(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081148
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】半導体装置、露光装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/447 20060101AFI20240610BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240610BHJP
B41J 2/45 20060101ALN20240610BHJP
【FI】
B41J2/447 101A
H01L33/62
B41J2/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204492
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2022194232
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大介
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】武藤 昌孝
【テーマコード(参考)】
2C162
5F142
【Fターム(参考)】
2C162AE21
2C162AE28
2C162AE40
2C162AE47
2C162AE73
2C162AG01
2C162FA17
2C162FA45
2C162FA50
5F142AA56
5F142CB22
5F142CD02
5F142CD15
5F142DB24
5F142GA06
(57)【要約】
【課題】LEDタイプとサイリスタタイプのドライバIC基板では、駆動方法の違いによりカソード配線の本数が異なることからドライバIC基板も異なっていた。ドライバIC基板を共通化すると、LEDタイプ用の分割したカソード配線とサイリスタタイプ用のカソード配線を個別に設ける必要があり、ドライバIC基板サイズが増大してしまう。
【解決手段】各々がアノード、カソード、及びゲートを有する発光サイリスタ104を、1次元に複数配列した発光サイリスタアレイ109と、カソードと接続可能な、互いに独立した複数のカソード共通配線108と、複数のカソード共通配線108の各々に対応して電気的に接続して設けられた複数のカソードパッド111とを有するIC基板101とを備え、複数のカソードパッド111を電気的に短絡する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がアノード、カソード、及びゲートを有する3端子発光素子を、1次元に複数配列した3端子発光素子アレイと、
前記カソードと接続可能な、互いに独立した複数のカソード配線と、前記複数のカソード配線の各々に対応して電気的に接続して設けられた複数の外部接続端子とを有するIC基板と
を備え、
前記複数の外部接続端子間を電気的に短絡したことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記3端子発光素子アレイは半導体薄膜から形成され、該半導体薄膜は、前記IC基板に接合されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の外部接続端子間が金属薄膜で接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の外部接続端子は、1本のワイヤで外部基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記3端子発光素子アレイは、4つずつのグループに分けられ、前記カソード配線は4本備えられ、
各グループの第1のカソードが第1のカソード配線に金属薄膜によって電気的に接続され、各グループの第2のカソードが第2のカソード配線に金属薄膜によって電気的に接続され、各グループの第3のカソードが第3のカソード配線に金属薄膜によって電気的に接続され、各グループの第4のカソードが第4のカソード配線に金属薄膜によって電気的に接続されたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の外部接続端子は、各々前記カソード配線のある第1辺と、前記第1辺の横にある第2辺と、前記第2辺とは反対側で前記第1辺の横にある第3辺と、第1辺の反対側で第2辺及び第3辺の横にある第4辺とを備え、
前記第1辺、前記第2辺、前記第3辺、及び前記第4辺のうちの少なくとも3辺を、金属薄膜を用いて前記電気的に短絡することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
金属薄膜を用いて電気的に短絡された前記複数の外部接続端子をグループとしたとき、前記グループの端部側にあるカソードに接続する外部接続端子は、前記グループの他の外部接続端子がある側と反対側の1辺にも前記金属薄膜に続く金属薄膜領域を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
金属薄膜を用いて電気的に短絡された前記複数の外部接続端子をグループとしたとき、前記金属薄膜を用いて前記複数の外部接続端子の端部側を連結して配置すると共に、前記金属薄膜を用いて前記グループ内の他の外部接続端子の間と対向する外部接続端子の辺と接続し、
前記グループの端部側にあるカソードに接続する外部接続端子は、前記グループの他の外部接続端子がある反対側の1辺にも前記金属薄膜に続く金属薄膜領域を接続することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記外部接続端子のうち、少なくともワイヤボンドが成される外部接続端子は、前記金属薄膜を前記連結して配置した辺の反対側に前記金属薄膜を設けない辺を持つことを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項1又は請求項2又は請求項6乃至請求項8の何れかに記載の半導体装置を備えたことを特徴とする露光装置。
【請求項11】
請求項10記載の露光装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に露光装置及び半導体装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の光プリントヘッドとして用いられる発光装置として、LEDを多数配列したLEDアレイがあり、LEDアレイと駆動回路の一体化が行われている。この場合、GaAs基板上にGaAs,AlGaAs,InGaP等からなる発光層を持った半導体薄膜をエピタキシャル成長により形成し、その半導体薄膜を基板からケミカルエッチング等によりリフトオフし、Si等の分子間結合により異種基板に張り合わせる。Si等の異種基板上にはLEDアレイ駆動回路が形成されており、その回路と半導体薄膜を加工して形成したLEDアレイを配線によりつなぐことにより、LEDアレイと駆動回路を一体化することができる。
【0003】
この技術により、LEDアレイと駆動回路とをそれぞれCOB(Chip On Board)の基板上にダイボンする必要がなくなる。また、LEDアレイと駆動回路をワイヤで結ぶ必要がなくなるだけでなく、それぞれにワイヤボンディング用のパッドが不要となり、チップの小型化が可能となる。また、LEDアレイを、スイッチング機能を持った発光サイリスタアレイに置き換えることにより、駆動回路が簡略化され、より小型のチップを形成することが可能となる。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-18837号公報(第4頁、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、LEDタイプとサイリスタタイプのドライバIC基板では、駆動方法の違いによりカソード配線の本数が異なることからドライバIC基板も異なっていた。ドライバIC基板を共通化すると、LEDタイプ用の分割したカソード配線とサイリスタタイプ用のカソード配線を個別に設ける必要があり、ドライバIC基板サイズが増大してしまう課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による半導体装置は、各々がアノード、カソード、及びゲートを有する3端子発光素子を、1次元に複数配列した3端子発光素子アレイと、前記カソードと接続可能な、互いに独立した複数のカソード配線と、前記複数のカソード配線の各々に対応して電気的に接続して設けられた複数の外部接続端子とを有するIC基板とを備え、前記複数の外部接続端子間を電気的に短絡したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による半導体装置によれば、IC基板のサイズ増大やコストアップにつながることなく、IC基板をサイリスタタイプ及びLEDタイプの半導体装置で共有することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による発光サイリスタチップの実施の形態1の要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図3】(a)は、IC基板とは異なる母材基板とその上に形成された半導体薄膜の断面図であり、(b)は、母材基板から半導体薄膜を分離する分離過程での断面図であり、(c)は、半導体薄膜がIC基板上に配置される直前の状態を示す断面図である。
【
図4】LEDタイプチップの要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図6】
図1に示す発光サイリスタチップの変形例1を示す発光サイリスタチップの要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図7】
図1に示す発光サイリスタチップの変形例2を示す発光サイリスタチップの要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図8】
図1に示す発光サイリスタチップの変形例3を示す発光サイリスタチップの要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図9】
図8に示す発光サイリスタチップの変形である変形例4を示す発光サイリスタチップの要部構成を概略的に示す平面図である。
【
図10】本発明による実施の形態2の光プリントヘッドの要部構成を模式的に示す要部構成図である。
【
図11】本発明による実施の形態3の画像形成装置を、正面からみた要部構成を概略的に示す要部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明による半導体装置としての発光サイリスタチップ100の実施の形態1の要部構成を概略的に示す平面図である。
【0010】
同図に示すように、長板状のIC基板101上には、絶縁膜で構成された平坦化膜102が形成され、その平坦化膜102上には、後述するように、この上にボンディングされる半導体薄膜103を加工することによって、3端子発光素子としての発光サイリスタ104が、IC基板101の長手方向に沿って所定の間隔で1次元に複数形成されている。
【0011】
各発光サイリスタ104には、それぞれアノード電極104a、カソード電極104b、及びゲート電極104cが形成されている。ドライバICが形成されたIC基板101上には、連続する4つの発光サイリスタ104毎に、それぞれに対向して配置されたアノードパッド110が複数形成されている。
【0012】
長手方向に1次元に配列された複数の発光サイリスタ104(以後、発光サイリスタアレイ109と称す場合がある)の、アノードパッド110とは反対側において、3端子発光素子アレイとしての発光サイリスタアレイ109に沿って、IC基板101を形成するICプロセスにおいて形成されたカソード配線としての4列のカソード共通配線108a~108d(特に区別する必要がない場合には108と記す)が平行に形成されている。同じくIC基板101上には、4列のカソード共通配線108の、発光サイリスタアレイ109とは反対側に、近接して配置されたワイヤボンド用の4つの外部接続端子としてのカソードパッド111a~111d(特に区別する必要がない場合には111と記す)が形成されている。
【0013】
グループ化された近接する4つの発光サイリスタ104のアノード電極104aとこれらに対向するアノードパッド110間には、金属薄膜である引き出し配線105が形成されて、これ等の間が電気的に接続されている。
【0014】
一方、各発光サイリスタ104のカソード電極104bには、このカソード電極104bと、4列のカソード共通配線108のうち、対応する所定のカソード共通配線108との間のみを電気的に接続する金属薄膜であるカソード引き出し配線106が形成されている。また4つのカソードパッド111a~111d(特に区別する必要がない場合には111と記す)は、4列のカソード共通配線108のうち、それぞれ対応するカソード共通配線108のみと電気的に接続している。
【0015】
即ち、4つずつグループ分けられた各グループの発光サイリスタ104のうち、左から1番目の発光サイリスタ104のカソード電極104bが共に、カソード共通配線108aを経由して、4つのカソードパッド111のうち、左から1番目のカソードパッド111aに電気的に接続され、同様に左から2番目の発光サイリスタ104のカソード電極104bが共に、カソード共通配線108bを経由して左から2番目のカソードパッド111bに電気的に接続され、同様に左から3番目の発光サイリスタ104のカソード電極104bが共に、カソード共通配線108cを経由して左から3番目のカソードパッド111cに電気的に接続され、同様に左から4番目の発光サイリスタ104のカソード電極104bが共に、カソード共通配線108dを経由して左から4番目のカソードパッド111dに電気的に接続されている。
【0016】
ワイヤボンディング用の4つのカソードパッド111は、後述するチップ製造プロセスにおいて形成された金属薄膜であるパッド接続配線113で電気的にショートされている。また、IC基板101は、カソードパッド111dに接続されたワイヤ112を介して図示していない外部基板としてのCOB(Chip On Board)の基板に接続されている。
【0017】
引き出し配線105、カソード引き出し配線106、カソード共通配線108等の配線は、電気的接続が必要な箇所を除いて、図示しない絶縁膜によって他と絶縁されるものである。
【0018】
4つずつグループ分けられた各グループの発光サイリスタ104のうち、左から順に配列された4つの発光サイリスタ104の各ゲート電極104cに接続されたゲート引き出し配線107の各端子107a~107dの接続先については、下記する発光サイリスタチップ100の配線図(
図2)の記述の中で説明する。
【0019】
図2は、発光サイリスタチップ100の配線図である。
【0020】
同図に示すように、ここでは、発光サイリスタアレイ109を形成する複数のNゲート型の発光サイリスタ104が4つずつ(4ドット)のグループに分けられている。各グループの4つ(4ドット)の発光サイリスタ104のアノードには、引き出し配線105を介して各グループに対応するアノードパッド110が電気的に接続され、各グループの左から1番目の発光サイリスタ104のカソードが、共にカソード引き出し配線106、カソード共通配線108aを介してカソードパッド111aに電気的に接続され、同じく左から2番目の発光サイリスタ104のカソードが、共にカソード共通配線108bを介してカソードパッド111bに電気的に接続され、左から3番目の発光サイリスタ104のカソードが、共にカソード共通配線108cを介してカソードパッド111cに電気的に接続され、左から4番目の発光サイリスタ104のカソードが、共にカソード共通配線108dを介してカソードパッド111dに電気的に接続されている。
【0021】
更に、4つのカソードパッド111間は、パッド接続配線113によって電気的に接続され、カソードパッド111dは、電気的に接続されたワイヤ112によってアースされている。
【0022】
一方、各グループの左から1番目の発光サイリスタ104のゲートは、共にゲート引き出し配線107を介してゲート共通配線115aに電気的に接続され、同じく左から2番目の発光サイリスタ104のゲートは、共にゲート引き出し配線107を介してゲート共通配線115bに電気的に接続され、左から3番目の発光サイリスタ104のゲートは、共にゲート引き出し配線107を介してゲート共通配線115cに電気的に接続され、左から4番目の発光サイリスタ104のゲートは、共にゲート引き出し配線107を介してゲート共通配線115dに電気的に接続されている。
【0023】
尚、
図1において、ゲート共通配線115a~115dは、カソード共通配線108が形成された層の下層に形成され、各グループの左から1番目の発光サイリスタ104のゲート引き出し配線107が、下層に通じる端子107aを介してゲート共通配線115aに電気的に接続され、同じく2番目の発光サイリスタ104のゲート引き出し配線107が、端子107bを介してゲート共通配線115bに電気的に接続され、3番目の発光サイリスタ104のゲート引き出し配線107が、端子107cを介してゲート共通配線115cに電気的に接続され、4番目の発光サイリスタ104のゲート引き出し配線107が、端子107dを介してゲート共通配線115dに電気的に接続されている。
【0024】
尚、発光サイリスタチップ100のIC基板101には、
図2に示される配線部分の他に、発光サイリスタアレイ109を駆動するドライバICを含む駆動回路部が形成されているが、ここではその駆動回路部の説明は省略する。
【0025】
次に、発光サイリスタチップ100を製造するチップ製造プロセスについて
図3を参照しながら説明する。同図(a)は、IC基板101とは異なる母材基板151とその上に形成された半導体薄膜103の断面図であり、同図(b)は、母材基板151から半導体薄膜103を分離する分離過程での断面図であり、同図(c)は、半導体薄膜103がIC基板101上に配置される直前の状態を示す断面図である。
【0026】
図3(a)に示すように、半導体薄膜103は、母材基板151上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等により、犠牲層152を介して母材基板151側から、n型AlGaAs層153、p型AlGaAs層154、n型AlGaAs層155、p型AlGaAs層156の順で形成される。
【0027】
次に
図3(b)に示すように、犠牲層152の方が半導体層よりもエッチングレートが早い、例えばフッ酸等で犠牲層152をエッチングすることにより半導体薄膜103を母材基板151から剥離する。
【0028】
次に
図3(c)に示すように、IC基板101上に形成された絶縁性の平坦化膜102上に、半導体薄膜103を分子間力により接合させ、更に平坦化膜102に接合した半導体薄膜103をエッチング等によって加工することにより、
図1に示すような、カソード電極104b、ゲート電極104cを有する複数の発光サイリスタ104からなる発光サイリスタアレイ109を形成する。
【0029】
次に蒸着やスパッタ等で、絶縁膜を形成した後アノード電極104a及び各引き出し配線105,106,107等の金属薄膜を形成する。これにより各発光サイリスタ104はIC基板101と電気的に接続され、更にこの各引き出し配線105,106,107を形成するタイミングで同様の金属薄膜であるパッド接続配線113も同時に形成する。
【0030】
以上のように構成された発光サイリスタチップ100によれば、例えば、パッド接続配線113でショートされたカソードを一括でGND電位とし、選択したアノードパッド110をハイ(HI)とし且つ選択したゲートパッド116をロー(LOW)とすることにより、選択した特定の発光サイリスタ104のみを点灯させることが可能となる。
【0031】
次に、発光サイリスタチップ100に用いたのと同様のIC基板101上に、半導体薄膜203をボンディングして形成したLEDタイプチップの構成について、
図4、
図5を参照しながら説明する。
図4は、LEDタイプチップ200の要部構成を概略的に示す平面図であり、
図5は、LEDタイプチップ200の配線図である。
【0032】
図4に示すように、長板状のIC基板101上には、絶縁膜で構成された平坦化膜202が形成され、その平坦化膜202上には、ここにボンディングされる半導体薄膜203を加工することによって、LED(Light Emitting Diode)204が、IC基板101の長手方向に沿って所定の間隔で1次元に複数形成されている。
【0033】
各LED204には、それぞれアノード電極204a及びカソード電極204bが形成されている。ドライバICが形成されたIC基板101上には、連続する4つのLED204毎に、それぞれに対向して配置されたアノードパッド110が複数形成されている。
【0034】
長手方向に1次元に配列された複数のLED204(以後、LEDアレイと称す場合がある)の、アノードパッド110とは反対側において、LEDアレイに沿って、IC基板101を形成するICプロセスにおいて形成された4列のカソード共通配線108a~108d(特に区別する必要がない場合には108と記す)が平行に形成されている。同じくIC基板101上には、4列のカソード共通配線108の、LEDアレイとは反対側に、近接して配置されたワイヤボンド用の4つのカソードパッド111a~111d(特に区別する必要がない場合には111と記す)が形成されている。
【0035】
グループ化された近接する4つのLED204のアノード電極204aとこれらに対向するアノードパッド110間には、金属薄膜である引き出し配線205が形成されて、これ等の間が電気的に接続されている。
【0036】
一方、各LED204のカソード電極204bには、このカソード電極204bと、4列のカソード共通配線108のうち、対応する所定のカソード共通配線108との間のみを電気的に接続する金属薄膜であるカソード引き出し配線206が形成されている。また4つのカソードパッド111a~111d(特に区別する必要がない場合には111と記す)は、4列のカソード共通配線108のうち、それぞれ対応するカソード共通配線108のみと電気的に接続している。
【0037】
即ち、4つずつグループ分けられた各グループのLED204のうち、左から1番目のLED204のカソード電極204bが共に、カソード共通配線108aを経由して、4つのカソードパッド111のうち、左から1番目のカソードパッド111aに電気的に接続され、同様に左から2番目のLED204のカソード電極204bが共に、カソード共通配線108bを経由して左から2番目のカソードパッド111bに電気的に接続され、同様に左から3番目のLED204のカソード電極204bが共に、カソード共通配線108cを経由して左から3番目のカソードパッド111cに電気的に接続され、同様に左から4番目のLED204のカソード電極204bが共に、カソード共通配線108dを経由して左から4番目のカソードパッド111dに電気的に接続されている。
【0038】
IC基板101は、各カソードパッド111a~111dに個別に接続されたワイヤ212を介して図示していないCOBの基板に接続されている。
【0039】
引き出し配線205、カソード引き出し配線206、カソード共通配線108等の配線は、電気的接続が必要な箇所を除いて、図示しない絶縁膜によって他と絶縁されるものである。
【0040】
図5は、LEDタイプチップ200の配線図である。同図に示すように、ここでは、複数のLED204が4つずつ(4ドット)のグループに分けられている。各グループの4つ(4ドット)のLED204のアノードには、引き出し配線205を介して各グループに対応するアノードパッド110が電気的に接続され、各グループの左から1番目のLED204のカソードが、共にカソード引き出し配線206、カソード共通配線108aを介してカソードパッド111aに電気的に接続され、同じく左から2番目のLED204のカソードが、共にカソード共通配線108bを介してカソードパッド111bに電気的に接続され、左から3番目のLED204のカソードが、共にカソード共通配線108cを介してカソードパッド111cに電気的に接続され、左から4番目のLED204のカソードが、共にカソード共通配線108dを介してカソードパッド111dに電気的に接続されている。
【0041】
以上の構成のLEDタイプチップ200によれば、例えば、選択したアノードパッド110をハイ(HI)とし且つ選択したカソードパッド111をロー(LOW)とすることにより、選択した特定のLED204のみを点灯させることが可能となる。
【0042】
ここで、
図1に示す発光サイリスタチップ100と
図4に示すLEDタイプチップ200とに共通した構成要素であるIC基板101について説明する。
【0043】
図5のLEDタイプチップ200の配線図に示すように、複数のLED204を時分割駆動するには、例えば4つずつ(4ドット)に分けられた各グループの4つのLED204のカソードが互いに分離されている必要がある。このため、
図4に示すように、IC基板101の表面層において、4つのカソードパッド111a~111dは互いに分離して形成されている。
【0044】
一方、
図2に示す発光サイリスタチップ100の配線図に示すように、複数の発光サイリスタ104を駆動するには、全ての発光サイリスタ104のカソードを一括して所定の電位(例えばアース電位)に保つ必要がある。このため、
図1に示すように、IC基板101の表面層において、互いに分離して形成された4つのカソードパッド111a~111dに対して、パッド接続配線113を配設してこれ等の4つのカソードパッド111a~111dを電気的に接続している。
【0045】
また
図1、
図4に示すように、IC基板101に形成される発光サイリスタ104(図)とLED204(
図4)とでは、カソード電極104bとカソード電極204bの位置が異なるが、チップ製造プロセスにおいて、フォトマスクを各位置に合わせて適宜変更してカソード引き出し配線106又はカソード引き出し配線206を形成することで容易に対応できる。またパッド接続配線113は、各引き出し配線105,106,107を形成する工程で一緒に形成することが出来る。
【0046】
従って、ここでのIC基板101は、
図1に示す発光サイリスタチップ100と
図4に示すLEDタイプチップ200とにおいて、共有可能とするものである。
【0047】
COBは、後述するように所定の基板に、
図1に示す発光サイリスタチップ100又はLEDタイプチップ200を長手方向に沿って複数配置し、一体化したユニットである。ここで、発光サイリスタチップ100が、例えば発光サイリスタ専用のIC基板であった場合、各発光サイリスタチップのカソードと基板とが一本のワイヤで接続されるが、IC基板101を使用した発光サイリスタチップ100であっても、
図1に示すように同様に一本のワイヤで接続できるため、ワイヤを4本に増やす必要がなく、この場合においてCOBの基板を変更する必要がない。
【0048】
(変形例1)
図6は、
図1に示す発光サイリスタチップ100の変形例1を示す発光サイリスタチップ300の要部構成を概略的に示す平面図である。
【0049】
変形例1の発光サイリスタチップ300が前記した
図1の発光サイリスタチップ100と異なる点は、発光サイリスタチップ100においては、パッド接続配線113を、4つのカソードパッド111a~111dを跨ぐようにカソード共通配線108がある辺側に形成したが、ここでは、近接するカソードパッド111間を個別に電気的に接続するようにパッド間接続配線131を形成することで、4つのカソードパッド111a~111dを電気的に接続した点である。パッド間接続配線131は、チップ製造プロセスにおいて、フォトマスクを変更することで容易に対応でき、各引き出し配線105,106,107を形成する工程で一緒に形成することが出来る。
【0050】
(変形例2)
図7は、
図1に示す発光サイリスタチップ100の変形例2を示す発光サイリスタチップ400の要部構成を概略的に示す平面図である。
【0051】
変形例2の発光サイリスタチップ400が前記した
図1の発光サイリスタチップ100と異なる点は、発光サイリスタチップ100においては、パッド接続配線113を、4つのカソードパッド111a~111dを連結し跨ぐようにカソード共通配線108がある辺側に形成したが、ここでは、近接するカソードパッド111間を個別に電気的に接続すると共に、ワイヤボンドを行わないカソードパッド111上も電気的に接続するようにパッド間接続配線131を形成することで、4つのカソードパッド111a~111dを電気的に接続した点である。これにより指向性が有る所定方向の配線ムラが発生しても他の辺の接続で補完することができる。
【0052】
尚、カソードパッド111a~111dのうち、ワイヤボンドを行うカソードパッド111を、端部よりも中央側のカソードパッド111cとすることで、ワイヤボンドされたカソードパッド111からワイヤボンドされていないカソードパッド111までの経路を短くすることができ電気的接続を安定させている。
【0053】
(変形例3)
図8は、
図1に示す発光サイリスタチップ100の変形例3を示す発光サイリスタチップ500の要部構成を概略的に示す平面図である。
【0054】
変形例3の発光サイリスタチップ500が前記した
図1の発光サイリスタチップ100と異なる点は、ここでのパッド間接続配線131が、4つのカソードパッド111a~111dを連結し跨ぐようにカソード共通配線108がある辺側に形成する部分と、近接するカソードパッド111間を個別に電気的に接続する部分と、端部のカソードパッド111aの、カソードパッド111bと反対側の辺と接触する部分と、更に端部のカソードパッド111dの、カソードパッド111cと反対側の辺と接触する部分とを備え、これ等の各部分を連続的に接続するように形成することで、4つのカソードパッド111a~111dを電気的に接続した点である。
【0055】
即ち、各カソードパッド111は、カソード共通配線108がある第1辺、第1辺に隣接する第2辺と逆側に隣接する第3辺、第1辺の反対側にある第4辺を有し、パッド間接続配線131は、各カソードパッド111の第1辺を連結し跨ぐように接続する配線の領域に、各カソードパッド111の第2辺と接続する配線の領域及び第3辺と接続する配線の領域を接続した形状を有する。
【0056】
尚、カソードパッド111上にワイヤを配線する領域を安定して設けるため、少なくともワイヤボンドが行われるカソードパッド111の1辺(上記第4辺に相当)は、前記追加配線領域を形成しない。これによりカソードパッド111上の配線面積を減らしても他の辺との接続で補完することができる。
【0057】
(変形例4)
図9は、
図8に示す発光サイリスタチップ500の変形である変形例4を示す発光サイリスタチップ600の要部構成を概略的に示す平面図である。
【0058】
変形例4の発光サイリスタチップ600が前記した
図8の発光サイリスタチップ500と異なる点は、発光サイリスタチップ500においては、パッド間接続配線131を、4つのカソードパッド111a~111dを連結し跨ぐようにカソード共通配線108がある辺側に形成したが、ここでは、パッド間接続配線131を、カソード共通配線108がある辺には形成せずに、4つのカソードパッド111a~111d各々のカソード共通配線108が有る辺の反対側の辺を連結し跨ぐように、カソード共通配線108が有る辺の反対側の辺に形成する。
【0059】
即ち、各カソードパッド111は、カソード共通配線108がある第1辺、第1辺に隣接する第2辺と逆側に隣接する第3辺、第1辺の反対側にある第4辺を有し、パッド間接続配線131は、各カソードパッド111の第4辺を連結し跨ぐように接続する配線の領域に各カソードパッド111の第2辺と接続する配線の領域及び第3辺と接続する配線の領域を接続した形状を有する。
【0060】
以上のように、本実施の形態の発光サイリスタチップ100によれば、LEDタイプチップ200と共有可能なIC基板101を使用するため、IC基板101の大量生産が可能となりコストダウンを図ることが出来る。また、IC基板101は、LEDタイプチップ200のIC基板として使用する場合には4つの独立したカソードパッド111を備え、発光サイリスタチップ100のIC基板として使用する場合には、これら4つのカソードパッド111をショートして1つのカソードパッドとして機能させるため、他に発光サイリスタ用のカソード配線やカソードパッドを別個に設ける必要がなく、共有によるIC基板101のサイズ増大を防ぐことができる。
【0061】
また、IC基板101の4つのカソードパッド111をショートしないで発光サイリスタチップ100のIC基板として使用する場合には、4つの独立したカソードパッド111を個別にCOBの基板に接続する必要があり、それに合わせてCOBの基板にもパッドを増やさなければならず、コストアップにつながるが、ここではIC基板101の4つのカソードパッド111をショートして使用するため、接続のためのワイヤボンディングを1本にでき、従来のCOBの基板を使用することも可能となる。
【0062】
また、IC基板101の共有化に伴う、各引き出し配線のパターン変更、及びカソードパッド111をショートするためのパッド接続配線113の追加は、チップ製造プロセスにおけるフォトマスクの変更によって対応でき、また同じ工程で処理できるので、製造プロセスの工程が増えることはない。
【0063】
実施の形態2.
図10は、本発明による実施の形態2の露光装置としての光プリントヘッド1200の要部構成を模式的に示す要部構成図である。
【0064】
同図に示すように、ベース部材1201上には、外部基板としてのCOB(chip on board)1202が搭載されている。このCOB1202は、所定の基板上に前記した
図1に示す発光サイリスタチップ100を長手方向に沿って複数配置し、一体化したユニットである。
【0065】
発光サイリスタチップ100の発光部の上方には、発光部から出射された光を集光する光学素子としてのロッドレンズアレイ1203が配設されている。このロッドレンズアレイ1203は、柱状の光学レンズを、直線状に配列された複数の発光サイリスタチップ100の発光部に沿って多数配列した光学レンズ群であり、有機高分子材料などを用いて射出成形されたレンズホルダ1204によって所定位置に保持されている。
【0066】
このレンズホルダ1204は、同図に示すように、ベース部材1201及びCOB1202を覆うように形成されている。そして、ベース部材1201、COB基板1202、及びレンズホルダ1204は、ベース部材1201及びレンズホルダ1204に形成された開口部1201a,1204aを介して配設されるクランパ1205によって一体的に挟持されている。従って、発光サイリスタチップ100で発生した光はロッドレンズアレイ1203を通して、所定の外部部材に照射される、この光プリントヘッド1200は、例えば電子写真プリンタや電子写真コピー装置等の画像形成装置の露光装置として用いられる。
【0067】
発光サイリスタチップ100を採用した光プリントヘッド1200によれば、前記したように、LEDタイプチップ200と共有可能なIC基板101を使用するため、IC基板101の大量生産が可能となりコストダウンを図ることが出来る。
【0068】
実施の形態3.
図11は、本発明による実施の形態3の画像形成装置11を、正面からみた要部構成を概略的に示す要部構成図である。
【0069】
画像形成装置11は、例えば、電子写真カラープリンタとしての構成を備え、独立した4つの画像形成ユニット12K、12Y、12M、12C(特に区別する必要がない場合は単に画像形成ユニット12と称す場合がある)が、記録媒体としての記録用紙30の搬送方向(矢印A方向)に沿って上流側から順に配設されている。画像形成ユニット12Kはブラック(K)の画像を形成し、画像形成ユニット12Yはイエロー(Y)の画像を形成し、画像形成ユニット12Mはマゼンタ(M)の画像を形成し、画像形成ユニット12Cはシアン(C)の画像を形成する。尚、記録媒体として、記録用紙30の他に、OHP用紙、封筒、複写紙、特殊紙等を使用することができる。
【0070】
画像形成ユニット12Kには、感光体ドラム13K、感光体ドラム13Kの表面を均一に帯電する帯電ローラ14K、感光体ドラム13Kの表面に形成された静電潜像に、図示しない現像剤としてのトナーを付着させ、トナー像を形成する現像ローラ16K、現像ローラ16Kに圧接させたトナー供給ローラ18K、転写後の感光体ドラム13Kに付着する残留トナーを除去する残留トナー除去ブレード27Kとが配置されている。
【0071】
同様にして、画像形成ユニット12Yには、感光体ドラム13Y、帯電ローラ14Y、現像ローラ16Y、トナー供給ローラ18Y、及び残留トナー除去ブレード27Yが配置され、画像形成ユニット12Mには、感光体ドラム13M、帯電ローラ14M、現像ローラ16M、トナー供給ローラ18M、及び残留トナー除去ブレード27Mが配置され、画像形成ユニット12Cには、感光体ドラム13C、帯電ローラ14C、現像ローラ16C、トナー供給ローラ18C、及び残留トナー除去ブレード27Cが配置されている。
【0072】
各トナー供給ローラ18K、18Y、18M、18C(特に区別する必要がない場合は単にトナー供給ローラ18と称す場合がある)は、画像形成ユニット12本体に対して着脱可能に装着された、それぞれ対応するトナーカートリッジ20K、20Y、20M、20C(特に区別する必要がない場合は単にトナーカートリッジ20と称す場合がある)から供給された各色のトナーを対応する現像ローラ16K、16Y、16M、16C(特に区別する必要がない場合は単に現像ローラ16と称す場合がある)に供給するローラである。
【0073】
各現像ローラ16K、16Y、16M、16Cには、それぞれ対応する現像ブレード19K、19Y、19M、19C(特に区別する必要がない場合は単に現像ブレード19と称す場合がある)が圧接されている。現像ブレード19は、現像ローラ16上において、トナー供給ローラ18から供給されたトナーを薄層化するものである。尚、ここでは、トナーカートリッジ20は、画像形成ユニット12本体に対して着脱自在に装着されるものとしたが、一体的に形成されていてもよい。
【0074】
各画像形成ユニット12K、12Y、12M、12Cにおける、感光体ドラム13K、13Y、13M、13C(特に区別する必要がない場合は単に感光体ドラム13と称す場合がある)の上方には、それぞれ対応する光プリントヘッド1200K、1200Y、1200M、1200C(特に区別する必要がない場合は単に光プリントヘッド1200と称す場合がある)が、感光体ドラム13K、13Y、13M、13Cと対向する位置に着脱自在に配設されている。各光プリントヘッド1200は、対応する色の画像データに従って、感光体ドラム13を露光し、静電潜像を形成する。尚、ここでの光プリントヘッドは、実施の形態2で説明した光プリントヘッド1200に相当する。
【0075】
4つの画像形成ユニット12の各感光体ドラム13の下方には、転写ユニット21が配設されている。転写ユニット21は、転写ローラ17K、17Y、17M、17C(特に区別する必要がない場合は単に転写ローラ17と称す場合がある)と、転写ベルト駆動ローラ21a及び転写ベルト従動ローラ21bによって、張架した状態で
図1中の矢印A方向へ走行可能に配設された転写ベルト26を備えている。各転写ローラ17は、転写ベルト26を介してそれぞれ対応する感光体ドラム13に圧接して配置され、このニップ部において記録用紙30をトナーと逆の極性に帯電させ、対応する感光体ドラム13に形成された各色のトナー像を順次記録用紙30に重ねて転写する。
【0076】
画像形成装置11の下部には、転写ベルト26に用紙を供給するための給紙機構が配設されている。給紙機構は、ホッピングローラ22、レジストローラ対23、用紙収容カセット24、及びこの用紙収容カセット24内の用紙の色を測色する用紙色測色部25等を備えている。
【0077】
更に、転写ベルト26による記録用紙30の排出側には、定着器28が設けられている。定着器28は、加熱ローラ及びバックアップローラを有し、記録用紙30上に転写されたトナーを加圧、加熱することによって定着させる装置であり、この排出側には、用紙ガイド31に沿って配置された図示しない排出ローラ及び用紙スタッカ部29等が設けられている。
【0078】
以上のように構成された画像形成装置11における印刷動作について説明する。先ず、用紙収容カセット24内の記録用紙30は、ホッピングローラ22によって繰り出され、レジストローラ対23へ送られて斜行が矯正され、続いてレジストローラ対23から転写ベルト26に送られ、この転写ベルト26の走行に伴って、画像形成ユニット12K、12Y、12M、12Cへと順次搬送される。
【0079】
一方、各画像形成ユニット12において、感光体ドラム13の表面は、帯電ローラ14(特に区別する必要がない場合は単に帯電ローラ14と称す場合がある)によって帯電された後、対応する光プリントヘッド1200によって露光され、この露光によって表面に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された部分には、現像ローラ16上で薄層化されたトナーが静電的に付着されて対応する色のトナー像が形成される。各感光体ドラム13に形成されたトナー像は、対応する転写ローラ17によって記録用紙30に順次重ねて転写され、記録用紙30上にカラーのトナー像を形成する。転写後に、各感光体ドラム13上に残留したトナーは、残留トナー除去ブレード27によって除去される。
【0080】
カラーのトナー像が形成された記録用紙30は、定着器28に送られる。この定着器28において、カラーのトナー像が記録用紙30に定着され、カラー画像が形成される。カラー画像が形成された記録用紙30は、図示しない排出ローラによって用紙ガイド31に沿って搬送され、用紙スタッカ部29へ排出される。以上のような過程を経て、カラー画像が記録用紙30上に形成される。尚、転写ベルト26上に付着する残留トナーは、ベルトクリーニングブレード32によって掻き取られてベルトクリーナ容器33内に収容される。
【0081】
発光サイリスタチップ100を採用した光プリントヘッド1200を備える画像形成装置11によれば、前記したように、LEDタイプチップ200と共有可能なIC基板101を使用するため、IC基板101の大量生産が可能となりコストダウンを図ることが出来る。
【0082】
前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、発光サイリスタチップ100を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本実施の形態では画像形成装置としてカラープリンタを用いて説明したが、単色プリンタ、複写機、FAX、更にこれらを複合させた複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
11 画像形成装置、 12 画像形成ユニット、 13 感光体ドラム、 14 帯電ローラ、 16 現像ローラ、 17 転写ローラ、 18 トナー供給ローラ、 19 現像ブレード、 20 トナーカートリッジ、 21 転写ユニット、 21a 転写ベルト駆動ローラ、 21b 転写ベルト従動ローラ、 22 ホッピングローラ、 23 レジストローラ対、 24 用紙収容カセット、 25 用紙色測色部、 26 転写ベルト、 27 残留トナー除去ブレード、 28 定着器、 29 用紙スタッカ部、 30 記録用紙、 31 用紙ガイド、 100 発光サイリスタチップ、 101 IC基板、 102 平坦化膜、 103 半導体薄膜、 104 発光サイリスタ、 104a アノード電極、 104b カソード電極、 104c ゲート電極、 105 引き出し配線、 106 カソード引き出し配線、 107 ゲート引き出し配線、 107a 端子、 107b 端子、 107n 端子、 107d 端子、 108 カソード共通配線、 109 発光サイリスタアレイ、 110 アノードパッド、 111 カソードパッド、 112 ワイヤ、 113 パッド接続配線、 115 ゲート共通配線、 131 パッド間接続配線、 151 母材基板、 152 犠牲層、 153 n型AlGaAs層、 154 p型AlGaAs層、 155 n型AlGaAs層、 156 p型AlGaAs層、 200 LEDタイプチップ、 202 平坦化膜、 203 半導体薄膜、 204 LED、 204a アノード電極、 204b カソード電極、 205 引き出し配線、 206 カソード引き出し配線、 212 ワイヤ、 300 発光サイリスタチップ、 400 発光サイリスタチップ、 500 発光サイリスタチップ、 600 発光サイリスタチップ、 1200 光プリントヘッド、 1201 ベース部材、 1201a 開口部、 1202 COB、 1203 ロッドレンズアレイ、 1204 レンズホルダ、 1204a 開口部、 1205 クランパ。