(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081018
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】計測器、ガス検知方法及びガス検知システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/61 20060101AFI20240610BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G01N21/61
G08B21/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194424
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】503063168
【氏名又は名称】東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】安部 健
(72)【発明者】
【氏名】原 毅
【テーマコード(参考)】
2G059
5C086
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC04
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE20
2G059FF01
2G059GG01
2G059HH01
2G059JJ13
2G059KK01
2G059KK03
2G059KK04
2G059KK10
2G059MM01
5C086AA02
5C086CB11
5C086CB40
5C086DA40
5C086GA01
(57)【要約】
【課題】吸引式のガス検知器とレーザー式のガス検知器との何れか一方を用いてガスを検知する場合に比べ、ガス漏洩による危険度を客観的に判断する。
【解決手段】検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザーを照射し、空間を通過したレーザーを受光し、受光したレーザーから空間における被検出ガスのコラム密度を測定する第1のガス検知部と、空間のガスを吸引し、吸引したガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知部と、第1のガス検知部から得られるコラム密度と第2のガス検知部から得られるガス濃度とに基づいて空間の危険度を出力する出力部とを備える計測器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスのコラム密度を測定する第1のガス検知部と、
前記空間のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知部と、
前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とに基づいて前記空間の危険度を出力する出力部と
を備える計測器。
【請求項2】
前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向によって決定される
ことを特徴とする請求項1に記載の計測器。
【請求項3】
前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向に対して略並行となる領域、または当該レーザー光を照射した方向に存在する領域、であることを特徴とする請求項2に記載の計測器。
【請求項4】
前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向に対して略並行であり、
前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する先に反射板を備え、
前記第2のガス検知部は前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する照射部と前記反射板との間に存在するガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定する
ことを特徴とする請求項3に記載の計測器。
【請求項5】
前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する照射部は照射角度が可変であり、当該第1のガス検知部は照射角度を変えることによりガスを検知し、
前記第2のガス検知部は前記第1のガス検知部により検知された領域のガス濃度を測定する
ことを特徴とする請求項3に記載の計測器。
【請求項6】
前記第1のガス検知部は、レーザー光を照射する照射部と当該レーザー光を受光する受光部とを対向する位置に備え、
前記第2のガス検知部は前記照射部と前記受光部との間に存在する領域のガス濃度を検知する
ことを特徴とする請求項3に記載の計測器
【請求項7】
前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とを掛け合わせた値を前記危険度として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の計測器。
【請求項8】
前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とに対し重みづけを行い、重みづけされた値に基づいて前記危険度を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の計測器。
【請求項9】
前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とに対し重みづけされた値を互いに90度方向の異なるベクトルの成分とし、ベクトル和を危険度として出力する
ことを特徴とする請求項8に記載の計測器。
【請求項10】
検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスを検知する第1のガス検知器によって当該被検出ガスの存在を検知し、
前記被検出ガスの存在が検知された領域を含むガス、または当該領域の近傍のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる当該被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知器によって前記第1のガス検知器により検知された当該被検出ガスのガス濃度を測定する
ガス検知方法。
【請求項11】
計測器と、当該計測器とネットワークを介して接続されるサーバと、を有するガス検知システムであって、
前記計測器は、
検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスのコラム密度を測定する第1のガス検知部と、
前記空間のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知部と、
前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とを送信する送信部と
を備え、
前記サーバは、
前記計測器から得られる前記コラム密度と前記ガス濃度とを受信する受信部と、
受信した前記コラム密度と前記ガス濃度とに基づいて危険度を出力する出力部と
を備える
ことを特徴とするガス検知システム。
【請求項12】
前記計測器は検出対象となる前記空間を撮影するカメラを備え、当該カメラにより撮影した画像と前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とを紐付けて前記サーバに送信する
ことを特徴とする請求項11に記載のガス検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測器、ガス検知方法及びガス検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検出光を放射する検出光放射部と、検出光が物体に照射された場合に物体から反射される反射光を受光する受光部と、受光部が受光した反射光から被検出ガスのコラム密度を測定するコラム密度測定部とを有し、空間的に分布する被測定ガスの濃度を平均として測定することができるガス濃度測定装置が記載されている。
特許文献2には、検知対象ガスの選択性を高めた定電位電解式ガスセンサおよび定電位電解式ガスセンサを備える吸引式ガス検知器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6148836号
【特許文献2】特許第6517422号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計測するガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射することによって、その光線上に存在するガスを検知するレーザー式のガス検知器は、広範囲にわたるガスの存在を検知することができる。しかしながら、検知される物理量は、例えばレーザー光線上のガス濃度の積分値であり、局所領域の濃度の認識には適さない場合がある。
一方で、計測地点のガスを吸引して分析する吸引式のガス検知器は、濃度(%)でガスを計測することができるが、計測された濃度がどの程度の空間に広がっているかはわからない。高濃度のガスがあるということがわかっても、どの程度の空間に広がっているかという情報がなければ、厳密な意味での危険度の評価はできない。
本発明は、吸引式のガス検知器とレーザー式のガス検知器との何れか一方を用いてガスを検知する場合に比べ、ガス漏洩による危険度を客観的に判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスのコラム密度を測定する第1のガス検知部と、前記空間のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知部と、前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とに基づいて前記空間の危険度を出力する出力部とを備える計測器である。
請求項2に記載の発明は、前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の計測器である。
請求項3に記載の発明は、前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向に対して略並行となる領域、または当該レーザー光を照射した方向に存在する領域、であることを特徴とする請求項2に記載の計測器である。
請求項4に記載の発明は、前記第2のガス検知部がガスを吸引する領域は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する方向に対して略並行であり、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する先に反射板を備え、前記第2のガス検知部は前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する照射部と前記反射板との間に存在するガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定することを特徴とする請求項3に記載の計測器である。
請求項5に記載の発明は、前記第1のガス検知部がレーザー光を照射する照射部は照射角度が可変であり、当該第1のガス検知部は照射角度を変えることによりガスを検知し、前記第2のガス検知部は前記第1のガス検知部により検知された領域のガス濃度を測定することを特徴とする請求項3に記載の計測器である。
請求項6に記載の発明は、前記第1のガス検知部は、レーザー光を照射する照射部と当該レーザー光を受光する受光部とを対向する位置に備え、前記第2のガス検知部は前記照射部と前記受光部との間に存在する領域のガス濃度を検知することを特徴とする請求項3に記載の計測器である。
請求項7に記載の発明は、前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とを掛け合わせた値を前記危険度として出力することを特徴とする請求項1に記載の計測器である。
請求項8に記載の発明は、前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とに対し重みづけを行い、重みづけされた値に基づいて前記危険度を出力することを特徴とする請求項1に記載の計測器である。
請求項9に記載の発明は、前記出力部は、前記第1のガス検知部の測定値と、前記第2のガス検知部の測定値とに対し重みづけされた値を互いに90度方向の異なるベクトルの成分とし、ベクトル和を危険度として出力することを特徴とする請求項8に記載の計測器である。
請求項10に記載の発明は、検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスを検知する第1のガス検知器によって当該被検出ガスの存在を検知し、前記被検出ガスの存在が検知された領域を含むガス、または当該領域の近傍のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる当該被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知器によって前記第1のガス検知器により検知された当該被検出ガスのガス濃度を測定するガス検知方法である。
請求項11に記載の発明は、計測器と、当該計測器とネットワークを介して接続されるサーバと、を有するガス検知システムであって、前記計測器は、検出対象となる空間に被検出ガスに特有の吸収波長のレーザー光を照射し、当該空間を通過した当該レーザー光を受光し、受光した当該レーザー光から当該空間における当該被検出ガスのコラム密度を測定する第1のガス検知部と、前記空間のガスを吸引し、吸引した当該ガスに含まれる前記被検出ガスのガス濃度を測定する第2のガス検知部と、前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とを送信する送信部とを備え、前記サーバは、前記計測器から得られる前記コラム密度と前記ガス濃度とを受信する受信部と、受信した前記コラム密度と前記ガス濃度とに基づいて危険度を出力する出力部とを備えることを特徴とするガス検知システムである。
請求項12に記載の発明は、前記計測器は検出対象となる前記空間を撮影するカメラを備え、当該カメラにより撮影した画像と前記第1のガス検知部から得られる前記コラム密度と前記第2のガス検知部から得られる前記ガス濃度とを紐付けて前記サーバに送信することを特徴とする請求項11に記載のガス検知システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1、10、11の発明によれば、吸引式のガス検知器とレーザー式のガス検知器との何れか一方を用いてガスを検知する場合に比べ、ガス漏洩による危険度をより客観的に判断することができる。
請求項2の発明によれば、レーザー光を照射する領域のガス濃度を測定することができる。
請求項3の発明によれば、レーザー光の照射によりガスを検知し、検知した付近のガス濃度を測定することができる。
請求項4の発明によれば、地面での反射と比較し強い信号を受信することができる。
請求項5の発明によれば、機械式で周囲を照射することによりガスを検知することができる。
請求項6の発明によれば、レーザー光を照射する照射部とレーザー光を受光する受光部に挟まれた空間のガス濃度を測定することができる。
請求項7の発明によれば、吸引式のガス検知器とレーザー式のガス検知器との各出力値に基づいて危険度を算出することができる。
請求項8の発明によれば、危険度が小さくなりすぎることを防ぐことができる。
請求項9の発明によれば、危険度を視覚的に評価することができる。
請求項12の発明によれば、検出対象である空間の画像と紐付けて危険度の評価をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る計測器の使用態様の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る計測器の構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る計測器を用いた危険度算出時の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第2の実施形態に係る計測器の使用態様の一例を示す図である。
【
図5】第3の実施形態に係る計測器の使用態様の一例を示す図である。
【
図6】第4の実施形態に係る計測器の使用態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る計測器1の使用態様の一例を示す図である。
第1の実施形態に係る計測器1は、レーザー式ガス検知器10と、吸引式ガス検知器20とを備える。吸引式ガス検知器20がガスを吸引する領域は、レーザー式ガス検知器10がレーザーを照射する方向によって決定される。第1の実施形態においては、吸引式ガス検知器20がガスを吸引する領域は、レーザー式ガス検知器10がレーザー光を照射する方向に対して略並行となる領域、または当該レーザー光を照射した方向に存在する領域である。
【0009】
レーザー式ガス検知器10は、検出対象となる空間に、計測器1による検出対象であるガスに特有の吸収波長を含むレーザー光を照射する。また、レーザー式ガス検知器10は、検出対象となる空間を通過し、壁や地面等の反射面200により反射した反射光の一部を受光する。そして、レーザー式ガス検知器10は、受光した反射光の強度等に基づいて、検出対象となる空間に、計測器1による検出対象であるガスが存在するか否かを判断する。
以下では、計測器1による検出対象であるガスを、「被検出ガス」と表記する場合がある。
【0010】
詳細については後述するが、
図1に示すように、検出対象となる空間に被検出ガス100が存在する場合、レーザー式ガス検知器10から照射されたレーザー光の一部が被検出ガス100に吸収される。レーザー式ガス検知器10は、反射光の受光結果から、被検出ガス100による光の吸収があることを認識し、空間における被検出ガス100の存在を検出する。
【0011】
吸引式ガス検知器20は、吸引口から検出対象となる空間に存在するガスを吸引する。そして、吸引式ガス検知器20は、吸引したガスに含まれる被検出ガス100の濃度を検知する。吸引式ガス検知器20による被検出ガス100の濃度検知方式は、例えば、半導体式、接触燃焼式、電気化学式、NDIR(non-dispersive infrared)式等の方式が挙げられる。
【0012】
<計測器の構成例>
次に、計測器の構成について
図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態に係る計測器1の構成の一例を示す図である。
第1の実施形態に係る計測器1は、第1のガス検知器としてレーザー式ガス検知器10と、第2のガス検知器として吸引式ガス検知器20とを備える。また、計測器1は、レーザー式ガス検知器10および吸引式ガス検知器20の各機能を制御する制御部30を備える。
【0013】
レーザー式ガス検知器10は、レーザー光を照射する照射部11と、照射部11から照射され検出対象となる空間で反射した反射光を受光する受光部12とを備える。また、レーザー式ガス検知器10は、反射光を受光部12に集光させるレンズ13を備える。
【0014】
照射部11は、例えば、電気を光に変える発光素子に電流を流してレーザー発振させる素子であるレーザーダイオードにより構成される。照射部11は、予め定められた波長範囲の光を照射する。付言すると、第1の実施形態に係る照射部11は、被検出ガス100に特有の吸収波長のレーザー光を照射する。
被検出ガス100としては、例えばフルオロカーボン類、一酸化炭素、二酸化炭素、エチレン、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、ブタン、プロピレン、アンモニア、硫化水素、フッ化水素等のガスが挙げられる。
【0015】
受光部12は、例えば、光が照射されたときにその光の強さを電気に変える受光素子であるフォトダイオードにより構成される。受光部12は、照射部11から照射されて検出対象となる空間を通過し、壁や地面等の反射面200(
図1参照)により反射した反射光の一部を、レンズ13を介して受光する。また、受光部12は、受光した光の強さに応じた電気信号を、制御部30の後述する検出部32に出力する。
【0016】
レンズ13は、例えば、レンズ表面に同心円状の切り込みを有するフレネルレンズにより構成される。レンズ13は、照射部11から照射され検出対象となる空間で反射した反射光を、受光部12の受光面に集光する。
【0017】
吸引式ガス検知器20は、被検出ガス100を吸引する吸引部21と、吸引部21により吸引した被検出ガス100の濃度を測定するためのセンサ部22とを備える。
吸引部21は、例えば、樹脂製の管により構成される。吸引部21は、検出対象となる空間に存在するガスを吸引する。
【0018】
センサ部22は、例えば、金属酸化物である酸化スズを用いた半導体膜により構成される。センサ部22は、吸引部21により吸引されたガスに含まれる被検出ガス100の濃度の測定に用いられる。半導体式のガス濃度検知方式を採用する場合、半導体膜が被検出ガス100と接触した際に抵抗値の変化が生じる。制御部30の後述する濃度測定部35はこの抵抗値の変化を利用してガス濃度を測定する。
【0019】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により構成されるコンピュータ装置である。CPUは、ROMや不図示の記憶装置等に記憶された各種プログラムをRAMにロードして実行することにより、制御部30の後述する各機能を実現する。RAMは、CPUの作業用メモリ等として用いられるメモリであり、ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0020】
制御部30は、照射部11によるレーザー光の照射を制御する照射制御部31と、受光部12から出力された電気信号に基づいて、検出対象となる空間における被検出ガス100の存在を検出する検出部32と、検出部32により検出された被検出ガス100のコラム密度を算出するコラム密度算出部33とを備える。また、制御部30は、吸引部21によるガスの吸引を制御する吸引制御部34と、吸引部21により吸引されたガスに含まれる被検出ガス100の濃度の測定の行う濃度測定部35とを備える。さらに、制御部30は、コラム密度算出部33により算出されるコラム密度と濃度測定部35により測定されるガス濃度とに基づいて検出対象となる空間の危険度を算出する危険度算出部36と、危険度算出部36により算出された危険度を出力する危険度出力部37とを備える。またさらに、制御部30は、レーザー式ガス検知器10と吸引式ガス検知器20とによる検知結果を外部のサーバ(不図示)に送信する送信部38を備える。
【0021】
<危険度の算出における処理>
次に、計測器1を用いて危険度を算出する際の処理の流れについて
図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係る計測器1を用いた危険度算出時の処理の流れを示すフローチャートである。
図3にて、まず、制御部30の照射制御部31による制御の下、レーザー式ガス検知器10の照射部11が検出対象となる空間にレーザー光を照射する(ステップS101)。照射部11により照射されるレーザー光は、被検出ガス100に特有の吸収波長を有する。例えば、メタン分子は波長1653nm付近に光吸収スペクトルにおける吸収ピークを有している。メタンガスを検出したい場合には、この吸収ピークを含む波長範囲のレーザー光を検出対象となる空間に照射する。このような場合に、検出対象ガスの検出精度を高くする観点、または、空間で反射し受光部12で受光された電気信号の処理を容易にする観点等から、予め定められた基本周波数により波長を変調させたレーザー光を、検出対象となる空間に照射する。
【0022】
ここで、照射部11がレーザーダイオードからなる場合、照射部11から照射されるレーザー光の波長は、照射部11に供給される電流値および照射部11の温度等に応じて変化する。制御部30の照射制御部31は、照射部11から照射されるレーザー光の波長が予め定められた範囲の波長となるように、予め定められた基本周波数で照射部11に供給される電流値を制御するとともに、照射部11の温度を制御する。
【0023】
続いて、レーザー式ガス検知器10の受光部12が、照射部11から照射され検出対象となる空間で反射したレーザー光を受光する(ステップS102)。受光部12は、壁や地面等の反射面200により反射した反射光の一部を、レンズ13を介して受光する。検出対象となる空間に被検出ガス100が存在すると、照射部11から照射されたレーザー光の一部が吸収されることで、上述した基本周波数よりも高次の周波数を有する光が生じる。受光部12は受光した光の強さに応じた電気信号を、制御部30の検出部32に出力する。
【0024】
続いて、制御部30の検出部32が、検出対象となる空間における被検出ガス100の存在を検出する(ステップS103)。検出部32は、受光部12による受光結果から検出対象となる空間において光の吸収があることを認識し、空間における被検出ガス100の存在を検出する。検出部32は、受光部12から取得した電気信号を取得し、空間を通過した光における高次の周波数を有する成分に基づいて、被検出ガス100の存在を検出する。
【0025】
検出対象となる空間に被検出ガス100が存在する場合と存在しない場合とで、受光部12にて受光される反射光の強度が変化し、受光部12から検出部32へ出力される電気信号が変化する。検出部32は、受光部12から電気信号を取得し、取得した電気信号に基づいて、検出対象となる空間における被検出ガス100の存在を検出する。
検出部32が、受光部12から取得した電気信号から高次の周波数を有する成分を認識する方法の一例について説明する。検出部32は、受光部12から取得した電気信号を、基本周波数を有する成分(基本周波数成分)、基本周波数の2倍の周波数(20kHz)を有する成分(2次高調波成分)、基本周波数のn倍(nは3以上の整数)の周波数を有する成分(n次高調波成分)に分離する。そして、検出部32は、分離した成分のうち、予め定められたn次高調波成分の信号強度に基づいて、検出対象ガスの存在を検出する。
【0026】
続いて、制御部30のコラム密度算出部33が、検出対象となる空間における被検出ガス100のコラム密度を算出する(ステップS104)。コラム密度(ppm・m)は、被検出ガス100の濃度(ppm)と、検出対象となる空間に存在する被検出ガス100の厚み(m)との積で表される。
検出対象となる空間に被検出ガス100が存在する場合には、照射部11から照射されたレーザー光の一部が吸収され基本周波数よりも高次の周波数を有する光が生じることで、空間を通過した光を受光した受光部12から出力される電気信号にn次高調波成分が生じる。検出対象となる空間に存在する被検出ガス100が多いほど、受光部12から出力される電気信号に含まれるn次高調波成分が多くなる。
コラム密度算出部33は、検出部32が受光部12から取得した電気信号を分離した成分のうち、基本周波数成分の信号強度に対するn次高調波成分の信号強度の比率に基づいて、検出対象となる空間における検出対象ガスのコラム密度を算出する。
【0027】
続いて、吸引式ガス検知器20の吸引部21が、ガスを吸引する(ステップS105)。制御部30の吸引制御部34は、吸引部21を制御して、検出対象となる空間に存在するガスを吸引させる。
【0028】
続いて、制御部30の濃度測定部35が、吸引部21により吸引されたガスに含まれる被検出ガス100のガス濃度を測定する(ステップS106)。濃度測定部35は、センサ部22の抵抗値の変化を利用してガス濃度を測定する。
【0029】
センサ部22に半導体膜を用いた場合のガス濃度測定について説明する。酸化スズ等を用いた半導体膜の電気伝導度は、周囲の一酸化炭素やメタン、水素等の還元性ガスの濃度に応じて変化する。清浄な空気中では、空気中の酸素が半導体膜の表面に吸着することで表面の電子が奪われ、抵抗値が高く電気が流れにくい状態となる。一方で還元性ガスの濃度が高い状況下においては、半導体膜の表面の酸素と還元性ガスとの間で酸化還元反応が起きる。この反応により半導体膜の表面の酸素が取り去られ、抵抗値が減少し電気が流れやすくなる。
半導体式のガス濃度測定においては、濃度測定部35は、還元性ガスの濃度の上昇に伴って半導体膜の抵抗値が減少する機構を利用してガス濃度を測定する。
【0030】
続いて、制御部30の危険度算出部36が、コラム密度算出部33により算出されたコラム密度と濃度測定部35により測定されたガス濃度とに基づいて検出対象となる空間の危険度を算出する(ステップS107)。そして、危険度算出部36により算出された危険度は危険度出力部37により出力される(ステップS108)。
【0031】
検出対象となる空間の危険度は、例えばコラム密度(ppm・m)とガス濃度(ppm)とを掛け合わせた値として定義することができる。コラム密度算出部33により算出されたコラム密度をA、濃度測定部35により測定されたガス濃度をBとしたとき、危険度算出部36はA×Bの値を危険度として算出する。
しかしながら、コラム密度Aとガス濃度Bとを掛け合わせた値として危険度を定義した場合においては、コラム密度Aとガス濃度Bとのいずれか一方が低い場合に、もう一方の値に関わらず危険度が低く出力されてしまう。そのため、ガス濃度Bが高く危険な状態であってもコラム濃度Aが低いために危険度が低く算出され、危険度が正確に評価できないことが起こり得る。
【0032】
コラム密度Aとガス濃度Bとのいずれか一方が低い場合においても客観的な危険度を算出するために、コラム密度Aとガス濃度Bとに対し重みづけを行い、重みづけされた値に基づいて危険度を算出しても良い。例えば危険度算出部36は、コラム密度A、ガス濃度Bに対してそれぞれ定数α、βを加えて掛け合わせた(A+α)×(B+β)の値を危険度として算出する。重みづけをすることで、コラム密度A、ガス濃度Bのいずれか一方が低い場合であっても危険度が低く算出されてしまうことはなく、客観的に危険度を評価することが可能となる。
【0033】
また、危険度出力部37は、コラム密度A、ガス濃度Bに対してそれぞれ重みづけがされた値を互いに90度方向の異なるベクトルの成分とし、ベクトル和を危険度として出力しても良い。この場合危険度出力部37は、二次元の座標平面上にプロットする形で危険度を出力する。例えば二次元の座標平面上で危険とみなすエリアを予め定めておくことで、ベクトル和がプロットされた際に危険であるか否かを視覚的に評価することができる。
【0034】
また、計測器1とネットワークを介して接続されるサーバ(不図示)にて危険度が出力される態様としても良い。例えばサーバは計測器1からデータを受信する受信部と、危険度を出力する出力部とを有する。制御部30の送信部38が、サーバに対しコラム密度算出部33により算出されたコラム密度と濃度測定部35により測定されたガス濃度とを送信する。サーバは送信部38から送信されたコラム密度とガス濃度とを受信し、コラム密度とガス濃度とに基づいて危険度を出力する。
【0035】
また、計測器1は検出対象となる空間を撮影するカメラ(不図示)を備えていても良い。制御部30の送信部38は、コラム密度算出部33により算出されたコラム密度と濃度測定部35により測定されたガス濃度とを撮影した画像と紐付けてサーバに送信する。これにより検出対象となる空間と紐付けて危険度を評価することができる。
【0036】
なお、計測器1において、レーザー式ガス検知器10によるレーザーの照射と、吸引式ガス検知器20によるガスの吸引とは、同時に行われても良く、また、別々に行われても良い。同時に行われる場合には、レーザー式ガス検知器10と吸引式ガス検知器20とがそれぞれコラム密度とガス濃度とを算出し、算出されたコラム密度とガス濃度とに基づいて、制御部30の危険度算出部36が危険度を算出する。
【0037】
別々に行われる場合には、いずれか一方のガス検知器によりガスが検知された場合に、もう一方のガス検知器が作動するように制御がなされる。例えば、まず広範囲にわたり空間に広がった被検出ガス100の存在を瞬時に検出できるレーザー式ガス検知器10によるレーザーの照射が行われる。そしてレーザー式ガス検知器10によって検出対象となる空間に被検出ガス100が存在すると認識されると、局所的なガス濃度を測定できる吸引式ガス検知器20により被検出ガス100の濃度が測定される。制御部30の危険度算出部36は算出されたコラム密度とガス濃度とに基づいて危険度を算出する。
被検出ガス100が存在すると認識されない場合には吸引式ガス検知器20によるガスの吸引は行われず、レーザー式ガス検知器10により別の方向にレーザーが照射される。
【0038】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について
図4を用いて説明する。
図4は第2の実施形態に係る計測器2の使用態様の一例を示す図である。
第2の実施形態に係る計測器2は、上述した第1の実施形態に係る計測器1に加え、反射板15を支えるアーム14と、レーザー式ガス検知器10から照射されたレーザー光を反射する反射板15とを備える。その他の構成は
図2に示すものと同様である。
アーム14の長さは、吸引式ガス検知器20が照射部11(
図2参照)と反射板15とに挟まれる空間内のガスをもれなく吸引できる程度であることが望ましい。レーザー式ガス検知器10によりガスが検知された際に検出対象範囲のガスすべてを吸引することで、ガスが存在する領域におけるコラム密度、ガス濃度に基づいた危険度を算出することができる。
【0039】
なお、計測器2はこの態様に限定されず、アーム14の長さは吸引式ガス検知器20がガスを吸引できる領域を超えた長さであっても良い。
また、アーム14と反射板15とは、取り外しが可能な構成としても良い。計測器2の使用時にアーム14と反射板15とを取り付け、収納時は取り外すことで収納し易さ、持ち運び易さを損なうことなく
図4に示す使用態様を実現できる。
【0040】
第2の実施形態においては、レーザー式ガス検知器10の照射部11から照射されたレーザー光は反射板15により反射される。レーザー式ガス検知器10の受光部12は、反射板15により反射された反射光を受光する。受光部12は、受光した反射光の強度に応じた電気信号を、制御部30の検出部32に出力する。検出部32は、受光部12から取得した電気信号を取得し、空間を通過した光における高次の周波数を有する成分に基づいて、被検出ガス100の存在を検出する。続いて、制御部30のコラム密度算出部33が、検出対象となる空間における被検出ガス100のコラム密度を算出する。
吸引式ガス検知器20の吸引部21はガスを吸引し、制御部30の濃度測定部35がガス濃度を測定する。
制御部30の危険度算出部36は、算出されたコラム密度とガス濃度とに基づいて危険度を算出する。
【0041】
第1の実施形態において、受光部12は壁や地面等の反射面200により乱反射した反射光の一部を受光するため反射光の強度が弱い。一方で第2の実施形態においては、照射されたレーザー光は反射板15により反射されるため、反射光の強度が第1の実施形態よりも強くなる。受光部12が出力する電気信号もより強いものとなるため、第1の実施形態と比較して被検出ガス100の検出が行い易くなる。
【0042】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について
図5を用いて説明する。
図5は第3の実施形態に係る計測器3の使用態様の一例を示す図である。
第3の実施形態に係る計測器3は、レーザー式ガス検知器10の照射部11(
図2参照)によりレーザー光を照射する角度が可変である。第3の実施形態に係る計測器3はレーザー光を照射する角度を変えることにより被検出ガス100を検知する。
第3の実施形態に係る計測器3は、例えば、
図1に示すレーザー光の照射方向を軸として、照射部11によるレーザー光の照射角度を変えながら軸を中心に円を描くように照射部11を回転させる。これにより計測器3は照射部11を頂点とする円錐状の空間内に存在する被検出ガス100の存在を検知することができる。照射角度は機械的に制御される。レーザー式ガス検知器10が被検出ガス100の存在を検出すると、吸引式ガス検知器20がレーザー光を照射した方向に存在するガスを吸引する。
その他の構成は
図2に示すものと同様である。
【0043】
第3の実施形態においては、レーザー式ガス検知器10の照射部11から照射角度を変えながらレーザー光が照射される。レーザー式ガス検知器10の受光部12は、照射部11から照射され検出対象となる空間で反射したレーザー光を受光する。受光部12は、受光した反射光の強度に応じた電気信号を、制御部30の検出部32に出力する。検出部32は、受光部12から取得した電気信号を取得し、空間を通過した光における高次の周波数を有する成分に基づいて、被検出ガス100の存在を検出する。続いて、制御部30のコラム密度算出部33が、検出対象となる空間における被検出ガス100のコラム密度を算出する。
【0044】
レーザー式ガス検知器10が被検出ガス100の存在を検出すると、吸引式ガス検知器20はレーザー光を照射した方向のガスを吸引し、被検出ガスのガス濃度を測定する。吸引式ガス検知器20によるガスの吸引はユーザの操作により実行されても良い。
ガスの吸引が機械的に制御される場合、吸引制御部34は、検出部32が被検出ガス100を検知した際に、吸引部21にレーザー光を照射した方向のガスを吸引させる。続いて制御部30の濃度測定部35がガス濃度を測定する。
制御部30の危険度算出部36は、算出されたコラム密度とガス濃度とに基づいて危険度を算出する。
第3の実施形態に係る計測器3は、機械的に周囲をレーザー光で照射することにより被検出ガスを検知することができる。
【0045】
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について
図6を用いて説明する。
図6は第4の実施形態に係る計測器4の使用態様の一例を示す図である。
第1の実施形態に係るレーザー式ガス検知器10は、レーザー光を照射する照射部11と、照射部11から照射され検出対象となる空間で反射した反射光を受光する受光部12とが一体となっている。これにより、被検出ガス100を遠隔から検出することができる。しかしながら照射部11と受光部12との態様はこの形式に限定されず、照射部11と受光部12とが別体であってもよい。
【0046】
第4の実施形態は、照射部11と受光部12とが別体となっている。
図6に示すように、第4の実施形態に係る計測器4においては照射部11と受光部12とが検出対象となる空間を挟んで対向するように配置される。また、吸引式ガス検知器20は照射部11と受光部12とに挟まれる空間に存在するガスを吸引できるように配置される。
例えば照射部11と受光部12とは、
図6に示すように吸引式ガス検知器20から左右に延びるアーム16によってそれぞれ保持され、対向する位置に配置される。
アーム16の長さは、吸引式ガス検知器20が照射部11と受光部12とに挟まれる空間内のガスをもれなく吸引できる程度であることが望ましい。レーザー式ガス検知器10によりガスが検知された際に検出対象範囲のガスすべてを吸引することで、ガスが存在する領域におけるコラム密度、ガス濃度に基づいた危険度を算出することができる。
なお、計測器4はこの態様に限定されず、アーム16の長さは吸引式ガス検知器20がガスを吸引できる領域を超えた長さであっても良い。この場合、例えば吸引式ガス検知器20は照射部11と受光部12との間で移動可能な構成としても良い。吸引式ガス検知器20を移動させ被検出ガス100の存在する領域のガスを吸引することで危険度を算出することができる。
その他の構成は
図2に示すものと同様である。
【0047】
照射部11から照射されたレーザー光は対向する受光部12により受光され、受光部12は、受光した光の強度に応じた電気信号を、制御部30の検出部32に出力する。照射部11と受光部12とに挟まれる空間に被検出ガス100が存在する場合、照射部11から照射されたレーザー光の一部が被検出ガス100に吸収されることで、照射部11から照射された光の周波数である基本周波数よりも高次の周波数の成分を有する光が生じる。検出部32は、受光部12から取得した電気信号を取得し、空間を通過した光における高次の周波数を有する成分に基づいて、被検出ガス100の存在を検出する。続いて、制御部30のコラム密度算出部33が、検出対象となる空間における被検出ガス100のコラム密度を算出する。
吸引式ガス検知器20の吸引部21はガスを吸引し、制御部30の濃度測定部35がガス濃度を測定する。
制御部30の危険度算出部36は、算出されたコラム密度とガス濃度とに基づいて危険度を算出する。
【0048】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施の形態に種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1、2、3、4…計測器、10…レーザー式ガス検知器、20…吸引式ガス検知器、30…制御部、100…被検出ガス