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特開2024-81122眼科撮像システムのためのミラー調整機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081122
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】眼科撮像システムのためのミラー調整機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A61B3/10 100
A61B3/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186455
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】22211424.1
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】509012991
【氏名又は名称】オプトス ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ホールマン
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA09
4C316AA10
4C316AB02
4C316AB06
4C316AB07
4C316AB11
4C316AB16
4C316FY01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光源から照射される光ビームの照射方向は、製造公差や経年変化のために公称の照射方向から逸脱する。
【解決手段】光源と光検出器とを眼科撮像装置の光学システムに光学的に結合する光学アセンブリであって、前記光源からの光ビームが光学システムに沿って該光学システムに向かって伝搬し、前記光学システムによって集光された目からの光が前記光路に沿って該光検出器に向かって伝搬するハウジングと、前記ハウジングに延在し、前記光ビームを前記光学システムに向かって反射させる反射面を支持するアームと、前記ハウジングに取付けられ、前記反射面を調整することを可能にする調整可能な機構と、を備え、前記光学アセンブリは、前記反射面の点を通り、前記光路に垂直な第1の軸を中心とする回転と、前記点を通り、前記第1の軸及び前記光路に垂直な第2の軸を中心とする回転と、前記光路に沿った移動と、を含むことを特徴とする光学アセンブリである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科撮像装置(100)のための光学アセンブリ(150)であって、
前記眼科撮像装置(100)は、
光ビーム(LB)を生成するように配置された光源(110)と、
光検出器(120)と、
眼(140)の一部を前記光ビーム(LB)からの光で照射し、前記眼(140)の照射部からの光(LC)を集光するように配置された光学システム(130)と、を備え、
前記光学アセンブリ(150)は、前記眼科撮像装置(100)に取付けられるときに、前記光源(110)からの前記光ビーム(LB)を前記光学システム(130)へ導くように、かつ、前記光学システム(130)により集光された前記光(LC)を前記光検出器(120)へ向けて伝搬するように配置され、
前記光学アセンブリ(150)は、
ハウジング(152; 210)であって、前記眼科撮像装置(100)の使用中に、前記ハウジング(152; 210)を通って、前記光源(110)からの前記光ビーム(LB)が、前記光学システム(130)に向けて光路(P; 211)に沿って第1の方向(D1)に伝搬し、前記眼科撮像装置(100)の使用中に、前記ハウジング(152; 210)を通って、前記光学システム(130)によって集光された光(LC)が、前記光検出器(120)に向けて前記光路(P; 211)に沿って第2の方向(D2)に伝搬し、前記第2の方向(D2)は、前記第1の方向(D1)と反対の方向であり、前記ハウジング(152; 210)は、前記光源(110)により生成された前記光ビーム(LB)を、前記ハウジング(152; 210)に入射させるための開口(153)を含む、ハウジング(152; 210)と、
前記ハウジング(152; 210)に延在するアーム(154; 220)と、
前記アーム(154; 220)に取付けられた反射要素(156; 230)であって、前記眼科撮像装置(100)の使用中に、前記開口(153)を通過する光ビームを反射するための反射面(157)を含む、反射要素(156; 230)と、
前記アーム(154; 220)を前記ハウジング(152; 210)に取付けるよう配置された調整可能な取付け機構(158)であって、前記調整可能な取付け機構(158)が、
前記反射面(157)の点(231) を通過する第1の回転軸(A1)を中心に前記反射要素(156; 230) を回転させ、前記第1の回転軸(A1)が前記光路(P; 211) に垂直であることと、
前記反射面(157)の前記点(231)を通過する第2の回転軸(A2)を中心に前記反射要素(156; 230)を回転させ、前記第2の回転軸(A2)が前記第1の回転軸(A1)と前記光路(P; 211)とに垂直であることと、
前記反射要素(156; 230)を前記光路(P; 211)に沿って移動させることと、
のうち、少なくとも一つにより、前記反射要素(156; 230)を調整し、
それにより、前記眼科撮像装置(100)の使用中に、前記反射要素(156; 230)が、前記開口(153)を通過した前記光ビーム(LB)を反射して前記光路(P; 211)に沿って前記第1の方向(D1)に伝搬するように配置される、前記調整可能な取付け機構(158)と、を備える、光学アセンブリ(150)。
【請求項2】
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記反射要素(156; 230)を第1の回転軸(A1)を中心に回転させることにより、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を調整するように配置され、前記反射要素(156; 230)に対向する第1の接触面(301)を備え、前記第1の接触面(301)は、前記第1の回転軸(A1)を中心に回転する面の一部の形状を有し、
前記アーム(154; 220)は、前記第1の回転軸(A1)から等距離にある点で前記第1の接触面(301)と接するように配置され、前記第1の回転軸(A1)を中心とする各々が異なる角度位置を有する1つ以上の第2の接触面(302)を備え、
1つ以上の前記第2の接触面(302)は、前記反射要素(156; 230)が前記第1の回転軸(A1)を中心に回転可能であるように、前記第1の接触面(301)を摺動可能である、請求項1に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項3】
前記調整可能な取付け機構(158)は、さらに、
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられ、前記アーム(154; 220)の側部(304)に接する端部を有する第1の可動部材(250)であって、前記第1の可動部材(250)は、前記調整可能な取付け機構(158)に対して移動可能であり、前記第1の可動部材(250)の前記端部の位置を調整可能な前記取付け機構(158)に対して変化させる、第1の可動部材(250)と、
前記アーム(154; 220)の側部(304)を前記第1の可動部材(250)の前記端部に対して押し付けるように配置された第1の弾性部材(303)であって、前記第1の可動部材(250)は、前記調整可能な取付け機構(158)に対して移動するときに、前記アーム(154; 220)が移動して、1つ以上の前記第2の接触面(302)が前記第1の接触面(301)を摺動するように配置される、第1の弾性部材(303)と、を備える、請求項2に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項4】
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられた前記第1の可動部材(250)は、前記調整可能な取付け機構(158)の第1のねじ部を介してねじ込まれた第1のねじを備え、第1のねじの端部が、アーム(154; 220)の側部(304)に接触し、前記第1のねじが、前記第1のねじ部を介して回転するときに、前記アーム(154; 220)を移動させるときに、1つ以上の前記第2の接触面(302)を、前記第1の接触面(301)を摺動させる、請求項3に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項5】
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に前記反射要素(156; 230)を回転させることにより調整させ、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた支持部(240)を備え、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)が前記第2の回転軸(A2)を中心に回転可能であるように、前記支持部(240)を、前記第2の回転軸(A2)と整列させたピボット(401)を中心に回転させる、請求項1に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項6】
前記調整可能な取付け機構(158)は、
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられ、前記支持部(240)の側部(403)に接触する端部を有する第2の可動部材(251)と、
前記支持部(240)の前記側部(403)を前記第2の可動部材(251)の前記端部に押し付けるように配置される第2の弾性部材(402)と、を備え、
前記第2の可動部材(251)は、前記調整可能な取付け機構(158)に対して移動するときに、前記支持部(240)を、前記ピボット(401)を中心に回転させることで、前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に回転させるように配置される、請求項5に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項7】
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられた前記第2の可動部材(251)は、前記調整可能な取付け機構(158)の第2のねじ部を介してねじ込まれた第2のねじを備え、前記第2のねじの端部は、前記支持部(240)の側部(403)に接触し、前記第2のねじ部を介して回転するときに、前記支持部(240)を、前記ピボット(401)を中心に回転させる、請求項6に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項8】
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記光路(P; 211)に沿って移動させることにより、調整することを可能にし、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記ハウジング(152; 210)に、前記ハウジング(152; 210)に沿って摺動可能に取付けられたベース部(245)を含み、前記光路(P; 211)に平行な方向に摺動可能であり、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記光路(P; 211)に沿って移動させる、請求項1に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項9】
前記ハウジング(152; 210)に取付けられ、前記ベース部(245)の側部(502)に接触する端部を有する第3の可動部材(252)と、
前記ベース部(245)の前記側部(502)を前記第3の可動部材(252)の前記端部に対して押し付けるように配置される第3の弾性部材(501)と、をさらに備え、
前記第3の可動部材(252)は、前記ハウジング(152; 210)に対して移動するときに、前記ベース部(245)を前記ハウジング(152; 210)に沿って前記光路(P; 211)と平行な方向に摺動させるように配置され、それにより、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を前記光路(P; 211)に沿って移動させる、請求項8に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項10】
前記ハウジング(152; 210)に取付けられた前記第3の可動部材(252)は、前記調整可能な取付け機構(158)の第3のねじ部を介してねじ込まれた第3のねじを備え、前記第3のねじの端部が、前記ベース部(245)の側部(502)に接触し、前記第3のねじが、前記第3のねじ部を介して回転するときに、前記ベース部(245)を、前記ハウジング(152; 210)に沿って、前記光路(P; 211)に平行な方向に摺動させる、請求項9に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項11】
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に前記反射要素(156; 230)を回転させることにより調整させ、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた支持部(240)を備え、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)が前記第2の回転軸(A2)を中心に回転可能であるように、前記支持部(240)を、前記第2の回転軸(A2)と整列させたピボット(401)を中心に回転させ、
前記支持部(240)は、前記ベース部(245)に取付けられ、
前記ピボット(401)は、前記ベース部(245)に設けられ、前記第2の回転軸(A2)と整列させたことで、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に回転させる、請求項8に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項12】
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に前記反射要素(156; 230)を回転させることにより調整させ、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた支持部(240)を備え、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)が前記第2の回転軸(A2)を中心に回転可能であるように、前記支持部(240)を、前記第2の回転軸(A2)と整列させたピボット(401)を中心に回転させ、
前記調整可能な取付け機構(158)は、
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられ、前記支持部(240)の側部(403)に接触する端部を有する第2の可動部材(251)と、
前記支持部(240)の前記側部(403)を前記第2の可動部材(251)の前記端部に押し付けるように配置される第2の弾性部材(402)と、を備え、
前記第2の可動部材(251)は、前記調整可能な取付け機構(158)に対して移動するときに、前記支持部(240)を、前記ピボット(401)を中心に回転させることで、前記反射要素(156; 230)を、前記第2の回転軸(A2)を中心に回転させるように配置され、
前記調整可能な取付け機構(158)に取付けられた前記第2の可動部材(251)は、前記調整可能な取付け機構(158)の第2のねじ部を介してねじ込まれた第2のねじを備え、前記第2のねじの端部は、前記支持部(240)の側部(403)に接触し、前記第2のねじ部を介して回転するときに、前記支持部(240)を、前記ピボット(401)を中心に回転させ、
前記調整可能な取付け機構(158)は、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記光路(P; 211)に沿って移動させることにより、調整することを可能にし、前記調整可能な取付け機構(158)は、前記ハウジング(152; 210)に、前記ハウジング(152; 210)に沿って摺動可能に取付けられたベース部(245)を含み、前記光路(P; 211)に平行な方向に摺動可能であり、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を、前記光路(P; 211)に沿って移動させ、
前記ハウジング(152; 210)に取付けられ、前記ベース部(245)の側部(502)に接触する端部を有する第3の可動部材(252)と、
前記ベース部(245)の前記側部(502)を前記第3の可動部材(252)の前記端部に対して押し付けるように配置される第3の弾性部材(501)と、をさらに備え、
前記第3の可動部材(252)は、前記ハウジング(152; 210)に対して移動するときに、前記ベース部(245)を前記ハウジング(152; 210)に沿って前記光路(P; 211)と平行な方向に摺動させるように配置され、それにより、前記アーム(154; 220)に取付けられた前記反射要素(156; 230)を前記光路(P; 211)に沿って移動させ、
前記ハウジング(152; 210)に取付けられた前記第3の可動部材(252)は、前記調整可能な取付け機構(158)の第3のねじ部を介してねじ込まれた第3のねじを備え、前記第3のねじの端部が、前記ベース部(245)の側部(502)に接触し、前記第3のねじが、前記第3のねじ部を介して回転するときに、前記ベース部(245)を、前記ハウジング(152; 210)に沿って、前記光路(P; 211)に平行な方向に摺動させ、
前記第1のねじ部と、前記第2のねじ部と、前記第3のねじ部とは、前記光路(P; 211)に整列させた方向に沿って延在するように配置されることにより、前記第1のねじと、前記第2のねじと、前記第3のねじとが、それぞれ、互いに整列させたそれぞれの軸を中心に回転可能とする、請求項4に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項13】
前記光路(P; 211)に垂直な平面での前記アーム(154; 220)の突出部が、前記眼科撮像装置(100)の使用中に前記ハウジング(152; 210)を通って伝搬する、前記光学システム(130)により集光された前記光(LC)の、または、前記ハウジング(152; 210)の断面の、面積の10%未満の、面積を有する、請求項1に記載の光学アセンブリ(150)。
【請求項14】
眼科撮像装置(100)であって、
光ビーム(LB)を生成するように配置された光源(110)と、
光検出器(120)と、
眼(140)の一部を前記光ビーム(LB)からの光で照射し、前記眼(140)の照射部からの光(LC)を集光するように配置された光学システム(130)と、
請求項1~13のいずれか一つに記載の光学アセンブリ(150)であって、前記光学アセンブリ(150)が、前記光源(110)からの前記光ビーム(LB)を前記光学システム(130)に案内し、前記光学システム(130)により集光された前記光(LC)を前記光検出器(120)に向けて伝搬するように配置される光学アセンブリ(150)と、を備える眼科撮像装置(100)。
【請求項15】
前記光源(110)が前記眼科撮像装置(100)に摺動可能に取付けられることにより、前記光源(110)により生成された前記光ビーム(LB)が照射される前記反射要素(156; 230)の位置を、前記光路(P; 211)に垂直な軸に沿って調整可能とする、請求項14に記載の眼科撮像装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の例示的態様は、概して、眼科撮像システムの分野に関し、特に、光源および光検出器を眼科撮像システムにおける撮像光学システムに結合するための光学アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
眼科撮像システムは、典型的には、光ビームを生成するように配置された光源と、光検出器と、光ビームからの光で眼(例えば、網膜)の一部を照射し、眼の照射部からの光を集光するように配置された光学システムとを含む。光源と光検出器とを眼科撮像装置の光学システムに結合する光学アセンブリは、本明細書では「タレットモジュール」とも呼ばれるが、光源からの光ビームを光学システムに導き、光学システムによって集光された光を光検出器に向けて伝搬するために設けられる。従来のタレットモジュールは、ハウジングを有し、このハウジングを介して、集光された(「戻り」)光は、光検出器に向かう光路に沿って通過し、光源からの光ビームは、光路に沿って反対方向に光学システムに向かって伝搬する。Optos(登録商標)California(登録商標)システムのようないくつかの従来の眼科撮像システムでは、光源は、タレットモジュールの開口を通って光ビームを照射するように配置され、照射された光ビームは、光路に対して約90度である。タレットモジュールで、光ビームは、光路に対して約45度に配向された固定ドットミラー(すなわち、ガラス基板に形成された小型ミラー)によって光路に結合される。
【0003】
しかしながら、典型的な光源から照射される光ビームの照射方向は、製造公差のために公称の照射方向から逸脱する傾向があり、光源は、光ビーム方向を調整する手段をほとんど持たない。したがって、タレットモジュールに入る光ビームは、通常、反射された光ビームが光路に沿って伝搬するのに十分正確にドットミラーと整列しない。この位置ずれを補正する試みは、通常、光学システムの1つ以上の要素を調整することによって、タレットモジュールの下流で行われる。眼科撮像システムの生産中に通常行われるそのような調整を行っても、その位置ずれをうまく補正するには、例えば、眼科撮像システムの輸送中の光源要素の移動、及び/又は、より長期的には要素の経年変化のような要因が、撮像システムの光学システムとの光ビームのその後の位置ずれと、その結果としての性能の低下を引き起こす可能性があるという問題が残る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の第1の例によると、眼科撮像装置のための光学アセンブリが提供される。眼科撮像装置は、光ビームを生成するように配置された光源と、光検出器と、光ビームからの光で眼の一部を照射し、眼の照射部からの光を集光するように配置された光学システムとを備える。この光学アセンブリは、眼科撮像装置に取付けられた場合には、光源からの光ビームを光学システムに導き、光学システムで集光された光を光検出器に向けて伝搬するように配置されている。光学アセンブリは、光源からの光ビームが、眼科撮像装置の使用中に、光路に沿って第1の方向に光学システムに向かって伝搬するハウジングを備え、眼科撮像装置の使用中に、光学システムによって集光された光が、光路に沿って第2の方向に光検出器に向かって伝搬するハウジングを備え、第2の方向は、第1の方向と反対である。ハウジングは、光源によって生成された光ビームをハウジングに入射させるための開口を含む。光学アセンブリは、ハウジングに延在するアームと、該アームに取付けられた反射要素とをさらに備え、該反射要素は、眼科撮像装置の使用中に、開口を通過する光ビームを反射するための反射面を備える。光学アセンブリは、ハウジングにアームを取付け、反射要素を少なくとも1つによって調整できるように配置され、反射面の点を通過する第1の回転軸を中心に反射要素を回転させ、第1の回転軸が光路に垂直であり、反射面の点を通過する第2の回転軸を中心に反射要素を回転させ、第2の回転軸が第1の回転軸及び光路に垂直であるようにする、又は反射要素を光路に沿って移動させることにより、眼科撮像装置の使用中に、開口を通過する光ビームを反射させて第1の方向に光路に沿って伝搬させるように配置される、調整可能な取付け機構を更に含む。
【0005】
調整可能な取付け機構が、反射要素を第1の回転軸を中心に回転させることによってアームに取付けられた反射要素が調整されることを可能にするように配置される場合、調整可能な取付け機構は、反射要素に面する第1の接触面を備えてもよく、第1の接触面は、第1の回転軸を中心とした回転面の一部の形状を有する。さらに、アームは、第1の回転軸から等距離にある点で第1の接触面に接するように配置され、第1の回転軸を中心とする異なるそれぞれの角度位置を有する1つ以上の第2の接触面を備えることができ、1つ以上の第2の接触面は、反射要素が第1の回転軸を中心に回転可能であるように、第1の接触面を覆って摺動可能であることができる。
【0006】
あるいは、調整可能な取付け機構が、反射要素を第1の回転軸を中心にして回転させることによって、アームに取付けられた反射要素が調整されることを可能にするように配置されている場合、アームは、反射要素とは反対を向いている第1の接触面を備えてもよく、第1の接触面は、第1の回転軸を中心とした回転面の一部の形状を有し、調整可能な取付け機構は、第1の回転軸から等距離にあり、かつ第1の回転軸を中心とした異なるそれぞれの角度位置を有する点で第1の接触面に接するように配置された1つ以上の第2の接触面を備えてもよく、1つ以上の第2の接触面は、反射要素が第1の回転軸を中心に回転可能であるように、第1の接触面上を摺動可能である。
【0007】
さらに、調整可能な取付け機構は、調整可能な取付け機構に取付けられ、アームの側部に接する端部を有する第1の可動部材であって、第1の可動部材は、調整可能な取付け機構に対する第1の可動部材の端部の位置を変えるために、調整可能な取付け機構に対して移動可能である第1の可動部材と、アームの側部を第1の可動部材の端部に対して強制的に押し付けるように配置された第1の弾性部材と、をさらに備えることができる。第1の可動部材は、調整可能な取付け機構に対して移動したときに、1つ以上の第2の接触面が第1の接触面上を摺動するように、アームを移動させるように構成されてもよい。
【0008】
さらに、調整可能な取付け機構に取付けられた第1の可動部材は、調整可能な取付け機構の第1のねじ部を通してねじ込まれた第1のねじを備えてもよい。第1のねじの端部は、アームの側部に接触してもよく、第1のねじは、第1のねじ部を通って移動するように回転すると、アームが移動して、1つ以上の第2の接触面が第1の接触面上を摺動するようにしてもよい。
【0009】
調整可能な取付け機構が、追加的または代替的に、アームに取付けられた反射要素が第2の回転軸を中心に反射要素を回転させることによって調整されることを可能にする場合、調整可能な取付け機構は、アームに取付けられた支持部を更に備えてもよく、支持部は、アームに取付けられた反射要素が第2の回転軸を中心に回転可能であるように、第2の回転軸と整列させたピボットを中心に回転可能であってもよい。
【0010】
この場合、調整可能な取付け機構は、調整可能な取付け機構に取付けられ、支持部の側部に接触する端部を有する第2の可動部材と、支持部の側部を第2の可動部材の端部に押し付けるように配置される第2の弾性部材とを備えてもよく、第2の可動部材は、調整可能な取付け機構に対して移動するときに、支持部がピボットを中心に回転するように配置され、それによって、反射要素を第2の回転軸を中心に回転させる。前記支持部は、前記第1の接触面を備えることができる。
【0011】
調整可能な取付け機構に取付けられた第2の可動部材は、調整可能な取付け機構の第2のねじ部を通ってねじ込まれた第2のねじを備えてもよく、第2のねじの端部は、支持部の側部に接触し、第2のねじは、回転して第2のねじ部を通って移動すると、支持部がピボットを中心に回転するようにする。これに加えて又はこれに代えて、アームは、支持部のねじ部に配置された第1の取付けねじと、第1の取付けねじのヘッドとアームの面との間で圧縮状態に保持された第1の取付け弾性部材とによって、支持部に対して付勢されてもよい。
【0012】
調整可能な取付け機構によって、光路に沿って反射要素を移動させることによってアームに取付けられた反射要素を調整することができる場合、調整可能な取付け機構は、ハウジングに摺動可能に取付けられ、ハウジングに沿って、光路と平行な方向に摺動可能であるように、アームに取付けられた反射要素が光路に沿って移動可能であるようなベース部を備えることができる。この場合、光学アセンブリは、ハウジングに取付けられ、ベース部の側部に接触する端部を有する第3の可動部材と、ベース部の側部を第3の可動部材の端部に強制的に押し付けるように配置される第3の弾性部材とをさらに備えることができ、第3の可動部材は、ハウジングに対して移動するときに、ハウジングに沿ってベース部をハウジングに沿って摺動させるように配置されることによって、光路と平行な方向に、アームに取付けられた反射要素を光路に沿って移動させる。ハウジングに取付けられた第3の可動部材は、第3のねじを備えることができ、このねじは、調整可能な取付け機構の第3のねじ部を通ってねじ込まれており、第3のねじの端部は、ベース部の側部に接触し、第3のねじは、第3のねじ部を通って移動するように回転すると、ベース部をハウジングに沿って、光路に平行な方向に摺動させる。
【0013】
上記で設定したように、調整可能な取付け機構が支持部およびベース部を備え、支持部はベース部に取付けられてもよく、ピボットは、ベース部に設けられ、アームに取付けられた反射要素が第2の回転軸を中心に回転可能であるように、第2の回転軸と整列させるようにしてもよい。この場合、支持部は、ベース部のねじ部に配置された第2の取付けねじと、第2の取付けねじの頭部と支持部の面との間で圧縮状態に保持された第2の取付け弾性部材とによって、ベース部に取付けられてもよい。
【0014】
ベース部は、ハウジングのねじ部に配置された第3の取付けねじと、第3の取付けねじの頭部とベース部の面との間で圧縮状態に保持された第3の取付け弾性部材とによって、ハウジングに摺動可能に取付けられてもよい。
【0015】
調整可能な取付け機構が第1のねじ部、第2のねじ部、および第3のねじ部を含む例示的な実施形態において、これらのねじ部は、光路に平行な方向に沿って延在するように配置されてもよく、その結果、第1のねじ、第2のねじ、および第3のねじは、それぞれ、互いに平行であるそれぞれの軸を中心に回転することができる。
【0016】
上記のいずれかの光学アセンブリにおいて、光路に垂直な平面のアームの投影は、眼科撮像装置の使用中にハウジングを通って伝搬する、ハウジングまたは光学システムによって集光された光の断面の領域の10%未満(より好ましくは、5%未満)の領域を有してもよい。
【0017】
また、第2の実施形態によれば、光ビームを生成するように配置された光源と、光検出器と、光ビームからの光で眼の一部を照射し、眼の照射部からの光を集光するように配置された光学システムとを備える眼科撮像装置が提供される。眼科撮像装置は、更に、第1の例の態様又は上述した変形例の何れかに係る光学アセンブリを備え、該光学アセンブリは、光源からの光ビームを光学システムに導き、光学システムによって集光された光を光検出器の方へ伝搬するように配置されている。光源は、反射要素の、光源によって生成された光ビームが反射要素に入射する位置が、光路に垂直な軸に沿って調整可能であるように、眼科撮像装置に摺動可能に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に説明する添付図面を参照して、例示的実施形態を非限定的例として詳細に説明する。図の異なるものに現れる同様の参照番号は、別段の指示がない限り、同一または機能的に同様の要素を示すことができる。
【0019】
図1図1は、本願明細書の一実施形態に係る光学アセンブリ150を備える眼科撮像装置100の概略図である。
図2図2は、眼科撮像装置100の一部を形成する光学システム130の一例の概略図である。
図3A図3Aは、眼科撮像装置のフレーム160に装着された、例示的実施形態による光学アセンブリ200の等角図である。
図3B図3Bは、眼科撮像装置100の光源110のケーシング114の等角図である。
図4A図4Aは、例示的実施形態による光学アセンブリ200の第1の等角図である。
図4B図4Bは、実施形態の光学アセンブリ200の第2の等角図である。
図4C図4Cは、光路を含むx-z平面に平行な平面で切断された、実施形態例の光学アセンブリ200の断面図である。
図5A図5Aは、ハウジング210と、アーム220と、プリズムミラー230と、支持部240およびベース部245を含む調整可能な取付け機構の一部とを含む、実施形態例の光学アセンブリ200の一部の切欠図である。
図5B図5Bは、光学アセンブリ200のハウジング210の図である。
図5C図5Cは、光学アセンブリ200のアーム220の図である。
図5D図5Dは、光学アセンブリ200の支持部240の図である。
図5E図5Eは、光学アセンブリ200のベース部245の図である。
図6図6は、調整可能な取付け機構の支持部240と、アーム220と、第1の弾性部材303と、第1の調整可能な部材250とを含む、実施形態の光学アセンブリ200のいくつかの要素の側面図である。
図7A図7Aは、調整可能な取付け機構の支持部240およびベース部245と、アーム220と、ピボット401と、第2の調整可能な部材251と、第2の弾性部材402とを含む、実施形態の光学アセンブリ200のいくつかの要素の側面図である。
図7B図7Bは、図7Aに示した光学アセンブリ200の要素の上面図である。
図8A図8Aは、例示的な実施形態の光学アセンブリ200の一部の第1の上面図である。
図8B図8Bは、図8Aに示される光学アセンブリ200の一部の第2の上面図である。支持部240およびアーム220は示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述した背景に鑑みて、本発明者らは、従来のタレットモジュールにおいて、光ビームの位置ずれに関する上述の問題に少なくとも部分的に対処するタレットモジュールを発明した。より詳細には、本発明者らは、反射要素(例えば、ミラー)が、タレットモジュールのハウジングに延在するアームに取付けられ、調整可能な取付け機構が設けられて、ハウジングにアームを取付け、反射要素から反射された光ビームが光路からあまり逸脱しないように(そして好ましくは、光路に沿って伝搬するように)、タレットモジュールの反射要素の配向および/または位置を調整することを可能にするタレットモジュールを発明した。したがって、光ビームの照射方向の変動性は、少なくとも部分的に補正することができ、眼科撮像装置の光学システムの光学要素の調整は、より少なくても、または必要とされない。
【0021】
以下、添付図面を参照して光学アセンブリの実施形態の例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本願明細書の第1の実施形態例に係る光学アセンブリ150を備える眼科撮像装置100の概略図である。眼科撮像装置100は、さらに、光ビームLBを生成するように配置された光源110と、光検出器120と、光ビームLBからの光LIで眼140の一部を照射し、眼140の照射部からの光LCを集光するように配置された光学システム130とを備える。眼140の照射部は、本実施形態におけるように、眼140の網膜の一部を含んでもよいが、照射部は、そのように限定されず、代わりに、例えば、前方セグメントの一部等の、眼140の別の部分を含んでもよい。
【0023】
眼科撮像装置100は、光学アセンブリ150をさらに備え、光学アセンブリ150は、光源110から光ビームLBを光学システム130に導き、光学システム130によって集光された眼140の照射部からの光LCを光検出器120の方へ伝搬するように配置される。光学アセンブリ150は、集光された光LCを、光学アセンブリ150を通過する第1の(直線)光路Pを含む光路を介して、光検出器120に向けて伝搬するように配置される。以下により詳しく説明するように、光学アセンブリ150は、1つ以上の光学要素、例えば(フォールド)ミラーをさらに備えて、集光された光LCを光路Pを介して光検出器120の方へ案内することができる。光学アセンブリ150は、例えば、入射光を90度で2回反射するペリスコープに見られるものと同様のミラーの配置を含むことができる。これらの配置は、離間されて光学アセンブリ(以下により詳細に論じる)のハウジング152に取付けられた2つのミラーを使用し、光路Pおよび以下に論じる反射要素156は、これらのミラー間に配置される。光学アセンブリ150(又は「タレットモジュール」)は、本実施形態におけるように、例えば、点検及び保守のために取り外し可能なように、眼科撮像装置100に着脱可能に取付けられてもよく、その後、必要に応じて再度取付け可能になる。
【0024】
光源110は、一般に、例えば可視スペクトル(例えば、赤色光および緑色光)および/または近赤外スペクトルにおいて眼140を撮像するのに適した1つ以上の波長範囲の光を生成するように配置される。光源110は、例えば、1つ以上のレーザダイオードまたはスーパールミネッセントダイオード(または、レーザダイオードおよびスーパールミネッセントダイオードの組み合わせ)を備え、さらに、1つ以上の光ビームを生成するように配置された1つ以上の光学要素(コリメータ、アパーチャ、レンズなど)を有してもよい。一例を挙げて説明すると、本実施形態の光源110は、赤色光(例えば、波長635nm)を生成するように配置された赤色レーザと、緑色光(例えば、波長532nm)を生成するように配置された緑色レーザとを含むが、光源110は、より一般的には、(眼科撮像装置100の第1の光学チャネルを画定する)第1の波長の光を生成するように配置された第1のレーザと、(眼科撮像装置100の第2の光学チャネルを画定する)第2の異なる波長の光を生成するように配置された第2のレーザとを含むことができることは理解されよう。2つの光学チャネルは、本実施形態におけるように、光学システム130に伝搬し、眼140の一部を照射するために使用される、光ビームLBの単一光ビームにおいて組み合わされてもよい。光学システム130(以下でさらに説明される)は、円柱レンズ又は他の周知の要素又はラインフィールド照射を生成するための光学アセンブリを使用して生成される(フライング)光スポット又は光ビーム(眼科撮像装置100がラインフィールドシステムである場合)で眼140の部分を照射するように配置されてもよい。
【0025】
眼科撮像装置100が光干渉断層撮影(OCT)撮像モードにおいて動作可能である例示的な実施形態において、光源110は、更に、掃引光源(眼科撮像装置100が波長掃引光源OCT(SS-OCT)システムである場合)又は広帯域光源(眼科撮像装置100がスペクトルドメインOCT(SD-OCT)システムである場合)を含み得る。
【0026】
光検出器120は、本実施形態の場合と同様に、第1の光検出器(図示せず)を備えることができ、この光検出器は、第1の波長の集光された光を検出するように配置されているものと、第2の光検出器(図示せず)とを備えることができる。この第2の光検出器は、第2の波長の集光された光を検出するように配置さ。しかしながら、光検出器120は、代わりに、両方の波長の集光された光を検出するように配置された単一の光検出器を備えてもよい。光検出器120は、1つ以上の平衡な光検出器の構成(各々が、出力光電流が互いに差し引かれる2つの逆バイアスされたフォトダイオードを含み、差し引かれた電流信号がトランスインピーダンス増幅器によって電圧検出信号に変換される)を備えていてもよい。眼科撮像装置100がOCT撮像モダリティを特徴とする例示的な実施形態では、光検出器120は、分光器(SD-OCT設定が使用される場合)又はフォトダイオード検出器(SS-OCT設定が使用される場合)を更に含んでもよい。
【0027】
光学システム130は、本実施形態のように、点走査によって照射される眼140の一部を横切る光源110からの光LIの2次元点走査を実施し、点走査中に照射領域からの光を集光するように配置された走査システムを備えてもよい。
【0028】
このような光学システムの一例を図2に示す。光学システム130は、本実施形態の場合と同様に、走査要素およびミラーを備えることができ、光学システム130は、ミラーを介して眼140の部分を横切る光ビームを走査する走査要素によって二次元点走査を行うように配置される。このような走査システムの一例は、広視野の網膜走査を行うことができるが、その内容が参照により本明細書に組み込まれているWO 2014/53824 A1に記載されている。このような走査システムの要素は図2に示されており、光カプラ131、第1の走査要素132、第1の曲面ミラー133、第2の走査要素134および第2の曲面ミラー135を備える。この光ビームは光カプラ131を介して光学システム130に入射する。次に、光ビームは、順番に、第1の走査要素132、第1の曲面ミラー133、第2の走査要素134、及び第2の曲面ミラー135によって反射されてから、眼140に入射される。光学システム130で集光された眼140の照射部からの光は、光カプラ131からの光ビームと同じ光路を光学システム130を通って逆順にたどり、光カプラ131を経て光学システム130から出る。
【0029】
二次元点走査は、眼140の部分を横切る第1の方向に光ビームを走査するために第1の軸136を中心に回転する第1の走査要素132によって実行され、眼140の部分を横切る第2の方向に光ビームを走査するために第2の軸137を中心に回転する第2の走査要素134によって実行される(本実施形態のように、第1の方向に直交してもよい)。したがって、第1の走査要素132及び第2の走査要素134を回転させることによって、眼140の部分の異なる位置に光ビームを操縦することが可能である。第1の走査要素132及び第2の走査要素134の回転は、光ビームが所定の走査パターンに従って眼140の部分を横切って走査されるように、走査システムコントローラ(図示せず)によって調整することができる。
【0030】
図2の例では、第1の曲面ミラー133が楕円面ミラー(およびスリットミラーと呼ばれる)であり、第2の曲面ミラー135も楕円面ミラーである。楕円面ミラーの各々は、それぞれの第1の焦点及びそれぞれの第2の焦点を有する。第1の走査要素132は第1の曲面ミラー133の第1の焦点に配置され、第2の走査要素134は第1の曲面ミラー133の第2の焦点に配置される。また、第2の走査要素134は、第2の曲面ミラー135の第1の焦点に配置され、眼140(より具体的に、本例では眼140の瞳孔)は、第2の曲面ミラー135の第2の焦点に配置されている。
【0031】
第1の走査要素132及び第2の走査要素134は、本実施例におけるように、各々がガルバノメータ光学スキャナ(又は「ガルボ」)であってよいが、例えば、MEMS走査ミラー又は共鳴走査ミラーなどの別の種類の走査要素を代替的に使用することもできる。
【0032】
図2を参照して上述された種類の光学システム130は、色彩、赤色フリー、自動蛍光(AF)、インドシアニングリーン血管造影(ICG血管造影)、(中でも)OCT等、種々の撮像モードで使用されてもよい。しかしながら、光学システム130は、代替的に、例えば、眼140の結像された部分にわたるラインフィールド走査を実施するような他の方法で配置されてもよい。光学システム130は、さらに、光源110からの光ビームLBをフィルタリングし、誘導し、および/またはコリメートするための光学要素などの追加の光学要素と、円柱レンズまたは光学システム130がラインフィールドシステムである場合に光ビームを生成する他の手段とを備えることができる。また、光学システム130は、光ビームを焦点に合わせて眼140に導くための第1の曲面ミラー133および第2の曲面ミラー135を備えるミラーベースの光学システムである必要はなく、代替的に、これらの機能を提供するためのレンズの配列を備えるレンズベースの光学システムであってもよいことに留意されたい。
【0033】
再び図1を参照すると、光学アセンブリ150は、光源110からの光ビームLBが、眼科撮像装置100の使用時に光路Pに沿って第1の方向に光学システム130に向かって伝搬し、光学システム130によって眼140の照射部から集光された光LCが、第2の方向に光検出器120に向かって伝搬し、眼科撮像装置100の使用時に光路Pに沿ったハウジング152を備え、第2の方向D2は、第1の方向D1と反対である。ハウジング152は、光ビームLBがハウジング152に入射することを可能にする開口153を有する。ハウジング152は、不透明な素材から構成されており、ハウジングの開口153以外の、開口、光学システム130からの集光された光LCを受け取るための開口、ハウジング152の対向する端部の開口(光路Pの方向)、を介して集光された光LCが光検出器120の方へ伝搬する光検出器、及びオプションとして1つ以上の再シール可能な点検孔を介して、その内部に光を受け入れないように配置される。ハウジング152の形状は、限定されず、例えば、円筒(円筒の軸が光路Pに沿って横たわる)および/または立方形であってもよい。
【0034】
光学アセンブリ150は、ハウジング152に延在するアーム154をさらに備える。アーム154は、本実施形態のように、金属(例えば、鋼またはアルミニウム)等の剛性材料で形成されてもよい。さらに、アーム154は、本実施形態のように、光路Pの方向に沿って見たときに、光路Pに沿って(方向D2に)伝搬する光の集光された(戻り)光LCを、できるだけ妨害するように、小さなプロファイルを有するように形成してもよい。ハウジング152に延在するアーム154の一部は、本実施形態の場合のように、ハウジング152の内部断面の領域の10%未満(より好ましくは、5%未満)の領域を有する光路Pに垂直な平面に、又は眼科撮像装置100の使用中にハウジング152を通って伝搬する光学システム130によって集光される光LCの光ビームの断面の領域に、アーム154が配置される突出部を有してもよい。アーム154は、好ましくは、できるだけ(すなわち、光路Pに沿って見たとき)薄い外形を有する一方で、十分な剛性を維持し、以下に論じる反射要素156によって反射された光ビームLBの向きが、眼科撮像装置100の使用中に十分に安定したままとなり、画質に悪影響を及ぼさないようにすることができるようにする。
【0035】
光学アセンブリは、例えば、接着剤などの任意の適切な手段を使用してアーム154に取付けられる(好ましくは端部にある)反射要素156をさらに備える。反射要素156は、光源110から光ビームLBを反射するための反射面157を備え、これは、眼科撮像装置100の使用中に開口153を通過する。反射要素156は、その(部分的に)反射面に入射する光ビームLBの一部を反射するプリズム、又は例えば実質的に全ての入射光を反射する平面ミラーの形成をとることができる。反射要素156は、平面反射面を有する必要はなく、必要に応じて、1つ以上の軸に沿った曲率を有することができることに留意されたい。
【0036】
光学アセンブリ150は、ハウジング152にアーム154を取付け、(i)反射面157の点を通り、光路Pに垂直である第1の回転軸A1周りに反射要素156を回転させること、(ii)反射面157の点を通り、第1の回転軸A1及び光路Pの両方に垂直である第2の回転軸A2周りに反射要素156を回転させること、及び(iii)光路Pに沿って反射要素156を移動させること、のうちの1つ以上によって、反射要素156を調整することができるように、これらの1つ以上の調整を使用して、反射要素156を配向及び/又は移動させることができるように、前記1つ以上の調整を用いることができるように、ハウジング152に取付けられたアーム154の調整可能な取付け機構158を更に含む。眼科撮像装置100の使用中、第1の方向D1は、これにより、反射要素156から反射された光ビームが光路Pに沿って伝搬するのを妨げるであろう光ビームLBのあらゆる位置ずれを少なくとも部分的に補正し得る。光路Pは、例えば、性能測定基準として、取得された画像の画質の態様(例えば、クリッピングの不在、画像の歪みの程度など)、不要な反射および/または迷光の普及、眼での光ビームのスポットサイズの劣化を使用することによって、眼科用撮像装置の性能を最適化するように設定することができる。
【0037】
光源110は、本実施形態のように、反射面157で、光源110によって生成された光ビームLBが反射面157に入射する反射面157の位置が、光路Pに垂直な軸に沿って調整可能となるように、眼科撮像装置100(例えば、光検出器120、光学システム130および光学アセンブリ150を支持するフレーム)に摺動可能に取付けられてもよい。したがって、光源110は、軸A2に沿った光源110の位置、したがって、光路Pに沿ってD1に伝搬する反射する光ビームLBの軸A2に沿った位置を調整できるように、眼科撮像装置100のフレームに摺動可能に取付けられてもよい。
【0038】
本実施形態の眼科撮像装置100において採用される、光源110のこのような摺動可能な取付けの例が、図3Aおよび3Bに示されている。光源110は、本実施形態のように、光源110をフレーム160に取付けるときに、光源110のケーシング(筐体)114に設けられ、回転軸A2に沿った方向(z軸方向)に延在する複数のスロット112を介して、眼科撮像装置100のフレーム160に取付けられてもよい。スロット112は、フレーム160から突出するそれぞれの(棒状)突起162(例えばダボおよび/またはねじ)と係合する。カム164は、フレーム160に取付けられ、例えば図3Bに示されるように、ケーシング114のスロット116を介して光源110のケーシング114と係合するように配置される。カム164を(キーツール等を使用して)回転させると、光源110のケーシング114はz軸に沿って上下に移動する。また、図3Bは、光源110のケース114の開口118を図示し、それを介して、光ビームLBは、光学アセンブリ200のハウジング210の開口212へと進むが、これは、以下により詳しく説明する光学アセンブリ150の一実施形態である。
【0039】
図4A、4Bおよび4Cは、それぞれ、図1を参照して上述された光学アセンブリ150の一実施形態である、例示的な実施形態による光学アセンブリ200の第1の等角図、第2の等角図および断面図である。ハウジング210、アーム220、プリズムミラー230、及び支持部240及びベース部245を備えた調整可能な取付け機構を図に示す。4A~4Cは、ハウジング152、アーム154、反射要素156、及び、上述の調整可能な取付け機構158の実施例である。先に説明した、ハウジング152、アーム154、反射要素156および調整可能な取付け機構158の特徴および変形例は、ここでさらに詳細に説明するこれらの要素の例示的な実装に適用される。
【0040】
図5Aは、例示的な実施形態の光学アセンブリ200の一部の切欠図であり、ハウジング210、アーム220、プリズムミラー230、ならびに支持部240およびベース部245を含む調整可能な取付け機構の一部を含む。これらの要素は、図5B図5Eのそれぞれの等角投影図にさらに図示されている。
【0041】
調整可能な取付け機構は、本実施形態におけるように、図に例示されているように、支持部240とベース部245とを別々の部品として備えることができる。図5Dおよび5Eは、支持部240およびベース部245は、代替として、後述するように、単一部品の一部であってもよい。
【0042】
図4Cに図示されるように、光学アセンブリ200は、ハウジング210を備え、眼科撮像装置100の使用中、光源110からの光ビームLBは、光路211に沿って第1の方向に光学システム130に向かって伝搬し、眼科撮像装置100の使用中、光学システム130によって集光された光LCは、光路211に沿って第2の方向に光検出器120に向かって伝搬し、第2の方向は、第1の方向と反対の方向である。換言すれば、ハウジング210は、光路211(x軸に平行である、光学アセンブリ150の基準座標系において)を囲むように配置され、これに沿って、光源110から光ビームLBは、光学システム130に向かって第1の方向(すなわち、正のx軸方向)に伝搬し、光学システム130によって集光された光は、それに沿って第2の、対向する方向(すなわち、負のx軸方向)に、光検出器120に向かって伝搬する。
【0043】
図4Bに例示されているように、ハウジング210は、光源110によって生成された光ビームLBがハウジング210に入射することを可能にする開口212を備える。開口212は、本実施形態のように、光路211に沿って延在するハウジング210の側部にあってもよい。光源110は、本実施形態のように、入射軸213が光路211に垂直であるハウジング210の入射軸213と実質的に整列させた光路に沿って、ハウジング210に光ビームLBを照射するように配置されてよい。しかし、光源110の達成可能な製造公差のため、それによって照射される光ビームLBは、通常、入射軸213に対して傾斜するか(小さい角度であり、通常は3度未満)、および/または光ビームLBがハウジング210に入射する入射軸213から横方向に変位する。このようなあらゆる位置ずれ及び/又は横方向のずれは、プリズムミラー230によって反射された光ビームを光路211から逸脱させることになる。
【0044】
ハウジング210は、本実施形態のように、立方形の中央部と、2つの管状端部とを備えることができ、立方形の中央部の一方の面は、光学アセンブリ200の調整可能な取付け機構のための取付け面を提供する。光学アセンブリ200は、本実施形態のように、管状端部の一方の端部に設けられた第1のフォールドミラー214と、他方の管状端部に設けられた第2のフォールドミラー216とをさらに備えることができる。第1のフォールドミラー214及び第2のフォールドミラー216は、光路211に沿って伝搬する光をそれぞれ第1のフォールド孔215及び第2のフォールド孔217を介して反射させるように配置されており、光を光学アセンブリ200に導くようになっている。眼科撮像装置100の動作中、プリズムミラー230のミラー面によって反射された光源110からの光ビームLBは、光学システム130に向かって伝搬するにつれて、第1のフォールド孔215を通ってハウジング210から出る。光学システム130によって集光された光LCは、第1のフォールド孔215を通って光学アセンブリ200に入り、光路211に沿って伝搬してから、第2のフォールド孔217を通ってハウジングから出て、光検出器120に向かって伝搬する。しかし、当然のことだが、第1のフォールドミラー214及び第1のフォールド孔215の一方又は両方、及び第2のフォールドミラー216及び第2のフォールド孔217は省くことができ、光路211に沿って伝搬する光は、眼科撮像装置100で光検出器120及び光学システム130が互いにどのように配置されるかに応じて、単に、光学システム130又は光検出器120に向けて伝搬される(又は1つ以上の異なるように配置されたミラーを使用して案内される)。
【0045】
図4Cを参照すると、アーム220はハウジング210に延在する。アーム220は、本実施形態におけるように、ハウジング210の第2の開口218を通って延在してもよい。ハウジング210に延在するアーム220の一部は、本実施形態の場合のように、ハウジング210の断面の領域の10%未満(より好ましくは、5%未満)の領域を有する光路Pに垂直な平面に突出部を有してもよく、この突出部は、アーム220が位置する、又は眼科撮像装置100の使用中にハウジング210を通って伝搬する光学システム130によって集光される光LCの断面の領域を有する。アーム220は、プリズムミラー230によって反射された光ビームLBの方向が、眼科撮像装置100の使用中に十分に安定を維持して画質に悪影響を及ぼさないように十分な剛性を維持しつつ(光路211の方向に沿って見るときに)できるだけ薄いプロファイルを有するように作られていることが好ましい。アーム220の前述の突出部(プロファイル)の領域を最小限に抑えることによって、できるだけ集光された光LCの少量が、アーム220が光検出器120の方へ伝搬することが防止され、それによって、信号対雑音、したがって、撮像画質を改善するのに役立つ。
【0046】
プリズムミラー230は、アーム220に取付けられており、反射面を与える銀めっきされた側部を有するガラスプリズムを備えている。プリズムミラー230はアーム220の端部に取付けられており、その反射面は、眼科画像装置100の使用中に第2の開口218を介して入射する光ビームLBを反射するように方向付けられており、その結果、反射ビームは、ハウジング210に沿って、第1のフォールドミラー214の方に進み、その後、第1のフォールド孔215を介して光学システム130の方に進む。他の例示的な実施形態では、プリズムミラー230は、入射光の光ビームLBを光学システム130の方へ反射させるために適切な角でアーム220に取付けることができる平面ミラーなどの、代替的な形態の反射要素で置き換えてもよいことに留意されたい。
【0047】
図4Bに示される入射軸213は、本実施形態例においてはy軸に平行であるが、代替の実施形態においては、入射軸213はz軸に平行であってもよく、開口212は、それに対応して、ハウジング210の中央(立方形)部の底部側、すなわち、光学アセンブリ150の調整可能な取付け機構のための取付け面へのハウジング210の反対面に設けられる。このとき、プリズムミラー230は、ハウジング210に入射する光ビームLBを光学システム130に向けて反射するように、適切な角度にされ得る。
【0048】
調整取付け機構は、アーム220をハウジング210に取付け(以下でより詳しく説明するように)、プリズムミラー230が、(i)反射面の点231を通過する第1の回転軸(図4Cのy軸に平行)を中心にプリズムミラー230を回転させること、(ii)反射面の点231を通過し、第1の回転軸に垂直である第2の回転軸(図4Cのz軸に平行)を中心にプリズムミラー230を回転させること、および(iii)プリズムミラー230を光路211に沿って移動させること、のうちの少なくとも1つによって調整されることを可能にするように構成され、それによって、眼科撮像装置100の使用中に、プリズムミラー230は、その反射面に入射する光ビームLBを反射して、光路211に沿って第1の方向(図1のD1)に光学システム130に向かって伝搬するように構成される。
【0049】
したがって、プリズムミラー230の方位および/または位置は、プリズムミラー230が光ビームLBを光路211に沿って第1の方向D1に反射させ、それによって入射軸213から光ビームLBの進行方向のずれを補正するように、光学アセンブリのアーム220の方位および/または位置を調整することによって調整することができる。そのようなずれが、光路211に沿ったプリズムミラー230の配向および/または位置に必要な変化を生じるために調整可能な取付け機構の適切な調整によって補正されなければ、プリズムミラー230によって反射された光ビームが光路211に沿って伝搬しない結果となる。
【0050】
なお、第1の回転軸A1は、本実施形態のように、光路211に対して垂直かつ入射軸213に対して平行であってもよく(すなわちy軸方向)、点231に対して垂直であってもよく、光路211に対して垂直であっても、少なくとも方向成分を有していてもよい。第2の回転軸A2は、本実施形態のように、第1の回転軸A1および光路211(すなわち、第2の回転軸A2はz軸方向であってもよい)に直角であってもよいが、第2の回転軸A2は、代わりに、少なくとも光路211および第1の回転軸A1に直角な方向要素を有する任意の軸であってもよい。
【0051】
プリズムミラー230の反射面の点231は、本実施形態の場合のように、反射面の幾何学的中心であってもよいが、より一般的には、反射面の任意の点であってもよい。この調整取付け機構は、本実施形態のように、プリズムミラー230が前述の3つの自由度全てによって調整可能となるように配置されてもよい。しかしながら、他の例示的実施形態では、調整取付け機構は、プリズムミラー230が、前述の自由度の1つのみ、または2つのみによって調整されることを可能にしてもよい。
【0052】
この調整可能な取付け機構は、本実施形態のように、アーム220に取付けられたプリズムミラー230が第1の回転軸A1を中心にプリズムミラー230を回転させることによって調整できるように配置され得る。本実施形態におけるように、この回転は、図5Dおよび図6の301に示されるように、第1の接触面を有する調整可能な取付け機構を設けることによって達成されてもよい。図5Dおよび図6において、第1の接触面301は、一例として、調整可能な取付け機構の支持部240に設けられている。しかし、第1の接触面301は、より一般的には、点231からの変位が固定される調整可能な取付け機構の任意の要素に設けることができる。第1の接触面301は、反射要素230に面し、第1の回転軸A1(図6のy軸に平行)を中心とする回転面の一部の形を有する。さらに、プリズムミラー230を第1の回転軸A1を中心に回転させることを可能にするために、アーム220は、第1の回転軸A1から等距離にありかつ第1の回転軸A1を中心に異なったそれぞれの角度位置を有する点で第1の接触面301に接する1つ以上の第2の接触面を有する。アーム220は、本実施形態の場合のように、2つのそのような第2の接触面を有してもよく、これらの第2の接触面は、図において符号302で示される。図5Cおよび6では、第2の接触面302の数はそれに限定されないが、他の例示的な実施形態では2つより多くてもよい。それぞれの第2の接触面302は、本実施形態のように、第1の回転軸A1を中心とした回転面の一部の形を呈していてもよい。しかし、アームは、代わりに、第1の回転軸A1から等距離にある点で第1の接触面301に接触し、第1の回転軸A1を中心とする異なったそれぞれの角度位置を有する1つの第2の接触面のみを有してもよく、アームの第2の接触面は、第1の回転軸A1を中心とする回転面の一部の形を有することに留意されたい。第2の接触面302は、図6に示すように、第1の接触面301に対向し、接触しており、第2の接触面302のそれぞれは、第1の回転軸A1を中心とした回転面の一部の形状、すなわち第1の接触面301とほぼ同じ曲率半径を有している。第2の接触面302は、プリズムミラー230が第1の回転軸A1のまわりに回転するように、第1の接触面301を摺動可能である。第2の接触面302は、したがって、第1の接触面301を摺動可能であり、互いに摺動しながら対向する接触面が接触したままであると、アーム220は、回転面の共通軸、すなわち第1の回転軸A1を中心に回転するようにされる。
【0053】
図6は、調整可能な取付け機構の支持部240、およびアーム220を含む、実施形態例の光学アセンブリ200のいくつかの要素、ならびに以下で論じるいくつかのさらなる要素の側面図である。図6に示されるように、調整可能な取付け機構の支持部240は、第1の接触面301を有し、アーム220は、第2の接触面302を有し、第1の接触面301および第2の接触面302は、図6のy軸に沿っており、プリズムミラー230の反射面の点231を通過する回転軸を中心とする回転面の一部の共通形状を有する。なお、回転面は、本実施形態のように、円柱であってもよい。したがって、第1の接触面301および第2の接触面302のそれぞれは、点231を中心とする共通円の円周の一部であるx-z平面における曲率を有する。しかしながら、回転面は、そのように限定されず、代わりに、例えば、円錐台形である。回転軸からの回転面の垂直距離は、回転軸に沿って非単調に変化してもよい。
【0054】
調整機構によって可能とされる第1の回転軸A1を中心としたプリズムミラー230の回転は、角度の付いた破線によって、光路211の示された部位に対して図6に示されている。
【0055】
光学アセンブリ150は、本実施形態のように、調整可能な取付け機構に取付けられ、アーム220の側部304に接触する端部を有する第1の可動部材250をさらに備えてもよい。光学アセンブリは、図6に示されるように、第1の弾性部材303をさらに備えてもよく、これは、アーム220の側部304を第1の可動部材250の端部に押しつけるように配置される。第1の可動部材250は、調整可能な取付け機構に対して移動可能であり、調整可能な取付け機構に対する第1の可動部材250の端部の位置を変化させる。第1の可動部材250は、調整可能な取付け機構に対して移動した場合、アーム220が移動して、第2の接触面302が第1の接触面301を摺動するように配置され、取付けられたアーム220およびプリズムミラー230は、結果的にプリズムミラー230の反射面の点231を通過する第1の回転軸A1を中心に回転する。第1の弾性部材303は、本実施形態のように、アーム220の第2の接触面302を支持部240の第1の接触面301に対して押し付けるようにさらに配置されてよい。しかし、他の実施形態では、第2の接触面302は、第1の弾性部材303の代わりに、別の弾性部材によって第1の接触面301に対して強制されてもよい。
【0056】
第1の弾性部材303は、本実施形態におけるように、螺旋状の圧縮ばねを備え得、この圧縮ばねは、ばねの端部を収容する支持部240の凹部と、ばねの他端を収容するアーム220の面の凹部との間で圧縮状態に保持される。しかし、鋼合金(ばね鋼など)または高い降伏強さを有する他の材料からできていてもよいねじりばねまたはたわみなど、当業者には知られている他の任意の種類の弾性部材を使用してもよい。第1の弾性部材303は、代わりにゴム等を備えてもよい。
【0057】
第1の可動部材250は、本実施形態におけるように、第1のねじを備えてよく、この第1のねじは、調整可能な取付け機構の第1のねじ部(具体的には、図5Dに図示されるように、支持部240のねじ孔241)を通ってねじ込まれ、第1のねじの端部は、アーム220の側部304に接触する。アーム220の側部304は、サファイアまたは第1のねじの端部による押込に耐性がある別の硬い材料のプレートから成ってもよい。第1のねじは、回転してねじ孔241を通って移動すると、アーム220を移動させて、アーム220の第2の接触面302が第1の接触面301を摺動するようにする。
【0058】
しかし、第1の可動部材250の形成は、このように限定されない。例えば、調整可能な取付け機構に取付けられ、アーム220の側部304に接触する端部を有し、第1の弾性部材303がアーム220の側部304をカムの端部に強制的に押し付けるカムは、第1のねじの代わりに使用されてもよい。この変形例では、カムは、調整可能な取付け機構に対して回転して、調整可能な取付け機構に対するカムの端部の位置を変化させることができる。カムは、回転すると、アーム220の第2の接触面302が第1の接触面301を摺動するように、アーム220を移動させるように配置される。
【0059】
図4Aを参照すると、本実施形態のように、アーム220は、支持部240のねじ孔244にねじ込まれた第1の取付けねじ260と、第1の取付けねじ260の頭部と第1の取付けねじ260の頭部に対向するアーム220の面との間で圧縮状態に保持される(例えば、螺旋状の圧縮ばねの形態の)第1の取付け弾性部材270とによって(任意に、中間ワッシャーを介して)、支持部240に対して付勢(強制)されてもよい。第1の取付けねじ260は、(図5Cおよび6に示されるように)アーム220の細長い孔または溝孔305を通過し、プリズムミラー230の第1の回転軸A1を中心とした上述の回転を妨げないようにする。しかし、アーム220は、他の例示的な実施形態においては他の手段によって支持部240に対して付勢されてもよい。例えば、第1の接触面301および第2の接触面302がそれぞれ、回転A1の第1の軸を中心とする円錐台形の回転面の一部として成形され、回転面の半径が負のy軸方向に沿って増加する例示的な実施形態では、第1の接触面301がアーム220を支持部240に対して効果的に楔留めるとき、アーム220は、第1の弾性部材303によって支持部240に対して付勢されてもよい。
【0060】
本実施形態は、プリズムミラー230の第1の回転軸A1を中心とした回転を提供するために互いに摺動する2つの接触面を使用するが、他の手段により、このような回転を達成することができる。例えば、代替実施形態では、アーム154は、第1の回転軸A1を中心とする円の共通円弧に沿って延在する2つの円弧状のスロットを備える。ねじがこれらの弧状スロットの各々を通過し、調整可能な取付け機構の支持部のそれぞれのねじ孔にねじ込まれる。スクリューの直径は、円弧状のスロットの幅に類似するように選択される。したがって、この代替実施形態では、アームは、回転可能な要素230が第1の回転軸A1を中心として回転することができるように、ねじによって拘束されて円弧に沿って移動し、所望の回転が達成されたときには、ねじは、アームを調整可能な取付け機構の支持部に固定するように締め付けることができる。その後、必要な場合に、プリズムミラー230の回転を再調整するためにねじを緩めることができる。
【0061】
調整可能な取付け機構は、本実施形態のように、アーム220に取付けられたプリズムミラー230が第2の回転軸A2を中心としてプリズムミラー230を回転させることによって調整できるようにさらに配置されてもよい。この回転は、本実施形態のように、図に示すように、可能である。図7Aおよび7Bは、アーム220が、(前述のように)調整可能な取付け機構の支持部240に取付けられ、支持部240が、プリズムミラー230が第2の回転軸A2を中心に回転可能であるように、第2の回転軸A2と整列させたピボット401を中心に回転可能であることによって達成される。したがって、支持部240は、ピボット401を中心に回転することができ、アーム220が支持部240に取付けられ、プリズムミラー230の反射面の点231が第2の回転軸A2にあるようにプリズムミラー230を支持すると、プリズムミラー230は、第2の回転軸A2を中心に回転するようにされる。
【0062】
図7Aは、調整可能な取付け機構の支持部240およびベース部245と、アーム220と、ピボット401とを含む、実施形態例の光学アセンブリ200のいくつかの要素の側面図である。図7Bは、図7Aに示した光学アセンブリ200の要素の上面図である。
【0063】
図示のように、ピボット401は、本実施形態のように、調整可能な取付け機構のベース部245に設けられてもよい。ピボット401は、本実施形態のように、支持部240及びベース部245の孔に受け入れられるダボピンの形態で設けられてもよい。しかし、例えば、テーパピンのような他の任意の適切な種類のピボットを使用することができる。調整機構によって可能とされる第2の回転軸A2を中心としたプリズムミラー230の回転は、光路211に対して角度をつけられた図7Bの破線によって示される。
【0064】
光学アセンブリ150は、本実施形態のように、第2の可動部材251をさらに備えることができ、この可動部材は、(支持部240以外の調整可能な取付け機構の一部に)調整可能な取付け機構に取付けられ、図7Bに示すように、支持部240の側部403に接触する端部を有し、支持部240の側部403を第2の可動部材251の端部に押し付けるように配置された第2の弾性部材402をさらに備える。第2の可動部材251は、調整可能な取付け機構に対して移動した場合、支持部240をピボット401を中心に回転させ、それによってプリズムミラー230を第2の回転軸A2の周囲で回転させるように配置される。
【0065】
第2の弾性部材402は、本実施形態におけるように、螺旋状の圧縮ばねを備え得、この圧縮ばねは、ばねの端部を収容する(図5Eに示すようである)ベース部245の突出部247の凹部と、ばねの他端を収容する支持部240の面の凹部との間に圧縮状態で保持される。しかし、鋼合金(ばね鋼など)または高い降伏強さを有する他の材料からできていてもよいねじりばねまたはたわみなど、当業者には知られている他の任意の種類の弾性部材を使用してもよい。第2の弾性部材402は、代わりにゴム等を備えてもよい。
【0066】
第2の可動部材251は、本実施形態におけるように、第2のねじを備えることができ、このねじは、調整可能な取付け機構の第2のねじ部(具体的には、図5Eに図示されるように、ベース部245のねじ孔248)を通ってねじ込まれており、第2のねじの端部は、支持部240の側部403に接触している。支持部240の側部403は、サファイアまたは第2のねじの端部による押込に耐性がある別の硬い材料のプレートを含み得る。第2のねじは、回転されてねじ孔248を通って移動すると、支持部240をピボット401を中心に回転させ、それによって、プリズムミラー230を第2の回転軸A2の周囲で回転させる。
【0067】
しかしながら、第2の可動部材251の形成は、このように限定されない。例えば、調整可能な取付け機構に取付けられ、支持部240の側部403に接触する端部を有し、支持部240の側部403をカムの端部に強制的に押し付ける第2の弾性部材402を第2のねじの代わりに使用することができるカム。この変形では、カムは、調整可能な取付け機構に対して回転して、調整可能な取付け機構に対するカムの端部の位置を変化させることができる。カムは、回転すると、支持部240をピボット401を中心に回転させるように配置され、それによってプリズムミラー230を第2の回転軸A2を中心に回転させる。
【0068】
なお、支持部240は、本実施形態のように、ベース部245に取付けられてもよい。図4Aおよび5Eを参照すると、本実施形態におけるように、支持部240は、ベース部245のねじ孔249にねじ込まれた第2の取付けねじ261と、第2の取付け弾性部材271(例えば、螺旋状の圧縮ばねの形態)とによって、ベース部245に対して付勢(強制)されてもよく、それは、第2の取付けねじ261の頭部と、(任意に、中間ワッシャーを介して)第2の取付けねじ261の頭部に対向する支持部240の面との間で圧縮状態に保持される。第2の取付けねじ261は、拡大孔246(図5Dおよび7Bに示すように)を通過して、ピボットを中心とする支持部240の上述した回転を妨げないようにする。しかし、他の例示的な実施形態においては、支持部240は他の手段によってベース部245に対して付勢されてもよい。
【0069】
図5Dの拡大孔242を介して(図4Bに示す)取付けねじ262のようなベース部245に対して支持部240を強制的に押し付けるために、上述と同じ追加の取付けねじを設けることができる。また、支持部240は、支持部240とベース部245の位置をz方向に固定する突起からなるダボピンなど他の手段によりベース部245に取付けることができる。
【0070】
本実施形態では、プリズムミラー230を第2の回転軸A2を中心に回転させるためにピボット401を採用しているが、この回転を達成するための別の手段を代わりに使用してもよい。例えば、支持部240およびベース部245は、それぞれの接触面を有し、その形は、第2の回転軸A2を中心とする回転面の一部によって画定される。本実施形態において、プリズムミラー230の第1の回転軸A1を中心とした上述の回転がどのようにして達成されるかと同様の態様で、これらの接触面を有する。
【0071】
調整可能な取付け機構は、本実施形態のように、アーム220に取付けられたプリズムミラー230が、プリズムミラー230を光路211に沿って移動させることによって調整できるように、さらに配置されてもよい。これは、本実施形態におけるように、調整可能な取付け機構のベース部245が、ハウジング210に摺動可能に取付けられ、光路211に平行な方向に沿って摺動可能であることによって達成されてもよく、その結果、アーム220に取付けられたプリズムミラー230は、光路211に沿って移動可能である。
【0072】
図8Aは、例示的な実施形態の光学アセンブリ200の一部の第1の上面図である。図8Bは、ベース部245がハウジング210に摺動可能に取付けられる機構をより明確に示すために、図8Aに示される光学アセンブリ200の一部の第2の上面図であるが、支持部240およびアーム220は図示されていない。
【0073】
本実施形態では、ベース部245は、図8Bに示されるように、それぞれの孔511および521に位置する2つのダウエルピン510および520の存在によって、光路211の方向(すなわち、x軸方向)に移動するように拘束される。しかし、ベース部245の動きは、ベース部245のいずれかの側に沿って延在するハウジング210の案内レールなどの他の手段によって、又は、例えば、第3の取付けねじ263及び/又は第4の取付けねじ264(後述する)によって、x軸に沿って拘束されてもよい。
【0074】
光学アセンブリ200は、本実施形態のように、ハウジング210に取付けられ、ベース部245の側部502に接触する端部を有する第3の可動部材252をさらに備えることができる。光学アセンブリ200は、さらに、ベース部245の側部502を第3の可動部材252の端部に押しつけるように配置された、第3の弾性部材501を有してもよい。第3の可動部材252が、ハウジング210に対して移動されると、第3の可動部材252は、ベース部245をハウジング210に沿って、光路211と平行な方向に摺動させ、それによって、アーム220に取付けられた反射要素230を光路211に沿って移動させる。換言すれば、第3の可動部材252は、第3の弾性部材501によって加えられる力に対向して光路211に沿ってベース部245を移動させ、それによってプリズムミラー230を同じ方向に移動させ、プリズムミラー230が支持部240に取付けられているアーム220、したがってベース部245にも取付けられる。
【0075】
第3の弾性部材501は、本実施形態のように、ばねの端部を収容するハウジング210の凹部と、ばねの他端を収容するベース部245の対向面の凹部との間に圧縮状態で保持される螺旋状の圧縮ばねを備えることができる。しかし、鋼合金(ばね鋼など)で作られたねじりばねまたはたわみ、または降伏強さが高い他の材料など、当業者に知られている他のいかなる種類の弾性部材も使用することができる。第3の弾性部材501は、代わりにゴム等を備えてもよい。
【0076】
第3の可動部材252は、本実施形態におけるように、第3のねじを備えてよく、このねじは、調整可能な取付け機構(具体的には、図5Bに図示されるように、ハウジング210に取付けられる支柱219のねじ孔)のねじ部を通ってねじ込まれており、第3のねじの端部は、ベース部245の側部502に接触する。ベース部245の側部502は、サファイアまたは第3のねじの端部による押込に耐性を有する別の硬い材料のプレートを含み得る。第3のねじは、回転して、支柱219のねじ孔を通って移動する場合、ベース部245をハウジング210の面に摺動させ、それによって、プリズムミラー230を光路211に沿って移動させる。
【0077】
しかしながら、第3の可動部材252の形成は、このように限定されない。例えば、図5Bに示すハウジング210の上面に取付けられ、ベース部245の側部502に接触する端部を有し、ベース部245の側部502をカムの端部に強制的に押し付ける第3の弾性部材501を第3のねじの代わりに使用することができる。この変形では、カムをハウジング210に対して回転させて、ハウジング210に対するカムの端部の位置を変えることができる。カムは、回転されると、ベース部245をハウジング210の面上を摺動させ、それによってプリズムミラー230を光路211に沿って移動させるように配置される。
【0078】
ベース部245は、本実施形態のように、ハウジング210のねじ切り部に配置された第3の取付けねじ263と、第3の取付けねじ263の頭とベース部245の面との間で圧縮状態に保持されている第3の取付け弾性部材272とによって、ハウジング210に摺動可能に取付けられてもよい。第3の取付けねじ263は、ベース部245の拡大孔504を通り、ベース部245、支持部240、アーム220およびプリズムミラー230の上述の並進を妨げないような大きさである。追加の取付けねじは、上述したのと同様に、ベース部245とハウジング210との間に、図に示されるベース部245における第4の取付けねじ264の貫通孔505などに設けることができる。図4Aおよび図8A
【0079】
第1のねじ部241、第2のねじ部248、及び第3のねじ部は、本実施形態のように、光路211に平行な方向に沿って延在するように配置されてもよく、その結果、第1のねじ250、第2のねじ251、及び第3のねじ252は、それぞれ、互いに平行であるそれぞれの軸を中心に回転することができる。これは、図4Aに示されており、ここで、ねじ250、251、および252は、すべてx軸と平行(または実質的に平行)である共通の方向に延在するそれぞれのねじ孔を通過する。従って、技術者は、六角レンチ等を使用して、3つの全てのねじに便利にアクセスし、調整することができるであろう。
【0080】
本実施形態では、調整可能な取付け機構によって、プリズムミラー230は、第1の回転軸A1および第2の回転軸A2を中心として回転することができ、光路211に沿って移動することもできる。これらの3つの自由度に沿った調整を可能にするために、調整可能な取付け機構は、アーム220が支持部240に取付けられ、支持部240がベース部245に取付けられ、かつベース部245がハウジング210に摺動可能に取付けられることによって、アーム220をハウジング210に取付けるように配置される。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、これらの3つの自由度のうちの1つまたは2つのみが、調整取付け機構によって提供されてもよい。例えば、支持部240とベース部245とが合体して、第2の回転軸A2を中心とする回転が不要な場合には、ベース部245をハウジング210に固定してもよく、ハウジング210に対して移動可能にする設けもなく、光路211に沿ったプリズムミラー230の並進運動が不要な場合や、プリズムミラー230を第1の回転軸A1を中心とする回転が不要な場合には、支持部240をアーム220に合体させてアーム220の一部とすることができる。
【0081】
プリズムミラー230が、第1の回転軸を中心とする回転、第2の回転軸を中心とする回転、光路211に沿った移動、および/または光路に垂直な方向の移動によって調整可能であることを可能にする調整可能な取付け機構によって、プリズムミラー230は、入射軸213から光源110からの光ビームの進行方向の任意のずれに対して、光路211に沿って伝搬するように、入射する光ビームを反射するように設定されてもよい。例えば、図3Aを参照すると、x軸方向に沿った入射軸213からの光ビームのオフセットは、プリズムミラー230から反射された光ビームが、それに対応して、光路211からy軸方向にオフセットされる結果となる。プリズムミラー230を光路211に沿って移動させる調整可能な取付け機構によって、入射軸213からの光ビームの前述のオフセットを補正して、光路211からの反射光ビームの結果として生じるオフセットを排除することができる。
【0082】
前述の説明において、例示的な態様は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。したがって、明細書は限定的ではなく例示的であるとみなされるべきである。同様に、例示的な実施形態の機能性および利点を強調する図面において図示される図は、例示的な目的のためにのみ提示される。例示的実施形態のアーキテクチャは、それが付属の図に示される方法以外の方法で利用され得るように、十分に柔軟性があり、構成可能である。
【0083】
本発明の様々な例示的な実施形態を上述したが、それらは限定ではなく例として提示されたものであることを理解すべきである。その中で種々の形態および詳細の変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の請求の範囲およびそれらの同等物に従ってのみ規定されるべきである。
【0084】
さらに、要約書の目的は、特許庁及び一般公衆、特に、特許又は法律の用語又は用語に精通していない当該技術分野の科学者、技術者及び実践者が、カーソルインスペクションから出願の技術的開示の性質及び本質を迅速に決定できるようにすることである。要約書は、ここで提示される例示的な実施形態の範囲について、いかなる方法でも限定することを意図しない。また、クレームに記載された手順は提示された順番で実行される必要はないことを理解されたい。
【0085】
本明細書は、多くの特定の実施形態の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲またはクレームされ得るものの限定と解釈すべきではなく、むしろ、本明細書に記載する特定の実施形態に特有の特徴の説明と解釈すべきである。個別の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、そのようなものとして最初にクレームされたものでさえも説明され得るが、いくつかの場合には、クレームされた組み合わせから1つ以上の特徴は、組み合わせから除外されることができ、クレームされた組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けることができる。
【0086】
次に、いくつかの例示的な実施形態および実施形態を説明したが、前述の実施形態は例示的であり、限定的ではないことは明らかである。特に、ここに提示される例の多くは、装置またはソフトウェア要素の特定の組み合わせを伴うが、それらの要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わされてもよい。一実施形態に関連してのみ論じられた作用、要素及び特徴は、他の実施形態又は実施形態における同様の役割から除外することを意図していない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図8A
図8B