(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081196
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】銅黒鉛質ブラシ
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20240611BHJP
C22C 47/14 20060101ALI20240611BHJP
C22C 49/02 20060101ALI20240611BHJP
C22C 1/04 20230101ALI20240611BHJP
C22C 1/05 20230101ALI20240611BHJP
【FI】
H02K13/00 P
C22C47/14
C22C49/02
C22C1/04 A
C22C1/05 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194637
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】393010787
【氏名又は名称】トライス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】小原 寛裕
(72)【発明者】
【氏名】北角 圭崇
【テーマコード(参考)】
4K018
4K020
5H613
【Fターム(参考)】
4K018AA03
4K018AB05
4K018AB07
4K018AB08
4K018AC01
4K018BA02
4K018BC12
4K018CA11
4K018DA21
4K018KA34
4K018KA35
4K020AA04
4K020AA23
4K020AA24
4K020AA26
4K020AC04
4K020BA02
4K020BB08
4K020BB29
4K020BC01
5H613BB14
5H613GA10
5H613GB08
5H613GB12
5H613GB13
5H613GB17
(57)【要約】
【構成】 銅黒鉛質ブラシのブラシ本体は、黒鉛とバインダー樹脂由来の未炭化分と炭素繊維を含むカーボンと、銅と、金属硫化物固体潤滑剤とを含む。ブラシ本体は、銅とカーボンと金属硫化物固体潤滑剤の合計含有量を100mass%とした際に、銅含有量が15mass%以上60mass%以下、金属硫化物固体潤滑剤含有量が1mass%以上10mass%以下、かつ、これら以外の成分が5mass%以下である。さらに、銅黒鉛質ブラシの摺動面を電子顕微鏡で観察した際の、観察した面積当たりの炭素繊維が占める面積の割合が0.1%以上1.0%以下である。
【効果】 高電流かつ高回転数で使用した際の摩耗量が小さいので、電気自動車の駆動モータ、風力発電機などに適している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒鉛とバインダー樹脂由来の未炭化分と炭素繊維を含むカーボンと、銅と、金属硫化物固体潤滑剤とを含むブラシ本体を備え、
前記ブラシ本体は、銅とカーボンと金属硫化物固体潤滑剤の合計含有量を100mass%とした際に、銅含有量が15mass%以上60mass%以下、金属硫化物固体潤滑剤含有量が1mass%以上10mass%以下、かつ、これら以外の成分が5mass%以下であり、
さらに、銅黒鉛質ブラシの摺動面を電子顕微鏡で観察した際の、観察した面積当たりの炭素繊維が占める面積の割合が0.1%以上1.0%以下である、銅黒鉛質ブラシ。
【請求項2】
前記金属硫化物固体潤滑剤は、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、及びこれらの混合物の何れかであることを特徴とする、請求項1の銅黒鉛質ブラシ。
【請求項3】
ブラシ本体を非酸化雰囲気で加熱した際に、未炭化分が熱分解し揮発する成分を揮発分とし、揮発分を2mass%以上7mass%以下含有することを特徴とする、請求項1の銅黒鉛質ブラシ。
【請求項4】
電気自動車の駆動モータ用であることを特徴とする、請求項1~3の何れかの銅黒鉛質ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は銅黒鉛質ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及の高まりとともに、当初からの課題であった航続距離の問題は徐々に改善され、電気自動車の利便性は高まっている。一方で、電気自動車所有者は購入後の走行距離への関心も高く、従来の内燃機関車両と同等の走行距離、若しくは走行年数を要望する傾向がある。ここで走行距離とは車両が新車として完成してから現時点までのトータルな走行距離のことであり、例えば中古車の査定では重要項目となっている。
【0003】
電気自動車の駆動モータとしては交流(AC)が主流となっており、その中でもロータに永久磁石の代わりに界磁用コイルを設けた巻線界磁型同期モーター(EESM)がある。EESMはコンバータで調整した直流電流をロータに巻いた界磁巻線へ通電させ、電流供給はブラシとスリップリングを介して行われる。EESMに用いるブラシは電気自動車の推進力と連動するため、走行中は常に通電/摺動しており、電気自動車走行距離への影響は大きい。
【0004】
従来の内燃機関車両用に用いるモータ、及び通電、摺動用ブラシは、使用時にのみ稼働
するものと走行中は常時/随時稼働するものに分類することができる。上記分類のうち、前者はスタータ、ワイパー、電動ミラー用などであり、後者はオルタネータ、燃料ポンプ用などが該当する。一方、上記の通り電気自動車は走行中のモータは常時/随時回転しており、上記EESMの場合、電力供給のためにブラシはモータと連動して摺動している。従って、上記電気自動車走行、及びEESMの性質上、電気自動車用ブラシは耐久性が必須となる。また、内燃機関車両用のバッテリー電圧は12V,48Vであり、ブラシの耐電圧性能もこの電圧を基準としていた。一方、上記電気自動車では駆動電圧が300Vを上回るため、ブラシの耐電圧性能を向上させる必要がある。
【0005】
一方、大電流、高電圧で使用しても摩耗量が小さいブラシは、EV(電気自動車)以外にも、風力発電機などの発電施設などで要求される。これらの用途では、大電流かつ高電圧で使用しても摩耗量が小さく、メンテナンス無しでの長期間使用できるようにすることが要求される。
【0006】
関連する先行技術を示す。特許文献1(特開2015-82910)は、電気自動車のモータ用ブラシについて、ブラシ表面を導電性ダイヤモンドで被覆すると、摩耗量を1/100に減少させることができる、と報告している。しかしながら導電性ダイヤモンドの被覆が長期間に渡り保持されるかどうかは疑問である。
【0007】
特許文献2(特公平06-51894)は、金属黒鉛質ブラシに銅メッキした炭素繊維を5~15mass%添加することを開示している。炭素繊維の銅メッキは、周囲の金属粉と結合し、電気抵抗が減少し、機械的強度が増して耐摩耗性が向上するとされている。特許文献2のブラシは、炭素繊維自体の性質を利用するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-82910
【特許文献2】特公平06-51894
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の課題は、大電流かつ高電圧で使用しても摩耗量が小さいため、長期信頼性が高く、電気自動車、風力発電機などに適した銅黒鉛質ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の銅黒鉛質ブラシは、黒鉛と、バインダー樹脂由来の未炭化分と、炭素繊維を含むカーボンと、銅と、金属硫化物固体潤滑剤とを含むブラシ本体を備え、
前記ブラシ本体は、銅とカーボンと金属硫化物固体潤滑剤の合計含有量を100mass%とした際に、銅含有量が15mass%以上60mass%以下、金属硫化物固体潤滑剤含有量が1mass%以上10mass%以下、かつ、これら以外の成分が5mass%以下であり、
さらに、銅黒鉛質ブラシの摺動面を電子顕微鏡で観察した際の、観察した面積当たりの炭素繊維が占める面積の割合が0.1%以上1.0%以下である。
【0011】
好ましくは、金属硫化物固体潤滑剤は、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、及びこれらの混合物の何れかである。
【0012】
好ましくは、ブラシ本体を非酸化雰囲気で加熱した際に、未炭化分が熱分解し揮発する成分を揮発分とし、揮発分を2mass%以上7mass%以下含有する。
【0013】
この発明の銅黒鉛質ブラシは、電気自動車の駆動モータに特に適し、電気自動車の駆動用モータに最も適している。
【発明の効果】
【0014】
この発明では、炭素繊維(CF)をブラシ本体に含有させることにより、大電流かつ高回転数で使用した際の、銅黒鉛質ブラシの摩耗量を低下させる。CF濃度に関して、CFのブラシ全体での平均的な含有量よりも、摺動面に現れるCF濃度が重要であることを、発明者は見出した。摺動面でのCF濃度は、摺動面を電子顕微鏡で観察し、面積当たりの炭素繊維が占める面積の割合により測定できる。
【0015】
またこの発明では、適正量の金属硫化物固体潤滑剤を含有させることにより、耐摩耗性能を確保する。さらに銅含有量を適正にすることにより、摩耗量を小さくしながら、電気抵抗率を小さくする。また未炭化のバインダー樹脂由来の揮発分を適正量含有させることにより、曲げ強度を確保しながら、電気抵抗率を許容範囲内にする。
【0016】
数値限定の根拠を表1(実施例)と表2(比較例)に示す。なお摩耗量は、EVの駆動用モータにブラシを取り付け、スリップリングと摺接させ、時速140km相当の負荷で500時間使用した際の摩耗量である。実施例1と比較例1はCF濃度を除いて同じブラシであるが、摩耗量は3倍以上異なる。摺動面でCFが占める面積の割合(占有面積率)は0.1~1%が適当で、例えばこの割合が1.3%の比較例2ではスリップリングの損傷が発生した。CFの占有面積率が0.12%と低い実施例4では摩耗量がやや多いので、占有面積率は下限を0.1%とする。CFの占有面積率は、好ましくは0.2%以上1%以下とし、特に好ましくは0.3%以上で1%以下とする。
【0017】
銅と総カーボンと金属硫化物固体潤滑剤の合計を100mass%とする濃度で、銅濃度は15mass%以上で60mass%以下とする。銅濃度が約61mass%の比較例3では摩耗量が大きく、銅濃度が48mass%の実施例3と58mass%の実施例9では摩耗量が小さいので、銅濃度の上限を60mass%以下とする。銅濃度が16mass%の実施例8では抵抗率が許容範囲の上限に近いので、銅濃度の下限を15mass%とする。銅濃度は15mass%以上60mass%以下とし、好ましくは20mass%以上50mass%以下とし、48mass%ではやや摩耗量が大きかったので、最も好ましくは30mass%以上45mass%以下とする。
【0018】
実施例では二硫化タングステンを金属硫化物固体潤滑剤としたが、二硫化モリブデンあるいは二硫化タングステンと二硫化モリブデンの混合物でも良い。実施例では2mass%以上で3.6mass%以下の範囲で試験し、いずれの濃度でも金属硫化物固体潤滑剤に起因するとみられる問題は生じなかったので、その濃度を1mass%以上10mass%以下とする。
【0019】
ブラシ本体には、バインダー樹脂がブラシ本体の焼結時に不完全に炭化した未炭化分を含ませる。未炭化分濃度を直接測定することは難しいが、ブラシ本体を非酸化雰囲気で加熱した際の重量減少から、ブラシ本体の揮発分濃度を測定できる。そして揮発分濃度は未炭化分の濃度との相関が高い。揮発分が8mass%の比較例5では抵抗率が高すぎ、揮発分濃度が2~7mass%で所要の曲げ強度と抵抗率が得られたので、揮発分濃度は2mass%以上7mass%以下とする。揮発分濃度を3mass%以上とすると、より好ましい曲げ強度が得られる(実施例1~5)ので、揮発分濃度は3mass%以上で7mass%以下が好ましい。揮発分濃度が6mass%台(実施例7,8)では抵抗率が高いので、揮発分濃度は3mass%以上で10mass%以下が最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】実施例の銅黒鉛質ブラシの摺動面を示す電子顕微鏡写真
【
図4】ブラシの摺動面での炭素繊維(CF)占有率の測定例を示す図
【
図5】実施例1と比較例1,3での摩耗量の経時変化を示す特性図
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に基づいて定められ、かつ実施例に当業者に公知の事項を加えて変形できる。
【実施例0022】
ブラシの製造
銅粉と、黒鉛粉とフェノール樹脂等のバインダーと炭素繊維(CF)とから成るカーボンと、二硫化タングステン等の金属硫化物固体潤滑剤を混合し、プレス成型後に非酸化雰囲気で例えば300~500℃で焼成し、ブラシ本体とした。銅粉及び黒鉛粉の平均粒径、炭素繊維の種類、バインダー樹脂の種類等は任意である。カーボンは黒鉛と樹脂及びCF以外に、コークス等の不定形炭素を含んでいても良い。またブラシ本体は、これらの成分の他に、シリカ、アルミナ等の削摩材、黄銅、銀、燐化合物、などの第3成分を含んでいても良い。第3成分は、銅と総カーボンと金属硫化物固体潤滑剤を100mass%とする濃度で、5mass%以下とする。
【0023】
本発明で用いる炭素繊維は、例えばPAN系、ピッチ系、レーヨン系、フェノール系、リグニン系である。特にPAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維が好ましい。
【0024】
製造した銅黒鉛質ブラシ2を
図1に示す。4はブラシ本体で、6は摺動面、8はリード線である。
図1では摺動面6はリード線8を固定した面と隣接しているが、リード線8を固定した面の反対側の面を摺動面6としても良い。
【0025】
CF占有面積率の測定法
ブラシの摺動面を電子顕微鏡で倍率200倍で撮影し、500μm×600μm程度の観察面をランダムに4カ所取り出し、目視でCFを検出した。画像の例を
図2に、CFを含む部分の拡大画像を
図3に示す。CFの占有面積を画像解析プログラム(例えば「Image J」)により求め、4カ所での占有面積率の平均値をCFの占有面積率とした。
図4にブラシ摺動面の電子顕微鏡写真からCF占有面積率を測定する方法を示す。
【0026】
銅、総カーボン、金属硫化物固体潤滑剤、揮発分の定量
ブラシ本体を粉砕し、例えば硝酸水溶液に溶解し、キレート滴定により銅含有量を定量した。また上記の水溶液を用い、ICP分析(高周波誘導プラズマ結合分析)により金属硫化物固体潤滑剤含有量を定量した。硝酸水溶液への不溶分を用いて、例えば熱重量分析等により総カーボンの濃度を定量した。揮発分の定量では、ブラシ本体を粉末化し、室温から揮発が完了するまでの温度(例えば900℃)まで窒素雰囲気で昇温させ、重量減少分を揮発分とした。
【0027】
ブラシ特性の測定
ブラシ2を電気自動車の駆動用モータのスリップリングに摺接させ、自動車の走行速度で時速140km相当の回転速度で500時間使用し、摩耗量を測定した。ブラシ本体と同じプレス及び焼結条件で作成した試験片を用い、プレス時の加圧方向と平行な面を用いて、3点曲げ強度を測定した。電気抵抗率として、加圧方向と直角な方向での電気抵抗率を4端子法により測定した。
【0028】
ブラシ特性を測定した結果を、表1(実施例)と表2(比較例)及び
図5に示す。
【0029】
表1
実施例
実施例 銅 総カーボン WS2 揮発分 CF占有 摩耗量 曲げ強度 抵抗率
面積(%) (mm/500h) (MPa) (μΩ・cm)
1 41 56.4 2.6 3.9 0.53 0.61 26.0 155
2 31.4 65 3.6 3.0 0.45 0.58 27.5 920
3 48 49 3.0 3.0 0.60 0.75 33.5 75
4 41 56.4 2.6 3.8 0.12 0.82 25.8 178
5 41 55.4 3.6 4.0 0.98 0.55 29.6 167
6 41 56.4 2.6 2.3 0.53 0.75 20.3 135
7 41 56.4 2.6 6.9 0.53 0.57 35.6 245
8 16 76 8.0 6.6 0.53 0.61 11.0 1500
9 58 39.5 2.5 2.5 0.21 0.85 35.8 60
* 組成の単位はmass%で、銅と総カーボンとWS2の合計を100mass%とする。
* CFは炭素繊維。
* 何れも、500時間後にスリップリングの損傷無し。
* 実施例1のCF濃度は0.2mass%である。
【0030】
表2
比較例
比較例 銅 総カーボン WS2 揮発分 CF占有 摩耗量 曲げ強度 抵抗率
面積(%) (mm/500h) (MPa) (μΩ・cm)
1 41 56.4 2.6 3.3 0.00 2.23 25.2 155
2 41 56.4 2.6 3.9 1.30 0.90 33.5 200
3 61 36 3.0 2.7 0.05 1.55 35.2 75
4 41 56.4 2.6 1.9 0.03 1.36 7.5 178
5 32 64.4 3.6 8.0 0.08 1.26 27.5 2200
* 組成の単位はmass%で、銅と総カーボンとWS2の合計を100mass%とする。
* CFは炭素繊維。
* 比較例2は500時間後にスリップリングの損傷有り、他は損傷無し。
* 比較例1のCF濃度は0.2mass%である。
【0031】
実施例1と比較例1はCFの有無を除いて同一のブラシであるが、比較例1では摩耗量が実施例1の約3.5倍である。CF占有面積が1%以下(実施例)では摩耗量は0.82mm以下である。しかし1.3%の比較例2では0.90mmと大きく、またスリップリングの損傷が発生した。CF占有面積が0.12%の実施例を除くと、摩耗量は0.8mm未満になったので、CF占有面積は好ましく0.2%以上で1.0%以下、特に好ましくは0.3%以上で1.0%以下とする。
図5は、500時間の摺動時間(ブラシがスリップリングに対し摺動する時間)について、実施例1と、比較例1,3の摩耗量の変化を示す。実施例1の摩耗量は比較例1,3の摩耗量の40%以下で、実施例は高い耐摩耗性(耐久性)を備えていることが分かる。
【0032】
銅含有量が過剰(61mass%)な比較例3では摩耗量が大きく、銅濃度が16mass%と低い実施例8では抵抗率が許容範囲の上限に近づくので、銅含有量は15mass%以上60mas%以下とし、好ましくは20mass%以上50mass%以下とする。銅含有量が48mass%の実施例3ではやや摩耗量が大きかったので、銅含有量は最も好ましくは30mass%以上45mass%以下とする。
【0033】
揮発分が8mass%の比較例5では抵抗率が高すぎ、揮発分濃度が2~7mass%で所要の曲げ強度と抵抗率が得られたので、揮発分濃度は2mass%以上7mass%以下とする。揮発分濃度を3mass%以上とすると、高い曲げ強度が得られた(実施例1~5)ので、揮発分濃度は3mass%以上で7mass%以下が好ましい。なお揮発分濃度を6mass%以上(実施例7,8)にすると抵抗率が高くなったので、揮発分濃度は3mass%以上で5mass%以下が最も好ましい。