(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081004
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/08 20060101AFI20240610BHJP
G01B 11/12 20060101ALI20240610BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G01B11/08 H
G01B11/12 H
G01B11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194401
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】山田 博信
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA12
2F065AA26
2F065AA27
2F065AA52
2F065BB08
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF11
2F065FF65
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ28
2F065QQ29
2F065QQ32
2F065SS13
(57)【要約】
【課題】巻回媒体の残量を容易に取得し得るようにする。
【解決手段】携帯端末1は、ロール紙側面50Sを撮影した側面画像及び各部分までの距離データを基に、輪郭抽出等の画像処理を経てロール紙50の外径D1及び内径D2を算出し、これらと用紙厚TKとを用いて用紙残量RMを算出し、これを画像形成装置へ送信して残量の設定を行わせる。これにより携帯端末1は、画像形成装置にロール紙50の用紙残量RMを正しく設定させ、該ロール紙50から用紙52の末端まで引き出すことなく、適切なタイミングで印刷処理を終了させることができ、印刷される画像の低下や、ショックの発生に起因する各部分の損傷や劣化等を、未然に防止できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得部と、
前記媒体側面画像を基に前記媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定部と、
前記媒体の厚さを取得する厚さ取得部と、
前記媒体の前記外径、前記内径及び前記厚さを基に、前記巻回媒体の残量を算出する残量算出部と
を具えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記媒体側面画像から前記媒体における外側の輪郭及び内側の輪郭をそれぞれ抽出する輪郭抽出部
をさらに具え、
前記径測定部は、前記外側の輪郭及び前記内側の輪郭を用いて前記媒体の前記外径及び前記内径をそれぞれ測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記媒体側面画像における各部分までの距離を表す距離データを取得する距離データ取得部
をさらに具え、
前記径測定部は、前記媒体側面画像から抽出された前記外側の輪郭上に位置する複数の点及び前記内側の輪郭上に位置する複数の点について、前記距離データを基にそれぞれの3次元座標を算出し、複数の当該3次元座標を基に前記外径及び前記内径をそれぞれ測定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記径測定部は、前記媒体側面画像における複数の方向に関し、前記媒体の前記外径である測定外径をそれぞれ取得し、複数の当該測定外径のうち最も小さいものを前記外径とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記径測定部は、前記媒体側面画像における複数の方向に関し、前記媒体の前記内径である測定内径をそれぞれ取得し、複数の当該測定内径のうち最も大きいものを前記内径とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報を通知する通知部
をさらに具え、
前記径測定部は、前記媒体側面画像における複数の方向に関し、前記媒体の前記外径である測定外径をそれぞれ取得し、
前記通知部は、複数の前記測定外径のうち最大値と最小値との差分又は比率が所定の許容範囲外であった場合、前記巻回媒体の前記外径に関する情報を通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、複数の前記測定外径のうち前記最大値と前記最小値との差分又は比率が所定の許容範囲外であった場合、ユーザに前記外径の補正値を設定させる
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像取得部を制御する制御部と、
前記画像取得部の姿勢を検知する姿勢検知部と
をさらに具え、
前記画像取得部は、撮像部により前記媒体側面画像を撮像し、
前記制御部は、前記姿勢検知部により前記撮像部が所定の撮像可能姿勢であることを検知した時点で、前記撮像部により前記媒体側面画像を撮像させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記撮像可能姿勢は、前記撮像部に設けられたレンズの光軸と平行な法線を有する撮像平面の角度が、水平から所定の誤差範囲内の角度、又は鉛直から所定の前記誤差範囲内の角度のうち、少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報を送信する通信部
をさらに具え、
前記巻回媒体は、画像を形成する画像形成装置にセットされ、
前記通信部は、前記巻回媒体の前記残量を前記画像形成装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
画像取得部により、芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得ステップと、
径測定部により、前記媒体側面画像を基に前記媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定ステップと、
厚さ取得部により、前記媒体の厚さを取得する厚さ取得ステップと、
残量算出部により、前記媒体の前記外径、前記内径及び前記厚さを基に、前記巻回媒体の残量を算出する残量算出ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置に対し、
芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得ステップと、
前記媒体側面画像を基に前記媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定ステップと、
前記媒体の厚さを取得する厚さ取得ステップと、
前記媒体の前記外径、前記内径及び前記厚さを基に、前記巻回媒体の残量を算出する残量算出ステップと
を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
情報処理装置と、画像形成装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得部と、
前記媒体側面画像を基に前記媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定部と、
前記媒体の厚さを取得する厚さ取得部と、
前記媒体の前記外径、前記内径及び前記厚さを基に、前記巻回媒体の残量を算出する残量算出部と、
前記残量を前記画像形成装置へ送信する通信部と
を具えることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムに関し、例えばロール紙の残量を把握する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に業務用の画像形成装置(いわゆるプリンタ)等として、芯材の周囲に長尺の用紙が巻回され円筒形状に形成されたロール紙(以下これを巻回媒体とも呼ぶ)を回転可能に支持し、当該ロール紙から順次引き剥がした用紙に画像を形成する(すなわち印刷する)ものが広く普及している。
【0003】
多くの場合、このような画像形成装置では、ロール紙における用紙の長さを予め設定しておくことにより、いわゆる用紙切れにより画像を印刷できなくなることを未然に防止できる。画像形成装置では、ロール紙が新品の状態であれば、当該ロール紙の製造者や販売者により規定された長さの値をそのまま使用できるものの、当該ロール紙が使用途中であった場合、残っている用紙の長さ(以下これを残量と呼ぶ)を正しく把握することが難しい。
【0004】
そこで画像形成装置として、ロール紙がまだ残っている状態で印刷処理を終了する際に、当初の長さから使用した部分の長さを減算する等の処理により算出された残量などの情報を符号化し、バーコードや2次元コード等の情報画像として印刷するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置では、次回に当該ロール紙の使用を開始する際に、イメージセンサ等のセンサを用いて情報画像を読み取り復号化することにより、残量などの情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-201701号公報(
図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし画像形成装置では、構成の複雑化やコストの上昇等を回避するため、イメージセンサ等のセンサが設けられていない場合が多い。また、画像形成装置の製造メーカ間や機種間において、情報画像の互換性が確保されていない可能性もある。このような画像形成装置では、仮にロール紙に情報画像が印刷されていたとしても、これを読み取ることができず当該ロール紙の残量を取得できない恐れがある、という問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、巻回媒体の残量を容易に取得し得る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の情報処理装置においては、芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得部と、媒体側面画像を基に媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定部と、媒体の厚さを取得する厚さ取得部と、媒体の外径、内径及び厚さを基に、巻回媒体の残量を算出する残量算出部とを設けるようにした。
【0009】
また本発明の情報処理方法においては、画像取得部により、芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得ステップと、径測定部により、媒体側面画像を基に媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定ステップと、厚さ取得部により、媒体の厚さを取得する厚さ取得ステップと、残量算出部により、媒体の外径、内径及び厚さを基に、巻回媒体の残量を算出する残量算出ステップとを有するようにした。
【0010】
さらに本発明の情報処理プログラムにおいては、情報処理装置に対し、芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得ステップと、媒体側面画像を基に媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定ステップと、媒体の厚さを取得する厚さ取得ステップと、媒体の外径、内径及び厚さを基に、巻回媒体の残量を算出する残量算出ステップとを実行させるようにした。
【0011】
さらに本発明の情報処理システムにおいては、情報処理装置と、画像形成装置とを有する情報処理システムであって、情報処理装置には、芯材の周囲に媒体が巻回された巻回媒体の側面が撮像された媒体側面画像を取得する画像取得部と、媒体側面画像を基に媒体の外径及び内径をそれぞれ測定する径測定部と、媒体の厚さを取得する厚さ取得部と、媒体の外径、内径及び厚さを基に、巻回媒体の残量を算出する残量算出部と、残量を画像形成装置へ送信する通信部とを設けるようにした。
【0012】
本発明は、情報処理装置により巻回媒体の側面を撮像した媒体側面画像を基に媒体の内径及び外径をそれぞれ測定し、別途取得した当該媒体の厚さを用いた算出処理を行うことにより、当該媒体の残量を得ることができる。このため本発明では、ユーザに対し、残量を得る目的で巻回媒体を画像形成装置にセットさせる必要が無く、また定規等を用意させ外径や内径を計測させる必要も無い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、巻回媒体の残量を容易に取得し得る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】携帯端末の回路構成を示す略線的ブロック図である。
【
図3】制御部の機能ブロック構成を示す略線的ブロック図である。
【
図4】ロール紙の構成を示す略線的斜視図及び側面図である。
【
図5】残量判別処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】ロール紙を立てた状態における携帯端末による側面画像の撮像の様子を示す略線図である。
【
図8】ロール紙を寝かせた状態における携帯端末による側面画像の撮像の様子を示す略線図である。
【
図9】側面画像からの輪郭の抽出並びに外径点及び内径点の位置を示す略線図である。
【
図10】測定外径及び測定内径を示す略線図である。
【
図11】外径差分が大きい場合における外径点及び測定外径を示す略線図である。
【
図12】外径差分が大きい場合における仮想円及び外径を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0016】
[1.携帯端末の構成]
図1(A)及び(B)に模式的な斜視図を示すように、本実施の形態による携帯端末1は、いわゆるスマートフォンとして構成されており、ユーザに容易に把持され、携帯されることが想定されている。情報処理装置としての携帯端末1は、筐体2の前面にタッチパネル3及びスピーカ4等が設けられ、下面にマイクロホン5等が設けられると共に、背面2Bにカメラ部7が設けられている。
【0017】
筐体2は、例えば所定の樹脂材料等により構成され、比較的小型の扁平な直方体状、すなわち薄板状に形成されている。筐体2の内部には、種々の部品が組み込まれている。通知部としてのタッチパネル3は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスとタッチセンサ等の入力デバイスとが組み合わされた構成となっている。このタッチパネル3は、種々の表示画面を表示することによりユーザに種々の情報を通知すると共に、当該ユーザからのタッチ操作による操作指示を受け付ける。
【0018】
スピーカ4は、種々の音を放音する。マイクロホン5は、周囲の音を集音する。カメラ部7は、複数のレンズ等のような種々の光学素子を有しており、撮像範囲の2次元画像を表す画像データを生成すると共に、当該撮像範囲における各部分までの距離を表す距離データを生成する。因みにカメラ部7では、筐体2の背面における法線に対しレンズの光軸を平行とするよう、当該レンズ等が設置されている。
【0019】
図2に模式的なブロック図を示すように、携帯端末1は、バス10を介して制御部11、記憶部12、通信部13、センサ部15、表示処理部16、操作処理部17、音声処理部18及びカメラ部7等が接続されている。
【0020】
制御部11は、携帯端末1を統括的に制御する部分であり、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)21、予め情報が記憶されたROM(Read Only Memory)22、及び情報を記憶するRAM(Random Access Memory)23等を有している。この制御部11は、RAM23をワークエリアとして使用しながら、ROM22や記憶部12等から読み出した各種プログラムをCPU21によって実行することにより、様々な処理を行う。記憶部12は、例えばSSD(Solid State Drive)のような不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムや各種情報等を記憶する。
【0021】
通信部13は、例えば5G等のような移動体通信規格に準拠した無線通信等のインタフェースや、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)のインタフェース等を有している。この通信部13は、図示しない基地局等を介して、図示しない画像形成装置(プリンタとも呼ばれる)や所定のサーバ装置等との間で種々の情報を送受信する。
【0022】
姿勢検知部としてのセンサ部15は、例えば3次元加速度センサやジャイロセンサ、磁気センサ、環境光センサ等のような種々の物理量を検出する種々のセンサを有している。例えばセンサ部15は、3次元加速度センサ及びジャイロセンサから得られる検出結果を基に、筐体2の姿勢、移動速度及び移動方向等を算出し、これを制御部11に通知する。
【0023】
表示処理部16は、タッチパネル3と接続されており、制御部11の制御に基づいて種々の表示画像データを生成し、これを当該タッチパネル3へ供給することにより表示画像を表示させる。操作処理部17は、タッチパネル3と接続されており、ユーザのタッチ操作を入力指示として受け付け、制御部11に通知する。
【0024】
音声処理部18は、スピーカ4及びマイクロホン5と接続されている。音声処理部18は、制御部11から音声データが供給されると、この音声データを音声信号に変換してスピーカ4へ供給することにより、当該スピーカ4から音声を放音させる。また音声処理部18は、マイクロホン5から周囲の音声を集音して得た音声信号が供給されると、当該音声信号を音声データに変換し、制御部11へ供給する。
【0025】
カメラ部7は、画像取得部25及び距離取得部26を有している。画像取得部25は、光を集光するレンズや光を電気信号に変換する撮像素子(以下これを撮像部とも呼ぶ)等を有している。この画像取得部25は、レンズの光軸を中心とした撮像範囲から得られる光を用いて2次元画像を撮像し、画像データを生成して制御部11へ供給する。また画像取得部25は、レンズの光軸が筐体2における背面2Bの法線やタッチパネル3の法線(何れも図示せず)と平行となるように取付位置や角度等が調整されている。説明の都合上、以下では筐体2の背面2Bを撮像平面とも呼ぶ。
【0026】
距離データ取得部としての距離取得部26は、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)スキャナであり、レーザ光を発光する発光素子、当該レーザ光を受光する受光素子等、及び光を集光するレンズ等により構成されている。因みに距離取得部26の撮像範囲は、画像取得部25の撮像範囲とほぼ同等に設定されている。この距離取得部26は、ToF(Time Of Flight)と呼ばれる原理を利用し、発光素子から出射されたレーザ光が対象物により反射され受光素子により受光されるまでの時間差を基に、撮像範囲内の各部分までの距離をそれぞれ計測し、距離データを生成して制御部11へ供給する。
【0027】
また制御部11は、記憶部12から所定のプログラムを読み出して実行することにより、
図3に示す複数の機能ブロックをその内部に形成する。具体的に制御部11は、初期化部31、撮像処理部32、水平・鉛直判定部33、距離計測処理部34、輪郭抽出処理部35、径取得部36、用紙厚入力部37、用紙残量算出部38、用紙残量表示処理部39及び用紙残量送信処理部40をそれぞれ形成する。また制御部11は、径取得部36内に、径測定処理部41、径判定処理部42及び径補正処理部43をそれぞれ形成する。なお、各機能ブロックの詳細については後述する。
【0028】
[2.ロール紙の構成]
次に、図示しない画像形成装置(いわゆるプリンタ)において使用されるロール紙について説明する。
図4(A)に示すように、巻回媒体としてのロール紙50は、全体として仮想的な中心軸X50を中心とした円筒形状に形成されており、ロール紙側面50Sの外形がほぼ円形となっている。このロール紙50は、大きく分けて芯材51及び用紙52により構成されている。
【0029】
芯材51は、例えば中心軸X50を中心とした中空の円筒形状に形成されており、その外径が比較的小さくなっている。この芯材51は、紙管とも呼ばれており、例えば紙材料により構成されると共に十分な厚さを有し、これにより容易に変型しないような十分な強度を有している。
【0030】
媒体としての用紙52は、短辺に対し長辺が極めて長く構成された長尺紙であり、所定の厚さを有している。因みに用紙52は、1枚の紙であっても良く、或いは、例えば裏面に粘着層が形成された複数の紙片を長尺の剥離紙の表面に整列して貼り付けた、いわゆるシール紙等であっても良い。この用紙52は、一方の短辺が芯材51における周側面に貼り付けられた上で、当該芯材51の周側面に対し螺旋状に巻き付けられる。これにより用紙52は、全体として、中心軸X50を中心とした螺旋状に巻回された、中空の円筒形状となる。またロール紙50は、両側のロール紙側面50Sが、中心軸X50に対して何れも垂直となっている。このようにロール紙50は、芯材51の周側面に用紙52が巻き付けられた構成であるため、
図4(B)に示すように、該用紙52の内径D2が芯材51の外径と同等であり、また外径D1が内径D2よりも大きい値となる。
【0031】
このロール紙50は、図示しない画像形成装置において、例えば芯材51に所定の棒状部品が挿通されることにより、回転可能に支持される。この状態において画像形成装置は、ロール紙50を適宜回転させながら、用紙52を外周側から順次引き剥がして印刷処理を行っていく。これによりロール紙50は、外径D1(すなわちロール紙側面50Sの直径)が徐々に小さくなっていく。
【0032】
やがて画像形成装置は、印刷処理が終了すると、例えば幅や厚さ、或いは紙質等が異なる他の用紙に印刷する場合に、ロール紙50が取り外され、他のロール紙等に交換される。このとき取り外されたロール紙50は、所定の棚等に載置され、保管される。
【0033】
[3.残量判別処理]
次に、携帯端末1によるロール紙50の残量判別処理について説明する。携帯端末1は、ユーザの操作によりロール紙50(
図4)のロール紙側面50Sを含む画像を撮影し、得られた画像等を基に、当該ロール紙50における用紙52の残量を算出する残量判別処理を行うようになっている。
【0034】
具体的に携帯端末1は、電源が投入されオペレーティングシステム等のソフトウェアが実行された状態において、ユーザからタッチパネル3(
図1)を介して所定の操作を受け付けると、残量判別アプリケーションを実行する。このとき携帯端末1の制御部11は、
図3に示した各機能ブロックを形成すると共に、
図5に示す残量判別処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
【0035】
ステップSP1において制御部11は、初期化部31(
図3)により、所定の初期化処理を行う。具体的に初期化部31は、初期化処理として、例えば表示処理部16(
図2)により、
図6(A)に示す表示画面60をタッチパネル3に表示させる。この表示画面60には、画面の上部から中央に渡る広い範囲に、以降の各処理に関する情報が表示された複数のアイコンが、上側から下側へ向けて順次配置されている。
【0036】
また表示画面60の下部には、ユーザに対する通知が表示される通知欄61が設けられている。この段階において、通知欄61には、例えば「開始アイコンをタッチしてください」のような文章が表示されており、ユーザに開始アイコン62をタッチするよう促している。制御部11は、操作処理部17(
図2)からの通知により、開始アイコン62がタッチ操作されたことを認識すると、次のステップSP2に移る。
【0037】
ステップSP2において制御部11は、画像取得処理及び傾斜検出処理を開始し、次のステップSP3に移る。このとき制御部11は、まず表示処理部16(
図2)により、
図6(B)に示す表示画面70をタッチパネル3に表示させる。この表示画面70には、現在の処理の内容やユーザがすべき作業を説明した説明欄71や、画像を表示する画像表示欄72等が設けられている。
【0038】
このうち説明欄71には、「水平な台にロール紙を立てた状態又は寝かせた状態とします。」といった文章が表示されている。このためロール紙50(
図4)は、
図7及び
図8に模式図を示すように、ユーザの作業により、所定の水平な台100の上に立てられた状態もしくは寝かされた状態とされる。ロール紙50は、水平な台100の上に立てられた場合(
図7)、中心軸X50を鉛直(すなわち水平面に対して垂直)とし、ロール紙側面50Sを水平とする。またロール紙50は、水平な台100の上に寝かされた場合(
図8)、中心軸X50を水平としロール紙側面50Sを鉛直とする。
【0039】
また制御部11は、撮像処理部32(
図3)によってカメラ部7の画像取得部25(
図2)を制御することにより、撮像範囲の2次元画像を生成する撮像処理を開始する。これにより撮像処理部32は、画像取得部25により所定の撮像周期(例えば1/30秒)ごとに2次元画像を順次生成し、当該2次元画像を表示画面70の画像表示欄72(
図6(B))に表示させると共に逐次更新させる。
【0040】
さらに制御部11は、水平・鉛直判定部33(
図3)によってセンサ部15(
図2)を制御することにより、当該センサ部15の3次元加速度センサやジャイロセンサ等から得られる種々の値を基に、携帯端末1の傾斜角度を検出する傾斜検出処理を開始する。因みに水平・鉛直判定部33は、例えば筐体2における背面2Bの仮想的な法線と鉛直方向とのなす角度を、携帯端末1の傾斜角度として検出する。
【0041】
ステップSP3において制御部11は、水平・鉛直判定部33(
図3)により、傾斜検出処理において検出された傾斜角度が水平又は鉛直であるか否かを判定する。具体的に制御部11は、
図7に示したように傾斜角度が0°から所定の誤差範囲内(例えば±0.5°の範囲内)の角度であれば水平と判定し、また
図8に示すように傾斜角度が90°から当該誤差範囲内の角度であれば鉛直と判定する。
【0042】
このステップSP3において否定結果が得られると、このことは筐体2の背面2B(すなわち撮像平面)が水平及び鉛直の何れでもなく、ロール紙側面50Sと平行ではないため、取得した画像からロール紙50における外径D1等を適切に計測できない恐れがあることを表している。このとき制御部11は、このステップSP3を繰り返し、ユーザにより筐体2の姿勢が様々に変化される間に傾斜角度が水平又は鉛直となるのを待ち受ける。
【0043】
一方、ステップSP3において肯定結果が得られると、このことは筐体2の背面2Bが水平又は鉛直となりロール紙側面50Sとほぼ平行となったため、取得した画像からロール紙50における外径D1等を適切に計測できる可能性が高いことを表している。以下、このときの携帯端末1の姿勢を撮像可能姿勢と呼ぶ。このとき制御部11は、次のステップSP4に移る。
【0044】
ステップSP4において制御部11は、傾斜検出処理を終了すると共に、最後に取得した2次元画像(以下これを側面画像又は媒体側面画像と呼ぶ)の画像データを記憶部12(
図2)に保存し、すなわち側面画像の撮像を完了し、次のステップSP5に移る。ステップSP5において制御部11は、距離計測処理部34(
図3)によってカメラ部7の距離取得部26(
図2)を制御することにより、この時点における当該距離取得部26の受光素子から撮像範囲の各部までの距離を表す距離データを取得して記憶部12に保存し、次のステップSP6に移る。
【0045】
ステップSP6において制御部11は、輪郭抽出部としての輪郭抽出処理部35(
図3)により、側面画像から輪郭を抽出する輪郭抽出処理を行い、次のステップSP7に移る。具体的に輪郭抽出処理部35は、例えば周知のSobelフィルタを使用した画像処理等を行うことにより、
図9に示すように、ロール紙50等の輪郭を抽出する。以下、このとき得られた画像を輪郭抽出画像と呼ぶ。
【0046】
ここで、側面画像が適切に撮影されていた場合、輪郭抽出画像には、概ね円形であり互いに大きさが異なる3個の閉じた曲線が、同心円状に現れることが期待される。この3個の閉じた曲線は、最も外側が用紙52における外側の輪郭を表し、その内側が当該用紙52における内側の輪郭を表すと共に芯材51における外側の輪郭を表し、最も内側が当該芯材51における内側の輪郭を表すことになる。
【0047】
ステップSP7において制御部11は、輪郭抽出画像において同心円状の3個の円を特定できるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはステップSP4において保存された側面画像がロール紙50の外径D1等の測定に適していないことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP8に移る。
【0048】
ステップSP8において制御部11は、表示処理部16(
図2)により、所定のエラー表示画面(図示せず)をタッチパネル3に表示させることにより、保存した画像から外径D1等を適切に測定できないため、再度画像を取得する必要があること等をユーザに伝える。その後、制御部11は、再度ステップSP2へ戻ることにより、一連の処理を繰り返す。
【0049】
一方、ステップSP7において肯定結果が得られると、このことは輪郭抽出画像において特定可能な同心円状の3個の円から、外径D1等を適切に測定(算出)し得ることを表している。このとき制御部11は、次のステップSP9に移る。また以下では、輪郭抽出画像における横方向及び縦方向をそれぞれX方向及びY方向とし、該輪郭抽出画像に現れた同心円状の3個の円について、外側から順に輪郭円C1、C2及びC3と呼ぶ。
【0050】
ステップSP9において制御部11は、径取得部36(
図3)により、輪郭抽出画像において、X方向及びY方向に沿ったロール紙50の外径D1及び内径D2をそれぞれ測定し、次のステップSP10に移る。具体的に径取得部36は、まず径測定処理部41(
図3)により、
図9に示すように、輪郭円C1について、輪郭抽出画像におけるX座標値が最小及び最大となる2点をそれぞれ外径点P1XA及びP1XBとし、また該輪郭抽出画像におけるY座標値が最小及び最大となる2点をそれぞれ外径点P1YA及びP1YBとする。以下では、外径点P1XA及びP1XBを結ぶ直線を外径線N1Xとし、また外径点P1YA及びP1YBを結ぶ直線を外径線N1Yとする。さらに、外径線N1X及び外径線N1Yの交点を、外径交点S1と呼ぶ。
【0051】
また径測定処理部41は、輪郭円C2についても、輪郭円C1の場合と同様に、輪郭抽出画像におけるX座標値が最小及び最大となる2点をそれぞれ内径点P2XA及びP2XBとし、また該輪郭抽出画像におけるY座標値が最小及び最大となる2点をそれぞれ内径点P2YA及びP2YBとする。続いて径測定処理部41は、ステップSP5において取得した距離データを基に、輪郭円C1上の外径点P1(P1XA、P1XB、P1YA及びP1YB)、並びに輪郭円C2上の内径点P2(P2XA、P2XB、P2YA及びP2YB)の3次元座標をそれぞれ取得する。
【0052】
さらに径測定処理部41は、
図10に示すように、輪郭円C1に関する各外径点P1の3次元座標を基に、外径線N1Xの長さ、すなわち外径点P1XA及びP1XBの距離を測定外径D1Xとして算出すると共に、外径線N1Yの長さ、すなわち外径点P1YA及びP1YBの距離を測定外径D1Yとして算出する。また径測定処理部41は、輪郭円C2に関する各内径点P2の3次元座標を基に、内径点P2XA及びP2XBの距離を算出して測定内径D2Xとし、内径点P2YA及びP2YBの距離を算出して測定内径D2Yとする。さらに径測定処理部41は、測定内径D2X及び測定内径D2Yのうち大きい方の値を内径D2に設定する。
【0053】
ステップSP10(
図5)において制御部11は、引き続き径取得部36により、測定外径のうち最大値及び最小値の差分、具体的には測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分を算出して外径差分ΔD1とし、次のステップSP11に移る。ステップSP11において制御部11は、径取得部36の径判定処理部42(
図3)により、測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分が所定の許容範囲内であるか否か、具体的には外径差分ΔD1が所定の閾値未満であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分が比較的大きいため、輪郭円C1を正円とは見なし得ないことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP12に移る。
【0054】
ここで
図11(A)及び(B)は、測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分が比較的大きくなった様子を表した模式図である。
図11(A)は、ロール紙50において用紙52の外周側部分が剥がれかけており、これに伴って一部の外径D1がやや大きい値となった状態を表している。また
図11(B)は、ロール紙50が重力や外力等の影響により所定方向にやや潰れてしまい、ロール紙側面50Sが楕円形となった状態を表している。
【0055】
ステップSP12(
図5)において制御部11は、表示処理部16(
図2)により、所定の外径差分異常画面(図示せず)をタッチパネル3に表示させ、次のステップSP13に移る。この外径差分異常画面には、外径差分ΔD1が比較的大きく異常と判定されたことが表示されると共に、外径D1の値を補正した上で用紙残量を算出するか、或いは用紙残量を算出しないかを問い合わせる内容が表示される。
【0056】
ステップSP13において制御部11は、ユーザから外径D1の値を補正する指示を受け付けたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはユーザから用紙残量の算出を行わない旨の意思が示されたことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP20に移る。
【0057】
一方、ステップSP13において肯定結果が得られると、このことはユーザに外径D1の値を補正した上で用紙残量の算出を行う旨の意思が示されたことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP14に移る。
【0058】
ここで、
図11(A)及び(B)とそれぞれ対応する
図12(A)及び(B)に示すように、外径交点S1を中心として点P1XA、P1XB、P1YA及びP1YBのうち最も近い点を通る仮想円VC1S及び最も遠い点を通る仮想円VC1Lをそれぞれ定義する。仮に、外径D1の値を短外径D1S以下の値に補正した場合、このことはロール紙50の外形を仮想円VC1Sと同等又はそれ以下と見なすことを意味する。一方、仮に外径D1の値を短外径D1Sよりも大きい値に補正した場合、このことはロール紙50の外形を仮想円VC1Sよりも大きいと見なすことを意味する。
【0059】
ロール紙50がセットされる画像形成装置(図示せず)では、印刷処理を行う場合、当該ロール紙50の最外周から用紙52を順次引き剥がし、所定の搬送速度で搬送しながら画像を印刷していく。しかしロール紙50は、上述したように、用紙52の末端が芯材51の周側面に貼り付けられている。このため画像形成装置では、仮にロール紙50から用紙52を全て引き剥がした場合、急に当該用紙52が停止し、当該用紙52に対して画像を適切に印刷できなくなる恐れがある。
【0060】
そこで画像形成装置では、使用するロール紙50における用紙52の残量(長さ)を予め設定しておくことにより、当該用紙52の末端まで引き剥がす前に印刷処理を終了させることが可能となる。このような理由から、ロール紙50の残量に関しては、実際の長さと同等以下の長さを算出することが望ましい。
【0061】
ステップSP14において制御部11は、径取得部36の径補正処理部43(
図3)により、外径D1の値を補正する外径補正処理を行い、次のステップSP15に移る。具体的に径補正処理部43は、表示処理部16(
図2)により、所定の外径補正画面(図示せず)をタッチパネル3に表示させる。
【0062】
この外径補正画面は、測定外径D1X及び測定外径D1Yの値がそれぞれ表示されると共に、ユーザに対し補正後の外径D1の値を数値により入力させるための入力欄等が設けられている。また外径補正画面には、補正に関するアドバイスとして、測定外径D1X及び測定外径D1Yのうち短い方の値(すなわち最小値、以下これを短外径D1Sと呼ぶ)又はそれ以下の値を補正値として推奨する旨が表示される。径補正処理部43は、ユーザから補正値が入力されると、当該補正値を外径D1に設定する。
【0063】
一方、ステップSP11(
図5)において肯定結果が得られると、このことは、測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分が比較的小さいため、輪郭円C1を正円と見なし得ることを表している。このとき制御部11は、測定外径D1X及び測定外径D1Yのうち小さい方の値を外径D1に設定し、次のステップSP15に移る。
【0064】
ステップSP15において制御部11は、表示処理部16(
図2)により、タッチパネル3に表示画面60(
図6(A))を再び表示させ、次のステップSP16に移る。このとき表示処理部16は、表示画面60の径表示アイコン63に外径D1及び内径D2の値をそれぞれ表示させる。
【0065】
ステップSP16において制御部11は、表示処理部16(
図2)により、表示画面60の通知欄61(
図6(A))に、例えば「用紙の厚さを入力してください」といった内容の文章を表示すると共に、用紙厚入力部37(
図3)により用紙厚の入力を受け付ける。これに応じてユーザは、例えばロール紙50の購入時の包装(図示せず)等を参照することにより用紙52の厚さを認識し、その値を数値により入力する。
【0066】
制御部11は、このとき入力された値を用紙厚TKに設定すると共に、当該用紙厚TKを、用紙厚入力部37により記憶部12(
図2)に記憶させる。さらに制御部11は、表示処理部16により表示画面60(
図6(A))の用紙厚アイコン64に表示させ、次のステップSP17に移る。
【0067】
ステップSP17において制御部11は、用紙残量算出部38(
図3)によりロール紙50における用紙52の残量を算出し、次のステップSP18に移る。具体的に用紙残量算出部38は、設定された外径D1及び内径D2の値、並びに入力された用紙厚TKの値を用い、次の(1)式に従った演算処理を行うことにより、用紙残量RMを算出する。因みに(1)式は、ロール紙50における用紙52のように、巻回されている部材の側面における面積及び厚さに基づいて長さ(残量)を算出するための、周知の演算式である。
【0068】
【0069】
ステップSP18において制御部11は、用紙残量表示処理部39(
図3)により、用紙残量RMをタッチパネル3に表示させ、次のステップSP19に移る。具体的に用紙残量表示処理部39は、表示処理部16(
図2)によりタッチパネル3に表示画面60(
図6(A))を再び表示させ、さらに該表示画面60の用紙残量表示アイコン65に用紙残量RMの値を表示させる。
【0070】
ステップSP19において制御部11は、用紙残量送信処理部40により、用紙残量RMを画像形成装置(図示せず)に送信し、次のステップSP20へ移る。具体的に用紙残量送信処理部40は、表示画面60(
図6(A))の送信先設定アイコン66がタッチされると、通信部13(
図2)を介して無線LANにより通信接続が可能な画像形成装置を検索し、得られた複数の画像形成装置の名称を所定の画像形成装置リスト(図示せず)としてタッチパネル3に表示させる。
【0071】
次に用紙残量送信処理部40は、操作処理部17(
図2)によりユーザのタッチ操作を受け付け、表示中の画像形成装置リストにおいてタッチされた画像形成装置が送信先として選択されたと判断する。続いて用紙残量送信処理部40は、表示処理部16(
図2)によりタッチパネル3に表示画面60(
図6(A))を再び表示させ、選択された画像形成装置の名称等を該表示画面60の送信先設定アイコン66に表示させる。
【0072】
その後、用紙残量送信処理部40は、表示画面60(
図6(A))の送信実行アイコン67がタッチされると、送信先の画像形成装置(図示せず)に対して用紙残量RMを送信し、次のステップSP20へ移る。これに応じて当該画像形成装置では、受信した用紙残量RMの値を残量として設定した上で、当該ロール紙50を使用した印刷処理を行う。
【0073】
ステップSP20において制御部11は、表示画面60(
図6(A))の終了アイコン68がタッチされると、該表示画面60を消去した後、残量判別処理手順RT1を終了する。
【0074】
[4.効果等]
以上の構成において、本実施の形態による携帯端末1は、ロール紙側面50Sを撮影した側面画像を生成すると共に距離データを取得し、これらを基にロール紙50の外径D1及び内径D2を算出し、入力された用紙厚TKと共に用紙残量RMを算出し、これを画像形成装置へ送信して残量の設定を行わせる。
【0075】
このため携帯端末1は、画像形成装置に対し、ロール紙50の用紙残量RMを正しく設定した上で、当該ロール紙50を使用した印刷処理を行わせることができる。これにより当該画像形成装置は、ロール紙50から用紙52の末端まで引き出すことなく、適切なタイミングで印刷処理を終了させることができ、印刷される画像の低下や、ショックの発生に起因する各部分の損傷や劣化等を、未然に防止できる。
【0076】
特に携帯端末1は、側面画像から用紙52における外側及び内側の輪郭をそれぞれ抽出し、各輪郭上において互いに対向する複数組の点を選択し、距離データを基に各点の3次元座標を認識し、この3次元座標から外径D1及び内径D2をそれぞれ算出する。このため携帯端末1は、ユーザに対し定規等の計測器具を用意させることや、該定規等を用いて用紙52の外径D1及び内径D2を計測させること等の煩わしい作業をさせることなく、容易に用紙残量RMを得ることができる。
【0077】
これを他の観点から見ると、携帯端末1は、ロール紙側面50Sを撮影した側面画像及び距離データを取得できれば用紙残量RMを算出できるため、特許文献1に開示されている構成のように、ロール紙50を画像形成装置にセットする必要が無い。これにより携帯端末1は、例えば印刷処理において必要な用紙52の長さ(残量)が予め判明している場合に、棚等に載置されている複数のロール紙50から適切なものを選定するといった作業を、極めて容易に且つ効率良く行わせることができる。
【0078】
ところで携帯端末1は、本来的にユーザにより容易に持ち運ばれるため、当該ユーザの意思に応じてその位置や姿勢を自在に変化させ得る反面、所定の位置や姿勢に合わせる場合に、当該ユーザによる繊細な作業が必要となる。すなわち携帯端末1は、本来であれば、ユーザに対し、筐体2の背面をロール紙側面50Sと平行に揃えさせ、さらに平行に揃った時点に合わせて撮影(すなわち画像の保存)を行わせる、といった困難な作業を行わせる必要があった。この点において、本実施の形態による携帯端末1は、筐体2の背面がロール紙側面50Sと平行に揃ったことを検出した時点で自動的に撮影を行うため、ユーザに対し当該筐体2の位置や姿勢の調整に集中させることができる。
【0079】
また携帯端末1は、ロール紙50が水平な台100等の上に立てられた状態又は寝かされた状態であることを前提に、当該携帯端末1の傾斜角度が水平又は鉛直となった時点でロール紙50の側面画像を撮影するようにした。これにより携帯端末1は、ロール紙50の姿勢や角度等を計測することなく、センサ部15の3次元加速度センサやジャイロセンサ等から得られる種々の値を基に、当該携帯端末1自体の傾斜角度を検出すれば良く、筐体2の背面とロール紙側面50Sとのなす角度を直接的に計測する必要が無い。
【0080】
また携帯端末1は、カメラ部7の画像取得部25(
図2)により得られる側面画像に加えて、距離取得部26により得られる距離データを基に、各外径点P1及び各内径点P2の3次元座標を得た上で、測定外径D1X及びD1Y、並びに測定内径D2X及びD2Yをそれぞれ算出するようにした。このため携帯端末1は、側面画像のみから算出する場合よりも極めて高い精度で、測定外径D1X及びD1Y、並びに測定内径D2X及びD2Yを算出することができる。これにより携帯端末1は、これらを用いて算出される用紙残量RMの精度も格段に高めることができる。
【0081】
さらに携帯端末1は、側面画像において互いに直交する2方向に関する用紙52の直径となる測定外径D1X及びD1Yをそれぞれ算出し、これらを基に外径D1を決定するようにした。また携帯端末1は、これと同様に測定内径D2X及びD2Yをそれぞれ算出し、これらを基に内径D2を決定するようにした。このため携帯端末1は、1方向のみの外径D1や内径D2を測定して直ちに採用する場合と比較して、当該外径D1及び内径D2の測定誤差を軽減でき、計測の精度を高めることができる。
【0082】
そのうえ携帯端末1は、測定外径D1X及びD1Yの差分である外径差分ΔD1が所定の閾値以上であった場合、所定の外径差分異常画面(図示せず)によりユーザに通知し、外径D1の値を補正した上で用紙残量を算出するか、或いは用紙残量を算出しないかを、当該ユーザに選択させるようにした。これにより携帯端末1は、外径差分ΔD1が比較的大きいために用紙残量RMの算出精度が低下することをユーザに認識させ得ると共に、そのうえで当該用紙残量RMを算出するか否かを当該ユーザに選択させることができる。
【0083】
さらに携帯端末1は、外径差分ΔD1が所定の閾値以上でありユーザにより用紙残量RMの算出が指示された場合、外径D1の補正値を当該ユーザに指定させるようにした。これにより携帯端末1は、ユーザの観点から妥当と考えられる外径D1を設定できるため、当該ユーザにとって信頼性の高い用紙残量RMを算出することができる。
【0084】
また携帯端末1は、外径差分ΔD1が所定の閾値未満であった場合、測定外径D1X及びD1Yのうち小さい方を外径D1に設定するようにした。その一方で携帯端末1は、測定内径D2X及びD2Yのうち大きい方を内径D2に設定するようにした。これにより携帯端末1は、用紙残量RMが実際よりも大きい(長い)値として算出されることを防止でき、画像形成装置において当該用紙残量RMに従って当該ロール紙50が使用される際に、用紙52の末端まで引き出されてしまうことを回避できる。
【0085】
以上の構成によれば、本実施の形態による携帯端末1は、ロール紙側面50Sを撮影した側面画像及び各部分までの距離データを基に、輪郭抽出等の画像処理を経てロール紙50の外径D1及び内径D2を算出し、これらと用紙厚TKとを用いて用紙残量RMを算出し、これを画像形成装置へ送信して残量の設定を行わせる。これにより携帯端末1は、画像形成装置にロール紙50の用紙残量RMを正しく設定させ、該ロール紙50から用紙52の末端まで引き出すことなく、適切なタイミングで印刷処理を終了させることができ、印刷される画像の低下や、ショックの発生に起因する各部分の損傷や劣化等を、未然に防止できる。
【0086】
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP4において、携帯端末1の傾斜角度が水平又は鉛直になった時点で、側面画像を自動的に撮像する(保存する)形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば順次得られる側面画像に対しステップSP6と同様の輪郭抽出処理を逐次行い、ロール紙50の外形に相当する部分が所定の外形条件を満たしており、且つ携帯端末1の傾斜角度が水平又は鉛直になった時点で、側面画像を保存しても良い。この場合、外形条件としては、例えば「ロール紙50の外形の全部分が側面画像内に収まっており、且つ側面画像の各辺から外形までの距離が所定の距離未満であること」等に設定することができる。
【0087】
また、側面画像を自動的に撮像する(保存する)のではなく、例えばタッチパネル3に所定のシャッターボタンを表示しておき、携帯端末1の傾斜角度が水平又は鉛直になった時点でユーザに通知し、当該ユーザに当該シャッターボタンがタッチ操作された時点で画像を撮像しても良い。この場合、通知の手段としては、例えばタッチパネル3に所定のマーク等を表示し、或いはスピーカ4から所定の通知音を再生し、若しくは内蔵するバイブレータ(図示せず)を動作させる等、周知の種々の通知手段を利用することができる。これにより、例えばユーザの判断により携帯端末1とロール紙50との距離を適切に合わせた時点で、すなわちロール紙側面50Sが撮像範囲内において十分に大きく、且つはみ出すことなく収まった状態で、側面画像を撮像させることができる。
【0088】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末1の傾斜角度が水平になった場合、及び鉛直になった場合の何れにおいても側面画像を撮像する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば携帯端末1の傾斜角度が水平になった場合、又は鉛直になった場合の何れか一方のみ、側面画像を撮像するようにしても良い。
【0089】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP4において、周知のSobelフィルタを使用した画像処理等を行うことによりロール紙50等の輪郭を抽出する形態について述べた(
図9)。しかし本発明はこれに限らず、例えばラプラシアンフィルタやキャニーフィルタ等、種々のフィルタを使用した画像処理によりロール紙50の輪郭を抽出しても良い。
【0090】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP5において、カメラ部7の距離取得部26により距離データを取得しておき、後のステップSP9において、該距離データを用い、輪郭円C1上の外径点P1及び輪郭円C2上の内径点P2の3次元座標をそれぞれ取得し、外径D1等を算出する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば複数の位置から撮像された複数の2次元画像を基に各部分の長さ等を算出し、これを基に外径D1等を算出しても良い。
【0091】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP9において、側面画像における横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)といった2方向に沿った2箇所の測定外径(測定外径D1X及び測定外径D1Y)を測定する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば測定外径D1X及び測定外径D1Yの何れか一方のみを測定しても良く、或いは斜め方向等も加えた3以上の方向に沿った3箇所以上の測定外径を測定しても良い。この場合、ステップSP10において算出する外径差分ΔD1については、例えば複数の測定外径のうち最大値及び最小値の差分を採用することができる。
【0092】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP9において、X座標値及びY座標値がそれぞれ最小及び最大となる4箇所の点をそれぞれ外径点P1とし、これらを結ぶ直線を測定外径D1X等とする形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば輪郭円C1おいて互いに離れた任意の3点を外径点として設定し、これらから等距離となる点を外径中心点として、当該外径中心点から各外径点までの距離を2倍した値をそれぞれ測定外径としても良い。或いは、輪郭円C2上又は輪郭円C3上において3箇所の内径点を設定し、等距離となる点を内径中心点とし、この内径中心点から各外径点までの距離を2倍した値をそれぞれ測定外径としても良い。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP7において、側面画像から3個の輪郭円C1、C2及びC3を特定できた場合にのみ、以降の処理において外径点P1等の設定や測定外径D1X等の算出を行う形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば3個の輪郭円C1、C2及びC3のうち一部分のみが含まれ、他の部分が映っていない画像を側面画像として採用しても良い。この場合、例えば側面画像に用紙52の外径と見なし得る部分が含まれていれば、これを測定外径としても良い。或いは、上述した形態と同様に、円周上の任意の3点を外径点として設定し、これらから等距離となる点を外径中心点として、当該外径中心点から各外径点までの距離を2倍した値をそれぞれ測定外径としても良い。
【0094】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP10及びSP11において、測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分である外径差分ΔD1が所定の閾値以上であった場合に、異常と判定する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば測定外径D1X及び測定外径D1Yの比率等、測定外径D1X及び測定外径D1Yに関する種々の指標を用いて異常か否かを判定しても良い。
【0095】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP11~SP14において、外径差分ΔD1が所定の閾値以上であった場合に異常と判定し、ユーザに入力された値に外径D1を補正する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばタッチパネル3に表示される外径補正画面(図示せず)に増加ボタン及び減少ボタンを表示し、これらに対するタッチ操作に基づき外径D1の値を増加又は減少させても良く、或いは側面画像上においてユーザにタッチされた位置に基づき外径D1の値を設定させても良い。すなわち、種々の操作手法により外径D1の値をユーザに設定させることができる。或いは、ユーザに設定させるのではなく、例えば測定外径D1X及び測定外径D1Yのうち小さいものを自動的に外径D1として設定しても良い。
【0096】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP11~SP14において、外径差分ΔD1が所定の閾値以上であった場合に異常と判定して補正し、ロール紙側面50Sの外形を正円とした上で、円の面積を利用した(1)式により用紙残量RMを算出する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばロール紙側面50Sの外形を楕円と見なし、次の(2)式のように楕円の面積を利用した演算処理を行い、用紙残量RMを算出しても良い。
【0097】
【0098】
また、例えば画像形成装置において測定外径D1X及び測定外径D1Yの差分(すなわち外径差分ΔD1)又は比率に関する許容範囲(閾値)が定められている場合に、当該差分又は当該比率と当該閾値との比較結果を基に、当該ロール紙50が当該画像形成装置において使用可能か否かをユーザに通知しても良い。この場合の通知手段としては、例えばタッチパネル3に対するメッセージや図形等による表示や所定の警告音の出力としても良く、或いは所定の宛先に電子メール等を送信しても良い。
【0099】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP11において肯定結果が得られた場合に、測定外径D1X及び測定外径D1Yのうち小さい方の値を外径D1に設定する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば測定外径D1X及び測定外径D1Yの平均値(中間値)を外径D1に設定する等、測定外径D1X及び測定外径D1Yに基づいた種々の値を外径D1に設定しても良い。また、例えば測定内径D2X及び測定内径D2Yの平均値(中間値)を内径D2に設定する等、測定内径D2X及び測定内径D2Yに基づいた種々の値を内径D2に設定しても良い。
【0100】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP16において、用紙厚TKの数値をユーザに入力させる形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばロール紙50の製造メーカ名や型番等と用紙厚との関係が格納されたデータベースを記憶部12(
図2)に予め記憶させておき、ユーザに製造メーカ名や型番等を入力又は選択させ、入力又は選択された型番等と対応する用紙厚を当該データベースから読み出して採用しても良い。或いは、当該データベースを所定のサーバ装置等に記憶させておき、通信部13(
図2)を介して当該サーバ装置へアクセスすることにより、同様に型番等と対応する用紙厚を取得しても良い。また、例えばロール紙50の芯材51における側面部分等に、用紙厚を符号化したバーコードや2次元コード等を予め印刷しておき、撮影した側面画像等からこれらを読み取るようにしても良い。或いは、例えば用紙厚を記憶したRFID(Radio Frequency IDentification)タグを芯材51に埋め込んでおき、所定の読取装置を使用して当該RFIDタグの値を読み取るようにしても良い。
【0101】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP19において、通信部13(
図2)の無線LANにより用紙残量を画像形成装置へ送信する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠したケーブルを使用した有線通信手段、或いはBluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等の規格に準拠した無線通信手段等、種々の通信手段により用紙残量を画像形成装置へ送信しても良い。或いは、例えばステップSP18においてタッチパネル3に用紙残量を表示した際に、ユーザに画像形成装置(図示せず)の操作部等を操作させ、当該用紙残量の値を入力させても良い。この場合、ステップSP19の処理を省略できる。
【0102】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP19において、通信部13により通信接続が可能な画像形成装置を検索してリスト化した画像形成装置リストを表示し、ユーザに選択された画像形成装置を送信先とする形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば送信先の画像形成装置に関する情報を記憶部12に予め記憶させておいても良い。或いは、例えば画像形成装置のネットワーク上における名称やアドレス等をユーザに入力させても良い。
【0103】
さらに上述した実施の形態においては、残量判別処理手順RT1(
図5)のステップSP6における輪郭抽出処理やステップSP9における外径等の測定処理等を携帯端末1の制御部11に形成された各機能ブロック(
図3)において実行する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば通信部13を介して接続可能なサーバ装置(図示せず)を設け、必要な各種データ等を携帯端末1から当該サーバ装置へ送信し、輪郭抽出処理や外径等の測定処理等のうち少なくとも一部を当該サーバ装置において実行させ、得られた処理結果を当該サーバ装置から携帯端末1へ送信させても良い。これにより、携帯端末1の処理負荷を軽減させることができる。
【0104】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末1をスマートフォンとして構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば携帯端末1をタブレット端末や腕時計型携帯端末、或いはノート型コンピュータ装置等、種々の情報処理装置としても良い。これらの場合、カメラ部7によりロール紙50の側面画像及び距離データを取得できれば良い。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末1の制御部11(
図2)において所定のプログラムを実行することにより、初期化部31(
図3)等の各ブロックをソフトウェアによる機能ブロックとして構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、初期化部31等の一部又は全部を、ハードウェアにより構成しても良く、或いはハードウェア及びソフトウェアの協働により実現しても良い。
【0106】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末1の記憶部12(
図2)に予め記憶されている所定のプログラムを、制御部11が読み出して実行する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば通信部13を介して通信接続が可能な所定のサーバ装置(図示せず)から取得することにより、或いはUSBメモリのような着脱可能な記憶媒体から読み出すことにより、制御部11が当該プログラムを実行しても良い。
【0107】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0108】
さらに上述した実施の形態においては、画像取得部としての画像取得部25と、径測定部としての径取得部36と、厚さ取得部としての用紙厚入力部37と、残量算出部としての用紙残量算出部38とによって情報処理装置としての携帯端末1を構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる画像取得部と、径測定部と、厚さ取得部と、残量算出部とによって情報処理装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、画像形成装置において使用するロール紙の残量を情報処理装置により取得する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0110】
1……携帯端末、2……筐体、2B……背面、3……タッチパネル、7……カメラ部、11……制御部、12……記憶部、13……通信部、15……センサ部、16……表示処理部、17……操作処理部、21……CPU、22……ROM、23……RAM、25……画像取得部、26……距離取得部、31……初期化部、32……撮像処理部、33……鉛直判定部、34……距離計測処理部、35……輪郭抽出処理部、36……径取得部、37……用紙厚入力部、38……用紙残量算出部、39……用紙残量表示処理部、40……用紙残量送信処理部、41……径測定処理部、42……径判定処理部、43……径補正処理部、50……ロール紙、50S……ロール紙側面、51……芯材、52……用紙、C1、C2、C3……輪郭円、D1……外径、D1X、D1Y……測定外径、D2……内径、D2X、D2Y……測定内径、N1X、N1Y……外径線、P1、P1XA、P1XB、P1YA、P1YB……外径点、P2、P2XA、P2XB、P2YA、P2YB……内径点、RM……用紙残量、S1……外径交点、TK……用紙厚、X50……中心軸、ΔD1……外径差分。