(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081223
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、生体情報測定方法、及び生体情報測定システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20240611BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20240611BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B5/08
A61B5/02 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194682
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】沢渡 彩映
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA10
4C017AA12
4C017AB02
4C017AC26
4C017BB12
4C017BC11
4C017DD14
4C017FF05
4C017FF19
4C038KK01
4C038KL07
4C038SS09
(57)【要約】
【課題】睡眠時の測定動作が間欠的に行われると、消費電力は低下するが、酸素飽和濃度の測定データ数は少なくなる。
【解決手段】生体情報測定装置は、体動を測定する体動センサーと、酸素飽和濃度を測定するコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定し、前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色光を発光する第1発光素子、及び赤外光を発光する第2発光素子を有する発光ユニットと、
前記第1発光素子から発光された前記赤色光、及び前記第2発光素子から発光された前記赤外光を受光し、前記赤色光に基づく第1受光信号、及び前記赤外光に基づく第2受光信号を生成する受光ユニットと、
体動を測定する体動センサーと、
前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて酸素飽和濃度を測定するコントローラーと、を備え、
前記コントローラーは、
前記体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、
前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定し、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定する、
生体情報測定装置。
【請求項2】
前記コントローラーは、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記酸素飽和濃度を測定しない、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記コントローラーは、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を発光させない制御を行うことによって、前記酸素飽和濃度を測定しない、
請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記発光ユニットは、緑色光を発光する第3発光素子を有し、
前記受光ユニットは、前記第3発光素子から発光された前記緑色光を受光し、前記緑色光に基づく第3受光信号を生成し、
前記コントローラーは、前記使用者が前記睡眠状態にないと判別したとき、前記第3発光素子を発光させる、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、
前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、
第1発光素子で発光された赤色光、及び第2発光素子で発光された赤外光を受光し、
前記赤色光に基づいて第1受光信号、及び前記赤外光に基づいて第2受光信号を生成し、
前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて第1時間間隔で酸素飽和濃度を測定し、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、
前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定する、
生体情報測定方法。
【請求項6】
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、
前記酸素飽和濃度を測定しない、
請求項5に記載の生体情報測定方法。
【請求項7】
生体情報測定装置と制御装置とを有する生体情報測定システムであって、
前記生体情報測定装置は、
赤色光を発光する第1発光素子、及び赤外光を発光する第2発光素子を有する発光ユニットと、
前記第1発光素子から発光された前記赤色光、及び前記第2発光素子から発光された前記赤外光を受光し、前記赤色光に基づく第1受光信号、及び前記赤外光に基づく第2受光信号を生成する受光ユニットと、
体動を測定する体動センサーと、
前記発光ユニット及び前記受光ユニットを制御することによって、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させるコントローラーと、
前記第1受光信号及び前記第2受光信号を送信する通信ユニットと、を備え、
前記制御装置は、
前記第1受光信号及び前記第2受光信号を受信する端末通信回路と、
前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて酸素飽和濃度を算出するデータコントローラーと、を備え、
前記コントローラーは、
前記体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、
前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1時間間隔で前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させ、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させる、
生体情報測定システム。
【請求項8】
前記コントローラーは、
前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成しない、
請求項7に記載の生体情報測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報測定装置、生体情報測定方法、及び生体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脈拍等の生体情報を測定する生体情報測定装置が知られている。特許文献1に記載される生体情報測定装置は、利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別部を備える。利用者は睡眠状態であると状態判別部が判別すると、生体情報測定装置は、脈波信号の測定動作を間欠的に行う。生体情報測定装置は、測定動作を間欠的に行うことによって、消費電力を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体情報測定装置が睡眠時無呼吸症候群の指標となる酸素飽和濃度を測定する場合、睡眠時の測定動作が間欠的に行われると、消費電力は低下するが、酸素飽和濃度の測定データ数は少なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の生体情報測定装置は、赤色光を発光する第1発光素子、及び赤外光を発光する第2発光素子を有する発光ユニットと、前記第1発光素子から発光された前記赤色光、及び前記第2発光素子から発光された前記赤外光を受光し、前記赤色光に基づく第1受光信号、及び前記赤外光に基づく第2受光信号を生成する受光ユニットと、体動を測定する体動センサーと、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて酸素飽和濃度を測定するコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定し、前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定する。
【0006】
本開示の生体情報測定方法は、体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1発光素子で発光された赤色光、及び第2発光素子で発光された赤外光を受光し、前記赤色光に基づいて第1受光信号、及び前記赤外光に基づいて第2受光信号を生成し、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて第1時間間隔で酸素飽和濃度を測定し、前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記酸素飽和濃度を測定する。
【0007】
本開示の生体情報測定システムは、生体情報測定装置と制御装置とを有する生体情報測定システムであって、前記生体情報測定装置は、赤色光を発光する第1発光素子、及び赤外光を発光する第2発光素子を有する発光ユニットと、前記第1発光素子から発光された前記赤色光、及び前記第2発光素子から発光された前記赤外光を受光し、前記赤色光に基づく第1受光信号、及び前記赤外光に基づく第2受光信号を生成する受光ユニットと、体動を測定する体動センサーと、前記発光ユニット及び前記受光ユニットを制御することによって、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させるコントローラーと、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を送信する通信ユニットと、を備え、前記制御装置は、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を受信する端末通信回路と、前記第1受光信号及び前記第2受光信号を用いて酸素飽和濃度を算出するデータコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記体動センサーの測定結果によって使用者が睡眠状態であるか否かを判別し、前記使用者が前記睡眠状態であると判別したとき、第1時間間隔で前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させ、前記使用者が前記睡眠状態でないと判別したとき、前記第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で前記第1受光信号及び前記第2受光信号を生成させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】所定時間での各検出信号の周波数と信号強度の関係を示す図。
【
図6】赤色光検出信号データ、及び赤外光検出信号データを示す図。
【
図7】酸素飽和濃度を測定するフローチャートを示す図。
【
図8】酸素飽和濃度を測定するときのフローチャートを示す図。
【
図9】酸素飽和濃度を測定するフローチャートを示す図。
【
図13】測定システム内の測定装置の動作を示す図。
【
図14】測定システム内のタブレット端末の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、測定システム1000の概略構成を示している。測定システム1000は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。睡眠時無呼吸症候群は、SAS(Sleep Apnea Syndrome)と表される。測定システム1000は、血中酸素飽和濃度(SpO
2)を指標として睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。血中酸素飽和濃度は、以降酸素飽和濃度と表される。測定システム1000を用いて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う場合、1から3晩かけて酸素飽和濃度が測定される。睡眠時無呼吸症候群は、予め定めた所定値よりも低い酸素飽和濃度を示す低濃度期間、もしくは低濃度期間の回数から評価される。測定システム1000は、不整脈の評価に用いられてもよい。不整脈は、拍間隔等を用いて評価される。測定システム1000は、脈波を指標として不整脈の評価を行う。測定システム1000を用いて不整脈の評価を行う場合、少なくとも7日以上の脈波が測定される。測定システム1000は、生体情報測定システムの一例に対応する。
【0010】
測定システム1000は、測定装置100とタブレット端末200とを備える。測定装置100とタブレット端末200は、通信可能に接続される。
図1に示す測定システム1000は、測定装置100とタブレット端末200とを無線で通信接続する。測定装置100とタブレット端末200との接続は、無線に限定されない。測定装置100とタブレット端末200は、有線で通信接続されてもよい。測定装置100は、生体情報測定装置の一例に対応する。タブレット端末200は、制御装置の一例に対応する。
【0011】
測定装置100は、人間等の使用者Mの生体情報、もしくは生体情報に係る各種データを測定する。測定装置100は、使用者Mの測定部位に装着される腕時計型の携帯機器である。
図1に示す測定装置100は、一例として使用者Mの手首に装着される。測定装置100は、脈拍間隔等を含む脈波、酸素飽和濃度等の生体情報を経時的に測定する。脈波間隔は、PPI(Post Pacing Interval)と表される。脈波は、心臓の拍動に連動した血管内の体積の時間変化を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの動脈血液中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの割合を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの呼吸機能を評価する指標である。測定装置100は、脈波、及び酸素飽和濃度以外の生体情報を測定してもよい。測定装置100は、一例として、動脈血中グルコース濃度、動脈血中アルコール濃度等を測定する。測定装置100は、筐体1と、ベルト2と、を備える。筐体1は、検出ユニット3、及び表示パネル4を収容する。
【0012】
筐体1は、測定装置100に備えられるユニット等を収容する外装である。筐体1は、測定面1aと表示面1bとを有する。測定面1aは、使用者Mの測定部位と対向する面である。測定面1aは、使用者Mの測定部位と接触する。表示面1bは、使用者Mによって視認可能な面である。筐体1は、検出ユニット3、及び表示パネル4に加え、後述する制御ユニット30、及びメモリー40等を収容する。
【0013】
ベルト2は、使用者Mの測定部位に筐体1を装着するときに用いられる部材である。ベルト2は、筐体1の側面等に取り付けられる。ベルト2は、測定部位に巻回されることで筐体1を使用者Mの測定部位に装着する。
図1に示す測定装置100は、ベルト2を備えるが、これに限定されない。測定装置100は、ベルト2を備えなくてもよい。測定装置100は、テープ等によって使用者Mの胸、腕等に装着されてもよい。
【0014】
検出ユニット3は、筐体1の測定面1aに配置される。検出ユニット3は、使用者Mの測定部位と対向する位置に配置される。検出ユニット3は、生体情報を測定する際に用いられる各種データを取得する。
【0015】
表示パネル4は、筐体1の表示面1bに配置される。表示パネル4は、使用者Mによって視認可能に構成される。表示パネル4は、測定された各種生体情報を表示する。表示パネル4は、生体情報の信頼度指標、時刻等生体情報以外の情報を表示してもよい。表示パネル4は、表示ユニットの一例に対応する。
【0016】
タブレット端末200は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。タブレット端末200は、不整脈の評価を行ってもよい。タブレット端末200は、測定装置100から送信される各種データを取得する。タブレット端末200は、各種データを用いて、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。タブレット端末200は、各種データを用いて、不整脈の評価を行う。
図1に示す測定システム1000は、タブレット端末200を備えるが、これに限定されない。測定システム1000は、タブレット端末200に代えて、パーソナルコンピューター、スマートフォン、生体情報解析用の専用端末等を備えてもよい。タブレット端末200は、ディスプレイ210と端末制御ユニット220とを備える。
【0017】
ディスプレイ210は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果を表示する。ディスプレイ210は、不整脈の評価結果を表示してもよい。ディスプレイ210は、酸素飽和濃度、脈拍間隔等の生体情報を図表で表示してもよい。
【0018】
端末制御ユニット220は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。端末制御ユニット220は、不整脈の評価を行ってもよい。端末制御ユニット220は、測定装置100から送信された各種データを取得する。端末制御ユニット220は、各種データを用いて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。端末制御ユニット220は、各種データを用いて不整脈の評価を行う。端末制御ユニット220は、酸素飽和濃度等の生体情報に係る図表を生成する。端末制御ユニット220は、ディスプレイ210を制御することによって、各種生体情報の評価結果、生体情報を図表でディスプレイ210に表示させる。端末制御ユニット220は、データコントローラーの一例に対応する。
【0019】
第1実施形態
第1実施形態は、測定装置100の一例である第1測定装置100aの構成を示している。第1実施形態は、第1測定装置100aを用いた生体情報測定方法を示している。第1測定装置100aは、酸素飽和濃度及び脈波を測定する。第1測定装置100aは、測定した酸素飽和濃度及び脈波をタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、酸素飽和濃度及び脈波を受信し、睡眠時無呼吸症候群等の評価を行う。
【0020】
図2は、測定装置100の測定面1aの概略構成を示している。
図2は、測定装置100の一例である第1測定装置100aの測定面1aを外部から見たときの概略構成を示している。
図2に示す測定面1aは、円形状で構成されているが、これに限定されない。測定面1aは、四角形状、楕円形状等各種形状に構成されてもよい。測定面1aには、第1検出ユニット3aが配置される。第1検出ユニット3aは、検出ユニット3の一例である。第1検出ユニット3aは、第1発光素子ユニット10aと、第1受光素子ユニット20aと、を有する。第1発光素子ユニット10aは、発光素子ユニット10の一例である。第1受光素子ユニット20aは、受光素子ユニット20の一例である。発光素子ユニット10は、発光ユニットの一例に対応する。受光素子ユニット20は、受光ユニットの一例に対応する。
【0021】
第1発光素子ユニット10aは、使用者Mの測定部位に向けて光を発光する。
図2に示す第1発光素子ユニット10aは、2つの発光素子11を有する。2つの発光素子11は、赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bである。赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bは、それぞれ異なる波長域の光を発光する。2つの発光素子11の配列は、適宜設定される。発光素子11の数は、2個に限定されない。3個以上の発光素子11が、第1発光素子ユニット10aに設けられてもよい。
【0022】
発光素子11は、ベアチップ型、もしくは砲弾型のLED(Light Emitting Diode)で構成される。発光素子11は、レーザーダイオードで構成されてもよい。発光素子11の構成は、発光する光の波長域に対応して適宜設定される。
【0023】
第1受光素子ユニット20aは、第1発光素子ユニット10aで発光された各種光を受光する。第1受光素子ユニット20aは、各種光を受光する受光素子21を有する。受光素子21は、第1発光素子ユニット10aで発光された光の透過光、もしくは反射光を受光する。透過光は、使用者Mを透過した光である。反射光は、使用者Mの内部で反射され、使用者Mの内部を透過した光である。受光素子21は、1または複数のフォトダイオードで構成される。
【0024】
図3は、測定装置100のブロック構成を示している。
図3は、測定装置100の一例である第1測定装置100aのブロック構成を示している。
図3は、ベルト2を除く第1測定装置100aを示している。第1測定装置100aは、筐体1内に各種ユニット等を収容する。第1測定装置100aは、第1検出ユニット3aと、制御ユニット30と、メモリー40と、表示パネル4と、モーションセンサー50と、通信インターフェイス60と、バッテリー70と、を備える。
【0025】
第1検出ユニット3aは、各種波長域の光を用いて測定される生体情報に係るデータを検出信号として検出する光学センサーモジュールである。第1検出ユニット3aは、第1発光素子ユニット10aと第1受光素子ユニット20aとを備える。
【0026】
第1発光素子ユニット10aは、2つの発光素子11と、駆動回路13と、を備える。
図3に示す2つの発光素子11は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bである。
【0027】
赤色光発光素子11aは、使用者Mの測定部位に向けて赤色光RLを発光する。赤色光発光素子11aは、600nm~800nmの波長域の赤色光RLを測定部位に向けて発光する。赤色光RLは、一例として、ピーク波長が660nmの光である。赤色光発光素子11aは、第1発光素子の一例に対応する。
【0028】
赤外光発光素子11bは、使用者Mの測定部位に向けて赤外光NLを発光する。赤外光発光素子11bは、800nm~1300nmの波長域の赤外光NLを測定部位に向けて発光する。赤外光NLは、一例として、ピーク波長が905nmの近赤外光である。赤外光発光素子11bは、第2発光素子の一例に対応する。
【0029】
駆動回路13は、複数の発光素子11を駆動させる。駆動回路13は、制御ユニット30の制御によって、複数の発光素子11を発光させる。
図3に示す駆動回路13は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bを発光させる。
【0030】
第1受光素子ユニット20aは、受光素子21と、出力回路23と、を備える。受光素子21は、発光素子11で発光され、使用者Mの測定部位で反射された反射光を受光する。受光素子21は、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。受光素子21は、赤色光RL、及び赤外光NLを時分割で交互に受光する。受光素子21は、2つの領域に分割されてもよい。2つの領域のそれぞれが、赤色光RL、赤外光NLをいずれかを受光する。受光素子21は、図示しない光学フィルターを用いて複数の領域に区画されてもよい。受光素子21は、光学フィルターを介して、赤色光RL、赤外光NLの内の少なくとも一方を受光する。
【0031】
図3に示す第1受光素子ユニット20aは、赤色光RLの反射光、及び赤外光NLの反射光を受光するが、これに限定されない。第1受光素子ユニット20aは、使用者Mを透過した赤色光RL、及び使用者Mを透過した赤外光NLを受光してもよい。第1受光素子ユニット20aは、赤色光RLの透過光、及び赤外光NLの透過光を受光する。
【0032】
出力回路23は、受光素子21で受光した光に基づく検出信号を制御ユニット30に出力する。出力回路23は、受光素子21で受光した光の受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で受光した赤色光RLに基づいて赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で受光した赤外光NLに基づいて赤外光検出信号を生成する。赤色光検出信号は、第1受光信号の一例に対応する。赤外光検出信号は、第2受光信号の一例に対応する。
【0033】
制御ユニット30は、各種ユニットの動作を制御する制御コントローラーである。制御ユニット30は、一例として、CPU(Central Processing Unit)を有するプロセッサーである。制御ユニット30は、1又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。制御ユニット30は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、制御ユニット30のワークエリアとして機能する。制御ユニット30は、メモリー40に記憶される制御プログラムCPを実行することによって、検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37として機能する。検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37は、機能部である。制御ユニット30は、各機能部によって、第1発光素子ユニット10a及び第1受光素子ユニット20aを制御する。制御ユニット30は、コントローラーの一例に対応する。
【0034】
検出制御部31は、第1発光素子ユニット10a、及び第1受光素子ユニット20aを制御する。検出制御部31は、駆動回路13を介して、発光素子11の発光タイミング、消灯タイミング、光量調整等を行う。検出制御部31は、第1受光素子ユニット20aに対して、各種光の受光タイミング、受光時間、デジタルーアナログ変換等を制御する。検出制御部31は、第1発光素子ユニット10a及び第1受光素子ユニット20aを制御することによって、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を第1検出ユニット3aに生成させる。検出制御部31は、判別部37の判別結果に基づいて発光素子11を制御する。判別部37の判別結果に基づく検出制御部31の制御は後述される。
【0035】
データ処理部33は、第1受光素子ユニット20aから送信された検出信号の処理を行う。データ処理部33は、第1受光素子ユニット20aから、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得する。
【0036】
データ処理部33は、検出信号から直流成分と交流成分を測定する。
図4は、検出信号を模式的に示している。
図4の横軸は、時間を示している。
図4の縦軸は、検出信号の信号強度を示している。
図4は、出力回路23から出力される検出信号の一例を模式的に示している。
【0037】
検出信号は、所定の測定時間間隔で検出される信号強度のデータである。信号強度は、1秒間にn回検出される。nは1以上の整数である。nは、一例として16である。信号強度は、直流成分である直流成分データ81と、交流成分である交流成分データ83とを含んでいる。データ処理部33は、信号強度から直流成分データ81と交流成分データ83とを分離する。データ処理部33は、時間周波数解析を行うことによって交流成分データ83を測定する。
【0038】
データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換等の時間周波数解析を行う。データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、周波数情報を解析する。データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、所定の周波数範囲のスペクトログラムを求める。所定の周波数範囲は、脈波の周波数が含まれる範囲である。所定の周波数範囲は、一例として、0.5Hzから2Hzの範囲である。所定の周波数範囲は、短時間フーリエ変換を行う光の波長域によって、適宜調整される。データ処理部33は、赤色光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行い、赤色光スペクトログラムを求める。データ処理部33は、赤外光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行い、赤外光スペクトログラムを求める。データ処理部33は、コントローラーの一例に対応する。
【0039】
データ処理部33で実行される時間周波数解析は、短時間フーリエ変換に限定されない。検出信号に対する周波数情報が、解析可能な手法であれば、その手法は限定されない。データ処理部33は、一例として、ウェーブレット変換等を行ってもよい。
【0040】
図5は、所定時間での各検出信号の周波数と信号強度の関係を示している。
図5は、短時間フーリエ変換の変換結果の一部を示している。
図5は、所定時間の赤色光データRW、及び赤外光データNWを示している。
図5に示す赤色光データRWは、所定時間のときの赤色光RLの周波数と信号強度との関係を示している。
図5に示す赤外光データNWは、所定時間のときの赤外光NLの周波数と信号強度との関係を示している。
【0041】
赤色光データRWは、第1周波数F1で第1ピーク値P1を示している。第1周波数F1は、脈波の周波数に対応する。データ処理部33は、第1周波数F1のときの各時間の信号強度を赤色光検出信号強度として取得する。
【0042】
赤外光データNWは、第2周波数F2で第2ピーク値P2を示している。第2周波数F2は、第1周波数F1と同じ、もしくは近似した周波数である。第2周波数F2は、脈波の周波数に対応する。データ処理部33は、第2周波数F2のときの各時間の信号強度を赤外光検出信号強度として取得する。
【0043】
データ処理部33は、各時間の赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を取得する。データ処理部33は、赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を用いて変動成分振幅比を測定する。変動成分振幅比は、赤色光透過光量と赤外光透過光量の比率である。赤色光透過光量は、赤色光発光素子11aから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤色光RLの光量である。赤外光透過光量は、赤外光発光素子11bから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤外光NLの光量である。変動成分振幅比は、下記の式(1)で算出される。
R=(ACRed/DCRed)/(ACIR/DCIR)(1)
ここで、Rは、変動成分振幅比を示す。ACRedは、赤色光検出信号の交流成分の強度を示す。DCRedは、赤色光検出信号の直流成分の強度を示す。ACIRは、赤外光検出信号の交流成分の強度を示す。DCIRは、赤外光検出信号の直流成分の強度を示す。
【0044】
赤色光検出信号の交流成分の強度は、赤色光検出信号強度である。赤色光検出信号の直流成分の強度は、赤色光検出信号から分離された所定時間の直流成分である。赤外光検出信号の交流成分の強度は、赤外光検出信号強度である。赤外光検出信号の直流成分の強度は、赤外光検出信号から分離された所定時間の直流成分である。
【0045】
データ処理部33は、算出された変動成分振幅比に基づいて、酸素飽和濃度を算出する。データ処理部33は、メモリー40に記憶される校正テーブルPTを参照して、変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度の値を求める。データ処理部33は、変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度の値を酸素飽和濃度とする。データ処理部33は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、経時的に酸素飽和濃度を測定する。経時的に測定された複数の酸素飽和濃度は、酸素飽和濃度データ群と表す。
【0046】
データ処理部33は、赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を測定してもよい。データ処理部33は、赤色光検出信号データRDもしくは赤外光検出信号データNDを用いて脈波を測定する。
【0047】
図6は、赤色光検出信号データRD、及び赤外光検出信号データNDを示している。
図6は、使用者Mが睡眠状態にあるときの赤色光検出信号データRD、及び赤外光検出信号データNDを示している。赤色光検出信号データRDは、赤色光検出信号の経時変化を示している。赤外光検出信号データNDは、赤外光検出信号の経時変化を示している。
図6の左縦軸は、赤外光検出信号の信号値を示している。
図6の右縦軸は、赤色光検出信号の信号値を示している。
【0048】
使用者Mが睡眠状態にあるとき、赤色光検出信号データRD、及び赤外光検出信号データNDの交流成分の感度は、向上する。データ処理部33は、赤色光検出信号データRDもしくは赤外光検出信号データNDの交流成分を用いて脈波を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号データRD、及び赤外光検出信号データNDの交流成分の感度を参照して、赤色光検出信号データRD、赤外光検出信号データNDのいずれかを選択する。データ処理部33は、選択した検出信号データを用いて脈波を測定する。
【0049】
データ処理部33は、赤色光検出信号と赤外光検出信号とを用いて相関係数を算出してもよい。データ処理部33は、赤色光検出信号データRDと赤外光検出信号データNDとの間の相関係数を算出する。相関係数は、使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する指標として用いることができる。相関係数は、使用者Mが活動状態にあるとき、体動等によって発生するノイズの影響により低下する。使用者Mが睡眠状態にあるとき、体動等によって発生するノイズの影響が低下し、相関係数は向上する。データ処理部33は、相関係数を算出することによって、体動センサーとして機能することができる。相関係数は、相関データの一例に対応する。データ処理部33は、下記の式(2)で示される相関係数算出式を用いて相関係数を算出する。
【0050】
【0051】
ここで、rは、相関係数を示す。Nは、相関係数の算出に用いる赤色光検出信号の数を示す。xnは、各測定時間の赤色光検出信号を示す。nは、1以上の整数である。xaveは、所定時間内の赤色光検出信号の平均値を示す。ynは、各測定時間の赤外光検出信号を示す。yaveは、所定時間内の赤外光検出信号の平均値を示す。所定時間は、一例として、8秒である。1秒間にk回赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を測定する場合、Nは、8×k個となる。kは、1以上の整数である。
【0052】
データ処理部33は、酸素飽和濃度もしくは酸素飽和濃度データ群を表示制御部35に出力する。データ処理部33は、酸素飽和濃度もしくは酸素飽和濃度データ群を通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に出力する。データ処理部33は、脈波を表示制御部35に出力してもよい。データ処理部33は、脈波を通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に出力してもよい。
【0053】
表示制御部35は、表示パネル4の表示を制御する。表示制御部35は、表示パネル4に表示データを送信することによって、表示パネル4に各種画像を表示させる。
【0054】
表示制御部35は、所定のタイミングでデータ処理部33から酸素飽和濃度もしくは酸素飽和濃度データ群を取得する。表示制御部35は、酸素飽和濃度を含む表示データを生成する。表示制御部35は、脈波を含む表示データを生成してもよい。表示制御部35は、酸素飽和濃度、脈波等を含む表示データを表示パネル4に出力する。表示制御部35は、表示データに基づいて、酸素飽和濃度、脈波を表示パネル4に表示させる。表示制御部35は、コントローラーの一例に対応する。
【0055】
判別部37は、使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、モーションセンサー50から測定結果としてモーションデータを取得する。判別部37は、モーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、一例としてモーションセンサー50から単位時間当たりの出力データ量、累積データ量等をモーションデータとして取得する。判別部37は、予め設定された体動量閾値とモーションデータとを比較することによって、使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。モーションデータが体動量閾値よりも小さいとき、判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別する。モーションデータが体動量閾値以上であるとき、判別部37は、使用者Mが睡眠状態でないと判別する。判別部37は、使用者Mが活動状態であると判別する。判別部37は、コントローラーの一例に対応する。
【0056】
判別部37は、判別結果に基づいて使用者Mが睡眠状態であることを示す睡眠状態信号等の判別信号を生成する。判別部37は、判別結果に基づいて活動状態から睡眠状態への変位を示す睡眠変位信号を判別信号として生成してもよい。判別部37は、検出制御部31、データ処理部33のいずれかに睡眠状態信号、もしくは睡眠変位信号を送信する。判別部37は、検出制御部31及びデータ処理部33に睡眠状態信号、もしくは睡眠変位信号を送信してもよい。判別部37は、使用者Mが活動状態であることを示す活動状態信号を判別信号として生成してもよい。判別部37は、睡眠状態から活動状態への変位を示す活動変位信号を判別信号として生成してもよい。判別部37は、検出制御部31、データ処理部33のいずれかに活動状態信号、もしくは活動変位信号を送信する。判別部37は、検出制御部31及びデータ処理部33に活動状態信号、もしくは活動変位信号を送信してもよい。
【0057】
検出制御部31は、睡眠状態信号に基づいて発光素子11の駆動を制御する。検出制御部31は、睡眠状態信号を受信すると、発光素子11を第1発光間隔で発光させる。検出制御部31は、睡眠状態信号を受信しないとき、発光素子11を第2発光間隔で発光させる。第2発光間隔は、第1発光間隔よりも長い。第2発光間隔は、使用者Mが活動状態である活動期間中、発光素子11を発光させない時間間隔を含む。検出制御部31は、睡眠状態信号及び活動状態信号を受信するとき、睡眠状態信号及び活動状態信号に基づいて発光素子11の駆動を制御してもよい。検出制御部31は、活動状態信号を受信すると、発光素子11を第2発光間隔で発光させる。検出制御部31は、睡眠状態信号を受信すると、発光素子11を第1発光間隔で発光させる。第1発光間隔は、第1時間間隔の一例に対応する。第2発光間隔は、第2時間間隔の一例に対応する。
【0058】
検出制御部31は、睡眠変位信号、及び活動変位信号に基づいて発光素子11の駆動を制御してもよい。検出制御部31は、睡眠変位信号を受信すると、発光素子11を第1発光間隔で発光させる。検出制御部31は、活動変位信号を受信すると、発光素子11の発光間隔を第1発光間隔から第2発光間隔に変更する。検出制御部31は、第2発光間隔で発光素子11を発光させているときに睡眠変位信号を受信すると、発光間隔を第1発光間隔に変更する。
【0059】
検出制御部31は、使用者Mが睡眠状態であるか否かによって、発光素子11の発光間隔を制御する。検出制御部31は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、第1発光間隔で発光素子11を発光させる。受光素子21は、第1発光間隔で赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。データ処理部33は、第1発光間隔で受光した赤色光RLに基づく赤色光検出信号を受信する。データ処理部33は、第1発光間隔で受光した赤外光NLに基づく赤外光検出信号を受信する。データ処理部33は、第1発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。検出制御部31は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、第2発光間隔で発光素子11を発光させる。受光素子21は、第2発光間隔で赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。データ処理部33は、第2発光間隔で受光した赤色光RLに基づく赤色光検出信号を受信する。データ処理部33は、第2発光間隔で受光した赤外光NLに基づく赤外光検出信号を受信する。データ処理部33は、第2発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。検出制御部31は、使用者Mが睡眠状態でないときに、第1発光間隔よりも長い第2発光間隔で発光素子11を発光させる。検出制御部31は、使用者Mが睡眠状態でないときに発光素子11の発光による電力消費を抑えることができる。
【0060】
データ処理部33は、判別部37から送信された睡眠状態信号に基づいて、酸素飽和濃度の測定を制御してもよい。データ処理部33は、睡眠状態信号を受信すると、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、睡眠状態信号を受信しないとき、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。第2算出間隔は、第1算出間隔よりも長い。使用者Mが睡眠状態でないとき、発光素子11は、第2算出間隔よりも短い発光間隔で発光してもよい。データ処理部33は、第2算出間隔よりも短い間隔で発光された光に基づいて生成された検出信号を削除し、酸素飽和濃度を測定しない。データ処理部33は、睡眠状態信号及び活動状態信号を受信するとき、睡眠状態信号及び活動状態信号に基づいて酸素飽和濃度の測定を制御する。データ処理部33は、活動状態信号を受信すると、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。第1算出間隔は、第1時間間隔の一例に対応する。第2算出間隔は、第2時間間隔の一例に対応する。
【0061】
データ処理部33は、睡眠変位信号、及び活動変位信号に基づいて酸素飽和濃度の測定を制御してもよい。データ処理部33は、睡眠変位信号を受信すると、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、活動変位信号を受信すると、酸素飽和濃度の算出間隔を第1算出間隔から第2算出間隔に変更する。データ処理部33は、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定しているときに睡眠変位信号を受信すると、算出間隔を第1算出間隔に変更する。
【0062】
データ処理部33は、使用者Mが睡眠状態であるか否かによって、酸素飽和濃度の測定を制御する。データ処理部33は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、第2算出間隔よりも短い間隔で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信したとき、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を破棄する。データ処理部33は、使用者Mが睡眠状態でないときに、第1算出間隔よりも長い第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。検出制御部31は、使用者Mが睡眠状態でないときに酸素飽和濃度の測定による電力消費を抑えることができる。
【0063】
メモリー40は、各種データを記憶する。メモリー40は、各種ユニットを動作させる制御データ、制御ユニット30で測定された各種データ等を記憶する。メモリー40は、データ処理部33で測定された酸素飽和濃度等を記憶してもよい。メモリー40は、制御ユニット30で動作する制御プログラムCPを記憶する。メモリー40は、相関係数算出式を記憶してもよい。メモリー40は、データ処理部33で参照される校正テーブルPTを記憶する。メモリー40は、変換式、もしくは変換テーブルを記憶してもよい。メモリー40は、ROMやRAM等で構成される。メモリー40は、記憶部の一例に対応する。
【0064】
制御プログラムCPは、制御ユニット30で実行されることによって、各種機能部を動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37として動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37以外の機能部として動作させてもよい。
【0065】
校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度とを関連付けて記憶するテーブルである。校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との関係を示している。校正テーブルPTは、予め測定装置100の製造者によって作成される。データ処理部33は、校正テーブルPTを参照することによって、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を決定する。校正テーブルPTは、校正曲線テーブルの一例に対応する。
【0066】
メモリー40は、校正テーブルPTに代えて、校正式を記憶してもよい。校正式は、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との間の関係式である。データ処理部33は、校正式を用いて、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を測定する。
【0067】
表示パネル4は、各種画像を表示する。表示パネル4は、表示制御部35の制御によって、酸素飽和濃度を表示する。表示パネル4は、表示制御部35の制御によって、信頼度データを表示してもよい。表示パネル4は、表示制御部35から出力された表示データに基づいて、酸素飽和濃度を表示する。表示パネル4は、脈拍数等を表示してもよい。表示パネル4は、液晶ディスプレイや有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等で構成される。
【0068】
モーションセンサー50は、使用者Mの体動を測定する。モーションセンサー50は、使用者Mの体動を示すモーションデータを生成する。モーションセンサー50は、生成したモーションデータを測定結果として制御ユニット30に出力する。制御ユニット30は、モーションデータを受信する。制御ユニット30の判別部37は、モーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。モーションセンサー50は、使用者Mの体動を検知する構成であれば、その構成は限定されない。モーションセンサー50としては、加速度センサー、方位センサー、ジャイロセンサー、測位衛星信号受信器等の位置センサーが用いられる。モーションセンサー50は、加速度センサーであることが好ましい。加速度センサーは、測定装置100が装着される部位の動きを検出する。使用者Mの部位に動きが生じたとき、加速度センサーは使用者Mの動きを検出する。モーションセンサー50は、体動センサーの一例に対応する。
【0069】
通信インターフェイス60は、タブレット端末200と通信接続するインターフェイス回路である。通信インターフェイス60は、タブレット端末200と所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。通信インターフェイス60は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ等を備える。通信インターフェイス60は、タブレット端末200から制御データ、使用者Mに係る情報等を受信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200に酸素飽和濃度等の各種生体情報を送信する。通信インターフェイス60は、赤色光検出信号、赤外光検出信号等の各種測定データを送信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200以外の外部装置と通信接続してもよい。通信インターフェイス60は、通信ユニットの一例に対応する。
【0070】
バッテリー70は、第1測定装置100aの各種ユニット等に電力を供給する。バッテリー70は、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池等で構成される。バッテリー70は、充電式のリチウムイオン二次電池であることが好ましい。リチウムイオン二次電池は、有線、もしくは無線で充電される。第1測定装置100aにバッテリー70が用いられる場合、制御ユニット30がモーションセンサー50の測定結果によって発光素子11の発光制御を行うことが好ましい。制御ユニット30がモーションセンサー50の測定結果によって酸素飽和濃度の測定制御を行うことが好ましい。使用者Mが睡眠状態でないときに第2発光間隔で発光素子11が発光することによって、バッテリー70による第1測定装置100aの駆動時間が向上する。使用者Mが睡眠状態でないときにデータ処理部33が第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定することによって、バッテリー70による第1測定装置100aの駆動時間が向上する。
【0071】
図7は、酸素飽和濃度を測定するフローチャートを示している。
図7に示すフローチャートは、生体情報測定方法の一例を示している。
図7は、第1測定装置100aで実行される生体情報測定方法を示している。
【0072】
制御ユニット30は、ステップS101で、モーションデータを取得する。制御ユニット30の判別部37は、モーションセンサー50から出力されたモーションデータを取得する。モーションセンサー50は、所定のタイミング、もしくは所定量の体動が検出されたとき、モーションデータを制御ユニット30に出力する。
【0073】
制御ユニット30は、モーションデータを取得したのち、ステップS103で使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、取得したモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、判別結果に基づいて判別信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、判別信号として睡眠状態信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、判別信号として活動状態信号を生成してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて睡眠変位信号及び活動変位信号を生成してもよい。判別部37は、判別信号を検出制御部31、もしくはデータ処理部33に送信する。判別部37は、判別信号を検出制御部31及びデータ処理部33に送信してもよい。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、ステップS105に進む(ステップS103:YES)。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、ステップS107に進む(ステップS103:NO)。
【0074】
制御ユニット30は、ステップS105で、第1発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を第1発光間隔で発光させる。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、第1発光間隔で検出信号を生成する。検出信号は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号である。受光素子ユニット20は、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、第1発光間隔で生成された検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第1発光間隔で生成される。データ処理部33は、測定された酸素飽和濃度をメモリー40、表示制御部35等に送信する。データ処理部33は、通信インターフェイス60を介して酸素飽和濃度をタブレット端末200に送信する。
【0075】
制御ユニット30は、ステップS105で、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定してもよい。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を所定の間隔で発光させる。所定の間隔は、第1算出間隔もしくは第1算出間隔よりも短い時間間隔である。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、所定の間隔で検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、受信した検出信号の一部もしくは全てを用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第1算出間隔で生成される。
【0076】
制御ユニット30は、ステップS107で、第2発光間隔で酸素飽和濃度を算出する。第2発光間隔は、第1発光間隔よりも長い。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を第2発光間隔で発光させる。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、第2発光間隔で検出信号を生成する。検出信号は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号である。受光素子ユニット20は、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、第2発光間隔で生成された検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第2発光間隔で生成される。データ処理部33は、測定された酸素飽和濃度をメモリー40、表示制御部35等に送信する。データ処理部33は、通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に酸素飽和濃度を送信してもよい。
【0077】
制御ユニット30は、ステップS107で、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定してもよい。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を所定の間隔で発光させる。所定の間隔は、第2算出間隔もしくは第2算出間隔よりも短い時間間隔である。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、所定の間隔で検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、受信した検出信号の一部もしくは全てを用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、第2算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第2算出間隔で生成される。
【0078】
制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないときの第2発光間隔を使用者Mが睡眠状態であるときの第1発光間隔よりも長くする。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないときに第2発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。第1測定装置100aは、睡眠状態でないときの発光素子11の発光及び酸素飽和濃度の測定による消費電力の増加が抑えられる。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないときの第2算出間隔を使用者Mが睡眠状態であるときの第1算出間隔よりも長くする。第1測定装置100aは、睡眠状態でないときの酸素飽和濃度の測定による消費電力の増加が抑えられる。
【0079】
図8は、酸素飽和濃度を測定するときのフローチャートを示している。
図8は、
図7のステップS105、及びステップS107で行われる制御フローを示している。制御ユニット30は、ステップS105、及びステップS107では、発光間隔を除き
図8に示す制御フローで酸素飽和濃度を測定する。
【0080】
制御ユニット30は、ステップS201で、赤色光RL、及び赤外光NLを発光させる。制御ユニット30で動作する検出制御部31は、駆動回路13を介して赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを発光させる。検出制御部31は、第1発光素子ユニット10aを制御することによって、使用者Mへ光を発光させる。検出制御部31は、使用者Mへ赤色光RLを発光させる。赤色光発光素子11aは、使用者Mへ赤色光RLを発光する。検出制御部31は、使用者Mへ赤外光NLを発光させる。赤外光発光素子11bは、使用者Mへ赤外光NLを発光する。
【0081】
制御ユニット30は、赤色光RL、及び赤外光NLを発光させたのち、ステップS203で、赤色光RL、及び赤外光NLを受光させる。検出制御部31は、第1受光素子ユニット20aに使用者Mを経由した赤色光RL、及び赤外光NLを受光させる。第1受光素子ユニット20aの受光素子21は、使用者Mで反射した赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。受光素子21は、異なるタイミングで、赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。受光素子21は、異なる領域で赤色光RL、及び赤外光NLを受光してもよい。
【0082】
制御ユニット30は、赤色光RL、及び赤外光NLを受光させたのち、ステップS205で、検出信号として赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を生成させる。第1受光素子ユニット20aの出力回路23は、受光した赤色光RLに基づく赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で検出した赤色光RLの受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって、赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、受光した赤外光NLに基づく赤外光検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で検出した赤外光NLの受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって、赤外光検出信号を生成する。
【0083】
制御ユニット30は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を生成させたのち、ステップS207で、酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号に基づいて、脈波を測定してもよい。
【0084】
データ処理部33は、一例として、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行う。データ処理部33は、赤色光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、脈波の周波数に対応する第1周波数F1を検出する。データ処理部33は、第1周波数F1の信号強度である第1ピーク値P1を赤色光検出信号強度として取得する。データ処理部33は、赤外光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、脈波の周波数に対応する第2周波数F2を検出する。データ処理部33は、第2周波数F2の信号強度である第2ピーク値P2を赤外光検出信号強度として取得する。
【0085】
データ処理部33は、所定の時間間隔で赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を取得する。データ処理部33は、赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を用いて変動成分振幅比を測定する。データ処理部33は、式(1)を用いて、変動成分振幅比を測定する。
【0086】
データ処理部33は、測定された変動成分振幅比に基づいて、酸素飽和濃度を算出する。データ処理部33は、メモリー40に記憶される校正テーブルPTを参照して、変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を求める。
【0087】
データ処理部33は、第1周波数F1、もしくは第2周波数F2を脈波として測定してもよい。データ処理部33は、一例として、赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度のうち出力感度の大きい信号を用いて脈波を測定する。データ処理部33は、生体情報として、酸素飽和濃度、脈波を測定することができる。
【0088】
第1測定装置100aは、赤色光RLを発光する赤色光発光素子11a、及び赤外光NLを発光する赤外光発光素子11bを有する第1発光素子ユニット10aと、赤色光発光素子11aから発光された赤色光RL、及び赤外光発光素子11bから発光された赤外光NLを受光し、赤色光RLに基づく赤色光検出信号、及び赤外光NLに基づく赤外光検出信号を生成する第1受光素子ユニット20aと、体動を測定するモーションセンサー50と、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する制御ユニット30と、を備える。制御ユニット30は、モーションセンサー50のモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別し、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、第1発光間隔で酸素飽和濃度を測定し、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、第1発光間隔よりも長い第2発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。
第1測定装置100aは、睡眠時の測定データ数を減少させることなく、消費電力を抑えることが可能となる。
【0089】
制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを発光させない制御を行うことによって、酸素飽和濃度を測定しない。
第1測定装置100aは、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bの発光による消費電力を抑えることができる。
【0090】
生体情報測定方法は、モーションセンサー50のモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別し、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、赤色光発光素子11aで発光された赤色光RL、及び赤外光発光素子11bで発光された赤外光NLを受光し、赤色光RLに基づいて赤色光検出信号、及び赤外光NLに基づいて赤外光検出信号を生成し、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて第1発光間隔で酸素飽和濃度を測定し、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、第1発光間隔よりも長い第2発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。
第1測定装置100aは、睡眠時の測定データ数を減少させることなく、消費電力を抑えることが可能となる。測定装置100は、消費電力を抑え、睡眠時無呼吸症候群の評価の精度を維持することができる。
【0091】
図9は、酸素飽和濃度を測定するフローチャートを示している。
図9に示すフローチャートは、生体情報測定方法の一例を示している。
図9は、第1測定装置100aで実行される生体情報測定方法を示している。
図9は、使用者Mが睡眠状態でないときに酸素飽和濃度を測定しない場合の制御フローを示している。
図9は、第2発光間隔、もしくは第2算出間隔が睡眠状態でない期間よりも大きく設定される場合の制御フローを示している。
図9に示す制御フローは、
図7に示す制御フローの一例に対応する。
【0092】
制御ユニット30は、ステップS101で、モーションデータを取得する。制御ユニット30の判別部37は、モーションセンサー50から出力されたモーションデータを取得する。モーションセンサー50は、所定のタイミング、もしくは所定量の体動が検出されたとき、モーションデータを制御ユニット30に出力する。
【0093】
制御ユニット30は、モーションデータを取得したのち、ステップS103で使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、取得したモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、判別結果に基づいて判別信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、判別信号として睡眠状態信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、判別信号として活動状態信号を生成してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて睡眠変位信号及び活動変位信号を生成してもよい。判別部37は、判別信号を検出制御部31、もしくはデータ処理部33に送信する。判別部37は、判別信号を検出制御部31及びデータ処理部33に送信してもよい。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、ステップS105に進む(ステップS103:YES)。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、酸素飽和濃度を測定せず、制御フローを終了する。
【0094】
制御ユニット30は、ステップS105で、第1発光間隔で酸素飽和濃度を測定する。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を第1発光間隔で発光させる。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、第1発光間隔で検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、第1発光間隔で生成された検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第1発光間隔で生成される。データ処理部33は、測定された酸素飽和濃度をメモリー40、表示制御部35等に送信する。データ処理部33は、通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に酸素飽和濃度を送信する。
【0095】
制御ユニット30は、ステップS105で、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定してもよい。制御ユニット30の検出制御部31は、発光素子11を所定の間隔で発光させる。所定の間隔は、第1算出間隔もしくは第1算出間隔よりも短い時間間隔である。受光素子21は、発光素子11から発光された光を受光し、所定の間隔で検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、検出信号を制御ユニット30のデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、検出信号を受信する。データ処理部33は、受信した検出信号の一部もしくは全てを用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、第1算出間隔で酸素飽和濃度を測定する。酸素飽和濃度は、第1算出間隔で生成される。
【0096】
制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、酸素飽和濃度を測定しない。
第1測定装置100aは、消費電力をより抑えることができる。
【0097】
生体情報測定方法は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、酸素飽和濃度を測定しない。
第1測定装置100aは、消費電力をより抑えることができる。
【0098】
第2実施形態
第2実施形態は、測定装置100の一例である第2測定装置100bの構成を示している。第2実施形態は、第2測定装置100bを用いた生体情報測定方法を示している。第2実施形態に示す第2測定装置100bは、酸素飽和濃度及び脈波を測定する。第2測定装置100bは、測定した酸素飽和濃度及び脈波をタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、酸素飽和濃度及び脈波を受信し、睡眠時無呼吸症候群等の評価を行う。
【0099】
図10は、測定装置100の測定面1aの概略構成を示している。
図10は、測定装置100の一例である第2測定装置100bの測定面1aを外部から見たときの概略構成を示している。測定面1aには、第2検出ユニット3bが配置される。第2検出ユニット3bは、検出ユニット3の一例である。第2検出ユニット3bは、第2発光素子ユニット10bと、第2受光素子ユニット20bと、を有する。第2発光素子ユニット10bは、発光素子ユニット10の一例である。第2受光素子ユニット20bは、受光素子ユニット20の一例である。
【0100】
第2発光素子ユニット10bは、使用者Mの測定部位に向けて光を発光する。第2発光素子ユニット10bは、3つの発光素子11を有する。3つの発光素子11は、赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bと緑色光発光素子11cとである。緑色光発光素子11cは、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bと異なる波長域の光を発光する。
【0101】
第2受光素子ユニット20bは、第2発光素子ユニット10bで発光された各種光を受光する。第2受光素子ユニット20bは、各種光を受光する受光素子21を有する。受光素子21は、第2発光素子ユニット10bで発光された光の透過光、もしくは反射光を受光する。
【0102】
図11は、測定装置100のブロック構成を示している。
図11は、測定装置100の一例である第2測定装置100bのブロック構成を示している。
図11は、ベルト2を除く第2測定装置100bを示している。第2測定装置100bは、筐体1内に各種ユニット等を収容する。第2測定装置100bは、第2検出ユニット3bと、制御ユニット30と、メモリー40と、表示パネル4と、モーションセンサー50と、通信インターフェイス60と、バッテリー70と、を備える。第2測定装置100bの制御ユニット30、メモリー40、表示パネル4、モーションセンサー50、通信インターフェイス60、及びバッテリー70は、第1測定装置100aの制御ユニット30、メモリー40、表示パネル4、モーションセンサー50、通信インターフェイス60、及びバッテリー70と同じである。
【0103】
第2検出ユニット3bの駆動回路13、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bは、第1検出ユニット3aの駆動回路13、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bと同じである。第2検出ユニット3bは、緑色光発光素子11cを有する第2発光素子ユニット10bを備える。
【0104】
緑色光発光素子11cは、520nm~550nmの波長域の緑色光GLを使用者Mの測定部位に向けて発光する。緑色光GLは、一例として、ピーク波長が520nmの光である。緑色光発光素子11cは、第3発光素子の一例に対応する。緑色光発光素子11cは、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bと同様に駆動回路13によって駆動される。
【0105】
第2検出ユニット3bに含まれる第2受光素子ユニット20bは、受光素子21と、出力回路23と、を備える。受光素子21は、発光素子11で発光され、使用者Mの測定部位で反射された光を受光する。受光素子21は、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割される。受光素子21は、図示しない光学フィルターを用いて複数の領域に区画されてもよい。
図11に示す受光素子21は、第1受光エリア21aと、第2受光エリア21bとに分割される。
【0106】
第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、赤色光発光素子11aで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RLを受光する。第1受光エリア21aは、赤外光発光素子11bで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、光学フィルターを介して、赤色光RL、赤外光NLの内の少なくとも一方を受光してもよい。第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを時分割で交互に受光してもよい。
【0107】
第2受光エリア21bは、緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、緑色光発光素子11cで発光され、使用者Mの測定部位で反射された緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、光学フィルターを介して緑色光GLを受光してもよい。
【0108】
図11は、第1受光エリア21aで、赤色光RL、及び赤外光NLを受光したが、これに限定されない。第1受光エリア21a、及び第2受光エリア21bと異なる第3受光エリアが設けられてもよい。第3受光エリアで赤色光RL、もしくは赤外光NLが受光されてもよい。第3受光エリアで赤外光NLが受光される場合、第1受光エリア21aは、赤色光RLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割されなくてもよい。受光素子21は、時分割で赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光してもよい。
【0109】
出力回路23は、受光素子21で受光した光に基づく検出信号を制御ユニット30に出力する。出力回路23は、受光素子21で受光した光の受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで受光した赤色光RLに基づいて赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで受光した赤外光NLに基づいて赤外光検出信号を生成する。出力回路23は、第2受光エリア21bで受光した緑色光GLに基づいて緑色光検出信号を生成する。赤色光検出信号は、第1受光信号の一例に対応する。赤外光検出信号は、第2受光信号の一例に対応する。緑色光検出信号は、第3受光信号の一例に対応する。
【0110】
出力回路23は、バンドパスフィルター25を有してもよい。バンドパスフィルター25は、受光強度データから交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、受光強度データから交流成分を抽出することによって、交流成分と直流成分とに分離する。交流成分は、
図4に示す交流成分データ83に対応する。直流成分は、
図4に示す直流成分データ81に対応する。バンドパスフィルター25は、分離した交流成分と直流成分とを検出信号として制御ユニット30に出力する。
【0111】
バンドパスフィルター25は、第1受光エリア21aで受光した赤色光RLから赤色光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、赤色光交流成分を抽出することによって、受光強度データを赤色光交流成分と赤色光直流成分とに分離する。バンドパスフィルター25は、第1受光エリア21aで受光した赤外光NLから赤外光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、赤外光交流成分を抽出することによって、受光強度データを赤外光交流成分と赤外光直流成分とに分離する。出力回路23は、赤色光交流成分、及び赤色光直流成分を赤色光検出信号として、制御ユニット30に出力する。出力回路23は、赤外光交流成分、及び赤外光直流成分を赤外光検出信号として、制御ユニット30に出力する。
【0112】
バンドパスフィルター25は、第2受光エリア21bで受光した緑色光GLから緑色光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、緑色光交流成分を抽出することによって、受光強度データを緑色光交流成分と緑色光直流成分とに分離する。出力回路23は、緑色光交流成分、及び緑色光直流成分を緑色光検出信号として、制御ユニット30に出力する。
【0113】
第2測定装置100bの制御ユニット30は、第1測定装置100aと同様に、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。第2測定装置100bの制御ユニット30は、第1測定装置100aと同様の制御を行い、酸素飽和濃度を測定する。
【0114】
第2測定装置100bの制御ユニット30は、緑色光検出信号を用いて脈波を測定する。制御ユニット30は、判別部37で生成された判別信号によって、緑色光検出信号を用いた脈波の測定を制御してもよい。
【0115】
判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、検出制御部31に睡眠状態信号を送信する。検出制御部31は、睡眠状態信号を受信すると緑色光発光素子11cによる発光を停止させる。判別部37が睡眠状態信号を検出制御部31に送信しないとき、検出制御部31は、緑色光発光素子11cを発光させる。判別部37は、検出制御部31に活動状態信号を送信してもよい。検出制御部31は、活動状態信号を受信すると、緑色光発光素子11cを発光させる。制御ユニット30は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、緑色光発光素子11cを発光させる。
【0116】
判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、検出制御部31に睡眠変位信号及び活動変位信号を送信してもよい。検出制御部31は、睡眠変位信号を受信すると緑色光発光素子11cによる発光を停止させる。判別部37が活動変位信号を検出制御部31に送信すると、検出制御部31は、緑色光発光素子11cを発光させる。制御ユニット30は、判別部37によって使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、緑色光発光素子11cを発光させる。第2測定装置100bは、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき緑色光発光素子11cを用いて脈波の測定を行う。緑色光GLは、赤色光RL及び赤外光NLよりも体動の影響を受け難い。第2測定装置100bは、体動の影響を受けやすい活動状態にあるときの脈波を精度良く測定することができる。
【0117】
第2発光素子ユニット10bは、緑色光GLを発光する緑色光発光素子11cを有する。第2受光素子ユニット20bは、緑色光発光素子11cから発光された緑色光GLを受光し、緑色光GLに基づく緑色光検出信号を生成する。制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態にないと判別したとき、緑色光発光素子11cを発光させる。
第2測定装置100bは、使用者Mが睡眠状態でないときの脈波を測定することが可能となる。
【0118】
第2測定装置100bは、使用者Mが睡眠状態であるか否かに係らず、緑色光発光素子11cを用いて脈波を測定してもよい。第2測定装置100bは、脈波を継続的に測定することができる。測定システム1000が不整脈の評価を行う場合、不整脈の評価精度を向上させることができる。
【0119】
第3実施形態
第3実施形態は、タブレット端末200で睡眠時無呼吸症候群等の解析を行う測定システム1000の一例を示している。第3実施形態の測定システム1000は、第1測定装置100aとタブレット端末200とで構成される。測定システム1000は、第1測定装置100aに代えて第2測定装置100bを備えてもよい。
【0120】
図12は、測定システム1000のブロック構成を示している。
図12に示す第1測定装置100aの構成は、
図3に示す第1測定装置100aの構成と同じである。第1測定装置100aは、制御ユニット30の制御によって赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を測定する。制御ユニット30は、第1実施形態と同様にモーションセンサー50のモーションデータによって第1発光間隔もしくは第2発光間隔で赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を測定する。制御ユニット30は、第1実施形態と同様にモーションセンサー50のモーションデータによって第1算出間隔もしくは第2算出間隔で赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を測定してもよい。
図12に示す第1測定装置100aは、通信インターフェイス60を介して赤色光検出信号、及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信する。第1測定装置100aが赤色光検出信号、及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信するとき、タブレット端末200が酸素飽和濃度を算出する。
【0121】
タブレット端末200は、酸素飽和濃度を算出することができる。タブレット端末200は、脈波等の生体情報を算出してもよい。タブレット端末200は、ディスプレイ210と、端末制御ユニット220と、端末メモリー230と、端末通信インターフェイス240と、を備える。
【0122】
端末制御ユニット220は、タブレット端末200内の各種ユニットを制御する端末制御コントローラーである。端末制御ユニット220は、一例として、CPUを有する端末プロセッサーである。端末制御ユニット220は、1又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。端末制御ユニット220は、RAM、ROM等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、制御ユニット30のワークエリアとして機能する。端末制御ユニット220は、端末メモリー230に記憶される解析アプリAPを実行することによって、データ生成部221、解析部223、及び通信制御部225として機能する。
【0123】
データ生成部221は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。データ生成部221は、酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、第1測定装置100aから送信された赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を取得する。データ生成部221は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、データ処理部33で実行される方法と同様な方法で酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、データ処理部33と同様な機能を有する。データ生成部221は、第1発光間隔、もしくは第2発光間隔で測定された赤色光発光信号及び赤外光発光信号を用いて複数の酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、複数の酸素飽和濃度を酸素飽和濃度データ群として生成する。データ生成部221は、算出した酸素飽和濃度、もしくは酸素飽和濃度データ群を解析部223に出力する。
【0124】
データ生成部221は、脈波等の生体情報を算出してもよい。データ生成部221は、一例として、赤色光検出信号、もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を算出する。データ生成部221は、算出された脈波を解析部223に送信する。
【0125】
解析部223は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。解析部223は、データ生成部221から出力された酸素飽和濃度もしくは酸素飽和濃度データ群を取得する。解析部223は、酸素飽和濃度もしくは酸素飽和濃度データ群を解析することによって、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。解析部223は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果をディスプレイ210に出力する。解析部223は、端末メモリー230に睡眠時無呼吸症候群の評価結果を記憶させてもよい。解析部223は、酸素飽和濃度を用いて図表データを生成してもよい、解析部223は、図表データをディスプレイ210に出力する。ディスプレイ210は、図表データに基づいて、各種図表を表示する。
【0126】
解析部223は、データ生成部221から出力された脈波等の生体情報を取得する。解析部223は、一例として、脈波を解析することによって不整脈の評価を行う。解析部223は、不整脈の評価結果をディスプレイ210に出力する。解析部223は、不整脈の評価結果を端末メモリー230に記憶させてもよい。
【0127】
通信制御部225は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。通信制御部225は、第1測定装置100aとの通信を制御する。通信制御部225は、第1測定装置100aとの通信接続を確立する。通信制御部225は、第1測定装置100aに所定のタイミングで各種データを送信させる。通信制御部225は、第1測定装置100aに所定のタイミングで赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を送信させる。
【0128】
端末メモリー230は、各種データを記憶する。端末メモリー230は、タブレット端末200内の各種ユニットを動作させる端末制御データを記憶する。端末メモリー230は、端末制御ユニット220で解析された各種解析データ等を記憶してもよい。端末メモリー230は、端末制御ユニット220で動作する解析アプリAPを記憶する。端末メモリー230は、データ生成部221で参照される校正テーブルPTを記憶する。校正テーブルPTは、
図12に図示されない。端末メモリー230は、ROMやRAM等で構成される。端末メモリー230は、端末記憶部の一例に対応する。
【0129】
解析アプリAPは、端末制御ユニット220で実行されることによって、各種機能部を動作させる。解析アプリAPは、端末制御ユニット220をデータ生成部221、解析部223、及び通信制御部225として動作させる。解析アプリAPは、端末制御ユニット220をデータ生成部221、解析部223、及び通信制御部225以外の機能部として動作させてもよい。
【0130】
端末通信インターフェイス240は、第1測定装置100aと通信接続する端末インターフェイス回路である。端末通信インターフェイス240は、第1測定装置100aと所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。端末通信インターフェイス240は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ等を備える。端末通信インターフェイス240は、第1測定装置100aから赤色光検出信号、及び赤外光検出信号等の各種データを受信する。端末通信インターフェイス240は、第1測定装置100aの動作を制御する各種制御データ、使用者Mに係る情報等を送信する。端末通信インターフェイス240は、第1測定装置100a以外の外部装置と通信接続してもよい。端末通信インターフェイス240は、端末通信回路の一例に対応する。
【0131】
図13は、測定システム1000内の測定装置100の動作を示している。
図13は、第3実施形態の第1測定装置100aの動作をフローチャートで示している。
図13に示すフローチャートは、測定システム1000で実行される生体情報測定方法の一部を示している。
【0132】
第1測定装置100aは、ステップS301で、モーションデータを取得する。制御ユニット30の判別部37は、モーションセンサー50から出力されたモーションデータを取得する。モーションセンサー50は、所定のタイミング、もしくは所定量の体動が検出されたとき、モーションデータを制御ユニット30に出力する。
【0133】
第1測定装置100aは、モーションデータを取得したのち、ステップS303で使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、取得したモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別する。判別部37は、判別結果に基づいて判別信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、判別信号として睡眠状態信号を生成する。判別部37は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、判別信号として活動状態信号を生成してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて睡眠変位信号及び活動変位信号を生成してもよい。判別部37は、判別信号を検出制御部31、もしくはデータ処理部33に送信する。判別部37は、判別信号を検出制御部31及びデータ処理部33に送信してもよい。第1測定装置100aは、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、ステップS305に進む(ステップS303:YES)。第1測定装置100aは、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、ステップS307に進む(ステップS303:NO)。
【0134】
第1測定装置100aは、ステップS305で、第1発光間隔で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定する。検出制御部31は、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを第1発光間隔で発光させる。受光素子21は、赤色光発光素子11aから発光された赤色光RLを受光し、第1発光間隔で赤色光検出信号を生成する。受光素子21は、赤外光発光素子11bから発光された赤外光NLを受光し、第1発光間隔で赤外光検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号をデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する。
【0135】
第1測定装置100aは、ステップS307で、第2発光間隔で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定する。第2発光間隔は、第1発光間隔よりも長い。検出制御部31は、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを第2発光間隔で発光させる。受光素子21は、赤色光発光素子11aから発光された赤色光RLを受光し、第2発光間隔で赤色光検出信号を生成する。受光素子21は、赤外光発光素子11bから発光された赤外光NLを受光し、第2発光間隔で赤外光検出信号を生成する。第1受光素子ユニット20aは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号をデータ処理部33に送信する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する。
【0136】
第1測定装置100aは、ステップS307で、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定しなくてもよい。第2発光間隔が、使用者Mが睡眠状態でない時間間隔よりも長く設定されると、第1測定装置100aは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定しない。第1測定装置100aが、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定しない場合、測定システム1000の端末制御ユニット220は、酸素飽和濃度を算出しない。
【0137】
第1測定装置100aは、データ処理部33で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信したのち、ステップS309で、赤色光検出信号及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信する。第1測定装置100aは、通信インターフェイス60を介して赤色光検出信号及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信する。第1測定装置100aは、測定された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を所定時間、メモリー40に記憶する。第1測定装置100aは、所定時間ごとに赤色光検出信号及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信する。第1測定装置100aは、データ処理部33で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信したときに、赤色光検出信号及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信してもよい。
【0138】
図14は、測定システム1000内のタブレット端末200の動作を示している。
図14は、第3実施形態のタブレット端末200の動作をフローチャートで示している。
図14に示すフローチャートは、測定システム1000で実行される生体情報測定方法の一部を示している。
【0139】
タブレット端末200は、ステップS401で、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する。タブレット端末200の端末通信インターフェイス240は、通信インターフェイス60を介して送信された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する。赤色光検出信号及び赤外光検出信号は、第1発光間隔もしくは第2発光間隔で測定されたデータ群である。端末通信インターフェイス240は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号をデータ生成部221に送信する。
【0140】
タブレット端末200は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信したのち、ステップS403で、酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、端末通信インターフェイス240を介して赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得する。データ生成部221は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を算出する。酸素飽和濃度は、第1実施形態のデータ処理部33と同様な手法でデータ生成部221によって算出される。データ生成部221は、第1発光間隔で測定された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて、第1酸素飽和濃度データ群を算出する。第1酸素飽和濃度データ群は、第1発光間隔で測定された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて算出された酸素飽和濃度データ群である。データ生成部221は、第2発光間隔で測定された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて、第2酸素飽和濃度データ群を算出する。第2酸素飽和濃度データ群は、第2発光間隔で測定された赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて算出された酸素飽和濃度データ群である。データ生成部221は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得しない場合、酸素飽和濃度を測定しない。データ生成部221は、第1酸素飽和濃度データ群を解析部223に送信する。データ生成部221は、第2酸素飽和濃度データ群を解析部223に送信してもよいし、送信しなくてもよい。
【0141】
データ生成部221は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて、脈波等の生体情報を算出してもよい。データ生成部221は、一例として、赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を算出する。データ生成部221は、算出した脈波を解析部223に送信する。
【0142】
タブレット端末200は、酸素飽和濃度を算出したのち、ステップS405で、酸素飽和濃度データ群を解析する。解析部223は、第1酸素飽和濃度データ群を解析する。解析部223は、第1酸素飽和濃度データ群を解析することによって、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。解析部223は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果を解析結果として、ディスプレイ210もしくは端末メモリー230に送信する。
【0143】
タブレット端末200は、ステップS405で、脈波等の生体情報を解析してもよい。解析部223は、一例として、脈波を用いて不整脈の評価を行う。解析部223は、不整脈の評価結果を、ディスプレイ210もしくは端末メモリー230に送信する。
【0144】
タブレット端末200は、酸素飽和濃度データ群を解析したのち、ステップS407で、解析結果を出力する。ディスプレイ210は、解析結果の出力として、睡眠時無呼吸症候群の評価結果を表示する。タブレット端末200は、音声等によって睡眠時無呼吸症候群の評価結果を出力してもよい。タブレット端末200は、ディスプレイ210に解析結果と酸素飽和濃度の変化を示す図表等を表示させてもよい。
【0145】
タブレット端末200は、ステップS407で、生体情報の解析結果を出力してもよい。タブレット端末200は、一例として、不整脈の評価結果をディスプレイ210に表示させる。タブレット端末200は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて算出された各種生体情報の評価結果を出力する。
【0146】
測定システム1000は、第1測定装置100aとタブレット端末200とを有する。第1測定装置100aは、赤色光RLを発光する赤色光発光素子11a、及び赤外光NLを発光する赤外光発光素子11bを有する第1発光素子ユニット10aと、赤色光発光素子11aから発光された赤色光RL、及び赤外光発光素子11bから発光された赤外光NLを受光し、赤色光RLに基づく赤色光検出信号、及び赤外光NLに基づく赤外光検出信号を生成する第1受光素子ユニット20aと、体動を測定するモーションセンサー50と、第1発光素子ユニット10a及び第1受光素子ユニット20aを制御することによって、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成させる制御ユニット30と、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を送信する通信インターフェイス60と、を備える。タブレット端末200は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する端末通信インターフェイス240と、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を算出する端末制御ユニット220と、を備える。制御ユニット30は、モーションセンサー50のモーションデータによって使用者Mが睡眠状態であるか否かを判別し、使用者Mが睡眠状態であると判別したとき、第1発光間隔で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成し、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、第1発光間隔よりも長い第2発光間隔で赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成させる。
測定システム1000は、睡眠時の測定データ数を減少させることなく、第1測定装置100aの消費電力を抑えることが可能となる。測定システム1000は、第1測定装置100aの消費電力を抑え、睡眠時無呼吸症候群の評価精度を維持することができる。
【0147】
制御ユニット30は、使用者Mが睡眠状態でないと判別したとき、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成しない。
測定システム1000は、第1測定装置100aの消費電力をより抑えることができる。
【0148】
第3実施形態では、タブレット端末200で酸素飽和濃度等の生体情報を算出したが、これに限定されない。第1測定装置100aが酸素飽和濃度等の生体情報を測定してもよい。タブレット端末200は、第1測定装置100aで測定された酸素飽和濃度等を受信する。タブレット端末200は、受信した酸素飽和濃度を用いて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。
【0149】
第1測定装置100aに代えて、第2測定装置100bが測定システム1000に用いられるとき、第2測定装置100bは、緑色光検出信号をタブレット端末200に送信してもよい。タブレット端末200は、緑色光検出信号を受信する。タブレット端末200は、緑色光検出信号を用いて不整脈の評価を行う。
【符号の説明】
【0150】
1…筐体、1a…測定面、1b…表示面、2…ベルト、3…検出ユニット、3a…第1検出ユニット、3b…第2検出ユニット、4…表示パネル、10…発光素子ユニット、10a…第1発光素子ユニット、10b…第2発光素子ユニット、11…発光素子、11a…赤色光発光素子、11b…赤外光発光素子、11c…緑色光発光素子、13…駆動回路、20…受光素子ユニット、20a…第1受光素子ユニット、20b…第2受光素子ユニット、21…受光素子、23…出力回路、25…バンドパスフィルター、30…制御ユニット、31…検出制御部、33…データ処理部、35…表示制御部、40…メモリー、50…モーションセンサー、60…通信インターフェイス、70…バッテリー、81…直流成分データ、83…交流成分データ、100…測定装置、100a…第1測定装置、100b…第2測定装置、200…タブレット端末、210…ディスプレイ、220…端末制御ユニット、221…データ生成部、223…解析部、225…通信制御部、230…端末メモリー、240…端末通信インターフェイス、1000…測定システム、AP…解析アプリ、F1…第1周波数、F2…第2周波数、GL…緑色光、M…使用者、ND…赤外光検出信号データ、NL…赤外光、NW…赤外光データ、P1…第1ピーク値、P2…第2ピーク値、PT…校正テーブル、RD…赤色光検出信号データ、RL…赤色光、RW…赤色光データ。