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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081236
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ころ脱落防止具およびころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/54 20060101AFI20240611BHJP
   F16C 19/26 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
F16C33/54
F16C19/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194708
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】石塚 直也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 祥司
(72)【発明者】
【氏名】飛田野 謙吾
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA13
3J701AA24
3J701AA34
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701AA72
3J701BA34
3J701BA44
3J701BA46
3J701BA47
3J701BA49
3J701EA02
3J701FA04
3J701FA44
3J701FA46
3J701XB03
3J701XB12
3J701XB19
(57)【要約】
【課題】生産性が良好であり、ころの脱落を効率的に防止することができるころ脱落防止具を提供する。
【解決手段】ころ脱落防止具は、総ころ形式のころ軸受に用いられるころ脱落防止具であって、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されており、各ころの転動面を露出させる複数の窓部を形成するように周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ軸方向に延びる複数の棒状部と、それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置され、前記複数の棒状部の軸方向の両端部を連結する一対の連結部と、を含む。前記複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の前記窓部と径方向において重複している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
総ころ形式のころ軸受に用いられるころ脱落防止具であって、
板状のばね材を円弧状に曲げて構成されており、
各ころの転動面を露出させる複数の窓部を形成するように周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ軸方向に延びる複数の棒状部と、
それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置され、前記複数の棒状部の軸方向の両端部を連結する一対の連結部と、を含み、
前記複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の前記窓部と径方向において重複している、ころ脱落防止具。
【請求項2】
前記ころ脱落防止具は、前記複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の前記窓部と径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を円環状に曲げて構成されている、請求項1に記載のころ脱落防止具。
【請求項3】
周方向の最も端に位置する前記窓部は、周方向の反対の最も端に位置する前記窓部と径方向において重複している、請求項1または請求項2に記載のころ脱落防止具。
【請求項4】
前記ころ脱落防止具は、全ての前記窓部が径方向において重複するよう板状のばね材を円環状に二重に曲げて構成されている、請求項2に記載のころ脱落防止具。
【請求項5】
前記ころ脱落防止具は、径方向において重複する領域に設けられ、内径側部分と外径側部分とを係合させる係合部を含む、請求項2に記載のころ脱落防止具。
【請求項6】
前記ころ脱落防止具は、
前記窓部が形成されており、内径側に配置される円弧状の第1分割部材と、
前記窓部が形成されており、前記第1分割部材よりも外径側に配置される円弧状の第2分割部材と、を含み、
前記第1分割部材に形成された前記窓部と、前記第2分割部材に形成された窓部とが、重複している、請求項1に記載のころ脱落防止具。
【請求項7】
重複する前記窓部は、複数設けられている、請求項2または請求項6に記載のころ脱落防止具。
【請求項8】
重複する前記窓部の数は、3である、請求項7に記載のころ脱落防止具。
【請求項9】
前記棒状部は、
軸方向の中央に位置する第1領域と、
軸方向の両端側に位置し、前記窓部の周方向の間隔が前記第1領域よりも狭い第2領域と、を含む、請求項1または請求項2に記載のころ脱落防止具。
【請求項10】
総ころ形式のころ軸受であって、
複数のころと、
前記複数のころの外径側に配置される環状の外輪と、
前記複数のころのころPCDよりも内径側に配置され、前記複数の窓部のそれぞれに前記ころの各転動面が露出するように配置される請求項1または請求項2に記載のころ脱落防止具と、を備える、ころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ころ脱落防止具およびころ軸受に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周方向に分割されたころ軸受用分割型保持器を含む分割型ころ軸受が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示のころ軸受用分割型保持器は、分割部をころにより結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-247815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ころ軸受において、定格荷重アップの観点から、総ころ形式、すなわち、保持器を含まず、周方向に全てころを配置する構成を採用する場合がある。このような場合において、外輪の鍔部にころの保持爪を設けてころの脱落を防止する方法が考えられる。しかし、圧入時における外輪の変形等に起因して、輸送時の意図しない外力等によりころの脱落が生じるおそれがある。ここで、ころPCDよりも内径側に配置され、ころの脱落を防止するころ脱落防止具を用いる場合がある。このようなころ脱落防止具においては、コストダウンの観点から良好な生産性が求められ、かつ、ころの脱落の効率的な防止が求められる。
【0005】
そこで、生産性が良好であり、ころの脱落を効率的に防止することができるころ脱落防止具を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従ったころ脱落防止具は、総ころ形式のころ軸受に用いられる。ころ脱落防止具は、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されている。各ころの転動面を露出させる複数の窓部を形成するように周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ軸方向に延びる複数の棒状部と、それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置され、複数の棒状部の軸方向の両端部を連結する一対の連結部と、を含む。複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の窓部と径方向において重複している。
【発明の効果】
【0007】
上記ころ脱落防止具によれば、生産性が良好であり、ころの脱落を効率的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施の形態1におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1に示すころ軸受の一部を示す概略断面図である。
図3図3は、図2中の矢印III-IIIで示す断面で切断した場合の概略断面図である。
図4図4は、図1に示すころ軸受に含まれるころ脱落防止具の一部を示す概略斜視図である。
図5図5は、予めある程度折り曲げた状態のころ脱落防止具を側面から見た状態を示す概略図である。
図6図6は、本開示の実施の形態2におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。
図7図7は、図6に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図8図8は、実施の形態2におけるころ脱落防止具をころ軸受に取り付けた場合の概略斜視図である。
図9図9は、図6に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。
図10図10は、図6に示すころ軸受の概略側面図である。
図11図11は、本開示の実施の形態3におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。
図12図12は、実施の形態3におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。
図13図13は、図12に示すころ脱落防止具の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図14図14は、図11に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。
図15図15は、本開示の実施の形態4におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。
図16図16は、実施の形態4におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。
図17図17は、図16に示すころ脱落防止具の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図18図18は、図15に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略側面図である。
図19図19は、図15に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。
図20図20は、本開示の実施の形態5におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。
図21図21は、実施の形態5におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。
図22図22は、図20に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図23図23は、図20に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概要]
本開示のころ脱落防止具は、総ころ形式のころ軸受に用いられる。ころ脱落防止具は、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されている。各ころの転動面を露出させる複数の窓部を形成するように周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ軸方向に延びる複数の棒状部と、それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置され、複数の棒状部の軸方向の両端部を連結する一対の連結部と、を含む。複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の窓部と径方向において重複している。
【0010】
ころ軸受として総ころ形式を採用する場合において、例えば、外輪の内径側に全てころを収めた後、外径側に軌道面を有する軸または内輪を内径側に配置してころ軸受を組み立てる場合がある。このようなころ軸受をメンテナンス等の関係で分解する際に軸または内輪を取り外すと、ころがばらけて外れてしまうことになる。このような状況はできるだけ避けたい。ころがばらけて外れてしまうことを防止するために、ころPCD(Pitch Circle Diameter)よりも内径側に配置され、複数の窓部を有し、ころの脱落を防止する環状のころ脱落防止具を用いる場合がある。
【0011】
ころ脱落防止具は、例えば、窓部を形成するように帯状の板状部材を打ち抜き、円弧状に曲げて、両端部を溶接等により接合して形成される。しかし、溶接等の作業は困難であり、コストアップが生じてしまう。
【0012】
本開示のころ脱落防止具によると、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されているため、ころPCDよりも内径側に配置した際に、元の形状に戻ろうところを外径側に押す力が発生する。この外径側にころを押す力で、ころの脱落を効率的に防止することができる。また、複数の窓部のうちの少なくとも1つは、他の窓部と径方向において重複しているため、この重複する窓部に転動面を露出するころにころ脱落防止具が引っ掛かる。そうすると、ころ脱落防止具が外れるおそれを低減することができる。この場合、ころ脱落防止具の両端部を溶接する作業が発生しないため、コストダウンを図ることができる。以上より、このようなころ脱落防止具によると、生産性が良好であり、ころの脱落を効率的に防止することができる。なお、本開示におけるころ脱落防止具は、案内機能を有さず、ころを保持する保持器とは異なるものである。
【0013】
上記ころ脱落防止具は、複数の窓部のうちの少なくとも1つが、他の窓部と径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を円環状に曲げて構成されていてもよい。このようにすることにより、ばね材の元の形状に戻ろうとする外径側への押す力をより強くすることができる。したがって、ころの脱落をより効率的に防止することができる。
【0014】
上記ころ脱落防止具において、周方向の最も端に位置する窓部は、周方向の反対の最も端に位置する窓部と径方向において重複していてもよい。このようにすることにより、ころ脱落防止具が内径側に浮いてしまう状態をできるだけ回避しながら、ころの脱落のおそれを大きく低減することができる。
【0015】
上記ころ脱落防止具は、全ての窓部が径方向において重複するよう板状のばね材を円環状に二重に曲げて構成されていてもよい。このようにすることにより、二重の部分のうちの内径側部分が浮くことを抑制し、ころ軸受内におけるころ脱落防止具の収まりを良くすることができる。したがって、ころ脱落防止具が外れるおそれを大きく低減することができる。また、窓部の間隔が調整しやすくなり、より効率的にころの脱落を防止することができる。
【0016】
上記ころ脱落防止具は、径方向において重複する領域に設けられ、内径側部分と外径側部分とを係合させる係合部を含んでもよい。このように係合部により内径側部分と外径側部分とが係合しているため、軸受内に組み込んだころ脱落防止具の周方向の位置ずれを抑制して、軸受内におけるころ脱落防止具の適切な配置状態を維持することが容易になる。したがって、より安定してころの脱落を防止することができる。
【0017】
上記ころ脱落防止具は、窓部が形成されており、内径側に配置される円弧状の第1分割部材と、窓部が形成されており、第1分割部材よりも外径側に配置される円弧状の第2分割部材と、を含んでもよい。第1分割部材に形成された窓部と、第2分割部材に形成された窓部とが、重複していてもよい。このようにすることにより、複数の部材で重複する領域を構成することができるため、ころ軸受内におけるころ脱落防止具の収まりを良くすることができる。したがって、ころ脱落防止具が外れるおそれを大きく低減することができる。また、窓部の間隔が調整しやすくなり、より効率的にころの脱落を防止することができる。
【0018】
上記ころ脱落防止具において、重複する窓部は、複数設けられていてもよい。このようにすることにより、複数のころによりころ脱落防止具が引っ掛かるため、ころ脱落防止具が外れるおそれを大きく低減することができる。
【0019】
上記ころ脱落防止具において、重複する窓部の数は、3であってもよい。このようなころ脱落防止具は、より確実にころ脱落防止具が外れるおそれを低減することができる。
【0020】
上記ころ脱落防止具において、棒状部は、軸方向の中央に位置する第1領域と、軸方向の両端側に位置し、窓部の周方向の間隔が第1領域よりも狭い第2領域と、を含んでもよい。このようにすることにより、ころのスキューを抑制しながらころを円滑に転動させることができると共に、効率的にころの脱落を防止することができる。
【0021】
本開示のころ軸受は、総ころ形式のころ軸受であって、複数のころと、複数のころの外径側に配置される環状の外輪と、複数のころのころPCDよりも内径側に配置され、複数の窓部のそれぞれにころの各転動面が露出するように配置される上記構成のころ脱落防止具と、を備える。ころ軸受は、総ころ形式であるため、定格荷重のアップを図ることができる。そして、上記構成のころ脱落防止具を含むため、外径面に軌道面を有する軸または内輪を内径側に配置した場合、メンテナンスにおける分解時において、軸または内輪を取り外しても外輪の内径側からころが脱落するおそれを大きく低減することができる。したがって、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0022】
[実施形態の具体例]
次に、本開示のころ脱落防止具およびころ軸受の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0023】
(実施の形態1)
まず、本開示の実施の形態である実施の形態1について説明する。図1は、本開示の実施の形態1におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。なお、理解を容易にする観点から、ころ軸受に含まれる後述する外輪を図1において破線で示している。図2は、図1に示すころ軸受の一部を示す概略断面図である。図2は、ころ軸受が支持する軸の軸方向に垂直な平面で切断した場合の断面図である。なお、理解を容易にする観点から、図2において、ころ軸受が支持する軸を破線で示し、ころPCDを二点鎖線で示す。図3は、図2中の矢印III-IIIで示す断面で切断した場合の概略断面図である。図3は、ころ軸受が支持する軸の中心を含む平面で切断した場合の断面図に相当する。本実施形態において、軸方向は、図3中の矢印Yで示す向きまたはその逆の向きで示す方向である。
【0024】
図1図2および図3を参照して、本開示の実施の形態1におけるころ軸受11aは、内径側に配置される軸16a(図2参照)を支持する。図1中の一点鎖線で示される軸方向に延びるころ軸受11aの中心19aは、軸の中心でもある。
【0025】
ころ軸受11aは、外輪12aと、複数の転動体としてのころ20aと、ころ20aの脱落を防止するころ脱落防止具31aと、を含む。ころ脱落防止具31aは、総ころ形式のころ軸受に用いられる。ころ脱落防止具31aは、内径側へのころ20aの脱落を防止する。以下、各構成部材について説明する。
【0026】
外輪12aは、内周面に軌道面13aを有する。外輪12aは、軸方向の両端部からそれぞれ内径側に延びる一対の鍔部14a,15aを含む。鍔部14a,15aのそれぞれの内径側への突出量は、同等である。本実施形態においては、外輪12aは、シェル形外輪である。外輪12aは、例えば、一枚の金属板を絞り加工してカップ状に成型した後、一方の鍔部14aを形成するようにカップの底を打ち抜き、他方の縁部を内径側に折り曲げて他方の鍔部15aを形成することにより製造される。必要に応じて適宜熱処理が施される。
【0027】
ころ20aは、外輪12aの軌道面13aを転動する。また、ころ20aは、軸16aの外周面を軌道面17aとして転動する。ころ20aは、軌道面13a、軌道面17aを転動する転動面21aを有する。ころ20aの両端面には、面取りが施されている。なお、ころ20aの端面は、いわゆるT面であってもよいし、いわゆるA面であってもよい。ころ20aは、外輪12aの内径側に配置される。ころ20aは、外輪12aの一対の鍔部14a,15aにより軸方向の移動が規制される。なお、図3において、ころ20aの転動軸心22aを二点鎖線で示している。
【0028】
ころ軸受11aは、総ころ形式を採用する。すなわち、ころ軸受11aは、ころPCD(Pitch Circle Diameter)23aにおいてころ20aの間に他の部材が配置されない構成を採用する。このようにすることにより、ころ軸受11aの定格荷重を大きくすることができる。ころ20aの組み込みについては、軌道面13aを含む外輪12aの内周面にグリースを塗布し、このグリースに貼付するようにして各ころ20aを組み込む。その後、内径側に軸16aを配置してころ軸受11aを完成させる。
【0029】
次に、ころ脱落防止具31aの構成について説明する。図4は、図1に示すころ軸受に含まれるころ脱落防止具31aの一部を示す概略斜視図である。
【0030】
併せて図4を参照して、ころ脱落防止具31aは、金属製である。具体的には、ころ脱落防止具31aは、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されている。本実施形態においては、ころ脱落防止具31aは、複数の後述する窓部のうちの少なくとも1つが、他の窓部と径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を円環状に曲げて構成されている。ころ脱落防止具31aは、ころ軸受11a内に配置された際に、外形形状が円環状となるよう、その形状が整えられている。具体的には、板状の帯状部材であるばね材を準備し、後述する複数の棒状部33aおよび一対の連結部36a、連結部37aを残すように打ち抜いた後、図5に示すようにある程度折り曲げて形成される。図5は、予めある程度折り曲げた状態のころ脱落防止具31aを側面から見た状態を示す概略図である。図5を参照して、ころ脱落防止具31aの周方向の中央において曲率が小さく、周方向の両端部に向かうにつれ曲率が大きくなるように折り曲げられている。ころ脱落防止具31aは、さらに円環状に曲げた際に、元の形状に戻ろうと、外径側へ押す力が発生する。なお、ころ脱落防止具31aの厚さ、すなわち、径方向の長さとしては、例えば、0.3mmや0.2mm、0.15mmといったものが採用される。
【0031】
ころ脱落防止具31aは、複数の棒状部33aと、一対の連結部36a、連結部37aと、を含む。棒状部33aは、それぞれ軸方向に延びる形状である。棒状部33aは、各ころ20aの転動面21aを露出させる複数の窓部32aを形成するように周方向に間隔をあけて配置される。すなわち、複数の窓部32aは、周方向に並んで配置されており、隣り合う窓部32aの周方向の間の位置に、棒状部33aが配置される。なお、ころ脱落防止具31aの周方向の両端部には、棒状部33aが設けられている。
【0032】
棒状部33aは、軸方向の中央に位置する第1領域41aと、軸方向の両端側に位置し、窓部32aの周方向の間隔が第1領域41aよりも狭い第2領域42aと、を含む。すなわち、第1領域41aが設けられている位置における窓部32aの周方向の間隔は、第2領域42aが設けられている位置における窓部32aの周方向の間隔よりも広い。なお、これらの間隔はいずれも、ころ20aの直径Dよりも小さい。このようにすることにより、ころ20aのスキューを抑制しながらころ20aを円滑に転動させることができると共に、効率的にころ20aの脱落を防止することができる。
【0033】
一対の連結部36a、連結部37aはそれぞれ、周方向に延びる形状である。一対の連結部36a、連結部37aはそれぞれ、複数の棒状部33aの両端部を連結する。具体的には、軸方向に延びる棒状部33aの第1端部と連結部36aとが連結され、棒状部33aの軸方向の第1端部と反対側に位置する第2端部と連結部37aとが連結される。窓部32aは、一対の連結部36a、連結部37a、隣り合う2つの棒状部33aによって取り囲まれて形成される。
【0034】
ここで、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つは、他の窓部32aと径方向において重複している。重複する窓部32a、具体的には外径側に位置する第1の窓部32aを構成する棒状部33a、連結部36a、37aの内径面34aの少なくとも一部と、内径側に位置する第2の窓部32aを構成する棒状部33a、連結部36a、37aの外径面35aの少なくとも一部が接触するように設けられる。本実施形態においては、重複する窓部32aは、複数設けられている。具体的には、重複する窓部32aの数は、3である。すなわち、3つの窓部32aが径方向においてオーバーラップした状態となっている。重複する窓部32aには、それぞれの窓部32aが配置される部分に位置するころ20aの転動面21aが露出する。
【0035】
すなわち、本実施形態におけるころ軸受11aは、複数のころ20aと、複数のころ20aの外径側に配置される環状の外輪12aと、複数のころ20のころPCD23aよりも内径側に配置され、複数の窓部32aのそれぞれにころ20aの各転動面21aが露出するように配置されるころ脱落防止具31aと、を備える。
【0036】
実施の形態1のころ脱落防止具31aによると、板状のばね材を円環状に曲げて構成されているため、ころPCD23aよりも内径側に配置した際に、元の形状に戻ろうところ20aを外径側に押す力が発生する。この外径側にころ20aを押す力で、ころ20aの脱落を効率的に防止することができる。また、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つは、他の窓部32aと径方向において重複しているため、この重複する窓部32aに転動面21aを露出するころ20aにころ脱落防止具31aが引っ掛かる。そうすると、ころ脱落防止具31aが外れるおそれを低減することができる。この場合、ころ脱落防止具31aの両端部を溶接する作業が発生しないため、コストダウンを図ることができる。以上より、このようなころ脱落防止具31aによると、生産性が良好であり、ころ20aの脱落を効率的に防止することができる。
【0037】
そして、上記ころ軸受11aは、上記構成のころ脱落防止具31aを含むため、外周面に軌道面17aを有する軸16aを内径側に配置した場合、メンテナンスにおける分解時において、軸16aを取り外しても外輪12aの内径側からころ20aが脱落するおそれを大きく低減することができる。したがって、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0038】
本実施形態においては、ころ脱落防止具31aは、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つが、他の窓部32aと径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を円環状に曲げて構成されている。よって、ばね材の元の形状に戻ろうとする外径側への押す力をより強くすることができる。したがって、ころ20aの脱落をより効率的に防止することができる。
【0039】
本実施形態においては、重複する窓部32aは、複数設けられている。よって、複数のころ20aによりころ脱落防止具31aが引っ掛かるため、ころ脱落防止具31aが外れるおそれを大きく低減することができる。
【0040】
本実施形態においては、重複する窓部32aの数は、3である。よって、より確実にころ脱落防止具31aが外れるおそれを低減することができる。なお、重複する窓部32aの数を3とした場合において、JISZ0200に準拠し、落下高さを60cmとするレベルIIの落下試験を行ったところ、ころの脱落は認められなかった。
【0041】
(実施の形態2)
他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図6は、本開示の実施の形態2におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。図7は、実施の形態2におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。図8は、図6に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略斜視図である。図9は、図6に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。図10は、図6に示すころ軸受の概略側面図である。実施の形態2におけるころ脱落防止具を含むころ軸受は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2のころ脱落防止具は、複数の部材から構成されている点において、実施の形態1の場合とは異なっている。外輪12aおよびころ20aの構成については、実施の形態1の場合と同様である。以下の実施の形態についても同様である。
【0042】
図6図10を参照して、ころ軸受11bに含まれるころ脱落防止具31bは、第1分割部材51bと、第2分割部材52bと、を含む。第1分割部材51bおよび第2分割部材52bはそれぞれ、円弧状である。第1分割部材51bおよび第2分割部材52bはそれぞれ、板状のばね材を円弧状に曲げて構成されている。第1分割部材51bには、複数の窓部53bが形成されている。第1分割部材51bは、軸方向に延びる複数の棒状部54bと、複数の棒状部54bの軸方向の両端部を連結する一対の連結部55b,56bと、を含む。複数の棒状部54bは、ころ20aの転動面21aを露出させる複数の窓部53bを形成するように周方向に間隔をあけて配置される。一対の連結部55b,56bは、それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置される。第2分割部材52bには、複数の窓部63bが形成されている。第2分割部材52bは、軸方向に延びる複数の棒状部64bと、複数の棒状部64bの軸方向の両端部を連結する一対の連結部65b,66bと、を含む。複数の棒状部64bは、ころ20aの転動面21aを露出させる複数の窓部63bを形成するように周方向に間隔をあけて配置される。一対の連結部65b,66bは、それぞれ周方向に延びる形状であって、軸方向に間隔をあけて配置される。なお、棒状部54b,64bはそれぞれ、実施の形態1の場合と異なり、上記第1領域および上記第2領域を有しない。
【0043】
第1分割部材51bは、第2分割部材52bよりも内径側に配置される。すなわち、第1分割部材51bの外径面57bが、第2分割部材52bの内径面67bと対向するように配置される。本実施形態においては、第1分割部材51bの外径面57bと第2分割部材52bの内径面67bとが径方向において接触するように配置されている。
【0044】
ここで、第1分割部材51bに形成された窓部53bと第2分割部材52bに形成された窓部63bとが重複している。本実施形態においては、第1分割部材51bにおいて第2分割部材52bと重複していない窓部58bおよび第2分割部材52bにおいて第1分割部材51bと重複していない窓部68bを除き、他の全ての第1分割部材51bの窓部53bが他の全ての第2分割部材52bの窓部63bと重複している。第2分割部材52bと重複していない第1分割部材51bの窓部58bの位置と第1分割部材51bと重複していない第2分割部材52bの窓部68bの位置とは、周方向において180度ずれている。
【0045】
本実施形態によると、複数の部材、すなわち、第1分割部材51bおよび第2分割部材52bにより重複する領域を構成することができるため、ころ軸受11b内におけるころ脱落防止具31bの収まりを良くすることができる。したがって、ころ脱落防止具31bが外れるおそれを大きく低減することができる。また、窓部32aの間隔が調整しやすくなり、より効率的にころ20aの脱落を防止することができる。
【0046】
(実施の形態3)
他の実施の形態である実施の形態3について説明する。図11は、本開示の実施の形態3におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。図12は、実施の形態3におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。図13は、図12に示すころ脱落防止具の一部を拡大して示す概略斜視図である。図14は、図11に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。実施の形態3におけるころ脱落防止具を含むころ軸受は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3のころ脱落防止具は、内径側部分と外径側部分とを係合させる係合部を含む点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0047】
図11図14を参照して、ころ軸受11cに含まれるころ脱落防止具31cは、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つが、他の窓部32aと径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を曲げて構成されている。この場合、周方向における領域43cにおいて、重複している。領域43cの周方向の長さは、3つの窓部32に相当する長さである。すなわち、3つの窓部32aが径方向においてオーバーラップした状態となっている。
【0048】
ころ脱落防止具31cは、径方向において重複する領域43cに設けられ、内径側部分と外径側部分とを係合させる係合部44cを含む。本実施形態においては、係合部44cは、内径側部分の外径面35aから外径側にそれぞれ突出する凸部45c,47cと、外径側部分に形成され、凸部45c,47cがそれぞれ嵌め込まれる凹部46c,48cと、を含む。凸部45c,47cはそれぞれ、円筒状である。凹部46c,48cは、丸穴状であって、径方向に貫通している。凸部45c,47cが設けられている周方向の位置は同じである。凹部46c,48cが設けられている周方向の位置は同じである。凸部45cおよび凹部46cは、連結部36aに設けられる。凸部47cおよび凹部48cは、連結部37aに設けられる。ころ脱落防止具31cを組み込む際には、重複する領域43cをオーバーラップさせた後、凸部45cを凹部46cに嵌め込み、凸部47cを凹部48cに嵌め込む。
【0049】
このように係合部44cにより内径側部分と外径側部分とが係合しているため、軸受内に組み込んだころ脱落防止具31cの周方向の位置ずれを抑制して、軸受内におけるころ脱落防止具31cの適切な配置状態を維持することが容易になる。したがって、より安定してころ20aの脱落を防止することができる。この場合、凹部46c,48cは径方向に貫通する貫通穴であるため、周方向の移動の規制に加え、軸方向の移動も規制することができる。
【0050】
(実施の形態4)
他の実施の形態である実施の形態4について説明する。図15は、本開示の実施の形態4におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。図16は、実施の形態4におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。図17は、図16に示すころ脱落防止具の一部を拡大して示す概略斜視図である。図18は、図15に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略側面図である。図19は、図15に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略断面図である。実施の形態4におけるころ脱落防止具を含むころ軸受は、基本的には実施の形態3の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4のころ脱落防止具は、係合部の構成が異なる点において、実施の形態3の場合とは異なっている。
【0051】
図15図19を参照して、ころ軸受11dに含まれるころ脱落防止具31dは、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つが、他の窓部32aと径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を曲げて構成されている。この場合、周方向における領域43dにおいて、重複している。領域43dの周方向の長さは、3つの窓部32に相当する長さである。すなわち、3つの窓部32aが径方向においてオーバーラップした状態となっている。
【0052】
ころ脱落防止具31dは、径方向において重複する領域43dに設けられ、内径側部分と外径側部分とを係合させる係合部44dを含む。本実施形態においては、係合部44dは、内径側部分の外径面35aから外径側に突出する爪部45d,47dと、外径側部分に形成され、爪部45d,47dが嵌め込まれる切り欠き部46d,48dと、を含む。爪部45dおよび切り欠き部46dは、連結部36aに設けられ、爪部47dおよび切り欠き部48dは、連結部37aに設けられる。爪部45d,47dは、内径側部分において軸方向に突出した部分を予め形成し、これを外径側に折り曲げることにより設けられる。切り欠き部46d,48dはそれぞれ、連結部36a,37aの軸方向の端部から軸方向に凹むように設けられている。ころ脱落防止具31dを組み込む際には、重複する領域43dをオーバーラップさせた後、爪部45dを折り曲げて切り欠き部46dに嵌め込み、爪部47dを折り曲げて切り欠き部48dに嵌め込む。
【0053】
このように係合部44dにより内径側部分と外径側部分とが係合しているため、軸受内に組み込んだころ脱落防止具31dの周方向の位置ずれを抑制して、軸受内におけるころ脱落防止具31dの適切な配置状態を維持することが容易になる。したがって、より安定してころ20aの脱落を防止することができる。この場合、上記構成の爪部45d,47dおよび切り欠き部46d,48dにより、軸方向の移動も規制することができる。
【0054】
(実施の形態5)
他の実施の形態である実施の形態5について説明する。図20は、本開示の実施の形態5におけるころ脱落防止具を含むころ軸受を示す概略斜視図である。図21は、実施の形態5におけるころ脱落防止具の概略斜視図である。図22は、図20に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略斜視図である。図23は、図20に示すころ軸受の一部を拡大して示す概略側面図である。実施の形態5におけるころ脱落防止具を含むころ軸受は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5のころ脱落防止具は、オーバーラップする構成が異なる点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0055】
図20図23を参照して、ころ軸受11eに含まれるころ脱落防止具31eは、複数の窓部32aのうちの少なくとも1つが、他の窓部32aと径方向において重複するよう、1枚の板状のばね材を曲げて構成されている。この場合、ころ脱落防止具31eは、全ての窓部32aが径方向において重複するよう板状のばね材を円環状に二重に曲げて構成されている。
【0056】
ころ脱落防止具31eは、全ての領域において内径側部分と外径側部分とが重複している。すなわち、ころ脱落防止具31eの内径側の周方向の端部43eから周方向に一周して内径側部分44eを形成した後、段部45eにおいて端部43eの外径側に折り曲げて周方向に一周して外径側部分46eを形成する。内径側の周方向の端部43eおよび外径側部分の周方向の端部47eはそれぞれ、周方向において窓部32a間に配置される。
【0057】
このようにすることにより、二重の部分のうちの内径側部分が浮くことを抑制し、ころ軸受11e内におけるころ脱落防止具31eの収まりを良くすることができる。したがって、ころ脱落防止具31eが外れるおそれを大きく低減することができる。また、窓部32aの間隔が調整しやすくなり、より効率的にころ20aの脱落を防止することができる。
【0058】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態において、重複する窓部の数は、3であるとしたが、これに限らず、重複する窓部の数は、2であってもよいし、4以上であってもよい。そして、重複する窓部の数は、1であってもよい。すなわち、周方向の最も端に位置する窓部は、周方向の反対の最も端に位置する窓部と径方向において重複していてもよい。このようにすることにより、ころ脱落防止具が内径側に浮いてしまう状態をできるだけ回避しながら、ころの脱落のおそれを大きく低減することができる。
【0059】
また、上記実施の形態においては、外輪は一対の鍔部を含むこととしたが、これに限らず、いずれか一方の鍔部を含まない構成としてもよいし、双方の鍔部を含まない構成としてもよい。
【0060】
なお、上記の実施の形態において、ころ脱落防止具の径方向の厚さについては、窓部が重複する領域と、窓部が重複しない領域とにおいて同じとしてもよい。すなわち、窓部が重複する領域においては、外径側と内径側のそれぞれのころ脱落防止具の径方向の厚さを薄くし、重複した状態で、窓部が重複していない領域における径方向の厚さとなるようにしてもよい。このようにすることにより、ころ脱落防止具の径方向の厚さを、周方向において等しくすることができる。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
11a,11b,11c,11d,11e ころ軸受、12a 外輪、13a,17a 軌道面、14a,15a 鍔部、16a 軸、19a 中心、20a ころ、21a 転動面、22a 転動軸心、23a ころPCD、31a,31b,31c,31d,31e ころ脱落防止具、32a,53b,58b,63b,68b 窓部、33a,54b,64b 棒状部、34a,67b 内径面、35a,57b 外径面、36a,37a,55b,56b,65b,66b 連結部、41a 第1領域、42a 第2領域、4c3,44d 領域、43e,47e 端部、44c,44d 係合部、44e 内径側部分、45c,47c 凸部、45d,47d 爪部、45e 段部、46c,48c 凹部、46d,48 d切り欠き部、46e 外径側部分、51b 第1分割部材、52b 第2分割部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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