(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081163
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A45D33/00 615F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194556
(22)【出願日】2022-12-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月28日朝日印刷株式会社において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月5日,15日,18日,20日,21日,29日,8月7日ウエブサイトに掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月29日,8月5日阪急うめだ本店等にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】599010152
【氏名又は名称】日本包材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】白石 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】木内 大裕
(57)【要約】
【課題】紙資源の浪費の抑制を実現する化粧料容器を提供すること。
【解決手段】化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有する化粧料容器。内壁部は、互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、少なくとも一方の一対の内壁は、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部を含む。各当接部は、それぞれ、自身を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料が収容される収容部を備えた紙製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部を含み、
各当接部は、それぞれ、
該当接部を含む前記内壁の前記長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられている、化粧料容器。
【請求項2】
化粧料が収容される収容部を備えた樹脂製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部を含み、
各当接部は、それぞれ、
該当接部を含む前記内壁の前記長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられている、化粧料容器。
【請求項3】
2組の一対の前記内壁は、何れも、前記当接部を含む、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記当接部を含む前記内壁は、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有する、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項5】
前記収容部は、
板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
前記当接部とその両端の前記段部とからなる挟持部が嵌まる凹部を有する、請求項4に記載の化粧料容器。
【請求項6】
前記当接部を含む前記内壁は、
前記当接部の前記長手方向における両端部それぞれから該内壁の各端部まで延びる傾斜部を有する、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項7】
化粧料が収容される収容部を備えた紙製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部と、前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、を備えた挟持部を有し、
各当接部は、それぞれ、
該当接部を含む前記内壁の前記長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられており、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から内側に延伸する皿段部と、
各皿段部それぞれに接続された板状の基部と、を有する、化粧料容器。
【請求項8】
化粧料が収容される収容部を備えた紙製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部と、前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、を備えた挟持部を有し、
各当接部は、それぞれ、
該当接部を含む前記内壁の前記長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられており、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から該立設部の各端部に向けて内側に延びる傾斜壁と、を有する、化粧料容器。
【請求項9】
前記外容器は、
前記受け部を覆う蓋部をさらに有し、
前記受け部は、
前記内壁部から外側に延びる壁頂部と、
前記壁頂部の外縁から下方に延びる外壁部と、を有し、
前記蓋部は、
板状の天板部と、
前記天板部の外縁に立設され、前記蓋部により前記受け部が覆われた状態で前記外壁部と接触する周縁部と、を有する、請求項1、2、7、8の何れか一項に記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状又は練り状固形の化粧料を収容する紙製の化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション、チーク、アイシャドー、スキンケア製品などの化粧料は、粉状又は練り状固形の状態で容器に収容され、市場に流通している。こうした化粧料容器は、樹脂製のものが主流であったが、近年は、紙製のものも開発されている(例えば特許文献1参照)。紙製の化粧料容器を導入すれば、プラスチックごみの削減につながるため、環境保護に貢献できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の化粧料容器は、蓋をもつ本体の凹部に化粧料を直接収容する構成となっている。よって、従来の化粧料容器は、凹部に収容された化粧料を使い切ったときや使わなくなったとき、容器自体を処分しなければならないため、紙資源の浪費につながる。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、紙資源の浪費の抑制を実現する化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る化粧料容器は、化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、内壁部は、互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、少なくとも一方の一対の内壁は、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部を含み、各当接部は、それぞれ、該当接部を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられている。
【0007】
本発明の一態様に係る化粧料容器は、化粧料が収容される収容部を備えた紙製の中皿と、中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、内壁部は、互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、一方の一対の内壁は、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部と、当接部の長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、を備えた挟持部を有し、各当接部は、それぞれ、該当接部を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられており、収容部は、平面視矩形状である板状の底板部と、底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、周壁部は、互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、圧接壁の両端部から内側に延伸する皿段部と、各皿段部それぞれに接続された板状の基部と、を有するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る化粧料容器は、化粧料が収容される収容部を備えた紙製の中皿と、中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、内壁部は、互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、一方の一対の内壁は、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部と、当接部の長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、を備えた挟持部を有し、各当接部は、それぞれ、該当接部を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられており、収容部は、平面視矩形状である板状の底板部と、底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、周壁部は、互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、圧接壁の両端部から該立設部の各端部に向けて斜め内側に延びる傾斜壁と、を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、紙製又は樹脂製の中皿と、中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有しており、一対の内壁の各当接部は、それぞれ、自身を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長だけ内側に設けられている。すなわち、化粧料が収容される収容部を備えた中皿は、受け部に対し着脱自在となっている。したがって、中皿を内壁部に嵌め込むと、対向配置された当接部により中皿の周壁部が挟持される。よって、化粧料を使い切ったり、使わなくなったりしても、中皿を差し替えることで、外容器を繰り返し使用することができるため、紙資源の浪費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る化粧料容器を例示した斜視図である。
【
図2】
図1の化粧料容器の閉状態を例示した斜視図である。
【
図3】
図1の化粧料容器において、外容器から中皿を取り外した状態を例示した分解斜視図である。
【
図4】180°開いた状態の
図1の外容器を例示した平面図である。
【
図5】180°開いた状態の
図1の外容器を例示した底面図である。
【
図6】180°開いた状態の
図1の化粧料容器を例示した平面図である。
【
図7】
図6のA-A線に沿った端面を例示した概略端面図である。
【
図8】
図2の状態の化粧料容器を例示した平面図である。
【
図9】
図8のB-B線に沿った断面を例示した概略断面図である。
【
図10】
図1の化粧料容器の製造方法に係る各プロセスを例示したフローチャートである。
【
図11】本発明の実施の形態1の変形例1aに係る化粧料容器を例示した分解斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態2に係る化粧料容器を例示した分解斜視図である。
【
図13】180°開いた状態の
図12の外容器を例示した平面図である。
【
図14】本発明の実施の形態3に係る化粧料容器を例示した分解斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態3の変形例3aに係る中皿を例示した底面図である。
【
図17】本発明の実施の形態4に係る化粧料容器を例示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1~
図10に基づき、本発明の実施の形態1に係る化粧料容器について説明する。各図では、煩雑化を避けるために符号の一部を適宜省略する。幾つかの図は、各部材の湾曲形状や傾斜などを示すための補助線(実物には現れない線)を含んでいる。各図に示す方向については、便宜上、x軸方向を前後方向とし、y軸方向を左右方向とし、z軸方向を上下方向とする。
【0012】
まず、
図1~
図5を参照し、本実施の形態1における化粧料容器100の全体的な構成例について説明する。
図1に示すように、化粧料容器100は、開閉可能に構成された外容器10と、外容器10に収容される中皿50と、を有している。外容器10及び中皿50はパルプを原料とする紙製である。パルプとは、木材その他の植物から機械的処理又は化学的処理によって取り出したセルロース繊維の集合体である。すなわち、外容器10及び中皿50は、セルロースを主成分とする植物繊維を水で溶かし、絡み合わせた後、金型で抄き上げる等の工程を経て乾燥させた紙成形品である。
【0013】
外容器10は、中皿50が嵌め込まれる受け部20と、受け部20を覆う蓋部30と、受け部20と蓋部30とを連結するヒンジ部40と、を有している。受け部20と蓋部30とは、それぞれ、平面視で矩形状となるよう形成されている。蓋部30は、受け部20に対するヒンジ部40を中心とした回動が可能となっている。本実施の形態1の外容器10は、受け部20に対する蓋部30の傾斜角度θが約0°~約300°の範囲で可変となっている。傾斜角度θの最大値は、受け部20及び蓋部30の形状によって変化する。
図2は、外容器10が閉じた状態、つまり蓋部30により受け部20が覆われた状態(以下、閉状態ともいう。)であり、蓋部30の傾斜角度θが約0°となっている。
【0014】
蓋部30は、板状の天板部31と、天板部31の外縁から立設する周縁部32と、周縁部32の外縁から外側に延びる蓋フランジ38と、を有している。周縁部32は、蓋部30により受け部20が覆われた状態で、受け部20の外壁部27と接触するものである。天板部31の外側の面は表面31aと称し、天板部31の内側の面は内面31bと称する。周縁部32の内側の面は、内側面32fと称する。各図の例において、蓋フランジ38は、ヒンジ部40とは反対側の2つの角部38eがR形状となっている。
【0015】
図3に示すように、受け部20は、底部21と、囲い部22と、底フランジ28と、を有している。底部21は、平面視で環状(輪状)に形成された板状の底端部21aと、底端部21aの内縁から立設する底壁部21bと、底壁部21bの内縁から内側に延びる板状の底頂部21cと、を有している。底頂部21cは、中央の箇所に開口部21hが形成されている。
【0016】
囲い部22は、底端部21aの外縁から立設する内壁部23と、内壁部23から外側に延びる壁頂部26と、壁頂部26の外縁から下方に延びる外壁部27と、を有している。内壁部23は、四方それぞれを囲う4つの内壁を有している。より具体的に、内壁部23は、互いに対向するよう配置された、一対の内壁2Aと、一対の内壁2Bと、を有している。各図の例では、左右方向に対向配置された2つの内壁を内壁2Aとし、前後方向に対向配置された2つの内壁を内壁2Bとしている。
【0017】
内壁2A及び内壁2Bは、何れも、側面視で長方形状となっており、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部24nを含む。各当接部24nは、それぞれ、該当接部24nを含む内壁(2A又は2B)の長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている(
図4参照)。設定長Wmは、数mm~数十mm程度に設定され、適宜変更することができる。内壁2A及び内壁2Bは、それぞれ、当接部24nの長手方向における両端部から外側に延伸する段部24mと、各段部24mそれぞれから長手方向に沿って延伸する板状の基壁部25と、を有している。以下、内壁2Aと内壁2Bとを区別せずに指す場合、内壁2と総称する。
【0018】
より具体的に、内壁2は、長手方向における中央の箇所に挟持部24を有すると共に、挟持部24の両サイドに基壁部25を有している。挟持部24は、各基壁部25から内側に延伸する段部24mと、各段部24mの内側の端部同士をつなぐ当接部24nと、を有している。段部24mは、基壁部25に対し垂直に延伸するものであってよく、基壁部25に対し中央側に傾斜するものであってもよい。また、内壁2は、壁頂部26から当接部24nまで内側に延伸する支持部24sを有している。
【0019】
当接部24nは、長手方向に沿った長さTnが、内壁2の端部間の長さToの1/4~3/4程度となるように形成するとよい(
図4参照)。各図では、長さTnが長さToの約2/5となる例を示している(例えば、長さToが約50mmのとき長さTnが約21mm)。
図4では、内壁2Aだけに長さTo及び長さTnを示しているが、内壁2Bも内壁2Aと同様に形成される。もっとも、内壁2Aにおける当接部24nの長さTnと、内壁2Bにおける当接部24nの長さTnとは、等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0020】
壁頂部26は、閉状態において蓋部30の内面31bに対向するものである。各図に例示する壁頂部26は、内壁部23から斜め外側に延伸する傾斜部26aと、傾斜部26aから外側に延伸する板状の平坦部26bと、を有している。傾斜部26aは、内壁部23における各挟持部24及び各基壁部25に接続されている。底フランジ28は、外壁部27の外縁から外側へ延びるよう形成されている。各図の例において、底フランジ28は、ヒンジ部40とは反対側の2つの角部28eがR形状となっている。
【0021】
外壁部27は、底フランジ28の内縁に立設されており、閉状態において、外側面27fが蓋部30の内側面32fに接触するよう構成されている。すなわち、蓋部30を受け部20に被せると、受け部20は、外側面27fが内側面32fに接触した状態で蓋部30に嵌め込まれる。そのため、外容器10は、蓋部30を閉じた閉状態を安定的に維持することができる。
【0022】
各図に例示する底端部21aは、4つの角の箇所が丸みを帯びたR形状となっている。そのため、内壁部23は、四隅(4つの内壁2の接続箇所)が湾曲した形状となっている。各図に例示する天板部31は、4つの角の箇所がR形状となっている。そのため、周縁部32は、四隅が湾曲した形状となっている。外容器10は、各図のように、上記以外の構成部材がR形状となるよう形成してもよく、各部に湾曲形状を採用してもよい。外容器10は、全体として概ね等しい厚みとなるよう形成されている。本実施の形態1の外容器10は、0.8mm~1.5mm程度の厚みを有するよう形成されている。もっとも、外容器10の厚みは、金型及び成形システム等に応じて変化し、上記の範囲外に調整することも可能である。
【0023】
中皿50は、ファンデーション、チーク、アイシャドー、スキンケア製品などの化粧料が収容される収容部55を有している。収容部55は、板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部52と、により構成されている。本実施の形態1において、底板部51は、平面視で矩形状に形成されている。周壁部52は、底板部51の平面視矩形状における四辺に相当する箇所各々に接続された板状の立設部52aを有している。
【0024】
化粧料容器100は、中皿50が受け部20に収容されたとき、周壁部52の外面52fが、挟持部24における当接部24nに接触するよう構成されている。すなわち、中皿50は、内壁部23に嵌め込まれた状態で外面52fが当接部24nに接触する。外面52fは、周壁部52における外側の面であり、4つの立設部52aの外側の面を含む。また、中皿50は、周壁部52の外縁から外側に延びる皿フランジ58を有している。各図に例示する底板部51は、4つの角の箇所が丸みを帯びたR形状となっている。そのため、周壁部52は、四隅が湾曲した形状となっている。皿フランジ58は、4つの角部がR形状となっている。中皿50は、全体として概ね等しい厚みとなるよう形成されている。本実施の形態1の中皿50は、概ね0.8mm~1.5mm程度の厚みを有するよう形成されている。もっとも、外容器10の厚みは、金型及び成形システム等に応じて変化し、上記の範囲外に調整することも可能である。
【0025】
図5のように、180°開いた状態の外容器10を下側から見ると、底部21は上げ底状に形成されているため、底端部21aに対し底頂部21cが凹んで見える。また、底部21は、壁頂部26から飛び出して見え、囲い部22は、底部21を囲う堀状に見える。なお、受け部20に中皿50を嵌め込んだ状態では、開口部21hから中皿50の裏面50bを視認することができる。
【0026】
次いで、
図6及び
図7を参照し、中皿50が受け部20に嵌め込まれている状態について説明する。
図6は、傾斜角度θが180°の状態の化粧料容器100を例示した平面図である。
図7は、
図6のA-A線に沿った端面を例示した概略端面図である。
【0027】
中皿50の深さは、底端部21aを基準とした底頂部21cの高さと支持部24sの高さとの差分に基づいて設定される。本実施の形態1において、中皿50は、受け部20に嵌め込まれ、底板部51の裏面50bが底頂部21cに当接した状態で、皿フランジ58が支持部24sに当接するよう形成されている。受け部20は、底端部21aと底頂部21cと支持部24sとが略平行となるよう形成されている。
【0028】
図7に示すように、受け部20は、対向する2つの当接部24nの内面間の距離Wnが、中皿50において対向する2つの立設部52aの外面52f間の距離Wsよりも若干短くなるように形成するとよい。なお、各図の例では、内壁部23が底端部21aに向けて幾分か傾斜し、周壁部52が底板部51に向けて幾分か傾斜しているため、距離Wn及び距離Wsは、上下方向の位置によって変化する。受け部20に中皿50が嵌め込まれた状態を安定的に維持させるため、化粧料容器100は、距離Wnが距離Wsよりも嵌合長だけ短くなるように構成するとよい。距離Wsと距離Wnとの差分(Ws-Wn)である嵌合長は、化粧料容器100全体のサイズ、厚み、弾性等に基づき、受け部20に対する中皿50の嵌め込みが無理なく行える範囲内で決めるとよい。例えば嵌合長は、外容器10及び中皿50の厚みの40%~60%程度となるように設定するとよい。かかる設定によると、外容器10及び中皿50の厚みが1.0mmの場合、嵌合長は、0.40mm~0.60mm程度となる。つまり、受け部20に中皿50を嵌め込む直前の状態で、各内壁2の外面52fが、それぞれ、対応する当接部24nの内面よりも、外容器10及び中皿50の厚みの20%~30%程度外側に配置されることになる。
【0029】
化粧料容器100は、距離Wnが距離Wsよりも短くなるように構成すると、中皿50を受け部20に嵌め込む際、中皿50の周壁部52によって、受け部20の内壁部23が外側に押される。中皿50の底板部51が受け部20の底頂部21cに当接し、中皿50が受け部20に完全に嵌め込まれた状態では、受け部20の内壁部23に外向きの圧力がかかり、中皿50の周壁部52には内向きの圧力がかかる。
【0030】
受け部20と中皿50は、パルプモールドによる成形品であり、一定程度の弾性を有するため、中皿50を受け部20に嵌め込むと、内壁部23が外側に幾分か広がり、周壁部52が内側に幾分か狭まると共に、内壁部23の内側と周壁部52の外側とが幾分か縮む。このように、中皿50の周壁部52には、当接部24nによる四方からの圧力がかかるため、受け部20に中皿50を安定的に嵌め込むことができる。
【0031】
続いて、
図8及び
図9を参照し、蓋部30により受け部20が覆われた状態について説明する。
図8は、傾斜角度θが180°の状態の化粧料容器100を例示した平面図である。
図9は、
図8のB-B線に沿った断面を例示した概略断面図である。
【0032】
図9に示すように、蓋フランジ38は、閉状態において、ヒンジ部40とは反対側の端部が、底フランジ28における同端部よりも規定長Kだけ外側に延びるよう形成されている。したがって、
図2にも示すように、閉状態の蓋フランジ38と底フランジ28との間には、ヒンジ部40とは反対側の端部に段差が生じるため、ユーザは、蓋部30を容易に開けることができる。規定長Kは、例えば0.8mm~2.0mmの範囲内で設定され、ユーザの開け易さや化粧料容器100のサイズ等に基づき、任意に設定し変更することができる。
【0033】
受け部20は、外壁部27において略平行な外側面27f間の距離Waが、周縁部32において略平行な内側面32f間の距離Wbよりも若干長くなるように形成するとよい。なお、各図の例では、外壁部27が壁頂部26に向けて幾分か傾斜し、周縁部32が天板部31に向けて幾分か傾斜しているため、距離Wa及び距離Wbは、上下方向の位置によって変化する。閉状態を安定的に維持するため、化粧料容器100は、距離Waが距離Wbよりも所定長だけ長くなるように構成するとよい。距離Waと距離Wbとの差分(Wa-Wb)である所定長は、化粧料容器100全体のサイズ、厚み、弾性等をもとに、蓋部30の開閉を円滑に実行でき、かつ蓋部30に受け部20を安定的に嵌め込めむことができる範囲内で決めるとよい。例えば所定長は、外容器10の厚みの40%~60%程度となるように設定するとよい。かかる設定によると、外容器10の厚みが1.0mm程度の場合、所定長は0.40mm~0.60mm程度となる。
【0034】
化粧料容器100は、距離Waが距離Wbよりも長くなるように構成すると、蓋部30を受け部20に被せる際、蓋部30の周縁部32によって受け部20の外壁部27が内側に押される。閉状態では、受け部20の外壁部27に内向きの圧力がかかり、蓋部30の周縁部32には外向きの圧力がかかる。外容器10は、パルプモールドによる成形品であり、一定程度の弾性を有するため、蓋部30を受け部20に被せると、外壁部27が内側に幾分か狭まり、周縁部32が外側に幾分か広がると共に、外壁部27の外側と周縁部32の内側とが幾分か縮む。これにより、蓋部30の周縁部32には、外壁部27による四方からの圧力がかかるため、閉状態を安定的に維持することができる。
【0035】
次に、
図10のフローチャートに基づき、化粧料容器100の製造方法の一例について説明する。外容器10と中皿50とは、同様の工程により製造されるため、以下では、両者を成形品と称し、これらに共通の製造工程の一例を説明する。なお、外容器10と中皿50とは、並列的に製造することも可能である。下記の一連の動作は、例えば、種々の金型を適所に運ぶ移動装置と、各金型に対し作用する各種機器と、PC(Personal Computer)などの制御装置と、を含む成形システムにより実行される。金型及び成形システムなどの図示は省略する。
【0036】
まず、植物繊維の溶け込んだ溶液が収容された貯留容器にフォーミング型を入れる。フォーミング型は、成形品の形状に合わせて形成され、植物繊維の通過を阻止し、水を通過させる網状のメッシュ部を含む金型である(ステップS101)。次に、貯留容器に付設され、フォーミング型の下方から溶液を吸引するバキュームポンプを駆動させ、メッシュ部に植物繊維を均一に堆積させる(ステップS102)。メッシュ部に植物繊維が定置されたフォーミング型を溶液内から持ち上げ、貯留容器の外に出す(ステップS103)。そして、該フォーミング型に、成型用の金型である成形型を押し付けることにより、植物繊維に含まれる水をメッシュ部から逃がすと共に、植物繊維に成形を施す。ここまでの工程で形成された物を第1成形品という(ステップS104)。
【0037】
次いで、第1成形品を移動させ、ホットプレス加工用の一対の金型である上型と下型とで第1成形品を挟み込む(ステップS105)。そして、上型と下型とにより第1成形品を加熱すると共に、両サイドから圧をかけて第1成形品を圧縮する。ここまでの工程により成形品(外容器10・中皿50)が形成される(ステップS106)。続いて、移動用の金型が、上記一対の金型から成形品を受け取り、受け取った成形品を載置場所へ運ぶ(ステップS107)。
【0038】
本実施の形態1において、上型は、表面が相対的に滑らかに形成されているため、外容器10の
図5で表側となる各面(表面31a等)、中皿50の
図6で表側となる各面(底面50a等)は、これらの反対側の面に比べ、表面粗さが小さくなっている。そのため、蓋部30の表面31a等は、文字や図形などの印刷に適しており、収容部55は、化粧料の収容に適している。一方、下型は、表面が相対的に粗く形成されているため、外容器10の
図4で表側となる各面(外側面27f、内側面32f、裏面50b、外面52f等)、中皿50の
図6で裏側となる各面(内面31b等)は、表面粗さが相対的に大きくなっている。よって、中皿50の外面52fと当接部24nとの間の摩擦力が大きくなるため、中皿50を受け部20に安定的に嵌め込むことができる。同様に、外壁部27の外側面27fと周縁部32の内側面32fとの間の摩擦力が大きくなるため、受け部20に蓋部30を被せた状態を安定的に維持することができる。
【0039】
上記の動作説明は、外容器10及び中皿50の製造工程の一例を示すものであり、一部の工程を変更してもよく、一部の工程を省略してもよい。例えば、化粧料容器100の製造方法は、ステップS105及びS106の処理を省略し、第1成形品の状態ものを外容器10及び中皿50の完成品としてもよい。ただし、蓋部30の表面31a等に文字や図形などを印刷する場合は、ステップS105及びS106の処理を行った方がよい。また、ここでは、成形システムが、ステップS101~S107の一連の処理を自動的に行う例を示したが、これに限定されない。例えば、各工程間又は工程中の運搬処理等は、人為的に行うようにしてもよい。
【0040】
以上のように、化粧料容器100は、化粧料が収容される収容部55を備えた紙製の中皿50と、中皿50が嵌め込まれる内壁部23を含む受け部20を備えた紙製の外容器10と、を有している。すなわち、化粧料容器100は、紙製の外容器10に対し、紙製の中皿50が着脱自在となるよう構成されている。内壁部23は、互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有しており、具体的には、一対の内壁2Aと一対の内壁2Bとを有している。各内壁2A及び各内壁2Bは、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部24nを含んでいる。そして、各当接部24nは、それぞれ、自身を含む内壁(2A又は2B)の長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている。したがって、中皿50を内壁部23に嵌め込むと、対向配置された当接部24nにより中皿50の周壁部52が挟持される。よって、化粧料を使い切ったり、使わなくなったりしても、中皿50を差し替えることで、外容器10を繰り返し使用することができ、紙の使用量を削減することができる。そのため、紙資源の浪費を抑制することができ、地球環境の保全に貢献することができる。さらに、異なる化粧料が収容された複数の中皿50を所有しているユーザは、気分や服装などに合わせ、中皿50を差し替えて用いることもできる。
【0041】
また、外容器10及び中皿50は紙製であり、一定程度の弾性を有している。したがって、中皿50を受け部20に嵌め込んだ際、互いの当接箇所が幾分か凹むと共に、内壁部23が広がり且つ周壁部52が狭まるように調整することができる。これにより、受け部20に対し中皿50を強固に嵌め込むことが可能となる。受け部20及び中皿50は、互いの接触箇所に金型のメッシュ地が残るよう形成すれば、該接触箇所の表面粗さを高めることができるため、受け部20に対する中皿50の固定力を更に強化することができる。
【0042】
より具体的に、内壁2A及び内壁2Bは、それぞれ、当接部24nの長手方向における両端部から外側に延伸する段部24mと、各段部24mそれぞれから長手方向に沿って延伸する基壁部25と、を有している。このように、当接部24nは、両サイドの段部24m及び基壁部25により支えられているため、中皿50を安定的に支持することができる。加えて、段部24m及び基壁部25は、当接部24nが中皿50から受ける外向きの力を分散させる役割を担い、内壁2の全体に弾性(クッション性)をもたらすため、中皿50を内壁部23に安定的に嵌め込むことができる。
【0043】
外容器10は、受け部20を覆う蓋部30を有している。受け部20は、内壁部23から外側に延びる壁頂部26と、壁頂部26の外縁から下方に延びる外壁部27と、を有している。そして、蓋部30は、板状の天板部31と、天板部31の外縁に立設され、蓋部30により受け部20が覆われた状態で外壁部27と接触する周縁部32と、を有している。したがって、中皿50が嵌められた受け部20を蓋部30によって覆うことができるため、中皿50に収容された化粧料を粉塵などから保護することができる。ここで、外容器10及び中皿50は紙製であり、一定程度の弾性を有している。したがって、蓋部30を受け部20に被せた際、互いの当接箇所が幾分か凹むと共に、周縁部32が広がり且つ外壁部27が狭まるように調整することができる。これにより、受け部20に蓋部30を被せた状態を安定的に維持することが可能となる。受け部20及び蓋部30は、互いの接触箇所に金型のメッシュ地が残るよう形成すれば、該接触箇所の表面粗さを高めることができるため、受け部20に対する蓋部30の固定力を更に強化することができる。
【0044】
ところで、内壁部23は、一方の一対の内壁(2A又は2B)だけが当接部24nを有するようにし、他方の一対の内壁(2B又は2A)は、全体が板状に形成され、当接部24nを有しないようにしてもよい。ただし、各図のように、一対の内壁2Aと一対の内壁2Bとの双方が当接部24nを有するようにした方が、中皿50をより安定的に内壁部23に嵌め込むことができる。
【0045】
各図では、平面視で正方形状の受け部20及び蓋部30を例示しているが、これに限定されない。受け部20及び蓋部30は、平面視で長方形状に形成されてもよい。この場合、受け部20及び蓋部30は、前後方向に沿う辺が長辺であってもよく、左右方向に沿う辺が長辺であってもよい。同様に各図では、平面視で正方形状の中皿50を例示しているが、これに限定されない。中皿50は、平面視で長方形状に形成されてもよい。この場合、中皿50は、前後方向に沿う辺が長辺であってもよく、左右方向に沿う辺が長辺であってもよい。
【0046】
<変形例1a>
図11を参照して、実施の形態1の変形例1aに係る化粧料容器100Aについて説明する。本変形例1aの化粧料容器100Aは、中皿50Aの形状に特徴があり、外容器10の形状は化粧料容器100のものと同様である。上述した化粧料容器100と同様の構成には同一の符号を用い、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0047】
中皿50Aは、化粧料が収容される収容部55Aを有している。収容部55Aは、板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部52Aと、を有している。周壁部52Aは、底板部51の平面視矩形状における四辺に相当する箇所各々に接続された立設部52mを有している。
【0048】
各立設部52mは、それぞれ、各内壁2の挟持部24が嵌まる凹部54を有している。挟持部24は、当接部24nとその両端部の段部24mとにより構成されている。したがって、中皿50Aは、受け部20に収容される際、各立設部52mの外側の面が各挟持部24に接触し、各挟持部24により案内されて定位置に収まる。なお、本変形例1aの収容部55Aは、各立設部52mが凹部54を有するため、底板部51の外縁、及び皿フランジ58の内縁には、凹部54の存在に起因した凹凸が形成されている。
【0049】
以上のように、本変形例1aの周壁部52Aは、当接部24nとその両端の段部24mとからなる挟持部24が嵌まる凹部54を有している。そのため、中皿50Aは、受け部20に収容されたとき、当接部24nだけでなく、段部24m及び基壁部25も周壁部52の外面52fに接触する。よって、中皿50Aと受け部20との接触面積が増えると共に、各立設部52mに多方向から力が加わるため、中皿50Aをより安定的に収容することができる。
図11では、4つの立設部52mの全てが凹部54を有する例を示しているが、これに限らず、中皿50Aは、対向する2つの立設部52mだけが凹部54を有するよう構成してもよい。
【0050】
実施の形態2.
図12及び
図13を参照し、本発明の実施の形態2に係る化粧料容器200について説明する。上述した実施の形態1の化粧料容器100と同様の構成については同一の符号を用い、重複する説明は省略又は簡略化する。各図では、煩雑化を避けるために符号の一部を適宜省略する。
【0051】
化粧料容器200は、開閉可能に構成された外容器110と、外容器110に収容される中皿50と、を有している。外容器110及び中皿50はパルプを原料とする紙製である。外容器110は、中皿50が嵌め込まれる受け部120と、受け部120を覆う蓋部30と、受け部120と蓋部30とを連結するヒンジ部40と、を有している。
【0052】
受け部120は、底部21と、囲い部122と、底フランジ28と、を有している。囲い部122は、底端部21aの外縁から立設する内壁部123と、内壁部123から外側に延びる壁頂部26と、壁頂部26の外縁から下方に延びる外壁部27と、を有している。内壁部123は、互いに対向するよう配置された、一対の内壁2Cと、一対の内壁2Dと、を有している。内壁2C及び内壁2Dは、何れも、側面視で長方形状となっている。内壁2Dは、板状に形成されており、中皿50が受け部120に嵌められた状態で、周壁部52の外面52fに接触するよう構成されている。
【0053】
内壁2Cは、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部24nと、当接部24nの長手方向における両端部それぞれから該内壁2Cの各端部まで延びる傾斜部29と、を有している。当接部24nは、内壁2Cの長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている(
図13参照)。設定長Wmは、数mm~数十mm程度に設定され、適宜変更することができる。また、内壁2Cは、壁頂部26から当接部24n及び各傾斜部29まで内側に延伸する支持部29sを有している。中皿50は、受け部120に嵌め込まれ、底板部51の裏面50bが底頂部21cに当接した状態で、皿フランジ58が支持部29sに当接するよう形成されている。
【0054】
当接部24nは、長手方向に沿った長さTnが、内壁2Cの端部間の長さToの1/3~3/4程度となるように形成するとよい(
図13参照)。各図では、長さTnが長さToの約1/2となる例を示している(例えば、長さToが約50mmのとき長さTnが約25mm)。各図では、湾曲した断面形状を有する傾斜部29を例示しているが、これに限らず、傾斜部29は、平板状に形成されてもよい。化粧料容器200の他の構成は、上述した化粧料容器100と同様である。
【0055】
以上のように、化粧料容器200は、紙製の外容器110に対し、紙製の中皿50が着脱自在となるよう構成されている。内壁部123は、各々が当接部24nを含む一対の内壁2Cと、各々が平板状に形成された一対の内壁2Dと、を有している。各当接部24nは、それぞれ、自身を含む内壁2Cの長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている。したがって、中皿50を内壁部123に嵌め込むと、対向する当接部24nにより中皿50の周壁部52が挟持される。よって、中皿50を差し替えることにより、外容器110を繰り返し使用することができるため、紙資源の浪費を抑制することができ、地球環境の保全に貢献することができる。
【0056】
また、外容器110及び中皿50は紙製であり、一定程度の弾性を有している。よって、中皿50を受け部120に嵌め込んだ際、互いの当接箇所が幾分か凹むと共に、内壁部123が広がり且つ周壁部52が狭まるように調整することができる。これにより、受け部120に対し中皿50を強固に嵌め込むことが可能となる。受け部120及び中皿50は、互いの接触箇所に金型のメッシュ地が残るよう形成すれば、該接触箇所の表面粗さを高めることができるため、受け部120に対する中皿50の固定力を更に強化することができる。より具体的に、内壁2Cは、当接部24nの長手方向における両端部それぞれから該内壁2Cの各端部まで斜め外側に延びる傾斜部29を有している。このように、当接部24nは、両サイドの傾斜部29により支えられているため、中皿50を安定的に支持することができる。加えて、傾斜部29は、当接部24nが中皿50から受ける外向きの力を分散させる役割を担い、内壁2Cの全体に弾性(クッション性)をもたらすため、中皿50を内壁部123に円滑かつ安定的に嵌め込むことができる。化粧料容器200が奏する他の効果等は、上述した化粧料容器100と同様である。
【0057】
ところで、
図13では、一対の内壁2Cがヒンジ部40と平行に配置された例を示しているが、これに限らず、一対の内壁2Cは、ヒンジ部40と垂直に配置されてもよい。すなわち、外容器110は、一対の内壁2Cの配置と一対の内壁2Dの配置とを入れ替えて構成してもよい。各図では、内壁部123が一対の内壁2Cと一対の内壁2Dとにより構成された例を示しているが、これに限らず、内壁部123は、一対の内壁2Cを2組有する構成を採ってもよい。変形例1aの構成は、化粧料容器200にも適用することができる。すなわち、化粧料容器200は、中皿50の形状を内壁部123の形状に合わせ、少なくとも対向する2つの立設部52aが、平面視で内側に向けて台形状に凹むよう構成してもよい。
【0058】
実施の形態3.
図14及び
図15を参照し、本発明の実施の形態3に係る化粧料容器300について説明する。上述した実施の形態1及び2の化粧料容器100及び200と同様の構成については同一の符号を用い、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0059】
化粧料容器300は、開閉可能に構成された外容器210と、外容器210に収容される中皿150と、を有している。外容器210及び中皿150はパルプを原料とする紙製である。外容器210は、中皿150が嵌め込まれる受け部220と、受け部220を覆う蓋部30と、受け部220と蓋部30とを連結するヒンジ部40と、を有している。
【0060】
受け部220は、底部21と、囲い部222と、底フランジ28と、を有している。囲い部222は、底端部21aの外縁から立設する内壁部223と、内壁部223から外側に延びる壁頂部26と、壁頂部26の外縁から下方に延びる外壁部27と、を有している。内壁部223は、互いに対向するよう配置された、一対の内壁2Bと、一対の内壁2Dと、を有している。
【0061】
中皿150は、化粧料が収容される収容部155を有している。収容部155は、板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部152と、を有している。周壁部152は、互いに対向する一対の第1立設部52aと、互いに対向する一対の第2立設部52nと、を有している。第1立設部52a及び第2立設部52nは、側面視で長方形状となっている。一対の第1立設部52aは、それぞれ、板状に形成されており、中皿150が受け部220に嵌められた状態で、内壁2Bの挟持部24に接触する。
【0062】
一対の第2立設部52nは、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された圧接部56と、圧接部56の両サイドに形成された板状の基部57と、を有している。圧接部56は、長手方向における中央の箇所に形成された板状の圧接壁56nと、圧接壁56nの長手方向における両端部から内側に延伸する皿段部56mと、を有している。皿段部56mは、圧接壁56nから垂直に延伸するものであってよく、圧接壁56nから斜めに延伸するものであってもよい。基部57は、皿段部56mの圧接壁56nとは反対側の端部に接続されている。
【0063】
圧接壁56nは、第2立設部52nの長手方向における両端部よりも予め設定された長さWtだけ外側に設けられている(
図15参照)。長さWtは、数mm~数十mm程度に設定され、適宜変更することができる。圧接壁56nは、長手方向に沿った長さKnが、第2立設部52nの端部間の長さKoの1/4~3/4程度となるように形成するとよい(
図15参照)。各図では、長さKnが長さKoの約2/5となる例を示している。
【0064】
受け部220に中皿150が嵌め込まれた状態を安定的に維持させるため、化粧料容器300は、対向する2つの内壁2Dの内面間の距離が、中皿150において対向する2つの圧接壁56nの外面間の距離Wpよりも調整長だけ短くなるように構成するとよい。調整長は、化粧料容器300全体のサイズ、厚み、弾性等に基づき、受け部220に対する中皿150の嵌め込みが無理なく行える範囲内で決めるとよい。例えば調整長は、外容器210及び中皿150の厚みの40%~60%程度となるように設定するとよい。
【0065】
図14では、一対の内壁2Bがヒンジ部40と平行に配置された例を示しているが、これに限らず、一対の内壁2Bは、ヒンジ部40と垂直に配置されてもよい(
図3等における一対の内壁2Aに相当)。すなわち、外容器210は、一対の内壁2Bの配置と一対の内壁2Dの配置とを入れ替えて構成してもよい。かかる構成の場合、外容器210の収容部155には、
図14の状態から90度回転させた中皿150が嵌め込まれることになる。化粧料容器300の他の構成は、上述した化粧料容器100及び200と同様である。
【0066】
以上のように、化粧料容器300は、紙製の外容器210に対し、紙製の中皿150が着脱自在となるよう構成されている。内壁部223は、各々が当接部24nを含む一対の内壁2Bと、各々が平板状に形成された一対の内壁2Dと、を有している。各当接部24nは、それぞれ、自身を含む内壁2Bの長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている。したがって、中皿150を内壁部223に嵌め込むと、対向する当接部24nにより中皿150の周壁部152が挟持される。よって、中皿50を差し替えれば、外容器210を繰り返し使用することができるため、紙資源の浪費を抑制することができ、地球環境の保全に貢献することができる。
【0067】
また、中皿150は、平面視矩形状である板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部152と、を備えた収容部155を有している。そして、周壁部152は、互いに対向する一対の第2立設部52nが、それぞれ、中央の箇所に形成された板状の圧接壁56nと、圧接壁56nの両端部から内側に延伸する皿段部56mと、各皿段部56mそれぞれに接続された板状の基部57と、を有している。したがって、一対の第2立設部52nを一対の内壁2Dに対応づけて、中皿150を内壁部223に嵌め込むと、各圧接壁56nがそれぞれ内壁2Dに接触し、各内壁2Dが外側に押され、各圧接壁56nが内側に押される。すなわち、中皿150は、対向配置された圧接壁56nが一対の内壁2Dによって挟持されるため、中皿150の保持力を強化することができる。化粧料容器300が奏する他の効果等は、上述した化粧料容器100、200と同様である。内壁部223は、一対の内壁2Bを有さず、2組の一対の内壁2Dを有する構成をとってもよい。変形例1aの構成は、化粧料容器300にも適用することができる。
【0068】
<変形例3a>
図16を参照して、実施の形態3の変形例3aに係る中皿150Aについて説明する。本変形例3aの化粧料容器300は、開閉可能に構成された外容器210と、外容器210に収容される中皿150Aと、を有している。
【0069】
中皿150Aは、化粧料が収容される収容部155を有しており、収容部155は、板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部152Aと、を有している。周壁部152Aは、互いに対向する一対の第1立設部52aと、互いに対向する一対の第2立設部52uと、を有している。第1立設部52a及び第2立設部52uは、側面視で長方形状となっている。
【0070】
一対の第2立設部52uは、それぞれ、長手方向における中央の箇所に形成された板状の圧接壁56nと、圧接壁56nの両端部から該第2立設部52uの各端部に向けて内側に延びる傾斜壁59と、を有している。圧接壁56nは、第2立設部52uの長手方向における両端部よりも予め設定された長さWtだけ外側に設けられている(
図16参照)。長さWtは、数mm~数十mm程度に設定され、適宜変更することができる。圧接壁56nは、長手方向に沿った長さKnが、第2立設部52nの端部間の長さKoの1/4~3/4程度となるように形成するとよい(
図16参照)。
【0071】
受け部220に中皿150Aが嵌め込まれた状態を安定的に維持させるため、化粧料容器300は、対向する2つの内壁2Dの内面間の距離が、中皿150Aにおいて対向する2つの圧接壁56nの外面間の距離Wpよりも調整長だけ短くなるように構成するとよい。調整長は、化粧料容器300全体のサイズ、厚み、弾性等に基づき、受け部220に対する中皿150Aの嵌め込みが無理なく行える範囲内で決めるとよい。例えば調整長は、外容器210及び中皿150Aの厚みの40%~60%程度となるように設定するとよい。
図16では、湾曲した断面形状を有する傾斜壁59を例示しているが、これに限らず、傾斜壁59は、平板状に形成されてもよい。なお、中皿150Aは、中皿150と同様、一対の内壁2Bと一対の内壁2Dとの配置変換がなされた外容器210にも適用することができる。
【0072】
以上のように、本変形例3aの化粧料容器300は、紙製の外容器210に対し、紙製の中皿150Aが着脱自在となるよう構成されている。中皿150Aは、平面視矩形状である板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部152Aと、を備えた収容部155を有している。そして、周壁部152Aは、互いに対向する一対の第2立設部52uが、それぞれ、中央の箇所に形成された板状の圧接壁56nと、圧接壁56nの両端部から該第2立設部52nの各端部に向けて内側に延びる傾斜壁59と、を有している。そのため、一対の第2立設部52uを一対の内壁2Dに対応づけて、中皿150Aを内壁部223に嵌め込むと、各圧接壁56nがそれぞれ内壁2Dに接触し、各内壁2Dが外側に押され、各圧接壁56nが内側に押される。すなわち、中皿150Aは、対向配置された圧接壁56nが一対の内壁2Dによって挟持されるため、中皿150Aの保持力を強化することができる。化粧料容器300が奏する他の効果等は、上述した化粧料容器100、200と同様である。内壁部223は、一対の内壁2Bを有さず、2組の一対の内壁2Dを有する構成をとってもよい。なお、変形例1aの構成は、本変形例3aの化粧料容器300にも適用することができる。
【0073】
実施の形態4.
図17を参照し、本発明の実施の形態4に係る化粧料容器400について説明する。化粧料容器400は、中皿250が樹脂製である点に特徴がある。上述した実施の形態1~3の化粧料容器100、200、300と同様の構成については同一の符号を用い、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0074】
図17に示すように、化粧料容器400は、開閉可能に構成された外容器10と、外容器10に収容される中皿250と、を有している。外容器10は、パルプを原料とする紙製であり、中皿250は、例えば熱可塑性樹脂を原料とする樹脂製である。
【0075】
より具体的に、中皿250の原料としては、強度(剛性)、耐薬品性、及び加工性などから、例えばABS樹脂、AS樹脂、PS、又はPET樹脂を好適に用いることができる。中皿250の原料として、PPやPEを採用してもよいが、これらは相対的に柔軟性が高いため、中皿250を設計する際、収容部55に嵌め込まれる状況下での変形の程度を考慮するとよい。もっとも、中皿250に収容される化粧料の種類によって要求される耐薬品性能が変わってくるため、中皿250の原料は、化粧料に合わせて選定するとよい。
【0076】
中皿250は、ファンデーション、チーク、アイシャドー、スキンケア製品などの化粧料が収容される収容部55を有している。
図17に例示する中皿250は、板状の底板部51と、底板部51の外縁から立設する周壁部52と、により構成され、実質的に収容部55そのものとなっている。つまり、中皿250の内側に化粧料が収容される。
【0077】
中皿250は、樹脂により、実施の形態1の中皿50と同様、周壁部52の外縁から外側に延びる皿フランジ58を有するよう構成してもよい。また、中皿250は、樹脂により、変形例1aの中皿50Aと同様、各内壁2の挟持部24が嵌まる凹部54を有していてもよい。中皿250は、実施の形態2の化粧料容器200において、中皿50の代わりに適用してもよい。中皿250の他の構成は、実施の形態1及び2の中皿50又は50Aと同様である。もっとも、樹脂の弾性と紙の弾性とは異なるため、中皿250は、樹脂製であることを念頭に、受け部20における距離Wnとの関係で、対向する2つの立設部52aの外面52f間の距離Wsを調整するとよい。
【0078】
以上のように、本実施の形態4の化粧料容器400は、化粧料が収容される収容部55を備えた樹脂製の中皿250と、中皿250が嵌め込まれる内壁部23を含む受け部20を備えた紙製の外容器10又は110と、を有している。すなわち、化粧料容器400は、紙製の外容器10又は110に対し、樹脂製の中皿250が着脱自在となるよう構成されている。内壁部23は、少なくとも一対の内壁が、長手方向における中央の箇所に形成された板状の当接部24nを含んでいる。そして、各当接部24nは、それぞれ、自身を含む内壁の長手方向における両端部よりも設定長Wmだけ内側に設けられている。よって、中皿250を内壁部23に嵌め込むと、対向配置された当接部24nにより中皿250の周壁部52が挟持される。そのため、化粧料を使い切ったり、使わなくなったりしても、中皿250を差し替えることで、外容器10又は110を繰り返し使用することができ、紙の使用量削減が可能となる。また、本実施の形態4の中皿250は、樹脂製であるため、洗浄して化粧料を詰め替え、再利用することもできる。したがって、紙資源の浪費を抑制すると共に、地球環境の保全に貢献することができる。他の効果等については、実施の形態1~3と同様である。
【0079】
ここで、上述した各実施の形態は、化粧料容器における具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、外容器(10、110、210:以下省略)は、ヒンジ部40を設けずに構成し、受け部(20、120、220:以下省略)と蓋部30とが別体となるように形成してもよい。ただし、外容器がヒンジ部40を有する方が、閉状態の安定性が高まり、ユーザの利便性が向上する。なお、ヒンジ部40の形状は、各図の例に限らず、種々の形状を採ってもよい。各図では、開口部21hとして、平面視矩形状に形成された開口を例示しているが、開口部21hは、下方から中皿(50、50A、150、150A、250:以下省略)の押し上げが可能な程度の大きさであればよく、形状は問わない。すなわち、開口部21hは、平面視円形状など、種々の形状を採ることができる。もっとも、受け部は、開口部21hを設けずに形成してもよいが、受け部に嵌められた中皿の取り外し容易性、及び紙資源の削減などの観点から、開口部21hを設けた方が好ましい。蓋フランジ38は、ヒンジ部40とは反対側の2つの角部38eが角張った形状となっていてもよく、底フランジ28はヒンジ部40とは反対側の2つの角部28eが角張った形状となっていてもよい。皿フランジ58は、4つの角部が角張った形状となるよう形成してもよい。上記以外にも、R形状又は湾曲形状のものとして図示している各構成部材のうち、一部又は全部は、角張った形状としてもよい。
【0080】
各図では、受け部20の内壁部(23、123、223:以下省略)が底端部21aに向けて幾分か傾斜するように形成され、中皿の周壁部(52、52A、152、152A:以下省略)が底板部51に向けて幾分か傾斜するように形成された例を示しているが、これに限定されない。受け部は、内壁部と底端部21aとが直交するように形成されてもよく、中皿は、周壁部と底板部51とが直交するように形成されてもよい。何れにせよ、受け部に対する中皿の嵌め込み強度を高める観点から、化粧料容器(100、100A、200、300、400)は、底端部21aに対する内壁部の角度と、底板部51に対する周壁部の角度とが等しくなるよう構成するとよい。
【0081】
各図では、受け部の外壁部27が壁頂部26に向けて幾分か傾斜するように形成され、蓋部30の周縁部32が天板部31に向けて幾分か傾斜するように形成された例を示しているが、これに限定されない。受け部は、外壁部27と壁頂部26とが直交するように形成してもよく、蓋部30は、周縁部32と天板部31とが直交するように形成してもよい。何れにせよ、蓋部30に対する受け部20の嵌め込み強度を高める観点から、化粧料容器(100、100A、200、300、400)は、壁頂部26に対する外壁部27の角度と、天板部31に対する周縁部32の角度とが等しくなるようにするとよい。
【0082】
実施の形態3の中皿150及び変形例3aの中皿150Aは、実施の形態4の中皿250と同様、樹脂により形成してもよい。実施の形態1~3の中皿(50、50A、150、150A)は、
図17に例示する中皿250と同様、皿フランジ58を設けずに構成してもよい。このようにしても、受け部が開口部21hを有していれば、受け部から中皿を容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0083】
2、2A~2D 内壁、10、110、210 外容器、20、120、220 受け部、21 底部、21a 底端部、21b 底壁部、21c 底頂部、21h 開口部、22、122、222 囲い部、23、123、223 内壁部、24 挟持部、24m 段部、24n 当接部、24s、126 支持部、25 基壁部、26 壁頂部、26a 傾斜部、26b 平坦部、27 外壁部、27f 外側面、28 底フランジ、28e 角部、29 傾斜部、29s 支持部、30 蓋部、31 天板部、31a 表面、31b 内面、32 周縁部、32f 内側面、38 蓋フランジ、38e 角部、40 ヒンジ部、50、50A、150、150A、250 中皿、50a 底面、50b 裏面、51 底板部、52、52A、152、152A 周壁部、52a 立設部(第1立設部)、52f 外面、52m 立設部、52n、52u 第2立設部、54 凹部、55、55A、155 収容部、56 圧接部、56m 皿段部、56n 圧接壁、57 基部、58 皿フランジ、59 傾斜壁、100、100A、200、300、400 化粧料容器、200 化粧料容器、224 挟持壁、K 規定長、Wa、Wb、Wn、Wp、Ws 距離、Wm 設定長、θ 傾斜角度。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有し、
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に成形されたものである、化粧料容器。
【請求項2】
前記当接部と各段部と各基壁部とは、前記内壁の短手方向の全域に亘って一体的に形成されている、請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項3】
2組の一対の前記内壁は、何れも、前記当接部と前記段部と前記基壁部とを有する、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記収容部は、
板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
前記当接部とその両端の前記段部とからなる挟持部が嵌まる凹部を有する、請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項5】
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に形成されたものであり、
一方の一対の前記内壁だけが、それぞれ、前記当接部と前記段部と前記基壁部とを有し、
前記中皿は、パルプモールドにより一体的に形成された紙製の部材であり、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から内側に延伸する皿段部と、
各皿段部それぞれに接続された板状の基部と、を有する、請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項6】
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に形成されたものであり、
一方の一対の前記内壁だけが、それぞれ、前記当接部と前記段部と前記基壁部とを有し、
前記中皿は、パルプモールドにより一体的に形成された紙製の部材であり、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から該立設部の各端部に向けて内側に延びる傾斜壁と、を有する、請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項7】
化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部それぞれから該内壁の各端部まで延びる傾斜部と、を有し、
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に成形されたものである、化粧料容器。
【請求項8】
前記当接部と各傾斜部とは、前記内壁の短手方向の全域に亘って一体的に形成されている、請求項7に記載の化粧料容器。
【請求項9】
2組の一対の前記内壁は、何れも、前記当接部と前記傾斜部とを有する、請求項7に記載の化粧料容器。
【請求項10】
前記中皿は、パルプモールドにより一体的に形成されたものである、請求項1、2、7、8の何れか一項に記載の化粧料容器。
【請求項11】
前記収容部は、
板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記中皿は、
前記周壁部の外縁から外側に延びる皿フランジを有する、請求項10に記載の化粧料容器。
【請求項12】
前記外容器は、
前記受け部を覆う蓋部をさらに有し、
前記受け部は、
前記内壁部から外側に延びる壁頂部と、
前記壁頂部の外縁から下方に延びる外壁部と、を有し、
前記蓋部は、
板状の天板部と、
前記天板部の外縁に立設され、前記蓋部により前記受け部が覆われた状態で前記外壁部と接触する周縁部と、を有する、請求項1、2、5~8の何れか一項に記載の化粧料容器。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有し、
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に成形されたものであり、
前記当接部と各段部と各基壁部とは、前記内壁の短手方向の全域に亘って一体的に形成されている、化粧料容器。
【請求項2】
化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備え、パルプモールドにより一体的に成形された紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有し、
前記収容部は、
板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
前記当接部とその両端の前記段部とからなる挟持部が嵌まる凹部を有する、化粧料容器。
【請求項3】
化粧料が収容される収容部を備え、パルプモールドにより一体的に成形された紙製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備え、パルプモールドにより一体的に成形された紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
一方の一対の前記内壁だけが、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有し、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から内側に延伸する皿段部と、
各皿段部それぞれに接続された板状の基部と、を有する、化粧料容器。
【請求項4】
化粧料が収容される収容部を備え、パルプモールドにより一体的に成形された紙製の中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備え、パルプモールドにより一体的に成形された紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
一方の一対の前記内壁だけが、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部から外側に延伸する段部と、
各段部それぞれから前記長手方向に沿って延伸する基壁部と、を有し、
前記収容部は、
平面視矩形状である板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記周壁部は、
互いに対向する一対の立設部が、それぞれ、
中央の箇所に形成された板状の圧接壁と、
前記圧接壁の両端部から該立設部の各端部に向けて内側に延びる傾斜壁と、を有する、化粧料容器。
【請求項5】
化粧料が収容される収容部を備えた中皿と、
前記中皿が嵌め込まれる内壁部を含む受け部を備えた紙製の外容器と、を有し、
前記内壁部は、
互いに対向する側面視長方形状の一対の内壁を2組有し、
少なくとも一方の一対の前記内壁は、それぞれ、
長手方向における中央の箇所であって、両端部よりも設定長だけ内側に配置された板状の当接部と、
前記当接部の前記長手方向における両端部それぞれから該内壁の各端部まで延びる傾斜部と、を有し、
前記外容器は、パルプモールドにより一体的に成形されたものであり、
前記当接部と各傾斜部とは、前記内壁の短手方向の全域に亘って一体的に形成されている、化粧料容器。
【請求項6】
前記収容部は、
板状の底板部と、
前記底板部の外縁から立設する周壁部と、を有し、
前記中皿は、
前記周壁部の外縁から外側に延びる皿フランジを有する、請求項1又は5に記載の化粧料容器。
【請求項7】
前記外容器は、
前記受け部を覆う蓋部をさらに有し、
前記受け部は、
前記内壁部から外側に延びる壁頂部と、
前記壁頂部の外縁から下方に延びる外壁部と、を有し、
前記蓋部は、
板状の天板部と、
前記天板部の外縁に立設され、前記蓋部により前記受け部が覆われた状態で前記外壁部と接触する周縁部と、を有する、請求項1~5の何れか一項に記載の化粧料容器。