(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080921
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】除草方法
(51)【国際特許分類】
A01G 20/10 20180101AFI20240610BHJP
【FI】
A01G20/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194282
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】522473438
【氏名又は名称】椿 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】椿 秀樹
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AB02
(57)【要約】
【課題】簡単な方法で雑草の発生を抑えることができ、長期にわたって環境性や景観性を良好にできる除草方法を提供する。
【解決手段】土壌10からの雑草の発生を抑える除草方法は、土壌10から発生した雑草11を所定の高さ以下に刈り揃える草刈工程と、草刈工程を行った後、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒く除草工程と、除草工程を行って雑草を枯らした後、土壌10の表面13にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片Aを撒く植栽工程と、植栽工程を行った後、土壌10の表面13で小片Aから成長した植物14が所定の高さとなった際に、この植物14を草刈り機で刈って細かく砕きその小片Bを分散させ、更に成長させて土壌10の全表面13を覆わせる被覆工程とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌からの雑草の発生を抑える除草方法において、
前記土壌から発生した雑草を所定の高さ以下に刈り揃える草刈工程と、
前記草刈工程を行った後、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒く除草工程と、
前記除草工程を行って雑草を枯らした後、前記土壌表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片Aを撒く植栽工程と、
前記植栽工程を行った後、前記土壌表面で前記小片Aから成長した植物が所定の高さとなった際に、該植物を草刈り機で刈って細かく砕きその小片Bを分散させ、更に成長させて前記土壌の全表面を覆わせる被覆工程とを有することを特徴とする除草方法。
【請求項2】
請求項1記載の除草方法において、前記草刈工程と前記除草工程は、雑草が枯れるまで繰返し行うことを特徴とする除草方法。
【請求項3】
土壌からの雑草の発生を抑える除草方法において、
前記土壌から発生した雑草に水を撒く散水工程と、
前記散水工程を行った後、撒いた水を天日により湯にして雑草の根に行き渡らせる除草工程と、
前記除草工程を行って雑草を枯らした後、前記土壌表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片Aを撒く植栽工程と、
前記植栽工程を行った後、前記土壌表面で前記小片Aから成長した植物が所定の高さとなった際に、該植物を草刈り機で刈って細かく砕きその小片Bを分散させ、更に成長させて前記土壌の全表面を覆わせる被覆工程とを有することを特徴とする除草方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅広い分野で活用可能な雑草の除草方法に係り、更に詳細には、例えば、公園や庭、空き地、ゴルフの打ちっ放し場、道路の花壇(その他雑草の生える花壇)や中央分離帯、市や国が保有する敷地等に発生する雑草の除草方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、公園や庭、空き地等に発生した雑草は、作業者が草刈り機等を用いて刈り取っているが、作業に手間を要して負担が大きかった。また、たとえ草刈りを行ったとしても、地中に根が残っている場合は、新芽が発生して再び雑草が生い茂るため、草刈りを繰返し行う必要があった。なお、雑草は雨が降れば一瞬で生える。
そこで、例えば、特許文献1に開示された、雑草の生育を防止する地被植物の植生方法及び地被植物マットが提案されている。具体的には、土壌に遮光性シートを敷設して覆土し、その上方に植生ネットを敷設して覆土し、そこへ地被植物を植え付けることで、植生を行う技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-10566号公報
【特許文献2】特開2016-21905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、土壌に遮光性シートを敷設する作業や、その上方に植生ネットを敷設する作業を行う必要があり、作業性が悪く、また、遮光性シートや植生ネットを準備する必要もあり、コストもかかっていた。
また、特許文献2には、除草剤を使用して雑草を除去することが記載されているが、除草剤は有効期間が短いこと、毒性を有することが問題視されている。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な方法で雑草の発生を抑えることができ、長期にわたって環境性や景観性を良好にできる除草方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る除草方法は、土壌からの雑草の発生を抑える除草方法において、
前記土壌から発生した雑草を所定の高さ以下に刈り揃える草刈工程と、
前記草刈工程を行った後、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒く除草工程と、
前記除草工程を行って雑草を枯らした後、前記土壌表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片A(発芽物(発芽体)A)を撒く植栽工程と、
前記植栽工程を行った後、前記土壌表面で前記小片Aから成長した植物が所定の高さとなった際に、該植物を草刈り機で刈って細かく砕きその小片B(発芽物(発芽体)B)を分散させ、更に成長させて前記土壌の全表面を覆わせる被覆工程とを有する。
ここで、前記草刈工程と前記除草工程は、雑草が枯れるまで繰返し行うことが好ましい。
【0007】
この除草方法は、SDGsに則った方法である。
従来の草刈りは、草刈り機や刈り払い機を使って毎年2回ほど行っているが、本方法では、例えば、1回の草刈り(後の除草)のみで、次の年からは草刈りではなく、草むしりのみでよい。即ち、植物の繁殖状況を補助する作業のみでよい。なお、草むしりへの移行は、日照や天候の条件によって異なり、次の年からではなく、3年程度かかる可能性もある。
このように、草むしりや、また、水やり等の簡単な作業のみで、除草した状態を維持できるので、例えば、身体障害者やダウン症の人達の仕事に繋がる。
しかも、従来のように、ガソリン等の燃料を使用する草刈り機や刈り払い機を使う必要がなく、刃を使う必要もなくなるので、まさにSDGs時代に適した方法である。
また除草方法は、例えば、その年に1回だけ除草剤を使用(除草工程を実施)すればよいため、効率的に作業を進めることができる。
なお、除草剤を使用できない場合でも、以下に示す第2の発明に係る除草方法のように、多少の手間をかければ除草できる。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る除草方法は、土壌からの雑草の発生を抑える除草方法において、
前記土壌から発生した雑草に水を撒く散水工程と、
前記散水工程を行った後、撒いた水を天日により湯にして雑草の根に行き渡らせる除草工程と、
前記除草工程を行って雑草を枯らした後、前記土壌表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片A(発芽物(発芽体)A)を撒く植栽工程と、
前記植栽工程を行った後、前記土壌表面で前記小片Aから成長した植物が所定の高さとなった際に、該植物を草刈り機で刈って細かく砕きその小片B(発芽物(発芽体)B)を分散させ、更に成長させて前記土壌の全表面を覆わせる被覆工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明に係る除草方法は、土壌から発生した雑草を所定の高さ以下に刈り揃えた後(即ち、草刈工程を行った後)、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒く(即ち、除草工程を行う)ので、例えば、液体の除草剤を過剰に何度も撒くことなく、作業性よく効率的に雑草を枯らすことができる。
また、第2の発明に係る除草方法は、除草剤を使用する(草刈工程と除草工程を行う)代わりに、土壌から発生した雑草に水を撒いた後(散水工程を行った後)、撒いた水を天日により湯にして雑草の根に行き渡らせる(除草工程を行う)ことにより、環境への影響を低減しながら、雑草を枯らすことができる。
第1、第2の発明に係る除草方法は、上記方法で雑草を枯らした後に、土壌表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物の葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片Aを撒き(植栽工程を行い)、この小片Aから成長した植物が所定の高さとなった際に、この植物を草刈り機で刈って細かく砕きその小片Bを分散させ、更に成長させて、土壌の全表面を覆わせる(被覆工程を行う)ので、作業性よく効率的に土壌表面を植物(グランドカバー)で埋め尽くすことができる。
これにより、植物が土壌表面にびっしりと隙間なく生えるため、太陽光が土壌表面へ届きづらくなり、たとえ土壌表面に雑草の種等が存在したとしても、雑草の発生を抑制できる。
従って、簡単な方法で雑草の発生を抑えることができ、長期にわたって環境性や景観性を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(A)~(F)は本発明の一実施の形態に係る除草方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)~(F)に示すように、本発明の一実施の形態に係る除草方法は、土壌10からの雑草11の発生を抑える方法であり、草刈工程、除草工程、植栽工程、及び、被覆工程を順次行い、植物12で土壌10の表面13全体を隙間なく覆うことにより、長期にわたって環境性や景観性を良好にできる方法である。
以下、詳しく説明する。
【0012】
(草刈工程)
草刈工程は、
図1(A)に示す土壌10から発生した雑草11を、
図1(B)に示すように、例えば、草刈り機やカマ等を用いて、所定の高さ以下に刈り揃える工程である。
土壌10の存在場所は、例えば、公園や庭、空き地等であり、雑草11が生える場所であれば、特に限定されるものではなく、平地でもよく、また、斜面でもよい。
この土壌10から発生する雑草11は、草刈工程を行うことなく、
図1(A)に示すように、生い茂った状態で、後述する除草工程において液体の除草剤を撒いた場合、除草剤がかかった雑草11の上側部分のみが枯れ、他の部分が残存することになる。このため、雑草11全体を枯らすには、除草剤を撒く作業を期間をあけて複数回行う(何度も除草剤を撒く)必要があり、作業性や経済性が悪い。
【0013】
そこで、本発明では、雑草11を、
図1(B)に示すように、所定の高さ以下に刈り揃える。
ここで、所定の高さとは、後述する除草工程で撒かれる液体の除草剤が各雑草全体に満遍なく行き渡る程度の高さであればよく、例えば、10cm以下、好ましくは5cm以下、更に好ましくは3cm以下、である。この草刈りにより、刈り取られた雑草は土壌表面から所定高さ以下突出した状態となるが、土壌表面から突出しなくてもよい(草刈りの際に、不可避的に土壌から引き抜かれてもよい)。
また、刈り揃えるとは、刈り取られた全ての雑草の高さが必ずしも同じである必要はなく、所定の高さ以下(上記した所定の高さの範囲内)であればよい。
【0014】
(除草工程)
除草工程は、上記した草刈工程を行った後、所定高さ以下に刈り揃えられた雑草の間に、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒く工程である。
雑草の新芽は、例えば、上記草刈工程後に土壌10に雨が降ることで発生するが、散水を行うことにより発生させてもよい。
雑草に撒く液体の除草剤とは、具体的には、茎葉処理剤であり(土壌処理剤ではない)、グリホサート系やグルホシネート系等があるが、グリホサート系は(茎葉)吸収移行型のため、葉だけでなく接触した雑草の地中にある地下茎や根も含めて全体を枯らす効果があるため好ましい。つまり、除草剤は、ただ撒けばよいということではなく、雑草の新芽等に直接撒かなければ効果がない。
【0015】
なお、除草剤は液体であるため、雨が降った場合は流れ落ち、雑草を枯らすことができなくなる。そこで、例えば、天気予報等により、除草剤を撒いた後、少なくとも2~3日(好ましくは1週間)程度は晴天が続く(雨が降らない)ことを確認して、除草剤を撒くことが好ましい。
また、除草剤を撒いた後は、予め設定した期間放置する。
ここで、予め設定した期間とは、除草剤の効果を得るための期間であり、例えば、根が枯れる程度(土壌から雑草が生えなくなる程度)までの期間を意味する。具体的には、1~2ヶ月程度であればよいが、例えば、除草剤の種類にもよるため、特に限定されるものではない。
なお、除草作業を行う際の気温は24℃以下が望ましい。次工程(植栽工程)で使用されるマンネン草等の植物は、気温が24℃以上になると成長が良好になるので、除草は24℃未満となる秋から冬に完了させておく。
【0016】
これにより、土壌10の雑草を根から枯らすことができ、
図1(C)に示すように、土壌10から雑草が生えていない状態にできる。ここで、枯れた雑草は、土壌10から抜いてはいけない。例えば、自然に(風等で)土壌10から消えるまで待つことが好ましい。
なお、上記した草刈工程と除草工程を順次行った後は、後述する植栽工程を行うが、雑草が枯れていない(雑草が発生する)場合は、必要に応じて、草刈工程と除草工程を雑草が枯れるまで順次繰返し(2回以上の複数回)行うことが好ましい。これにより、土壌10の雑草を確実に根から枯らすことができる。
また、上記した草刈工程と除草工程は、雑草が生い茂る時期に行うことが効果的であるため、例えば、4~10月の間、好ましくは6~10月の間、更に好ましくは6~7月の間や9~10月の間に、行ってもよい。
【0017】
(植栽工程)
植栽工程は、上記した除草工程を行って雑草を枯らした後、土壌10表面にマンネン草属又は地被植物からなる植物を撒く工程である。
ここで、マンネン草属とは、セダム属とも称する多肉植物であって、世界に300種ほどあり、耐乾性・耐寒性があり塩害にも強く極めて強健であり、繁殖力も旺盛で水分及び肥料の要求量が少なく、やせ地や薄層土壌でも粗放な管理で3ヶ月間水を与えなくても生育可能な特性を持っており、緑化材料として用いられる植物を意味する。
具体的には、ツルマンネン草、ウスユキマンネン草、ウンゼンマンネン草、タイトゴメ、メキシコマンネン草、モリムラマンネン草等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、根が横方向へ伸びていくほふく性の種類のものを使用することができる。
【0018】
また、地被植物(「グランド・カバー・プランツ」とも称す)とは、地表を覆うように生育する植物の総称であり、主として背丈の低い多年生の植物を意味する。
例えば、芝類、アジュガ、シバザグラ、イワダレソウ、スイートアリッサム、バーベナ、コバノランタナ、ツタ、アイビー等が挙げられる。芝類としては、暖地型芝生と寒地型芝生があり、暖地型芝生としては、野芝、高麗芝、姫高麗芝、ティフトン、ティフドワーフ、セントオーガスチングラス、センチピードグラス等、寒地型芝生としては、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類等が挙げられる。
なお、地被植物としてクラピアやリピア(リッピア)を使用する場合、土壌表面の被覆密度をより高くできるため、雑草の侵入を更に抑制することができ、また、劣悪な土壌環境でも植栽表面の全面の緑化を早く行うことができるため、表面の保護強化、冬季の凍結融解防止に、より高い効果を示すことができる。
【0019】
土壌10の表面13に撒く上記植物は、葉、茎、及び、根のいずれか1又は2以上からなる小片A(発芽物(発芽体)A:以下、葉等と記載)であるが、種でもよい。
上記植物は繁殖力が強く容易に増やせることから、例えば、事前に取得していた植物を再生可能な程度にバラバラにし、このバラバラにした葉等(即ち、小片A)を、
図1(C)に示す土壌10の表面13に撒く。なお、葉等は、例えば、土壌10の表面13全体に渡って満遍なく撒く程度でよく、必ずしも土壌10の表面13全体が葉等で覆われる程度まで(土壌10の表面13が露出しないように隙間なく)撒かなくてもよい。また、葉等は、例えば、土や肥料等と共に(土や肥料が付着した状態で)撒いてもよい。
そして、土壌10の表面13に撒いた葉等に散水して成長を促す。
なお、バラバラにした葉等を土壌10の表面13に撒く際の気温は24℃以上が望ましい。24℃以上の場合、降水確率も高くなり易い(散水作業を軽減できる)ことから、相乗効果が生まれる。
【0020】
(被覆工程)
被覆工程は、上記した植栽工程を行った後、
図1(D)に示すように、土壌10の表面13で葉等から成長した植物14が所定の高さとなった際に、
図1(E)に示すように、この植物14を草刈り機(図示しない)で刈って細かく砕きその小片B(発芽物(発芽体)B)を分散させ、更に成長させて、
図1(F)に示すように、小片A、Bから成長した植物12により土壌10の全表面13を覆う工程である。
葉等から成長した植物14は背が低く、成長しても10cm以下程度、更には5cm以下程度である。このため、
図1(D)に示すように、10cm程度、更には5cm程度の高さ、あるいは、これより低い高さ位置(所定の高さ)まで成長した植物14を草刈り機で刈る。
【0021】
草刈り機で植物14を刈る際は、土壌10に生えた状態で、葉や茎等を再生可能な程度に細かく砕いて小片Bとする。
このように、草刈り機は、植物14を細かく砕くためのものであり、また、前記した雑草を刈るためのものではないため、金属製の回転刃ではなく、例えば、ナイロン製の回転刃やコードを備えたものを使用するのがよい。
これにより、
図1(D)に示す、植物14が存在しない露出した土壌10の表面13に、
図1(E)に示すように、細かく砕かれた植物14の葉や茎等が分散(飛散)して敷き詰められる。そして、土壌10の表面13に散水することで、葉や茎等から根が出て成長して植物12となり、また、刈り取り後の植物14の残存部分も再生して植物12となる。
【0022】
これにより、
図1(F)に示すように、土壌10の全表面13が植物14で覆われる。
なお、土壌10の表面13に、例えば、部分的に露出した領域や植物が密でない領域が発生する場合は、土壌10の全表面13が植物14で覆われるまで、上記した草刈りと散水を繰り返し行うことが好ましい。
以上の方法により、植物14が土壌10の表面13にびっしりと隙間なく生えるため、太陽光が土壌10の表面13へ届きづらくなり、たとえ土壌10の表面13に雑草の種等が存在したとしても、雑草の発生を抑制できる。
従って、簡単な方法で雑草の発生を抑えることができ、長期にわたって環境性や景観性を良好にでき、また、植物の種類によっては小花が咲いたり(黄色い可愛い花が咲いたり)、可愛い緑の葉っぱ生えたりすることで、景観性を更に向上でき、観光スポットにもできる。
【0023】
なお、前記した草刈工程と除草工程の代わりに、土壌から発生した雑草に水を撒く散水工程と、散水工程を行った後、撒いた水を天日により湯にして雑草の根に行き渡らせる除草工程を順次行って、雑草を枯らすこともできる。
ここでは、雑草に撒いた水を湯にする必要があるため、散水工程と除草工程を行う時期は夏場(例えば、6~10月の間、好ましくは6~7月の間や9~10月の間)がよい。特に、気温が28℃以上、更には30℃以上である場合が適している。
これにより、除草剤を使用しないため、環境に対する負荷を低減しながら、雑草の発生を抑えることができ、長期にわたって環境性や景観性を良好にできる。
【0024】
なお、植物14が土壌10表面13を覆った後は、例えば、繁殖能力の強い雑草を、作業者等が土壌10表面13から抜く程度で、除草された状態を維持できるため、効率的な作業ができる。
ここで、植物としてマンネン草を使用する場合、マンネン草の背丈は3~5cm程度であり、成長が早い雑草に負けてしまうことから、上記した草刈工程や除草工程のような作業者による補助が必要である。
しかし、マンネン草が土壌表面全体を覆った後は、マンネン草に勝てる草は略ない。これは、土壌表面全体を覆ったマンネン草により、飛来した種が土壌表面に到達できず、また、たとえ到着できたとしても、マンネン草により土壌表面への太陽光の照射が阻害され、枯れてしまうためである。
なお、マンネン草は、上記したように、背丈が3~5cm程度であるため、視界も良好になる(例えば、交通事故の削減にも繋がる)。特に、車道の花壇などの草をマンネン草に変えると運転時の視界は良好となり、例えば、猫や背の小さな子供などの飛び出しも確認(目視)できる。
また、年に数回、黄色い可愛い花が咲くことから、観光の名所(一大観光スポット)になる可能性もある。
そして、より大きな敷地にも、効率的にマンネン草を活用できる。
更に、マンネン草を、土壌表面全体に敷き詰め、アジサイ等の花を植えることで、ウェルカム文字やご当地キャラクタの絵等を表現することも可能になる。即ち、マンネン草がグリーンのキャンパス代わりになる。
【0025】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の除草方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態では、除草工程において、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒いた場合について説明したが、雑草の新芽を発生させて草刈りを行うという作業を繰返し行った後(草刈工程を2回以上の複数回行った後)、雑草の新芽が発生した際に液体の除草剤を撒いてもよい。これにより、雑草の地下に養分が溜め込まれるのを抑制することができ、雑草が成長しづらくなる。
【符号の説明】
【0026】
10:土壌、11:雑草、12:植物、13:表面、14:植物