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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081185
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】包装用箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20240611BHJP
   B65D 5/36 20060101ALI20240611BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65D5/50 A
B65D5/36 B
B65D85/30 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194616
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】391019500
【氏名又は名称】朝日印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】広川 園恵
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BB01
3E060BB02
3E060BC04
3E060CC05
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC19
3E060CC43
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA01
3E060DA25
3E060EA09
3E060EA20
3E096BA23
3E096CA03
3E096CB03
3E096DA01
3E096DA03
3E096EA01X
3E096EA02X
3E096EA11X
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA09
3E096GA11
(57)【要約】
【課題】収容物の側面を4方向から緩衝的に保持し、収容物の底面をクッション性を有して保持し、異なる大きさの収容物にも対応可能な包装用箱を提供する。
【解決手段】筒体に組み立てられた背面板14、左側面板16、正面板18、右側面板20の4側面と、一方の端部に糊付片22を有する。上方を閉鎖する上蓋片32と、下方を閉鎖する底部13を有する。正面板18の内側に所定の間隔を開けて正面板側仕切面74と、背面板14の内側に所定の間隔を開けて背面板側仕切面78を備える。正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間の空間は収容空間134となる。収容空間134は、底仕切面102を備え、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間隔は、収容物136の側面の外径よりも小さい。収容物136を収容空間134に入れた時に、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78が収容物136に押されて弾性変形し、収容物136を弾発的に挟持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の箱体形成片から成り、筒体に組み立てられた背面板、左側面板、正面板、右側面板の4側面と、前記4側面の連接方向の一方の端部に前記4側面の連接方向の他方の端部の裏面に糊付けされて前記筒体を保持する糊付片が設けられ、組立状態で連接された4側面で形成される上方の開口端部を閉鎖する上蓋片と、下方の開口端部を閉鎖する底部が設けられている包装用箱において、
前記包装用箱の内側には、前記正面板の内側に所定の間隔を開けて前記正面板に沿う正面板側仕切面と、前記背面板の内側に所定の間隔を開けて前記背面板に沿う背面板側仕切面が設けられ、前記背面板側仕切面と前記正面板側仕切面は、所定の間隔を開けて互いに対向し、前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面の間の所定の間隔を有する空間は、収容物の収容空間となり、前記収容空間には前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面に交差する底仕切面が前記底部から離間して設けられ、
前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面の間隔は、前記収容物の側面の外径よりも小さく、前記収容物を前記収容空間に入れた時に前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面は前記収容物の側面に押されて弾性変形し、弾性変形した前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面に弾発的に挟まれて緩衝的に保持されることを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
前記正面板側仕切面または前記背面板側仕切面の端部には前記底仕切面が設けられ、前記底仕切面の、その他の側縁部には、前記正面板側仕切面や前記背面板側仕切面又は前記4側面の裏面に重ねられて摩擦力より支持される当接片が設けられ、前記底仕切面は、前記正面板側仕切面または前記背面板側仕切面と、前記当接片により支持される請求項1記載の包装用箱。
【請求項3】
前記箱体形成片は、前記糊付片、前記背面板、前記左側面板、前記正面板、前記右側面板が互いに平行に連接されて設けられ、前記糊付片の、前記背面板とは反対側の側縁部には、前記正面板側仕切面と、前記左側面板の裏面に糊付けされる左側面板用糊付部と、前記背面板側仕切面と、前記右側面板の裏面に前記糊付片を挟んで糊付けされる右側面板用糊付部が、順に連接して互いに平行に設けられ、
前記背面板側仕切面の、前記左側面板用糊付部及び前記右側面板用糊付部との連接方向に沿う下方の側縁部には、前記底仕切面が連接して設けられ、前記底仕切面の、前記背面板側仕切面とは反対側の側縁部には、前記正面板側仕切面の裏面に重なり、摩擦力により支持される当接片が連接して設けられていることを特徴とする請求項1記載の包装用箱。
【請求項4】
前記底部は、前記箱体形成片が糊付けされて折り畳まれた状態から前記4側面を立体形状に組み立てると同時に組み立てられ下方の前記開口端部を閉鎖する請求項1記載の包装用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱体の内側に緩衝用の仕切りが一体に設けられ、瓶等の収容物を包装する包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧水や薬液等を瓶に入れた商品は、紙製の包装用箱に収容されて、運搬、保管、陳列がされているものがある。このような包装用箱は、収容した瓶等を保護し、中でがたつかないように、包装用箱内を仕切る緩衝用の仕切りが設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている緩衝仕切付紙箱は、収容物が収容される紙箱の内側に、収容物の側面を保持する二段構成の緩衝仕切が互いに平行に一対設けられ、各緩衝仕切の下方には収容物の底面を支持する下部支持片が各々形成されている。二段構成の緩衝仕切の、上段と下段の間は空隙部で区切られている。緩衝仕切と下部支持片の間は、切込線で区切られている。緩衝仕切の下段の中心には、スリット付折罫線が上下方向に沿って設けられている。この緩衝仕切付紙箱は、一対の緩衝仕切の間を広げて収容物である瓶を入れて収容する。この時、緩衝仕切の下段は、スリット付折罫線を頂点として外側に屈折した状態になり、瓶の側面に4方向から弾性的に当接して保持する。また瓶の底面は、下部支持片の断面によって支持される。
【0004】
また、特許文献2に開示されている包装箱は、外箱の各内面から離間した状態の内箱を備え、内箱は、縦折り目を介して連接され外箱の側板と対向配置された4つの内側側板と、内側側板の底部を形成する内側底板を有している。少なくとも1組の相隣る内側側板の側縁をそれぞれ延長した延長部が設けられ、延長部が、外箱の内面に折り目を介して接続されて、内箱が外箱に支持されている。この紙箱は、内箱の中に収容物である瓶を入れて収容し、瓶の底面は、内側底板の面に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-49145号公報
【特許文献2】特開2016-060491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術の場合、特許文献1では、瓶の側面に4方向から緩衝仕切が弾性的に当接して保持するため、クッション性があり高い緩衝効果を有するが、瓶の底面は、下部支持片の断面によって支持されるため、クッション性はなく、緩衝効果が十分ではない。特許文献2では、瓶の底面は内側底板の面に支持されているため、クッション性が高い。しかし、内箱は瓶が入る大きさに作られており、内箱の内側側板は瓶の側面に弾性的に当接することはなく、側面方向の衝撃に対して緩衝効果が十分ではない。また、内箱は1組の相隣る内側側板の側縁をそれぞれ延長した延長部を介して外箱に支持されているため、角部が位置決めされて形状が変形しにくいものであり、径が異なる瓶に対応することができない。
【0007】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、収容物の側面を4方向から緩衝的に保持し、収容物の底面を面で受けてクッション性を有して保持し、異なる大きさの収容物にも対応可能な包装用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一枚の箱体形成片から成り、筒体に組み立てられた背面板、左側面板、正面板、右側面板の4側面と、前記4側面の連接方向の一方の端部に前記4側面の連接方向の他方の端部の裏面に糊付けされて前記筒体を保持する糊付片が設けられ、組立状態で連接された4側面で形成される上方の開口端部を閉鎖する上蓋片と、下方の開口端部を閉鎖する底部が設けられている包装用箱において、前記包装用箱の内側には、前記正面板の内側に所定の間隔を開けて前記正面板に沿う正面板側仕切面と、前記背面板の内側に所定の間隔を開けて前記背面板に沿う背面板側仕切面が設けられ、前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面は、所定の間隔を開けて互いに対向し、前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面の間の所定の間隔を有する空間は、収容物の収容空間となり、前記収容空間には前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面に交差する底仕切面が前記底部から離間して設けられ、
前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面の間隔は、前記収容物の側面の外径よりも小さく、前記収容物を前記収容空間に入れた時に前記正面板側仕切面と前記背面板側仕切面は前記収容物の側面に押されて弾性変形し、弾性変形した前記背面板側仕切面と前記背面板側仕切面に弾発的に挟まれて緩衝的に保持される包装用箱である。
【0009】
前記正面板側仕切面または前記背面板側仕切面の端部には前記底仕切面が設けられ、前記底仕切面の、その他の側縁部には、前記正面板側仕切面や前記背面板側仕切面又は前記4側面の裏面に重ねられて摩擦力より支持される当接片が設けられ、前記底仕切面は、前記正面板側仕切面または前記背面板側仕切面と、前記当接片により支持される。
【0010】
前記箱体形成片は、前記糊付片、前記背面板、前記左側面板、前記正面板、前記右側面板が互いに平行に連接されて設けられ、前記糊付片の、前記背面板とは反対側の側縁部には、前記正面板側仕切面と、前記左側面板の裏面に糊付けされる左側面板用糊付部と、前記背面板側仕切面と、前記右側面板の裏面に前記糊付片を挟んで糊付けされる右側面板用糊付部が、順に連接して互いに平行に設けられ、前記背面板側仕切面の、前記左側面板用糊付部及び前記右側面板用糊付部との連接方向に沿う下方の側縁部には、前記底仕切面が連接して設けられ、前記底仕切面の、前記背面板側仕切面とは反対側の側縁部には、前記正面板側仕切面の裏面に重なり、摩擦力により支持される当接片が連接して設けられている。
【0011】
前記底部は、前記箱体形成片が糊付けされて折り畳まれた状態から前記4側面を立体形状に組み立てると同時に組み立てられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装用箱は、収容物の側面を4方向から緩衝的に保持し、収容物の底面を面で受けてクッション性を有して保持することができる。収容物を両側から挟む仕切面は、収容物に押されて弾性変形するため、異なる大きさの収容物にも対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の第一実施形態の包装用箱の斜視図である。
図2】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立てた状態を示す縦断面図(a)と収容物を入れた状態を示す縦断面図(b)である。
図3】この発明の第一実施形態の包装用箱の展開図である。
図4】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図5】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図6】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図7】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図8】この発明の第一実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図9】この発明の第二実施形態の包装用箱の組み立てた状態を示す縦断面図(a)と収容物を入れた状態を示す縦断面図(b)である。
図10】この発明の第二実施形態の包装用箱の展開図である。
図11】この発明の第二実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
図12】この発明の第二実施形態の包装用箱の組み立て状態を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1図8はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装用箱10は、略直方体の箱体であり、厚紙等の一枚のブランクシートを一体的に打ち抜いた箱体形成片12を組み立てることによって形成されている。
【0015】
図3は、箱体形成片12を表面から見た展開図であり、箱体形成片12は、箱体の筒状の4側面を形成する、背面板14、左側面板16、正面板18、右側面板20が、互いに平行に連接して形成されている。背面板14、左側面板16、正面板18、右側面板20は、連接している幅方向は同じ長さであり、連接方向の長さは、背面板14と正面板18が長くて互いにほぼ等しく、左側面板16と右側面板20は短くて互いにほぼ等しい。さらに背面板14の側縁部には、包装用箱10の組み立て状態で右側面板20の裏面に糊付けされる糊付片22が設けられている。糊付片22、背面板14、左側面板16、正面板18、右側面板20は、各々折罫線24,26,28,30で区切られている。
【0016】
背面板14の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の一端部には、矩形の上蓋片32が折罫線34で区切られて設けられている。上蓋片32の、折罫線34の反対側の端部には、さらに差込片36が折罫線38で区切られて設けられている。背面板14の、折罫線34とは反対側の端部には、三角形状の底蓋片40が折罫線42で区切られて設けられ、底蓋片40の、左側面板16に隣接する傾斜した側縁部には、四角形状の底面糊付片44が折罫線46で区切られて設けられている。
【0017】
左側面板16の、背面板14の折罫線34に隣接する端部には、台形状の上フラップ48が折罫線50で区切られて設けられている。左側面板16の、折罫線50とは反対側の端部には、三角形状の底フラップ52が折罫線54で区切られて設けられている。
【0018】
正面板18の、左側面板16の折罫線50に隣接する端部18aには、端部18aの中心をコの字形に囲む開封用の破断線56が設けられている。破断線56の内側は、差込片用糊付部57になる。正面板18の、端部18aとは反対側の端部には、底蓋片40と同形状の三角形状の底蓋片58が折罫線60で区切られて設けられ、底蓋片58の、右側面板20に隣接する傾斜した側縁部には、底面糊付片44と同形状の四角形状の底面糊付片62が折罫線64で区切られて設けられている。
【0019】
右側面板20の、正面板18の端部18aに隣接する端部には、台形状の上フラップ66が折罫線68で区切られて設けられている。右側面板20の折罫線68とは反対側の端部には、三角形状の底フラップ70が折罫線71で区切られて設けられている。
【0020】
糊付片22は、折罫線24に対して直角な長さは背面板14より短く形成されている。折罫線24に対して平行な長さは、折罫線24に連接する部分は背面板14と同じ幅を有し、折罫線24とは反対側の側縁部22aは折罫線24より短い。折罫線24に交差する一方の端部22bは、背面板14の折罫線34に連続して折罫線34に対して平行であり、他方の端部22cの一端部は、背面板14の折罫線42に連続し、他端部は側縁部22aの下端部に連続し、折罫線42に対して傾斜している。
【0021】
糊付片22には、緩衝用の仕切り片72が設けられている。仕切り片72は、正面板側仕切面74、左側面板用糊付部76、背面板側仕切面78、右側面板用糊付部80が、順番に糊付片22に連接して形成されている。連接方向は、各側面の連接方向に対して平行である。糊付片22、正面板側仕切面74、左側面板用糊付部76、背面板側仕切面78、右側面板用糊付部80は、各々折罫線82,84,86,88で区切られている。
【0022】
正面板側仕切面74は、包装用箱10の組み立て状態で、正面板18の内側に所定の間隔を開けて正面板18に対して略平行に設けられるものであり、糊付片22との連接方向の長さが正面板18とほぼ等しく、糊付片22との連接方向に交差する長さが正面板18より短い矩形である。
【0023】
糊付片22の端部22bに連続する端部74aは、端部22bに対して略平行であり、端部74aの中間には、正面板側仕切面74の中央に向かってくぼむ凹部75が形成されている。端部74aの、凹部75を挟んで糊付片22とは反対側の部分の、折罫線84に近い部分は、正面板側仕切面74の中央に向かって僅かに移動した位置にある。端部74aとは反対側の端部74bは、糊付片22の端部22cに連続し、端部22cに連続する部分は側縁部22aに対して傾斜し、その他の部分は側縁部22aに対して略直角、つまり端部74aに対して略平行である。
【0024】
正面板側仕切面74の、折罫線84に接する部分には、左側面板用糊付部90が設けられている。左側面板用糊付部90は、折罫線84と、折罫線84に連続するコの字形の切断線92で囲まれて周囲と区切られて設けられている。折罫線84は、左側面板用糊付部90に接する部分は途切れ、左側面板用糊付部90と左側面板用糊付部76が連続する。右側面板用糊付部90は、端部74bよりも少し端部74aに近い位置に設けられている。
【0025】
左側面板用糊付部76は、左側面板16の裏面に糊付けされるものであり、正面板側仕切面74との連接方向の長さが左側面板16より短く、糊付片22よりも短く、正面板側仕切面74との連接方向に交差する長さは、正面板側仕切面74の折罫線84とほぼ等しい矩形である。左側面板用糊付部76の、端部74aに連続する端部76aは、端部74aに対して略平行であり、端部76aとは反対側の端部76bは、途中で折り曲げられた逆への字形であり、正面板側仕切面74の端部74bに連続する部分は端部74bに対して平行で端部74bの延長線上に位置し、その他の部分は折罫線86に近づくにつれて端部74bの上方へ向かうように折り曲げられ、端部74bの延長線に対して傾斜している。
【0026】
背面板側仕切面78は、包装用箱10の組み立て状態で、背面板14の内側に所定の間隔を開けて背面板14に対して略平行に設けられるものであり、左側面板用糊付部76との連接方向の長さが背面板14とほぼ等しく、左側面板用糊付部76との連接方向に交差する長さが背面板14より短い矩形である。背面板側仕切面78の、端部76aに連続する端部78aは、端部76aに対して略平行であり、端部78aの中間には、背面板側仕切面78の中央に向かってくぼむ凹部94が形成されている。凹部94は、折罫線86に近い部分は、端部78aに対して傾斜する直線であり、折罫線88に近い部分は、折罫線86に向かって突出凹出する曲線である。端部78aとは反対側の端部78bは、左側面板用糊付部76の端部76bに連続し、端部78aに対して略平行である。
【0027】
背面板側仕切面78の、折罫線88に接する部分には、右側面板用糊付部96が設けられている。右側面板用糊付部96は、折罫線88と、折罫線88に連続するコの字形の切断線98で囲まれて周囲と区切られて設けられている。折罫線88は、右側面板用糊付部96に接する部分は途切れ、右側面板用糊付部96と右側面板用糊付部80が連続する。
【0028】
背面板側仕切面78には、中央を通過する折曲線100が設けられ、折曲線100は折罫線86,88に対して略平行である。折曲線100の、一方の端部は凹部94のほぼ中間の深い位置に連続し、反対側の端部は端部78bに連続している。
【0029】
背面板側仕切面78の端部78bには、底仕切面102が折罫線104で区切られて設けられている。折罫線104の中心付近には、切断線105が折罫線104に沿って設けられている。切断線105は、折曲線100に交差して連続する。底仕切面102は、変形した5角形であり、折罫線104に接する辺が一番長く、折罫線104に略直角に交差する短い2つの側縁部102aと、側縁部102aに連続し互いに鈍角で交差する2つの側縁部102b,102cで形成されている。つまり、側縁部102b,102cは、背面板側仕切面78の反対側に位置する。
【0030】
折罫線86に近い側縁部102cには、矩形の当接片106が折罫線108で区切られて設けられている。当接片106は、包装用箱10の組立状態で正面板側仕切面74の裏面の折罫線84側に当接するものであり、折罫線104に対して直角方向に長い矩形であり、長手方向の長さは正面板側仕切面74の、端部74aと端部74bの間隔よりも少し短い。そして折罫線104で、底仕切面102と当接面106を背面板側仕切面78に折り返した時に、当接面106の角部が背面板側仕切面78の凹部94から少し露出する長さである。
【0031】
折罫線88に近い側縁部102bにも、矩形の当接片110が折罫線112で区切られて設けられている。当接片110は、正面板側仕切面74の裏面の折罫線82側に当接するものであり、当接片110の突出方向の長さは当接片106よりも少し短く、幅は当接片106とほぼ同じである。当接片106と当接片110の間は離間してスリット114になり、スリット114の端部は底仕切面102の一対の側縁部102b,102cの角部に達し、角部を半円形で切り欠いている。
【0032】
底仕切面102の、折罫線88側の側縁部102aには、扇形の当接片120が折罫線122で区切られて設けられている。当接片120は、折罫線104の延長線上に位置する側縁部120aを有し、側縁部120aと折罫線122は略直角に連続し、側縁部120aと折罫線122の、反対側の端部同士が、外側に膨出する円弧で結ばれて扇形となる。
【0033】
右側面板用糊付部80は、右側面板20の裏面に、糊付片22を挟んで糊付けされるものであり、折罫線88に対して直角な長さは糊付片22より短く、また左側面板用糊付部76より短い。折罫線88に対して平行な長さは、折罫線88に連接する部分は背面板側仕切面78と同じ幅を有し、折罫線88とは反対側の側縁部80aは折罫線88より短い。右側面板用糊付部80と当接片120の間は離間している。
【0034】
次に、この実施形態の包装用箱10の組立方法の一例について説明する。ここでは、図3が包装用箱10の箱体形成片12の表面を見たものであり、箱体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0035】
まず、図4に示すように折罫線104を正折りする。なお、図4図6は、折り方を見やすくするため、箱体形成片12の裏面を見たものである。次に図5に示すように折罫線86を正折りして、右側面板用糊付部80,96の表面に糊124を塗布する。そして図6に示すように、折罫線82を正折りして右側面板用糊付部80と右側面板用糊付部96の表面を、糊付片22の裏面に糊付けする。そして、左側面板用糊付部76,90に糊126を塗布する。
【0036】
次に、図7に示すように折罫線42,54,60,71を正折りし、折罫線46,64を逆折りし、底面糊付片44,62の裏面に糊128,130を各々塗布する。糊付片22の表面に糊132を塗布する。図8に示すように折罫線26を正折りして、左側面板用糊付部76,90を左側面板16の裏面に、底面糊付片44を底フラップ52の表面に、各々糊付けする。さらに、折罫線30を正折りして、糊付片22を右側面板20の裏面に、底面糊付片62を底フラップ70の表面に、各々糊付けする。これにより箱体形成片12は折り畳み状態となり、この状態で箱体形成片12による折り畳み状態の包装用箱10が、商品である収容物を包装する工場で出荷される。糊付けと折る順番は、上記以外でも良い。
【0037】
次に、収容物を収容し包装する工場において、折罫線24,26,28,30を各々90°に正折りして四角形の筒体にする。この時、底面糊付片44,62は底フラップ52,70に各々糊付けされているため、二つ折りされていた折罫線42,54,60,71は自動的に引き起こされてほぼ90°に開き、底部13が形成される。そして、仕切り片72は、折罫線82,84,86,88が90°に正折りされ、図1図2(a)に示すように、正面板側仕切面74は正面板18の内側に所定の間隔を開けて正面板18に対して略平行に位置し、背面板側仕切面78は背面板14の内側に所定の間隔を開けて背面板14に対して略平行に位置し、なおかつ正面板側仕切面74と背面板側仕切面78は、間隔Aを開けて互いに略平行に対向し、立体的に組み立てられる。
【0038】
間隔Aを有する正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間の空間は、収容物の収容空間134となる。これで包装用箱10の組立が完了する。図2(a)に示すように、組み立てた状態では、底仕切面102と当接片106,110は、折罫線104で折り返されて正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間の収容空間134に位置し、箱体形成片12の弾性により、当接片106,110の先端が正面板側仕切面74の端部74aに近づいている。
【0039】
この状態で、収容物を包装用箱10の中に入れる。ここで収容物は、薬液が入ったガラス製のバイアル瓶136である。なお、バイアル瓶136の外径は、収容空間134の間隔Aよりも大きい。包装用箱10の上方の開口から、収容空間134の中に、背面板側仕切面78と当接片110,106との間に、バイアル瓶136を、底部136aから、背面板側仕切面78に沿って差し込む。当接片110,106は、バイアル瓶136の底部136aに押し下げられて、折罫線108,112で底仕切面102から折り曲げられる。
【0040】
さらにバイアル瓶136を収容空間134に深く入れると、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78は、バイアル瓶136の側面136bに押し広げられて弾性変形して中央付近が押し広げられ、図2(b)に示すように、収容空間134の間隔Aが、バイアル瓶136の外径と同じ間隔Bに広がる。折罫線104と折罫線108,112は、各々90°に正折りされ、底仕切面102は、底部13に対して略平行となり、当接片106,110は、正面板側仕切面74の裏面に重なり、摩擦力により支持される。当接片120は、右側面板20の裏面に糊付片22を挟んで重ねられ、糊付片22に、摩擦力により支持される。なお、底仕切面102は変形した5角形であり、中央付近が広げられた正面板側仕切面74の形状にはめ込まれてフィットする。背面板側仕切面78は、切断線105により底仕切面102とは切り離され、折曲線100に沿って支障なく鈍角に折り曲げられ広げられる。バイアル瓶136の側面136bは、弾性変形した正面板側仕切面74と背面板側仕切面78に弾発的に挟まれ、4つの方向から緩衝的に保持される。バイアル瓶136の底部136aは、底仕切面102の面で受けて、クッション性を有して保持される。
【0041】
次に、折罫線50,68で上フラップ48,66を正折りし、その後折罫線34で上蓋片32を正折りし、更に折罫線38を正折りして差込片36を正面板18の内側に差し込み、閉鎖し、包装が完了する。正面板18の差込片用糊付部57と、差込片36を糊付けしてもよい。包装用箱10を開封する際は、差込片用糊付部57を押して、図1に示すように破断線56を切断する。
【0042】
この実施形態の包装用箱10によれば、収容物であるバイアル瓶136を、バイアル瓶136の側面136bに押されて弾性変形した正面板側仕切面74と背面板側仕切面78で両側から挟み、弾性変形して湾曲した正面板側仕切面74と背面板側仕切面78により4方向から弾発的に側面136bを保持し、また底仕切面102の面で底部136aを受けてクッション性を有して保持し、緩衝的に包装することができる。バイアル瓶136の側面136bを保持する正面板側仕切面74と背面板側仕切面78は、両側縁部に連続する糊付片22と左側面板用糊付部76、右側面板用糊付部80が、右側面板20と左側面板16に各々糊付けされて支持されているだけであり、自由に弾性変形して広がることができる。自由に弾性変形して広がることができるため、大きさが異なるバイアル瓶136にも、適宜に弾性変形して側面136bを挟み込んで密着し、弾発的に保持することができ、同じ大きさの包装用箱10で兼用することができる。
【0043】
底仕切面102は、一部は折罫線104で背面板側仕切面78と連続し、その他は当接片106,110、120により、正面板側仕切面74と糊付片22の裏面に摩擦力で支持されているだけで、適度に移動が可能で大きさが異なるバイアル瓶136にも対応することができ、またクッション性が高い。底仕切面102は、変形した5角形であり、中央付近が広げられた正面板側仕切面74の形状にフィットする。当接片106と当接片110の間はスリット114であるため、当接片106と当接片110は独立して弾性変形可能であり、正面板側仕切面74の弾性変形に関わらず、正面板側仕切面74の裏面に密着して当接することができる。当接片120は、右側面板用糊付部80と離間しているため、当接片120も独立して弾性変形が可能であり、糊付片22の裏面に密着して当接することができる。
【0044】
バイアル瓶136を背面板側仕切面78に沿って挿入するだけで、バイアル瓶136の側面136bが正面側仕切面74と背面板側仕切面78を押し広げて弾性変形させ、底部136aが底仕切面102を組み立て、簡単に収容することができ、収容する操作が簡単である。底部13は、ワンタッチで組み立てられ、底部13と同時に仕切り片72が立体的に形成され、製造が簡単である。仕切り片72は、折り畳まれた底蓋片40,58、底フラップ52,70に接触しないため、底蓋片40,58、底フラップ52,70が引き起こされて底部13を組み立てる際に干渉することが無い。
【0045】
正面板側仕切面74を糊付けする左側面板用糊付部90と、背面板側仕切面78を糊付けする右側面板用糊付部96は、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の一部を切断線92,98で区切って形成され、左側面板用糊付部76,右側面板用糊付部80の面積を広くして確実に糊付けすることができる。左側面板用糊付部90と右側面板用糊付部96が、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78から各々切り離されると、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の面積が小さくなり、弾性変形しやすくなる。背面板側仕切面78との間の折罫線104には切断線105が設けられているため、背面板側仕切面78の弾性変形によって切断線105は開いてスリットとなり、背面板側仕切面78は自由に弾性変形することができる。背面板側仕切面78には中央を通過する中心折曲線100が設けられ、折曲線100は切断線105に交差して連続するため、背面板側仕切面78は折曲線100で折れ曲がりやすく、容易に弾性変形が可能である。
【0046】
正面板側仕切面74には凹部75が、背面板側仕切面78には凹部94が設けられ、バイアル瓶136を出したり入れたりする作業が容易となる。バイアル瓶136は、包装用箱10の4側面と底部13の間に空間があり、外からの衝撃を受けることが無い。包装用箱10の中にバイアル瓶136に入れられた薬液についての添付文書を入れなくても、高い緩衝性を有してバイアル瓶136を保護することができる。
【0047】
次にこの発明の第二実施形態について図9図12に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱138は、略直方体の箱体であり、厚紙等の一枚のブランクシートを一体的に打ち抜いた箱体形成片140を組み立てることによって形成されている。
【0048】
図10は、箱体形成片140を表面から見た展開図であり、糊付片22には、緩衝用の仕切り片142が設けられている。仕切り片142は、第一実施形態の仕切り片72と比較して、糊付片22との連接方向の長さ及び連接方向に交差する幅ともに、少し大きい。仕切り片142は、正面板側仕切面74、左側面板用糊付部76、背面板側仕切面78、右側面板用糊付部80が、順番に糊付片22に連接して形成されている。連接方向は、各側面の連接方向に対して平行である。糊付片22、正面板側仕切面74、左側面板用糊付部76、背面板側仕切面78、右側面板用糊付部80は、各々折罫線82,84,86,88で区切られている。
【0049】
正面板側仕切面74の端部74bには、台形状の支持片144が折罫線146で区切られて設けられている。正面板側仕切面74には、第一実施形態の左側面板用糊付部90が設けられていない。左側面板用糊付部76の、端部74aに連続する端部76aは、端部74aに対して略平行であり、端部76aとは反対側の端部76bは、折罫線86に近づくにつれて端部74bの下方へ向かう直線であり、端部74bの延長線に対して傾斜している。背面板側仕切面78は、左側面板用糊付部76の端部76aに連続する端部78aは、端部76aに対して略平行であり、端部78aの中間には、背面板側仕切面78の中央に向かってくぼむV字形の凹部148が形成されている。背面板側仕切面78の、折罫線88に接する部分には、右側面板用糊付部96が切断線98で囲まれて設けられている。底仕切面102の、折罫線88側の側縁部102aには当接片120が折罫線122で区切られて設けられ、折罫線86側の側縁部102aには直角三角形状の当接片150が折罫線152で区切られて設けられている。
【0050】
次に、この実施形態の包装用箱138の組立方法の一例について説明する。ここでは、図10が包装用箱138の箱体形成片140の表面を見たものであり、箱体形成片140の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0051】
まず、図11に示すように折罫線104を正折りする。なお、図11図12は、折り方を見やすくするため、箱体形成片140の裏面を見たものである。次に図12に示すように折罫線86を正折りして、右側面板用糊付部80,96の表面に糊124を塗布する。折罫線86を正折りする時、当接片150は、左側面板用糊付部76の裏面に重ねられた状態で折罫線152から逆折りされる。これ以降は、実施形態の包装用箱10の図6図8に示す組立方法と同じである。これにより箱体形成片140は折り畳み状態となり、この状態で箱体形成片140による折り畳み状態の包装用箱138が、商品である収容物を包装する工場で出荷される。
【0052】
次に、収容物を収容し包装する工場において、折罫線24,26,28,30を各々90°に正折りして四角形の筒体にする。この時二つ折りされていた折罫線42,54,60,71は自動的に引き起こされてほぼ90°に開き、底部13が形成される。そして、仕切り片142は、折罫線82,84,86,88が90°に正折りされ、図9(a)に示すように、正面板側仕切面74は正面板18の内側に所定の間隔を開けて正面板18に対して略平行に位置し、背面板側仕切面78は背面板14の内側に所定の間隔を開けて背面板14に対して略平行に位置し、なおかつ正面板側仕切面74と背面板側仕切面78は、間隔Cを開けて互いに略平行に対向し、立体的に組み立てられる。間隔Cを有する正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間の空間は、収容物を収容する収容空間134となる。これで包装用箱138の組立が完了する。図9(a)に示すように、組み立てた状態では、底仕切面102と当接片106,110は、折罫線104で折り返されて正面板側仕切面74と背面板側仕切面78の間の収容空間134に位置し、箱体形成片12の弾性により、当接片106,110の先端が正面板側仕切面74の端部74aに近づいている。
【0053】
この状態で、バイアル瓶154を包装用箱138の中に入れる。なお、バイアル瓶154の外径と高さは第一実施形態のバイアル瓶136よりも大きく、バイアル瓶154の外径は、収容空間134の間隔Cよりも大きい。包装用箱138の上方の開口から、収容空間134の中に、背面板側仕切面78と当接片110,106との間に、バイアル瓶154を、底部154aから差し込む。当接片110,106は、バイアル瓶154の底部154aに押し下げられて、折罫線108,112で底仕切面102から折り曲げられる。
【0054】
さらにバイアル瓶154を収容空間134に深く入れると、正面板側仕切面74と背面板側仕切面78は、バイアル瓶154の側面154bに押されて弾性変形して中央付近が押し広げられ、図9(b)に示すように、収容空間134の間隔Cが、バイアル瓶154の外径と同じ間隔Dに広がる。折罫線104と折罫線108,112は、各々90°に正折りされ、底仕切面102は、底部13に対して略平行となり、当接片106,110は、正面板側仕切面74の裏面に重なり、摩擦力により支持される。底仕切面102は、折罫線146よりも下の支持片144に連続する。底仕切面102の表面に折り重ねられた当接片150は、箱体形成片140の弾性により略直角に開き、左側面板16の裏面に左側面板用糊付部76を挟んで重ねられ、左側面板16に、摩擦力により支持され、先端は底部13へ向かって突出する。バイアル瓶154の側面154bは、弾性変形した正面板側仕切面74と背面板側仕切面78に弾発的に挟まれ、4つの方向から緩衝的に保持される。バイアル瓶154の底部154aは、底仕切面102の面で受けて、クッション性を有して保持される。
【0055】
次に、折罫線50,68で上フラップ48,66を正折りし、その後折罫線34で上蓋片32を正折りし、更に折罫線38を正折りして差込片36を正面板18の内側に差し込み、閉鎖し、包装が完了する。
【0056】
この実施形態の包装用箱138によれば、上記第一実施形態と同様の効果を有する。さらに、底仕切面102は、折罫線146よりも下の支持片144に保持されるため支持片144は折罫線146により曲がり易く、クッション性が良い。当接片150が、底部13近傍まで突出しているため、当接片150に連続する底仕切面102は適した位置に保持され、バイアル瓶154が重くても振動等により下方に押し下げられることが無い。
【0057】
なお、この発明の包装用箱は、上記実施形態に限定されるものではない。包装用箱の大きさや形状は、収容物に合わせて変更可能である。上方の開口を閉鎖する上蓋片と上フラップや、正面板側仕切面、背面板側仕切面、当接片、底仕切面等の形状も上適宜変更可能であり、上記以外でも良い。正面板側仕切面の裏面に重ねられる当接片は、スリットで区切られた一対が設けられるもの以外でも良く、スリットの他に切断線で区切られた一対でも良く、区切られていない1つの当接片でもよい。左側面板と右側面板の裏面に重ねられる当接片は無くてもよいが、収容物が大きい場合は両側に一対設けることで確実に支持される。収容物は、バイアル瓶以外に色々なものに使用することができる。箱体形成片の素材は、厚紙以外に合成樹脂や合成樹脂と紙を積層したもの等、自由に選択可能である。折罫線や切断線の本数や長さも適宜変更可能であり、折罫線は折り曲げやすくするために破断線等で設けてもよい。底部は、ワンタッチで組み立てるもの以外でも良い。収容物と上蓋片の間は、空間が設けられていても良く、空間がなく収容物が上蓋片に接してもよい。
【符号の説明】
【0058】
10,138 包装用箱
12,140 箱体形成片
13 底部
14 背面板
16 左側面板
18 正面板
20 右側面板
22 糊付片
32 上蓋片
72,142 緩衝用仕切り片
74 正面板側仕切面
76,90 左側面板用糊付部
78 背面板側仕切面
80,96 右側面板用糊付部
102 底仕切面
102a,102b,102c 側縁部
106,110,120,150 当接片
134 収容空間
136,154 バイアル瓶
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12