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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081222
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240611BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240611BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240611BHJP
   H10K 59/84 20230101ALI20240611BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240611BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 680H
G09G3/20 680G
G09G3/20 624B
G09G3/20 611H
G09G3/20 611F
G09G3/20 641Z
G09G3/20 641D
G09G3/20 612R
H10K59/123
H10K59/84
H10K59/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194681
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】児玉 拓海
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC35
3K107CC43
3K107FF04
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC01
5C080CC03
5C080DD07
5C080DD22
5C080EE01
5C080EE29
5C080FF11
5C080FF12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK07
5C080KK20
5C080KK23
5C080KK43
5C080KK49
5C080KK52
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB16
5C380AB18
5C380AB31
5C380AB32
5C380AB41
5C380AC05
5C380AC09
5C380AC11
5C380AC12
5C380AC13
5C380AC20
5C380BA12
5C380BA13
5C380BA39
5C380BA50
5C380CA05
5C380CA12
5C380CA17
5C380CA31
5C380CB01
5C380CB16
5C380CB17
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC42
5C380CC57
5C380CC66
5C380CC72
5C380CC77
5C380CD018
5C380CE01
5C380CE11
5C380CE19
5C380CF07
5C380CF09
5C380CF22
5C380CF43
5C380CF48
5C380CF53
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA09
5C380DA33
5C380EA11
(57)【要約】
【課題】ディスプレイサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、走査線と、データ線と、単位回路とを、備え、前記単位回路は、第1発光素子と、第2発光素子と、第1ゲート電極を有し、前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれに供給される電流を制御する第1トランジスターと、前記走査線に電気的に接続される第2ゲート電極を有し、前記第1ゲート電極と前記データ線とを電気的に接続する第2トランジスターと、前記第1発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第3トランジスターと、前記第2発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第4トランジスターと、前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれのアノード電位を所定の電位に設定する第5トランジスターと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向に延びる走査線と、
列方向に延びるデータ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられる単位回路とを、備え、
前記単位回路は、
第1発光素子と、
第2発光素子と、
第1ゲート電極を有し、前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれに供給される電流を制御する第1トランジスターと、
前記走査線に電気的に接続される第2ゲート電極を有し、前記第1ゲート電極と前記データ線とを電気的に接続する第2トランジスターと、
前記第1発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第3トランジスターと、
前記第2発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第4トランジスターと、
前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれのアノード電位を所定の電位に設定する第5トランジスターと、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記単位回路は、第6トランジスターをさらに備え、
前記第6トランジスターは、前記第1トランジスターが有するドレインと前記データ線とを電気的に接続する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第1フレーム期間で前記第1発光素子が発光し、
第2フレーム期間で前記第2発光素子が発光する、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3トランジスターおよび前記第4トランジスターは、並列に接続され、
前記第1トランジスターと前記第3トランジスターとの電気的接続経路に、前記第5トランジスターが有するソースが電気的に接続される。
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記単位回路は、
第3発光素子と、
第4発光素子と、
前記第3発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第6トランジスターと、
前記第4発光素子のアノードと前記第1トランジスターを電気的に接続する第7トランジスターと、をさらに備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置と、
前記表示装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子を有する表示装置が知られている。かかる表示装置の一例として、特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置が挙げられる。当該装置では、m行の走査線と3n列のデータ線との交差に対応して画素回路が設けられる。
【0003】
特許文献1に記載の画素回路には、1つの発光素子と、当該発光素子に対応する複数のトランジスターとが設けられる。具体的には、1つの発光素子に対して、当該発光素子に対する駆動電流を発生する駆動トランジスター、当該駆動トランジスターの閾値電位の補償を行う補償用トランジスター、および駆動トランジスターの電流値を設定する電流値設定トランジスターが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-151506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、表示装置のディスプレイサイズを維持しつつ高解像度化を進めることが求められる。その際、画素回路面積の微細化により、画素回路の配列が困難になることが予測される。特許文献1に記載の装置では、1つの発光素子に対して1つの駆動トランジスター、1つの補償用トランジスターおよび1つの電流値設定トランジスターが設けられている。これらトランジスターが発光素子ごとに設けられていると、画素回路の小型化を図ることが難しいという課題がある。よって、表示装置のディスプレイサイズを維持しつつ高解像度化を図ることが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る表示装置は、行方向に延びる走査線と、列方向に延びるデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられる単位回路とを、備え、前記単位回路は、第1発光素子と、第2発光素子と、第1ゲート電極を有し、前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれに供給される電流を制御する第1トランジスターと、前記走査線に電気的に接続される第2ゲート電極を有し、前記第1ゲート電極と前記データ線とを電気的に接続する第2トランジスターと、前記第1発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第3トランジスターと、前記第2発光素子のアノードと前記第1トランジスターとを電気的に接続する第4トランジスターと、前記第1発光素子および前記第2発光素子のそれぞれのアノード電位を所定の電位に設定する第5トランジスターと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の表示装置を模式的に示す平面図である。
図2】実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。
図3図2に示す単位回路およびこれに対応する周辺回路の構成例を示す図である。
図4】1つのサブ画素が有する表示画素のレイアウトを示す図である。
図5】表示部におけるサブ画素のレイアウトを示す図である。
図6】表示部における表示画素のレイアウトを説明するための図である。
図7】表示装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図8図7の第1初期化期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図9図7の第2初期化期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図10図7の第3初期化期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図11図7の補償期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図12図7の書込期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図13図7の第1フレーム期間の発光期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図14図7の第2フレーム期間の発光期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図15図7の第3フレーム期間の発光期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図16図7の第4フレーム期間の発光期間における表示装置の動作を説明するための図である。
図17】サブ画素における発光パターンを示す図である。
図18】比較例のサブ画素における発光パターンを説明するための図である。
図19】表示部に表示される画像の例を示す図である。
図20】表示部における比較例の発光パーンを説明するための図である。
図21】表示部における実施形態の発光パーンを説明するための図である。
図22】変形例における表示画素のレイアウトを示す図である。
図23】変形例のサブ画素における発光パターンを示す図である。
図24】実施形態の発光装置を備える電子機器としてのヘッドマウントディスプレイの外観を示す斜視図である。
図25図24に示すヘッドマウントディスプレイの光学的な構成の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
1.表示装置1の基本構成
図1は、実施形態の表示装置1を模式的に示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。X軸に沿った方向が「行方向」であり、Y軸に沿った方向が「列方向」である。また、本明細書において、「接続」とは、2以上の要素間の直接的または間接的な接続を意味する。
【0010】
図1に示す表示装置1は、例えばヘッドマウントディスプレイにおいて画像を表示するマイクロディスプレイである。また、表示装置1は、例えば、発光素子の一例であるOLEDを含む有機EL装置である。OLEDは、Organic Light Emitting Diodeの略称である。ELは、Electroluminescenceの略称である。本実施形態では、表示装置1は、フルカラーの画像の表示が可能である。なお、画像には、文字情報のみを表示するものが含まれる。また、表示装置1は単色のみを表示可能な装置であってもよい。
【0011】
表示装置1は、画像を表示する表示部10を有し、表示部10で開口する枠状のケース71に収納される。表示装置1には、FPC基板72の一端が接続されている。FPCは、Flexible Printed Circuitsの略称である。FPC基板72の他端には、図示省略されたホスト装置を接続するための複数の端子73が設けられる。複数の端子73が当該ホスト装置に接続されると、表示装置1には、当該ホスト装置からFPC基板72を介して各種信号が供給される。
【0012】
2.表示装置1の回路構成
図2は、実施形態の表示装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置1は、前述の表示部10に加え、制御回路3、走査線駆動回路4、およびデータ線駆動回路5を含む。走査線駆動回路4およびデータ線駆動回路5は、駆動回路を構成する。表示部10、制御回路3、走査線駆動回路4、およびデータ線駆動回路5は、例えばシリコン基板等の半導体基板上に形成される。
【0013】
2-1.表示部10
図2に示すように、表示部10には、複数の単位回路100が行方向および列方向に行列状に配列される。複数の単位回路100は、複数のサブ画素Pに対応して設けられる。
【0014】
表示部10には、m行の走査線12と、3列ごとにグループ化された3n列のデータ線14とが設けられる。なお、mおよびnのそれぞれは、2以上の整数である。nは、グループ数を表す。m行の走査線12のそれぞれはX軸に沿って設けられ、3n列のデータ線14のそれぞれはY軸に沿って設けられる。複数の単位回路100は、m行の走査線12と3n列のデータ線14との交差に対応して設けられる。複数の単位回路100は、サブ画素Pに1対1で設けられており、行方向に並ぶ3個ごとにグループ化される。よって、サブ画素Pも同様に、行方向に並ぶ3個ごとにグループ化される。グループ化される3つのサブ画素Pは、画像を構成する画素の1ドットを表現する。
【0015】
2-2.制御回路3
図2に示す制御回路3には、図示省略されたホスト装置から出力されるデジタルの画像データVideoが同期信号Syncに同期して供給される。制御回路3は、画像データVideoおよび同期信号Syncに基づいて表示装置1の各部を制御する。画像データVideoとは、表示すべき画像における画素の階調レベルを例えば8ビットで指定する。また、同期信号Syncとは、画像データVideoの垂直走査開始を指示する垂直同期信号、水平走査開始を指示する水平同期信号、およびドットクロック信号を含む信号である。
【0016】
制御回路3は、同期信号Syncに基づいて制御信号Ctr1を生成し、制御信号Ctr1を走査線駆動回路4に供給するとともに、同期信号Syncに基づいて制御信号Ctr2を生成し、制御信号Ctr2をデータ線駆動回路5に供給する。制御信号Ctr1およびCtr2のそれぞれは、パルス信号や、クロック信号、イネーブル信号など、複数の信号を含む信号である。
【0017】
さらに、制御回路3は、画像データVideoに基づいて画像データVidを生成し、画像データVidをデータ線駆動回路5に供給する。画像データVidで示される階調レベルと、単位回路100に含まれる発光素子とでは、輝度の特性が一致しない場合がある。そこで、画像データVideoで示される階調レベルに対応した輝度で発光素子を発光させるために、制御回路3は、例えば、画像データVideoの8ビットを10ビットに変更した画像データVidを生成する。
【0018】
また、制御回路3は、同期信号Syncに基づいて各種制御信号を生成し、各種制御信号をデータ線駆動回路5に対して供給する。具体的には、制御回路3は、制御信号Gref、/Gref、Gcpl、/Gcpl、/Gini、Sel、/Selをデータ線駆動回路5に供給する。制御信号Grefは正論理の制御信号であり、制御信号/Grefは制御信号Grefと論理反転の関係にある負論理の制御信号である。制御信号Gcplは正論理の制御信号であり、制御信号/Gcplは制御信号Gcplと論理反転の関係にある負論理の制御信号である。制御信号/Giniは負論理の制御信号である。制御信号/Selは制御信号Selと論理反転の関係にある。
【0019】
また、制御回路3は、図示省略された電源回路からの電力の供給を受け、データ線駆動回路5に対して所定電位を供給する。具体的には、制御回路3は、データ線駆動回路5に対してリセット電位Vorst、電位Vrefおよび初期化電位Vini等を供給する。また、当該電源回路から、表示部10の各単位回路100、走査線駆動回路4およびデータ線駆動回路5へ電源電位が供給される。
【0020】
2-3.走査線駆動回路4
図2に示すように、走査線駆動回路4は、制御信号Ctr1に基づいて走査信号/Gwrを生成する。走査信号/Gwrは、垂直同期信号により規定される各フレーム期間1VにおいてM行の走査線12を1行ごとに順番に選択して走査するため信号である。図2では、1、2、3、…、M行目の走査線12に供給される走査信号/Gwrは、/Gwr_1、/Gwr_2、/Gwr_3、…/Gwr_mと表記される。なお、前述のフレーム期間1Vとは、表示装置1が1カット分の画像を表示するのに要する期間をいう。フレーム期間1Vの長さは、例えば、駆動フレームレートが60Hzである場合、1/60秒である。
【0021】
また、図2では図示省略するが、走査線駆動回路4は、走査信号/Gwrの他にも、後述の各種の制御信号/Gcmp、/Gorst、/Gini、/Drst、/Gel_A、/Gel_B、/Gel_Cおよび/Gel_Dを生成して表示部10に供給する。
【0022】
2-4.データ線駆動回路5
図2に示すように、データ線駆動回路5は、データ信号供給回路50と、n個のデマルチプレクサーDMと、3n個の補助回路51と、3n個の初期化回路52と、を備える。図2では、n個のデマルチプレクサーDMは、DM_1、DM_2、…、DM_nと表記される。
【0023】
データ信号供給回路50は、画像データVidおよび制御信号Ctr2に基づいてデータ信号Vdを生成する。図2では、n個のデータ信号Vdは、Vd_1、Vd_2、Vd_3、Vd_4、Vd_5、Vd_6、…Vd_3n-2、Vd_3n-1およびVd_3nと表記される。データ信号供給回路50は、例えば、シフトレジスター、ラッチ回路、D/A変換回路およびアンプ群を含む。データ信号供給回路50は、シリアルで供給される画像データVidを3相にパラレル変換し、階調レベルに応じた階調電位に変換してデータ信号Vdとして出力する。デマルチプレクサーDM_1には、データ信号Vd_1、Vd_2、Vd_3が供給され、デマルチプレクサーDM_2には、データ信号Vd_4、Vd_5、Vd_6が供給され、デマルチプレクサーDM_nには、データ信号3n-2、Vd_3n-1およびVd_3nが供給される。
【0024】
N個のデマルチプレクサーDMは、グループを構成する3列のデータ線14ごとに設けられており、当該3列のデータ線14にデータ信号Vdを順番に供給する。3n個の補助回路51は、3n列のデータ線14に対して1対1で設けられる。3n個の初期化回路52は、3n列のデータ線14に対して1対1で設けられる。
【0025】
3.単位回路100およびこれに対応する周辺回路の詳細
図3は、図2に示す単位回路100およびこれに対応する周辺回路の構成例を示す図である。複数の単位回路100は同様の構成である。このため、以下では、複数の単位回路100のうちの任意の1つ、およびそれに対応する各種配線等について中心に説明する。また、表示部10には、前述の3n列のデータ線14に加え、3n列のデータ転送線15、3n列の給電線16および3n列の給電線17が3n列のデータ線14に沿って設けられる。各データ線14は、初期化回路52に接続されている。各データ転送線15は、補助回路51に接続される。各給電線16は、制御回路3から「所定の電位」である所定のリセット電位/Vorstが供給される固定電位線である。各給電線17には、高位側の電位Velが供給される。
【0026】
3-1.単位回路100
図3に示すように、単位回路100は、第1トランジスター121、第2トランジスター122、第5トランジスター125、第6トランジスター126および保持容量130を含む。さらに、単位回路100は、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第7トランジスター127、第8トランジスター128、第1発光素子131、第2発光素子132、第3発光素子133および第4発光素子134を含む。
【0027】
なお、第1トランジスター121、第2トランジスター122、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第5トランジスター125、第6トランジスター126、第7トランジスター127および第8トランジスター128を、トランジスター121~128と総称する場合がある。トランジスター121~128のそれぞれは、PチャネルMOS型のトランジスターである。MOSとは、Metal-Oxide-Semiconductor field-effect transistorの略称である。また、第1発光素子131、第2発光素子132、第3発光素子133および第4発光素子134を、発光素子131~134と総称する場合がある。
【0028】
第1トランジスター121のソースは給電線111に電気的に接続される。給電線111には、単位回路100において電源の高位側となる電位Velが供給される。第1トランジスター121は、発光素子131~134のそれぞれに供給される電流を制御する。具体的には、第1トランジスター121は、ゲートおよびソース間の電位Vgsに応じた電流を発光素子131~134に流す駆動トランジスターとして機能する。なお、第1トランジスター121のゲートは「第1ゲート電極」に相当する。
【0029】
第2トランジスター122のゲートは走査線12に電気的に接続される。第2トランジスター122のゲートは、「第2ゲート電極」に相当する。また、第2トランジスター122のソースまたはドレインの一方はデータ線14に電気的に接続され、他方は第1トランジスター121のゲートと、保持容量130の一方の電極とにそれぞれ電気的に接続される。ゆえに、第2トランジスター122は、第1トランジスター121のゲートと、データ線14とを電気的に接続している。第2トランジスター122がオンに設定されると、データ線14に供給されるデータ信号Vdがトランジスター121のゲートに供給される。
【0030】
第5トランジスター125のソースまたはドレインの一方は給電線16に接続されており、他方は発光素子131~134の各アノードに接続される。第5トランジスター125のゲートには制御信号/Gorstが供給される。第5トランジスター125は、発光素子131~134の各アノードと給電線16との電気的な接続を制御する。第5トランジスター125は、発光素子131~134の非発光時にオン設定される。第5トランジスター125がオン設定されると、給電線16に供給される「所定の電位」であるリセット電位/Vorstが発光素子131~134の各アノードに供給される。それゆえ、第5トランジスター125は、発光素子131~134の各アノード電位を「所定の電位」であるリセット電位/Vorstに設定するリセットトランジスターとして機能する。
【0031】
第6トランジスター126のソースまたはドレインの一方はデータ線14に電気的に接続され、他方は第1トランジスター121のドレインに電気的に接続される。ゆえに、第6トランジスター126は、第1トランジスター121が有するドレインとデータ線14とを電気的に接続する。第6トランジスター126のゲートには制御信号/Gcmpが供給される。第6トランジスター126は、第1トランジスター121のゲートおよびドレインの間の電位を閾値電位|Vth|に収束させる閾値電位補償を行う閾値補償トランジスターとして機能する。なお、第1トランジスター121の閾値電位とは、ソースとドレインとの間に電流が流れ始める際のゲートとソースとの電位差をいう。
【0032】
第3トランジスター123のソースは第1トランジスター121のドレインに電気的に接続されており、第3トランジスター123のソースは第1発光素子131のアノードに電気的に接続される。第3トランジスター123は、第1トランジスター121のドレインと第1発光素子131のアノードとの間の電気的な接続を制御する制御トランジスターとして機能する。また、第3トランジスター123のゲートには、制御線161が接続される。制御線161には、制御信号/Gel_Aが供給される。
【0033】
第4トランジスター124のソースは第1トランジスター121のドレインに電気的に接続されており、第4トランジスター124のソースは第2発光素子132のアノードに電気的に接続される。第4トランジスター124は、第1トランジスター121のドレインと、第2発光素子132のアノードとの間の電気的な接続を制御する制御トランジスターとして機能する。また、第4トランジスター124のゲートには、制御線162が接続される。制御線162には、制御信号/Gel_Bが供給される。
【0034】
第7トランジスター127のソースは第1トランジスター121のドレインに電気的に接続されており、第7トランジスター127のソースは第3発光素子133のアノードに電気的に接続される。第7トランジスター127は、第1トランジスター121のドレインと、第3発光素子133のアノードとの間の電気的な接続を制御する制御トランジスターとして機能する。また、第7トランジスター127のゲートには、制御線163が接続される。制御線163には、制御信号/Gel_Cが供給される。
【0035】
第8トランジスター128のソースは第1トランジスター121のドレインに電気的に接続されており、第8トランジスター128のソースは第4発光素子134のアノードに電気的に接続される。第8トランジスター128は、第1トランジスター121のドレインと、第4発光素子134のアノードとの間の電気的な接続を制御する制御トランジスターとして機能する。また、第8トランジスター128のゲートには、制御線164が接続される。制御線164には、制御信号/Gel_Dが供給される。
【0036】
発光素子131~134のそれぞれは、アノードとカソードとで有機EL層を挟持した構成である。発光素子131~134の各アノードは、単位回路100ごとに個別に設けられる画素電極である。これに対して、発光素子131~134の各カソードは、単位回路100のすべてにわたって共通に設けられる共通電極であり、給電線112に接続される。給電線112には、固定電位である電位Vctが供給される。電位Vctは、論理信号である走査信号や制御信号のLレベルに相当するものであってもよい。
【0037】
保持容量130は、一方の電極が第1トランジスター121のゲートに電気的に接続され、他方の電極が給電線111に電気的に接続される。このため、保持容量130は、第1トランジスター121のゲートとソースとの間の電位を保持する保持容量として機能する。なお、保持容量130としては、第1トランジスター121のゲートに寄生する容量を用いてもよいし、シリコン基板等の半導体基板において互いに異なる導電層で絶縁層を挟持することによって形成される容量を用いてもよい。
【0038】
なお、上記におけるトランジスター121~128のソースおよびドレインは、トランジスター121~128のチャネル型、または電位の関係に応じて入れ替わってもよい。また、トランジスター121~128は薄膜トランジスターであっても電界効果トランジスターであってもよい。
【0039】
3-2.デマルチプレクサーDM
図3に示すように、n個のデマルチプレクサーDMのそれぞれは、データ線14ごとに設けられたトランスミッションゲート501および容量120の集合体である。各デマルチプレクサーDMは、3つの列に対応する3個のトランスミッションゲート501および3個の容量120を含む。なお、図3では、1つの列に対応する1個のトランスミッションゲート501および1個の容量120が図示される。各デマルチプレクサーDMが有する3個のトランスミッションゲート501の入力端は互いに共通接続されており、当該入力端にはデータ信号Vdが供給される。3個のトランスミッションゲート501の各出力端は、信号線113を介して補助回路51が有するトランスミッションゲート502の入力端に接続される。各トランスミッションゲート501は、制御信号SelがHレベルであるときにオンし、制御信号SelがLレベルであるときにオフする。すなわち、トランスミッションゲート501は、制御信号/SelがHレベルであるときにオフし、制御信号/SelがLレベルであるときにオンする。なお、制御信号Selは、列ごとに順次排他的に供給される。
【0040】
容量120の一方の電極は信号線113に接続されており、他方の電極は給電線114に接続される。給電線114には、固定電位である電位Vssが供給される。電位Vssは、論理信号である走査信号または制御信号のLレベルに相当するものであってもよい。
【0041】
3-3.補助回路51
図3に示すように、補助回路51は、データ線14ごとに設けられたトランスミッションゲート502および503の集合体である。トランスミッションゲート502の入力端は、信号線113に接続され、出力端は、データ転送線15に接続される。トランスミッションゲート502は、制御信号GcpがHレベルであるときにオンし、制御信号GcpがLレベルであるときにオフする。すなわち、トランスミッションゲート502は、制御信号/GcpがHレベルであるときにオフし、制御信号/GcpがLレベルであるときにオンする。
【0042】
トランスミッションゲート503の入力端には、電位Vrefが供給され、出力端は、トランスミッションゲート502の出力端およびデータ転送線15に接続される。電位Vrefは、第1トランジスター121の閾値電位補償において参照される参照電位である。トランスミッションゲート503は、制御信号GrefがHレベルであるときにオンし、制御信号GrefがLレベルであるときにオフする。すなわち、トランスミッションゲート502は、制御信号/GrefがHレベルであるときにオフし、制御信号/GrefがLレベルであるときにオンする。
【0043】
3-4.初期化回路52
図3に示すように、初期化回路52は、データ線14ごとに設けられたPチャネルMOS型のトランジスター504および505の集合体である。
【0044】
トランジスター504のドレインはデータ線14に接続され、トランジスター504のソースは高位側の電位Velを供給する給電線115に接続される。トランジスター504のゲートには、制御信号/Drstが供給される。
【0045】
トランジスター505のドレインはデータ線14に接続され、トランジスター505のソースは初期化電位Viniを供給する給電線116に接続される。トランジスター505のゲートには、制御信号/Giniが供給される。
【0046】
図3に示すデータ転送線15は、保持容量140を介してデータ線14に接続される。保持容量140は、単位回路100をカップリング駆動するための転送容量として機能する。また、給電線17は、配線容量としての保持容量150を介してデータ転送線15に接続される。
【0047】
4.表示部10のサブ画素P
図4は、1つのサブ画素Pが有する表示画素のレイアウトを示す図である。図4に示すように、1つのサブ画素Pは、4つの表示画素P1、P2、P3およびP4を含む。なお、表示画素P1、P2、P3およびP4を区別しない場合、表示画素P1、P2、P3およびP4のそれぞれを表示画素P0と総称する場合がある。
【0048】
前述のように、1つの単位回路100は、4つの発光素子131~134を含む。したがって、本実施形態では、1つの単位回路100で4つの表示画素P1~P4の発光制御を行う。表示画素P1は、図3の発光素子131に対応する。表示画素P2は、発光素子132に対応する。表示画素P3は、発光素子133に対応する。表示画素P4は、発光素子134に対応する。
【0049】
図5は、表示部10におけるサブ画素Pのレイアウトを示す図である。図5中の太線で囲む箇所は、1つのサブ画素Pに相当する。前述のように、1つのサブ画素Pには1つの単位回路100が設けられているため、図5中の太線で囲む箇所は、1つの単位回路100に相当するとも言える。例えば、表示部10内において、複数のサブ画素Pは、1920行1080列で配列される。よって、表示部10内において、複数の単位回路100は、1920行1080列で配列される。この場合、複数の単位回路100の数は、1920×1080個である。また、この場合、走査線13の数は、1080行である。データ線14の数は、1920列である。
【0050】
図6は、表示部10における表示画素P0のレイアウトを説明するための図である。図6中の太線で示す箇所は、1つのサブ画素Pに相当する。前述ように、1つのサブ画素Pには4つの表示画素P0が設けられる。それゆえ、図5に示すように、表示部10内において複数のサブ画素Pが1920行1080列で配列される場合、図6に示すように、複数の表示画素P0は3840行2160行で配列される。この場合、複数の表示画素P0の数は、3840×2160個である。よって、表示部10の実解像度は、3840×2160である。
【0051】
従来、1つのサブ画素Pには、1つの発光素子が設けられていた。このため、従来、1つの画素回路には、1つの発光素子が設けられていた。それゆえ、1つの発光素子に対して、1つの駆動トランジスターと、当該駆動トランジスターと発光素子のアノードとの接続を制御する1つの制御トランジスターと、が設けられていた。したがって、従来、1つの画素回路で1つの発光素子の発光制御が行われていた。
【0052】
これに対して、本実施形態では、1つのサブ画素Pには、4つの発光素子131~134が設けられている。このため、1つの単位回路100には、4つの発光素子131~134が設けられている。それゆえ、4つの発光素子131~134に対して、1つの駆動トランジスターとして機能する第1トランジスター121が設けられる。また、1つの単位回路100には、第1発光素子131と第1トランジスター121とを電気的に接続する第3トランジスター123と、第2発光素子132と第1トランジスター121とを電気的に接続する第4トランジスター124とが設けられる。さらに、1つの単位回路100には、第3発光素子133と第1トランジスター121とを電気的に接続する第7トランジスター127と、第4発光素子134と第1トランジスター121とを電気的に接続する第8トランジスター128とが設けられる。よって、本実施形態では、1つ単位回路100で4つの発光素子131~134の発光制御が行われる。
【0053】
1つの単位回路100が4つの発光素子131~134を含むことで、図5および6を参照して説明したように、従来の1つの発光素子を有する画素回路の面積で、4つの発光素子を有する単位回路100を配置することができる。よって、単位回路100の小型化を図りつつ、複数の発光素子131~134の各発光を1つの単位回路100で制御することができる。よって、表示部10のサイズすなわちディスプレイサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる。また、従来よりも走査線12の数およびデータ線14の数を増やさずに高解像度化を図ることができる。よって、表示部10のサイズすなわちディスプレイサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる。
【0054】
また、前述のように、1つの単位回路100には、1つの第1トランジスター121が設けられる。さらに、1つの単位回路100には、1つの第2トランジスター122および1つの第5トランジスター125が設けられる。したがって、1つの第1トランジスター121、1つの第2トランジスター122および1つの第5トランジスター125のそれぞれは、4つの発光素子131~134で共通である。このため、4つの発光素子131~134のそれぞれに対して第1トランジスター121、第2トランジスター122および第5トランジスター125が設けられている場合に比べ、単位回路100の小型化を図ることができる。よって、表示部10のサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる。
【0055】
さらに、1つの単位回路100には、1つの第6トランジスター126が設けられる。すなわち、4つの発光素子131~134に対して1つの第6トランジスター126が設けられる。よって、1つの第6トランジスター126は、4つの発光素子131~134で共通である。このため、4つの発光素子131~134に対して4つの第6トランジスター126が設けられる場合に比べ、表示部10のサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる。
【0056】
また、前述のように、第3トランジスター123、第4トランジスター124,第7トランジスター127および第8トランジスター128は、並列に接続される。そして、第1トランジスター121と第3トランジスター123との電気的接続経路に、第5トランジスター125のソースが電気的に接続される。したがって、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第7トランジスター127および第8トランジスター128の各ソースは、第5トランジスター125に共通に接続される。すなわち、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第7トランジスター127および第8トランジスター128に対して、1つの第5トランジスター125が共通で設けられる。1つの第5トランジスター125が共通であることで、発光素子131~134のアノードのリセットを一括で行うことができる。
【0057】
また、第3トランジスター123のゲートに電気的に接続される制御線161、第4トランジスター124のゲートに電気的に接続される制御線162、第7トランジスター127のゲートに電気的に接続される制御線163、および第8トランジスター128のゲートに電気的に接続される制御線164は、互いに独立している。したがって、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第7トランジスター127および第8トランジスター128を互いに独立して制御することができる。このため、発光素子131~134を互いに独立して発光制御することができる。よって、フレーム期間1Vごとに発光素子131~134のいずれかを発光させることができる。
【0058】
5.表示装置1の動作
図7は、表示装置1の動作を説明するためのタイミングチャートである。1フレーム期間1Vにおいて、1水平走査期間1Hごとに1~m行の走査線12が順番に走査される。なお、1行分の水平走査に要する期間が1水平走査期間1Hである。1水平走査期間1Hの動作は、各行の単位回路100で共通である。以下では、複数の単位回路100のうちの任意の1つ、およびそれに対応する周辺回路について中心に説明する。
【0059】
図7に示すように、1フレーム期間1Vは、1水平走査期間1Hおよび発光期間Dを含む。1水平走査期間1Hは、初期化期間A、補償期間Bおよび書込期間Cを含む。初期化期間A、補償期間B、書込期間Cおよび発光期間Dは、この順に繰り返される。
【0060】
また、本実施形態では、4つのフレーム期間1Vが1つのフレームグループを構成する。1つのフレームグループのうちの最初の1フレーム期間1Vが「第1フレーム期間1Va」であり、次の1フレーム期間1Vが「第2フレーム期間1Vb」であり、その次の1フレーム期間1Vが「第3フレーム期間1Vc」であり、最後の1フレーム期間1Vが「第4フレーム期間1Vd」である。また、第1フレーム期間1Vaの発光期間Dでは、発光素子131が発光する。第2フレーム期間1Vbの発光期間Dでは、発光素子132が発光する。第3フレーム期間1Vcの発光期間Dでは、発光素子133が発光する。第4フレーム期間1Vdの発光期間Dでは、発光素子134が発光する。
【0061】
5-1.第1フレーム期間1Va
5-1A.初期化期間A
図7に示すように、初期化期間Aは、第1初期化期間A1と、第2初期化期間A2と、第3初期化期間A3とを含む。
【0062】
5-1Aa.第1初期化期間A1
図8は、図7の第1初期化期間A1における表示装置1の動作を説明するための図である。具体的には、第1初期化期間A1では、第1トランジスター121のゲートに高位側の電位Velが供給される。
【0063】
図7に示すように、第1初期化期間A1では、走査信号/Gwrおよび制御信号/DrstがLレベルに設定される。このため、図8に示す第2トランジスター122およびトランジスター504のそれぞれがオンする。この結果、第1トランジスター121のゲートには、トランジスター504、データ線14、および第2トランジスター122を順に介して高位側の電位Velが供給される。第1トランジスター121のゲートに高位側の電位Velが供給されると、ゲートおよびソース間の電位がゼロになる。このため、第1トランジスター121はオフ状態になる。
【0064】
また、図7に示すように、第1初期化期間A1では、制御信号/Gorstおよび/GcmpのそれぞれはHレベルである。よって、図8に示す第5トランジスター125および第6トランジスター126のそれぞれはオフである。第1初期化期間A1では、第1トランジスター121、第5トランジスター125および第6トランジスター126がオフである。このため、発光素子131~134に供給される電流の経路が遮断される。
【0065】
また、図7に示すように、第1初期化期間A1では、制御信号GrefがHレベルに設定される。このため、図8に示すトランスミッションゲート503がオンする。なお、制御信号GcpはLレベルに設定されており、トランスミッションゲート502はオフである。よって、保持容量140の一端、保持容量150の一端およびデータ転送線15は、電位Vrefに保持される。
【0066】
5-1Ab.第2初期化期間A2
図9は、図7の第2初期化期間A2における表示装置1の動作を説明するための図である。第2初期化期間A2では、発光素子131~134の各アノードにリセット電位Vorstが供給される。
【0067】
図7に示すように、第2初期化期間A2では、制御信号/Gel_A~Gel_D、および制御信号/Gorstのそれぞれが、Lレベルに設定される。このため、図9に示す第5トランジスター125、第3トランジスター123、第4トランジスター124、第7トランジスター127、および第8トランジスター128のそれぞれが、オンする。この結果、第1発光素子131のアノードには、第3トランジスター123および第5トランジスター125を介して給電線16からリセット電位Vorstが印加される。同様に、第2発光素子132のアノードには、第4トランジスター124および第5トランジスター125を介して給電線16からリセット電位Vorstが印加される。第3発光素子133のアノードには、第7トランジスター127および第5トランジスター125を介して給電線16からリセット電位Vorstが印加される。第4発光素子134のアノードには、第8トランジスター128および第5トランジスター125を介して給電線16からリセット電位Vorstが印加される。したがって、第2初期化期間A2では、発光素子131~134の各アノードがリセット電位Vorstに初期化される。
【0068】
前述のように、発光素子131~134のそれぞれは、アノードとカソードとで有機EL層を挟持した構成である。このため、発光の際、アノードとカソードとの間には保持容量が寄生する。第2初期化期間A2では、リセット電位Vorstがアノードに供給されることで、アノードとカソードとの間の保持容量によって保持される電位がリセットされる。このため、発光素子131~134に再び電流が流れるとき、当該保持容量で保持される電位の影響を受け難い。
【0069】
なお、第2初期化期間A2においても、第1初期化期間A1と同様に、制御信号GrefがHレベルに設定されており、トランスミッションゲート503がオンしている。よって、保持容量140の一端、保持容量150の一端およびデータ転送線15は、電位Vrefに保持される。
【0070】
5-1Ac.第3初期化期間A3
図10は、図7の第3初期化期間A3における表示装置1の動作を説明するための図である。第3初期化期間A3では、第1トランジスター121のゲートに初期化電位Viniが供給される。
【0071】
図7に示すように、第3初期化期間A3では、走査信号/Gwrおよび制御信号/Giniのそれぞれが、Lレベルに設定される。このため、図10に示す第2トランジスター122およびトランジスター505のそれぞれがオンする。この結果、第1トランジスター121のゲート、および保持容量130の一端には、トランジスター505、データ線14および第2トランジスター122を順に介して初期化電位Viniが供給される。初期化電位Viniは、|Vel-Vini|が第1トランジスター121の閾値電位|Vth|よりも大きくなるように設定される。このように設定されることで、後述の補償期間Bを短くすることができる。
【0072】
なお、第3初期化期間A3においても、第1初期化期間A1と同様に、制御信号GrefがHレベルに設定されており、トランスミッションゲート503がオンしている。よって、保持容量140の一端、保持容量150の一端およびデータ転送線15は、電位Vrefに保持される。
【0073】
5-1B.補償期間B
図11は、図7の補償期間Bにおける表示装置1の動作を説明するための図である。補償期間Bでは、第1トランジスター121のゲートおよびドレインの間の電位を閾値電位|Vth|に収束させる閾値電位補償を行う。
【0074】
図7に示すように、補償期間Bでは、走査信号/Gwrおよび制御信号/Gcmpのそれぞれが、Lレベルに設定される。このため、図11に示す第2トランジスター122および第6トランジスター126のそれぞれがオンする。この結果、第1トランジスター121のドレインは、第6トランジスター126、データ線14および第2トランジスター122を順に介して第1トランジスター121のゲートに接続される。よって、第1トランジスター121は、ダイオード接続状態になる。それゆえ、データ線14および第1トランジスター121のゲートの各電位は、初期化電位Viniから上昇し、電位(Vel-|Vth|)で飽和する。また、保持容量130は第1トランジスター121の閾値電位|Vth|を保持し、第1トランジスター121のゲートおよびドレインの間の電位は閾値電位|Vth|に収束する。
【0075】
なお、補償期間Bにおいても、第1初期化期間A1と同様に、制御信号GrefがHレベルに設定されており、トランスミッションゲート503がオンしている。よって、保持容量140の一端、保持容量150の一端およびデータ転送線15は、電位Vrefに保持される。
【0076】
また、図7に示すように、補償期間B内において、制御信号Selは、Hレベルに設定される。このため、トランスミッションゲート501がオンする。なお、制御信号GcpはLレベルに設定されており、トランスミッションゲート502はオフである。この結果、容量120の一端は、データ信号Vdの電位に保持される。なお、制御信号Selは、列ごとに順次排他的にHレベルに設定される。
【0077】
5-1C.書込期間C
図12は、図7の書込期間Cにおける表示装置1の動作を説明するための図である。書込期間Cでは、データ信号Vdがデータ転送線15に供給される。
【0078】
図7に示すように、書込期間Cでは、走査信号/GwrはLレベルに設定されたままである一方、制御信号/GcmpはHレベルに設定される。このため、図12に示すように、第1トランジスター121のダイオード接続状態が解除される。
【0079】
さらに、書込期間Cでは、制御信号GcpがHレベルに設定される。このため、データ転送線15に接続された保持容量140の一端の電位は、電位Vrefから保持容量110の一端に保持されたデータ信号Vdの電位に応じて変化する。この変化分の電位をΔVとする。この電位の変化は、保持容量140、データ線14、第2トランジスター122を順に介して第1トランジスター121のゲートに伝播する。
【0080】
また、第1トランジスター121のゲートは、保持容量140の一端にデータ線14を介して接続されている。このため、第1トランジスター121のゲートは、補償期間における電位(Vel-|Vth|)から、保持容量140の一端の電位変化分ΔVに容量比k1を乗じた値だけ、上昇方向にシフトした値(Vel-|Vth|+k1・ΔV)になる。よって、第1トランジスター121のゲートおよびソース間の電位Vgsは、Vel-(Vel-|Vth|+k1・ΔV)=(|Vth|-k1・ΔV)になる。
【0081】
なお、容量比k1は、Cblk/(Cdt+Cblk)である。なお、Cblkは、保持容量140の容量である。Cdtは、保持容量150の容量である。また、保持容量130の容量をCpixとする。保持容量130の容量Cpixと、保持容量140の容量Cblkと、保持容量150の容量Cdtとの関係は、Cdt>Cblk>>Cpixである。容量Cpixは、容量Cblk、Cdtに比較して十分に小さい。このため、上記容量比k1において考慮しない。
【0082】
5-1D.発光期間D
図13は、図7の第1フレーム期間1Vaの発光期間Dにおける表示装置1の動作を説明するための図である。第1フレーム期間1Vaの発光期間Dでは、第1発光素子131が発光する。
【0083】
図7に示すように、第1フレーム期間1Vaの発光期間Dでは、走査信号/GwrがHレベルに変化し、走査信号/Gcmp、および/GorstはHレベルを維持し、制御信号/Gel_AがLレベルに変化する。このため、図13に示す第2トランジスター122、第5トランジスター125および第6トランジスター126はオフし、第3トランジスター123がオンする。この結果、第3トランジスター123は、第1トランジスター121の電位Vgsに応じた電流を発光素子131に供給する。第1フレーム期間1Vaの発光期間Dでの電位Vgsは、第1トランジスター121の閾値電位から、データ信号Vdの電位に応じてレベルシフトした電位値である。このため、第1フレーム期間1Vaの発光期間Dにおいて、第1発光素子131には、階調レベルに応じた電流が第1トランジスター121の閾値電位を補償した状態で供給される。
【0084】
5-2.第2フレーム期間1Vb
第2フレーム期間1Vbについては、前述の第1フレーム期間1Vaと相違する点を説明する。
【0085】
5-2D.発光期間D
図14は、図7の第2フレーム期間1Vbの発光期間Dにおける表示装置1の動作を説明するための図である。第2フレーム期間1Vbの発光期間Dでは、第2発光素子132が発光する。
【0086】
図7に示すように、第2フレーム期間1Vbの発光期間Dでは、制御信号/Gel_BがLレベルに変化する。このため、第4トランジスター124がオンする。この結果、図14に示すように、第4トランジスター124は、第1トランジスター121の電位Vgsに応じた電流を第2発光素子132に供給する。第2発光素子132には、階調レベルに応じた電流が第1トランジスター121の閾値電位を補償した状態で供給される。
【0087】
5-3.第3フレーム期間1Vc
第3フレーム期間1Vcについては、前述の第1フレーム期間1Vaと相違する点を説明する。
【0088】
5-3D.発光期間D
図15は、図7の第3フレーム期間1Vcの発光期間Dにおける表示装置1の動作を説明するための図である。第3フレーム期間1Vcの発光期間Dでは、第3発光素子133が発光する。
【0089】
図7に示すように、第3フレーム期間1Vcの発光期間Dでは、制御信号/Gel_CがLレベルに変化する。このため、第7トランジスター127がオンする。この結果、図15に示すように、第7トランジスター127は、第1トランジスター121の電位Vgsに応じた電流を第3発光素子133に供給する。第3発光素子133には、階調レベルに応じた電流が第1トランジスター121の閾値電位を補償した状態で供給される。
【0090】
5-4.第4フレーム期間1Vd
第4フレーム期間1Vdについては、前述の第1フレーム期間1Vaと相違する点を説明する。
【0091】
5-4D.発光期間D
図16は、図7の第4フレーム期間1Vdの発光期間Dにおける表示装置1の動作を説明するための図である。第4フレーム期間1Vdの発光期間Dでは、第4発光素子134が発光する。
【0092】
図7に示すように、第4フレーム期間1Vdの発光期間Dでは、制御信号/Gel_DがLレベルに変化する。このため、第8トランジスター128がオンする。この結果、図16に示すように、第8トランジスター128は、第1トランジスター121の電位Vgsに応じた電流を第4発光素子134に供給する。第4発光素子134には、階調レベルに応じた電流が第1トランジスター121の閾値電位を補償した状態で供給される。
【0093】
図17は、サブ画素Pにおける発光パターンを示す図である。前述のように、第1フレーム期間1Vaでは、第1発光素子131が発光し、第2発光素子132、第3発光素子133および第4発光素子134は非発光である。このため、図17の(a1)に示すように、表示画素P1が点灯する。第2フレーム期間1Vbでは、第2発光素子132が発光し、第1発光素子131、第3発光素子133および第4発光素子134は非発光である。このため、図17の(a2)に示すように、表示画素P2が点灯する。第3フレーム期間1Vcでは、第3発光素子133が発光し、第1発光素子131、第2発光素子132および第4発光素子134は非発光である。このため、図17の(a3)に示すように、表示画素P3が点灯する。第4フレーム期間1Vdでは、第4発光素子134が発光し、第1発光素子131、第2発光素子132および第3発光素子133は非発光である。このため、図17の(a4)に示すように、表示画素P4が点灯する。また、第1~第4フレーム期間1Va~1Vdは繰り返される。したがって、第4フレーム期間1Vdが経過すると、再び、第1フレーム期間1Vaにおいて表示画素P1が点灯する。
【0094】
前述のように、各単位回路100は、発光素子131~134を独立して制御可能である。よって、上記のように、各フレーム期間1Vで発光素子131~134のいずれかを発光させることができる。
【0095】
図18は、比較例のサブ画素Pにおける発光パターンを説明するための図である。図18の比較例では、サブ画素Pが複数の表示画素P0に分割されておらず、1つのサブ画素Pが1つの発光素子を有する。1つのサブ画素Pには1つの発光素子が設けられているため、図18の(b1)に示すように、第1フレーム期間1Vaでは、当該1つの発光素子が発光する。同様に、図18の(b2)に示すように、第2フレーム期間1Vbでは、当該1つの発光素子が発光する。図18の(b3)に示すように、第3フレーム期間1Vcでは、当該1つの発光素子が発光する。図18の(b4)に示すように、第4フレーム期間1Vdでは、当該1つの発光素子が発光する。
【0096】
図19は、表示部10に表示される画像の例を示す図である。図20は、表示部10における比較例の発光パターンを説明するための図である。図21は、表示部10における実施形態の発光パターンを説明するための図である。
【0097】
図19に示す画像を一定フレーム期間継続して表示する場合、図20の(B0)に示す参考例の画像と、図21の(A0)に示す実施形態の画像とでは、ユーザーの視認において同じである。
【0098】
図20に示すように、比較例では、各フレーム期間1Vにおいて図19の画像と同じ画像が表示される。よって、図20の(B1)に示すように、第1フレーム期間1Vaで図19の画像と同じ画像が表示される。同様に、図20の(B2)に示すように、第2フレーム期間1Vbで図19の画像と同じ画像が表示される。図20の(B3)に示すように、第3フレーム期間1Vcで図19の画像と同じ画像が表示される。図20の(B4)に示すように、第4フレーム期間1Vdで図19の画像と同じ画像が表示される。
【0099】
図21に示すように、本実施形態では、各フレーム期間1Vにおいて図19の画像のうちの1/4が表示される。よって、図21の(A1)に示すように、第1フレーム期間1Vaで図19の画像の1/4が表示される。同様に、図21の(A2)に示すように、第2フレーム期間1Vbで図19の画像の1/4が表示される。図21の(A3)に示すように、第3フレーム期間1Vcで図19の画像の1/4が表示される。図21の(A4)に示すように、第4フレーム期間1Vdで図19の画像の1/4が表示される。このように、本実施形態では、4フレーム周期で各サブ画素Pのうち1/4ずつ発光させることで、図19に示す画像と同じ画像を実現する。
【0100】
本実施形態では比較例で1フレーム期間1Vを使って実現していた画像表示を、その4倍のフレーム期間1Vを要して実現している。よって、本実施形態で比較例と同等の表示品位を確保するためには4倍の駆動フレームレートが必要である。例えば、比較例では60Hzの駆動フレームレートで画像表示を実現している場合、本実施形態では240Hzの駆動フレームレートが必要である。
【0101】
6.変形例
前述の各実施形態は、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0102】
前述の実施形態では、サブ画素Pは、4個の表示画素P0を有する。しかし、サブ画素Pが有する表示画素P0の数は、2以上あればよく、3個または5個以上でもよい。したがって、各単位回路100が有する発光素子の数は、4個に限定されず、2個、3個または5個以上でもよい。よって、第3発光素子133および第4発光素子134は省略してもよい。この場合、第7トランジスター127および第8トランジスター128は省略される。
【0103】
ただし、各単位回路100が有する発光素子の数は、4個であることが最も好ましい。よって、単位回路100は、発光素子131~134を有することが特に好ましい。発光素子の数が4個であることで、ユーザーの視認において、表示品位を低下させることなく、ディスプレイサイズを維持しつつ高解像度化を特に図り易い。
【0104】
また、前述の実施形態では、サブ画素Pの形状は四角形であるが、四角形以外であってもよい。また、前述の実施形態では、図4に示すように、表示画素P1の図中左隣に表示画素P2が配置される。しかし、サブ画素Pにおける表示画素P0の割り当ては図4の例に限定されない。例えば、表示画素P1の図中下方に表示画素P2が配置されてもよい。
【0105】
図22は、変形例における表示画素P0のレイアウトを示す図である。例えば、4個の表示画素P0は図22に示すように配置されてもよい。具体的には、表示画素P1の図中下方に表示画素P2が配置される。表示画素P2の図中右隣に表示画素P3が配置される。表示画素P4の図中下方に表示画素P4が配置される。
【0106】
図23は、変形例のサブ画素Pにおける発光パターンを示す図である。図23に示すように、第1フレーム期間1Vaでは、第1発光素子131が発光し、第2発光素子132、第3発光素子133および第4発光素子134は非発光である。このため、図23の(a1)に示すように、表示画素P1が点灯する。第2フレーム期間1Vbでは、第2発光素子132が発光し、第1発光素子131、第3発光素子133および第4発光素子134は非発光である。このため、図23の(a2)に示すように、表示画素P2が点灯する。第3フレーム期間1Vcでは、第3発光素子133が発光し、第1発光素子131、第2発光素子132および第4発光素子134は非発光である。このため、図23の(a3)に示すように、表示画素P3が点灯する。第4フレーム期間1Vdでは、第4発光素子134が発光し、第1発光素子131、第2発光素子132および第3発光素子133は非発光である。このため、図23の(a4)に示すように、表示画素P4が点灯する。
【0107】
図22に示す変形例によっても、前述の実施形態と同様に、ディスプレイサイズを維持しつつ、高解像度化を図ることができる。
【0108】
前述の実施形態では、発光素子131~134のそれぞれは、OLEDである。しかし、例えば「発光素子」は、LED、ミニLED、マイクロLED等であってもよい。LEDは、light-emitting diodeの略である。
【0109】
7.電子機器
前述の各実施形態または各変形例の表示装置1は、各種の電子機器に適用することができる。前述の実施形態に係る表示装置1は、特に2K2K以上の高精細な画像の表示を要求され、かつ小型であることを要求される電子機器に好適である。
【0110】
図24は、実施形態の表示装置1を備える電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ300の外観を示す斜視図である。図25は、図24に示すヘッドマウントディスプレイ300の光学的な構成の図である。図25では、左眼用の表示装置1を表示装置1Lと表記し、右眼用の表示装置1を表示装置1Rと表記する。
【0111】
図24に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ300は、テンプル310、ブリッジ320、投射光学系301L、投射光学系301R、および制御部350を備える。また、図24に示すように、ヘッドマウントディスプレイ300は、2つの表示装置1を備える。制御部350は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、2つの表示装置1の各動作を制御する。
【0112】
表示装置1Lによって形成される映像光LLは、投射光学系301Lに出射される。投射光学系301Lは、光学レンズ302Lおよびハーフミラー303Lを含む。映像光LLは、光学レンズ302Lを介してハーフミラー303Lに向けて出射される。映像光LLの一部はハーフミラー303Lで反射し、ヘッドマウントディスプレイ300の装着者の瞳EYに投射される。また、映像光LLの一部は、ハーフミラー303Lを透過する。同様に、表示装置1Rによって形成される映像光LRは、投射光学系301Rに出射される。投射光学系301Rは、光学レンズ302Rおよびハーフミラー303Rを含む。映像光LRは、光学レンズ302Rを介してハーフミラー303Lに向けて出射される。映像光LRの一部はハーフミラー303Rで反射し、ヘッドマウントディスプレイ300の装着者の瞳EYに投射される。また、映像光LRの一部は、ハーフミラー303Rを透過する。
【0113】
ヘッドマウントディスプレイ300の装着者は、外界像を視認しながら、映像光LLおよびLRにより形成された画像を視認することができる。
【0114】
ヘッドマウントディスプレイ300は、前述の表示装置1および制御部350を備える。表示装置1によれば、ディスプレイサイズを維持しつつ高解像度化を図ることができる。したがって、ヘッドマウントディスプレイ300が表示装置1を備えることで、ヘッドマウントディスプレイ300の大型化を抑制しつつ高解像度化を図ることができる。
【0115】
なお、前述の表示装置1が適用される電子機器としては、ヘッドマウントディスプレイ300のほか、デジタルスコープ、デジタル双眼鏡、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなど眼に近接して配置する電子機器が挙げられる。さらに、携帯電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置、および車載用のインストルメントパネルなどの表示器等の電子機器に設けられる表示部として適用することができる。また、表示装置1は、投写式プロジェクターのライトバルブに適用可能である。
【0116】
以上、本発明について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【符号の説明】
【0117】
1…表示装置、1H…1水平走査期間、1L…表示装置、1R…表示装置、1V…フレーム期間、1Va…第1フレーム期間、1Vb…第2フレーム期間、1Vc…第3フレーム期間、1Vd…第4フレーム期間、3…制御回路、4…走査線駆動回路、5…データ線駆動回路、10…表示部、12…走査線、13…走査線、14…データ線、15…データ転送線、16…給電線、17…給電線、50…データ信号供給回路、51…補助回路、52…初期化回路、71…ケース、72…FPC基板、73…端子、100…単位回路、110…保持容量、111…給電線、112…給電線、113…信号線、114…給電線、115…給電線、116…給電線、120…容量、121…第1トランジスター、122…第2トランジスター、123…第3トランジスター、124…第4トランジスター、125…第5トランジスター、126…第6トランジスター、127…第7トランジスター、128…第8トランジスター、130…保持容量、131…第1発光素子、132…第2発光素子、133…第3発光素子、134…第4発光素子、140…保持容量、150…保持容量、161…制御線、162…制御線、163…制御線、164…制御線、300…ヘッドマウントディスプレイ、301L…投射光学系、301R…投射光学系、302L…光学レンズ、302R…光学レンズ、303L…ハーフミラー、303R…ハーフミラー、310…テンプル、320…ブリッジ、350…制御部、501…トランスミッションゲート、502…トランスミッションゲート、503…トランスミッションゲート、504…トランジスター、505…トランジスター、A…初期化期間、A1…第1初期化期間、A2…第2初期化期間、A3…第3初期化期間、B…補償期間、C…書込期間、D…発光期間、DM…デマルチプレクサー、EY…瞳、Ctr1…制御信号、Ctr2…制御信号、Gcp…制御信号、Gcpl…制御信号、Gref…制御信号、LL…映像光、LR…映像光、P…サブ画素、P0…表示画素、P1…表示画素、P2…表示画素、P3…表示画素、P4…表示画素、Sel…制御信号、Sync…同期信号、Vct…電位、Vd…データ信号、Vel…電位、Vgs…電位、Vid…画像データ、Video…画像データ、Vini…初期化電位、Vorst…リセット電位、Vref…電位、Vss…電位。
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