(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081065
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】作業選択支援装置、作業選択支援方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194508
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】林 昌紀
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】 ユーザによる作業の選択を支援するための、作業選択支援装置、作業選択支援方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の作業選択支援装置は、情報取得部、計算部、及び決定部を含み
前記情報取得部は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算部は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定部は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、計算部、及び決定部を含み
前記情報取得部は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算部は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定部は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
作業選択支援装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報を含み、
前記作業情報は、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含み、
前記計算部は、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報、及び前記作業所要時間からユーザが作業に要する作業コストを計算し、
前記決定部は、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
請求項1記載の作業選択支援装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、さらに、一定期間における前記ユーザの保有コストを含み、
前記決定部は、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する、
請求項2記載の作業選択支援装置。
【請求項4】
前記決定部は、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定し、
前記決定部は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の作業選択支援装置。
【請求項5】
前記決定部が、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
請求項3記載の作業選択支援装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定する、
請求項5に記載の作業選択支援装置。
【請求項7】
前記ユーザ情報が、複数ユーザのユーザ情報である、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業選択支援装置。
【請求項8】
情報取得工程、計算工程、及び決定工程を含み
前記情報取得工程は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算工程は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定工程は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
作業選択支援方法。
【請求項9】
情報取得手順、計算手順、及び決定手順を含み
前記情報取得手順は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算手順は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定手順は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
情報取得手順、計算手順、及び決定手順を含み
前記情報取得手順は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算手順は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定手順は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業選択支援装置、作業選択支援方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの周辺環境や行動パターンを考慮してユーザに作業を促す(ToDo情報を提供する)通知システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発明は、ユーザの周辺環境や行動パターンによらず定常的に行われる作業、例えば、家事などの作業選択を想定したものではない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザによる作業の選択を支援するための、作業選択支援装置、作業選択支援方法、プログラム、及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の作業選択支援装置は、
情報取得部、計算部、及び決定部を含み
前記情報取得部は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算部は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定部は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する。
【0007】
本発明の作業選択支援方法は、
情報取得工程、計算工程、及び決定工程を含み
前記情報取得工程は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算工程は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定工程は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する。
【0008】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザによる作業の選択を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の作業選択支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の作業選択支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の作業選択支援方法における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2の作業選択支援の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態2の作業選択支援におけるユーザ情報、作業情報、及び作業コストの一例を示す表である。
【
図6】
図6は、実施形態2の作業選択支援における一定期間におけるユーザ毎の保有コストの一例を示す表である。
【
図7】
図7は、実施形態2の作業選択支援における作業割り当ての一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、例えば、家庭内における家事の選択や分担に利用することができ、その他、職場での業務の分担及び業務以外の雑務の分担、並びに学校やサークル、施設等における当番の選定等に利用することができる。
【0013】
本発明において「ユーザ」は、本装置を利用するヒトである。
【0014】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
まず、本発明の作業選択支援装置、及び作業選択支援方法について説明する。
【0016】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の作業選択支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、情報取得部11、計算部12、決定部13を含む。
【0017】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等があげられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0018】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0019】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、情報取得部11、計算部12、決定部13として機能する。中央処理装置101は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0020】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース等の外部記憶装置、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0021】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)があげられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0022】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリ、メモリーカード等があげられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0023】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、ユーザ情報、作業情報等の情報を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0024】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0025】
つぎに、本実施形態の作業選択支援方法の一例を、
図3のフローチャートS10に基づき説明する。本実施形態の作業選択支援方法は、例えば、
図1又は
図2の装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の作業選択支援方法は、
図1又は
図2の装置10の使用には限定されない。
【0026】
まず、情報取得部11により、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報が取得される(S11、情報取得工程)。前記ユーザ情報は、例えば、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報、一定期間における前記ユーザの保有コスト等を含む。前記一定期間は、特に限定されず、任意の期間であるが、例えば、時間、日、週、月、年単位の一定期間であってもよい。前記作業情報は、例えば、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含む。前記ユーザの作業スキル及び前記作業負荷に関する前記程度情報は、例えば、数値、文字、記号等であってもよい。なお、前記作業情報は、本装置10が、例えば、情報作成部を含む場合、前記情報作成部により作成された作業情報をであってもよい。または、他の装置が作成した作業情報、もしくはユーザが本装置10に対して直接入力した作業情報であってもよい。前記情報作成部による作業情報の作成は、例えば、S11の前に行うことができる。
【0027】
前記ユーザ情報は、例えば、個人ユーザのユーザ情報であってもよく、複数ユーザのユーザ情報であってもよい。前記複数ユーザの場合、ユーザの数は特に限定されない。また、前記複数ユーザは、例えば、一定組織において前記作業を分担して行う者たちであり、例えば、会社、部署、部門等における労働者等、住まいや家庭等における同居者等、施設等における施設利用者等があげられる。
【0028】
つぎに、計算部12により、前記情報をもとにユーザが作業に要する作業コストが計算される(S12、計算工程)。計算部12は、例えば、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報及び前記作業所要時間から、ユーザが作業に要するコストを計算する。前記作業コストは、例えば、数値化した前記ユーザの作業スキルと、数値化した前記作業負荷と、前記作業所要時間との積より計算してもよい。前記数値は、例えば、前記作業スキル、前記作業負荷の程度に応じて定めた係数であってもよい。
【0029】
つぎに、決定部13により、前記作業コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業が決定される(S13、決定工程)。決定部13は、例えば、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する。決定部13は、例えば、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する。
【0030】
決定部13は、例えば、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定してもよい。この場合、決定部13は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定することができる。前記優先順位は、特に限定されず、任意の順位としてもよい。例えば、曜日指定の作業、積み残しの作業、毎日の作業の順としてもよく、例えば、それぞれの作業についてもの一定の優先順位を決定してもよい。例えば、前記作業毎の作業所要時間及び作業負荷よりみなし作業時間を算出し、前記みなし作業時間より優先順位を決定してもよい。前記みなし作業時間に基づく優先順位の決定は、特に限定されず、任意の順で決定することができ、例えば、前記みなし作業時間の降順でソートしたものを優先順位としてもよい。前記みなし作業時間は、例えば、前記作業毎の作業所要時間及び数値化した前記作業負荷の積より算出することができる。
【0031】
決定部13は、例えば、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定してもよい。前記保有コスト、及び前記作業コストに加えて、前記作業スキルに関する程度情報を考慮することで、例えば、慣れていない作業を優先的に進めるか、あるいは、慣れていない作業は後回しにするかなども考慮して作業を割り当てることができる。
【0032】
さらに、決定部13は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定してもよい。前記ユーザが複数ユーザである場合、前記決定は、前記作業において前記作業スキルが最も低いユーザに対する決定であってもよい。前記一定の確率は、特に限定されず、任意の確率とすることができ、例えば、ランダムであってもよい。前記一定の確率で優先度の高い作業として決定することで、例えば、作業スキルの低い作業についても、作業の技量の向上を図ることができる。
【0033】
例えば、前記保有コストに割り当て可能な作業が上限に達した場合、S10のフローが終了する(END)。
【0034】
情報取得部10は、例えば、さらに、本装置10により作業選択され、その後前記ユーザによって実施された作業実績を取得してもよい。前記作業実績は、例えば、作業所要時間、作業実施の有無等を含む。前記作業実績より、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報等を修正してもよい。また、前記作業実績を分析することで、作業についてのユーザ評価をすることも可能である。
【0035】
本実施形態によれば、ユーザによる作業の選択を支援することができる。また、例えば、前記ユーザが複数ユーザである場合、効率よく作業分担を図ることができ、作業の偏りを軽減することができる。
【0036】
[実施形態2]
本実施形態は、作業選択支援の一例を示すものである。なお、本実施形態では、実施する作業を「家事」とし、複数ユーザの作業選択支援を例に挙げて説明する。本実施形態は、あくまでも作業選択支援の一例を示すものであって、これには限定されない。
【0037】
まず、
図4のとおり、本発明の作業選択支援装置は、例えば、家事の候補リスト(作業情報)を作成する。前記候補リストは、例えば、(1)曜日指定の家事、(2)積み残しの家事、(3)毎日の家事の順序で優先順位を決定する。また、(1)~(3)に含まれるそれぞれの家事についても、例えば、前記みなし作業時間の降順でソートする。なお、家事の優先順位付けの方法は必ずしもこれに限らず、例えば、家事ごとに規定の優先度を設けてもよいし、(1)~(3)と家事ごとの規定の優先度を組み合わせたものであってもよい。
【0038】
つぎに、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報が取得される。前記情報は、例えば、
図5のようなものである。本実施形態では複数ユーザをしているが、例えば、個人ユーザである場合には、
図5におけるユーザ情報はユーザ一人分の情報となる。なお、
図5においてユーザ情報及び作業情報は表形式で表したが、これには特に限定されない。また、
図5に含まれるユーザの数、作業種類、作業スキル及び作業負荷の程度情報、並びにこれらの順序等はこれに限定されない。
【0039】
つぎに、ユーザが作業に要する作業コストが計算される。
図5のとおり、例えば、作業スキルに基づく係数及び作業負荷に基づく係数を、作業所要時間に掛けることで、前記作業コストが計算される。なお、
図5において作業コストは表形式で表したが、これには特に限定されない。また、
図5に含まれるユーザの数、作業種類、並びにこれらの順序等はこれに限定されない。
【0040】
前記ユーザ情報が、一定期間における前記ユーザの保有コストを含む場合、前記保有コストは、例えば、
図6のようなものである。
図6は、前記一定期間が一週間である場合の、各ユーザが保有する保有コストである。例えば、Aさんの月曜日の保有コストは60であるため、60を超えない範囲で、
図5の作業コストをもとに作業を割り当てることができる。
【0041】
前記作業コストが計算されたあと、前記ユーザが実施する家事を決定する。前記決定は、例えば、前記優先順位の高い家事から優先的にされる。前記作業情報に含まれる家事のうち、家事のスキルが低い人がいれば、あらかじめ設定した一定の確率で、前記スキルの低い人に前記家事が割り当てられる。前記スキルが低い人がいる場合又は前記確率に当たらなかった場合は、ユーザ毎の保有コストに対して、家事を割り当てる。
【0042】
前記家事の割り当てについて、
図5~7を用いて具体的に説明する。前提条件として、家事を割り当てる優先順位を決定する。ここでは、仮に、割合(現在割り当てられている家事コストの割合)、残りの保有コスト、家事スキルの順とする。また、家事として、「ゴミ出し」「食器洗い」を割り当てる場合を想定する。
【0043】
まず、フローの初期段階においては、いずれも現在割り当てられている家事コストの割合が0%である(
図7表1)。したがって、つぎの優先順位である「残りの保有コスト」に基づき、残りの保有コストが最も多いユーザBに「ゴミ出し」が割り当てられる(
図7表2)。つぎに、
図7表2において、家事コストの割合が最も低いのは、ユーザA及びCであるため、いずれかに「食器洗い」を割り当てる。ここで、ユーザA及びCの残りの保有コストは60で同じである。したがって、ユーザA及びCのうち、食器洗いの作業スキルが最も高いユーザCに対して、「食器洗い」が割り当てられる(
図7表3)。
【0044】
前述のような家事の割り当てを、前記候補リストの家事がすべて割り当てられるまで行う。前記候補リストの家事がすべて割り当てられれば、フローが終了する(END)。または、ユーザ全員の家事コストの上限まで家事が割り当てられれば、フローが終了する(END)。なお、家事の割り当て完了前に、ユーザの家事コストが上限に達した場合や、割り当てられた家事をユーザが完了できなかった場合は、本発明の装置またはユーザによって、積み残した家事に「積み残し」フラグを設定することで、翌日以降の家事候補リストにおいて積み残し家事を識別し、翌日以降の前記積み残し家事の優先度を上げることができる。
【0045】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、本発明の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、情報取得手順、計算手順、及び決定手順を実行させるためのプログラムである。
【0046】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、情報取得手順、計算手順、及び決定手順として機能させるプログラムということもできる。
【0047】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の作業選択支援装置及び作業選択支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリ(例えば、USBフラッシュメモリ、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0048】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0049】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
情報取得部、計算部、及び決定部を含み
前記情報取得部は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算部は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定部は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
作業選択支援装置。
(付記2)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報を含み、
前記作業情報は、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含み、
前記計算部は、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報、及び前記作業所要時間からユーザが作業に要する作業コストを計算し、
前記決定部は、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記1記載の作業選択支援装置。
(付記3)
前記ユーザ情報は、さらに、一定期間における前記ユーザの保有コストを含み、
前記決定部は、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する、
付記2記載の作業選択支援装置。
(付記4)
前記決定部は、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定し、
前記決定部は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記1から3のいずれかに記載の作業選択支援装置。
(付記5)
前記決定部が、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記3又は4記載の作業選択支援装置。
(付記6)
前記決定部は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定する、
付記5記載の作業選択支援装置。
(付記7)
前記ユーザ情報が、複数ユーザのユーザ情報である、付記1から6のいずれかに記載の作業選択支援装置。
(付記8)
情報取得工程、計算工程、及び決定工程を含み
前記情報取得工程は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算工程は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定工程は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
作業選択支援方法。
(付記9)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報を含み、
前記作業情報は、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含み、
前記計算工程は、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報、及び前記作業所要時間からユーザが作業に要する作業コストを計算し、
前記決定工程は、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記8記載の作業選択支援方法。
(付記10)
前記ユーザ情報は、さらに、一定期間における前記ユーザの保有コストを含み、
前記決定工程は、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する、
付記9記載の作業選択支援方法。
(付記11)
前記決定工程は、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定し、
前記決定工程は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記8から10のいずれかに記載の作業選択支援方法。
(付記12)
前記決定工程が、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記10又は11記載の作業選択支援方法。
(付記13)
前記決定工程は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定する、
付記12記載の作業選択支援方法。
(付記14)
前記ユーザ情報が、複数ユーザのユーザ情報である、付記8から13のいずれかに記載の作業選択支援方法。
(付記15)
情報取得手順、計算手順、及び決定手順を含み
前記情報取得手順は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算手順は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定手順は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記16)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報を含み、
前記作業情報は、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含み、
前記計算手順は、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報、及び前記作業所要時間からユーザが作業に要する作業コストを計算し、
前記決定手順は、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記15記載のプログラム。
(付記17)
前記ユーザ情報は、さらに、一定期間における前記ユーザの保有コストを含み、
前記決定手順は、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する、
付記16記載のプログラム。
(付記18)
前記決定手順は、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定し、
前記決定手順は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記15から17のいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
前記決定手順が、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記17又は18記載のプログラム。
(付記20)
前記決定手順は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定する、
付記15から19のいずれかに記載のプログラム。
(付記21)
前記ユーザ情報が、複数ユーザのユーザ情報である、付記15から20のいずれかに記載のプログラム。
(付記22)
情報取得手順、計算手順、及び決定手順を含み
前記情報取得手順は、ユーザ情報、及び作業情報を含む情報を取得し、
前記計算手順は、前記情報をもとにユーザが作業に要するコストを計算し、
前記決定手順は、前記コストを含む情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記23)
前記ユーザ情報は、前記ユーザの作業スキルに関する程度情報を含み、
前記作業情報は、作業負荷に関する程度情報及び作業所要時間を含み、
前記計算手順は、前記作業スキルに関する程度情報、前記作業負荷に関する程度情報、及び前記作業所要時間からユーザが作業に要する作業コストを計算し、
前記決定手順は、前記作業コストに基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記22記載の記録媒体。
(付記24)
前記ユーザ情報は、さらに、一定期間における前記ユーザの保有コストを含み、
前記決定手順は、前記保有コスト及び前記作業コストに基づいて作業を割り当てることで、前記ユーザが前記一定期間に実施する作業を決定する、
付記23記載の記録媒体。
(付記25)
前記決定手順は、さらに、前記ユーザが実施する作業の優先順位を決定し、
前記決定手順は、前記優先順位の高い作業から完了するように前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記22から24のいずれかに記載の記録媒体。
(付記26)
前記決定手順が、前記保有コスト、前記作業コスト、及び前記作業スキルに関する程度情報に基づいて前記ユーザが実施する作業を決定する、
付記24又は25記載の記録媒体。
(付記27)
前記決定手順は、前記作業の決定において、前記作業スキルに関する程度情報に応じ作業スキルが低い作業を一定の確率で優先度の高い作業として決定する、
付記26記載の記録媒体。
(付記28)
前記ユーザ情報が、複数ユーザのユーザ情報である、付記22から27のいずれかに記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、例えば、ユーザによる作業の選択を支援できる。また、複数ユーザによる作業の場合、例えば、作業分担を支援することができる。さらに、作業スキルが低い作業について一定の確率で優先的に作業が割り当てられれば、例えば、個人の作業スキルが向上し、複数ユーザで作業分担する場合には作業スキルの差を解消できる。本発明を適用できる分野は制限されず、作業選択支援装置を用いた幅広い分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 作業選択支援装置
11 情報取得部
12 計算部
13 決定部
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス