(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080985
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20240610BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20240610BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240610BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240610BHJP
【FI】
G06F3/0354 453
B60J5/00 B
G06F3/041 595
G06F3/041 590
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194374
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和真
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 将樹
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】柘植 飛翔
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AB11
5B087DD01
5B087DD03
5E555AA09
5E555AA11
5E555AA54
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC01
5E555CA15
5E555CB10
5E555CB13
5E555CB16
5E555CB19
5E555CB55
5E555CB56
5E555CB76
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】車両の装備品を操作するタッチ式の操作装置において、既存の物理的なスイッチ操作を行う操作装置の操作感に近付けること。
【解決手段】本発明の操作装置は、車両内に設置されるタッチ式操作面10と、車両に搭載された装備品に対応してタッチ式操作面10に形成された操作ガイド11と、を備え、タッチ式操作面10に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に設置されるタッチ式操作面と、前記車両に搭載された装備品に対応して前記タッチ式操作面に形成された操作ガイドと、を備え、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドから所定距離内の前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後の予め設定された時間内に入力された前記手動用タッチ操作のみを前記装備品に対する前記手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の操作装置であって、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に2点の接触状態を維持したまま入力されるタッチ操作を前記手動用タッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドは、所定の長さを有する線形状に形成されており、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に前記操作ガイドの線形状に沿って入力されるタッチ操作を予め設定された前記手動用タッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の操作装置であって、
前記手動用タッチ操作を受け付けた場合のみ、さらにその後に入力され、前記手動用タッチ操作とは異なる自動用タッチ操作を受け付けるよう構成されており、
前記自動用タッチ操作は、予め設定された前記装備品に対する自動の操作指令である、
操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作装置であって、
前記手動用タッチ操作として、第一の範囲の速度でスライドさせるタッチ操作を受け付け、前記自動用タッチ操作として、前記第一の範囲の速度よりも速い速度でスライドさせるタッチ操作を受け付けるよう構成されている、
操作装置。
【請求項8】
車両内に設置されるタッチ式操作面を備えた操作装置による操作受付方法であって、
車両に搭載された装備品に対応した操作ガイドが前記タッチ式操作面に形成されており、前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作受付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるタッチ式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された装備品を操作する操作装置として、タッチ式の操作装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に示す操作装置は、例えば、座席のドアに設けられたアームレスト上に配置され、車両のウインドウの開閉を操作可能なよう構成されている。具体的に、特許文献1に示す操作装置は、タッチ式の操作パネル上に線形状の操作部が形成されており、かかる操作部を線形状に沿って指を移動させるなどのタッチ操作が行われることで、ウインドウの開閉操作として受け付けるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した操作装置は、操作者によるタッチ操作入力によりウインドウを操作するため、物理的にスイッチ部材を操作する既存のウインドウ操作装置とは異なり、操作時に操作感を伴わない。これにより、正常にタッチ操作入力がなされていても気が付きにくい、またはタッチ操作入力がなされていてもウインドウの駆動までにタイムラグを感じてしまう可能性がある。
【0005】
このため、本発明の目的は、既存の物理的なスイッチ操作を行う操作装置の操作感に近付けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態である操作装置は、
車両内に設置されるタッチ式操作面と、前記車両に搭載された装備品に対応して前記タッチ式操作面に形成された操作ガイドと、を備え、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
という構成をとる。
【0007】
また、本発明の一形態である操作受付方法は、
車両内に設置されるタッチ式操作面を備えた操作装置による操作受付方法であって、
車両に搭載された装備品に対応した操作ガイドが前記タッチ式操作面に形成されており、前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、既存の物理的なスイッチ操作を行う操作装置の操作感に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態における操作装置の構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示した操作装置を含むウインドウを可動させるための構成の概略を示すブロック図である。
【
図3】
図1に開示した操作装置の操作の様子を示す図である。
【
図4】
図1に開示した操作装置の操作の様子を示す図である。
【
図5】
図1に開示した操作装置の操作方法を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2の実施形態における操作装置の操作方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第3の実施形態における操作装置の操作の様子を示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態における操作装置の操作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1乃至
図2は、操作装置の構成を説明するための図であり、
図3乃至
図5は、操作装置の動作を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本発明における操作装置は、主に、車両である自動車のウインドウを開閉操作するためのものであり、例えば、座席のドアに設けられたアームレスト上に配置されている。特に、本実施形態における操作装置は、運転席のドアに設けられたアームレスト上に配置され、運転者である操作者が、4つの座席(運転席、助手席、運転席後席、助手席後席)のウインドウを開閉操作可能なものであることとする。また、操作装置は、ウインドウの開閉操作に加えて、ウインドウのロック/アンロック操作や、ドアのロック/アンロック操作も可能なよう構成されている。但し、本発明の操作装置は、必ずしも運転席のドアに設けられていることに限定されず、他の座席のドアや、ドアに限らず車両内のいかなる場所に設けられていてもよい。また、本発明の操作装置は、必ずしも4つのウインドウの開閉操作を行うことに限定されず、1つや他の数のウインドウの開閉操作を行うことができるよう構成されていてもよい。さらに、本発明の操作装置は、ウインドウを操作することに限定されず、車両のいかなる装備品を操作するために利用されてもよい。つまり、本発明の操作装置は、後述するような操作装置に対する操作を、ウインドウとは異なる装備品に対する操作指令として受け付けて、かかる操作指令に応じて装備品を制御してもよい。
【0012】
図1の符号1Aに示す図は、本実施形態における操作装置の一部を上方から見た図である。この図において、上方向が車両の前方であり、下方向が車両の後方であるとし、左右方向が車両の幅方向であるとする。このため、操作装置の右方向には運転席ウインドウが位置し、左方向には助手席ウインドウ、右後方には運転席後席ウインドウ、左後方には助手席後席ウインドウ、が位置することとなる。
【0013】
図1の符号1Aに示すように、操作装置は、略長方形形状の操作パネル10を備えている。操作パネル10は、例えば、静電容量方式のタッチ式操作面を有しており、操作者の指によるタッチ操作によって接触(タッチ)された操作面上の位置(タッチ箇所)を検出するよう構成されている。但し、操作パネル10は、静電容量方式で構成されていることに限られず、指などの操作物体の操作面に対するタッチ操作が検出できる構成であればよい。
【0014】
具体的に、操作パネル10の表面は、全体的に平面形状にて形成されており、一部に凸状の操作部(操作ガイド)11~16が形成されている。例えば、
図1の符号1Bに操作パネル10の一部の操作部11が形成された部位の断面図を示すが、操作部11~16は、操作パネル10の表面から略半円弧形状に突出した形状にて構成されている。そして、操作部11~16は、
図1の符号1Aに示すように、凸状部位が所定の長さを有する線形状に形成されており、以下に示すように、複数の操作部に区別されて形成されている。なお、操作部11~16は、必ずしも凸状部位で形成されていることに限定されず、
図1の符号1Cに示すように、凹状部位11’で形成されていてもよい。また、操作部11~16は、必ずしも線形状に形成されていることに限定されず、所定の広さを有する凸状部位又は凹状部位で形成されていてもよい。
【0015】
具体的に、操作部11~16は、まず、操作パネル10の中央に形成された符号11~15に示すウインドウ操作部と、操作パネル10の前方側に形成された符号16に示すドアロック操作部と、に区別される。そして、ウインドウ操作部11~15のうち、車両の前方右側に位置し前方に延びる部位は、運転席ウインドウ操作部11を形成しており、車両の前方左側に位置し前方に延びる部位は、助手席ウインドウ操作部12を形成している。なお、運転席ウインドウ操作部11と助手席ウインドウ操作部12とは、それぞれの後方側の端部が延設されて相互に連結されており、車両の前方側に開口する略U字形状に形成されていることとなる。また、ウインドウ操作部11~15のうち、車両の後方右側に位置し後方に延びる部位は、運転席後席ウインドウ操作部13を形成しており、車両の後方左側に位置し後方に延びる部位は、助手席後席ウインドウ操作部14を形成している。なお、運転席後席ウインドウ操作部13と助手席後席ウインドウ操作部14とは、それぞれの前方側の端部が延設されて相互に連結されており、車両の後方側に開口する略逆U字形状に形成されていることとなる。また、車両の前方側に位置する運転席ウインドウ操作部11と助手席ウインドウ操作部12との連結箇所と、車両の後方側に位置する運転席後席ウインドウ操作部13と助手席後席ウインドウ操作部14との連結箇所とは、車両の前後方向に延びる略直線形状の連結部15にて連結されている。つまり、ウインドウ操作部11~15は、連結部15を中心として、当該連結部15から各座席の位置に対応する方向にそれぞれ分岐して延びる形状に形成されている。また、ドアロック操作部16は、車両の幅方向に延びる略直線形状に形成されている。
【0016】
上述したように、各操作部11~16は、操作パネル10の表面上のそれぞれ異なる位置に形成されており、当該各操作部11~16には、それぞれ異なる車両の装備品が対応付けられている。特に、符号11~14に示す操作部は各ウインドウにそれぞれ対応付けられているが、当該各操作部11~14は、その操作パネル10の表面上の相対的な形成位置が、それぞれが対応付けられている各ウインドウの相対的な位置関係に対応することとなる。例えば、操作パネル10の前方右側に位置する運転席ウインドウ操作部11には、車両の前方右側に位置する運転席ウインドウDRが対応付けられており、操作パネル10の前方左側に位置する助手席ウインドウ操作部12には、車両の前方左側に位置する助手席ウインドウASが対応付けられている。また、操作パネル10の後方右側に位置する運転席後席ウインドウ操作部13には、車両の後方右側に位置する運転席後席ウインドウRRが対応付けられており、操作パネル10の後方左側に位置する助手席後席ウインドウ操作部14には、車両の後方左側に位置する助手席後席ウインドウRLが対応付けられている。なお、ドアロック操作部16には運転席ドアD1を含めたすべてのドアが対応付けられている。
【0017】
なお、本実施形態では、車両の右側に運転席が位置する右ハンドル車に適用される場合を例示しているが、車両の左側に運転席が位置する左ハンドル車に適用される場合には、各操作部11~14の名称や対応するウインドウが異なる。つまり、左ハンドル車に適用される場合には、操作パネル10の前方右側に位置する操作部11は助手席ウインドウ操作部に相当し、車両の前方右側に位置する助手席ウインドウが対応付けられ、操作パネル10の前方左側に位置する操作部12は運転席ウインドウ操作部に相当し、車両の前方左側に位置する運転席ウインドウが対応付けられる。また、操作パネル10の後方右側に位置する操作部13は助手席後席ウインドウ操作部に相当し、車両の後方右側に位置する助手席後席ウインドウが対応付けられ、操作パネル10の後方左側に位置する操作部14は運転席後席ウインドウ操作部に相当し、車両の後方左側に位置する運転席後席ウインドウが対応付けられる。
【0018】
そして、操作パネル10は、操作者によって入力されたタッチ操作を、そのタッチ位置やタッチ操作内容に応じて、それぞれ異なる操作指令として受け付ける。つまり、操作パネル10は、タッチ位置から、各操作部11~16に対する操作であるか、あるいは、各操作部11~16とは異なる箇所に対する操作であるか、を検出し、操作対象となっている操作部11~16とその操作内容に応じた操作指令を受け付ける。なお、操作パネル10は、図示しない検出部を搭載しており、かかる検出部が操作パネル10に対するタッチ操作の位置及び内容に応じた操作指令を受け付ける。そして、操作パネル10は、受け付けた操作指令を車両に搭載された制御装置20に通知し、かかる制御装置20は、受け付けた操作指令に応じて、各ウインドウやドアの動作を制御する。ここで、
図2のブロック図に、操作パネル10に入力されたタッチ操作により各ウインドウやドアの動作を制御するために車両に設けられた構成の概略を示す。なお、制御装置20は、操作パネル10と協働して操作装置として機能し、当該操作パネル10に入力されたタッチ操作の位置及び内容を検出して、かかるタッチ操作に応じた操作指令を受け付けるよう機能してもよい。
【0019】
具体的に、
図3乃至
図4を参照して、操作パネル10に入力されるタッチ操作、及び、その際に受け付けられる操作指令の一例を説明する。まず、
図3は、操作パネル10の表面上の前方右側に形成された運転席ウインドウ操作部11が操作されるときの様子を示している。
図3において、符号3Aは操作パネル10を上方から見た図であり、符号3Bは側方から見た図である。なお、以下では、運転席ウインドウ操作部11を単に操作部11と称して説明する。
【0020】
図3に示すように、本実施形態では、操作パネル10は、まず2本の指F1,F2による操作部11に対する操作パネル10上の2点のタッチ操作の入力を受け付ける。このとき、操作パネル10は、2本の指F1,F2によるタッチ操作の位置が後述するような予め設定された基準を満たす場合、操作部11に対する初期操作として受け付ける。そして、操作パネル10は、初期操作を受け付けた場合にのみ、その後に入力される
図3の矢印Yに示すような操作部11の長手方向に沿った2本の指F1,F2によるスライド操作を受け付ける。これにより、操作パネル10は、指F1,F2によるスライド操作の方向や速度に応じて、操作部11に対応付けられたウインドウの手動又は自動による開閉操作として受け付ける。例えば、操作パネル10は、
図3に示す運転席ウインドウDRに対応する操作部11に対する2本の指F1,F2による上方から下方に移動させるスライド操作を、運転席ウインドウDRを閉じる操作指令として受け付ける。あるいは、操作パネル10は、
図3に示す運転席ウインドウDRに対応する操作部11に対する2本の指F1,F2による下方から上方に移動させるスライド操作を、運転席ウインドウDRを開く操作指令として受け付ける。
【0021】
続いて、
図4を参照して、さらに具体的に操作パネル10によるタッチ操作の受け付けについて説明する。なお、
図4では、運転席ウインドウ操作部11のみを図示し、
図4上図は後述する初期操作の様子を示し、
図4下図は初期操作後の操作の様子を示す。
【0022】
操作パネル10は、まず、
図4上図である符号4Aa及び符号4Baに示すように、2本の指F1,F2による操作部11を間に挟んだ操作パネル10上の2点のタッチ操作の入力を受け付ける。なお、
図4上図の符号4Aaは操作パネル10を上方から見た図を示し、符号4Baは操作パネル10を側方から見た図を示している。このとき、操作パネル10は、一方の指F1によるタッチ箇所T1と、他方の指F2によるタッチ箇所T2と、これらタッチ箇所T1,T2に対して最も近くに位置する操作部11と、の位置関係を調べ、これらの位置関係が予め設定された基準を満たす場合には、かかる2点のタッチ操作を操作部11に対する初期操作として受け付ける。例えば、操作パネル10は、操作部11から各タッチ箇所T1,T2までの距離をそれぞれ調べ、操作部11から予め設定された距離の範囲内に各タッチ箇所T1,T2が位置している場合には、操作部11に対する初期操作として受け付ける。つまり、
図4上図の場合は、操作部11を挟んだ2点のタッチ箇所T1,T2がそれぞれ操作部11に対して所定距離の範囲内に位置しているため、かかる操作部11に対する初期操作として受け付ける。
【0023】
なお、操作パネル10が操作部11に対する初期操作を受け付ける基準は、必ずしも上述したように2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11を挟んで位置する場合であることに限定されない。例えば、操作パネル10は、一方の指F1のタッチ箇所T1が操作部11上に位置し、他方の指F2のタッチ箇所T2が操作部11から所定距離内にある場合であっても、2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11から所定距離内に位置するため、操作部11に対する初期操作として受け付けてもよい。また、操作パネル10は、一方の指F1のタッチ箇所T1と他方の指F2のタッチ箇所T2とが、操作部11を挟んでおらず、操作部11に対して同一方向の側方であって、操作部11から所定距離内にある場合であっても、2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11から所定距離内に位置するため、操作部11に対する初期操作として受け付けてもよい。一方で、操作パネル10は、1点や3点以上のタッチ操作や、2点のタッチ操作であっても上述したように操作部11から所定距離内に位置していない場合には、操作部11に対する初期操作として受け付けないこととなる。その場合に、操作パネル10は、以下に説明するようなその後のスライド操作等が行われた場合であっても、かかる操作は無効となり、ウインドウの操作指令として受け付けないこととなる。
【0024】
したがって、操作部11から2点のタッチ箇所T1、T2それぞれが所定距離範囲内であることを初期操作として受け付けることにより、例えば、アームレスト等に置いた手の先が操作パネル10に触れてしまうような操作者の意図しない接触と、操作者による操作意思を持った意図した接触とを区別することができる。
【0025】
そして、操作パネル10は、上述した操作部11に対する初期操作を受け付けた後に、
図4下図の矢印Y1に示すような、初期操作における操作パネル10に対する2点のタッチ箇所T1,T2の接触状態を維持したままの操作部11の長手方向に沿ったスライド操作を、操作部11に対応付けられたウインドウの手動又は自動による開閉操作として受け付ける。なお、
図4下図の符号4Abは操作パネル10を上方から見た図を示し、符号4Bbは操作パネル10を側方から見た図を示している。このとき、操作パネル10は、初期操作後の予め設定された時間内のスライド操作、例えば、初期操作から3秒以内のスライド操作を、ウインドウの開閉操作として受け付ける。つまり、操作パネル10は、初期操作後の予め設定された時間内にスライド操作を検出しなかった場合には、操作部11に対する初期操作が行われたことを一旦解除し、再度、いずれかの操作部に対して初期操作が行われることを待つこととなる。
【0026】
したがって、操作部11に対する初期操作から予め設定された時間内のスライド操作を、操作者の操作意思がある操作として受け付けることにより、例えば、アームレスト等に置いたままで動かさないような操作者の操作意思の無い接触と、操作者による操作意思を持った意図した操作とを区別することができる。さらに、2点のタッチ箇所T1、T2の接触状態を維持したまま入力されるスライド操作等のタッチ操作を、2点のタッチ箇所T1、T2のタッチ後に入力される他のタッチ操作として受け付けることにより、2点のタッチ操作と他のタッチ操作との間に一旦接触状態を解除するという工程を挟む必要がない。このため、操作者による再度の操作位置の視認が不要となり、ブラインド性の高いウインドウの開閉操作を円滑に行うことができる。
【0027】
さらに、操作パネル10は、上述したスライド操作の操作内容に応じて、操作部11に対応するウインドウに対する異なる操作指令として受け付ける。例えば、操作パネル10は、指F1,F2によるスライド操作の速度や操作時間、操作量などが異なる操作内容をそれぞれ区別して検出し、それぞれの操作を異なる操作指令として受け付けてもよい。一例として、操作パネル10は、操作部11に対して指F1,F2を予め設定された低速範囲の速度(第一の範囲の速度)でゆっくり移動させるいわゆるスワイプ操作が行われた場合には、指F1,F2が操作部11にタッチされている間だけ、対応する運転席ウインドウDRを開閉する手動開閉の操作指令として受け付ける。このとき、操作パネル10は、指F1,F2の移動量つまりスワイプ操作量の大きさに応じて、運転席ウインドウDRを開閉する速度が異なる操作指令として受け付けてもよい。例えば、操作パネル10は、スワイプ操作量が閾値以下である場合には、予め設定された基準速度で運転席ウインドウDRを手動で開閉する操作指令として受け付け、スワイプ操作量が閾値より大きい場合には、基準速度よりも速い予め設定された速度で運転席ウインドウDRを手動で開閉する操作指令として受け付ける。一方、操作パネル10は、操作部11に対して指F1,F2を予め設定された高速範囲の速度、つまり、上述した低速範囲の速度よりも速い速度で素早く移動させるいわゆるフリック操作が行われた場合には、運転席ウインドウDRを閉めきるあるいは開ききるまでオート開閉する自動開閉の操作指令として受け付ける。
【0028】
したがって、2点のタッチ操作後に、スワイプ操作といった手動操作に対応する第一のタッチ操作と、フリック操作といった自動操作に対応する第二のタッチ操作と、をいずれも入力可能とすることにより、操作者の操作意思に応じて手動及び自動の操作指令を選択可能となる。
【0029】
ここで、上記では、スワイプ操作を手動開閉の操作指令として受け付け、フリック操作を自動開閉の操作指令として受け付ける場合を例示したが、他のタッチ操作をそれぞれ手動開閉や自動開閉の操作指令として受け付けてもよい。例えば、手動用に設定された他のタッチ操作を手動開閉の操作指令として受け付け、かかる手動用に設定されたタッチ操作とは異なる自動用に設定されたさらに他のタッチ操作を自動開閉の操作指令として受け付けてもよい。
【0030】
なお、操作パネル10は、
図4下図の例では、スライド操作時における指F1,F2による2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11を挟んで位置しているが、スライド操作を受け付ける基準は、必ずしも2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11を挟んで位置していることに限定されない。例えば、操作パネル10がスライド操作を受け付ける基準としては、上述した初期操作を受け付ける基準と同様に、一方の指F1のタッチ箇所T1が操作部11上に位置し、他方の指F2のタッチ箇所T2が操作部11から所定距離内にある場合にであってもよく、一方の指F1のタッチ箇所T1と他方の指F2のタッチ箇所T2とが、操作部11を挟んでおらず、操作部11に対して同一方向の側方であって、操作部11から所定距離内にある場合であってもよい。このため、操作パネル10は、初期操作を受け付けた場合であっても、その後のスライド操作が、1点や3点以上のタッチ箇所が存在する場合や2点のタッチ操作であっても上述したような距離基準を満たさない場合には、操作部11に対するスライド操作として受け付けないこととなる。その場合に、操作パネル10は、スライド操作を無効とし、ウインドウの操作指令として受け付けないこととなる。
【0031】
また、上記では、一例として、運転席ウインドウ操作部11に対するタッチ操作を説明したが、他の操作部12~14に対しても同様のタッチ操作が行われることとなる。この場合、指F1,F2で挟まれるなど2点のタッチ箇所T1,T2に最も近くに位置する操作部12~14が操作対象となり、かかる操作部12~14に対する初期操作とその後のスライド操作が受け付けられることとなる。なお、
図1の符号A1に示すように、操作パネル10の表面上の前方側に形成されたドアロック操作部16は、線状である操作部16の形状に沿って操作者が指を移動させるタッチ操作を行った場合、操作パネル10は、ドアロック操作部16の操作として検出し、当該ドアロック操作部16に対応する全てのドアをロック/アンロックする操作指令として受け付ける。
【0032】
[動作]
次に、上述した操作パネル10が操作されたときの操作装置の動作を、主に
図5のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、操作部11~14の一例として、
図3及び
図4に示すように、運転席ウインドウ操作部11が操作される場合を説明する。
【0033】
操作装置は、操作パネル10に対する操作者によるタッチ操作として、2点のタッチ操作を検出する(ステップS1)。このとき、操作装置は、特に、
図4上図に示すように、操作部11を挟み、タッチ箇所T1,T2が操作部11から所定距離内の2点のタッチ操作を検出した場合に、かかる2点のタッチ操作を操作部11に対する初期操作として受け付ける(ステップS1でYes)。なお、操作装置は、2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11を挟んでいない場合であっても、上述したようにタッチ箇所T1,T2が操作部11から所定距離内にある場合には、かかる2点のタッチ操作を初期操作として受け付けてもよい。このため、操作装置は、操作パネル10において、2点のタッチ操作であっても上述したような基準を満たさないようなタッチ操作や、1点や3点以上のタッチ操作を検出した場合には、操作部11に対する初期操作として受け付けない。また、上記2点のタッチ操作を検出しない場合は、当該2点のタッチ操作を検出するまで本ステップを繰り返す(ステップS1でNo)。
【0034】
続いて、操作装置は、上述した初期操作の受け付け後に、所定時間内に操作パネル10に入力されるスワイプ操作あるいはフリック操作を検出する(ステップS2,S4)。なお、操作装置は、初期操作を受け付けた後に、操作パネル10に対するスワイプ操作あるいはフリック操作が入力されることなく予め設定された時間が経過した場合には(ステップS2でNo,ステップS4でNo)、受け付けた上述の初期操作は無効となる。
【0035】
具体的に、操作装置は、初期操作を受け付けた後の所定時間内において、
図4下図の矢印Y1に示すような、初期操作における操作パネル10に対する2点のタッチ箇所T1,T2の接触状態を維持したままの操作部11の長手方向に沿ったスライド操作を検出する。例えば、操作装置は、初期操作後の所定時間内に操作パネル10に対するスワイプ操作を検出した場合には(ステップS2でYes)、かかる操作を操作部11に対応付けられた運転席ウインドウの手動による開閉操作として受け付ける。そして、操作装置は、操作パネル10がタッチされている間だけ手動で運転席ウインドウDRを開閉するよう、制御装置20にて駆動制御する(ステップS3)。また、例えば、操作装置は、初期操作後の所定時間内に操作パネル10に対するフリック操作を検出した場合には(ステップS2でNo,ステップS4でYes)、かかる操作を操作部11に対応付けられた運転席ウインドウの自動による開閉操作として受け付ける。そして、操作装置は、運転席ウインドウDRが自動で完全に閉じるあるいは開くまで、制御装置20にて駆動制御する(ステップS5)。なお、操作装置は、操作パネル10上における操作部11に沿ったスライド方向に応じて、対象となるウインドウの開閉方向を受け付けることとする。
【0036】
以上のように、本実施形態における操作装置は、まず、上述したように予め設定された基準を満たす2点のタッチ操作が入力された場合のみ、その後のスライド操作がウインドウの開閉操作として受け付けられることとなる。このため、操作者が意図せずに操作装置に触れてしまった場合であっても、かかる操作が操作装置にて受け付けられることを抑制でき、誤操作を抑制することができる。また、操作装置が上述したように2点のタッチ操作による初期操作を受け付けた場合には、その後の所定時間内における2点のタッチ操作を維持したスライド操作がウインドウの開閉操作として受け付けられることとなる。このため、例えば、操作者が初期操作を行った後に、意図しない操作が行われた場合であっても、かかる操作が操作装置にて受け付けられることを抑制でき、誤操作を抑制することができる。
【0037】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図6を参照して説明する。
図6は、操作装置の動作を説明するための図である。
【0038】
本実施形態における操作装置は、上述した実施形態1における操作装置とほぼ同様の構成を備えているが、以下のように、操作指令の受付方法が異なる。以下、主に、本実施形態における操作装置の実施形態1とは異なる点について説明する。
【0039】
まず、本実施形態における操作装置の操作パネル10は、実施形態1と同様に、2点のタッチ操作による初期操作を受け付けるが(ステップS11でYes)、その後のスライド操作の受付方法が実施形態1とは異なる。具体的に、操作パネル10は、操作部11に対する初期操作を受け付けた後の所定時間内におけるスライド操作のうち、手動用に設定されたスワイプ操作のみを受け付ける(ステップS12でYes)。このため、操作パネル10は、初期操作を受け付けた後の処置時間内に、自動用に設定されたフリック操作を検出した場合であっても、かかるフリック操作は受け付けないこととなる(ステップS12でNo)。なお、上記2点のタッチ操作を検出しない場合は、当該2点のタッチ操作を検出するまで本ステップを繰り返す(ステップS11でNo)。
【0040】
そして、操作装置は、上述したように初期操作後の所定時間内にスワイプ操作を受け付けると、かかる操作を操作部11に対応付けられた運転席ウインドウの手動による開閉操作として受け付ける。この場合、操作装置は、操作パネル10がタッチされている間だけ手動で運転席ウインドウを開閉するよう、制御装置20にて駆動制御する(ステップS13)。
【0041】
また、上述した手動用のスワイプ操作の受け付け後に、所定時間内に自動用に設定されたフリック操作がされた場合には、操作パネル10は、かかるフリック操作を受け付ける(ステップS14でYes)。つまり、操作パネル10は、上述したように初期操作後には自動用のフリック操作を受け付けないが、手動用のスワイプ操作を受け付けた後であれば、自動用のフリック操作を受け付ける。そして、操作装置は、かかるフリック操作を、操作部11に対応付けられた運転席ウインドウの自動による開閉操作として受け付ける。この場合、操作装置は、運転席ウインドウが自動で完全に閉じるあるいは開くまで、制御装置20にて駆動制御する(ステップS15)。なお、操作装置は、操作パネル10上における操作部11に沿ったスライド方向に応じて、対象となるウインドウの開閉方向を受け付けることとする。なお、操作装置は、初期操作およびスワイプ操作を受け付けた後に、操作パネル10に対するフリック操作が入力されることなく予め設定された時間が経過した場合には(ステップS14でNo)、受け付けた上述の初期操作及びスワイプ操作は無効となる。
【0042】
以上のように、本実施形態における操作装置は、初期操作後には手動用に設定されたスワイプ操作しか受け付けず、ウインドウは手動でしか開閉操作できないこととなる。一般的にフリック操作を行うには、まずスワイプ操作から操作を開始する必要がある。本実施形態における操作装置は、2点のタッチ操作後に第二のタッチ操作(フリック操作)を受け付ける所定の待機時間を設けない点が、上述した実施形態1における操作装置に対して異なる。この待機時間を設定しないことにより、2点のタッチ操作後にタッチ箇所が移動し始めると、かかるタッチ箇所の移動をスワイプ操作と見なしてすぐに手動の開閉操作を開始することができる。つまり、初期操作後すぐにウインドウ駆動をさせることが可能なため、結果として操作の応答性向上を図ることができる。これにより、本実施形態における操作装置は、手動開閉を経由してしか自動開閉の操作に移ることが出来ないため、物理的なスイッチ操作部材、例えば揺動可能な操作部材を備えた既存のウインドウの操作装置の操作性に近づけることができる。
【0043】
ここで、上記では、スワイプ操作を手動開閉の操作指令として受け付け、フリック操作を自動開閉の操作指令として受け付ける場合を例示したが、他のタッチ操作をそれぞれ手動開閉や自動開閉の操作指令として受け付けてもよい。例えば、上記の例では、初期操作後に、手動用に設定された他のタッチ操作のみを手動開閉の操作指令として受け付け、その後さらに、手動用に設定されたタッチ操作とは異なる自動用に設定されたさらに他のタッチ操作を自動開閉の操作指令として受け付けてもよい。
【0044】
<実施形態3>
次に、本発明の第3の実施形態を、
図7乃至
図8を参照して説明する。
図7乃至
図8は、操作装置の動作を説明するための図である。
【0045】
本実施形態における操作装置は、上述した実施形態1における操作装置とほぼ同様の構成を備えているが、以下に説明する点で異なる。以下、本実施形態における操作装置の実施形態1とは異なる点について主に説明する。
【0046】
まず、本実施形態における操作装置の操作パネル10は、実施形態1と同様に、2点のタッチ操作による初期操作を受け付け(ステップS21でYes)、その後の所定時間内における、
図7上図の矢印Y1に示すようなスライド操作であるスワイプ操作を受け付ける(ステップS22でYes)。なお、
図7上図の符号7Aaは操作パネル10を上方から見た図を示し、符号7Baは操作パネル10を側方から見た図を示している。上記2点のタッチ操作を検出しない場合は、当該2点のタッチ操作を検出するまで最初のステップを繰り返す(ステップS21でNo)。また、操作装置は、初期操作を受け付けた後に、操作パネル10に対するスワイプ操作が入力されることなく予め設定された時間が経過した場合には(ステップS22でNo)、受け付けた上述の初期操作は無効となる。操作装置は、実施形態1と同様に、初期操作後にスワイプ操作を検出した場合には(ステップS22でYes)、手動でウインドウを開閉するよう駆動制御する(ステップS23)。
【0047】
そして、本実施形態における操作装置は、さらに、上述したようにウインドウの開閉動作を停止させる停止操作指令を受け付けるよう構成されている。例えば、操作パネル10は、
図7下図の矢印Y2に示すように、上述したようにスライド操作した後の指F1,F2を往復スライドさせる往復スライド操作を受け付けて、停止操作指令として受け付ける(ステップS24でYes)。また、操作装置は、上述したスライド操作後に、更なる往復スライド操作が入力されなかった場合は(ステップS24でNo)、実行中のウインドウの開閉制御を継続する。
【0048】
具体的に、操作パネル10は、
図7上図の矢印Y1に示すような操作部11に対するスワイプ操作を受け付けた後に、
図7下図の矢印Y2に示すように、スライド操作後の操作パネル10に対する2点のタッチ箇所T1,T2の接触状態を維持したまま、かかる位置からさらに操作部11の長手方向に沿ってスライド方向を反転させて往復スライドさせる往復スライド操作を、停止操作指令として受け付ける。このとき、操作パネル10は、スライド操作後におけるさらなる1往復以上の往復スライド操作を停止操作指令として受け付ける。例えば、
図7の左図の例では、矢印Y1に示すように指F1,F2を下方にスライド操作した後に、かかる位置から指F1,F2をまず上方にスライドし、続いて反転させて下方にスライドすることで、矢印Y2に示すように1往復の往復スライド操作が行われることとなる。なお、操作パネル10は、初期操作後のスライド操作を含んで1往復よりも多くスライド方向を交互に反転した往復スライド操作、一例として、1往復半あるいは2往復以上の往復スライド操作を、停止操作指令として検出してもよい。
【0049】
そして、操作装置は、上述したように往復スライド操作による停止操作指令を受け付けると、制御装置20にて手動あるいは自動にて開閉制御しているウインドウの開閉動作を停止するよう制御する(ステップS25)。なお、操作装置は、上述した実施形態2において手動あるいは自動にてウインドウを開閉制御している場合であっても、上述した往復スライド操作による停止操作指令を受け付けると、制御装置20にてウインドウの開閉動作を停止するよう制御してもよい。
【0050】
ここで、運転者などの操作者は、一般的に手持無沙汰である際に、適宜の操作スイッチなどを含む手元の車室内装部品の表面に対して、手指のこすり動作を行ってしまうことがある。例えば、ウインドウ駆動用の操作装置の場合は、アームレストに置いた手の先にウインドウ駆動用操作装置が位置することが多いので、操作者による上記手指のこすり動作は操作入力部位に対して行われることとなる。このとき、当該操作装置がタッチ入力を行う操作装置である場合、手指のこすり動作によって操作者によるウインドウ開閉の意図がない状態でのウインドウ駆動が起こり得る。本実施形態における操作装置は、初期操作およびスライド操作後に往復スライド操作が行われた際、ウインドウの駆動を停止するように制御される。これにより、手指のこすり動作等による意図しない接触動作に基づいたウインドウの駆動を防止することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態における操作装置は、手動又は自動のウインドウの開閉操作後であっても、往復スライド操作により開閉動作を停止することができる。このため、操作者が意図せずウインドウを開閉操作してしまった場合であっても、その動作を停止することができ、誤操作を抑制することができる。
【0052】
ここで、上述した実施形態1から3における「2点のタッチ箇所T1,T2が操作部11を挟んで位置する」とは、タッチ箇所T1とT2とが操作部11を跨いで位置していることであり、操作部11への指F1、F2の接触は必須ではない。つまり、操作部11を指F1、F2により挟持またはつまむ必要はない。
【0053】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における操作装置の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記A1)
車両内に設置されるタッチ式操作面と、前記車両に搭載された装備品に対応して前記タッチ式操作面に形成された操作ガイドと、を備え、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された他のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A2)
付記A1に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドから所定距離内の前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された他のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A3)
付記A1又はA2に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後の予め設定された時間内に入力された前記他のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A4)
付記A1又はA2に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に2点の接触状態を維持したまま入力されるタッチ操作を予め設定された前記他のタッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A5)
付記A4に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に、2点の接触状態を維持したまま入力されるタッチ操作を予め設定された第一のタッチ操作として受け付け、2点の接触状態を維持したまま入力され、前記第一のタッチ操作とは異なるタッチ操作を第二のタッチ操作として受け付けるよう構成されており、
前記第一のタッチ操作は、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令であり、
前記第二のタッチ操作は、予め設定された前記装備品に対する自動の操作指令である、
操作装置。
(付記A6)
付記A5に記載の操作装置であって、
前記第一のタッチ操作として、第一の範囲の速度でスライドさせるタッチ操作を受け付け、前記第二のタッチ操作として、前記第一の範囲の速度よりも速い速度でスライドさせるタッチ操作を受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A7)
付記A1又はA2に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドは、所定の長さを有する線形状に形成されており、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に前記操作ガイドの線形状に沿って入力されるタッチ操作を予め設定された前記他のタッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記A8)
車両内に設置されるタッチ式操作面を有する操作装置による操作受付方法であって、
車両に搭載された装備品に対応した操作ガイドが前記タッチ式操作面に形成されており、前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された他のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作受付方法。
(付記B1)
車両内に設置されるタッチ式操作面と、前記車両に搭載された装備品に対応して前記タッチ式操作面に形成された操作ガイドと、を備え、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B2)
付記B1に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドから所定距離内の前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B3)
付記B1又はB2に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後の予め設定された時間内に入力された前記手動用タッチ操作のみを前記装備品に対する前記手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B4)
付記B1又はB2に記載の操作装置であって、
前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に2点の接触状態を維持したまま入力されるタッチ操作を前記手動用タッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B5)
付記B1又はB2に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドは、所定の長さを有する線形状に形成されており、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に前記操作ガイドの線形状に沿って入力されるタッチ操作を予め設定された前記手動用タッチ操作として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B6)
付記B1又はB2に記載の操作装置であって、
前記手動用タッチ操作を受け付けた場合のみ、さらにその後に入力され、前記手動用タッチ操作とは異なる自動用タッチ操作を受け付けるよう構成されており、
前記自動用タッチ操作は、予め設定された前記装備品に対する自動の操作指令である、
操作装置。
(付記B7)
付記B6に記載の操作装置であって、
前記手動用タッチ操作として、第一の範囲の速度でスライドさせるタッチ操作を受け付け、前記自動用タッチ操作として、前記第一の範囲の速度よりも速い速度でスライドさせるタッチ操作を受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記B8)
車両内に設置されるタッチ式操作面を備えた操作装置による操作受付方法であって、
車両に搭載された装備品に対応した操作ガイドが前記タッチ式操作面に形成されており、前記タッチ式操作面に対する2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された手動用タッチ操作のみを、予め設定された前記装備品に対する手動の操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作受付方法。
(付記C1)
車両内に設置されるタッチ式操作面と、前記車両に搭載された装備品に対応して前記タッチ式操作面に形成された操作ガイドと、を備え、
前記タッチ式操作面に対して入力されたスライドさせる2点のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けると共に、前記タッチ式操作面に対して入力されたスライド方向を反転させて往復スライドさせる他のタッチ操作を、前記装備品の動作の停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C2)
付記C1に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドから所定距離内の前記タッチ式操作面に対する2点をタッチ操作してスライドさせる操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けると共に、前記タッチ式操作面に対して入力されたスライド方向を反転させて往復スライドさせる前記他のタッチ操作を、前記装備品の動作の停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C3)
付記C1又はC2に記載の操作装置であって、
前記タッチ式操作面に対して1往復よりも多くスライド方向を交互に反転させて往復スライドさせる前記他のタッチ操作を、前記停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C4)
付記C1又はC2に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に入力された前記往復スライドさせる前記他のタッチ操作を前記停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C5)
付記C3に記載の操作装置であって、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、その後に2点の接触状態を維持したまま入力された前記往復スライドさせる前記他のタッチ操作を前記停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C6)
付記C1又はC2に記載の操作装置であって、
前記操作ガイドは、所定の長さを有する線形状に形成されており、
前記2点のタッチ操作を受け付けた場合に、前記操作ガイドの線形状に沿って入力された前記往復スライドさせる前記他のタッチ操作を前記停止操作指令として受け付けるよう構成されている、
操作装置。
(付記C7)
車両内に設置されるタッチ式操作面を備えた操作装置による操作受付方法であって、
車両に搭載された装備品に対応した操作ガイドが前記タッチ式操作面に形成されており、前記タッチ式操作面に対して入力されたスライドさせる2点のタッチ操作を前記装備品に対する操作指令として受け付けると共に、前記タッチ式操作面に対して入力されたスライド方向を反転させて往復スライドさせる他のタッチ操作を、前記装備品の動作の停止操作指令として受け付ける、
操作受付方法。
【0054】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 操作パネル
11 運転席ウインドウ操作部
12 助手席ウインドウ操作部
13 運転席後席ウインドウ操作部
14 助手席後席ウインドウ操作部
15 連結部
16 ドアロック操作部
20 制御装置
F1,F2 指
T1,T2 タッチ箇所
DR 運転席ウインドウ
AS 助手席ウインドウ
RR 運転席後席ウインドウ
RL 助手席後席ウインドウ
D1 運転席ドア