(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081023
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】提供物選択システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194436
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC17
5L050CC12
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】複数の利用者が利用する利用場所に提供する提供物を適切に選択可能な提供物選択システムを提供する。
【解決手段】利用者1に提供する提供物を選択する提供物選択システムであって、端末装置2は、端末装置2を使用する利用者1を識別可能な利用者識別情報と、利用者1の利用場所情報及び利用者1が興味を持っている興味対象物についての興味情報のうちの少なくとも利用場所情報とをサーバ装置4に伝達し、サーバ装置4は、少なくとも一つの端末装置2の利用者1の利用者識別情報と利用場所情報と興味情報とを互いに関連付けてサーバ側記憶部23に記憶する記憶処理と、サーバ側記憶部23に記憶している情報を参照して、利用場所のそれぞれに提供する提供物を、利用場所に関連付けられている興味対象物の中から選択する選択処理とを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に提供する提供物を選択する提供物選択システムであって、
複数の前記利用者のそれぞれが使用する複数の端末装置はサーバ装置との間で情報通信を行うことができ、
前記端末装置は、当該端末装置を使用する前記利用者を識別可能な利用者識別情報と、前記利用者が利用する利用場所についての利用場所情報及び前記利用者が興味を持っている興味対象物についての興味情報のうちの少なくとも前記利用場所情報とを前記サーバ装置に伝達し、
前記サーバ装置は、
少なくとも一つの前記端末装置から受け付けた、当該端末装置の前記利用者の前記利用者識別情報と前記利用場所情報と前記興味情報とを互いに関連付けてサーバ側記憶部に記憶する記憶処理と、
前記サーバ側記憶部に記憶している情報を参照して、前記利用場所のそれぞれに提供する前記提供物を、当該利用場所に関連付けられている前記興味対象物の中から選択する選択処理とを実行する提供物選択システム。
【請求項2】
前記興味情報は、前記興味対象物と当該興味対象物に対する興味の高さを示す興味度合いとを含む請求項1に記載の提供物選択システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記選択処理において、前記利用場所に提供する前記提供物を、前記興味度合いを優先的に参照して選択する請求項2に記載の提供物選択システム。
【請求項4】
前記利用場所情報は、前記利用場所と当該利用場所の属性を示す場所属性とを含む請求項1に記載の提供物選択システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記選択処理において、特定の前記利用場所と前記場所属性が同じである他の前記利用場所に提供する前記提供物として選択された前記興味対象物を、当該特定の前記利用場所に提供する前記提供物として選択する請求項4に記載の提供物選択システム。
【請求項6】
前記興味情報は、前記興味対象物と、当該興味情報が前記サーバ装置に伝達された日付とを含む請求項1に記載の提供物選択システム。
【請求項7】
前記サーバ装置は、前記選択処理において、前記利用場所に提供する前記提供物を、前記興味情報が前記サーバ装置に伝達された日付を優先的に参照して選択する請求項6に記載の提供物選択システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記選択処理を実行すると共に、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物に関する情報を、前記サーバ側記憶部で当該利用場所を利用すると記憶している全ての前記利用者の前記端末装置に伝達する伝達処理を実行する請求項1に記載の提供物選択システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記伝達処理において、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物に関する情報を、選択した理由と共に伝達する請求項8に記載の提供物選択システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、予め定められたタイミングで前記選択処理を繰り返し実行する請求項1~9の何れか一項に記載の提供物選択システム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、特定の前記利用場所に提供する前記提供物として過去に選択された前記興味対象物を、当該特定の前記利用場所に関して行う以後の前記選択処理では選択しない請求項10に記載の提供物選択システム。
【請求項12】
前記サーバ装置は、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物を、前記利用場所へ提供するための発注処理を行う請求項1に記載の提供物選択システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に提供する提供物を選択する提供物選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-90135号公報)には、利用者に提供する提供物を選択する提供物選択システムが記載されている。具体的には、特許文献1には、脳科学に基づき、読者の個性に合わせて適切な絵本を推薦可能な絵本レコメンドシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているのは、一人の個人をターゲットにした提供物を選択することに特化したシステムであり、複数人のグループに対して提供する提供物を選択するシステムではない。そのため、特許文献1に記載のシステムを、企業のオフィス、飲食店などの店舗、公共の場所等の複数の利用者が存在する場所に対して提供する提供物を選択するものに適用することは妥当ではない。
【0005】
また、企業のオフィス内や、店舗、公共の場所等の特定の場所(例えば、オフィス内にある図書レンタルスペース等)において例えば書籍などの提供物を設置し、その場所の利用者が利用できるようにする場合、定期的に提供物を更新しなければ飽きられてしまい、利用されなくなっていくという課題がある。そのため、通常はその場所を管理する担当者が提供物を自ら選択して置き換える等の作業を行う必要があり、担当者の負担が大きくなる。世間で広く知られている提供物を選択するのも一つの方法であるが、利用者が既に所持している提供物である確率が高く、提供物が結果的に利用されない可能性が高まる。更に、世間の関心事は常に変わっていくため、高頻度に提供物を更新する必要があるという課題が生じる。一方で、選択物をランダムに選択する場合は、選択された提供物が利用者にとって興味があるものになっているとは限らず、特に様々な物が世間に溢れている現状では、利用者の需要にマッチする確率は低くなり、提供物が利用され難くなるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の利用者が利用する利用場所に提供する提供物を適切に選択可能な提供物選択システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る提供物選択システムの特徴構成は、利用者に提供する提供物を選択する提供物選択システムであって、
複数の前記利用者のそれぞれが使用する複数の端末装置はサーバ装置との間で情報通信を行うことができ、
前記端末装置は、当該端末装置を使用する前記利用者を識別可能な利用者識別情報と、前記利用者が利用する利用場所についての利用場所情報及び前記利用者が興味を持っている興味対象物についての興味情報のうちの少なくとも前記利用場所情報とを前記サーバ装置に伝達し、
前記サーバ装置は、
少なくとも一つの前記端末装置から受け付けた、当該端末装置の前記利用者の前記利用者識別情報と前記利用場所情報と前記興味情報とを互いに関連付けてサーバ側記憶部に記憶する記憶処理と、
前記サーバ側記憶部に記憶している情報を参照して、前記利用場所のそれぞれに提供する前記提供物を、当該利用場所に関連付けられている前記興味対象物の中から選択する選択処理とを実行する点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、選択処理では、利用場所のそれぞれに提供する提供物が、その利用場所に関連付けられている興味対象物の中から選択される。つまり、複数の利用者が利用する利用場所がある場合、その利用場所の利用者と全く関係のない提供物が選択されるのではなく、サーバ側記憶部に記憶している情報(例えば、その利用場所の利用者の興味情報等)に基づいて、その利用場所への提供物を選択することができる。また、利用場所が同じである複数の利用者は、興味を持つものが関連している可能性があると言える。そのため、選択された提供物は、その利用場所の利用者の需要に応える提供物であると考えてもよい。
従って、複数の利用者が利用する利用場所に提供する提供物を適切に選択可能な提供物選択システムを提供できる。
【0009】
本発明に係る提供物選択システムの別の特徴構成は、前記興味情報は、前記興味対象物と当該興味対象物に対する興味の高さを示す興味度合いとを含む点にある。
ここで、前記サーバ装置は、前記選択処理において、前記利用場所に提供する前記提供物を、前記興味度合いを優先的に参照して選択してもよい。
【0010】
上記特徴構成によれば、利用場所に提供する提供物を、その利用場所の利用者の興味対象物に対する興味度合いを優先的に参照して選択できる。
【0011】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記利用場所情報は、前記利用場所と当該利用場所の属性を示す場所属性とを含む点にある。
ここで、前記サーバ装置は、前記選択処理において、特定の前記利用場所と前記場所属性が同じである他の前記利用場所に提供する前記提供物として選択された前記興味対象物を、当該特定の前記利用場所に提供する前記提供物として選択してもよい。
【0012】
上記特徴構成によれば、利用場所に提供する提供物を、その利用場所の場所属性に基づいて選択できる。
【0013】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記興味情報は、前記興味対象物と、当該興味情報が前記サーバ装置に伝達された日付とを含む点にある。
ここで、前記サーバ装置は、前記選択処理において、前記利用場所に提供する前記提供物を、前記興味情報が前記サーバ装置に伝達された日付を優先的に参照して選択してもよい。
【0014】
上記特徴構成によれば、利用場所に提供する提供物を、その利用場所の利用者の興味情報がサーバ装置に伝達された日付を優先的に参照して選択できる。
【0015】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記サーバ装置は、前記選択処理を実行すると共に、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物に関する情報を、前記サーバ側記憶部で当該利用場所を利用すると記憶している全ての前記利用者の前記端末装置に伝達する伝達処理を実行する点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、伝達処理が行われることで、特定の利用場所の利用者は、その利用場所について選択された提供物が何であるのかを知ることができる。
【0017】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記サーバ装置は、前記伝達処理において、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物に関する情報を、選択した理由と共に伝達する点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、特定の利用場所の利用者は、その利用場所について選択された提供物が、どのような理由により選択されたのかを知ることができる。
【0019】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記サーバ装置は、予め定められたタイミングで前記選択処理を繰り返し実行する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、提供物の選択が繰り返し実行されることで、利用場所の利用者は新たな提供物の選択を継続的に受けることができる。
【0021】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記サーバ装置は、特定の前記利用場所に提供する前記提供物として過去に選択された前記興味対象物を、当該特定の前記利用場所に関して行う以後の前記選択処理では選択しない点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、一つの利用場所で同じ提供物が繰り返し選択されることを回避できる。
【0023】
本発明に係る提供物選択システムの更に別の特徴構成は、前記サーバ装置は、前記利用場所に提供する前記提供物として選択した前記興味対象物を、前記利用場所へ提供するための発注処理を行う点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、発注処理が行われることで、選択処理により選択された選択物を実際に利用場所へ提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図8】利用場所に関連付けられている情報を示す図である。
【
図9】利用場所に関連付けられている情報を示す図である。
【
図10】利用場所に関連付けられている情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る提供物選択システムについて説明する。
図1は、利用者1に提供する提供物6を選択する提供物選択システムの構成を示す図である。図示するように、提供物選択システムにおいて、複数の利用者1が使用する端末装置2のそれぞれは、サーバ装置4との間で情報通信回線3を介して情報通信を行うことができる。
図1では、3人の利用者1A(1)、1B(1)、1C(1)と、それぞれが所持する端末装置2A(2)、2B(2)、2C(2)とを記載している。
【0027】
本実施形態で説明する提供物選択システムにおいて、複数の利用者1のそれぞれは、自身が利用する利用場所5についての利用場所情報、及び、興味を持っている興味対象物についての興味情報のうちの少なくとも利用場所情報を、端末装置2を用いてサーバ装置4のサーバ側記憶部23に予め登録できる。例えば、利用場所5は、特定のオフィス、飲食店などであるが、本発明はそれらに限定されない。また、興味対象物は、書籍、音楽などであるが、本発明はそれらに限定されない。
【0028】
そして、サーバ装置4は、複数の利用者1が登録した利用場所情報及び興味情報を参照して、各利用場所5に対して、その場所を利用する利用者1に提供するのに適した提供物6を、興味対象物の中から選択する。その結果、選択された提供物6を各利用場所5に配送することができ、各利用場所5において利用者1がその提供物6を利用できるようになる。このように、提供物選択システムは、複数の利用者1が利用する利用場所5に提供する提供物6を適切に選択可能に構成されている。
【0029】
尚、利用者1の端末装置2とサーバ装置4との間で情報をやり取りするサービスが行われるためには、そのサービスを実現するためのアプリケーションプログラムが各利用者1の端末装置2にインストールされ、且つ、そのアプリケーションプログラムが端末装置2で実行されていることが必要になる。尚、本実施形態では、端末装置2にインストールされるそのプログラムのことを、提供物選択プログラムと記載することもある。
【0030】
端末装置2は、利用者1が使用している携帯電話及びスマートフォン等の携帯通信端末やコンピュータなどを用いて実現できる。そして、端末装置2は、端末側入力受付部10と、端末側表示部11と、端末側情報処理部12と、端末側記憶部13と、現在位置計測部14と、端末側撮像部15とを備える。
【0031】
端末側情報処理部12は、端末装置2に搭載される演算処理装置を用いて実現される。そして、端末装置2の端末側記憶部13にインストールされている提供物選択プログラムの実行が利用者1によって指示された場合には、その提供物選択プログラムを実行する。
【0032】
端末側入力受付部10は、端末装置2に搭載される物理的なボタン又はタッチパネル式の表示画面(即ち、端末側表示部11)に表示されるボタンなどで実現される。そして、利用者1がそれらのボタンに対する入力を行った場合には、その入力内容を受け付けて端末側情報処理部12に伝達する。
【0033】
端末側表示部11は、端末装置2に搭載されている表示機器で実現される。端末側表示部11に表示される情報は端末側情報処理部12が制御する。
【0034】
現在位置計測部14は、端末装置2に搭載されているGPS等を用いた測位機能を用いて実現される。
【0035】
端末側撮像部15は、端末装置2に搭載されているカメラを用いて実現される。
【0036】
尚、説明は省略するが、端末装置2には情報通信機能などの他の機能も搭載されている。
【0037】
サーバ装置4は、情報通信機能及び情報記憶機能及び演算処理機能などを有するコンピュータを用いて実現される。そして、サーバ装置4は、操作者が情報の入力などを行うキーボードやマウスなどのサーバ側入力受付部20と、表示機器などのサーバ側表示部21と、演算処理装置などのサーバ側情報処理部22とを備える。また、サーバ装置4は情報を記憶するサーバ側記憶部23も備える。
【0038】
本実施形態の提供物選択システムにおいて、端末装置2は、当該端末装置2を使用する利用者1を識別可能な利用者識別情報と、利用者1が利用する利用場所5についての利用場所情報及び利用者1が興味を持っている興味対象物についての興味情報のうちの少なくとも利用場所情報とをサーバ装置4に伝達し、サーバ装置4は、少なくとも一つの端末装置2から受け付けた、当該端末装置2の利用者1の利用者識別情報と利用場所情報と興味情報とを互いに関連付けてサーバ側記憶部23に記憶する記憶処理と、サーバ側記憶部23に記憶している情報を参照して、利用場所5のそれぞれに提供する提供物6を、当該利用場所5に関連付けられている興味対象物の中から選択する選択処理とを実行する。
【0039】
図2は、提供物選択プログラムが端末装置2で実行されている場合での端末装置2の表示画面例を示す図である。
図2に示す画面は、マイページボタン31が選択入力された場合に表示される画面である。この画面では、端末装置2を使用する利用者1を識別可能なユーザID(「123456」)が利用者識別情報として表示されている。また、この利用者1が利用する利用場所5が「オフィスA」及び「喫茶店A」であるという利用場所情報が表示されている。尚、利用者識別情報は上述したユーザIDとは別の情報であってもよい。
【0040】
図2に表示されている場所追加ボタン32を選択入力することで、利用場所5を追加できる。例えば、場所追加ボタン32を選択入力した場合、場所名の入力画面が端末装置2に表示され、入力画面で所定の場所名を入力することで、その場所名が利用場所5として端末側記憶部13に記憶される。また、利用者識別情報と共にその利用場所5がサーバ装置4に伝達される。或いは、例えば場所追加ボタン32を選択入力した場合、現在位置計測部14で計測された現在位置の情報(例えば、現在位置の座標情報など)が特定され、その現在位置の情報が端末側記憶部13に記憶される。そして、端末側情報処理部12が位置情報サーバ(図示せず)などにアクセスすることでその現在位置の情報に対応する施設名称が特定され、その施設名称が利用場所5として端末側記憶部13に記憶される。また、利用者識別情報と共にその利用場所5についての利用場所情報がサーバ装置4に伝達される。このようにして、端末装置2は、当該端末装置2を使用する利用者1を識別可能な利用者識別情報と、利用者1が利用する利用場所5についての利用場所情報とを利用者1から受け付けてサーバ装置4に伝達する。
【0041】
加えて、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、登録された利用場所情報に関して、利用場所5の属性を示す場所属性を決定して、利用場所5とその場所属性とを含む利用場所情報を記憶することもできる。例えば、サーバ側情報処理部22は、利用場所5の名称と場所属性との対応関係をサーバ側記憶部23に記憶させており、その対応関係の情報に基づいて、登録された利用場所5としてのオフィスAが銀行の名称を含んでいれば「金融系」といった場所属性を決定できる。また、サーバ側情報処理部22は、登録された利用場所5としての喫茶店Aについては、「飲食系」といった場所属性を決定できる。尚、場所属性は、利用者1が端末装置2で入力してもよい。
また、戻るボタン33が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。
【0042】
図3は、端末装置2の表示画面例である。
図3に示す画面は、
図2に示した画面で本棚ボタン30が選択入力された場合に表示される画面である。この画面では、端末装置2を使用する利用者1が興味を持っている興味対象物についての興味情報が表示されている。例えば、読んだことがある書籍、読んだことは無いが読みたいと考えている書籍などを、後述するように登録できる。
【0043】
図3の例では、書籍A及び書籍Dが興味対象物として表示されている。加えて、
図3に示される興味情報は、書籍名(興味対象物)とその書籍に対する興味の高さを示す興味度合いとを含む。具体的には、書籍Aについては「おすすめ」という興味度合いが表示され、書籍Dについては「読みたい」という興味度合いが表示されている。
【0044】
更に、
図3に示される興味情報は、書籍名(興味対象物)とその書籍についての登録日(即ち、興味情報がサーバ装置4に伝達された日付)とを含む。具体的には、書籍Aについては「2022年5月1日登録」という日付が表示され、書籍Dについては「2022年7月1日登録」という日付が表示されている。
また、戻るボタン35が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。
【0045】
本棚への書籍の追加登録は、
図3に示した画面で新規登録ボタン34を選択入力することで実行できる。
図4は、
図3に示した画面で新規登録ボタン34が選択入力された場合に表示される画面である。この画面では画像表示エリア36に、端末装置2の端末側撮像部15によって撮像される画像が表示される。また、戻るボタン37が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。画像表示エリア36の下方には、「バーコードを合わせてください」と表示されている。利用者1が、登録したい書籍に印刷されているバーコードを画像表示エリア36に入れると、端末装置2が自動でそのバーコードを読み取り、インターネット検索された本の候補が表示される。そして、その候補の何れかを選択入力すると、次に
図5に表示される画面が表示される。
【0046】
尚、図示は省略するが、読んだことはあるがその書籍が手元にない場合、又は、読んだことがないが興味のある書籍である場合(即ち、後述する「よみたい」書籍である場合)には、別の手法で本棚への書籍の登録を行うことができる。例えば、利用者1が書籍の名称などの興味対象物の名称を示す文字情報を入力することで、興味対象物を登録することもできる。
【0047】
図5に表示される画面では、本棚に追加する書籍Aの表紙画像39が表示され、その書籍Aを推奨するためのおすすめコメントを、文字入力欄38に入力できる。尚、おすすめコメントを入力しなくても構わない。そして、確定ボタン40を選択入力することで、その書籍及びおすすめコメントが
図4に示した本棚に収納されている書籍Aについての情報(興味情報)として端末装置2の端末側記憶部13に記憶される。記憶された書籍についての興味情報は、サーバ装置4に送信されてサーバ側記憶部23に記憶される。また、戻るボタン41が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。
【0048】
図6は、
図4及び
図5で説明したような手法で登録された後に
図3に示した画面で書籍Aの表示部分に対する選択入力が行われた場合に表示される画面である。この画面では、書籍Aの表紙画像42、おすすめ欄43及び読みたい欄44が表示されている。利用者1が読んだことがある書籍の場合、おすすめ欄43を選択入力すれば
図6に示すようにおすすめ欄43が強調表示される。それにより、書籍Aを「おすすめ」したいという利用者1の興味度合いが示される。また、記憶された書籍についての興味情報、即ち、興味対象物としての書籍Aとその興味対象物に対する興味の高さを示す興味度合いとしての「おすすめ」とを含む情報が、サーバ装置4に送信される。また、戻るボタン47が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。
【0049】
また、他の利用者1も書籍Aを「おすすめ」として登録し、その際におすすめコメントを入力している場合、他の利用者1のおすすめコメントがサーバ装置4から端末装置2に送信されて、
図6の文字表示欄45で表示される。利用者1は、そのコメントの中で共感できるものが有れば、その書籍についての興味度合いを示すための共感ボタン46を選択入力できる。共感ボタン46に対する選択入力を行ったことは端末装置2の端末側記憶部13に記憶され、サーバ装置4に送信されてサーバ側記憶部23に記憶される。詳細は後述するが、各書籍(即ち、各興味対象物)に対して複数の利用者1が共感ボタン46を選択入力した数の合計はサーバ装置4で記憶されている。つまり、特定の書籍のおすすめコメントに対して共感ボタン46が選択入力された数の合計は、その書籍(興味対象物)に対する興味度合いを示す情報として管理される。
【0050】
図7は、
図3に示した画面で書籍Dの表示部分に対する選択入力が行われた場合に表示される画面である。この画面では表紙画像42が表示されている。書籍Dは利用者1が未だ読んだことが無い書籍であるため、この画面では読みたい欄44が強調表示されており、書籍Dを「読みたい」という利用者1の興味度合いが示されている。また、他の利用者1が登録したおすすめコメントがサーバ装置4から端末装置2に送信されて、
図7の文字表示欄45で表示される。尚、この利用者1は書籍Dを「読みたい」としている、即ち読んだことがないため、
図6に示したような共感ボタン46は表示されていない。
【0051】
以上のようにして利用場所情報及び興味情報がサーバ装置4に伝達されることで、サーバ装置4は、各利用者1の端末装置2から受け付けた、端末装置2の利用者1の利用者識別情報と利用場所情報及び興味情報とを互いに関連付けてサーバ側記憶部23に記憶する記憶処理を行うことができる。以下に示す表1及び表2は、サーバ側記憶部23に記憶されている情報である。具体的には、表1は、利用者1によって登録された複数の利用場所5のそれぞれと、利用者1及び場所属性との対応関係を示す情報である。表2は、利用者1のそれぞれと、各利用者1によって登録された興味対象物としての書籍、興味度合い、登録日及び共感数との対応関係を示す情報である。
【0052】
【0053】
【0054】
図8~
図10は、表1及び表2に示した各種情報を模式的に描いた図である。具体的には、
図8は、オフィスAを利用場所5として登録している利用者1A及び利用者1Bの興味情報を示す図である。
図9は、オフィスBを利用場所5として登録している利用者1C及び利用者1Dの興味情報を示す図である。
図10は、喫茶店Aを利用場所5として登録している利用者1A及び利用者1Cの興味情報を示す図である。
【0055】
そして、サーバ装置4は、サーバ側記憶部23に記憶している情報を参照して、オフィスA、オフィスB、喫茶店Aなどの利用場所5のそれぞれに提供する提供物6を、各利用場所5に関連付けられている興味対象物の中から選択する選択処理を実行する。以下に、その選択処理の例について説明する。
【0056】
〔選択処理例1〕
サーバ装置4は、選択処理において、利用場所5に提供する提供物6を、興味度合いを優先的に参照して選択することができる。例えば、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、興味度合いのうちの「おすすめ」とされている書籍を提供物6として選択する。その場合、オフィスBであれば、書籍Bが提供物6として選択される。
【0057】
或いは、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、興味度合いのうちの「読みたい」とされている書籍を提供物6として選択してもよい。その場合、オフィスBであれば、書籍Cが提供物6として選択される。
【0058】
また或いは、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、興味度合いのうちの「共感」の数が多い書籍を提供物6として選択してもよい。その場合、オフィスBであれば、書籍Cが提供物6として選択される。
【0059】
〔選択処理例2〕
サーバ装置4は、選択処理において、利用場所5に提供する提供物6を、興味情報がサーバ装置4に伝達された日付(
図3で示した登録日)を優先的に参照して選択することができる。例えば、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、サーバ装置4に伝達された日付が新しい書籍を提供物6として選択する。その場合、オフィスAであれば、書籍Dが提供物6として選択される。
【0060】
或いは、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、サーバ装置4に伝達された日付が古い書籍を提供物6として選択してもよい。その場合、オフィスAであれば、書籍Bが提供物6として選択される。
【0061】
〔選択処理例3〕
サーバ装置4は、選択処理において、特定の利用場所5と場所属性が同じである他の利用場所5に提供する提供物6として選択された興味対象物を、当該特定の利用場所5に提供する提供物6として選択することができる。例えば、サーバ装置4のサーバ側情報処理部22は、オフィスA(金融系)と場所属性が同じであるオフィスBに提供する提供物6として選択された書籍Cを、オフィスAに提供する提供物6として選択する。このように、サーバ装置4は、選択処理において、場所属性が同じ利用場所5には、同じ提供物6を選択してもよい。
【0062】
以上のような選択処理により、各利用場所5に提供する提供物6が選択される。そして、サーバ装置4は、選択処理を実行すると共に、利用場所5に提供する提供物6として選択した興味対象物に関する情報を、サーバ側記憶部23で当該利用場所5を利用すると記憶している全ての利用者1の端末装置2に伝達する伝達処理を実行する。
【0063】
図11は、サーバ装置4から端末装置2に伝達された、提供物6として選択した興味対象物に関する情報を示す画面である。この画面は、
図3に示した画面で「提供書籍一覧へ」ボタン50が選択入力された場合に表示される画面である。この画面では書籍Bの表示画像48が表示されると共に、その選択理由として「おすすめされている書籍」と表示されることで、おすすめされた書籍BがオフィスAで提供物6として選択されたことが示されている。つまり、サーバ装置4は、伝達処理において、利用場所5に提供する提供物6として選択した興味対象物に関する情報を、選択した理由と共に利用者1へ伝達している。また、戻るボタン49が選択入力されると、
図3の表示画面に戻る。
【0064】
加えて、サーバ装置4は、利用場所5に提供する提供物6として選択した興味対象物を、利用場所5へ提供するための発注処理を行う。例えば、オフィスBで書籍Bが提供物6として選択された場合、所定の配送業者に対して、オフィスBに書籍Bを配送するための発注処理を行う。その後、配送業者が書籍BをオフィスBに配送した場合、オフィスBを利用する利用者1は、実際に書籍Bを手に取って見ることができる。
【0065】
サーバ装置4は、例えば1カ月毎などの予め定められたタイミングで選択処理を繰り返し実行する。また、サーバ装置4は、上述した伝達処理及び発注処理も繰り返し実行する。その結果、各利用場所5の利用者1は、選択された提供物6を定期的に見ることができる。尚、サーバ装置4は、特定の利用場所5に提供する提供物6として過去に選択された興味対象物を、当該特定の利用場所5に関して行う以後の選択処理では選択しないようにしてもよい。
【0066】
このようにして、利用者1の端末装置2から受け付けた、当該利用者1を識別可能な利用者識別情報と、当該利用者1が利用する利用場所5と、当該利用者1が興味を持っている興味対象物とを互いに関連付けて記憶し、利用場所5に提供する提供物6を、当該利用場所5に関連付けられている利用者1の興味対象物の中から選択する提供物選択装置が実現される。
【0067】
<別実施形態>
上記実施形態では、情報通信システムの構成について具体的に説明したが、その構成は適宜変更可能である。
【0068】
上記実施形態では、選択処理の例について具体例を挙げて説明したが、選択処理の内容は適宜設定可能である。例えば、サーバ装置4は、選択処理において、複数の利用者1による興味度合いが「おすすめ」且つ「読みたい」とされている興味対象物を優先的に提供物6として選択してもよい。
【0069】
サーバ装置4は、選択処理において、登録された日付が特定の範囲内にある興味対象物の中から提供物6を優先的に選択してもよい。
【0070】
サーバ装置4は、1回の選択処理で1つの提供物6を選択してもよいし、又は、複数の提供物6を選択してもよい。
【0071】
サーバ装置4が選択処理において何を優先して提供物6を選択するのかは、予めサーバ側記憶部23に記憶させておいてもよい。或いは、サーバ装置4が選択処理において何を優先して提供物6を選択するのかを、サーバ装置4の操作者がサーバ側入力受付部20を用いて入力してもよい。
【0072】
サーバ装置4は、選択処理において、例えば、まず最初に興味度合いを優先するという選択条件で提供物6の選択を行い、興味度合いが同じであれば、次に興味情報がサーバ装置4に伝達された日付を優先するという選択条件で提供物6を選択するというように、複数の選択条件を順に適用して提供物6を選択してもよい。
【0073】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、複数の利用者が利用する利用場所に提供する提供物を適切に選択可能な提供物選択システムに利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 :利用者
2 :端末装置
4 :サーバ装置
23 :サーバ側記憶部
5 :利用場所
6 :提供物