(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081194
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】折り畳み装置およびこれを用いた折り畳み方法
(51)【国際特許分類】
B65H 45/22 20060101AFI20240611BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20240611BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65H45/22
B65H37/04 Z
A61F13/15 356
A61F13/15 370
A61F13/15 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194632
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】本下 晋
【テーマコード(参考)】
3B200
3F108
【Fターム(参考)】
3B200BB11
3B200CA05
3B200EA07
3B200EA11
3B200EA27
3F108AA01
3F108AA10
3F108AB04
3F108AC10
3F108BA02
3F108CA02
3F108GA10
3F108GB01
3F108HA04
3F108HA11
(57)【要約】
【課題】シートおよび弾性部材を搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、弾性部材の位置ずれを抑制する。
【解決手段】折り畳み装置(1)は、折り畳み機構(40)と弾性部材搬送機構(30)を備える。折り畳み機構(40)は、シート(100)の重なり部分(100C)をシートの厚み方向の一方側から支持する第1支持面(44)と他方側から支持する第2支持面(45)を有する。第1支持面の上流側の端部(44A)には、シートの厚み方向の他方方側に開く上流側溝(51)が形成されている。弾性部材搬送機構(60)は、第1支持面の上流側の端部からシートの厚み方向の一方側で且つシートの搬送方向の上流側に離れた位置から第1支持面の上流側の端部を経由して第1支持面と第2支持面との間を通る経路に沿って弾性部材(200)を搬送する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートおよび弾性部材を搬送しながら前記弾性部材を挟み込むように前記シートを折り畳むための折り畳み装置であって、
前記シートをその長手方向に搬送するシート搬送機構と、
前記弾性部材をその長手方向に搬送する弾性部材搬送機構と、
前記シートの幅方向の一方の部分が他方の部分に対して当該シートの厚み方向について重なるように当該シートを折り畳む折り畳み機構とを備え、
前記折り畳み機構は、前記シートの搬送方向に沿って延びるとともに前記シートの重なり部分を前記シートの厚み方向の一方側から支持する第1支持面と、前記シートの搬送方向に沿って延びるとともに前記重なり部分の形状を保持するように当該重なり部分を前記シートの厚み方向の他方側から支持する第2支持面とを有し、
前記シートの搬送方向における前記第1支持面の上流側の端部には、前記弾性部材を位置決めするために前記シートの厚み方向の他方側に開く上流側溝が形成されており、
前記弾性部材搬送機構は、前記第1支持面の上流側の端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置から前記第1支持面の上流側の端部を経由して前記第1支持面と前記第2支持面との間を通る経路に沿って、前記弾性部材を搬送する、折り畳み装置。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳み装置において、
前記シートの搬送方向における前記第1支持面の下流側の端部には、前記上流側溝の開き方向と同じ方向に開く下流側溝が形成されており、
前記シート搬送機構は、前記第1支持面の下流側の端部から、当該端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の下流側に離れた位置に向けて前記シートをそれぞれ搬送する、折り畳み装置。
【請求項3】
請求項1に記載の折り畳み装置において、
前記第1支持面および前記第2支持面の一方に、前記シートの重なり部分を前記シートの厚み方向に開放する開放部が形成されており、
前記折り畳み機構は、前記開放部に設けられて前記シートの重なり部分を当該シートの厚み方向の片側から押圧する押圧部を備え、
前記押圧部には、前記シートの重なり部分を押圧する方向に開く中間溝が形成されている、折り畳み装置。
【請求項4】
請求項3に記載の折り畳み装置において、
前記第1支持面と前記第2支持面のうち前記開放部が形成された一方の支持面とは異なる他方の支持面には、前記開放部と対向する位置に、前記一方の支持面に向かって開く退避溝が形成されている、折り畳み装置。
【請求項5】
請求項1に記載の折り畳み装置において、
前記折り畳み機構は、前記シートの搬送方向について前記第1支持面の上流側の端部から、当該端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置に向かって延びて、前記シートを前記第1支持面に案内する案内面を備え、
前記案内面には、前記上流側溝と連通する補助溝が形成されている、折り畳み装置。
【請求項6】
請求項1に記載の折り畳み装置において、
前記シートの搬送方向について前記第1支持面および前記第2支持面よりも下流側に設けられて、前記弾性部材に超音波振動を印加して当該弾性部材と前記シートとを溶着する溶着部を備える、折り畳み装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の折り畳み装置を用いて、前記弾性部材を挟み込むように前記シートを折り畳むため折り畳み方法であって、
前記シート搬送機構を用いて前記シートをその長手方向に搬送するシート搬送工程と、
前記弾性部材搬送機構を用いて前記弾性部材をその長手方向に搬送する弾性部材搬送工程と、
前記折り畳み機構を用いて前記シートを折り畳む折り工程とを含み、
前記弾性部材搬送工程では、前記第1支持面の上流側の端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置から前記第1支持面の上流側の端部を経由して前記第1支持面と前記第2支持面との間を通る経路に沿って、前記弾性部材を搬送する、折り畳み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み装置およびこれを用いた折り畳み方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、シートおよび弾性部材をこれらの長手方向に搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートを折り畳むための装置が知られている。
【0003】
具体的に、特許文献1に開示される装置では、シートおよび弾性部材がこれらの長手方向に搬送されて、互いに対向する2つの面の間の隙間に導入される。そして、前記隙間の通過中にシートが弾性部材を挟み込むようにシートがその幅方向に折り畳まれて、この折り畳み状態が維持されたままシートおよび弾性部材が前記隙間から導出される。これにより、弾性部材を内側に内包するシートが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置によれば、シートを2つの面で挟み込むことによりシートの重なり部分の形状を保持することができる。しかしながら、この構成では、弾性部材およびシートが2つの面で覆われた状態で搬送されるため、これらの面の間に弾性部材の位置を拘束するための部材を設けることが難しい。そのため、2つの面間に位置する弾性部材が、シートの搬送方向つまりシートの長手方向と直交するシートの幅方向について、適切な位置からずれるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、シートおよび弾性部材を搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、弾性部材の位置ずれを抑制することができる折り畳み装置およびこれを用いた折り畳み方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、第一の発明は、シートおよび弾性部材を搬送しながら前記弾性部材を挟み込むように前記シートを折り畳むための折り畳み装置であって、前記シートをその長手方向に搬送するシート搬送機構と、前記弾性部材をその長手方向に搬送する弾性部材搬送機構と、前記シートの幅方向の一方の部分が他方の部分に対して当該シートの厚み方向について重なるように当該シートを折り畳む折り畳み機構とを備え、前記折り畳み機構は、前記シートの搬送方向に沿って延びるとともに前記シートの重なり部分を前記シートの厚み方向の一方側から支持する第1支持面と、当該第1支持面と対向して前記シートの搬送方向に沿って延びるとともに前記重なり部分の形状を保持するように当該重なり部分を前記シートの厚み方向の他方側から支持する第2支持面とを有し、前記シートの搬送方向における前記第1支持面の上流側の端部には、前記弾性部材を位置決めするために前記シートの厚み方向の他方側に開く上流側溝が形成されており、前記弾性部材搬送機構は、前記第1支持面の上流側の端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置から前記第1支持面の上流側の端部を経由して前記第1支持面と前記第2支持面との間を通る経路に沿って、前記弾性部材を搬送する、折り畳み装置、を提供する。
【0008】
本発明では、第1支持面のシートの搬送方向における上流側の端部に、シートの厚み方向の他方側に開く上流側溝が形成されている。また、弾性部材搬送機構によって、第1支持面の上流側の端部からシートの厚み方向の一方側で且つシートの搬送方向の上流側に離れた位置から第1支持面の上流側の端部を経由して第1支持面と第2支持面との間を通る経路に沿って、弾性部材が搬送される。これにより、シートを介して弾性部材を上流側溝に押し込んだ状態で、折り畳まれるシート間に弾性部材を搬送することができる。従って、上流側溝によって弾性部材のシートの幅方向の移動を規制することができ、シートおよび弾性部材を搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、弾性部材の位置ずれを抑制することができる。
【0009】
第二の発明は、第一の発明であって、前記シートの搬送方向における前記第1支持面の下流側の端部には、前記上流側溝の開き方向と同じ方向に開く下流側溝が形成されており、前記シート搬送機構は、前記第1支持面の下流側の端部から、当該端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の下流側に離れた位置に向けて前記シートを搬送することが好ましい。
【0010】
第二の発明によれば、シートを介して弾性部材を、第1支持面の下流側の端部に形成された下流側溝内に押し込んで、第1支持面の下流側の端部における弾性部材のシートの幅方向の移動を規制することができる。そのため、第1支持面と第2支持面との間の搬送中に弾性部材がシートの幅方向について移動するのを確実に抑制できる。
【0011】
第三の発明は、第一~第二の発明であって、前記第1支持面および前記第2支持面の一方に、前記シートの重なり部分を前記シートの厚み方向に開放する開放部が形成されており、前記折り畳み機構は、前記開放部に設けられて前記シートの重なり部分を当該シートの厚み方向の片側から押圧する押圧部を備え、前記押圧部には、前記シートの重なり部分を押圧する方向に開く中間溝が形成されていることが好ましい。
【0012】
第三の発明によれば、シートを介して弾性部材を中間溝内に押し込んで、シートの搬送方向における第1支持面の中間部分においても弾性部材のシートの幅方向の移動を規制することができる。そのため、第1支持面と第2支持面との間で弾性部材がシートの幅方向について移動するのをより確実に抑制できる。
【0013】
第四の発明は、第三の発明であって、前記第1支持面と前記第2支持面のうち前記開放部が形成された一方の支持面とは異なる支持面には、前記開放部と対向する位置に、前記一方の支持面に向かって開く退避溝が形成されていることが好ましい。
【0014】
第四の発明によれば、押圧部によってシートの厚み方向の片側から押圧されたシートの重なり部分を退避溝に退避させることができる。これにより、シートの重なり部分を押圧することにより弾性部材を中間溝内に押し込みつつ、押圧部周辺でシートが目詰まりするのを抑制できる。
【0015】
第五の発明は、第一~第四の発明であって、前記折り畳み機構は、前記シートの搬送方向について前記第1支持面の上流側の端部から、当該端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置に向かって延びて、前記シートを前記第1支持面に案内する案内面を備え、前記案内面には、前記上流側溝と連通する補助溝が形成されていることが好ましい。
【0016】
第五の発明によれば、案内面によってシートを安定して第1支持面に搬送できる。しかも、この案内面に補助溝が形成されていることにより、弾性部材を第1支持面に導入される直前に補助溝に導入して、当該補助溝を経由して弾性部材を確実に上流側溝に導入することができる。従って、上流側溝による弾性部材の位置ずれ抑制効果を確実に得ることができる。
【0017】
第六の発明は、第一~第五の発明であって、前記シートの搬送方向について前記第1支持面および前記第2支持面よりも下流側に設けられて、前記弾性部材に超音波振動を印加して当該弾性部材と前記シートとを溶着する溶着部を備えることが好ましい。
【0018】
第六の発明によれば、超音波振動を利用して弾性部材とシートとを溶着するので、弾性部材をシートに固定するための接着剤が不要になる。また、第1支持面および第2支持面よりも下流側に溶着部が設けられているので、各支持面に阻害されることなく超音波振動を弾性部材に印加できる。ただし、第1支持面および第2支持面よりも下流側ではじめて弾性部材がシートに固定されるため、第1支持面と第2支持面との間で弾性部材の位置ずれが生じやすくなる。これに対して、第一~第五の発明では、前記のように、弾性部材のシートの幅方向の移動が規制されて弾性部材の位置ずれが抑制される。従って、接着剤を不要とし、且つ、弾性部材の位置ずれを抑制しつつ弾性部材をシートに固定することができる。
【0019】
第七の発明は、第一~第六の発明に係る、折り畳み装置を用いて、前記弾性部材を挟み込むように前記シートを折り畳むため折り畳み方法であって、前記シート搬送機構を用いて前記シートをその長手方向に搬送するシート搬送工程と、前記弾性部材搬送機構を用いて前記弾性部材をその長手方向に搬送する弾性部材搬送工程と、前記折り畳み機構を用いて前記シートを折り畳む折り工程とを含み、前記弾性部材搬送工程では、前記第1支持面の上流側の端部から前記シートの厚み方向の一方側で且つ前記シートの搬送方向の上流側に離れた位置から前記第1支持面の上流側の端部を経由して前記第1支持面と前記第2支持面との間を通る経路に沿って、前記弾性部材を搬送する、折り畳み方法を提供する。
【0020】
第七の発明によれば、シートを介して弾性部材を上流側溝に押し込んだ状態で、折り畳まれるシート間に弾性部材を搬送することができる。従って、上流側溝によって弾性部材のシートの幅方向の移動を規制することができ、シートおよび弾性部材を搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、弾性部材の位置ずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シートおよび弾性部材を搬送しながら弾性部材を挟み込むようにシートをその幅方向に折り畳みつつ、シートの幅方向についての弾性部材の位置ずれを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る折り畳み装置の全体構成を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、シートおよび弾性部材が搬送されている状態における折り畳み装置を示す概略側面図である。
【
図3】
図3は、シートおよび弾性部材が搬送されている状態における折り畳み装置を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る折り畳み装置を用いて製造されたシート状弾性体が適用された使い捨ておむつを示す概略図である。
【
図6】
図6は、折り畳み装置の折り畳み機構により実行されるシートの折り畳み動作を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0024】
図1、
図2は、本発明の実施形態に係る折り畳み装置1の全体構成を示す概略側面図である。
図3は、折り畳み装置1を示す概略斜視図である。折り畳み装置1は、シート100および弾性部材200を搬送しながら弾性部材200を挟み込むようにシート100を折り畳む。
図1は、シート100および弾性部材200が搬送されていない状態の折り畳み装置1を示す図である。
図2および
図3は、シート100および弾性部材200が搬送されている状態の折り畳み装置1を示す図である。なお、
図3では、後述する溶着部60等の一部の要素が省略されている。
【0025】
折り畳み装置1は、シート100を搬送するシート搬送機構20と、弾性部材200を搬送する弾性部材搬送機構30と、シート100を折り畳む折り畳み機構40と、シート100と弾性部材200と溶着する溶着部60とを備える。
【0026】
まず、折り畳み装置1の動作の概要を説明する。
【0027】
折り畳み装置1では、シート搬送機構20と弾性部材搬送機構30によってシート100と弾性部材200とがこれらの長手方向にそれぞれ搬送されて折り畳み機構40に送られる。折り畳み機構40に送られたシート100は、折り畳み機構40によってその幅方向の一部がシートの厚み方向について互いに重なるように折り畳まれる。折り畳み機構40に送られた弾性部材200は、シート100の重なり部分の内側、つまり、互いに重ね合わせられるシート100の一部どうしの間を通るように搬送される。これにより、折り畳み機構40において、弾性部材200はシート100に挟み込まれた状態になる。一部が重ね合わせられたシート100およびシート100に挟み込まれた弾性部材200は、シート搬送機構20と弾性部材搬送機構30によって溶着部60に送られて、溶着部60によって互いに溶着される。
【0028】
このように、折り畳み装置1は、弾性部材200を挟み込むようにシート100を折り畳むとともに、弾性部材200とシート100とを溶着させる。これにより、折り畳み装置1によって、シート100の一部に弾性部材200が挟み込まれたシート状弾性体E1が製造される。このシート状弾性体E1は、例えば、
図4に示すように、使い捨ておむつD1のウエスト用の弾性部材として利用することができる。
【0029】
次に、折り畳み装置1の詳細構造について説明する。
【0030】
(シート搬送機構)
シート搬送機構20は、
図2の矢印X1に示すようにシート100をその長手方向に搬送する。シート搬送機構20は、シート100を折り畳み機構40および溶着部60を通過するように搬送する。
図1および
図2は、折り畳み機構40を通過中のシート100の幅方向に沿って見た折り畳み装置1の図である。
図2に示すように、シート100の幅方向に沿ってみたときに、シート100は、折り畳み機構40において、所定の直線L1に沿って搬送され、その後、直線L1と交差する直線L2に沿って搬送される。シート100の幅方向の一部は、直線L2に沿った移動途中にシート100の厚み方向に重ね合わせられる。
【0031】
以下では、適宜、シート100の搬送方向X1をシート搬送方向X1といい、折り畳み機構40を通過中のシート100の幅方向をシート幅方向Yという。また、説明を容易にするために、
図1および
図2の上下方向を上下方向とし、
図1および
図2の紙面と直交する面が水平面であるとして説明する。つまり、前記の直線L2に沿う方向とシート幅方向Yとに直交する方向であって直線L2に沿って搬送されているシート100の厚み方向を上下方向とし、直線L2とシート幅方向Yとが水平面に沿っているとして説明を行う。また、後述するように第1支持面44と第2支持面45とは上下方向に対向しており、上下方向について、第1支持面44に対する第2支持面45側を上とし、反対側を下として説明を行う。また、折り畳み機構40での直線L2に沿うシート100の搬送方向を前後方向といい、このシート100の搬送方向の下流側を前、反対側を後として説明する。なお、各方向はこれに限られない。例えば、直線L2に沿う方向あるいはシート幅方向Yが上下方向であってもよい。
【0032】
ここで、上下方向および前後方向を前記のように規定すると、
図2に示すように、シート幅方向Yに沿って見たときに、シート100は直線L1に沿って前斜め上方に搬送された後、直線L2に沿って前方に搬送されることになる。
【0033】
シート搬送機構20は、シート搬送方向X1について折り畳み機構40よりも下流側に設けられたアンビルローラ21を有する。アンビルローラ21は、折り畳み機構40から導出されたシート100を受け取る。具体的に、アンビルローラ21は折り畳み機構40の前方に配置されている。アンビルローラ21は、シート幅方向Yに延びる略円柱状を有しており、その外周面にシート100を受け取る。アンビルローラ21は、モータ23によって回転駆動される。モータ23によりアンビルローラ21が回転駆動されると、シート100はアンビルローラ21に巻き取られていく。これにより、シート100は、シート搬送方向X1に沿って搬送される。なお、アンビルローラ21を回転駆動する駆動源はモータに限られない。
【0034】
シート搬送機構20は、シート搬送方向X1について、折り畳み機構40よりも下流側、且つ、アンビルローラ21よりも上流側に設けられた下流側案内部70を有する。下流側案内部70は、折り畳み機構40の前側の端部から前方にわずかに離間した位置に配設されている。下流側案内部70は、シート幅方向Yに延びる略円柱状を呈する。折り畳み機構40から導出されたシート100は、下流側案内部70の下方を通ってアンビルローラ21に向かう。
【0035】
上下方向について、折り畳み機構40の後述する第1支持面44の下流側の縁(後縁)44Eであって折り畳み機構40からシート100および弾性部材が導出される部分の位置は、下流側案内部70の下端の位置よりも上側である。これにより、シート100は、第1支持面44の下流側の端部44Bおよび下流側の縁44Eから、当該端部44Bから下側で且つシート搬送方向X1の下流側に離れた位置に向けて搬送される。
【0036】
本実施形態では、下流側案内部70は、折り畳み機構40の後述する第1支持部41に保持されている。下流側案内部70はアンビルローラ21の上側の端部の後側およびわずかに上側の位置に配設されており、下流側案内部70の下方を通過したシート100はアンビルローラ21の上端付近に導入される。
【0037】
シート搬送機構20は、シート搬送方向X1について折り畳み機構40よりも上流側に設けられたシート案内ローラ22を有する。シート案内ローラ22は、折り畳み機構40の前斜め下方に配設されている。シート案内ローラ22は、シート幅方向Yに延びる略円柱状を有する。シート案内ローラ22は、シート幅方向Yに沿ってみたときに、その外周面が直線L1と略接するように設けられている。シート100は、シート案内ローラ22の下部にかけ渡された状態で折り畳み機構40に搬送される。
【0038】
(折り畳み機構)
折り畳み機構40は、第1支持部41と、案内部42と、第2支持部43と、押圧部80とを有する。
【0039】
(基本構成)
第1支持部41は、その上面を構成してシート100を下方から支持する第1支持面44を有する。第1支持面44は、シート搬送方向X1に沿って延びている。具体的に、第1支持面44は、直線L2に沿って延びており、ここでは略水平に延びている。シート100は、第1支持面44上を移動する。換言すると、シート100は、第1支持面44上を移動することにより直線L2に沿って搬送される。なお、前記のように、上下方向について、第1支持部41は、第1支持面44の下流側の縁(後縁)44Eが下流側案内部70の下端よりも上側に位置するように配設されている。
【0040】
図3に示すように、第2支持部43は板状を呈している。第2支持部43は、第1支持部41から上方に離間した位置において略水平に延びている。第2支持部43は、その下面を構成して第1支持面44と対向する第2支持面45を有する。第2支持面45は、第1支持面44からわずかに上方の位置において第1支持面44と略平行に延びている。つまり、第2支持面45は直線L2およびシート搬送方向X1に沿って延びている。第1支持面44と第2支持面45との間には上下方向について隙間Zが区画されている。
【0041】
図5は、
図1のV-V線断面図である。
図5に示すように、第2支持部43は、保持部46を介して第1支持部41に保持されている。保持部46は、第2支持部43のシート幅方向Yの一方側の縁から下方に延びる板状を呈している。本実施形態では、第2支持部43と保持部46とは板状の部材が折り曲げられることにより互いに一体に形成されている。保持部46の下端部は第1支持部41のシート幅方向Yの一方側の側面にボルト(不図示)により固定されており、これにより、第2支持部43は第1支持部41に保持されている。この構成より、第1支持面44と第2支持面45との間の隙間Zのシート幅方向Yの一方側は保持部46により封鎖されている。一方、第1支持面44と第2支持面45との間の隙間Zは、シート幅方向Yの他方側において開放されている。
【0042】
以下では、説明を容易にするため、適宜、シート幅方向Yを左右方向といい、隙間Zが閉鎖されている側を右、開放されている側を左という。
【0043】
図3に示すように、第2支持部43の左右方向の寸法は前側ほど大きくなっている。詳細には、第2支持部43の右端は前後方向に真っ直ぐに延びている。一方、第2支持部43の左端は、その前側の端部付近を除き、前方に向かって左側に傾斜している。なお、第2支持部43の左端の前側の端部付近は前後方向に真っ直ぐ延びている。
【0044】
第2支持面45には、その前後方向の中間位置、つまり、シート搬送方向X1における上流側の端部44Aと下流側の端部44Bの間の位置に、その一部が切りかかれることにより、隙間Zを上下方向に開放する開放部48が形成されている。開放部48は、上方から見て略四角形状を呈し、第2支持面45の左端から右方に凹むように形成されている。第2支持面45には、前後方向の互いに異なる位置に2つの開放部48が形成されている。
【0045】
第1支持面44のうち各開放部48と対向する位置には、それぞれ退避溝44Dが形成されている。退避溝44Dは下方に凹んで上側に開く溝である。各退避溝44Dは、シート幅方向Yについて第1支持面44の全長にわたって延びている。
【0046】
押圧部80は、シート幅方向Yに延びる棒状部材である。本実施形態では、押圧部80は、シート幅方向Yに延びる略円柱状を呈している。押圧部80は、上下方向に沿ってみたときに、開放部48の内側に設けられている。具体的に、折り畳み機構40は、2つの押圧部80を有し、2つの開放部48の内側にそれぞれ1つずつ押圧部80が配設されている。
【0047】
押圧部80は、第1支持面44から上方に離間した位置に配設されており、シート100は押圧部80の下方を通るように搬送される。本実施形態では、押圧部80は、第1支持部41に固定されている。具体的に、押圧部80の右端からは下方に向けて押圧部用保持部82が延びており、この押圧部用保持部82の下端が第1支持部41にボルト等(不図示)によって固定されている。
【0048】
案内部42は、第1支持部41の上流側の端部44Aから、当該端部44Aから下側で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置に向かって延びる部材である。つまり、案内部42は、上流側の端部44Aから下斜め後方に延びている。
図1の例では、案内部42は板状を呈している。案内部42は、その上面を構成して、第1支持面44の上流側の端部44Aから、当該端部44Aから上下方向について下側で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置に向かって延びる案内面47を有する。案内面47は、シート100を下方から支持するとともに、シート100を第1支持面44に案内するものであり、直線L1に沿って延びている。換言すると、シート100は、案内面47上を移動することにより直線L1に沿って第1支持面44に向けて搬送される。
【0049】
案内面47は、略台形状の平面である。上方から見て、案内面47および案内部42の右端47Aは、第1支持面44の右端の後端から後ろ斜め右方に延びている。
【0050】
(折り畳み動作)
図3および
図6を参照して、折り畳み機構40により実行されるシート100の折り動作について説明する。
図6は、このシート100の折り畳み動作を説明するための工程図である。
【0051】
シート100は、
図3の鎖線に示すように、その右側の一部が案内部42の前部においてその右端47Aから右方にはみ出す状態で案内面47上を移動し、その後、第1支持面44と第2支持面45との間の隙間Zに導入されて、隙間Z内を移動する。
【0052】
前記のように、案内面47は、略水平に延びる第1支持面44の後端から後ろ斜め下方に延びている。これにより、
図6に示すように、案内面47と第1支持面44との境界部分によって、シート100は、その左端から左右方向の途中部までの間で左右方向に延びる第1折り線B1によって折り曲げられる。また、前記のように、シート100は、案内部42の右端47Aから右方にはみ出す状態で案内面47上を搬送される。これにより、案内部42の右端47Aによって、第1折り線B1の終端(右端)から前斜め右方に傾斜するように延びる第2折り線B2によって折り曲げられる。
【0053】
シート100の第1折り線B1の終端から右側の部分100Aは、シート搬送方向X1における第1折り線B1の上流側において、第2支持部43によって表裏反転されて、シート100の第1折り線B1の終端から左側の部分100Bと平行になるように、つまり、この部分100Bとシート100の厚み方向について重なるように折り畳まれる。これにより、シート100に、その幅方向の一方の部分100Aが他方の部分100Bに対してその厚み方向について重ね合わせられた重なり部分100Cが形成される。
【0054】
ここで、前記のように、第2支持部43の左縁43Aは、前方に向かって左側に傾斜していることにより、シート100の右側の部分100Aは、前方に向かうに従って徐々に表裏反転される。また、隙間Zに導入される前にシート100には前記の第1折り線B1および第2折り線B2が形成されている。これにより、シート100の右側の部分100Aは、隙間Zの通過中に円滑に表裏反転される。
【0055】
このように、シート100の一部は、第1支持面44と第2支持面45との間の隙間Zを通過することにより重ね合わせられるとともに重ね合わされた状態で折り畳み機構40から導出されるようになっており、第1支持面44は、シート100の重なり部分100Cをシート100の厚み方向の一方側(ここでは下側)から支持し、第2支持面45は、この重なり部分100Cの形状を保持するように重なり部分100Cをシート100の厚み方向の他方側(ここでは上側)から支持する。また、第2支持面45に形成された開放部48は、シート100の重なり部分100Cを開放することになる。
【0056】
(折り畳み機構の要部の詳細構成)
図7Aは、
図3のVIIで示す部分を拡大した図である。
図7Bは、
図7AのB1-B1線における概略断面図である。なお、
図7Aでは、シート100の図示は省略している。また、
図7Aでは、弾性部材200を鎖線で示している。また、
図7Bでは、シート100および弾性部材200を誇張して示している。
【0057】
図7Aに示すように、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部(後側の端部)44Aには複数の上流側溝51が形成されている。上流側溝51は、下方に凹んで上側に開く溝である。これらの上流側溝51は、前後方向に沿って延びる形状を有し、後方に開放されている。つまり、上流側溝51は、直線L2に沿うシート搬送方向X1沿って延びる形状を有し、シート搬送方向X1の上流側に向かって開放されている。複数の上流側溝51は、シート幅方向Yについて互いに平行に延びている。
【0058】
また、
図7Aに示すように、案内面47には、上流側溝51とそれぞれ連通する複数の補助溝53が形成されている。各補助溝53は、シート搬送方向X1における案内面47の下流側の端部(前側の端部)47Bに形成されている。各補助溝53は、直線L1に沿うシート搬送方向X1に沿って延びている。
【0059】
図8Aは、
図3のVIIIで示す部分を拡大した図である。
図8Bは、
図8AのB2-B2線における概略断面図である。なお、
図8Aでは、第2支持部43およびシート100の図示は省略している。また、
図8Aでは、弾性部材200を鎖線で示している。また、
図8Bでは、シート100および弾性部材200を誇張して示している。
【0060】
図8Aに示すように、シート搬送方向X1における第1支持面44の下流側の端部(前側の端部)44Bには複数の下流側溝52が形成されている。上流側溝51は、下方に凹んで上側に開く溝である。これらの下流側溝52は、前後方向に沿って延びる形状を有し、前方に開放されている。つまり、下流側溝52は、直線L2に沿うシート搬送方向X1沿って延びる形状を有し、シート搬送方向X1の下流側に向かって開放されている。
【0061】
第1支持面44の下流側の端部44Bには、上流側溝51と同じ数の下流側溝52が形成されている。これら下流側溝52は、シート幅方向Yについて互いに平行に延びている。また、各下流側溝52のシート幅方向Yの位置と各上流側溝51のシート幅方向Yの位置とは一致している。
【0062】
本実施形態では、下流側溝52の底面52Aは下方且つシート搬送方向X1の下流側(前方)に向かって傾斜している。具体的に、下流側溝52の深さ寸法は略一定である。一方、第1支持面44の下流側の端部44Bが下方且つシート搬送方向X1の下流側に向かって傾斜している。そして、シート搬送方向X1についてこの傾斜部分の全長にわたって下流側溝52が形成されている。これにより、下流側溝52の底面52Aは前記のように傾斜している。また、本実施形態では、シート搬送方向X1について、下流側溝52の寸法は、上流側溝51の寸法よりも長く設定されている。
【0063】
図9Aは、
図3のIXで示す部分を拡大した図である。
図9Bは、
図9AのB3-B3線における概略断面図である。なお、
図9Aでは、シート100の図示は省略している。また、
図9Aでは、弾性部材200を鎖線で示している。また、
図9Bでは、シート100および弾性部材200を誇張して示している。
【0064】
図9Aに示すように、前記の押圧部80は、隙間Zを通過するシート100の重なり部分100Cを上方から押圧する。具体的に、押圧部80は、上下方向について、その下端の位置が第2支持面45よりもわずかに下方となる位置に配設されており、第2支持面45に沿うように移動するシート100の重なり部分100Cに上方から当接してこれを下方に押圧する。また、押圧部80は、シート幅方向Yについて、弾性部材200が通過する領域全体にわたるように延びている。これにより、押圧部80は、重なり部分100Cのうち弾性部材200が存在する部分を押圧する。なお、2つの押圧部80およびその周辺の構造は互いに同じである。
【0065】
各押圧部80の下面81つまりシート100の重なり部分100Cを向く部分には、それぞれ複数の中間溝54が形成されている。中間溝54は、上方に凹んで下方に開く、つまり、押圧部80が重なり部分100Cを押圧する方向に開く溝である。これらの中間溝54は、前後方向に沿って延びる形状を有し、前方および後方に開放されている。つまり、中間溝54は、直線L2に沿うシート搬送方向X1沿って延びる形状を有し、シート搬送方向X1の下流側および上流側に向かって開放されている。
【0066】
各押圧部80の下面81には、上流側溝51および下流側溝52と同じ数の中間溝54がそれぞれ形成されている。これら中間溝54は、シート幅方向Yについて互いに平行に延びている。また、各中間溝54のシート幅方向Yの位置と各上流側溝51および各下流側溝52のシート幅方向Yの位置とは一致している。
【0067】
(弾性部材搬送機構)
弾性部材搬送機構30は、
図2の矢印X2に示すように弾性部材200をその長手方向に搬送する。弾性部材搬送機構30は、弾性部材200をその長手方向に伸長した状態で搬送する。弾性部材搬送機構30は、弾性部材200を折り畳み機構40および溶着部60を通過するように搬送する。以下では、弾性部材200の搬送方向を、適宜、弾性部材搬送方向X2という。
図3に示すように、本実施形態では、弾性部材搬送機構30は、複数本(図例では3本)の弾性部材200を搬送する。
【0068】
弾性部材搬送機構30は、各弾性部材200を、シート幅方向Yについて略平行に延びる姿勢で搬送する。つまり、各弾性部材200の搬送経路R10はシート幅方向Yについて略平行となっている。以下では、主として、1つの弾性部材200の搬送経路R10について説明する。
【0069】
シート幅方向Yに沿ってみたときに、弾性部材搬送機構30は、弾性部材200を、第1搬送経路R1に沿って、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aから下側で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置から、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aに搬送する。その後、弾性部材搬送機構30は、第1支持面44と第2支持面45との間を通る第2搬送経路R2に沿って弾性部材200を搬送する。つまり、弾性部材搬送機構30は、弾性部材200を、第1支持面44の後側の端部44Aから前斜め下方に離れた位置から第1支持面44の後側の端部44Aを経由して第1支持面44と第2支持面45との間を通る搬送経路R10に沿って搬送する。
【0070】
第1搬送経路R1は、案内面47の上方を通る経路であり、弾性部材搬送機構30は、案内面47上を搬送されているシート100の上方を通るように弾性部材200を搬送する。第2搬送経路R2は、第1支持面44および第2支持面45に沿って前後方向つまり直線L2に沿うシート搬送方向X1に沿って延びる経路である。第2搬送経路R2上において、弾性部材200は、第1支持面44に下方から支持されるシート100の左側部分100Aの上面に沿って搬送されて、上方からシート100の右側部分100Bが被せられる。これにより、弾性部材200はシート100の重なり部分100Cの内側に挟み込まれる。
【0071】
弾性部材200は、第2搬送経路R2に沿って折り畳み機構40内を搬送される。折り畳み機構40から導出された弾性部材200は、その後、シート100と一体に搬送される。つまり、折り畳み機構40を通過した弾性部材200は、シート100とともに第1支持面44の下流側の端部44Bから、下流側案内部70の下方を通って、当該端部44Bから下側で且つシート搬送方向X1の下流側に離れた位置に向けて搬送される。
【0072】
具体的に、本実施形態では、アンビルローラ21が回転駆動されることにより、シート100とともに弾性部材200がアンビルローラ21に巻き取られ、弾性部材200は下流側案内部70の下方を通ってアンビルローラ21の上端付近に導入される。このように、本実施形態では、アンビルローラ21は、シート搬送機構20を構成するとともに弾性部材搬送機構30を構成する。
【0073】
弾性部材搬送機構30は、弾性部材搬送方向X2について折り畳み機構40よりも上流側に設けられた弾性部材案内ローラ32を有する。弾性部材案内ローラ32は、第1支持面44の後側の端部44Aの前斜め下方に配設されている。弾性部材案内ローラ32は、シート幅方向Yに延びる略円柱状を有する。弾性部材案内ローラ32は、シート幅方向Yに沿ってみたときに、その外周面が、第1搬送経路R1が沿う直線に略接するように設けられている。弾性部材200は、弾性部材案内ローラ32の下部にかけ渡された状態で折り畳み機構40に向けて搬送される。本実施形態では、弾性部材案内ローラ32の外周面には、その全周にわたって、シート幅方向Yについて互いに平行に延びる複数の溝(不図示)が形成されている。搬送される複数の弾性部材200は、それぞれこの溝に挿入された状態で弾性部材案内ローラ32に架け渡されている。
【0074】
(溶着部)
溶着部60は、シート100と弾性部材200とを超音波溶着する。溶着部60は、対象物に超音波を印加するいわゆるホーンである。溶着部60は、弾性部材200に超音波を印加して、弾性部材200をシート100に溶着させる。
【0075】
溶着部60は、シート搬送方向X1について折り畳み機構40よりも下流側に設けられている。溶着部60は、アンビルローラ21の外周面と対向する位置に設けられている。詳細には、溶着部60は、アンビルローラ21の外周面のうちシート100の重なり部分100Cが通過する領域と対向する位置に設けられている。溶着部60は、この重なり部分100Cに対して超音波を印加する。つまり、溶着部60は、シート100の重なり部分100Cと、シート100の間に挟み込まれた弾性部材200に超音波を印加する。超音波を印加されることにより弾性部材200の一部は溶融してシート100に溶着する。
【0076】
(折り畳み方法)
以下、前述した折り畳み装置1を用いたシート100の折り畳み方法について説明する。
【0077】
折り畳み方法は、シート搬送工程と、弾性部材搬送工程と、折り工程とを含む。
【0078】
シート搬送工程では、前記のシート搬送機構20を用いてシート100をその長手方向に搬送する。
【0079】
弾性部材搬送工程では、前記の弾性部材搬送機構30を用いて弾性部材200をその長手方向に搬送する。
【0080】
折り工程では、前記の折り畳み機構40を用いてシート100を折り畳む。
【0081】
弾性部材搬送工程では、弾性部材200を、前記の経路R10であって、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aから下側に離れた位置から第1支持面44の上流側の端部44Aを経由して、互いに重ね合わされたシート100の一部どうし(100A、100B)の間を通る経路R10に沿って搬送する。
【0082】
(作用等)
以上説明したように、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、折り畳み機構40に、シート搬送方向X1に沿って延びるとともにシート100の重なり部分100Cを下側(つまり、シート100の厚み方向の一方側)から支持する第1支持面44と、第1支持面44と対向してシート搬送方向X1に沿って延びるとともにシート100の重なり部分100Cの形状を保持するように当該重なり部分100Cを上側(つまり、シート100の厚み方向の他方側)から支持する第2支持面45とが設けられている。そして、第1支持面44と第2支持面45の間を通過する途中に、シート100が折り畳まれてシート幅方向Yの一方の部分100Aが他方の部分100Bに重ね合わされるようになっている。また、弾性部材200が第1支持面44と第2支持面45との間を通る経路に沿って搬送されて、互いに重ね合わせられるシート100の一方の部分100Aと他方の部分100Bとの間に導入される。そのため、シート100および弾性部材200をこれらの長手方向に搬送しながら弾性部材200を内側に挟み込んだ状態でシート100を折り畳むことができるとともに、シート100の重なり部分100Cの形状を保持することができる。
【0083】
ただし、弾性部材200およびシート100が2つの支持面44、45で覆われた状態で搬送されることにより、これら支持面44、45の間に弾性部材200の位置を拘束するための部材を設けることが難しい。そのため、2つの支持面44、45間に位置する弾性部材200が、シートの幅方向Yについて適切な位置からずれるおそれがある。
【0084】
これに対して、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aに、下方に凹んで上側に開く(つまり、シート100の厚み方向の他方側に開く)上流側溝51が形成されている。また、弾性部材200の搬送経路R10が、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aから下側(つまり、シートの厚み方向の一方側)で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置から、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aに向かう第1搬送経路R1と、第1支持面44と第2支持面45との間を通る第2搬送経路R2を含むように設定されている。すなわち、弾性部材200が、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aから下側(つまり、シート100の厚み方向の一方側)で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置から、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aを経由して第1支持面44と第2支持面との間を通る経路R10に沿って搬送されるようになっている。
【0085】
これにより、第1支持面44の上流側の端部44Aにおいて弾性部材200に下向きの力であって上流側溝51の凹み方向の力を付与して、
図7Bに示すように、シート100を介して弾性部材200を上流側溝51に押し込むことができる。そのため、上流側溝51によって第1支持面44の上流側の端部44Aにおける弾性部材200のシート幅方向Yの移動を規制でき、弾性部材搬送方向X2について第1支持面44の上流側の端部44Aよりも下流側において、つまり、第1支持面44と第2支持面45との間において、弾性部材200がシート幅方向Yに移動するのを抑制することができる。このように、第1実施形態に係る折り畳み装置1によれば、シート100および弾性部材200を搬送しながら弾性部材200を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、弾性部材200の位置ずれを抑制することができる。
【0086】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、シート搬送方向X1における第1支持面44の下流側の端部44Bに、下方に凹んで上側に開く(つまり、上流側溝51の開き方向と同じ方向に開く)下流側溝52であって上流側溝51の凹み方向と同じ方向に凹む下流側溝52が形成されている。また、シート100であって弾性部材200を挟み込んだシート100が、第1支持面44の下流側の端部44Bから、当該端部44Bから下側(つまり、シート100の厚み方向の一方側)で且つシート搬送方向X1の下流側に離れた位置に向けて搬送されるようになっている。
【0087】
これにより、第1支持面44の下流側の端部44Bにおいて弾性部材200に下向きの力であって下流側溝52の凹み方向の力を付与して、
図8Bに示すように、シート100を介して弾性部材200を下流側溝52に押し込むことができる。そのため、第1支持面44の下流側の端部44Bにおいても弾性部材200のシート幅方向Yの移動を規制することができ、第1支持面44と第2支持面45との間で弾性部材200がシート幅方向Yについて移動するのを確実に規制できる。
【0088】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、第2支持面45に隙間Zおよびこれを通過するシート100の重なり部分100Cを上下方向(つまり、シート100の厚み方向)に開放する開放部48が形成されて、この開放部48に、シート100の重なり部分100Cを下向きに押圧する、つまり重なり部分100Cをシート100の厚み方向の一方側から押圧する押圧部80が設けられている。また、この押圧部80の下面であって押圧部80の外側面のうちシート100の重なり部分100Cを向く部分に、上方に凹んで下方に開く(つまり、重なり部分100Cを押圧する方向に開く)中間溝54が形成されている。
【0089】
そのため、シート100を介して弾性部材を中間溝54に押し込むことができ、シート搬送方向X1における第1支持面44の中間部分においても弾性部材200のシート幅方向Yの移動を規制できる。従って、第1支持面44と第2支持面45との間で弾性部材200がシート幅方向Yについて移動するのをより確実に抑制できる。
【0090】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、第1支持面44に、開放部48と対向する位置において、下方に凹んで上側に開く退避溝44Dが形成されている。そのため、押圧部80によって下向きに押し下げられたシート100の重なり部分100Cを退避溝44Dに逃がすことができる。つまり、第1支持面44と第2支持面45のうち開放部48が形成された一方の支持面とは異なる支持面に、開放部48と対向する位置において、一方の支持面に向かって開く退避溝44Dが形成されていることにより、シート100の重なり部分100Cを他方側に退避させることができる。これにより、弾性部材200を押圧部80の中間溝54内に押し込んで弾性部材200の移動を規制しつつ、押圧部80付近におけるシート100および弾性部材200の通過空間を確保して押圧部80周辺でシート100が目詰まりするのを抑制できる。
【0091】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、上流側溝51と下流側溝52と中間溝54のシート幅方向Yの位置が同じ位置に設定されている。そのため、第1支持面44に沿って移動する途中で弾性部材200のシート幅方向の位置が変化するのを防止できる。従って、弾性部材200をより確実にシート100に対して適切な位置に配設できる。
【0092】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、折り畳み機構40の案内部42に、第1支持面44の上流側の端部44Aから、当該端部44Aから上下方向について下側(つまり、シート100の厚み方向の一方側)で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置に向かって延びる案内面47が設けられて、当該案内面47によってシート100が第1支持面44に案内されるようになっている。そのため、シート100を安定して第1支持面44に搬送できる。
【0093】
しかも、案内面47に、上流側溝51と連通する補助溝53が設けられている。そのため、弾性部材200を第1支持面44に導入される直前に補助溝53に導入することができる。そして、補助溝53を介して弾性部材200を確実に上流側溝51に導入することができる。従って、上流側溝51による前記の弾性部材200の位置ずれ抑制効果を確実に得ることができる。
【0094】
また、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、シート搬送方向X1について折り畳み機構40よりも下流側に溶着部60が設けられて、溶着部60から弾性部材200に超音波振動が印加されることにより弾性部材200とシート100とが溶着されるようになっている。そのため、接着剤を用いずに、弾性部材200とシート100とを溶着することができる。また、第1支持面44および第2支持面45よりも下流側に溶着部60が設けられているので、各支持面44、45に阻害されることなく超音波振動を弾性部材200に印加できる。ただし、第1支持面44および第2支持面45よりも下流側ではじめて弾性部材200がシート100に固定されるため、第1支持面44と第2支持面45との間を通過する途中に弾性部材200の位置ずれが生じやすくなる。これに対して、前記のように、前記実施形態に係る折り畳み装置1では、第1支持面44と第2支持面45との間における弾性部材200のシート幅方向Yの移動が規制されて、弾性部材200の位置ずれが抑制される。従って、接着剤を不要とし、且つ、弾性部材200の位置ずれを抑制しつつ、弾性部材200をシート100に固定することができる。
【0095】
また、前記実施形態に係る折り畳み方法では、弾性部材搬送工程において、弾性部材200が、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aから下側(つまり、シート100の厚み方向の一方側)で且つシート搬送方向X1の上流側に離れた位置から、シート搬送方向X1における第1支持面44の上流側の端部44Aを経由して第1支持面44と第2支持面との間を通る経路R10に沿って搬送される。
【0096】
そのため、第1支持面44の上流側の端部44Aにおいて、シート100を介して弾性部材200を上流側溝51に押し込んで、第1支持面44の上流側の端部44Aにおいて弾性部材200のシート幅方向Yの移動を規制できる。従って、シート搬送工程、弾性部材搬送工程および折り工程を実施してシート100および弾性部材200を搬送しながら弾性部材200を挟み込むようにシートを折り畳みつつ、第1支持面44と第2支持面45との間で弾性部材200がシート幅方向Yに移動するのを抑制して弾性部材200の位置ずれを防止できる。
【0097】
(変形例)
前記実施形態では、折り畳み装置1が2つの開放部48と2つの押圧部80を有する場合を説明したが、開放部48および押圧部80の数は2つに限られない。ただし、折り畳み装置1にこれらを2つ以上設ければ、弾性部材200の位置ずれをより確実に抑制できる。
【0098】
また、前記実施形態では、押圧部80の下端の位置が、第2支持面45よりも下方である場合を説明したが、押圧部80はシート100の重なり部分100Cを押圧可能であればよく、その位置は前記に限られない。
【0099】
また、前記実施形態では、第2支持面45に開放部48を設けて、押圧部80がシート100の重なり部分100Cを上方から押圧する場合を説明したが、第1支持面44に開放部を設けて、押圧部80がシート100の重なり部分100Cを下方から押圧するように構成してもよい。
【0100】
また、前記実施形態では、アンビルローラ21が回転駆動されることによりシート100および弾性部材200が各搬送方向X1、X2に沿って搬送される場合を説明したが、これらを搬送させるための具体的構造はこれに限られない。
【0101】
また、下流側溝52、案内部42および案内面47、補助溝53、開放部48、押圧部80はそれぞれ省略可能である。
【0102】
また、上流側溝51、下流側溝52および中間溝54は、シート幅方向Yについて互いに異なる位置に設けられてもよい。
【0103】
また、折り畳み機構40からシート搬送方向X1および弾性部材搬送方向X2において折り畳み機構40から下流側におけるシート100および弾性部材200の搬送経路は、前記に限られない。また、第1支持面44の下流側の端部44Bは、前記のような傾斜する構成でなくてもよい。また、各溝51、52、53、54の数は前記に限られない。
【0104】
また、前記実施形態では、折り畳み装置1が1つの折り畳み機構40を有する場合を説明したが、1つの折り畳み装置1に複数の折り畳み機構40を設けてもよい。具体的に、複数のシート200と各シート200に挟み込まれる弾性部材200とを、共通のシート搬送機構20および共通の弾性部材搬送機構30によって搬送して、各シート200をそれぞれ内側に弾性部材200を挟み込ませながら各折り畳み機構40で折り畳むように構成してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 折り畳み装置
20 シート搬送機構
30 弾性部材搬送機構
40 折り畳み機構
44 第1支持面
45 第2支持面
47 案内面
51 上流側溝
52 下流側溝
53 補助溝
54 中間溝
60 溶着部
80 押圧部
100 シート
200 弾性部材