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特開2024-81098グラフェン基盤の透明LEDディスプレイ装置及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081098
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】グラフェン基盤の透明LEDディスプレイ装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240610BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240610BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240610BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20240610BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
H01L33/62
H01L33/56
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210558
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0167358
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522504488
【氏名又は名称】レオリア インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】LEORIA Inc.
【住所又は居所原語表記】1st Floor, Main building, 15, Gosi-gil, Bongdam-eup Hwaseong-si Gyeonggi-do 18327 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コ ジュンチョル
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA25
5C094DA06
5C094EA02
5C094EB02
5C094FB12
5C094GB10
5C094HA01
5F142AA01
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB03
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD23
5F142CD49
5F142CG03
5F142CG13
5F142FA03
5F142FA11
5F142GA02
5G435AA17
5G435BB04
5G435EE12
5G435EE32
5G435KK05
5G435LL19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】透明な基板の上に金属メッシュの回路配線を形成することで製造される透明LEDディスプレイ装置が提供される。また、電源供給装置を透明LEDディスプレイ装置に一体化することで施工及び大型ディスプレイの具現の際に利点がある。
【解決手段】透明LEDディスプレイ装置の製造方法は、配線層が形成される透明基板に湿式エッチング乃至レーザエッチング工法を利用して前記透明基板の両面のうち第1面に格子状の金属メッシュパターンの配線を形成するステップと、前記透明基板に穴をあけ、前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線を互いに電気的に連結するステップと、前記透明基板の前記第1面にカラーLEDを実装するステップと、前記SMPSを前記透明基板に一体に結合するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明LEDディスプレイ装置の製造方法において、
透明基板にグラフェン層を形成するステップと、
前記透明基板に湿式エッチング乃至レーザエッチング工法を利用して前記透明基板の両面のうち第1面に格子状の金属メッシュパターンの配線を形成するステップと、
前記配線を錫でめっきするステップと、
前記透明基板に穴をあけ、前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線を互いに電気的に連結するステップと、
前記透明基板の前記第1面にカラーLEDを実装するステップと、
前記コントローラPCBの上の電源ソケットとSMPSを電源ラインで連結し、前記SMPSが組み込まれた筐体を前記透明基板の前記第2面に組み立てることで前記SMPSを前記透明基板に一体に結合するステップと、
前記透明基板の前記第1面にレジンを塗布するステップと、を含む透明LEDディスプレイ装置の製造方法。
【請求項2】
前記透明基板は透明耐熱光学PETフィルムである請求項1に記載の透明LEDディスプレイ装置の製造方法。
【請求項3】
前記透明耐熱光学PETフィルムが取り付けられる表面または前記レジンに水を噴射することで、前記透明耐熱光学PETフィルムを前記表面に取り付けるステップを更に含む請求項1に記載の透明LEDディスプレイ装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の透明LEDディスプレイ装置用フィルムの製造方法によって製造される透明LEDディスプレイ装置。
【請求項5】
壁や表面に取り付けられる透明LEDディスプレイ装置において、
透明耐熱光学PETフィルムに金属メッシュパターンからなるグラフェン配線と、
前記透明耐熱光学PETフィルムの両面のうち第1面に実装されるカラーLEDと、
前記第1面に塗布されるレジンと、を含み、
前記レジンに水が塗布されることで前記壁や前記表面に取り付けられる透明LEDディスプレイ装置。
【請求項6】
カラーLEDのオン/オフ状態や印加されある電流を制御するためのコントローラPCBと、
前記透明LEDディスプレイ装置に電源を供給するためのSMPSとを含む筐体を更に含み、
透明基板にあけた穴を介して前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで、前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線が互いに電気的に連結され、
前記筐体は前記透明基板に一体に結合されて、前記筐体に含まれるSMPSと前記透明基板の上の電源ソケットが電源ラインを介して連結される請求項5に記載の透明LEDディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明LEDディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)はデパート、商店、ショッピングモールなど、多様な場所で広告板や電光板として使用されている。特に、透明LEDディスプレイ(Transparent LED Display)は建物の外壁や窓などに設置されて広告や各種情報を表示するために使用されている。
【0003】
PET(polyester)フィルム基盤の透明LEDディスプレイは、PETフィルムの上に回路配線を形成し、カラーLEDなどを配置してカラーLEDに電流が印加されることでカラーLEDが発光する。透明LEDディスプレイの透明性と視認性を上げるためには、このような回路配線の認知性を下げると共にカラーLEDをより密に配置する必要がある。
【0004】
また、透明LEDディスプレイは建物の外壁や窓などに大型に設置される場合が多いが、このような透明LEDディスプレイに電源を供給するための別途の電源供給装置が求められており、このような電源供給装置のため透明LEDディスプレイ全体の美観と視認性を害するようになり、透明LEDディスプレイに電源供給装置を設けるための別途のベゼルが存在するようになるが、これは透明LEDディスプレイとしての意味を色あせて空間性も阻害するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
透明な基板の上に金属メッシュ(Metal Mesh)の回路配線を形成することで製造される透明LEDディスプレイ装置が提供される。また、電源供給装置を透明LEDディスプレイ装置に一体化することで、施工及び大型ディスプレイの具現の際に利点がある。
【0006】
本実施例がなそうとする技術的課題は、上述した技術的課題に限らず、以下の実施例から他の技術的課題が類推され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
透明LEDディスプレイ装置の製造方法は、透明基板にグラフェン層を形成するステップと、前記透明基板に湿式エッチング乃至レーザエッチング工法を利用して前記透明基板の両面のうち第1面に格子状の金属メッシュパターンの配線を形成するステップと、前記配線を錫でめっきするステップと、前記透明基板に穴をあけ、前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線を互いに電気的に連結するステップと、前記透明基板の前記第1面にカラーLEDを実装するステップと、前記コントローラPCBの上の電源ソケットとSMPSを電源ラインで連結し、前記SMPSが組み込まれた筐体を前記透明基板の前記第2面に組み立てることで前記SMPSを前記透明基板に一体に結合するステップと、前記透明基板の前記第1面にレジンを塗布するステップと、を含む。
【0008】
前記透明基板は透明耐熱光学PETフィルムである。
【0009】
前記透明耐熱光学PETフィルムが取り付けられる表面または前記レジンに水を噴射することで、前記透明耐熱光学PETフィルムを前記表面に取り付けるステップを更に含む。
【0010】
前記透明LEDディスプレイ装置の製造方法によって製造される透明LEDディスプレイ装置が提供される。
【0011】
壁や表面に取り付けられる透明LEDディスプレイ装置は、透明耐熱光学PETフィルムに金属メッシュパターンからなるグラフェン配線と、前記透明耐熱光学PETフィルムの両面のうち第1面に実装されるカラーLEDと、前記第1面に塗布されるレジンと、を含み、前記レジンに水が塗布されることで前記壁や前記表面に取り付けられる。
【0012】
カラーLEDのオン/オフ状態や印加されある電流を制御するためのコントローラPCBと、前記透明LEDディスプレイ装置に電源を供給するためのSMPSとを含む筐体を更に含み、前記透明基板にあけた穴を介して前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線が互いに電気的に連結され、前記筐体は前記透明基板に一体に結合されて、前記筐体に含まれるSMPSと前記透明基板の上の電源ソケットが電源ラインを介して連結される。
【発明の効果】
【0013】
透明な基板の一面にのみ金属メッシュパターンの配線が形成されるため、両面に配線が形成されることに比べ製造単価の側面で更に有利であり、コントローラPCBが裏面に位置するため、人々がディスプレイ装置を眺める方向からはコントローラPCBが見えないという利点がある。電源供給装置を透明LEDディスプレイ装置に一体化することで、施工及び大型ディスプレイの具現の際に利点がある。大体単位PETフィルム(セル(Cell)ともいう)基盤の透明LEDディスプレイを複数個連結して大型デジタルグラフェン画面を具現するのに電源供給装置が単位PETフィルムごとに位置しているため、一台の大きい電源供給装置で各セルに電源を供給することに比べ、各セルへの電源供給が円滑なためディスプレイの輝度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置の製造方法のフローチャートを示す図である。
図2】一実施例によって、スパッタリング(Sputtering)工法を示す図である。
図3】一実施例によって、第1銅層と第2銅層が形成される透明LEDディスプレイ装置用フィルムを示す図である。
図4】一実施例によって、配線層が形成される透明LEDディスプレイ装置用フィルムを示す図である。
図5】一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置の断面の一部を示す図である。
図6】一実施例によって、コントローラPCBと透明耐熱光学PETフィルムが連結された様子を示す図である。
図7】一実施例によって、金属メッシュパターンが形成される原反の穴を示す図である。
図8】一実施例によって、コントローラPCBが透明LEDディスプレイ装置用フィルムの上に結合されている様子を示す図である。
図9】一実施例によって、コントローラPCBが透明LEDディスプレイ装置用フィルムの上に結合されている様子を示す図である。
図10】一実施例によって、SMPSを含む筐体が透明LEDディスプレイ装置用フィルムに結合される様子を示す図である。
図11】一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置用フィルムの断面の一部を示す図である。
図12】一実施例によって、開示された製造方法によって製造される透明LEDディスプレイ装置の断面の一部を示す図である。
図13a】筐体の内部(蓋の下)にSMPSが組み込まれている様子を示す図である。
図13b図13aの筐体をひっくり返した状態であって、蓋が見える様子を示す図である。
図14a】一実施例によって、透明基板の正面または両面のうち第1面を示す図である。
図14b】一実施例によって、透明基板の背面または両面のうち第2面を示す図である。
図15】一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下、通常の技術者)が本発明を容易に実施し得るように、添付した図面を参照していくつかの実施例が明確にかつ詳細に説明される。
【0016】
以下、透明LEDディスプレイ装置はフレキシブル(Flexible)透明LEDディスプレイ装置である。透明LEDディスプレイ装置は大型広告板やデジタルサイネージシステムを具現するためのものであって、デジタルサイネージシステムは多数個の透明LEDディスプレイ装置を配列することで具現され、一つの透明LEDディスプレイ装置はセルと称される。
【0017】
以下、透明基板は、一般的なPETフィルム、透明耐熱光学PETフィルム、ガラス(Glass)、透明プラスチックなどいかなる材質の透明な基板も含む。透明基板はフレキシブルな性質も有する。
【0018】
図1は、一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置の製造方法を示す。
【0019】
ステップS1000において、透明基板に配線層を形成することで原反を製造する。
【0020】
一実施例によって、配線層は銅、グラフェン(graphene)などを含むがこれに限らない。配線層は電気を通す任意の種類の素材で構成される。例えば、配線層は銅のみからなる銅層、グラフェンのみからなるグラフェン層、または銅にグラフェンの合成された銅-グラフェン層である。
【0021】
一実施例によって、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)を介してグラフェンが製造乃至蒸着される。製造されたグラフェンをロールラミネーション(Roll Lamination)技法を介して透明基板(例えば、透明耐熱光学PETフィルム)にグラフェン層を形成する。
【0022】
他の例によって、銅層が透明基板に形成される。市販の18umの銅箔資材を透明耐熱光学PETフィルムに粘着液状で取り付ける方式で銅層を形成したら、抵抗増加のため電流の流れが円滑ではない。銅層の高さが低いほど面抵抗が増加し、面抵抗が増加するほど透明LEDディスプレイ装置の駆動の際の電流供給が円滑ではないため、透明LEDディスプレイ装置の輝度が低くなり、透明LEDディスプレイ装置の単位面積当たりのLEDの個数の減少するようになる。
【0023】
一実施例によって、厚さ100umの透明耐熱光学PETフィルムの上端(両面のうち一面)に銅層が約36umの高さで形成される。図2を参照すると、一実施例によって、PETの上端に接着層(Adhesion layer)が形成され、接着層の上に銅層が形成される。
【0024】
一実施例によって、スパッタリング工法を適用して銅を蒸着して透明耐熱光学PETフィルムの上端に第1銅層(CU layer)を形成し、無電解化学銅めっき工程(Electroless Copper Plating)を適用して第1銅層の上に第2銅層を更に形成する。スパッタリング工法とは、イオン化されたガス原子を蒸着対象物質に衝突させて基板に薄膜を形成する技術を意味する。
【0025】
例えば、1次的にスパッタリング工法によってまず透明耐熱光学PET 320に銅層340を1umで形成し、その上に更に無電解化学銅めっき工程によって2次的に銅層360を35umで形成することで、総36umの銅層が形成される。
【0026】
例えば、図3を参照すると、1次的にスパッタリング工法によって先に透明耐熱光学PET 320に銅層340を1~18umで形成し、その上に更に無電解化学銅めっき工程によって2次的に銅層360を18umで形成することで、総36umの銅層が形成される。
【0027】
第1銅層をスパッタリング工法によって先に形成する理由は、透明耐熱光学PETフィルムと銅層との間の粘着力をより高くして銅箔回路配線を形成する際より強力に格子状の金属メッシュパターンを形成するためであって、無電解化学銅めっき工程のみで銅層を形成したら、透明耐熱光学PETフィルムと銅層との間の粘着力が非常に低くてフィルムの上に形成される銅層が剥離しやすくなるためである。但し、スパッタリング工法によって銅層を形成するには非常に長い製造工程時間が求められる。よって、スパッタリング工法で薄く銅層を先に形成し、残りの厚さの銅層を無電解化学銅めっき工程で形成する。例えば、1umレベルの銅層をスパッタリング工法によって形成し、35umの銅層を無電解化学銅めっき行程で更に形成する。図4は、一実施例によって、配線層が形成された透明耐熱光学PET3000を示す。
【0028】
更に図1を参照すると、ステップS2000において、ステップS1000で製造された透明基板に湿式エッチング(Wet Eching)乃至レーザエッチング(Laser Eching)工法を利用して金属メッシュパターンの配線を形成する。金属メッシュパターンの配線は透明基板の一面にのみ形成される。一実施例によって、金属メッシュパターンは格子状に形成されるグラフェン配線である。配線の幅は約5~50umである。格子状の金属メッシュパターンはラインパターンより配線の幅を細くすることができ、透明LEDディスプレイを具現するに当たって視認性と透明性を向上させるという長所がある。
【0029】
ステップS2500において、ステップS2000で金属メッシュパターンが形成された透明基板に錫がめっきされる。錫めっきは配線が変色したり酸化することを防ぎ、カラーLEDを透明基板の上に転写してSMTを行う際に高温状態の工程で低温ソルダーと反応してより高い密着力を有するようになる。
【0030】
ステップS3000において、ステップS2000で金属メッシュパターンが形成された透明基板にコントローラPCB(Printed Circuit Board)を実装する。
【0031】
外部のコントローラPCBがZIFコネクタによってディスプレイ装置のカラーLEDのオン/オフ状態や印加される電流を制御することに対し、コントローラPCBを透明基板に実装することで一体感を具現することができる。図6は、透明基板に位置するコントローラPCBがハーネスケーブルを介してフィルムの上に実装されたコネクタ(図示せず)と連結されることで、カラーLEDのオン/オフ状態や印加される電流を制御する実施例を示す。このような実施例において、ハーネスケーブルを介して電源及び/またはデータが伝送されるため、ボトルネック現象が起こって電流の円滑な流れに問題が発生する恐れがあるが、これは高輝度及び大型化ディスプレイ(例えば、デジタルサイネージ)を具現するのに障害となる。
【0032】
一実施例によって、金属メッシュパターンの配線が形成される透明基板に複数の穴(hole)をあけ、透明基板の両面のうち第1面に形成される格子状の金属メッシュパターンの配線と透明基板の両面のうち第2面(前記第1面の裏面)に載せられたコントローラPCBの配線をはんだ付け(soldering)することで、コントローラPCBと金属メッシュパターンの配線が互いに電気的に連結される。図7は一実施例による透明基板の穴を示し、図8は一実施例によるコントローラPCBが透明基板の上にはんだ付けによって結合されている様子を示す図である。図9は、一実施例によって、コントローラPCBが透明基板の上に結合されている様子を示す図である。一実施例によって、コントローラPCBが透明基板の第2面の先端に位置し、はんだ付けによって第1面上の金属メッシュパターンの配線と電気的に連結される。
【0033】
更に図1を参照すると、ステップS4000において、透明基板にカラーLEDを実装する。
【0034】
本発明のカラーLEDは人々に見られる映像信号を直接出力するためのものであって、本発明においてカラーLEDはディスプレイパネルのバックライトのために使用されるものではないことに留意すべきである。
【0035】
図5は、一実施例による透明基板の一部を示している。図5を参照すると、透明基板4000には格子状の金属メッシュパターンの配線が形成されており、配線の幅は15umより大きくて50umより小さい(例えば、約30um)。カラーLED LN、LN+1、LN+2、LN+3、LN+4、LN+5が透明基板4000の上に実装SMTされる。カラーLED LN、LN+1、LN+2、LN+3、LN+4、LN+5の間の距離(またはピッチ(Pitch))は5umより大きくて40umより小さい(例えば、10um)。金属メッシュパターンで形成されるグラフェン配線を介してカラーLED LN、LN+1、LN+2、LN+3、LN+4、LN+5に電流が印加され、カラーLEDが発光する。
【0036】
一実施例によって、銀ペースト(Silver Paste)をステップS2500で形成される錫めっき層に塗り加熱して液状に変換させ、カラーLEDを配置させた後、液状化された銀ペーストを更に固体化してカラーLED基板に連結する。一実施例によって、銀ペーストを錫めっき層に塗り加熱して銀ペーストの上にカラーLEDを配置させた後、液状から金属銀(Silver)に変換させて連結する。
【0037】
更に図1を参照すると、ステップS5000において、SMPS(Switched Mode Power Supply)を透明基板に一体に結合する。
【0038】
SMPSは外部から供給される交流(AC)電流を直流(DC)電流に転換(Switching)させた後、各種電子機器の条件に合わせた電圧に変換して供給する装置であって、透明LEDディスプレイ装置に電源を供給する装置である。一般にSMPSはLEDディスプレイ装置の外部に位置する。このようなSMPSのため透明LEDディスプレイ全体の美観と視認性を害し、透明LEDディスプレイにSMPSを設けるための別途のベゼルが存在することになるが、これは透明LEDディスプレイとしての意味を色あせて空間性も阻害するという問題がある。また、一つのSMPSで各セルごとに電源を供給すべきであるため、各セルごとに電源配線を連結すべきである。ディスプレイの拡張に当たっては電源配線が多くなるため、ディスプレイを設置する際の拡張性に難しさがある。
【0039】
透明基板の両面のうち第2面の上のコントローラPCB基板(ステップS3000で結合された)の上の電源ソケットとSMPSを電源ラインで連結し、SMPSが含まれた筐体を透明基板の両面のうち第2面に組み立てることで、SMPSを透明基板に一体に結合する。SMPSは筐体の蓋部分に位置する。図13aは筐体の内部(蓋の下)にSMPSが組み込まれている様子を示し、図13bは図13aの筐体をひっくり返した状態であって、蓋が見える様子を示す。図13bの蓋の直下にSMPSが位置する。結果的に、筐体のSMPSとコントローラPCBの電源ソケットが互いに連結された状態で筐体がコントローラPCBを覆う形態になる。
【0040】
コントローラPCBは、透明基板のカラーLEDに電源を供給するための電源ソケット(VCC/GND)とSCU(Sub Controller Unit)を含む。SCUは外部のMCU(Micro Controller Unit)からデータを受信し、カラーLEDにデータを伝送する。カラーLEDは受信したデータに基づいて発光する。SCUにはMCUと通信するための通信モジュール(LANケーブル、Wi-Fiモジュールなど)が搭載される。図10を参照すると、筐体1400にはSMPSが組み込まれており、SMPSとコントローラPCBの上の電源ソケットを電源ラインで互いに連結し筐体1400をコントローラPCBと結合することで、SMPSを透明基板に一体に結合する。図14aは透明基板の正面または両面のうち第1面を示し、図14bは透明基板の背面または両面のうち第2面を示す。正面方向にカラーLEDが発光し、背面方向にコントローラPCBとSMPSを含むPCBが一体に結合される。
【0041】
更に図1を参照すると、ステップS6000において、透明基板に接着素材で表面処理することで、カラーLEDとフィルム面の高さの差から発生する段差を補償するか、透明基板を他のところに取り付けるための接着層を形成する。
【0042】
一実施例によって、透明基板にシリコンまたはエポキシ材質の表面処理を行うことで、カラーLEDの高さから発生する段差を補償する。図11を参照すると、透明基板5000の一部にはカラーLED L1、L2、L3が実装され、カラーLEDの高さHを補償するためにシリコンまたはエポキシ材質の表面処理が行われる。次に、透明基板5000の断面または両面にOCA(Optically Clear Adhesive)が取り付けられることで、透明基板5000はカラーガラスに取り付けられるか窓のような特定の設置場所に取り付けられる。但し、OCAを使用したら脱着及び取り付けに難しさがあって、脱着の際に透明LEDディスプレイの金属メッシュ配線にクラック(crack)ができて不良を引き起こす恐れがあり、OCAが取り付けられる空間以外には透明LEDディスプレイが空気中に露出されて空気中の酸素及び水分によって金属メッシュ配線が酸化する恐れがある。
【0043】
一実施例によって、粘着素材としてレジン(Resine)が使用される。透明基板にレジンを適用することで該当透明LEDディスプレイを壁や表面に設置または取り付ける際、設置しようとする表面や透明基板(のレジン層)に水を噴射する(噴き出す)ことで、別途の接着剤なしに設置しようとするところに透明LEDディスプレイ装置が容易が取り付けられる。一実施例によって、透明基板の全面(LEDを含む)にレジンが塗布されるため、透明LEDディスプレイ装置(特に、カラーLED)を温度及び湿度から保護することができ、製品の寿命が長くなる効果がある。また、OCA接合技術の製品より脱着及び取り付けが容易で、ディスプレイ表面の防水においても優れた効果を有するようになる。
【0044】
図12は、一実施例によって、図1の製造方法によって製造される透明LEDディスプレイ装置の断面を示す。透明基板(例えば、PETフィルム)の上にグラフェン層があり、第2銅層の上に錫めっき層(Tin)がある。錫めっき層の上にカラーLEDがあり、レジン層(Resin Layer)がカラーLEDの上端を含んでフィルムの全領域に設置されていることが分かる。
【0045】
図15は、一実施例によって、透明LEDディスプレイ装置のブロック図を示す。
【0046】
透明LEDディスプレイ装置15000は、図1を参照して開示された製造方法によって製造されるものであるが、これに限らない。透明LEDディスプレイ装置15000は壁や表面に取り付けられる。
【0047】
図15を参照すると、透明LEDディスプレイ装置15000は、透明基板の両面(第1面及び第2面)のうち第1面に金属メッシュパターンで形成されるグラフェン配線と、前記透明基板の両面のうち第1面が実装されたカラーLEDと、前記第1面に塗布されたレジンと、前記カラーLEDのオン/オフ状態や印加される電流を制御するためのものであって、前記第2面に位置するコントローラPCBと、透明LEDディスプレイ装置15000に電源を供給するためのSMPSを含む筐体と、を含む。
【0048】
一実施例によって、配線は図1のステップS1000及びS2000によって形成される。レジンに水が塗布されることで前記壁や前記表面に取り付けられる。レジンは第1面に塗布されるが、カラーLEDに塗布されてもよい。
【0049】
透明基板にあけた穴を介して前記透明基板の両面のうち第2面に載せたコントローラPCBの配線と前記第1面の金属メッシュパターンの配線をはんだ付けすることで、前記コントローラPCBと前記金属メッシュパターンの配線が互いに電気的に連結される。
【0050】
筐体は透明基板の第2面に一体に結合されるが、筐体に含まれたSMPSと前記透明基板上のコントローラPCBの電源ソケットが電源ラインを介して連結される。
【0051】
上述した一つの透明LEDディスプレイ装置が複数個で構成されることで、大きな透明電光板やデジタルサイネージシステムが具現される。
【0052】
説明は本発明を具現するための例示的な構成及び動作を提供するように意図される。本発明の技術思想は上述した実施例のみならず、前記実施例を単純に変更するか修正して得られる具現も含む。また、本発明の技術思想は、上述した実施例を今後容易に変更するか修正して達成される具現も含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図15