(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081011
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 23/00 20060101AFI20240610BHJP
H01H 23/30 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
H01H23/00 S
H01H23/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194414
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼児島 理香
(72)【発明者】
【氏名】野村 英貴
(72)【発明者】
【氏名】村田 健二
(72)【発明者】
【氏名】竹内 元哉
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035CA04
5G035CB04
5G035PA02
(57)【要約】
【課題】スイッチ装置の省スペース性を高める。
【解決手段】
スイッチ装置1は、第一被操作部11と第二被操作部12と第三被操作部13とを備える。第一被操作部11は、開口部Oの開度を変更する開閉体111を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている。第二被操作部12は、開閉体111を第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている。第三被操作部13は、開閉体111および開口部Oを通過する光量を変化させる操作を受け付けるように構成されている。第一被操作部11は、第三被操作部13から見て第一方向に配置されている。第二被操作部12は、第三被操作部13から見て第二方向に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の開度を変更する開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開閉体および前記開口部を通過する光量を変化させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている、
スイッチ装置。
【請求項2】
前記第三被操作部は、前記第二方向に沿って前記開閉体と並ぶように配置された調光体を変位させる操作を受け付けるように構成されている、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
開口部の開度を変更する第一開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記第一開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開口部の開度を変更するように変位可能な第二開閉体に対して前記第一方向および前記第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている、
スイッチ装置。
【請求項4】
前記第三被操作部は、前記第一被操作部と前記第二被操作部の各々に対する操作とは異なる方向への操作を受け付けるように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第一被操作部、前記第二被操作部、および、前記第三被操作部は、一体的に形成されており、
前記第三被操作部は、前記第一被操作部または前記第二被操作部への操作に応じて、回動軸を中心として回動可能とされている、
請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第一被操作部と前記第二被操作部の各々は、前記第三被操作部に対して前記異なる方向に相対的に変位可能に構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記第三被操作部は、その表面を前記第一方向または前記第二方向になぞることによって前記調光体を変位させる方向が前記第一方向であるか前記第二方向であるかを指定する第一操作と、当該第一操作とは異なる態様で前記調光体に変位の開始と停止の少なくとも一方を行なわせる第二操作と、を受け付けるように構成されている、
請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記第三被操作部は、その表面を前記第一方向または前記第二方向になぞることによって前記第二開閉体を変位させる方向が前記第一方向であるか前記第二方向であるかを指定する第一操作と、当該第一操作とは異なる態様で前記第二開閉体に変位の開始と停止の少なくとも一方を行わせる第二操作と、を受け付けるように構成されている、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
移動体に搭載されるように構成されている、請求項1または3に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ルーフガラスおよびサンシェードを備える車両に搭載されるスイッチ装置が開示されている。当該スイッチ装置は、第一スイッチと第二スイッチを備えている。第一スイッチは、ルーフガラスをスライドさせて当該車両のルーフ部に設けられた開口部の開度を変更する操作を受け付けるように構成されている。第二スイッチは、サンシェードをスライドさせてルーフガラスを透過する光量を変更する操作を受け付けるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチ装置の省スペース性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、スイッチ装置であって、
開口部の開度を変更する開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開閉体および前記開口部を通過する光量を変化させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている。
【0006】
上記のような構成によれば、開閉体に開口部の開度を変化させる操作を受け付ける第一被操作部および第二被操作部と、開閉体と開口部とを通過する光量を変化させる操作を受け付ける第三被操作部とを備えるスイッチ装置の省スペース性を高めることができる。具体的には、第一被操作部、第二被操作部、および第三被操作部の第一方向および第二方向と交差する方向における占有面積の増大を抑制できる。これにより、スイッチ装置が装着されうる領域が限られている場合であっても、スイッチ装置のレイアウト自由度を高めることができる。
【0007】
本開示により提供される態様例の一つは、スイッチ装置であって、
開口部の開度を変更する第一開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記第一開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開口部の開度を変更するように変位可能な第二開閉体に対して前記第一方向および前記第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている。
【0008】
上記のような構成によれば、二つの開閉体に開口部の開度を変化させる操作を受け付ける第一被操作部、第二被操作部、および第三被操作部を備えるスイッチ装置の省スペース性を高めることができる。具体的には、第一被操作部、第二被操作部、および第三被操作部の第一方向および第二方向と交差する方向における占有面積の増大を抑制できる。これにより、スイッチ装置が装着されうる領域が限られている場合であっても、スイッチ装置のレイアウト自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るスイッチ装置が搭載される車両の車室を例示している。
【
図2】
図2は、
図1のスイッチ装置の機能構成を例示している。
【
図3】
図3は、
図1のスイッチ装置における被操作部材を平面視した外観を例示している。
【
図4】
図4は、
図3における矢印IVの方向から見た被操作部材の外観を例示している。
【
図5】
図5は、別例に係る被操作部材の構成を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態例について添付の図面を参照しながら説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜に変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係る、車両100に搭載されるスイッチ装置1を例示している。
図2は、スイッチ装置1の機能構成を例示している。
図3は、車両100内部から見たスイッチ装置1を例示している。
図1と
図3において、矢印Fは、車両100の前方向を示している。矢印Bは、車両100の後方向を示している。
【0012】
本明細書で用いられる「前後方向」という語は、上記の前方向と後方向に沿う方向を意味している。
【0013】
スイッチ装置1は、天井110に装着されている。車両100は、移動体の一例である。換言すると、スイッチ装置1は、天井110に支持されている。天井110は、支持体の一例である。天井110には開口部Oが形成されている。
【0014】
車両100には、ルーフガラス111が搭載されている。ルーフガラス111は、開口部Oを覆うように配置されている。ルーフガラス111は、不図示の駆動機構の動作を通じて前後方向に変位可能である。ルーフガラス111は、前後方向に変位することにより、開口部Oの開度を変更可能である。ルーフガラス111は、開閉体の一例である。
【0015】
車両100には、サンシェード112が搭載されている。サンシェード112は、ルーフガラス111および開口部Oを覆うように配置されている。ルーフガラス111は、不図示の駆動機構の動作を通じて前後方向に変位可能である。サンシェード112は、ルーフガラス111よりも低い可視光の透過率を有している。サンシェード112は、前後方向に変位することにより、開口部Oおよびルーフガラス111を通過する光量を変化させることができる。サンシェード112は、調光体の一例である。
【0016】
スイッチ装置1は、被操作部材10を備えている。被操作部材10は、車両100の乗員の指などによる操作を受け付けるように構成されている。被操作部材10は、第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13を含んでいる。第一被操作部11は、ルーフガラス111を前方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている。第二被操作部12は、ルーフガラス111を後方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている。第三被操作部13は、サンシェード112を前後方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている。前方向は、第一方向の一例である。後方向は、第二方向の一例である。
【0017】
スイッチ装置1は、第一検出部21、第二検出部22、および第三検出部23を備えている。第一検出部21は、第一被操作部11に対する乗員による操作に対応する第一検出信号D1を制御部30に出力するように構成されている。第二検出部22は、第二被操作部12に対する乗員による操作に対応する第二検出信号D2を制御部30に出力するように構成されている。第三検出部23は、第三被操作部13に対する乗員による操作に対応する第三検出信号D3を制御部30に出力するように構成されている。第一検出信号D1、第二検出信号D2、および、第三検出信号D3の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0018】
スイッチ装置1は、さらに、制御部30を備えている。制御部30は、入力インタフェース31、プロセッサ32、および出力インタフェース33を備えている。入力インタフェース31は、第一検出信号D1、第二検出信号D2、および第三検出信号D3を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一検出信号D1、第二検出信号D2、および第三検出信号D3の少なくとも一つがアナログ信号である場合、入力インタフェース31は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0019】
プロセッサ32は、入力インタフェース31により受け付けられた第一検出信号D1が所定の操作に対応していると判断すると、出力インタフェース33に第一制御信号C1を出力させるように構成されている。プロセッサ32は、入力インタフェース31により受け付けられた第二検出信号D2が所定の操作に対応していると判断すると、出力インタフェース33に第二制御信号C2を出力させるように構成されている。プロセッサ32は、入力インタフェース31により受け付けられた第三検出信号D3が所定の操作に対応していると判断すると、出力インタフェース33に第三制御信号C3を出力させるように構成されている。
【0020】
第一制御信号C1、第二制御信号C2、および第三制御信号C3の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。出力インタフェース33は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。第一制御信号C1、第二制御信号C2、および第三制御信号C3の少なくとも一つがアナログ信号である場合、出力インタフェース33は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0021】
第一制御信号C1は、不図示の駆動機構にルーフガラス111を前方向へ変位させるように構成されている。第二制御信号C2は、不図示の駆動機構にルーフガラス111を後方向へ変位させるように構成されている。第三制御信号C3は、不図示の駆動機構にサンシェード112を前方向あるいは後方向へ変位させるように構成されている。
【0022】
図2と
図3に例示されるように、第一被操作部11は、第三被操作部13から見て前方向に配置されている。第二被操作部12は、第三被操作部13から見て後方向に配置されている。換言すると、第一被操作部11、第三被操作部13、および第二被操作部12は、この順に前後方向に一列に並んで配置されている。
【0023】
このような構成によれば、ルーフガラス111に開口部Oの開度を変化させる操作を受け付ける第一被操作部11および第二被操作部12と、サンシェード112にルーフガラス111と開口部Oを通過する光量を変化させる操作を受け付ける第三被操作部13とを備えるスイッチ装置1の省スペース性を高めることができる。具体的には、第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13の第一方向および第二方向と交差する方向における占有面積の増大を抑制できる。これにより、スイッチ装置1が装着されうる領域が限られている車両100において、スイッチ装置1のレイアウト自由度を高めることができる。
【0024】
本実施形態においては、サンシェード112は、前後方向の変位により開口部Oの開度を変更可能である。換言すると、開口部Oの開度は、二つの開閉体によって変更可能とされている。この観点に基づく場合、ルーフガラス111は、第一開閉体の一例になりうる。サンシェード112は、第二開閉体の一例になりうる。
【0025】
すなわち、二つの開閉体であるルーフガラス111およびサンシェード112に開口部Oの開度を変化させる操作を受け付ける第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13を備えるスイッチ装置1の省スペース性を高めることができる。具体的には、第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13の第一方向および第二方向と交差する方向における占有面積の増大を抑制できる。これにより、スイッチ装置1が装着されうる領域が限られている車両100において、スイッチ装置1のレイアウト自由度を高めることができる。
【0026】
図4は、
図3における矢印IVの方向から見た被操作部材10の外観を例示している。第三被操作部13は、第一被操作部11および第二被操作部12に対する操作とは異なる方向の操作を受け付けるように構成されている。
【0027】
第一被操作部11は、押し込み操作である操作O1を受け付けるように構成されている。第二被操作部12は、操作O1と同じ方向の押し込み操作である操作O2を受け付けるように構成されている。
【0028】
第三被操作部13は、第一被操作部11と第二被操作部12の各々に対する操作とは異なる方向への操作を受け付けるように構成されている。具体的には、第三被操作部13は、指等の乗員の身体の一部の接近または接触を検出することにより乗員の操作を受け付け可能に構成されている。第三被操作部13は、その表面を指などで前方向または後方向になぞる操作である操作O3を受け付けるように構成されている。
【0029】
このような構成によれば、ルーフガラス111を変位させる操作とサンシェード112を変位させる操作とが操作の方向により明確に区別されるので、ルーフガラス111とサンシェード112の双方の変位を共通のスイッチ装置1で制御できる構成でありながら、操作の混同が生じる可能性を抑制できる。
【0030】
また、第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13は、一体的に形成されている。被操作部材10は、第一被操作部11および第二被操作部12への操作に応じて、回転軸14を中心に回動可能とされている。すなわち、スイッチ装置1は、シーソースイッチとして構成されている。
【0031】
このような構成によれば、スイッチ装置1における相違する方向の操作を受け付け可能にするための部品点数を低減できる。また、スイッチ装置1の意匠性が向上する。
【0032】
第三被操作部13は、二種類の操作を受け付けるように構成されている。具体的には、第三被操作部13は、その表面を指などで第一方向または第二方向になぞる操作である操作O3と、操作O3とは異なる態様でサンシェード112の変位の開始と停止の少なくとも一方を行わせる操作O4と、を受け付けるように構成されている。本実施形態において、操作O4は、第三被操作部13の表面を軽く叩くように触れるタップ操作である。タップ動作がなされる場所は任意である。操作O3が行なわれた場合と操作O4が行なわれた場合とで第三検出部23から出力される第三検出信号D3の状態が相違する。
【0033】
制御部30のプロセッサ32は、入力インタフェース31に入力された第三検出信号D3に基づいて第三被操作部13になされた操作O3の方向を判断するように構成されている。具体的には、プロセッサ32は、第三検出信号D3に対応する被操作位置の変化方向に基づいて、サンシェード112を前方向に変位させるか後方向に変位させるかを指定する。
【0034】
続いて、プロセッサ32は、操作O4に対応する第三検出信号D3が入力インタフェース31に入力されたと判断すると、指定した方向へのサンシェード112の変位を開始させる第二制御信号C2を出力インタフェース33から出力する。プロセッサ32は、再度操作O4が行われたことを検出すると、サンシェード112の変位を停止させる。換言すると、操作O4により、サンシェード112の変位量が確定する。操作O3は第一操作の一例である。操作O4は第二操作の一例である。
【0035】
操作O3だけでサンシェード112の変位量を調節させようとすると、良好な操作性のために第三被操作部13の長さ寸法を確保する必要が生じる。しかしながら、上記の構成によれば、サンシェード112は、変位する方向を決定する操作O3と変位量を確定する操作O4とによって操作される。これにより、第三被操作部13の長さ寸法の増大を抑制できるので、省スペース性と操作性が両立されたスイッチ装置1を提供できる。
【0036】
図5は、別例に係る被操作部材10の外観を示している。本例においては、第一被操作部11、第二被操作部12、および第三被操作部13は、それぞれが別部材として提供されている。これにより、第一被操作部11および第二被操作部12は、それぞれ第三被操作部13に対して相対的に変位するように構成されている。換言すると、第一被操作部11に対する押し込み操作である操作O1が行われても、第二被操作部12および第三被操作部13は変位しない。同様に、第二被操作部12に対する押し込み操作である操作O2が行われても、第一被操作部11および第三被操作部13は変位しない。
【0037】
このような構成によれば、第一被操作部11と第二被操作部12の各々に対する操作に伴う変位を、第三被操作部13から独立させることできるので、特定の被操作部に対する操作の影響が意図せず他の被操作部に及ぶ事態の発生を抑制できる。
【0038】
上記のような各種の機能を有するプロセッサ32は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。
【0039】
プロセッサ32は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されてもよい。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、各種の機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。
【0040】
プロセッサ32は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0041】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがなされうる。
【0042】
上記の実施形態においては、スイッチ装置1によって開閉体と調光体が変位され、調光体によって開口部および開閉体を通過する光量が変更されている。しかしながら、調光体は必ずしも変位されなくてもよい。例えば、サンシェード112の代わりに調光ガラスが採用されうる。調光ガラスは、例えば、印加される電圧に応じて、可視光の透過率が変化するガラスである。この場合、調光ガラスは、第二被操作部に対する操作によって変位されなくてもよい。第二被操作部12が操作されると、制御部30は、調光ガラスに印加される電圧を変化させて、開口部Oおよびルーフガラス111を通過する光量を変化させる。この場合、ルーフガラス111は、開閉体の一例であり、調光ガラスは、調光体の一例である。
【0043】
上記の実施形態においては、スイッチ装置1によって二つの開閉体が変位され、一方の開閉体によって開口部および他方の開閉体を通過する光量が変更されている。しかしながら、開口部および開閉体を通過する光量を変更可能であれば、必ずしも開閉体が二つであることを要しない。例えば、ルーフガラス111は調光ガラスでありうる。この場合、第二被操作部12が操作されると、制御部30は、調光ガラスに印加される電圧を変化させて、開口部Oおよびルーフガラス111を通過する光量を変化させる。この場合、ルーフガラス111は、開閉体の一例であり、かつ調光体の一例である。
【0044】
また、開閉体と調光体とは、一体的に形成されていてもよい。例えば、開口部の開度を変更するように構成された一枚の調光ガラスが、開閉体としての機能と調光体としての機能を兼ね備えていてもよい。第一被操作部が操作されると、制御部は、調光ガラスを変位させて開口部の開度を変更させてもよい。第二被操作部が操作されると、制御部は、調光ガラスに印加する電圧を変化させて、調光ガラスの光の透過率を変化させてもよい。
【0045】
さらに、必ずしも、スイッチ装置は、開口部および開閉体を通過する光の光量を変化させる調光体に対する操作を受け付けるように構成されていなくてもよい。例えば、本開示のスイッチ装置が二重窓に対して適用され、一方の窓に対する操作は第一被操作部が受け付けるように、他方の窓に対する操作は第二被操作部が受け付けるように構成されてもよい。
【0046】
上記の実施形態において、スイッチ装置1はシーソースイッチとして構成されている。被操作部材10は、第一被操作部11および第二被操作部12への操作に応じて、回転軸14を中心に回動可能とされている。しかしながら、被操作部材10は、回転軸14を備える例示に限定されない。例えば、被操作部材のたわみ変形によって、操作を受け付けるようにスイッチ装置が構成されていてもよい。たわみ変形によって入力を受け付ける部分は、第一被操作部および第二被操作部だけであってもよく、被操作部材全体がたわみ変形することで、第一被操作部、第二被操作部、および第三被操作部に対する操作を受け付けるように構成されていてもよい。
【0047】
また、被操作部材10が受け付ける操作の別例は、被操作部材10の変位やたわみ変形による操作に限定されない。例えば、被操作部材が感圧センサを備える場合、被操作部材の変位や被操作部材のたわみ変形がなくとも操作位置が特定されるため、第一被操作部、第二被操作部、および第三被操作部は、各被操作部に対する操作を受け付けることができる。
【0048】
さらに、第三被操作部13は、その表面を指等でなぞる操作である「なぞり操作」の代わりに、その表面を指等で第一方向または第二方向に弾く操作である「フリック操作」を受け付けるように構成されていてもよい。「なぞり操作」は、第三被操作部13の表面において指等の接触位置が閾値未満の速度で変化する操作であってもよい。「フリック操作」は、第三被操作部13の表面において指等の接触位置が閾値以上の速度で変化する操作であってもよい。第三被操作部13は、「なぞり操作」と「フリック操作」のどちらか一方だけを受け付けるように構成されてもよく、また、「なぞり操作」と「フリック操作」のどちらの操作も受け付けるように構成されていてもよい。
【0049】
上記の実施形態においては、スイッチ装置1は、車両100の天井110に装着されている。この場合、第一被操作部11と第二被操作部12が並ぶ第一方向と、ルーフガラス111とサンシェード112が並ぶ第二方向とは、概ね一致している。しかしながら、例えば、スイッチ装置は、車両の側壁面やコンソールボックスに設けられてもよい。すなわち、側壁面やコンソールボックスは、支持体の一例になりうる。この場合、上記の第一方向と第二方法とは相違しうる。
【0050】
スイッチ装置1は、車両100以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0051】
スイッチ装置1は、必ずしも移動体に搭載されることを要しない。例えば、スイッチ装置1は、住宅や施設内に設けられた開口部の開度を変更する開閉体や当該開閉体と当該開口部を通過する光量を変更する調光体の動作を制御するように構成されてもよい。そのような開閉体と調光体との組み合わせの例としては、窓とブラインドが挙げられる。
【0052】
なお、スイッチ装置1により変位される二つの開閉体の一方は、必ずしも調光機能を備えることを要しない。例えば、第一被操作部11は、二重窓を構成する第一の窓に開口部の開度を変更させるように構成されうる。第二被操作部12は、当該二重窓を構成する第二の窓に当該開口部の開度を変更させるように構成されうる。この場合、第一の窓は、第一開閉体の一例である。第二の窓は、第二開閉体の一例である。
【0053】
以下に列挙される構成もまた、本開示の一部を構成する。
(1):
開口部の開度を変更する開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開閉体および前記開口部を通過する光量を変化させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている、
スイッチ装置。
(2):
前記第三被操作部は、前記第二方向に沿って前記開閉体と並ぶように配置された調光体を変位させる操作を受け付けるように構成されている、
請求項1に記載のスイッチ装置。
請求項1に記載のスイッチ装置。
(3):
開口部の開度を変更する第一開閉体を第一方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第一被操作部と、
前記第一開閉体を前記第一方向とは逆の第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第二被操作部と、
前記開口部の開度を変更するように変位可能な第二開閉体に対して前記第一方向および前記第二方向に変位させる操作を受け付けるように構成されている第三被操作部と、
を備えており、
前記第一被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第一方向に配置されており、
前記第二被操作部は、前記第三被操作部から見て前記第二方向に配置されている、
スイッチ装置。
(4):
前記第三被操作部は、前記第一被操作部と前記第二被操作部の各々に対する操作とは異なる方向への操作を受け付けるように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
(5):
前記第一被操作部、前記第二被操作部、および、前記第三被操作部は、一体的に形成されており、
前記第三被操作部は、前記第一被操作部または前記第二被操作部への操作に応じて、回動軸を中心として回動可能とされている、
請求項4に記載のスイッチ装置。
(6):
前記第一被操作部と前記第二被操作部の各々は、前記第三被操作部に対して前記異なる方向に相対的に変位可能に構成されている、
請求項4に記載のスイッチ装置。
(7):
前記第三被操作部は、その表面を前記第一方向または前記第二方向になぞることによって前記調光体を変位させる方向が前記第一方向であるか前記第二方向であるかを指定する第一操作と、当該第一操作とは異なる態様で前記調光体に変位の開始と停止の少なくとも一方を行なわせる第二操作と、を受け付けるように構成されている、
請求項2に記載のスイッチ装置。
(8):
前記第三被操作部は、その表面を前記第一方向または前記第二方向になぞることによって前記第二開閉体を変位させる方向が前記第一方向であるか前記第二方向であるかを指定する第一操作と、当該第一操作とは異なる態様で前記第二開閉体に変位の開始と停止の少なくとも一方を行わせる第二操作と、を受け付けるように構成されている、
請求項3に記載のスイッチ装置。
(9):
移動体に搭載されるように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【符号の説明】
【0054】
1 スイッチ装置、11 第一被操作部、12 第二被操作部、13 第三被操作部、14 回転軸、30 制御部、100 車両、110 天井、111 ルーフガラス、112 サンシェード、O 開口部