(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081046
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】単価照会装置、単価照会方法、及び単価照会プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194477
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】売上照会において単価の取得元を簡単に照会できるようにすることで、単価のチェック業務の負荷を軽減すること。
【解決手段】本実施の形態に係る単価照会装置は、受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力手段と、売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力手段と、売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会手段と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び記憶部を備えた単価照会装置であって、
前記制御部は、
受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力手段と、
売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力手段と、
売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会手段と、
を備えたことを特徴とする単価照会装置。
【請求項2】
前記取得単価情報元は、単価マスタ、見積、又は手入力を含むことを特徴とする請求項1に記載の単価照会装置。
【請求項3】
前記記憶部には、
単価制御の対象となる取引区分を登録した単価制御取引区分マスタと、
商品と単価制御の対象となるか否かを指定する単価制御区分を関連付けて登録した商品マスタと、
少なくとも、得意先、納入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて格納した単価マスタと、
が格納されており、
前記受注データ及び前記売上データは、単価制御の対象となるか否かを示す単価制御対象情報を含み、
前記売上照会データは、受注及び売上の単価制御対象情報を含み、
前記受注入力手段は、受注区分が前記単価制御取引区分マスタの取引区分に登録されており、かつ、前記商品マスタを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、
前記売上入力手段は、売上区分が前記単価制御取引区分マスタの取引区分に登録されており、かつ、前記商品マスタを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、
前記単価制御では、入力画面において、前記単価マスタから取得した単価と、取得した単価×数量で算出した金額を入力・変更不可となるように画面制御することを特徴とする請求項1に記載の単価照会装置。
【請求項4】
前記単価制御では、入力画面において、前記単価マスタで対象となる単価がない場合には、エラーメッセージを表示すること特徴とする請求項3に記載の単価照会装置。
【請求項5】
前記単価マスタは、
得意先、納入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて登録した得意先納入先別商品単価マスタと、
得意先、納入先、仕入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて登録した得意先納入先仕入先別商品単価マスタと、
を含み、
前記受注入力手段は、商品、得意先、納入先、受注日をキーとして、前記得意先納入先別商品単価マスタから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、受注日をキーとして、前記得意先納入先仕入先別商品単価マスタから単価を取得し、
前記売上入力手段は、商品、得意先、納入先、売上日をキーとして、前記得意先納入先別商品単価マスタから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、売上日をキーとして、前記得意先納入先仕入先別商品単価マスタから単価を取得することを特徴とする請求項3に記載の単価照会装置。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置が実行する単価照会方法であって、
前記制御部において実行される、
受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力工程と、
売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力工程と、
売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会工程と、
を含むことを特徴とする単価照会方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための単価照会プログラムであって、
前記制御部において実行される、
受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力工程と、
売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力工程と、
売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会工程と、
を実行させるための単価照会プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単価照会装置、単価照会方法、及び単価照会プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、商品の取引では、商品単価を事前に顧客との間で決定して取引を行う。価格決定後の実取引では、必ずしも決定単価通りに取引が進まないケースもある。従来、商品単価を照会するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、売上照会において単価の取得元を照会することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、売上照会において単価の取得元を簡単に照会できるようにすることで、単価のチェック業務の負荷を軽減することが可能な単価照会装置、単価照会方法、及び単価照会プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた単価照会装置であって、前記制御部は、受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力手段と、売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力手段と、売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記取得単価情報元は、単価マスタ、見積、又は手入力を含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記記憶部には、単価制御の対象となる取引区分を登録した単価制御取引区分マスタと、商品と単価制御の対象となるか否かを指定する単価制御区分を関連付けて登録した商品マスタと、少なくとも、得意先、納入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて格納した単価マスタと、が格納されており、前記受注データ及び前記売上データは、単価制御の対象となるか否かを示す単価制御対象情報を含み、前記売上照会データは、受注及び売上の単価制御対象情報を含み、前記受注入力手段は、受注区分が前記単価制御取引区分マスタの取引区分に登録されており、かつ、前記商品マスタを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、前記売上入力手段は、売上区分が前記単価制御取引区分マスタの取引区分に登録されており、かつ、前記商品マスタを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、前記単価制御では、入力画面において、前記単価マスタから取得した単価と、取得した単価×数量で算出した金額を入力・変更不可となるように画面制御することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記単価制御では、入力画面において、前記単価マスタで対象となる単価がない場合には、エラーメッセージを表示することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記単価マスタは、得意先、納入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて登録した得意先納入先別商品単価マスタと、得意先、納入先、仕入先、適用期間、商品、単価の単位である数量、単価を関連づけて登録した得意先納入先仕入先別商品単価マスタと、を含み、前記受注入力手段は、商品、得意先、納入先、受注日をキーとして、前記得意先納入先別商品単価マスタから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、受注日をキーとして、前記得意先納入先仕入先別商品単価マスタから単価を取得し、前記売上入力手段は、商品、得意先、納入先、売上日をキーとして、前記得意先納入先別商品単価マスタから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、売上日をキーとして、前記得意先納入先仕入先別商品単価マスタから単価を取得することにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する単価照会方法であって、前記制御部において実行される、受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力工程と、売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力工程と、売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための単価照会プログラムであって、前記制御部において実行される、受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、記憶部に登録する受注入力工程と、売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、記憶部に登録する売上入力工程と、売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、前記記憶部に登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会工程と、を実行させるための単価照会プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、売上照会において単価の取得元を簡単に照会できるようにすることで、単価のチェック業務の負荷を軽減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態の適正単価照会機能及び適正単価制御機能を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る単価照会装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、得意先納入先仕入先別商品単価マスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、得意先納入先別商品単価マスタの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、単価制御取引区分マスタの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、商品マスタの構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、単価照会装置の制御部の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図8】
図8は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、単価照会装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
価格決定後の実取引では、必ずしも決定単価通りに取引が進まないケースもある(例:返品計上時・赤伝票の起票・値引など)。そのため、管理者が意図しない価格決定は売上計上まで発生する可能性があり、請求業務・支払業務における煩雑なチェック業務は業界共通の運用課題となっている。
【0017】
そこで、本実施の形態では、売上照会において単価の取得元を簡単に照会できるようにすることで、単価のチェック業務の負荷を軽減する。
【0018】
具体的には、本実施の形態の単価照会装置は、(1)適正単価照会機能と(2)単価制御機能を備えている。
図1は、本実施の形態の単価照会装置は、(1)適正単価照会機能と(2)単価制御機能を備えている。
図1は、(1)適正単価照会機能と(2)単価制御機能を説明するための図である。
【0019】
(1)適正単価照会機能では、計上後の伝票を売上照会/仕入照会等で以下の2点の側面で明細を確認可能となっており、(A)単価制御可否:単価制御対象の明細だったかどうかを確認可能となっており、また、(B)取得単価:取得単価が単価マスタから取得したかどうかを確認可能となっている。
【0020】
(2)単価制御機能では、受注/発注/売上/仕入時等に、条件に応じて営業担当者が取引の契約段階で取り決めた商流ごとの単価を受注以降の計上画面に連動させる。具体的には、受注/発注/売上/仕入時に商流と商品に応じて、単価・金額項目に画面上変更不可の画面制御が入り、単価未取得の場合には、計上ができないように制御を行い、単価マスタがある場合に計上が可能となるように制御する。
【0021】
本実施の形態によれば、オペレーションによる単価取得漏れや、マスタ設定ミスによる意図しない単価取得の実行を行っていないかを予防および確認し判断することが可能となる。また、正確な単価・金額の早期把握・誤請求・支払業務予防、請求業務早期化のシステムアシストを実現することができる。これにより、ベンダーへの問合せ調査などに依存せず、ユーザー利用の自立化にもつなげることができる。
【0022】
本実施の形態の単価照会装置は、単価見積を行う業種・業界に広く適用可能であり、例えば、化学製品等の価格の変動が大きい場合に、顧客との間で取り決めた単価を元に正確に業務を行っているかを確認する場合に有用である。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る単価照会装置の構成の一例について、図面を参照して説明する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る単価照会装置の一例を示すブロック図である。単価照会装置100は、ワークステーションや市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータ等である。
【0025】
単価照会装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。単価照会装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、単価照会装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、単価照会装置100と、サーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。これにより、通信インターフェース部104は、ネットワーク300を介して、サーバ200とデータ通信可能に構成されている。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0029】
また、この記憶部106は、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aと、得意先納入先別商品単価マスタ106bと、単価制御取引区分マスタ106cと、商品マスタ106dと、データテーブル106eとを備えている。
図3は、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aの構成例を示す図である。
図4は、得意先納入先別商品単価マスタ106bの構成例を示す図である。
図5は、単価制御取引区分マスタ106cの構成例を示す図である。
図6は、商品マスタ106dの構成例を示す図である。
【0030】
得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aは、
図3に示すように、得意先、納入先、仕入先、適用期間(適用開始日、適用終了日)、商品、数量、単価を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0031】
得意先納入先別商品単価マスタ106bは、
図4に示すように、得意先、納入先、適用期間(適用開始日、適用終了日)、商品、数量未満、単価を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0032】
単価制御取引区分マスタ106cは、単価制御の対象となるデータ区分及び取引区分を設定するためのマスタであり、
図5に示すように、データ区分と取引区分を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0033】
商品マスタ106dは、商品毎に単価制御を行うか否かを設定するためのマスタであり、
図6に示すように、商品コード、商品名、単価制御を行うか否かを指定する単価制御区分(単価制御有の場合「0:有」、単価制御無の場合「0:無」)を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0034】
データテーブル106eは、見積データ、受注データ、売上データ等の各種データを格納するためのテーブルである。
【0035】
見積データは、見積識別番号(見積番号、行番号)、見積区分、事業所、見積日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含んでいてもよい。
【0036】
受注データは、受注識別番号(受注番号、行番号)、受注区分、事業所、受注日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、見積識別番号(見積番号、見積行番号)、単価制御対象か否かを示す単価制御対象情報、単価の取得元を示す取得単価情報元を含んでいてもよい。
【0037】
売上データは、売上識別番号(売上番号、行番号)、売上区分、事業所、売上日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、受注識別番号(受注番号、受注行番号)、単価制御対象か否かを示す単価制御対象情報、単価の取得元を示す取得単価情報元を含んでいてもよい。
【0038】
制御部102は、単価照会装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部102は、記憶部106に格納されている、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106a、得意先納入先別商品単価マスタ106b、単価制御取引区分マスタ106c、商品マスタ106d、データテーブル106e等にアクセス可能に構成されている。なお、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106a、得意先納入先別商品単価マスタ106b、単価制御取引区分マスタ106c、商品マスタ106d、データテーブル106eは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0040】
制御部102は、適正単価照会機能と単価制御機能を備えており、機能概念的に、見積入力部102aと、受注入力部102bと、売上入力部102cと、照会部102dと、画面表示制御部102eと、マスタメンテ部102fと、を備えている。
【0041】
見積入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される見積入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、見積番号、行番号、見積区分、事業所、見積日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、取得単価情報元を含む見積データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0042】
受注入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、データテーブル106eに登録する。
【0043】
売上入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0044】
照会部102dは、例えば、モニタ114に表示される売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106eに登録した売上データ及び受注データを参照して、受注時及び売上時の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する。
【0045】
取得単価情報元は、単価マスタ、見積、又は手入力を含むことにしてもよい。
【0046】
受注データ及び売上データは、単価制御対象か否かを示す単価制御対象情報を含み、売上照会データは、さらに、受注及び売上の単価制御対象情報を含むことにしてもよい。受注入力部102bは、受注区分が単価制御取引区分マスタ106cの取引区分に登録されており、かつ、商品マスタ106dを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、売上入力部102cは、売上区分が単価制御取引区分マスタ106cの取引区分に登録されており、かつ、商品マスタ106dを参照して商品の単価制御区分が単価制御の対象である場合には、単価制御を行い、単価制御では、入力画面において、単価マスタから取得した単価と、取得した単価×数量で算出した金額を入力・変更不可となるように画面制御することにしてもよい。
【0047】
また、単価制御では、入力画面において、単価マスタで対象となる単価がない場合には、エラーメッセージを表示することにしてもよい。
【0048】
また、単価マスタは、得意先納入先別商品単価マスタ106bと、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aと、を含み、受注入力部102bは、商品、得意先、納入先、受注日をキーとして、得意先納入先別商品単価マスタ106bから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、受注日をキーとして、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aから単価を取得し、売上入力部102cは、商品、得意先、納入先、売上日をキーとして、得意先納入先別商品単価マスタ106bから単価を取得し、また、商品、得意先、納入先、仕入先、売上日をキーとして、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aから単価を取得することにしてもよい。
【0049】
画面表示制御部102eは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面、見積入力画面、受注入力画面、売上入力画面、売上照会画面等)の表示や入力の受付を制御する。
【0050】
マスタメンテ部102fは、不図示のマスタメンテ画面上のオペレータの操作等に応じて、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106a、得意先納入先別商品単価マスタ106b、単価制御取引区分マスタ106c、商品マスタ106dに対して、データの入力・追加・変更・更新等の設定を行うためのものである。
【0051】
[3.具体例]
本実施の形態に係る単価照会装置100の制御部102の処理の具体例について、
図1~
図16を参照して説明する。
【0052】
(3-1.全体の処理)
図7は、単価照会装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローチャートである。
図3を参照して、単価照会装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明する。
【0053】
見積入力部102aは、見積入力処理を実行する(ステップS1)。具体的には、見積入力処理では、見積入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される見積入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、見積番号、行番号、見積区分、事業所、見積日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む見積データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0054】
受注入力部102bは、受注入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、受注入力処理では、受注入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価制御対象か否かを示す単価制御対象情報、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、データテーブル106eに登録する。
【0055】
売上入力部102cは、売上入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、売上入力処理では、売上入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価制御対象か否かを示す単価制御対象情報、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0056】
照会部102dは、売上照会処理を実行する(ステップS4)。具体的には、売上照会処理では、照会部102dは、例えば、モニタ114に表示される売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106eに登録した売上データ及び受注データを参照して、受注時及び売上時の単価制御対象情報及び取得単価情報元を含む売上照会データを表示する。
【0057】
(3-2.サンプルデータ)
図8~
図16を参照して、単価照会装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
図8~
図16は、単価照会装置100の制御部102の処理の具体例を説明するため図である。以下の説明では、説明の便宜のため、マスタ及びデータにNOを付している。
【0058】
(前提データ)
記憶部106には、
図8に示すマスタのデータが予め登録されているものとする。
【0059】
図8(A)は、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aの構成例を示す図である。得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aは、得意先、納入先、仕入先、適用期間(適用開始日、適用終了日)、商品、数量、単価の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、得意先「TK001」、納入先「NOU001」、仕入先「SR001」、適用開始日「2022/5/1」、適用終了日「2022/12/31」、商品「SH01(アンモニア)」、数量「1ケース」、単価「¥1,200」となっている。
【0060】
図8(B)は、得意先納入先別商品単価マスタ106bの構成例を示す図である。得意先納入先別商品単価マスタ106bは、得意先、納入先、適用期間(適用開始日、適用終了日)、商品、数量未満、単価の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、得意先「TK001」、納入先「NOU001」、適用開始日「2022/5/1」、適用終了日「2022/7/19」、商品「SH01(アンモニア)」、数量未満「10ケース」、単価「¥1,000」となっている。
【0061】
図8(C)は、単価制御取引区分マスタ106cの構成例を示す図である。単価制御取引区分マスタ106cは、データ区分と取引区分の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、データ区分「20(受注)」、取引区分「10(在庫受注)」、2行目は、データ区分「20(受注)」、取引区分「20(直送)」、3行目は、データ区分「40(売上)」、取引区分「10(在庫売上)」、4行目は、データ区分「40(売上)」、取引区分「20(直送)」となっている。
【0062】
図8(C)は、商品マスタ106dの構成例を示す図である。商品マスタ106dは、商品コード、商品名、単価制御を行うか否かを指定する単価制御区分(単価制御有の場合「0:有」、単価制御無の場合「0:無」)の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、商品コード「SH01」、商品名「アンモニア」、単価制御区分「0(有)」、2行目は、商品コード「SH02」、商品名「硝酸」、単価制御区分「0(有)」、3行目は、商品コード「SH03」、商品名「容器」、単価制御区分「1(無)」、4行目は、商品コード「SH04」、商品名「容器」、単価制御区分「1(無)」、5行目は、商品コード「SH05」、商品名「缶」、単価制御区分「1(無)」、6行目は、商品コード「SH06」、商品名「ソーダ」、単価制御区分「0(有)」となっている。
【0063】
(単価制御機能)
図9~
図12を参照して、制御部102の単価制御機能を説明する。
【0064】
入力画面の入力内容が以下2条件と一致する場合に単価制御を行い、単価制御を行う場合は、受注データや売上データの単価制御対象情報を「対象」とする。他方、単価制御を行わない場合は、「対象外」とする。
(1)入力される受注区分、売上区分が単価制御取引区分マスタ106cの取引区分で登録されている場合
【0065】
(2)商品マスタ106dの単価制御区分(0:有/1:無)が「0:有」の商品を選択した場合
【0066】
単価制御を行う場合は、画面入力制御とエラー制御を行う。
【0067】
(1)画面入力制御では、入力画面において、単価・金額項目を入力・変更不可となるように制御する。
(2)エラー制御では、明細画面の数量を入力時に処理される単価取得で対象の単価マスタがない場合にエラーとして、エラーメッセージとして、例えば、「取得できる単価マスタがありませんでした。単価マスタの確認をしてください。」を表示する。
【0068】
図9及び
図10を参照して、受注入力画面において単価制御を行う場合を説明する。
図9(A)は、単価制御取引区分マスタ106cのデータ例を示す図である。
図9(B)は、商品マスタ106dのデータ例を示す図である。
図10(A)は、受注入力画面のメイン画面の表示例を示す図である。
図10(B)は、受注入力画面の明細画面の表示例を示す図である。ここでは、単価制御条件に合致する場合(明細画面で単価、金額の項目の制御を行う場合)の例を説明する。
【0069】
図10(A)に示すように、受注入力画面のメイン画面は、事業所、受注日、売上予定日、得意先、担当者、納入先を入力するヘッダ部と、受注明細(行、受注区分(取引区分)、在庫受注、数量、明細摘要、商品、単価、仕入先)を表示する明細部と、を備えている。不図示の登録ボタンが押下されると、入力内容に応じた受注データがデータテーブル106eに登録される。
【0070】
同図に示す例では、事業所「T100」、受注日「2022/7/10」、売上予定日「2022/7/16」、得意先「TK001」、担当者「TAN001」、納入先「NOU001」が入力されている。
【0071】
明細部を選択(例えば、ダブルクリック)すると、
図10(B)に示すような明細画面が表示される。明細画面は、行番号、受注区分(取引区分)、商品、仕入先、数量、単価、金額、明細摘要の項目を入力する欄を備えており、各項目にデータを入力して、不図示の確定ボタンを押すと、入力内容がメイン画面の明細部に設定される。
【0072】
ここで、
図10(B)に示すように、行番号「1」、受注区分(取引区分)「10 在庫受注」、商品「SH01 アンモニア」、数量「2ケース」を入力する。
図9(A)に示す単価制御取引区分マスタ106cでは、取引区分「10(在庫受注)」が設定され、かつ、
図9(B)に示す商品マスタ106dで、商品「SH01 アンモニア」は、単価制御区分「0(有)」が設定されているので、単価制御を行う。得意先「TK001」、納入先「NOU001」、受注日「2022/7/10」、商品「SH01 アンモニア」をキーとして、
図8(A)の得意先納入先別商品単価マスタ106bから単価「1000円」を取得し(受注日「2022/7/10」は、得意先納入先別商品単価マスタ106bの適用期間「2022/5/1~2022/7/19」内となる)、金額=単価「1000」×数量「2」=2,000円を算出して、明細画面の単価「1000円」、金額「2,000円」を自動表示する。この単価と金額は変更不可となっている。この場合の受注データの単価制御対象情報は、「対象」、取得単価情報元は、「得意先納入先別商品単価マスタ」となる。
【0073】
図11を参照して、売上入力画面における単価制御について説明する。
図11(A)は、単価制御取引区分マスタ106cのデータ例を示す図である。
図11(B)は、商品マスタ106dのデータ例を示す図である。
図12(A)は、売上入力画面のメイン画面の表示例を示す図である。
図12(B)は、売上入力画面の明細画面の表示例を示す図である。ここでは、単価制御条件に合致しない場合(明細画面で単価、金額の項目の制御を行わない場合)の例を説明する。
【0074】
図12(A)に示すように、売上入力画面は、事業所、売上日、得意先、担当者、納入先を入力するヘッダ部と、受注明細(行、売上区分(取引区分)、数量、明細摘要、商品、単価、仕入先)を表示する明細部と、を備えている。不図示の登録ボタンが押下されると、入力内容に応じた売上データがデータテーブル106eに登録される。
【0075】
同図に示す例では、事業所「T100」、売上日「2022/7/22」、得意先「TK001」、担当者「TAN001」、納入先「NOU001」が入力されている。
【0076】
明細部を選択(例えば、ダブルクリック)すると、
図12(B)に示すような明細画面が表示される。明細画面は、行番号、売上区分(取引区分)、商品、仕入先、数量、単価、金額、明細摘要の項目を入力する欄を備えており、各項目にデータを入力して、不図示の確定ボタンを押すと、入力内容がメイン画面の明細部に設定される。
【0077】
ここで、
図12(B)に示すように、行番号「1」、売上区分(取引区分)「30 返品」、商品「SH01 アンモニア」、数量「2ケース」を入力した場合、
図11(A)に示す単価制御取引区分マスタ106cでは、データ取引区分「30(返品)」は設定されていないので、単価制御を行わない。単価「1,000円」、金額「-2,000」はオペレータが入力することができる。この場合の売上データの単価制御対象情報は、「対象外」、取得単価情報元は、「手入力」となる。
【0078】
(適正単価照会機能)
制御部102の適正単価照会機能を説明する。
適正単価照会機能では、計上後の伝票を以下2点の側面(1)、(2)で明細を確認可能となっている。
(1)単価制御対象情報で単価制御対象の明細だったかどうかを確認可能である。
【0079】
(2)取得単価情報元で取得単価が単価マスタから取得したかどうかを確認可能である。
「取得単価情報元」で、取得した単価マスタ名を表示する。
【0080】
受注データ及び売上データの場合は、取得単価情報元は、以下の優先順で取得する。
(1)単価マスタより取得
データに保持する単価マスタキー情報(適用開始日・適用終了日・得意先・納入先・仕入先・数量・商品・単価)を元に合致するマスタ名称を取得する。
単価マスタの取得順序はキー情報の多い単価マスタを優先的に取得する。本例では、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106a>得意先納入先別商品単価マスタ106bの順となる。適用開始日・適用終了日については、計上データの計上日が、適用開始日以上かつ適用終了日以下である事が合致条件となる。
【0081】
(2)単価マスタ(過去単価)より取得
データに保持する単価マスタキー情報(計上日・得意先・納入先・仕入先・数量・商品・単価)を元に計上日より過去の適用期間で最新の適用開始日を保持する合致するマスタ名称を取得する。単価マスタの取得順序はキー情報の多い単価マスタを優先的に取得する。本例では、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106a>得意先納入先別商品単価マスタ106bの順となる。計上データの計上日が、適用開始日以上かつ適用終了日以下であるマスタがない場合に、計上日以外の単価マスタキー情報が合致する事が合致条件となる。
【0082】
(3)受注データ・見積データより取得
データが保持する計上元データ(例:売上であれば、見積→受注⇒売上、受注であれば、見積→受注)の伝票番号・行番号と一致する明細の単価が一致する場合、該当の計上元伝票番号と行番号を表示する。
【0083】
(4)それ以外
「手動」とする。(4)を対象に管理者は、現場へ計上データの単価マスタを確認可能となる。
【0084】
図13~
図16を参照して、見積から売上照会までの処理を、サンプルデータを参照して説明する。
【0085】
(S1:見積入力処理)
見積入力部102aは、モニタ114に表示される見積入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、見積番号、行番号、見積区分、事業所、見積日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、取得単価情報元を含む見積データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0086】
図13は、見積データのデータ例を示す図である。見積データは、見積番号、行番号、見積区分、事業所、見積日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、取得単価情報元の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、見積番号「MM001」、行番号「1」、見積区分「直送」、事業所「T100」、見積日「2022/7/8」、担当者「TAN001」、得意先「TK002」、納入先「NOU02」、仕入先「SR001」、商品「SH03(容器)」、数量「30ケース」、単価「¥900」、金額「¥27,000」、取得単価情報元「手入力」となっている。
【0087】
(S2:受注入力)
受注入力部102bは、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、受注番号、行番号、受注区分、事業所、受注日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、見積番号、見積行番号、単価制御対象情報、取得単価情報元を含む受注データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0088】
図14は、受注データのデータ例を示す図である。受注データは、受注番号、行番号、受注区分、事業所、受注日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、見積番号、見積行番号、単価制御対象情報、取得単価情報元の項目を備えている。
【0089】
受注番号「JJ001」、行番号「1」、受注区分「受注」、事業所「T100」、受注日「2022/7/10」、担当者「TAN001」、得意先「TK001」、納入先「NOU01」、仕入先「-」、商品「SH01(アンモニア)」、数量「2ケース」、単価「¥1,000」、金額「¥2,000」、見積番号「-」、見積行番号「-」、単価制御対象情報「対象」、取得単価情報元「得意先納入先別商品単価マスタ」となっている。
【0090】
(S3:売上入力)
売上入力部102cは、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、売上番号、行番号、売上区分、事業所、売上日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、受注番号、受注行番号、単価制御対象、取得単価情報元を含む受注データを入力してデータテーブル106eに登録する。
【0091】
図15は、売上データのデータ例を示す図である。売上データは、売上番号、行番号、売上区分、事業所、売上日、担当者、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、金額、受注番号、受注行番号、単価制御対象、取得単価情報元の項目を備えている。
【0092】
同図に示す例では、1行目は、売上番号「MT001」、行番号「1」、売上区分「在庫売上」、事業所「T100」、受注日「2022/7/10」、担当者「TAN001」、得意先「TK001」、納入先「NOU01」、仕入先「-」、商品「SH01(アンモニア)」、数量「2ケース」、単価「¥1,000」、金額「¥2,000」、受注番号「JJ001」、受注行番号「1」、単価制御対象情報「対象」、取得単価情報元「得意先納入先別商品単価マスタ」となっている。
【0093】
(S3:売上照会処理)
照会部102dは、モニタ114に表示される売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106eに登録した売上データ及び受注データを参照して、受注時及び売上時の単価制御対象情報及び取得単価情報元を含む売上照会データを表示する。
【0094】
図16は、売上照会データの表示例を示す図である。売上照会データは、売上データに
受注時及び売上時の単価制御対象情報及び取得単価情報元を追加したものとなっている。
【0095】
売上照会の運用ポイントを説明する。
(1)項目「単価制御対象情報」で単価制御対象外となっている明細を確認する。
(2)項目「取得単価情報元」で「手入力」となっている伝票のみを管理者は現場への確認をする事が可能となる。
(3)項目「単価制御対象情報(受注)」「取得単価情報元(受注)」「単価制御対象情報(売上)」「取得単価情報元(売上)」は各画面計上時の制御状況や単価取得情報を確認できる。最新情報での単価マスタ修正・削除などが発生するケースを考慮している。
【0096】
売上照会データのNo34~42についての単価制御対象情報及び取得単価情報元について説明する。
【0097】
(NO.34/35について)
1.単価制御対象情報
(1)NO.34/35の売上データの売上区分がNo27の単価制御取引区分マスタ106cの取引区分に登録されているため、条件と合致する。
(2)NO.34/35の売上データの商品は、NO.29/30の商品マスタ106dの単価制御区分が「0:有」であるので、条件と合致する。
⇒(1)(2)の条件を満たすため、売上照会上の「単価制御対象情報」は「対象」と表示されている。
【0098】
2.取得単価情報元
(1)単価マスタより取得
NO.34/35の売上データは、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aのNO.19/20に合致せず、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21/22に合致する。
→(1)より、売上照会上の「取得単価情報元」は取得単価マスタ名である「得意先納入先別商品単価マスタ」と表示されている。
【0099】
(NO.36/37について)
1.単価制御対象情報
(1)NO.36/37の売上データの売上区分が単価制御取引区分マスタ106cのNo28に登録されているため、条件と合致する。
(2)NO.36/37の売上データの商品は、NO.31/32の商品マスタ106dの単価制御区分が1(無)のため条件が不一致である。
→(2)の条件を満たさないため、売上照会上の「単価制御対象情報」は「対象外」と表示されている。
【0100】
2.取得単価情報元
(1)単価マスタより取得
NO.36/37の売上データは、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aのNo.19/20に合致しない。また、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21~24に合致しない。
(2)単価マスタ(過去単価)より取得
NO.36/37の売上データは、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aのNo.19/20に合致しない。また、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21-24に合致しない。
(3)受注データ・見積データより取得
売上データのNO.12/13に紐づく受注データのNo.5/6を確認出来る。受注データNo.5/6に紐づく見積データのNO.1/2を確認出来る。売上データNO.12/13と見積データNO.1/2の単価が一致する事を確認できる。
→(3)より、売上照会上の「取得単価情報元」は取得単価元データである「見積(見積番号)-(見積行番号)」と表示されている。
【0101】
(NO.41について)
1.単価制御可否情報
(1)NO.41の売上データの売上区分が単価制御取引区分マスタ106cに登録されていないため、条件と不一致である。
(2)NO.41の売上データの商品は、NO.29の商品マスタ106dの単価制御区分が0(有)のため条件と合致する。
→(1)の条件を満たさないため、売上照会上の「単価制御対象情報」は「対象外」と表示されている。
【0102】
2.取得単価情報元
(1)単価マスタより取得
NO.41の売上データは、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aのNO.19/20に合致しない。また、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21に適用期間が合致しない。
(2)単価マスタ(過去単価)より取得
NO.41の売上データは、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21に適用期間以外の単価情報キーが合致する。
→(2)より、売上照会上の「取得単価情報元」は取得単価マスタ名である「得意先納入先別商品単価(過去単価)」と表示されている。
【0103】
(NO.42について)
1.単価制御対象情報
(1)NO.42の売上データの売上区分が単価制御取引区分マスタ106cに登録されていないため、条件と不一致である。
(2)NO.42の売上データの商品は、商品マスタのNO.30で単価制御区分が0(有)のため条件と合致する。
→(1)の条件を満たさないため、売上照会上の「単価制御対象」は「対象外」と表示されている。
【0104】
2.取得単価情報元
(1)単価マスタより取得
NO.42の売上データは、得意先納入先仕入先別商品単価マスタ106aのNO.19/20に合致しない。また、得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.23で適用期間が合致しない。
(2)単価マスタ(過去単価)より取得
NO.42の売上データに適用期間以外の単価マスタ情報キーで合致する単価マスタがない。得意先納入先別商品単価マスタ106bのNO.21-24に合致しない。
(3)受注データ・見積データより取得
NO.42の売上データに紐づく受注データ・見積データがない事を確認できる。
(4)それ以外
(1)~(3)に合致しないため、(4)の条件に合致する。
→(4)より、売上照会上の「取得単価情報元」は「手入力」と表示される。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注識別番号、受注区分、受注日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、受注金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む受注データを入力して、データテーブル106eに登録する受注入力部102bと、売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、売上識別番号、売上区分、受注識別番号、売上日、得意先、納入先、仕入先、商品、数量、単価、売上金額、単価の取得元を示す取得単価情報元を含む売上データを入力して、データテーブル106eに登録する売上入力部102cと、売上照会画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106eに登録した売上データ及び受注データを参照して、受注及び売上の取得単価情報元を含む売上照会データを表示する照会部102dと、を備えているので、売上照会において単価の取得元を簡単に照会できるようにすることで、単価のチェック業務の負荷を軽減することが可能となる。
【0106】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0107】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0108】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0109】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0110】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0111】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0112】
また、単価照会装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0113】
例えば、単価照会装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて単価照会装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0114】
また、このコンピュータプログラムは、単価照会装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0115】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0116】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0117】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0118】
また、単価照会装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、単価照会装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0119】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0120】
100 単価照会装置
102 制御部
102a 見積入力部
102b 受注入力部
102c 売上入力部
102d 照会部
102e 画面表示制御部
102f マスタメンテ部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 得意先納入先仕入先別商品単価マスタ
106b 得意先納入先別商品単価マスタ
106c 単価制御取引区分マスタ
106d 商品マスタ
106e データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク