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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080977
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報分析装置及び情報分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194356
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雅人
(72)【発明者】
【氏名】山本 枝里子
(72)【発明者】
【氏名】古堂 和音
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】施設の利用形態の変化を検出する。
【解決手段】情報分析装置1は、複数の車両からの連続した位置情報の推移から施設の駐車場に駐車が開始された時刻帯毎に車両の台数を累計して当該施設に係る第1来店パターン情報を作成し、さらに、複数の車両からの連続した位置情報の推移から第1来店パターン情報とは異なる当該施設に係る第2来店パターン情報を作成する来店パターン情報作成部112と、第1来店パターン情報の所定期間後の変化量と第2来店パターン情報の所定期間後の変化量とが両方変化したか否かを判定する来店パターン変化判定部113と、変化が判定されたときに、施設情報の変更を示す施設変更情報を作成する施設変更情報作成部114と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設について施設の属性を示す施設情報と前記施設に紐づけられた前記施設の駐車場情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
所定期間内に収集された、複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブルであって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを記憶する車両走行情報記憶部と、
前記車両走行情報テーブルに含まれる前記駐車位置情報であって、前記施設の駐車場情報に対応する前記駐車位置情報を収集して記憶する駐車位置記録部と、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る来店パターン情報を作成する来店パターン情報作成部であって、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車が開始された時刻帯毎に駐車した車両の台数を累計して前記施設に係る第1来店パターン情報を作成する第1来店パターン情報作成部と、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る前記第1来店パターン情報と異なる第2来店パターン情報を作成する第2来店パターン情報作成部と、を備える前記来店パターン情報作成部と、
前記施設に係る来店パターン情報を日付又は/及び曜日毎に記憶する来店パターン情報記憶部であって、
前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、を日付又は/及び曜日毎に記憶する前記来店パターン情報記憶部と、
前記来店パターン情報記憶部に記憶された前記施設に係る来店パターン情報が予め指定された指定期間後に変化したことを判定する来店パターン変化判定部と、
前記来店パターン変化判定部により、前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、が両方変化したと判定されたとき、前記施設情報の変更を示す施設変更情報を作成する施設変更情報作成部と、
を備えることを特徴とする情報分析装置。
【請求項2】
複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに車両走行情報として受信する受信部と、
複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブルであって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを作成する車両走行情報記録部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報分析装置。
【請求項3】
前記第2来店パターン情報作成部は、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車した車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記車両の出発位置情報を前記地図情報に作成された所定のメッシュ毎にプロットし集計して得られる、前記メッシュ毎の出発位置情報の集計値情報として前記第2来店パターン情報を作成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報分析装置。
【請求項4】
前記第2来店パターン情報作成部は、前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に前記車両が駐車した駐車時間を、駐車を開始した時刻帯毎に累計して前記施設に係る第2来店パターン情報を作成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報分析装置。
【請求項5】
コンピュータにより実行される情報分析方法であって、
複数の施設について施設の属性を示す施設情報と前記施設に紐づけられた前記施設の駐車場情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶ステップと、
所定期間内に収集された、複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブルであって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを記憶する車両走行情報記憶ステップと、
前記車両走行情報テーブルに含まれる前記駐車位置情報であって、前記施設の駐車場情報に対応する前記駐車位置情報を収集して記憶する駐車位置記録ステップと、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る来店パターン情報を作成する来店パターン情報作成ステップであって、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車が開始された時刻帯毎に駐車した車両の台数を累計して前記施設に係る第1来店パターン情報を作成する第1来店パターン情報作成ステップと、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る前記第1来店パターン情報と異なる第2来店パターン情報を作成する第2来店パターン情報作成ステップと、を備える前記来店パターン情報作成ステップと、
前記施設に係る来店パターン情報を日付又は/及び曜日毎に記憶する来店パターン情報記憶ステップであって、
前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、を日付又は/及び曜日毎に記憶する前記来店パターン情報記憶ステップと、
前記来店パターン情報記憶ステップにおいて記憶された前記施設に係る来店パターン情報が予め指定された指定期間後に変化したことを判定する来店パターン変化判定ステップと、
前記来店パターン変化判定ステップにおいて、前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、が両方変化したと判定されたとき、前記施設情報の変更を示す施設変更情報を作成する施設変更情報作成ステップと、
を備えることを特徴とする情報分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行情報として車両から取得された車両の位置情報推移データに基づいて施設への来店パターン情報を生成し、前記施設への来店パターン情報の変化を判定することにより、前記施設の利用形態の変化を検出する情報分析装置及び情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両からのGPS位置情報を含むFCD(Floating Car Data)をサーバによって受信し、蓄積した位置情報等に基づいて、車両が訪問した施設に関するデータ解析に活用する用途が広がっている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、投資目的等におけるオルタナティブデータとして活用する用途にも適用することが考えられている。しかしながら、施設に関するオルタナティブデータとして活用するためには、施設の利用態様に変化があった場合には、当該施設に関するデータは使わないようにすることが必要となる。
この点、道路や建物が掲載された地図について、人手に頼らず、その変化を検出して自動的に修正する技術が開発されている。例えば特許文献2には、地図変化検出装置として、複数の異なる位置から所定の領域を撮影した複数の画像を入力して作成した3次元データを用いて2次元地図上の家屋・建築物等の変化を検出する技術が開示されている。
しかし、特許文献2に記載の技術は建物自体の変化は検出できるが、建物の利用態様の変化までは検出できない。したがって、例えば紳士服販売店がインターネットカフェに変化したり、昼夜営業していた飲食店がランチ営業を取りやめたりといった施設の営業形態や利用態様の変化は検出できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-144587
【特許文献2】特許第4378571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両から取得するFCDのビッグデータ分析等により施設への来客分析を可能とするために、施設の利用態様の変化を人手に頼らずに簡易に検出することができる情報分析装置及び情報分析方法が望まれている。これにより、ユーザは、例えば現地調査等により、施設の利用形態の変更内容を直ちに確認することができる。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、車両走行情報として車両から取得された車両の位置情報推移データに基づいて、施設への来店パターン情報として2種類の第1来店パターン情報及び第2来店パターン情報を生成し、前記2つの来店パターン情報の変化を判定することにより、人手に頼らずに前記施設の営業形態や利用態様の変化を検出することができる情報分析装置及び情報作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の情報分析装置(例えば、後述の情報分析装置1)は、
複数の施設について施設の属性を示す施設情報と前記施設に紐づけられた前記施設の駐車場情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶部(例えば、後述の地図情報記憶部121)と、
所定期間内に収集された、複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブル(例えば、後述の車両走行情報テーブル1221)であって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを記憶する車両走行情報記憶部(例えば、後述の車両走行情報記憶部122)と、
前記車両走行情報テーブルに含まれる前記駐車位置情報であって、前記施設の駐車場情報に対応する前記駐車位置情報を収集して記憶する駐車位置記録部(例えば、後述の駐車位置記録部111)と、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る来店パターン情報を作成する来店パターン情報作成部(例えば後述の来店パターン情報作成部112)であって、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車が開始された時刻帯毎に駐車した車両の台数を累計して前記施設に係る第1来店パターン情報を作成する第1来店パターン情報作成部(例えば後述の第1来店パターン情報作成部1121)と、
前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る前記第1来店パターン情報と異なる第2来店パターン情報を作成する第2来店パターン情報作成部(例えば後述の第2来店パターン情報作成部1122)と、を備える前記来店パターン情報作成部と、
前記施設に係る来店パターン情報を日付又は/及び曜日毎に記憶する来店パターン情報記憶部(例えば後述の来店パターン情報記憶部123)であって、
前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、を日付又は/及び曜日毎に記憶する前記来店パターン情報記憶部と、
前記来店パターン情報記憶部に記憶された前記施設に係る来店パターン情報が予め指定された指定期間後に変化したことを判定する来店パターン変化判定部(例えば後述の来店パターン変化判定部113)と、
前記来店パターン変化判定部により、前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、が両方変化したと判定されたとき、前記施設情報の変更を示す施設変更情報を作成する施設変更情報作成部(例えば後述の施設変更情報作成部114)と、
を備える。
【0007】
上記(1)によれば、車両走行情報として車両から取得された車両の位置情報推移データに基づいて、施設の営業形態や利用態様の変化を人手に頼らずに簡易に検出することが可能となる。
【0008】
(2)上記(1)に記載の情報分析装置(例えば、後述の情報分析装置1)において、複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに車両走行情報として受信する受信部(例えば後述の受信部110A)と、
複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブルであって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを作成する車両走行情報記録部(例えば後述の車両走行情報記録部110B)と、を備えるようにしてもよい。
【0009】
上記(2)によれば、上記(1)の情報分析装置と同様の効果を奏する。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報分析装置(例えば、後述の情報分析装置1)において、
前記第2来店パターン情報作成部(例えば後述の第2来店パターン情報作成部1122)は、
前記駐車位置記録部(例えば後述の駐車位置記録部111)により収集された前記施設の駐車場に駐車した車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記車両の出発位置情報を前記地図情報に作成された所定のメッシュ毎にプロットし集計して得られる、前記メッシュ毎の出発位置情報の集計値情報として前記第2来店パターン情報を作成するようにしてもよい。
【0011】
上記(3)によれば、上記(1)の情報分析装置と同様の効果を奏する。
【0012】
(4)上記(1)又は(2)に記載の情報分析装置(例えば、後述の情報分析装置1)において、
前記第2来店パターン情報作成部は、前記駐車位置記録部により収集された前記施設の駐車場に前記車両が前記施設の駐車場に駐車した駐車時間を、駐車を開始した時刻帯毎に累計して前記施設に係る第2来店パターン情報を作成するようにしてもよい。
【0013】
上記(4)によれば、上記(1)の情報分析装置と同様の効果を奏する。
【0014】
(5)本発明の情報分析方法は、コンピュータにより実行される情報分析方法であって、
複数の施設について施設の属性を示す施設情報と前記施設に紐づけられた前記施設の駐車場情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶ステップと、
所定期間内に収集された、複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を含む車両走行情報テーブル(例えば、後述の車両走行情報テーブル1221)であって、前記出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、前記駐車位置情報は車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の前記車両の位置情報とする前記車両走行情報テーブルを記憶する車両走行情報記憶ステップと、
前記車両走行情報テーブルに含まれる前記駐車位置情報であって、前記施設の駐車場情報に対応する前記駐車位置情報を収集して記憶する駐車位置記録ステップと、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る来店パターン情報を作成する来店パターン情報作成ステップであって、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車が開始された時刻帯毎に駐車した車両の台数を累計して前記施設に係る第1来店パターン情報を作成する第1来店パターン情報作成ステップと、
前記駐車位置記録ステップにおいて収集された前記施設の駐車場に駐車した複数の車両の車両走行情報テーブルに基づいて、前記施設に係る前記第1来店パターン情報と異なる第2来店パターン情報を作成する第2来店パターン情報作成ステップと、を備える前記来店パターン情報作成ステップと、
前記施設に係る来店パターン情報を日付又は/及び曜日毎に記憶する来店パターン情報記憶ステップであって、
前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、を日付又は/及び曜日毎に記憶する前記来店パターン情報記憶ステップと、
前記来店パターン情報記憶ステップにおいて記憶された前記施設に係る来店パターン情報が予め指定された指定期間後に変化したことを判定する来店パターン変化判定ステップと、
前記来店パターン変化判定ステップにおいて、前記施設に係る第1来店パターン情報と、前記施設に係る第2来店パターン情報と、が両方変化したと判定されたとき、前記施設情報の変更を示す施設変更情報を作成する施設変更情報作成ステップと、
を備える。
【0015】
上記(5)の方法によれば、上記(1)の情報分析装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、車両走行情報として車両から取得された車両の位置情報推移データに基づいて、施設への来店パターン情報として2種類の第1来店パターン情報及び第2来店パターン情報を生成し、前記2つの来店パターン情報の変化を判定することにより、人手に頼らずに前記施設の利用態様の変化を検出することができる情報分析装置及び情報作成方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態である情報分析装置の基本的構成を示すブロック図である。
図2A】本発明の実施形態における施設に係る第1来店パターン情報の一例を示す図である。
図2B】本発明の実施形態における施設に係る第1来店パターン情報の変化の一例を示す図である。
図3A】本発明の実施形態における出発位置情報に基いて作成された、施設に係る第2来店パターン情報の一例を示す図である。
図3B】本発明の実施形態における出発位置情報に基いて作成された、施設における第2来店パターン情報の変化の一例を示す図である。
図4A】本発明の実施形態における駐車時間情報に基いて作成された、施設に係る第2来店パターン情報の一例を示す図である。
図4B】本発明の実施形態における駐車時間情報に基いて作成された、施設における第2来店パターン情報の変化の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態における、1つの判定対象施設に対して、当該施設の利用態様に変化があったか否かを判定する動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態である情報分析装置の変形例に係る基本的構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態である情報分析装置の変形例に係る位置情報データベースのデータ構造の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の情報分析装置の好ましい一実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1に、情報分析装置1の基本的構成を示す。情報分析装置1が備える機能ブロックについて図1のブロック図を参照して説明をする。
【0019】
図1に示すように、情報分析装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、入力部15と、を含んで構成される。
【0020】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、情報分析装置1を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0021】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、駐車位置情報収集処理、来店パターン情報作成処理、来店パターン変化判定処理、施設変更情報作成処理等を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。さらに、記憶部12は、地図情報記憶部121と、車両走行情報記憶部122と、来店パターン情報記憶部123と、を備える。
地図情報記憶部121は、複数の施設について各施設の属性を示す施設情報と、当該施設に紐づけられた当該施設の駐車場情報と、を含む地図情報を記憶する。施設情報は、例えば施設の識別情報(施設ID)、施設の名称、施設の種別に関する施設種別(及び/又はジャンル)、電話番号、住所、営業時間、施設の位置情報等を含む。施設種別は、例えば、飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、スポーツジム、カーディーラー、病院等の店舗種別が一例として挙げられる。さらに施設種別が飲食店の場合、例えば、複数のジャンルによる分類として、和食、中華、洋食、イタリアン、フレンチ、喫茶店等といった提供料理の内容に基づくジャンル、またファストフード、ドライブスルー、ラーメン屋、ファミリーレストラン等といった、速さや手軽さの観点の基づくジャンル等を含むようにしてもよい。ジャンルは、その内容によって複数個のジャンルを組み合わせて付与することができる。例えば、洋食でファストフードといった例が挙げられる。なお、施設種別(及びジャンル)等はこれに限定されない。また、施設の駐車場情報は当該駐車場の位置情報を含む。
【0022】
車両走行情報記憶部122は、車両走行情報テーブル1221と、駐車位置記憶部1222と、を備える。
【0023】
車両走行情報テーブル1221は、所定地域(例えば県、市町村等)及び所定期間内(例えば1年間等)に収集された、複数の車両の少なくとも出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間を記憶したテーブルであって、出発位置情報は、車両の出発した位置情報とし、駐車位置情報は当該車両の位置情報に所定時間以上変化が無い場合の当該車両の位置情報を示す。図2Aは、車両走行情報テーブル1221の概要を示す図である。
なお、車両走行情報テーブル1221は、例えばコネクテッドカーから受信する、車両ID、位置情報、及び時刻情報等を含むFCD(Floating Car Data)を利用して作成される移動推移情報を含む位置情報データベース(図示せず)に基づいて作成される。車両走行情報テーブル1221の作成については、例えば特許文献1に記載されているように当業者にとって公知技術である。なお、個人情報保護の観点から車両走行情報テーブル1221には車両IDを乱数に置き換えるか、又は含まないようにすることができる。
本実施形態においては、車両走行情報テーブル1221は、通信網60に接続されたサーバ装置(図示を省略)等から適宜ダウンロードされる構成とする。
【0024】
駐車位置記憶部1222は、後述する駐車位置記録部111により、車両走行情報テーブル1221に基づいて収集して記録される車両の駐車位置情報であって、駐車位置情報が、地図情報記憶部121に含まれる施設情報に紐づけられた施設の駐車場となるレコードを施設情報に対応づけて記憶する。具体的には、駐車位置記憶部1222には、地図情報記憶部121に含まれる施設情報に紐づけられた当該施設の駐車場に対応して、車両が当該施設の駐車場に駐車した日時情報、駐車時間、及び車両の当該施設の駐車場に駐車する前の出発位置情報が記憶されるようにしてもよい。なお、出発位置情報としては、当該駐車場に向けて走行した直近の出発位置情報又は当該車両の自宅位置情報としてもよい。
図2Bは、駐車位置記憶部1222の概要を示す図である。
【0025】
来店パターン情報記憶部123は、後述するように、来店パターン情報作成部112(又は、第1来店パターン情報作成部1121及び第2来店パターン情報作成部1122)により施設に対応して作成される来店パターン情報を記憶する。それにより、例えばこれまでに作成された施設に係る来店パターン情報を最近の当該施設に係る来店情報と比較することが容易にできる。
【0026】
以上、記憶部12について説明したが、例えば地図情報記憶部121に記憶される施設情報及び地図情報、また車両走行情報記憶部122に含まれる車両走行情報テーブル1221等は、記憶部12に予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網60に接続されたサーバ装置(図示を省略)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。さらに、これらの情報は、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
本実施形態においては、車両走行情報テーブル1221は、通信網60に接続されたサーバ装置(図示を省略)等から適宜ダウンロードされる構成とする。
【0027】
通信部13は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網60を介して他の装置(例えば、前述したサーバ等)との間の無線通信や有線通信を実現する。なお、通信網60は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組合せたネットワークにより実現される。また、ネットワークの一部に、LAN(Local Area Network)が含まれていてもよい。
【0028】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部14は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。
入力部15は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部14の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する)等で構成される。
【0029】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU、RAM、ROM、及びI/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0030】
制御部11は、機能ブロックとして、駐車位置記録部111と、来店パターン情報作成部112と、来店パターン変化判定部113と、施設変更情報作成部114と、を備える。また、本実施形態では、来店パターン情報作成部112は、さらに第1来店パターン情報作成部1121と、第2来店パターン情報作成部1122と、を備える。
【0031】
駐車位置記録部111は、車両走行情報テーブル1221に含まれる車両の駐車位置情報であって、駐車位置が地図情報記憶部121に記憶されている施設情報に紐づけられた当該施設の駐車場内に含まれる駐車位置情報を当該施設に対応づけて収集する。駐車位置記録部111は、当該駐車位置情報とともに、駐車した日時情報(年月日、曜日、入庫時刻、出庫時刻、駐車時間等)及び当該施設に向けて当該車両の出発した出発位置情報及び出発した日時情報ととともに収集する。なお、曜日については、年月日情報に基いてカレンダ情報(図示せず)から算出するようにしてもよい。
駐車位置記録部111は、駐車位置情報とともに収集される、駐車した日時情報(年月日、曜日、入庫時刻、出庫時刻、駐車時間等)、当該施設に向けて当該車両の出発した出発位置情報、及び出発した日時情報を1レコード(以下簡単のため「施設への車両走行レコード」ともいう)として、施設毎に対応づけて、駐車位置記憶部1222に記憶するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、施設の駐車位置情報の対応する出発位置情報として、施設に向けて車両の出発した直近の駐車位置情報を用いるが、後述するように、出発位置情報として、車両の自宅位置情報を用いるようにしてもよい。なお、車両の自宅位置情報としては、例えば車両が1日の最後に駐車した位置情報及び1日の最初に出発した位置情報で、同じ位置情報となる割合の一番大きな位置情報を自宅位置情報としてもよい。
【0032】
駐車位置記録部111が駐車位置情報を収集する対象の施設については、ユーザにより指定されるようにしてもよい。具体的には、例えば、1つ以上の施設の名称を直接指定することで、駐車位置記録部111は指定された施設を収集の対象とするようにしてもよい。また、施設種別を指定することで、駐車位置記録部111が、当該施設種別に属する施設を収集の対象とするようにしてもよい。また、ユーザから指定が無い場合、デフォルト値として地図情報記憶部121に記憶されている施設情報すべてを収集の対象とするようにしてもよい。
このように、駐車位置記録部111は、収集の対象となる施設毎に当該施設への車両走行レコードを駐車位置記憶部1222に記憶することができる。
【0033】
来店パターン情報作成部112は、駐車位置記憶部1222に施設毎に記憶された当該施設の駐車場に駐車した当該施設への車両走行レコードに基づいて当該施設への来店パターン情報を算出して、施設特有の来店パターン情報として作成し、来店パターン情報記憶部123に記録する。
本実施形態では、来店パターン情報作成部112は、第1来店パターン情報作成部1121と、第2来店パターン情報作成部1122と、を備えるようにしてもよい。
【0034】
来店時刻は、施設の業種によっては特徴的なパターンが見受けられる指標である。例えば、レストラン等の飲食店では、通常昼時刻と夜時刻に来店数のピークがあり、また土日祝日等においては、平日に比べて、来店数が異なる場合もある。また、例えば火曜日を閉店日にしている飲食店では、火曜日には業者以外に来店する車両は無いことから、特定の曜日の来店数にも特徴がある場合がある。
第1来店パターン情報作成部1121は、駐車位置記憶部1222に記憶された施設毎に、当該施設に駐車が開始(入庫)された時刻帯毎に駐車した車両の台数を累計することで、当該施設への来店時刻のパターンを第1の来店パターン情報として作成し、来店パターン情報記憶部123に記録する。ここで、時刻帯別とは、例えば入庫時刻を1時間単位に分類することで、9時から10時の時刻帯、11時から12時の時刻帯、12時から13時の時刻帯、13時から14時の時刻帯、・・・18時から19時の時刻帯、19時から20時の時刻帯、20時から21時の時刻帯等としてもよい。なお、時刻帯はこれに限られない。施設の種別等に応じて、任意の単位時間に基づき、時刻帯を設定してもよい。
なお、第1来店パターン情報作成部1121は、さらに、休日(日曜日及び祝日)及び平日の曜日毎に来店時刻のパターンを算出するようにしてもよい。なお、日曜日以外の曜日が祝日で休日となる場合は、当該日については休日として取り扱うものとする。
以下、特に断らない限り、「休日(日曜日及び祝日)及び平日の曜日」を単に「曜日」という。
【0035】
図2Aは、いずれかの曜日における第1来店パターン情報の一例を示す図である。来店時刻傾向を示すグラフの横軸は、時刻帯(例えば9時から10時、10時から11時等)を示し、縦軸は曜日毎の各時刻帯に駐車した車両の台数又は台数比率の所定期間における平均値を示す。
図2Bは、施設に係る第1来店パターン情報の変化の一例を示す図である。図2Bによると、施設(店)に来店する車両台数が夕刻の時間帯に増えたことがわかる。図2Bに示すように、例えば曜日毎に算出されたいずれかに来店時刻のパターンに変化があった場合、当該施設の利用態様に変化があった可能性が高いと推定することができる。
【0036】
第2来店パターン情報作成部1122は、駐車位置記憶部1222に施設毎に記憶された当該施設の駐車場に駐車した当該施設への車両走行レコードに基づいて、第1来店パターンとは異なる観点で第2来店パターン情報を作成し、来店パターン情報記憶部123に記録する。なお、第2来店パターン情報についても、第1来店パターン情報と同様に、例えば曜日毎に所定期間における平均値等により算出するようにしてもよい。
【0037】
本実施形態では2種類の来店パターン情報を例示するが、第2来店パターン情報はこれらに限られない。対象施設の駐車場に駐車した当該施設への車両走行レコードに基づいて、任意の観点で第2来店パターン情報を作成するようにしてもよい。
【0038】
第2来店パターン情報の1例として、「施設への車両走行レコード」に含まれる車両の出発位置情報に基いて、当該施設を訪問する出発位置情報を地図上に作成された所定のメッシュ領域毎にプロットして累計することで第1来店パターン情報とは異なる第2来店パターン情報を作成することができる。当該施設への各メッシュ領域からの来客台数は、一種の商圏を表すとみなすことができる。また、各メッシュ領域からの来客台数情報による第2来店パターン情報については、所定期間(例えば1カ月から3カ月等)における来客台数情報により算出してもよい。また、第1来店パターン情報と同様に、例えば曜日毎に所定期間における平均値等により算出するようにしてもよい。なお、必要に応じて、時刻帯毎に各メッシュ領域からの来客台数情報を算出するようにしてもよい。
【0039】
第2の来店パターン情報を説明する前に距離商圏について簡単に説明する。距離商圏は、施設からの半径距離に基づいて分類され、一般に足元商圏、1次商圏、2次商圏、及び3次商圏に分類される。足元商圏とは、既設や天候に左右されず短時間(例えば徒歩で5分程度)で来店できる範囲を指し、1次商圏は、半径約1km程度のエリア(徒歩で10分から15分程度)で来店できる範囲を指し、2次商圏は半径約3km程度のエリア(自転車で10分から15分程度)で来店できる範囲を指し、3次商圏は例えば交通機関や車で30分から40分程度で来店できる範囲を指す。なお、距離については商圏を分類する際の距離は業種及び周辺の環境によって異なる。
【0040】
本実施形態では、車両で来店できる範囲の商圏(例えば3次商圏)を対象として、来店パターン情報作成部112は対象施設の駐車場を含む地図情報を、当該対象施設の3次商圏を含む地図情報を所定の大きさのメッシュ領域(区画)に区切り、メッシュ領域毎に当該メッシュ領域に含まれる車両の出発位置情報をプロットして累計することで、対象施設と、対象施設を訪問する車両の出発位置情報と、の関連を示す第2の来店パターン情報を作成し、来店パターン情報記憶部123に記録する。
なお、各メッシュ領域は、例えば、当該メッシュ領域の中心位置情報(緯度及び経度)により識別するように構成することができる。メッシュ領域の大きさとしては、例えば各辺の長さが500mとなる区画としてもよい。また、これよりも大きな区画又は小さな区画をメッシュ領域としてもよい。メッシュ領域の大きさについては、例えば分析対象とする商圏内に含まれる人口/世帯数等の統計情報に基づいて設定するようにしてもよい。
また、例えば分析対象施設の第2の来店パターン情報の算出結果に基づいて、メッシュ領域の大きさを再設定するようにしてもよい。
なお、地図情報記憶部121に記憶される地図情報には、メッシュ領域に分割されたメッシュ地図情報が含まれるようにしてもよい。
【0041】
図3Aは、いずれかの曜日における出発位置情報に基いて作成された対象施設に係る第2来店パターン情報の一例を示す図である。図3Aに示すように、例えばメッシュ領域の濃淡により、当該メッシュ領域に含まれる出発位置情報の累計数の大小により(例えば、累計数の多いメッシュ領域は濃く、累計数の多いメッシュ領域は薄くするように)表現してもよい。また、濃淡に替えて色により表現するようにしてもよい。
図3Bは、いずれかの曜日における出発位置情報に基いて作成された第2来店パターン情報の変化の一例を示す図である。図3Bによると、施設(店)に来店する客層が西側寄りに変化したことがわかる。図3Bに示すように、曜日毎に算出されたいずれかに出発位置情報の累計数に変化があった場合、当該施設の利用態様(例えば商圏)に変化があった可能性が高いと推定することができる。
以上、出発位置情報に基く第2来店パターン情報について説明した。
【0042】
次に、第2来店パターン情報の別の例について説明する。第2来店パターン情報作成部1122は、対象施設に駐車した時間(駐車時間)を駐車が開始(入庫)された時刻帯毎に累計することで、第1来店パターン情報とは異なる観点で第2来店パターン情報を作成するようにしてもよい。
具体的には、第2来店パターン情報作成部1122は、駐車位置記録部111により収集された施設の駐車場に車両が駐車した駐車時間を、駐車を開始(入庫)した時刻帯毎に累計して前記施設に係る第2来店パターン情報を作成し、来店パターン情報記憶部123に記録するようにしてもよい。例えば、1時間単位の時刻帯とした場合、12時から13時までの時刻帯に、駐車を開始(入庫)した車両が例えば1時間駐車した場合は、第2来店パターン情報作成部1122は、当該時間帯に駐車時間1時間を累計する。こうして作成される第2来店パターン情報は、入庫した時刻帯毎に来店した来店者の滞在時間の傾向を表す指標とみなすことができる。
図4Aは、駐車時間に基づいて作成された対象施設に係る第2来店パターン情報の別の例を示す図である。図4Aに示すように、グラフの横軸は、時刻範囲(例えば9時から10時、10時から11時等)を示し、縦軸は所定期間(又は曜日毎)の時刻範囲毎に駐車した車両の駐車時間を累計した時間数を示す。図4Aに示す例では、昼間の時間帯が最も駐車時間の累計値の大きな時間帯であることがわかる。
また、図4Bは、駐車を開始した時間帯における駐車時間に基いて作成された第2来店パターン情報の変化の一例を示す図である。図4Bによると、施設(店)に来店する客層が夕刻の時間帯に駐車する時間が全体的に長くなったことがわかる。図4Bに示すように、例えば曜日毎の対象施設を訪問する訪問時刻帯別の駐車時間(滞在時間)の累計数に変化があった場合、当該施設の利用態様(時刻帯に来店する者の滞在時間)に変化があった可能性が高いと推定することができる。
【0043】
来店パターン変化判定部113は、来店パターン情報記憶部123に記憶された判定対象施設に係る来店パターン情報が予め指定された指定期間後に変化したか否かを判定(検出)する。以下の説明において、指定期間後の変化として、直近1カ月間の平均値が、過去1カ月から4カ月前の3カ月間の平均値と比べて変化したか否かを判定する例を説明するが、指定期間後は、これに限られない。指定期間後について任意の値に設定するようにしてもよい。例えば、前年同時期と比較してもよいし、直近1カ月間と過去1カ月から2カ月前の1カ月間とを比較してもよい。
まず、来店パターン変化判定部113は、曜日毎に各時刻帯に駐車した車両の台数又は台数比率の直近1カ月間の平均値(「直近の第1来店パターン情報」という)を曜日毎に各時刻帯に駐車した車両の台数又は台数比率の過去1カ月から4カ月前の3カ月間の平均値(「従前の第1来店パターン情報」という)と比較して、どの程度変化したかを算出する。
差分の算出方法としては、例えば、曜日毎に直近の第1来店パターン情報のi番目の時間帯における台数を直近台数(i)(iは、時間帯番号)とし、曜日毎に従前の第1来店パターン情報のi番目の時間帯における台数を従前台数(i)とした場合、差分は例えば以下の式1で表すことができる。なお、直近台数(i)及び従前台数(i)は、曜日毎に算出される。

Σ1≦i≦n |直近台数(i)-従前台数(i)| (式1)
(nは時刻帯の個数)
そして、予め第1の閾値を設定しておくことで、来店パターン変化判定部113は、式1で算出されるいずれかの曜日における差分が第1の閾値を超える場合に第1来店パターン情報に変化を判定(検出)したと判定するようにしてもよい。なお、閾値は、曜日毎に設定してもよい。また、変化の判定(検出)は、上記の手法に限られない。例えば、当業者にとって公知のピアソンの積率相関係数に代表される相関係数、K平均法クラスタリングに代表されるクラスタリング等を用いて算出するようにしてもよい。
【0044】
次に、来店パターン変化判定部113は、第1来店情報パターンと同様に、直近1カ月間の平均値となる直近の第2来店パターン情報を、過去1カ月から4カ月前の3カ月間の平均値となる従前の第2来店パターン情報と比較してどの程度変化したかを算出する。
第2来店パターン情報を曜日毎に各時刻帯に車両が駐車(入庫)した駐車時間の累計値の所定期間における平均値とする場合、第1来店パターン情報と同様に差分を算出することができる。
具体的には、曜日毎に直近の第2来店パターン情報のi番目の時間帯における駐車時間累計値を直近駐車時間(i)(iは、時間帯番号)とし、曜日毎に従前の第2来店パターン情報のi番目の時間帯における駐車時間累計値を従前駐車時間(i)とした場合、差分は例えば以下の式2で表すことができる。なお、直近駐車時間(i)及び従前駐車時間(i)は、曜日毎に算出される。

Σ1≦i≦n |直近駐車時間(i)-従前駐車時間(i)| (式2)
(nは時刻帯の個数)
そして、予め第2の閾値を設定しておくことで、来店パターン変化判定部113は、式2で算出されるいずれかの曜日における差分が第2の閾値を超える場合に第2来店パターン情報に変化を判定(検出)したと判定するようにしてもよい。なお、第2の閾値は、曜日毎に設定してもよい。なお、変化の判定(検出)が上記の手法に限られないことは前述したとおりである。
【0045】
第2来店パターン情報を、曜日毎に出発位置情報を地図上に作成されたメッシュ領域毎にプロットして累計することに基づいて作成する場合についても、来店パターン変化判定部113は、上記と同様に直近1カ月間の平均値となる直近の第2来店パターン情報を、過去1カ月から4カ月前の3カ月間の平均値となる従前の第2来店パターン情報と比較してどの程度変化したかを算出することができる。
具体的には、地図上に設定されたM×N個のメッシュ領域の集合をメッシュ領域(i,j){1≦i≦M,1≦j≦N}とした場合、曜日毎に直近の第2来店パターン情報のメッシュ領域(i、j)から出発した出発位置情報の累計値を直近メ(i、j)とし、曜日毎に従前の第2来店パターン情報のメッシュ領域(i、j)から出発した出発位置情報の累計値を従前メ(i,j)とした場合、差分は例えば以下の式2で表すことができる。なお、直近メ(i,j)及び従前メ(i,j)は、前述したように曜日毎に算出するようにしてもよい。

Σ1≦i≦M,1≦j≦N|直近メ(i,j)-従前メ(i,j)| (式2)

そして、予め第3の閾値を設定しておくことで、来店パターン変化判定部113は、式3で算出されるいずれかの曜日における差分が第3の閾値を超える場合に第2来店パターン情報に変化を判定(検出)したと判定するようにしてもよい。なお、第3の閾値は、曜日毎に設定してもよい。なお、変化の判定(検出)が上記の手法に限られないことは前述したとおりである。
以上、来店パターン変化判定部113について説明した。
【0046】
施設変更情報作成部114は、判定の対象施設に係る第1来店パターン情報と、第2来店パターン情報と、が両方変化したと来店パターン変化判定部113により、判定(検出)されたとき、当該施設情報の変更を示す施設変更情報を作成し、例えば表示部14を介して出力するようにしてもよい。また、変化を判定(検出)しなかった場合、当該施設情報に変更無しとする情報を作成し、例えば表示器14を介してその旨を出力するようにしてもよい。
なお、施設変更情報作成部114は、施設の営業形態や利用態様が変化した可能性の高いことを検出することができるが、対象施設の利用態様が具体的に何に変化したのか、を検出するものではない。
前述したように、施設変更情報にも続いて、ユーザは例えば現地調査等により対象施設の営業形態や利用態様の変更内容を直ちに確認することができる。
以上、本実施形態として例示した情報分析装置1の各機能部の構成について説明した。
【0047】
次に、図5に記載したフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明する。図5はユーザから指定された1つの判定対象施設に対して、第1来店パターン情報と出発位置情報に基いて作成される第2来店パターン情報の変化を判定(検出)することで、当該施設の利用態様に変化があったか否かを判定する動作を示すフローチャートである。また、来店パターン情報の変化の判定は、曜日毎に算出された値のそれぞれ直近1カ月間の平均値と、曜日毎に算出された値のそれぞれ過去1カ月から4カ月前の3カ月間の平均値と、を比較して来店パターン情報の変化を判定する処理を例示する。
なお、判定対象施設が複数個の場合、複数個の判定対象施設の集合から、判定対象施設を1つずつ選択して、図5に記載のフローチャートにより当該施設の利用態様に変化があったか否かを判定し、当該施設に係る判定処理が終われば、残りの判定対象施設についても、1つずつ選択して同様の処理を行い、この処理を指定された全ての施設について繰り返して行うことで、各施設の利用態様に変化があったか否かを判定することができる。
【0048】
図5を参照すると、ステップS10において、情報分析装置1(駐車位置記録部111)は、例えば、直近1カ月間及び過去1カ月から4カ月前の3カ月間に、車両走行情報テーブル1221に記憶された車両の駐車位置情報であって、駐車位置が地図情報記憶部121に記憶されている施設情報に紐づけられた当該施設の駐車場内に含まれる駐車位置情報を、当該施設に対応づけて収集する。
【0049】
ステップS11において、情報分析装置1(駐車位置記録部111)は、ステップS10において収集した集合を、直近1カ月間に記憶された駐車位置情報の集合と過去1カ月から4カ月前の3カ月間に記憶された駐車位置情報の集合とに分ける。
【0050】
ステップS12において、情報分析装置1(駐車位置記録部111)は、ステップS11において分けた各集合を駐車日付情報に基いて、曜日毎の部分集合に分けて記憶する。以下、直近1カ月間に記憶された駐車位置情報の集合の、曜日毎の部分集合を「直近_曜日別駐車位置集合」といい、過去1カ月から4カ月前の3カ月間に記憶された駐車位置情報の集合の、曜日毎の部分集合を「従前_曜日別駐車位置集合」という。「直近_曜日別駐車位置集合」及び「従前_曜日別駐車位置集合」は、曜日がそれぞれ休日、月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、及び土曜日の7個の部分集合から構成される。
【0051】
ステップS13において、情報分析装置1(第1来店パターン情報作成部1121)は、従前_曜日別駐車位置集合に基づいて、過去1カ月から4カ月前の3カ月間における各曜日の第1来店パターン情報を作成する。
【0052】
ステップS14において、情報分析装置1(第1来店パターン情報作成部1121)は、直近_曜日別駐車位置集合に基づいて、直近1カ月間における各曜日の第1来店パターン情報を作成する。
【0053】
ステップS15において、情報分析装置1(来店パターン変化判定部113)は、少なくともいずれかの曜日の第1来店パターン情報に変化があったか否かを判定する。変化が判定された場合(YESの場合)、ステップS16に移る。変化が判定されない場合(NOの場合)、ステップS20に移る。
【0054】
ステップS16において、情報分析装置1(第2来店パターン情報作成部1122)は、従前_曜日別駐車位置集合に基づいて、過去1カ月から4カ月前の3カ月間における各曜日の第2来店パターン情報を作成する。
【0055】
ステップS17において、情報分析装置1(第2来店パターン情報作成部1122)は、直近_曜日別駐車位置集合に基づいて、直近1カ月間における各曜日の第2来店パターン情報を作成する。
【0056】
ステップS18において、情報分析装置1(来店パターン変化判定部113)は、少なくともいずれかの曜日の第2来店パターン情報に変化があったか否かを判定する。変化が判定された場合(YESの場合)、ステップS19に移る。変化が判定されない場合(NOの場合)、ステップS20に移る。
【0057】
ステップS19において、情報分析装置1(施設変更情報作成部114)は、第1来店パターン情報と第2来店パターン情報の両方に変化があったとして、当該施設情報の変更を示す施設変更情報を作成し、例えば表示部14を介して出力し、当該施設に関する処理を終了する。
【0058】
ステップS20において、情報分析装置1(施設変更情報作成部114)は、当該施設の利用態様に変更無しとして、例えば表示部14を介して「当該施設の利用態様に変更無し」と出力し、当該施設に関する処理を終了する。
【0059】
ステップS15における処理について、補足説明する。
上記の動作フローにおいては、第1来店パターン情報に変化が判定(検出)されなかった場合、第2来店パターン情報の算出をせずに終了した。これにより、判定処理に係る時間等を省略することができる。例えば、判定対象施設が複数個の場合、又は地図情報記憶部121に記憶されている施設情報すべてを判定対象施設とする場合に、処理時間の短縮に有効に作用する。なお、処理フローとして、第1来店パターン情報及び第2来店パターン情報を両方算出したうえで、第1来店パターン情報及び第2来店パターン情報に変化があったか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
以上により、情報分析装置1が、判定対象施設への来店パターン情報として第1来店パターン情報及び第2来店パターン情報を生成し、前記2つの来店パターン情報の変化を判定することで、当該施設の利用態様に変化があったか否かを判定する動作について説明した。
以上により、情報分析装置1が、人手に頼らずに判定対象施設の利用態様の変化を検出することにより、人手に頼らずに当該施設の利用態様の変化を検出することが可能となる。
【0061】
各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれるナビゲーション方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0062】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0063】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0064】
<変形例1>
図6に、情報分析装置の変形例に係る機能ブロック図を示す。上述の実施形態では、車両走行情報テーブル1221は、通信網60に接続されたサーバ装置(図示を省略)等から適宜ダウンロードされる構成としたが、図6に示すように情報分析装置1Aが、制御部11の機能ブロックとして、駐車位置記録部111、(第1来店パターン情報作成部1121及び第2来店パターン情報作成部1122を含む)来店パターン情報作成部112、来店パターン変化判定部113、及び施設変更情報作成部114に加えて、受信部110Aと車両走行情報記録部110Bとを備えるようにしてもよい。
受信部110Aは、通信部13を介して各車両から当該車両の識別情報、位置情報、及び時刻情報等を受信し、各車両から受信した識別情報、位置情報、及び時刻情報等に基づいて、各車両の移動推移を表す位置情報データベース126を適宜作成更新し、車両走行情報記録部110Bは、位置情報データベース126に基づいて、前記位置情報に所定時間以上変化が無い場合に車両が駐車したと判定し、前記車両が駐車したと判定した位置情報を駐車位置情報として記憶部12に車両走行情報テーブル1221として記憶するようにしてもよい。なお、前述したように、個人情報保護の観点から車両走行情報テーブル1221には車両IDを含まないようにすることができる。
以下に、受信部110A及び車両走行情報記録部110Bについて簡単に説明する。
【0065】
受信部110Aは、複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する。より具体的には、受信部110Aは、通信部13を介して、車両(移動体ともいう)から受信した、連続した位置情報、及び車両ID(移動体IDともいう)に基づいて、位置情報データベース126を更新する部分である。
【0066】
位置情報データベース126は、例えば少なくとも最近の1年間における走行車両の位置情報を記憶するようにしてもよい。また、位置情報データベース126は、例えば県単位、地域単位等で走行車両の位置情報を記憶するようにしてもよい。
位置情報データベース126のデータ構造の一例について、図7を参照して説明する。図7に示すように、位置情報データベース126は、受信部110Aにより受信した「車両ID」、「車両からの連続した位置情報と時刻情報」、に加えて、「速度情報」を、車両毎に記憶するようにしてもよい。
【0067】
位置情報データベース126内の「車両ID」は、上述したように、位置情報等の送信元である車載ナビゲーション装置や携帯端末や、これらを搭載した車両を識別するための情報である。
位置情報データベース126内の「位置情報」は、当該車両から、位置情報等の送信が開始されてから現在までに受信した全ての連続した位置情報である。「時刻情報」は位置情報の測位を行った時刻情報である。この全ての連続した位置情報及び時刻情報により、駐車位置、駐車日時等を含む車両駐車情報を特定することが可能となる。なお、車両から、位置情報とともに、速度情報が送信される場合、受信した速度情報を時刻情報及び位置情報に紐づけて記憶される。
【0068】
車両走行情報記録部110Bは、位置情報データベース126に基づいて、車両位置情報に所定時間以上変化が無いと判断される場合に車両が駐車したと判定する。また、車両走行情報記録部110Bは、車両が駐車したと判定した場合、当該日付、曜日、当該車両50の駐車時刻、移動時刻、駐車時間を算出する。車両走行情報記録部110Bは、車両50が駐車したと判定された位置情報を当該車両の駐車位置として、車両走行情報テーブル1221に記憶する。前述したように、個人情報保護の観点から車両走行情報テーブル1221には車両IDを含まないようにすることができる。
車両走行情報記録部110Bは、車両走行情報テーブル1221に、少なくとも各車両の出発位置情報、出発した日時情報、駐車位置情報、駐車した日時情報、及び駐車時間等を合わせて記憶する。
ここで、駐車時刻は移動体が当該駐車位置に駐車した時刻(入庫時刻)を示し、移動時刻は移動体が当該駐車位置から移動(出発又は出庫)した時刻を示す。車両走行情報テーブル1221は、例えば収集期間として1年とし、県単位又は地域単位で車両駐車情報を記録蓄積するようにしてもよい。
【0069】
より具体的には、例えば、位置情報等の送信が一度開始されてから最後に位置情報を受信して、所定時間位置情報の送信がなかった場合に、車両走行情報記録部110Bは、この最後に受信した位置情報に対応する位置が駐車位置であると判定してもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、位置情報の送信がなかった所定時間を車両の駐車時間として算出してもよい。また、他にも送信される位置情報に対応する位置が一定時間以上変化しないような場合に、この位置を駐車位置であると判定してもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、位置が変化しない時間を車両の駐車時間として算出してもよい。
また、車両から受信した連続した位置情報において隣接した位置情報が計測されたそれぞれの時刻の間隔が予め設定された第1時間を超えるか又はそれ以上であるとともに予め設定された第2時間を下回るか又はそれ以下であり、かつ該隣接した位置情報の速度情報のいずれかが予め設定された所定速度Vを下回るか又はそれ以下である場合に、車両走行情報記録部110Bは、車両は停車していたと判定してもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、当該隣接した位置情報が計測されたそれぞれの時刻の間隔を車両の駐車時間として算出してもよい。
ここで、所定速度Vは、例えば駐車場に停車する際の速度程度としてもよい。また、0km/hとしてもよい。車両毎の特徴(運転者の運転時の特徴)に応じて設定してもよい。
以上のようにすることで、例えば、デバイスがイグニッションオン時及び/又はイグニッションオフ時に位置情報を送信できない装置であっても、停車と見込める情報を特定することができる。
なお、車両が、例えば現行のエンジン車における車載ナビゲーション装置のように、イグニッションオフにより、車両の位置情報の送信が停止する場合、車両の位置情報の受信が停止する直前に送信された現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、車両の位置情報の送信が停止してから、次に当該車両の位置情報の送信が開始されるまでの時間を当該車両の駐車時間として算出してもよい。
同様に、車両が、例えば現行のエンジン車における車載ナビゲーション装置のように、イグニッションオンにより、車両の位置情報の送信を開始する場合、車両の位置情報の受信を開始した現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、車両の位置情報の受信を開始する前に、当該車両の位置情報の送信が停止した時刻からの時刻差を当該車両の駐車時間として算出してもよい。
また、車両が、例えば電気自動車のように、停車した場合でも、停止信号情報を送信できる場合、停止信号により示された現在位置又は車両の位置情報の最も直近の位置情報を駐車位置としてもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、停止信号情報を受信してから次に起動信号情報又は位置情報を受信するまでの時間を当該車両の駐車時間として算出してもよい。
同様に、車両が、例えば電気自動車のように、車両の起動時に、起動信号情報を送信できる場合、起動信号により示された現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、車両走行情報記録部110Bは、軌道信号情報を受信する前に当該車両からの停止信号情報又は最後に位置信号を受信した時刻からの時刻差を当該車両の駐車時間として算出してもよい。
【0070】
<変形例2>
上述の実施形態では、情報分析装置1を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが、情報分析装置1の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、情報分析装置1の各機能を実現してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 情報分析装置
1A 情報分析装置
11 制御部
110A 受信部
110B 車両走行情報記録部
111 駐車位置記録部
112 来店パターン情報作成部
1121 第1来店パターン情報作成部
1122 第2来店パターン情報作成部
113 来店パターン変化判定部
114 施設変更情報作成部
12 記憶部
121 地図情報記憶部
122 車両走行情報記憶部
1221 車両走行情報テーブル
1222 駐車位置記憶部
123 来店パターン情報記憶部
126 位置情報データベース
13 通信部
14 表示部
15 入力部
60 通信網
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7