反射面14は平面である。しかし、反射面14の形状は平面に限定されず、曲面であってもよい。
【0038】
図6は、セル領域15の構成の例を模式的に示す図である。図6に示す例では、セル領域15は、互いに異なる方向に光を反射させる複数の光偏向部13が設けられている構成を有する。各セル領域15に複数の光偏向部13を設けることにより、該セル領域15から反射される光の方向を広くすることができる。よって、各光偏向部13を比較的単純な形状とすることができるので、光偏向部13の形成が容易な導光板11を提供することができる。
【0039】
光偏向部13は、全て別個に設けられてもよいし、一部が接して設けられてもよい。また、光偏向部13の配置パターンは、セル領域15が設けられる位置によって異なってよい。光偏向部13の形状は、光を光路変更することが可能な反射面を有していれば特に制限されない。
【0040】
また、1つの光偏向部13が複数の反射面を有していてもよい。その場合には、1つのセル領域15が光偏向部13を1つのみ備えていてもよい。
【0041】
本発明に係る表示装置は、以下に説明する構成例および変形例に係る導光板11と、光源12とを備える。導光板11は、上述したとおり、出射面11a以外の空間に、画像を結像させてもよい。また、導光板11は、出射面11aの面上に画像を結像させる、平面画像表示用の導光板であってもよい。また、導光板11は、出射面11aの面上、および出射面11a以外の空間の両方に画像を結像させてもよい。導光板11は、出射面11aに画像を結像させる場合、各光偏向部13は、画像を視認可能な角度を広げるため、凹形状の反射面を有していてよい。このような表示装置10は、アミューズメント機器、車載用装置、家電、または他のスイッチの操作部等、様々なアプリに適用可能である。
【0042】
§2 構成例
(構成例1)
図7は、第1の構成例に係る導光板11において、複数のセル領域17Aが設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。図7に示すように、導光板領域16Aには、中心点C0を中心とする第1の円C1と、第1の円C1よりも直径が大きい第2の円C2との間の領域である環状の画像IA(表示画像)を表示するためのセル領域17Aが複数設けられている。
【0043】
導光板領域16Aには、所定の中心角ごとに周方向に分割されるとともに、所定の径方向の間隔で分割されることによって、各セル領域17Aが設けられている。すなわち、各セル領域17Aは、径方向と周方向とにマトリクス状に配列されている。つまり、マトリクスにおいて、径方向を列方向、周方向を行方向とみなした場合、セル領域17Aの行方向の配列方向および列方向の配列方向の少なくとも一方は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜配列部分を有している。
【0044】
また、セル領域17Aの輪郭は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜輪郭部分を有する。具体的には、セル領域17Aの輪郭は、中心点C0を中心とする周方向に沿う部分と、径方向に沿う部分とが存在する。周方向に沿う部分、および、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している径方向に沿う部分が傾斜輪郭部分である。
【0045】
なお、各セル領域17Aの形状は、図6に示す形状に限定されるものではなく、例えば長方形形状であってもよい。または、各セル領域17Aの形状は、該セル領域17Aに含まれる光偏向部13の形状に応じて変更されてもよい。
【0046】
図8は、第1の構成例に係る導光板11において、複数のセル領域17Bが設けられている導光板領域の別の例を示す平面図である。図8に示すように、導光板領域16Bには、平行四辺形状の画像IB(表示画像)を表示するためのセル領域17Bが複数設けられている。画像IBは、互いに平行な辺IB1,IB2と、互いに平行かつ辺IB1,IB2に平行でない辺IB3,IB4と、を有する。辺IB1,IB2は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸、および当該光軸に垂直な方向に対して傾斜している。辺IB3,IB4は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸に垂直である。また、辺IB1,IB2は、辺IB3,IB4よりも長い。
【0047】
導光板領域16Bは、複数のセル領域17Bを有する。セル領域17Bの輪郭は、セル領域17Aとは別の傾斜輪郭部分を有する。具体的には、セル領域17Bの輪郭のうち、辺IB1,IB2に沿う部分が傾斜輪郭部分である。
【0048】
導光板領域16Aにおいては、傾斜輪郭部分を有するセル領域17Aによって、環状の画像の輪郭が表示される。また、導光板領域16Bにおいては、傾斜輪郭部分を有するセル領域17Bによって、平行四辺形状の画像の輪郭が表示される。このため、導光板領域16A,16Bにおいては、画像の輪郭を表示する画素の形状が、該画像の輪郭に沿う。したがって、本構成例に係る導光板領域16A,16Bによれば、表示する画像の輪郭における歪みを低減できる。
【0049】
ここでいう「輪郭」とは、画像IA,IBを2次元または3次元で表示する場合における線状の部分画像の輪郭であってもよい。また、セル領域17A,17Bの傾斜輪郭部分における輪郭の方向または傾斜配列部分における配列の方向は、画像の輪郭の方向に対して完全に一致している必要はなく、ある程度ずれていたとしても、表示する画像の輪郭における歪みを低減できる。
【0050】
ただし、本構成例に係る導光板は、傾斜輪郭部分を有しないセル領域をさらに備えていてもよい。その場合、必ずしも傾斜輪郭部分を有するセル領域によって画像の輪郭の全てが表示されなくてもよい。すなわち、本構成例に係る導光板においては、傾斜輪郭部分を有するセル領域によって、画像の輪郭の少なくとも一部分が表示されればよい。これにより、画像の輪郭の全てが傾斜輪郭部分を有しないセル領域によって表示される場合と比較して、画像の輪郭における歪みを低減できる。
【0051】
また、導光板領域16Aにおいては、セル領域17Aの傾斜輪郭部分は、円弧である。すなわち、セル領域17Aの傾斜輪郭部分は、曲線状となっている。これにより、輪郭が曲線状である画像の歪みを低減できる。セル領域17Aの傾斜輪郭部分は、円弧とは別の曲線状であってもよい。
【0052】
なお、導光板領域16Bにおいては、セル領域17Bの配列方向が、傾斜輪郭部分の方向に沿っている。ただし、セル領域17Bの配列方向は、必ずしも傾斜輪郭部分の方向に沿っていなくてもよい。その場合であっても、セル領域17Bが傾斜輪郭部分を有することで、傾斜輪郭部分を有しない場合と比較して、画像の輪郭における歪みを低減できる。
【0053】
(構成例2)
図9は、第2の構成例に係る導光板11において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。図9において、符号901は、従来の導光板における導光板領域16Zの構成を示す平面図である。また、符号902は、本構成例の導光板における導光板領域16Cの構成を示す平面図である。
【0054】
図9に示す例では、導光板領域16Zには、平行四辺形状の画像IBを表示するためのセル領域17Zが複数設けられている。また、導光板領域16Cには、平行四辺形状の画像IBを表示するためのセル領域17Cが複数設けられている。上述したとおり、画像IBは、互いに平行な辺IB1,IB2と、互いに平行かつ辺IB1,IB2に平行でない辺IB3,IB4と、を有する。辺IB1,IB2は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸、および当該光軸に垂直な方向に対して傾斜している。辺IB3,IB4は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸に垂直である。また、辺IB1,IB2は、辺IB3,IB4よりも長い。
【0055】
導光板領域16Zは、複数のセル領域17Zを有する。また、導光板領域16Zは、導光板11と同様に、出射面11a、背面11bおよび入射面11cを備えるものとする。
【0056】
セル領域17Zは、略正方形の形状を有する。セル領域17Zの、行方向および列方向の配列方向はそれぞれ、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向である。このため、セル領域17Zの整列方向は、辺IB3,IB4の方向とは一致しているが、辺IB1,IB2の方向とは一致していない。したがって、導光板領域16Zが表示する画像においては、辺IB3,IB4に対応する部分には歪みが生じないが、辺IB1,IB2に対応する部分に歪みが生じる。
【0057】
一方、導光板領域16Cは、複数のセル領域17Cを有する。セル領域17Cは、セル領域17Zと同様、略正方形の形状を有する。ただし、セル領域17Cの行方向および列方向の配列方向は、出射面11aに垂直な方向から見て、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している。換言すれば、導光板領域16Cは、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している複数のセル領域17Cから構成される傾斜配列部分を有する。導光板領域16Cにおいては、傾斜輪郭部分を有するセル領域17Cによって、画像の輪郭が表示されている。傾斜の大きさは、0°より大きく、かつ90°未満であってよい。特に、傾斜の大きさは、10°以上かつ80°以下であってよい。
【0058】
一般に、画像の輪郭においては、該輪郭に対してセル領域の配列方向が傾斜している領域の距離が短く、かつ当該傾斜が小さい方が、歪みが目立ちにくくなる。導光板領域16Cにおいては、導光板領域16Zと比較して、辺IB3,IB4よりも長い辺IB1,IB2に対する、セル領域17Cの配列方向の傾斜が小さい。したがって、導光板領域16Cによれば、導光板領域16Zと比較して、画像の歪みを低減できる。
【0059】
特に、図9に示す例では、セル領域17Cの配列方向が、辺IB1,IB2の方向、および該辺IB1,IB2に垂直な方向に沿っている。このため、セル領域17Cの整列方向は、辺IB3,IB4の方向とは一致していないが、辺IB1,IB2の方向とは一致している。したがって、導光板領域16Cが表示する画像においては、辺IB3,IB4に対応する部分には歪みが生じるが、辺IB1,IB2に対応する部分には歪みが生じない。
【0060】
また、図9の符号902に示す例では、個々のセル領域17Cの輪郭も、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している。このため、導光板領域16Cにおいては、セル領域17Cの集合の全体が、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している。このような導光板領域16Cは、従来の導光板領域16Zにおけるセル領域17Zの集合の全体を傾斜させるだけで、簡易に製造可能である。
【0061】
なお、導光板領域16Cにおいては、必ずしも個々のセル領域17Cの輪郭が、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜していなくてもよい。その場合であっても、セル領域17Cの配列方向が、入射面11cから入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜していれば、当該方向に対してセル領域17Cの配列方向が傾斜していない場合よりも、画像の輪郭の歪みを低減できる。
【0062】
また、本構成例に係る導光板は、傾斜配列部分を構成しないセル領域をさらに備えていてもよい。その場合、必ずしも傾斜配列部分を構成するセル領域によって画像の輪郭の全てが表示されなくてもよい。すなわち、本構成例に係る導光板においては、傾斜配列部分を構成するセル領域によって、画像の輪郭の少なくとも一部分が表示されればよい。これにより、画像の輪郭の全てが傾斜輪郭部分を構成しないセル領域によって表示される場合と比較して、画像の輪郭の歪みを低減できる。
【0063】
(構成例3)
図10は、第3の構成例に係る導光板11において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の一例を示す平面図である。図10に示す導光板領域16Dには、セル領域17Dが複数設けられている。図10において、符号1001は、導光板領域16Dに設けられたセル領域17Dにより、平行四辺形状の画像IC(表示画像)が表示されている状態を示す図である。符号1002は、導光板領域16Dに設けられたセル領域17Dにより、台形状の画像ID(表示画像)が表示されている状態を示す図である。
【0064】
画像IC,IDはいずれも、X軸方向におけるサイズがY軸方向におけるサイズよりも大きい形状を有する。セル領域17Dの、X軸方向におけるサイズとY軸方向におけるサイズとの大小関係は、画像IC,IDのX軸方向におけるサイズとY軸方向におけるサイズとの大小関係と一致する。
【0065】
図11は、第3の構成例に係る導光板11において、複数のセル領域が設けられている導光板領域の別の例を示す平面図である。図11に示す導光板領域16Eには、セル領域17Eが複数設けられている。図11において、符号1101は、導光板領域16Eに設けられたセル領域17Eにより、平行四辺形状の画像IE(表示画像)が表示されている状態を示す図である。符号1102は、導光板領域16Eに設けられたセル領域17Eにより、台形状の画像IF(表示画像)が表示されている状態を示す図である。
【0066】
画像IE,IFにおける画像はいずれも、Y軸方向におけるサイズがX軸方向におけるサイズよりも大きい形状を有する。セル領域17Eの、X軸方向におけるサイズとY軸方向におけるサイズとの大小関係は、画像IE,IFのX軸方向におけるサイズとY軸方向におけるサイズとの大小関係と一致する。
【0067】
図10および図11において、X軸方向を行方向、Y軸方向を列方向と称する。このとき、上述したとおり、導光板領域16D,16Eにおいては、セル領域17D,17Eの行方向に平行な輪郭の辺の長さと、列方向に平行な輪郭の辺の長さとの大小関係は、行方向における表示画像のサイズと列方向における表示画像のサイズとの大小関係と一致する。これにより、表示画像のサイズが大きい方向におけるセル領域17D,17Eの数が多くなる。すなわち、該方向における解像度が向上するため、表示画像の歪みを低減できる。この構成例は、特に、符号1002,1102に示した台形状の表示画像のような、方向が互いに異なる長い輪郭を複数有する画像を表示する場合に有効である。
【0068】
図10および図11においては、セル領域17D,17Eは傾斜輪郭部分を有さず、かつ傾斜配列部分を構成していなかった。しかし、本構成例に係る導光板においては、傾斜輪郭部分を有する、または傾斜配列部分を構成するセル領域の縦横比を、画像の縦横比と一致させてもよい。これにより、傾斜輪郭部分を有さず、かつ傾斜配列部分を構成していないセル領域の縦横比を、画像の縦横比と一致させる場合と比較して、表示画像の輪郭の歪みをさらに低減できる。
【0069】
§3 変形例
<3.1>
図12は、第1の変形例に係る導光板領域16Fの構成を示す平面図である。導光板領域16Fは、第1領域RAと、第1領域RAとは異なる位置に配置される第2領域RBを有する。図12においては、第1領域RAはセル領域17Aを複数含む。第2領域RBはセル領域17Bを複数含む。導光板領域16Fにおいては、第1領域RAと第2領域RBとの間にはセル領域が形成されない。
【0070】
第1領域RAと、第2領域RBとは、それぞれに含まれるセル領域17A,17Bの、傾斜輪郭部分の方向が互いに異なっている。これにより、導光板領域16Fは、環状の画像および平行四辺形状の画像の両方を、歪みを低減して表示することができる。
【0071】
また、導光板領域16Fにおいては、第1領域RAおよび第2領域RBのそれぞれに含まれるセル領域が、傾斜配列部分を構成していてもよい。この場合、第1領域RAと第2領域RBとで、傾斜配列部分を構成するセル領域の配列方向が、互いに異なっていてよい。この場合にも、導光板領域16Fは、複数の画像のそれぞれを、歪みを低減して表示することができる。
【0072】
<3.2>
図13は、第2の変形例に係る導光板領域16Gの構成を示す平面図である。導光板領域16Gは、3つの環状の画像および1つの平行四辺形状の画像を表示する。このため、導光板領域16Gには、3つの第1領域RA、および1つの第2領域RBが存在する。
【0073】
さらに、導光板領域16Gにおいては、第1領域RAどうしの間、および第1領域RAと第2領域RBとの間に、遷移領域RCが存在する。遷移領域RCは、第1領域RAどうしの間、および第1領域RAと第2領域RBとの間で、配列方向および形状が徐々に変化しているセル領域が設けられる領域である。導光板領域16Gにおいては、遷移領域RCに含まれるセルについても画像の表示に利用できる。
【0074】
図14は、導光板領域16Gの具体例を示す平面図である。図14においては、導光板領域16Gの具体例である導光板領域16Hの構成の2つの例が、それぞれ符号1401,1402に示されている。
【0075】
導光板領域16Hは、傾斜の度合いが互いに異なる、2つの平行四辺形状の画像IG,IH(表示画像)を表示する。画像IGは、出射面11aに表示される画像IG1と、出射面11aよりも奥側に表示される画像IG2とを含む。また、画像IHは、出射面11aに表示される画像IH1と、出射面11aよりも奥側に表示される画像IH2とを含む。符号1401の例と符号1402の例とでは、画像IG1,IH1に対する、画像IG2,IH2が表示される位置が異なる。
【0076】
いずれの例においても、導光板領域16Hには、画像IG1を表示するためのセル領域が形成される第1領域RDと、画像IH1を表示するためのセル領域が形成される第2領域REとが存在する。また、第1領域RDと第2領域REとの間に遷移領域RFが存在する。
【0077】
符号1401においては、画像IG2が、画像IG1と画像IH1との間に表示される。この場合、画像IG2を表示するためのセル領域は、遷移領域RFに配される。一方、画像IH2は、画像IH1の、画像IG1とは逆側に表示される。このため、画像IH2を表示するためのセル領域は、第2領域REに配される。
【0078】
符号1402においては、画像IH2が、画像IG1と画像IH1との間に表示される。このため、画像IH2を表示するためのセル領域は、遷移領域RFに配される。一方、画像IG2は、画像IG1の、画像IH1とは逆側に表示される。このため、画像IG2を表示するためのセル領域は、第1領域RDに配される。
【0079】
以上のとおり、導光板領域16Hにおいては、画像IG2または画像IH2を表示するためのセル領域が、遷移領域RFに配される。画像IG2および画像IH2は、画像IGおよび画像IHに立体感を与えるものであるため、画像IG1または画像IH1の輪郭と厳密に一致している必要はない。このため、遷移領域RFに設けられたセル領域の形状に起因する歪みが目立ちにくいように、画像IG2または画像IH2の形状を適宜変更してよい。したがって、導光板領域16Hによれば、画像の輪郭における歪みを低減し、かつ遷移領域RFを有効活用できる。
【0080】
<3.3>
第3の変形例として、上記の適用例に係る導光板11とは異なる導光板18について以下に説明する。
【0081】
図15は、第3の変形例に係る導光板18の平面図である。導光板18は、導光板11と同様に、出射面11a、背面11b、および入射面11cを有するものとする。図15に示すように、導光板18の背面11bには、複数の光偏向部13が設けられる複数のセル領域19a、19b、19c…が形成されている。セル領域19aに含まれる光偏向部13のそれぞれは、互いに異なる方向に光を反射させる。セル領域19bに含まれる光偏向部13のそれぞれは、互いに異なる方向に光を反射させる。セル領域19cに含まれる光偏向部13のそれぞれは、互いに異なる方向に光を反射させる。図15に示す例では、セル領域19a、19b、19c…のそれぞれに含まれる光偏向部13は、入射面11cに平行な方向に沿って直線状に設けられている。
【0082】
図16は、光偏向部13の配列を示す斜視図である。図16に示すように、各セル領域19a、19b、19c…では、複数の光偏向部13の反射面14が、光の入射方向に対する角度が互いに異なるように導光板18の背面11bに配置されている。これにより、各セル領域19a、19b、19c…は、入射光を反射して、出射面11aから様々な方向へ出射させる。
【0083】
次に、導光板18による画像II(表示画像)の結像方法について、図17を参照しながら説明する。ここでは、導光板18の出射面11aに垂直な面である立体画像結像面Pに、光偏向部13により光路変更された光によって面画像としての画像IIを結像する場合について説明する。
【0084】
図17は、導光板18による画像IIの結像方法を示す斜視図である。なお、ここでは、立体画像結像面Pに画像IIとして斜め線入りリングマークを結像することについて説明する。
【0085】
導光板18では、図17に示すように、例えば、セル領域19aの各光偏向部13によって光路変更された光は、立体画像結像面Pに線La1および線La2で交差する。これにより、立体画像結像面Pに画像IIの一部である線画像LIを結像させる。線画像LIは、XZ平面に平行な線画像である。このように、セル領域19aに属する多数の光偏向部13からの光によって、線La1および線La2の線画像LIが結像される。なお、線La1および線La2の像を結像する光は、セル領域19aにおける少なくとも2つの光偏向部13によって提供されていればよい。
【0086】
同様に、セル領域19bの各光偏向部13によって光路変更された光は、立体画像結像面Pに線Lb1、線Lb2および線Lb3で交差する。これにより、立体画像結像面Pに画像IIの一部である線画像LIを結像させる。
【0087】
また、セル領域19cの各光偏向部13によって光路変更された光は、立体画像結像面Pに線Lc1および線Lc2で交差する。これにより、立体画像結像面Pに画像IIの一部である線画像LIを結像させる。
【0088】
各セル領域19a、19b、19c…によって結像される線画像LIの、X軸方向における位置は互いに異なっている。導光板18では、セル領域19a、19b、19c…間の距離を小さくすることによって、各セル領域19a、19b、19c…によって結像される線画像LIのX軸方向の距離を小さくすることができる。その結果、導光板18では、セル領域19a、19b、19c…の各光偏向部13によって光路変更された光によって結像された複数の線画像LIを集積することにより、実質的に、面画像である画像IIを立体画像結像面Pに結像する。
【0089】
〔まとめ〕
本発明は以下のようにも表現できる。
【0090】
本発明の態様1に係る導光板は、所定の平面画像または立体画像である表示画像を複数の画素によって表示する導光板であって、光源からの光が入射する入射面と、前記光が出射される出射面と、前記入射面から入射し導光された前記光を反射させることによって前記出射面から出射させる複数の光偏向部と、備え、1以上の前記光偏向部が設けられるセル領域がマトリクス状に複数設けられているとともに、(1)前記セル領域の行方向の配列方向および列方向の配列方向の少なくとも一方は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している、複数の前記セル領域から構成される傾斜配列部分を有する、および、(2)前記セル領域の輪郭は、前記出射面に垂直な方向から見て、前記入射面から入射した光の光軸の方向および該光軸に垂直な方向に対して傾斜している傾斜輪郭部分を有する、の少なくともいずれか一方である。
【0091】
本発明の態様2に係る導光板は、態様1において、前記セル領域は、互いに異なる方向に前記光を反射させる複数の前記光偏向部が設けられている。
【0092】
本発明の態様3に係る導光板は、態様1または2において、前記傾斜配列部分を構成する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される。
【0093】
本発明の態様4に係る導光板は、態様1または2において、前記傾斜輪郭部分を有する前記セル領域によって、前記表示画像の輪郭の少なくとも一部分が表示される。
【0094】
本発明の態様5に係る導光板は、態様1から4のいずれかにおいて、前記セル領域の前記行方向に平行な輪郭の辺の長さと、前記列方向に平行な輪郭の辺の長さとの大小関係は、前記行方向における前記表示画像のサイズと前記列方向における前記表示画像のサイズとの大小関係と一致する。
【0095】
本発明の態様6に係る導光板は、態様1から5のいずれかにおいて、前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列、および、前記傾斜輪郭部分の少なくともいずれか一方は、曲線状となっている。
【0096】
本発明の態様7に係る導光板は、態様1から6のいずれかにおいて、前記セル領域を複数含む第1領域と、該第1領域とは異なる位置に配置される、前記セル領域を複数含む第2領域と、を有し、前記第1領域と、前記第2領域とで、前記傾斜配列部分を構成する複数の前記セル領域の配列方向、および、前記傾斜輪郭部分の方向の少なくともいずれか一方が互いに異なっている。
【0097】
本発明の態様8に係る表示装置は、態様1から7のいずれかの導光板と、前記光源と、を備える。
【0098】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10 表示装置
11、18 導光板
11a 出射面
11b 背面
11c 入射面
13 光偏向部
15、15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、17A、17B、17C、17D、17E、19a、19b、19c セル領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17