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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081242
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240611BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20240611BHJP
   B65H 23/12 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65H7/02
B41J11/42
B65H23/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194714
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】植木原 睦人
(72)【発明者】
【氏名】田中 貢
【テーマコード(参考)】
2C058
3F048
3F104
【Fターム(参考)】
2C058AB10
2C058AB16
2C058AC07
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF15
2C058GB06
2C058GB54
2C058GC04
2C058GE09
3F048AA01
3F048AC02
3F048BA08
3F048BB02
3F048BB10
3F048BD02
3F048DC07
3F048EA01
3F048EA12
3F048EB21
3F104AA01
3F104DA29
(57)【要約】
【課題】ピンチローラが駆動ローラから離れた状態であることを正確に検知する手段を提供する。
【解決手段】画像記録装置100は、筐体30の内部空間に位置するサイドフレーム20,21と、サイドフレーム20,21に支持された搬送ローラ36Bと、サイドフレーム20,21に対して第1位置と第2位置に回動可能に支持されたピンチユニット72と、モータ137,138と、後壁部30Bと、リーフスイッチ102Aと、コントローラ130と、を備える。後壁部30Bは、ピンチユニット72が第1位置であるときに閉じ、ピンチユニット72が第2位置であるときに開く。コントローラ130は、リーフスイッチ102Aからオンの出力信号受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けたことに応じてモータ137,138を駆動し、リーフスイッチ102Aからオフの出力信号受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けてもモータ137,138を駆動しない。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
上記筐体の内部空間に位置するフレームと、
上記フレームに支持された駆動ローラと、
上記フレームに対して第1位置と第2位置に回動可能に支持されたピンチユニットと、
上記駆動ローラへ駆動力を付与する駆動源と、
上記筐体の側壁であって上記ピンチユニットの回動に連動して開閉する第1側壁と、
上記第1側壁の回動に応じて出力信号が変化するセンサと、
コントローラと、を備えており、
上記ピンチユニットは、ピンチローラを有しており、
上記ピンチローラは、上記ピンチユニットが上記第1位置であるときに上記駆動ローラに当接し、上記ピンチユニットが上記第2位置であるときに上記駆動ローラから離れ、
上記第1側壁は、上記ピンチユニットが上記第1位置であるときに閉じ、上記ピンチユニットが上記第2位置であるときに開き、
上記コントローラは、
上記第1側壁が閉じていることを示す第1出力信号を上記センサから受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けたことに応じて上記駆動源を駆動し、
上記第1側壁が開いていることを示す第2出力信号を上記センサから受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けても上記駆動源を駆動しない搬送装置。
【請求項2】
上記ピンチユニットを上記第2位置へ向けて付勢する弾性部材と、
上記フレームに位置しており、上記第1位置の上記ピンチユニットと係合する係合部と、をさらに備えた請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記筐体は、上記ピンチユニットを挟んで第1側壁と反対に位置する第2側壁を有しており、
上記第2側壁は、シートが通過する排出口を有する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記第1側壁の開閉による回動角度は、45度未満である請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記センサは、第3位置と第4位置とに移動可能なアームを有しており、
上記アームは、上記第3位置に向けて付勢されることにより第3位置に保持されており、
上記第1側壁は、内面側に当接部を有しており、
上記第1側壁が閉じているときに、上記当接部は上記アームに当接して上記アームを上記第4位置に保持し、
上記第1側壁が開いているときに、上記当接部は上記アームから離れる請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項6】
上記筐体は、ロール体を回転可能に支持する支持部と、第3側壁と、を有しており、
上記第3側壁は開閉可能であって、上記第3側壁が開いているときに、上記支持部が外部へ露出される請求項1または2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送する駆動ローラおよびピンチローラを備えた搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール体から引き出されたシートに画像を記録する画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。画像記録装置において、シートは、駆動ローラとピンチローラとの間に挟まれて搬送される。駆動ローラには、モータなどの駆動源から駆動力が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-130121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロール体から引き出されたシートをセッティングするときや、紙詰まりを解消するときに、ピンチローラが駆動ローラから離れた状態であると作業性がよい。他方、装置の内部にアクセス可能な状態において、駆動ローラは駆動されないことが好ましい。例えば、ピンチローラが駆動ローラから離れた状態であることを検知するセンサが、装置に設けられることが考えられる。しかし、センサにも容易にアクセス可能であると、ユーザがセンサに触ることにより、センサが誤検知するおそれがある。
【0005】
本発明は、前述された課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピンチローラが駆動ローラから離れた状態であることを正確に検知する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る搬送装置は、筐体と、上記筐体の内部空間に位置するフレームと、上記フレームに支持された駆動ローラと、上記フレームに対して第1位置と第2位置に回動可能に支持されたピンチユニットと、上記駆動ローラへ駆動力を付与する駆動源と、上記筐体の側壁であって上記ピンチユニットの回動に連動して開閉する第1側壁と、上記第1側壁の回動に応じて出力信号が変化するセンサと、コントローラと、を備える。上記ピンチユニットは、ピンチローラを有する。上記ピンチローラは、上記ピンチユニットが上記第1位置であるときに上記駆動ローラに当接し、上記ピンチユニットが上記第2位置であるときに上記駆動ローラから離れる。上記第1側壁は、上記ピンチユニットが上記第1位置であるときに閉じ、上記ピンチユニットが上記第2位置であるときに開く。上記コントローラは、上記第1側壁が閉じていることを示す第1出力信号を上記センサから受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けたことに応じて上記駆動源を駆動し、上記第1側壁が開いていることを示す第2出力信号を上記センサから受信したことを条件として、駆動を開始する駆動コマンドを受け付けても上記駆動源を駆動しない。
【0007】
コントローラは、第1出力信号をセンサから受信したことを条件として、駆動コマンドを受け付けたことに応じて駆動源を駆動する。駆動源から伝達された駆動力により駆動ローラが回転する。ピンチユニットが第1位置であるときに、ピンチローラは駆動ローラに当接しているので、駆動ローラとピンチローラとに挟まれてシートが搬送される。
【0008】
コントローラは、第2出力信号をセンサから受信したことを条件として、駆動コマンドを受け付けても駆動源を駆動しない。ピンチユニットは、シートをセッティングするときやジャムを解消するときに第1位置から第2位置に回動される。このとき、誤って駆動コマンドが入力されても駆動ローラが回転しない。
【0009】
センサは、筐体の第1側壁の開閉に応じて第1出力信号または第2出力信号を出力する。したがって、センサはピンチユニットの近傍に配置されなくてよい。これにより、ピンチユニットが第2位置であるときに、不用意にユーザがセンサに触ることが抑制される。
【0010】
(2) 本搬送装置は、上記ピンチユニットを上記第2位置へ向けて付勢する弾性部材と、上記フレームに位置しており、上記第1位置の上記ピンチユニットと係合する係合部と、をさらに備えてもよい。
【0011】
係合部の係合が解除されると、ピンチユニットが第1位置から第2位置へ向けて付勢されるので、ピンチユニットが第1位置から回動しているときに駆動源が駆動することが抑制される。
【0012】
(3) 上記筐体は、上記ピンチユニットを挟んで第1側壁と反対に位置する第2側壁を有しており、上記第2側壁は、シートが通過する排出口を有してもよい。
【0013】
ユーザは、排出口を正面として搬送装置を設置するので、第1側壁が背面となる。したがって、第1側壁の開閉を検知するセンサにユーザが一層触りにくい。
【0014】
(4) 上記第1側壁の開閉による回動角度は、45度未満であってもよい。
【0015】
第1側壁が大きく開かないので、第1側壁の開閉を検知するセンサにユーザが一層触りにくい。
【0016】
(5) 上記センサは、第3位置と第4位置とに移動可能なアームを有しており、上記アームは、上記第3位置に向けて付勢されることにより第3位置に保持されており、上記第1側壁は、内面側に当接部を有しており、上記第1側壁が閉じているときに、上記当接部は上記アームに当接して上記アームを上記第4位置に保持し、上記第1側壁が開いているときに、上記当接部は上記アームから離れてもよい。
【0017】
(6) 上記筐体は、ロール体を回転可能に支持する支持部と、第3側壁と、を有しており、上記第3側壁は開閉可能であって、上記第3側壁が開いているときに、上記支持部が外部へ露出されてもよい。
【0018】
第3側壁が開かれることにより、支持部にロール体が装填できる。支持部に支持されるロール体から引き出されたシートを、駆動ローラとピンチローラとの間にセッティングするときに、ピンチユニットが第2位置となると第1側壁が開いた状態となるので、ロール体から引き出されたシートが筐体の内部において取り回しやすい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ピンチローラが駆動ローラから離れた状態であることが正確に検知される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、画像記録装置100の外観斜視図である。
図2図2は、画像記録装置100の第1上カバー31Aが開かれた状態を示す斜視図である。
図3図3は、画像記録装置100の第1上カバー31Aおよびサイドカバー19が開かれた状態を示す斜視図である。
図4図4は、図1のIV-IV線に沿って切断した断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置100のサイドフレーム20,21の斜視図である。
図6図6は、ピンチユニット72が第1位置にあり、後壁部30Bが閉位置にあるときの斜視図である。
図7図7は、ピンチユニット72が第2位置にあり、後壁部30Bが開位置にあるときの斜視図である。
図8図8は、ピンチユニット72の外観斜視図である。
図9図9は、画像記録装置100のブロック図である。
図10図10は、図6の破線で囲まれた領域の部分拡大図である。
図11図11は、図7の破線で囲まれた領域の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。また、以下の説明において、排出口33が向く向きを前向き51とし、前方の反対向きを後向き52とする。前向き51と後向き52とを合せて前後方向51,52とする。前後方向51,52と直交する上下の方向を上下方向53,54とする。前後方向51,52および上下方向53、54と直交する方向を左右方向55,56とする。上下方向53,54の上向きを上向き53とし、下向きを下向き54とする。画像記録装置100を後向き52に視て、左右方向55、56の左向きを左向き55とし、右向きを右向き56とする。
【0022】
[画像記録装置100の外観構成]
図1図4に示されるように、画像記録装置100は、ロール体37からシートSを引き出して前向き51にシートSを搬送可能な搬送装置10と、シートSに画像をインクジェット記録方式で記録可能なヘッド38と、を有する。シートSは、記録媒体の一例である。
【0023】
搬送装置10は、筐体30、記録媒体が搬送される搬送路43、及び記録媒体を搬送する搬送部71を備える。筐体30は、全体として概ね直方体形状であって、卓上に載置可能な大きさである。筐体30は、右壁部30R及び左壁部30Lと、上壁部30U及び下壁部30Dと、前壁部30F及び後壁部30Bと、を有する。右壁部30R及び左壁部30Lは、左右方向55,56に離れて位置する。上壁部30U及び下壁部30Dは、上下方向53,54に離れて位置する。前壁部30F及び後壁部30Bは、前後方向51,52に離れて位置する。前壁部30Fと後壁部30Bとの前後方向51,52の間には、後述されるピンチユニット72(図5参照)が位置する。前壁部30Fは、第2側壁の一例である。後壁部30Bは、第1側壁の一例である。
【0024】
前壁部30Fには、前壁部30Fを貫通する排出口33が位置する。排出口33は、前壁部30Fの上部に位置する。排出口33は、上下方向53,54よりも左右方向55,56に長い矩形状である。シートSは、排出口33を通じて筐体30の内部空間30Aから外部へ排出される。前壁部30Fの上部には操作パネル44が位置する。操作パネル44は、例えばディスプレイや入力キーを有する。画像記録装置100を動作させたり各種設定を確定したりするための入力をユーザから受け付ける。
【0025】
筐体30は、第1上カバー31Aと、第2上カバー31Bと、サイドカバー19と、を有する。第1上カバー31Aは、上壁部30Uの後方側の一部と右壁部30Rの後方側の上部を形成する(図1参照)。第1上カバー31Aは、左右方向55,56に延びる回動軸を中心に回動可能に後壁部30Bの上端部に連結されている。第1上カバー31Aは、図1に示される閉位置から、上壁部30Uの後方側の一部が上方へ持ち上げられるようにして回動されて、図2に示される開位置まで回動する。第1上カバー31Aが開位置まで回動すると、筐体30の内部空間30Aが外部へ露出される。サイドカバー19は、第3側壁の一例である。
【0026】
第2上カバー31Bは、第1上カバー31Aの前方に位置している。第2上カバー31Bは、左壁部30Lの上部と右壁部30Rの前方側の上部と上壁部30Uの前方側と上壁部30Uの後方側の一部とを形成する(図1参照)。第2上カバー31Bは、左右方向55,56に延びる回動軸を中心に回動可能に後壁部30Bの上端部に連結されている。第2上カバー31Bは、図1に示される閉位置から、上壁部30Uの前方側の一部が上方へ持ち上げられるようにして回動されて開位置まで回動する。閉位置の第2上カバー31Bは、筐体30の内部空間30Aを塞ぐ。開位置の第2上カバー31Bは、筐体30の内部空間30Aを外部に対して開く。
【0027】
サイドカバー19は、右壁部30Rの後方側に位置している。サイドカバー19は、右壁部30Rの一部を形成する(図1参照)。サイドカバー19は、前後方向51,52に延びる回動軸を中心に回動可能に下壁部30Dに連結されている。サイドカバー19は、図1に示される閉位置から、右向き56に回動した開位置(図3参照)まで回動可能である。閉位置のサイドカバー19は、筐体30の内部空間30Aを塞ぐ。開位置のサイドカバー19は、筐体30の内部空間30Aを外部に対して開く。サイドカバー19は、第3側壁の一例である。
【0028】
図2図3図5図6に示されるように、後壁部30Bは、第1上カバー31Aの回動に連動して回動する。後壁部30Bは、左右方向55,56に延びる第1回動軸Aを中心に回動可能に下壁部30Dの後端部に連結されている。後壁部30Bは、下壁部30Dに対して直角になる閉位置(図1に示される位置)と、閉位置から後向き52に回動した開位置(図2,3に示される位置)と、に移動可能である。後壁部30Bは、第1上カバー31Aが閉位置から開位置に向かって回動することに伴って、後壁部30Bが閉位置から開位置に向かって回動する。閉位置の後壁部30Bは、筐体30の内部空間30Aを塞ぐ。開位置の後壁部30Bは、筐体30の内部空間30Aを外部に対して開く。
【0029】
[画像記録装置100の内部構成]
図5に示されるように、筐体30の内部空間30Aには、2つのサイドフレーム20,21が設けられている。各サイドフレーム20,21は、鋼板からなる平板形状であり、支持する部材に応じた形状の切り欠きや貫通孔が適宜形成されている。2つのサイドフレーム20,21は、左右方向55,56に離れて位置する。各サイドフレーム20,21は、筐体30の下壁部30Dに連結されている。各サイドフレーム20,21の連結は、ネジ止めや溶接によりなされている。サイドフレーム20,21は、フレームの一例である。
【0030】
2つのサイドフレーム20,21のうち、右方に位置するサイドフレーム21の後下隅部には切欠き部21Aが形成されている。切欠き部21Aは、ロール紙収容空間30C(図4参照)へロール体37を装填するための開口である。サイドカバー19が開かれることにより、ロール紙収容空間30Cが外部に露出されて、ロール体37が外部から装填可能である。
【0031】
図4に示されるように、筐体30の内部空間30Aにおけるサイドフレーム20,21の間には、ロール体ホルダ35、テンショナ45、搬送部71、ヘッド38、支持機構116、ヒータ39、支持部材46、カッターユニット26が配置されている。図4には示されていないが、内部空間30Aには、コントローラ130、リーフスイッチ102A、モータ137,138が配置されている(図9参照)。コントローラ130は、画像記録装置100の動作を制御する。
【0032】
筐体30の内部空間30Aには、隔壁41が設けられている。隔壁41は、内部空間30Aの後方側の下部を仕切って、ロール紙収容空間30Cを区画する。ロール紙収容空間30Cは、隔壁41、後壁部30B、及び下壁部30Dによって包囲され、ヘッド38などから隔離された空間である。
【0033】
ロール紙収容空間30Cには、ロール体37、及びロール体ホルダ35が位置する。ロール体37は、芯管と、長尺のシートSとを有している。シートSは、芯管の軸芯の周方向にロール状に芯管に巻回されている。シートSの種類としては、画像記録装置100が画像を記録可能な最小幅から最大幅までの幅がある。すなわち、ロール紙収容空間30Cには、幅が異なる複数種類のロール体37が収容可能である。ロール体ホルダ35は、支持部の一例である。
【0034】
ロール体ホルダ35は、ロール体の芯管を、軸線が左右方向55,56に沿った状態で支持する。ロール体ホルダ35は、モータ137から駆動が伝達されて回転する。ロール体ホルダ35は、サイドカバー19が開かれることにより、外部へ露出される。露出したロール体ホルダ35にロール体が装填可能となる。ロール体ホルダ35は、支持部の一例である。
【0035】
ロール紙収容空間30Cは、後部において上向き53に開口115している。詳細には、隔壁41と後壁部30Bとの間、すなわち、ロール体37の後端の上方に隙間42が位置する。シートSは、搬送部71によってロール体37の後端から上方に引き出され隙間42を介してテンショナ45へと案内される。
【0036】
図4に示されるように、搬送路43は、筐体30の内部空間30Aにおいてロール紙収容空間30Cから上向き53に延びた後、排出口33まで前向き51に延びている。具体的には、搬送路43は、第1搬送路43Aおよび第2搬送路43Bを有する。第1搬送路43Aは、ロール紙収容空間30Cから隙間42を通って後述のテンショナ45の上端45Aまで上向き53に延びた後、搬送ローラ対36まで前向き51に延びている。第1搬送路43Aは、テンショナ45の上端45Aから開口115に通じている。第2搬送路43Bは、搬送ローラ対36から前向き51に延びて排出口33に繋がっている。
【0037】
テンショナ45は、内部空間30Aの後部において隔壁41よりも上方に位置する。テンショナ45は、後壁部30Bの開口115と前後方向51,52に対向している。テンショナ45は、筐体30の内部空間30Aに設けられたサイドフレーム20,21に回動可能に支持されている。テンショナ45は、左右方向55,56に延びる第2回動軸Bと、第2回動軸Bから延びるフラップ45Bと、を有する。第2回動軸Bは、サイドフレーム20,21に回動可能に軸支されている。フラップ45Bは、上下方向53,54及び左右方向55,56に延びる平板を後向き52に湾曲させた形状を有する。フラップ45Bは、第2回動軸Bの回動により、シートSを案内する案内位置と、案内位置よりも後方に位置する突出位置と、案内位置よりも前方に位置する引込位置と、の間を移動可能である。フラップ45Bは、後壁部30Bへ向けてバネにより付勢されている。
【0038】
搬送部71は、ロール紙収容空間30Cに収納されたロール体37のシートSを搬送路43に沿って搬送可能に構成されている。具体的には、搬送部71は、第1搬送路43Aに位置する第1搬送部71Aと、第2搬送路43Bに位置する第2搬送部71Bと、を有する。
【0039】
第1搬送部71Aは、ロール体ホルダ35によって構成されている。ロール体ホルダ35は、モータ137(図9参照)からの駆動力によって回転することでロール体37を回転させる。これにより、ロール体ホルダ35は、ロール体37からシートSを繰り出す。
【0040】
第2搬送部71Bは、搬送ローラ対36から排出口33まで記録媒体を搬送する。第2搬送部71Bは、搬送ローラ対36、排出ローラ対40、及び後述の搬送ベルト117を有する。搬送ローラ対36は、テンショナ45の前方に位置する。搬送ローラ対36は、テンショナ45によって案内されたシートSを前向き51に搬送する。具体的には、搬送ローラ対36は、搬送ローラ36Bとピンチローラ36Aとを有する。搬送ローラ36Bは、サイドフレーム20,21に回転可能に支持されている。ピンチローラ36Aは、ピンチユニット72に回転可能に支持されている。搬送ローラ36Bは、モータ138(図9参照)から駆動伝達されて回転することによって、ピンチローラ36Aとの間にシートSをニップしつつ前向き51にシートSを搬送する。搬送ローラ36Bは、駆動ローラの一例である。
【0041】
排出ローラ対40は、搬送ローラ対36よりも前方に位置する。排出ローラ対40は、シートSの下面に当接する排出ローラ40AとシートSの上面に当接する拍車40Bとを有する。排出ローラ40Aは、サイドフレーム20,21に回転可能に支持されている。排出ローラ40Aは、モータ138(図9参照)から駆動伝達されて回転することによって、拍車40Bとの間に記録媒体をニップしつつ前向き51にシートSを搬送する。
【0042】
ヘッド38は、搬送ローラ対36の前方であって、排出ローラ対40よりも後方に位置する。ヘッド38は、複数のノズル38Aを有する。複数のノズル38Aは、支持機構116に支持された記録媒体へ向かってインクを液滴として下方へ吐出する。これにより、シートSの上面に画像が記録される。ヘッド38には、筐体30の内部空間30Aに配置されたインクタンク(図示せず)がチューブ(図示せず)によってインクを供給可能に接続されている。インクとしては、例えば、水、顔料、熱可塑性樹脂微粒子を含む水性インクが用いられる。
【0043】
支持機構116は、搬送ローラ対36よりも前方に位置する。支持機構116は、ヘッド38の下方に位置している。支持機構116は、ヘッド38と上下方向53,54に対向している。支持機構116は、搬送ベルト117と、搬送ベルト117を支持する支持部118と、を有する。搬送ベルト117は、モータ138(図9参照)から駆動伝達されて回転することによって、シートSの下面を支持しつつ前向き51にシートSを搬送する。
【0044】
ヒータ39は、搬送路43の下方においてヘッド38と排出ローラ対40との間に位置している。ヒータ39は、前後方向51,52及び左右方向55,56に拡がる平板形状である。ヒータ39は、サイドフレーム20,21に支持されている。ヒータ39は、搬送ベルト117によって前向き51に搬送されるシートSの下面を支持する。ヒータ39はシートSを加熱する。これにより、シートSがヒータ39を通過する間に、シートSに付着したインクに含まれる熱可塑性樹脂微粒子が溶融し、また、インクの水分が蒸発する。シートSは、ヒータ39を通過した後、大気により冷却される。これにより、溶融した樹脂が硬化してインクの顔料がシートSの上面に定着する。
【0045】
支持部材46は、搬送路43の下方に位置している。支持部材46は、ヘッド38及び支持機構116よりも前方に位置する。支持部材46の後部には、ヒータ39が位置している。支持部材46の前部は、排出ローラ40Aと対向している。支持部材46は、支持機構116の搬送ベルト117によって前向き51に搬送されてきたシートSを支持する。
【0046】
カッターユニット26は、排出ローラ対40の前方に位置する。カッターユニット26は、シートSを切断するカッター28と、カッター28を保持するカッターホルダ27と、を有する。カッターユニット26は、シートSを左右方向55,56に沿って切断できれば、特に限定されない。例えば、カッターユニット26は、左右方向55,56に移動することによってシートSを切断してもよい。
【0047】
[ピンチユニット72]
図4に示されるように、搬送ローラ36Bの上方にピンチユニット72が位置する。ピンチユニット72はサイドフレーム20,21に支持されており、左右方向55,56に沿った回動軸線72A周りに回動可能である。ピンチユニット72は、複数枚の鋼板が組み合わされた箱形状である。ピンチユニット72の上方および右側方は、第1上カバー31Aに覆われている。第1上カバー31Aは、ピンチユニット72と共に回動する。
【0048】
ピンチローラ36Aは、ピンチユニット72に回転可能に支持されている。ピンチユニット72は、ピンチローラ36Aが搬送ローラ36Bの上方に位置して相互に当接する第1位置(図5に示される位置)と、ピンチローラ36Aが搬送ローラ36Bに対して上方かつ後方に離れる第2位置(図6に示される位置)と、に回動する。なお、図5,6では搬送ローラ36Bは省略されている。また、ピンチユニット72は、例えば、搬送路43を区画するガイド部材やピンチローラ36Aから紙粉を除去するクリーナなどを支持しているが、これら部材の詳細な説明は省略される。
【0049】
図7,8に示されるように、回動軸線72Aには、ねじりコイルバネ73が位置する。ねじりコイルバネ73は、ピンチユニット72と、サイドフレーム20,21或いはサイドフレーム20,21に支持される部材との間に係止されており、ピンチユニット72を第2位置へ向けて付勢する。ねじりコイルバネ73が、弾性部材の一例である。
【0050】
ピンチユニット72の前側には、係合部材74が位置する。係合部材74は、ピンチユニット72において左右方向55,56に沿った回動軸線72B周りに回動可能である。係合部材74は、下方へ延びる爪75を有する。爪75は、左右方向55,56に離れて一対が位置する。係合部材74は、係合部の一例である。
【0051】
ピンチユニット72が第1位置にあるとき、爪75は、筐体30を構成する他の部材に係合する。爪75の係合により、ねじりコイルバネ73の付勢力に抗してピンチユニット72が第1位置に保持される。係合部材74は、爪75が後方へ移動するように回動可能である。爪75が後方へ移動すると、爪75と他の部材との係合が外れる。これにより、ピンチユニット72は、ねじりコイルバネ73の付勢力によって、第1位置から第2位置へ回動する。
【0052】
係合部材74の回動軸線72Bには、ねじりコイルバネ76が位置する。ねじりコイルバネ76は、係合部材74とピンチユニット72を構成する鋼板との間に係止されており、爪75が他の部材と係合する位置へ向けて係合部材74を付勢する。
【0053】
係合部材74は、右向き56へ突出する突片77を有する。各図には現れていないが、突片77は、筐体30の右側に露出するレバー78と当接可能である。レバー78が上方へ持ち上げるように操作されると、レバー78が突片77に当接して、突片77が上方へ移動する。これにより、係合部材74は、爪75が後方へ移動するように回動する。
【0054】
ピンチユニット72の後ろ側には、左向き55および右向き56へそれぞれ突出するピン79が位置する。なお、図5,6には、右向き56へ突出するピン79のみが現れている。
【0055】
[後壁部30B]
図6,7に示されるように、後壁部30Bは、上部付近の左右方向55,56の両側から前向き51へ延びる連結片120を有する。図5,6には、右側に位置する連結片120のみが現れている。連結片120は、主面が左右方向55,56を向く平板である。連結片120は、上下方向53,54に長い長穴121を有する。長穴121には、ピンチユニット72のピン79が挿通されている。
【0056】
図5に示されるように、ピンチユニット72が第1位置にあるとき、後壁部30Bは閉位置にある。この状態において、ピンチユニット72のピン79が連結片120の長穴121に挿通されている。ピンチユニット72が第1位置から第2位置へ回動すると、ピン79は、回動軸線72A周りに回動して後方かつ下方へ移動する。ピン79が後方かつ下方へ移動することにより、連結片120が後方かつ下方へ押される。これにより、閉位置の後壁部30Bが開位置へ移動する。後壁部30Bが閉位置と開位置との間で、第1回動軸A周りに回動する回動角度は、45度未満である。ピンチユニット72が第2位置から第1位置へ移動すると、ピン79が前方かつ上方へ移動し、開位置の後壁部30Bが閉位置へ移動する。このようにして、ピンチユニット72の回動と後壁部30Bの開閉とが連動している。後壁部30Bは、ピンチユニット72が第1位置であるときに閉位置となり、ピンチユニット72が第2位置であるときに開位置となる。
【0057】
後壁部30Bは、後壁部30Bの内面の左端縁から前向き51に延びる当接片122を有する。当接片122は、主面が左右方向55,56を向く平板である。当接片122は、連結片120より下方に位置する。後壁部30Bが閉位置であるとき、当接片122は、アーム101と当接する。
【0058】
[リーフスイッチ102Aおよびインターロックスイッチ102B]
図8および図9に示されるように、左側に位置するサイドフレーム20の右面の後端付近には、リーフスイッチ102Aおよびインターロックスイッチ102Bが位置する。リーフスイッチ102Aは、後方かつ下方へ延びるレバー103Aを有する。レバー103Aは、前端を回動軸として後端側が上下方向53,54へ回動可能である。図9に示されるように、レバー103Aが回動範囲の下端に位置するときに、リーフスイッチ102Aは電気的にオフとなる。図8に示されるように、レバー103Aが図9に示される位置から上方へ移動すると、リーフスイッチ102Aは電気的にオンとなる。コントローラ130は、リーフスイッチ102Aのオンまたはオフの電気的な出力信号を受信する。リーフスイッチ102Aは、センサの一例である。オンの出力信号は、第1出力信号の一例である。オフの出力信号は、第2出力信号の一例である。
【0059】
インターロックスイッチ102Bは、後方かつ下方へ延びるレバー103Bを有する。レバー103Bは、前端を回動軸として後端側が上下方向53,54へ回動可能である。図9に示されるように、レバー103Bが回動範囲の下端に位置するときに、インターロックスイッチ102Bは電気的にオフとなる。図8に示されるように、レバー103Bが図9に示される位置から上方へ移動すると、インターロックスイッチ102Bは電気的にオンとなる。インターロックスイッチ102Bのオンまたはオフにより、モータ138への電力供給がオンまたはオフされる。
【0060】
図10,11に示されるように、サイドフレーム20の後端付近であってリーフスイッチ102Aおよびインターロックの下方に回転部材104が位置する。回転部材104は、左右方向55,56に沿った回動軸105周りに回転可能である。回転部材104は、当接部106、連結部107、および平板部108を有する。
【0061】
当接部106は、回動軸105から概ね上向き53へ延びており、リーフスイッチ102Aのレバー103Aおよびインターロックスイッチ102Bのレバー103Bの下方に位置する。当接部106は、回転部材104の回転位置によって、レバー103Aおよびレバー103Bに当接してレバー103Aおよびレバー103Bを上方へ移動させ、またレバー103Aおよびレバー103Bから離れる。
【0062】
連結部107は、回動軸105から概ね下向き54へ延びている。連結部107は、アーム101を支持する。アーム101は、概ね平板形状である。連結部107に支持されたアーム101は、連結部107から後向き52へ延びている。
【0063】
平板部108は、回動軸105から概ね前向き51へ延びている。平板部108は、主面が左右方向55,56を向く。平板部108は、当接部106および連結部107と連続している。平板部108は、貫通孔109を有する。貫通孔109には、サイドフレーム20から右向き56へ延びる突片110が挿入されている。貫通孔109は、突片110の外形よりも十分に大きい。突片110が貫通孔109において移動可能な範囲に、回転部材104の回転範囲が規制される。
【0064】
回転部材104の回転範囲において、当接部106がリーフスイッチ102Aのレバー103Aおよびインターロックスイッチ102Bのレバー103Bに当接したり離れたりする。また、回転部材104の回転範囲において、アーム101は、前後方向51,52に沿って移動する。各図には現れていないが、回転部材104は、ねじりコイルバネによって、当接部106がリーフスイッチ102Aのレバー103Aおよびインターロックスイッチ102Bのレバー103Bから離れる向きへ付勢されている(図10,11における反時計回り)。
【0065】
図10に示されるように、後壁部30Bが閉位置にあるとき、当接片122がアーム101に当接して、アーム101が前向き51へ押される。これにより、回転部材104は、ねじりコイルバネの付勢に抗して、当接部106がリーフスイッチ102Aのレバー103Aおよびインターロックスイッチ102Bのレバー103Bに当接する向き(図10における時計回り)に回転する。当接部106がレバー103Aおよびレバー103Bに当接することにより、レバー103Aが上方へ移動してリーフスイッチ102Aおよびレバー103Bがオンとなる。図10に示されるアーム101の位置が、第4位置の一例である。
【0066】
図11に示されるように、後壁部30Bが開位置にあるとき、当接片122がアーム101から離れる。これにより、回転部材104は、ねじりコイルバネの付勢により、当接部106がリーフスイッチ102Aのレバー103Aおよびインターロックスイッチ102Bのレバー103Bから離れる向き(図11における反時計回り)に回転する。回転部材104の回転に伴ってアーム101が後向き52へ移動する。当接部106がレバー103Aから離れることにより、レバー103Aは自重により下方へ移動してリーフスイッチ102Aがオフとなる。さらに回転部材104が回転することにより、当接部106がレバー103Bからも離れ、レバー103Bは自重により下方へ移動してレバー103Bがオフとなる。図11に示されるアーム101の位置が、第3位置の一例である。
【0067】
[コントローラ130]
図9に示されるように、コントローラ130は、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス136によって接続されている。ROM132には、CPU131の各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0068】
ASIC135には、モータ137,138が接続されている。ASIC135は、リーフスイッチ102Aから出力される出力信号を受信可能である。各モータ137,138は、駆動源の一例である。モータ138への電力供給は、リーフスイッチ102Aから出力される出力信号に応じてオンまたはオフされる。
【0069】
ASIC135は、リーフスイッチ102Aからの出力信号に基づいて各モータを回転させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を元に各モータ137,138を制御する。コントローラ130は、モータ138の駆動を制御してロール体ホルダ35を回転させる。コントローラ130は、モータ139の駆動を制御して搬送ローラ36B、排出ローラ40A、搬送ベルト117を回転させる。
【0070】
ASIC135には、圧電素子57が接続されている。圧電素子57は、不図示のドライブ回路を介してコントローラ130により給電されることで動作する。コントローラ130は、圧電素子57への給電を制御し、複数のノズル38Aから選択的にインク滴を吐出させる。
【0071】
[画像記録装置100の動作]
ユーザは、例えば、ロール体ホルダ35にシートロールを装填するときや紙詰まりを解消するときなどに、図2に示されるように、第1上カバー31Aを閉位置から開位置まで回動させる。第1上カバー31Aは、ピンチユニット72と共に回動する。具体的には、ユーザは、レバー78を操作して係合部材74を回動する。係合部材74の回動により、回動部材104の爪75と筐体30の他の部材との係合が外れる。爪75の係合が外れると、ピンチユニット72は、ねじりコイルバネ76の付勢力により、第1位置から第2位置へ回動する。図6に示されるように、ピンチユニット72が第2位置へ回動することにより、後壁部30Bが閉位置から開位置へ回動する。
【0072】
後壁部30Bが開位置となると、後壁部30Bの当接片122がアーム101から離れ、回転部材104がバネ付勢により回転して、当接部106がリーフスイッチ102Aのレバー103Aから離れる。これにより、リーフスイッチ102Aの出力信号は、オンからオフとなる。コントローラ130は、リーフスイッチ102Aからオンの出力信号を受信していないとき、操作パネル44において駆動コマンドを受け付けても、モータ137,138を駆動しない。その結果、ロール体ホルダ35、搬送ローラ36B、排出ローラ40A、及び搬送ベルト117は駆動しない。なお、コントローラ130は、リーフスイッチ102Aからオンの出力信号を受信していないときに駆動コマンドを受け付けたことを条件として、操作パネル44にエラメッセージを表示してもよい。
【0073】
さらに回転部材104が回転することにより、当接部106がレバー103Bからも離れ、レバー103Bは自重により下方へ移動してレバー103Bがオフとなる。インターロックスイッチ102Bがオフとなることにより、モータ138への電力供給がオフとなる。
【0074】
ロール紙収容空間30Cに収納されたロール体37からシートSが引き出されて搬送ローラ36Bまで導かれるときには、図3に示されるように、ピンチユニット72が第2位置にあり、後壁部30Bが開位置にあり、サイドカバー19が開かれている。ユーザは、画像記録装置100の右壁部30R側から、後壁部30Bおよびサイドカバー19の内側へ手を入れてシートを摘まみ持つこととなるが、リーフスイッチ102Aおよびインターロックスイッチ102Bは、サイドフレーム20の右面の後端付近にあるので、ユーザが不用意にリーフスイッチ102Aおよびインターロックスイッチ102Bに触れることがない。
【0075】
次に、シートSに画像を記録するときの画像記録装置100の動作が説明される。なお、画像記録をするときには、第1上カバー31Aは第1位置にあり、後壁部30Bおよびサイドカバー19は閉じられている。後壁部30Bの当接片122は、アーム101に当接しており、回転部材104の当接部106は、リーフスイッチ102Aのレバー103Aに当接して、リーフスイッチ102Aはオンの出力信号をコントローラ130へ出力する。また、回転部材104の当接部106は、インターロックスイッチ102Bのレバー103Bに当接して、インターロックスイッチ102Bがオンとなり、モータ138への電力供給がオンとなる。
【0076】
ユーザが操作パネル44で駆動コマンドを入力すると、コントローラ130は、駆動コマンドを受け付けて、リーフスイッチ102Aからオンの出力信号を受信していることを条件として、モータ137,138を駆動する。これにより、ロール体ホルダ35、搬送ローラ36B、排出ローラ40A、及び搬送ベルト117が駆動する。
【0077】
ロール体ホルダ35が駆動されると、ロール体ホルダ35に装着されているロール体37が芯管の軸芯を中心に回転しながらロール体37からシートSが引き出される。このとき、シートSは、隙間42を介して上向き53に引き出される。ロール体37から引き出されたシートSは、第1搬送路43Aを通って搬送ローラ対36まで搬送される。
【0078】
搬送ローラ対36まで搬送されたシートSは、搬送ローラ36Bとピンチローラ36Aとの間にニップされつつ前向き51に第2搬送路43Bを搬送される。搬送ローラ対36によって前向き51に搬送されたシートSは、支持機構116の支持部118で支持される。このとき、ヘッド38のノズル38Aからインクが下方へ吐出されることにより、シートSの上面に画像が記録される。シートSの上面に画像が記録されたシートSは、搬送ベルト117によって前向き51に搬送される。
【0079】
搬送ベルト117によって前向き51に搬送されたシートSは、ヒータ39の上面で支持される。シートSがヒータ39の上面を通過する間に、ヒータ39の熱によってシートS及びインクが加熱される。これにより、インクに含まれる熱可塑性樹脂微粒子が溶融し、その後の空気による冷却により硬化して、顔料がシートSの上面に定着する。
【0080】
ヒータ39で加熱されたシートSは、支持部材46に支持された状態で、排出ローラ対40の排出ローラ40Aと拍車40Bとの間にニップされつつ前向き51に搬送される。排出ローラ対40によって前向き51に搬送されたシートSは、前側部分が排出口33から筐体30の外部に露出した状態でカッターユニット26により左右方向55,56に沿って切断される。カッターユニット26によって切断されたシートSは、排出口33から排出される。
【0081】
[実施形態の作用効果]
前述された実施形態によれば、コントローラ130は、オンの出力信号をリーフスイッチ102Aから受信したことを条件として、駆動コマンドを受け付けたことに応じてモータ137,138を駆動する。モータ137,138から伝達された駆動力によりロール体ホルダ35、搬送ローラ36B、排出ローラ40A、及び搬送ベルト117が駆動する。ピンチユニット72が第1位置であるときに、ピンチローラ36Aは搬送ローラ36Bに当接しているので、搬送ローラ36Bとピンチローラ36Aとに挟まれてシートSが搬送される。
【0082】
コントローラ130は、オフの出力信号をリーフスイッチ102Aから受信したことを条件として、駆動コマンドを受け付けてもモータ137,138を駆動しない。ピンチユニット72は、シートSをセッティングするときやジャムを解消するときに第1位置から第2位置に回動される。このとき、誤って駆動コマンドが入力されてもロール体ホルダ35、搬送ローラ36B、排出ローラ40A、及び搬送ベルト117が駆動しない。
【0083】
リーフスイッチ102Aは、サイドフレーム20の右面の後端付近にあるので、ユーザが不用意にリーフスイッチ102Aに触れることがない。
【0084】
また、係合部材74の爪75による係合が解除されると、ピンチユニット72が第1位置から第2位置へ向けてねじりコイルバネ73により付勢されるので、ピンチユニット72が第1位置から若干でも回動しているときにモータ137,138が駆動することが抑制される。
【0085】
また、ユーザは、排出口33を有する前壁部30Fを正面として画像記録装置100を設置するので、後壁部30Bが背面となる。したがって、後壁部30Bの開閉を検知するリーフスイッチ102Aにユーザが一層触りにくい。
【0086】
また、後壁部30Bの回動角度は、45度未満であり、後壁部30Bが閉位置からが大きく開かないので、リーフスイッチ102Aにユーザが一層触りにくい。
【0087】
また、ピンチユニット72が第2位置となり、サイドカバー19が開かれることにより、ロール体ホルダ35にロール体37が装填できる。ロール体ホルダ35に支持されるロール体37から引き出されたシートSを、搬送ローラ36Bとピンチローラ36Aとの間にセッティングするときに、ピンチユニット72が第2位置となると後壁部30Bが開いた状態となるので、ロール体37から引き出されたシートSが筐体30の内部において取り回しやすい。
【0088】
[変形例]
前述された実施形態では、リーフスイッチ102Aは、後壁部30Bが閉位置にあることによってオンとなったが、後壁部30Bが開位置にあることによってオンとなってもよい。この場合、コントローラ130は、リーフスイッチ102Aのオフの出力信号を受信したことに応じて、駆動コマンドを受け付てモータ137,138を駆動する。一方、コントローラ130は、リーフスイッチ102Aのオンの出力信号を受信したことに応じて、駆動コマンドを受け付けてもモータ137,138を駆動しない。また、リーフスイッチ102Aに代えて、光学センサや磁力センサが用いられてもよい。その場合、光学センサや磁力センサは、後壁部30Bの当接片122を検知してもよい。また、インターロックスイッチ102Bは省略されてもよい。
【0089】
また、ピンチユニット72の回動と連動する筐体30の側壁は、後壁部30Bに限定されない。また、後壁部Bの回動角度は、45度以上であってもよい。また、ねじりコイルバネ73や係合部材74は、省略されてもよい。また、画像記録装置100は、ロール体37から引き出されたシートSに画像記録を行うものに限定されない。画像記録装置100は、ロール体37に代えて、ファンフォールド紙やカット紙に画像記録を行ってもよい。
【符号の説明】
【0090】
19・・・サイドカバー(第3側壁)
20,21・・・サイドフレーム(フレーム)
30・・・筐体
30B・・・後壁部(第1側壁)
30F・・・前壁部(第2側壁)
33・・・排出口
35・・・ロール体ホルダ(支持部)
36A・・・ピンチローラ
36B・・・搬送ローラ(駆動ローラ)
72・・・ピンチユニットと、
73・・・ねじりコイルバネ(弾性部材)
74・・・係合部材(係合部)
100・・・画像記録装置(搬送装置)
101・・・アーム
102A・・・リーフスイッチ(センサ)
106・・・当接部
130・・・コントローラ
138・・・モータ(駆動源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11