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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081248
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H01L23/36 A
H01L23/30 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194726
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】水田 新生
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕也
【テーマコード(参考)】
4M109
5F136
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109DA04
4M109DA07
5F136DA03
(57)【要約】
【課題】半導体装置の放熱性能の向上を図ること。
【解決手段】半導体装置10は、封止表面41と、封止表面41とは反対側を向く封止裏面42とを有する封止樹脂40と、封止樹脂40内に設けられ、封止裏面42から露出する端子部32を含む導電層30と、封止樹脂40内に設けられ、封止表面41と同じ側を向く素子表面21と、封止裏面42と同じ側を向く素子裏面22とを有し、導電層30と電気的に接続された半導体素子20と、を備える。封止樹脂40は、封止裏面42に設けられ、半導体素子20の素子裏面22を露出する凹部47を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止表面と、前記封止表面とは反対側を向く封止裏面とを有する封止樹脂と、
前記封止樹脂内に設けられ、前記封止裏面から露出する端子部を含む導電層と、
前記封止樹脂内に設けられ、前記封止表面と同じ側を向く素子表面と、前記封止裏面と同じ側を向く素子裏面とを有し、前記導電層と電気的に接続された半導体素子と、
を備え、
前記封止樹脂は、前記封止裏面に設けられ、前記半導体素子の前記素子裏面を露出する凹部を有する
半導体装置。
【請求項2】
前記半導体素子は、
前記素子表面の一部を構成し、前記導電層と電気的に接続された表面電極と、
前記素子裏面の少なくとも一部を構成する裏面電極と、
を有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記導電層は、前記封止表面と同じ側を向く主面を有し、
前記素子裏面は、前記主面よりも前記封止裏面寄りに位置している
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記素子表面は、前記主面よりも前記封止裏面寄りに位置している
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体素子は、前記素子表面の一部を構成し、前記導電層と電気的に接続された表面電極を有し、
前記表面電極と前記導電層とはボンディングワイヤによって接続されており、
前記ボンディングワイヤのうち前記封止表面に最も近い頂点は、平面視において前記表面電極との第1接合部と、前記導電層との第2接合部との間のうち前記第1接合部寄りに設けられている
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記凹部は、前記裏面電極の側面を露出するように構成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記凹部は、平面視において円形に形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記裏面電極は、前記素子裏面の全体を構成している
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記裏面電極の厚さは、前記表面電極の厚さよりも厚い
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記導電層は、
前記表面電極と電気的に接続された第1導電層と、
前記第1導電層から離隔して設けられた第2導電層と、
を含み、
前記半導体素子は、前記第1導電層と前記第2導電層との間に配置されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方は、平面視において前記凹部を避けるように凹む導電層側凹部を含む
請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記端子部の裏面は、前記封止裏面と面一である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記端子部の裏面にはめっき層が形成されている
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記封止樹脂は、
平面視において第1方向の両端面を構成する第1封止側面および第2封止側面と、
平面視において前記第1方向と直交する第2方向の両端面を構成する第3封止側面および第4封止側面と、
を有し、
前記半導体素子は、平面視において、前記第1方向および前記第2方向の双方に対して傾斜した四辺によって構成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体素子は、VCSELである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記導電層は、リードフレームである
請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形状の基板と、基板の外周部に配置された複数の貫通配線と、基板の主面に形成され、複数の貫通配線に個別に接続された主面配線と、主面配線上に実装された半導体素子と、半導体素子を封止する封止樹脂と、を備える半導体装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-93454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体装置の放熱性能に改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する半導体装置は、封止表面と、前記封止表面とは反対側を向く封止裏面とを有する封止樹脂と、前記封止樹脂内に設けられ、前記封止裏面から露出する端子部を含む導電層と、前記封止樹脂内に設けられ、前記封止表面と同じ側を向く素子表面と、前記封止裏面と同じ側を向く素子裏面とを有し、前記導電層と電気的に接続された半導体素子と、を備え、前記封止樹脂は、前記封止裏面に設けられ、前記半導体素子の前記素子裏面を露出する凹部を有する。
【発明の効果】
【0006】
上記半導体装置によれば、半導体装置の放熱性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の半導体装置の斜視図である。
図2図2は、図1の半導体装置の平面図である。
図3図3は、図1の半導体装置の裏面図である。
図4図4は、図2のF4-F4線で半導体装置を切断した断面図である。
図5図5は、図4の封止樹脂の凹部およびその周辺を拡大した断面図である。
図6図6は、図2のF6-F6線で半導体装置を切断した断面構造のうち封止樹脂の凹部およびその周辺を拡大した断面図である。
図7図7は、第1実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図8図8は、図7に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図9図9は、図8に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図10図10は、図9に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図11図11は、図10に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
図12図12は、第1実施形態の半導体装置が回路基板に実装された状態の断面図である。
図13図13は、第2実施形態の半導体装置の断面図である。
図14図14は、第3実施形態の半導体装置の平面図である。
図15図15は、第3実施形態の半導体装置の裏面図である。
図16図16は、変更例の半導体装置の裏面図である。
図17図17は、変更例の半導体装置の平面図である。
図18図18は、図17の半導体装置の裏面図である。
図19図19は、変更例の半導体装置の裏面図である。
図20図20は、変更例の半導体装置の裏面図である。
図21図21は、変更例の半導体装置の断面図である。
図22図22は、図21の半導体装置の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置の実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするため、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするため、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付図面は、本開示の実施形態を例示するものに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は、本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図していない。
【0010】
<第1実施形態>
[半導体装置の構成]
図1図6を参照して、第1実施形態の半導体装置10の構成について説明する。図1は半導体装置10の斜視構造を示し、図2は半導体装置10の平面構造を示し、図3は半導体装置10の裏面構造を示している。図4は半導体装置10の断面構造を示し、図5および図6図4の一部の拡大構造を示している。なお、半導体装置10の後述する封止樹脂40は透光部材によって形成されているため、封止樹脂40の内部に設けられた部品は実線で示されている。また図2では、図面の理解を容易にするため、後述する凹部47を省略している。
【0011】
図1に示すように、半導体装置10は、半導体素子20と、導電層30と、ワイヤWと、これらを封止する封止樹脂40と、を備える。
封止樹脂40は、矩形平板状に形成されている。封止樹脂40は、透光性を有する材料によって形成されている。封止樹脂40は、透明部材によって形成されているともいえる。封止樹脂40の材料としては、アクリル樹脂、透明なエポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、封止樹脂40の厚さ方向を「Z方向」とする。そしてZ方向と直交する方向のうち互いに直交する2方向をそれぞれ「X方向」および「Y方向」とする。以降の説明において、「平面視」はZ方向から半導体装置10を視ることをいう。
【0012】
平面視において、封止樹脂40は、X方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる矩形状に形成されている。一例では、封止樹脂40の厚さは、封止樹脂40のX方向の寸法よりも小さい。封止樹脂40は、Z方向において互いに反対側を向く封止表面41および封止裏面42と、封止表面41と封止裏面42とを繋ぐ第1~第4封止側面43~46と、を有する。一例では、封止表面41および封止裏面42の双方は、Z方向と直交する平面として形成されている。第1~第4封止側面43~46は、封止表面41および封止裏面42と交差する面である。第1実施形態では、第1~第4封止側面43~46は、封止表面41および封止裏面42と直交する面である。第1封止側面43および第2封止側面44は封止樹脂40のY方向の両端面を構成しており、平面視においてX方向に沿って延びている。第3封止側面45および第4封止側面46は封止樹脂40のX方向の両端面を構成しており、平面視においてY方向に沿って延びている。ここで、X方向は「第2方向」に対応し、Y方向は「第1方向」に対応している。
【0013】
半導体素子20は、予め設定された方向に光を出射する半導体素子である。このため、半導体素子20は、半導体発光素子であるといえる。つまり、半導体装置10は、半導体発光装置であるともいえる。半導体素子20は、たとえば垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。第1実施形態の半導体素子20は、Z方向に向けて光を出射する。なお、半導体素子20は、たとえばLED(Light Emitting Diode)であってもよい。
【0014】
半導体素子20は、封止樹脂40内に設けられている。半導体素子20は、Z方向が厚さ方向となる直方体に形成されている。平面視における半導体素子20の形状は、たとえば正方形である。半導体素子20の厚さ(Z方向の寸法)は、たとえば100μm以上150μm以下である。
【0015】
半導体素子20は、Z方向において互いに反対側を向く素子表面21および素子裏面22と、素子表面21と素子裏面22とを繋ぐ第1~第4素子側面23~26と、を有する。一例では、素子表面21および素子裏面22の双方は、Z方向と直交する平面として形成されている。素子表面21は封止樹脂40の封止表面41と同じ側を向き、素子裏面22は封止裏面42と同じ側を向いている。第1~第4素子側面23~26は、素子表面21および素子裏面22と交差する面である。第1実施形態では、第1~第4素子側面23~26は、素子表面21および素子裏面22と直交する面である。第1素子側面23および第2素子側面24は半導体素子20のY方向の両端面を構成しており、平面視においてX方向に沿って延びている。第1素子側面23は第1封止側面43と同じ側を向き、第2素子側面24は第2封止側面44と同じ側を向いている。第3素子側面25および第4素子側面26は半導体素子20のX方向の両端面を構成しており、平面視においてY方向に沿って延びている。第3素子側面25は第3封止側面45と同じ側を向き、第4素子側面26は第4封止側面46と同じ側を向いている。
【0016】
図2に示すように、平面視において、半導体素子20は、第1~第4コーナ部分C1~C4を含む。第1コーナ部分C1は、第1素子側面23と第3素子側面25とによって構成されている。第2コーナ部分C2は、第1素子側面23と第4素子側面26とによって構成されている。第3コーナ部分C3は、第2素子側面24と第3素子側面25とによって構成されている。第4コーナ部分C4は、第2素子側面24と第4素子側面26とによって構成されている。つまり、第1~第4コーナ部分C1~C4は、半導体素子20の素子側面を構成している。より詳細には、平面視において、第1コーナ部分C1は、素子側面のうち第1素子側面23と第3素子側面25との交点である。平面視において、第2コーナ部分C2は、素子側面のうち第1素子側面23と第4素子側面26との交点である。平面視において、第3コーナ部分C3は、素子側面のうち第2素子側面24と第3素子側面25との交点である。平面視において、第4コーナ部分C4は、素子側面のうち第2素子側面24と第4素子側面26との交点である。
【0017】
半導体素子20は、発光部27および表面電極28と、裏面電極29(図3参照)と、を有する。発光部27および表面電極28の双方は、素子表面21の一部を構成している。発光部27は、光を出射する部分であり、X方向およびY方向に離隔して設けられた複数の面発光レーザを含む。表面電極28は、導電層30と電気的に接続されている。これにより、半導体素子20は、導電層30と電気的に接続されている。一例では、発光部27および表面電極28は、Y方向において互いに離隔して形成されている。表面電極28は、発光部27よりも第1素子側面23寄りに位置している。
【0018】
図3に示すように、裏面電極29は、素子裏面22の少なくとも一部を構成している。第1実施形態では、裏面電極29は、素子裏面22の全体を構成している。裏面電極29は、第1~第4素子側面23~26に対応する側面29S(図5参照)を有する。裏面電極29の側面29Sは、第1~第4素子側面23~26と面一となる。
【0019】
図1に示すように、導電層30は、封止樹脂40内に設けられている。導電層30は、封止裏面42から露出する端子部32を含む。導電層30は、端子部32よりも封止表面41寄りに設けられた接続電極部33を含む。一例では、端子部32および接続電極部33は一体に形成されている。接続電極部33は、端子部32に対してY方向の両側に突出するように設けられている。
【0020】
導電層30は、たとえばリードフレームである。第1実施形態では、導電層30の厚さ(Z方向の寸法)は、半導体素子20の厚さよりも厚い。一例では、導電層30の厚さは、80μm以上120μm以下である。
【0021】
導電層30は、Z方向において互いに反対側を向く主面31Aおよび裏面31B(図4参照)を有する。主面31Aは封止表面41と同じ側を向き、裏面31Bは封止裏面42と同じ側を向いている。主面31Aは接続電極部33の主面を構成しており、裏面31Bは端子部32の裏面を構成している。このため、主面31Aの面積は、裏面31Bの面積よりも大きい。
【0022】
一例では、図2に示すように、平面視における主面31Aの形状は、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状である。一例では、図3に示すように、平面視における裏面31Bの形状は、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状である。
【0023】
図3に示すように、端子部32(導電層30)の裏面31Bは、封止裏面42から露出している。一例では、端子部32の裏面31Bは、封止裏面42と面一である(図4参照)。端子部32の裏面31Bには、めっき層34が形成されている。めっき層34は、封止裏面42からZ方向に突出している。
【0024】
図2および図3に示すように、第1実施形態では、導電層30は、Y方向に離隔して配置された第1導電層30Aおよび第2導電層30Bを含む。つまり、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、平面視において封止樹脂40の長手方向に配列されている。半導体素子20は、第1導電層30Aと第2導電層30Bとの間に配置されている。半導体素子20は、Y方向において第1導電層30Aおよび第2導電層30Bとの双方と離隔して配置されている。このように、第1導電層30A、第2導電層30B、および半導体素子20は、封止樹脂40の長手方向に配列されているともいえる。
【0025】
第1導電層30Aは、表面電極28と電気的に接続された導電層である。より詳細には、表面電極28と第1導電層30Aとはボンディングワイヤ(以下、単に「ワイヤW」)によって接続されている。第1導電層30Aは、半導体素子20よりも第1封止側面43寄りに配置されている。一例では、第1導電層30Aの接続電極部33は、第1封止側面43から露出している。この場合、接続電極部33の側面は、第1封止側面43と面一である。一例では、第1導電層30Aの裏面31Bは、平面視において第1封止側面43、第3封止側面45、および第4封止側面46から離隔して形成されている。
【0026】
第2導電層30Bは、半導体素子20とは電気的に接続されていない導電層である。第1実施形態では、第2導電層30Bは、電気的にフローティング状態である。第2導電層30Bは、半導体素子20よりも第2封止側面44寄りに配置されている。一例では、第2導電層30Bの接続電極部33は、第2封止側面44から露出している。この場合、接続電極部33の側面は、第2封止側面44と面一である。一例では、第2導電層30Bの裏面31Bは、平面視において、第2封止側面44、第3封止側面45、および第4封止側面46から離隔して形成されている。
【0027】
図4に示すように、第1実施形態では、半導体素子20の厚さは、導電層30の厚さよりも薄い。半導体素子20は、その素子裏面22が導電層30の主面31Aよりも封止裏面42寄りに位置するように配置されている。第1実施形態では、半導体素子20は、その素子表面21が導電層30の主面31Aよりも封止裏面42寄りに位置するように配置されている。
【0028】
封止樹脂40は、半導体素子20の素子裏面22を露出する凹部47を有する。凹部47は、半導体素子20の裏面電極29を露出しているともいえる。凹部47は、封止裏面42に設けられている。凹部47は、封止裏面42から封止表面41に向けて凹んでいる。このため、素子裏面22は、封止裏面42よりも封止表面41寄りに位置している。封止裏面42と素子裏面22とのZ方向の間の距離は、半導体素子20の厚さよりも小さい。一例では、上記距離は、半導体素子20の厚さの1/2以下である。一例では、上記距離は、半導体素子20の厚さの1/5以下である。一例では、上記距離は、半導体素子20の厚さの1/10以下である。一例では、上記距離は、裏面電極29の厚さと等しくてもよい。一例では、上記距離は、裏面電極29の厚さよりも大きくてもよい。
【0029】
図3に示すように、平面視における凹部47の形状は、円形である。第1実施形態では、凹部47は、半導体素子20の対角線の長さと略等しい直径を有する円形に形成されている。つまり、凹部47は、平面視において半導体素子20を囲む円形に形成されている。このため、凹部47は、素子裏面22(裏面電極29の裏面)の全体を露出している。凹部47は、平面視において第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの双方の裏面31Bに対してX方向に離隔して形成されている。
【0030】
凹部47は、平面視において半導体素子20を囲む周面47Aを含む。第1実施形態では、平面視において、半導体素子20の第1~第4コーナ部分C1~C4は、第1~第4素子側面23~26の第1~第4コーナ部分C1~C4以外の部分よりも周面47Aに近い位置となるように配置されている。図4に示すように、周面47Aは、断面視において湾曲状に形成されている。
【0031】
図5は、半導体装置10をYZ平面で切断した断面構造のうち凹部47およびその周辺を示している。図6は、第1コーナ部分C1と第4コーナ部分C4とを結ぶ対角線に沿う平面で半導体装置10を切断した断面構造のうち凹部47およびその周辺を示している。
【0032】
図5に示すように、凹部47は、裏面電極29の側面29Sを露出させるように構成されている。より詳細には、凹部47は、平面視において凹部47のうち第1~第4素子側面23~26に対応する部分の裏面電極29の側面29Sを露出している。より詳細には、凹部47は、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の少なくとも中央部は、Z方向において裏面電極29の側面29Sの全体を露出している。一例では、凹部47は、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の両端部以外の部分は、Z方向において裏面電極29の側面29Sの全体を露出している。
【0033】
さらに、凹部47は、半導体素子20の第1素子側面23および第2素子側面24のうちZ方向における裏面電極29寄りの一部を露出している。なお、図示していないが、凹部47は、半導体素子20の第3素子側面25および第4素子側面26(ともに図3参照)のうちZ方向における裏面電極29寄りの一部を露出している。
【0034】
なお、裏面電極29の側面29Sの長さ方向は、側面29Sの垂直方向から視て、Z方向と直交する方向である。第1素子側面23および第2素子側面24における側面29Sの長さ方向はX方向であり、第3素子側面25および第4素子側面26における側面29Sの長さ方向はY方向である。
【0035】
一方、図6に示すように、凹部47は、第1コーナ部分C1および第4コーナ部分C4において裏面電極29の側面29Sを露出していない。第1コーナ部分C1および第4コーナ部分C4において裏面電極29の側面29Sは、封止樹脂40によって覆われている。なお、図示していないが、凹部47は、第2コーナ部分C2および第3コーナ部分C3(ともに図3参照)においても第1コーナ部分C1および第4コーナ部分C4と同様に、裏面電極29の側面29Sを露出していない。換言すると、第1~第4コーナ部分C1~C4において裏面電極29の側面29Sは封止樹脂40によってZ方向において全体的に覆われており、封止樹脂40から露出していない。
【0036】
図4に示すように、ワイヤWは、表面電極28との第1接合部W1と、第1導電層30A(導電層30)との第2接合部W2と、を含む。ワイヤWのうち封止表面41に最も近い頂点WPは、第1接合部W1と第2接合部W2との間のうち第1接合部W1寄りに設けられている。換言すると、第1接合部W1はファーストボンド部であり、第2接合部W2はセカンドボンド部である。
【0037】
[半導体装置の製造方法]
図7図11を参照して、第1実施形態の半導体装置10の製造方法について説明する。以下の説明では、1つの半導体装置10の製造方法について説明するが、複数の半導体装置10を同時に製造することもできる。
【0038】
半導体装置10の製造方法は、支持材800上に導電層30を配置する工程と、支持材800上に半導体素子20を配置する工程と、ワイヤWを形成する工程と、封止樹脂40を形成する工程と、支持材800を除去する工程と、を主に含む。
【0039】
図7に示すように、支持材800上に導電層30を配置する工程においては、まず支持材800が用意される。支持材800としては、たとえばテープ、基板等が用いられる。支持材800は、たとえば絶縁材料によって形成されている。続いて、支持材800の表面801上に導電層30が配置される。この工程における導電層30は、めっき層34(図4参照)が形成される前の導電層である。このため、端子部32の裏面31Bが支持材800の表面801に接している。導電層30は、たとえばリードフレームである。リードフレームは、たとえば銅を含む材料によって形成されている。導電層30は、図示しない接着材によって支持材800上に固定される。接着材としては、後述する導電層30と支持材800との剥離を可能とする材料が用いられる。
【0040】
図8に示すように、支持材800上に半導体素子20を配置する工程においては、まず表面801のうち第1導電層30Aと第2導電層30Bとの間にダイボンディング材810が塗布される。ダイボンディング材810は、たとえばペースト状の絶縁材料が用いられる。続いて、ダイボンディング材810上に半導体素子20が配置される。これにより、半導体素子20の裏面電極29の裏面(素子裏面22)と側面29Sとがダイボンディング材810に接する。さらに半導体素子20の第1~第4素子側面23~26のうち裏面電極29寄りの部分がダイボンディング材810に接する。一方、半導体素子20の裏面電極29の側面29Sのうち第1~第4コーナ部分C1~C4(図3参照)はダイボンディング材810と接していない。つまり、ダイボンディング材810は、裏面電極29の側面29Sのうち第1~第4コーナ部分C1~C4に接しない量に設定されている。半導体素子20は、ダイボンディング材810によって支持材800に仮固定される。ダイボンディング材としては、半導体素子20との剥離を可能とする材料が用いられる。
【0041】
図9に示すように、ワイヤWを形成する工程においては、ワイヤボンディング装置(図示略)を用いて半導体素子20の表面電極28と第1導電層30Aとを接続するワイヤWが形成される。一例では、表面電極28とワイヤWとの第1接合部W1がファーストボンド部となり、第1導電層30Aの主面31AとワイヤWとの第2接合部W2がセカンドボンド部となる。このため、ワイヤWの頂点WPは、Y方向において第2接合部W2よりも第1接合部W1寄りに位置している。
【0042】
図10に示すように、封止樹脂40を形成する工程においては、たとえばトランスファーモールド、コンプレッションモールド等によって封止樹脂40が形成される。封止樹脂40は、半導体素子20、導電層30、およびワイヤWを封止するとともに支持材800の表面801に接している。封止樹脂40は、支持材800およびダイボンディング材810上に形成されているともいえる。
【0043】
図11に示すように、支持材800を除去する工程においては、支持材800およびダイボンディング材810の双方が封止樹脂40および半導体素子20から剥離される。これにより、半導体素子20の素子裏面22(裏面電極29)が封止樹脂40から露出する。また、封止樹脂40には素子裏面22(裏面電極29)を露出する凹部47が形成される。その後、図示していないが、半導体装置10の製造方法は、端子部32の裏面31Bにめっき層34(図4参照)を形成する工程を含む。以上の工程を経て、半導体装置10が製造される。
【0044】
なお、複数の半導体装置10が同時に製造される場合、半導体装置10の製造方法は、封止樹脂40を形成する工程に代えて、複数の半導体素子20、導電層30、およびワイヤWを封止する樹脂層を形成する工程を含む。その後、半導体装置10の製造方法は、端子部32の裏面31Bにめっき層34(図4参照)を形成する工程を含む。続いて、半導体装置10の製造方法は、個片化する工程を含む。個片化する工程は、支持材800を除去する工程の後に実施される。個片化する工程においては、まずダイシングテープ上に樹脂層を配置する。続いて、ダイシングブレードによって樹脂層を切断する。これにより、封止樹脂40が形成される。以上の工程を経て、複数の半導体装置10が製造される。
【0045】
[作用]
図12を参照して、第1実施形態の半導体装置10の作用について説明する。図12は、半導体装置10が回路基板CBに実装された状態の断面構造を示している。
【0046】
図12に示すように、半導体装置10は、たとえばはんだペーストSDによって回路基板CBの第1~第3電極CB1~CB3に接合されている。具体的には、回路基板CBの第1電極CB1は、はんだペーストSDによって第1導電層30Aのめっき層34と接合されている。回路基板CBの第3電極CB3は、はんだペーストSDによって第2導電層30Bのめっき層34と接合されている。回路基板CBの第2電極CB2は、はんだペーストSDによって半導体素子20の裏面電極29と接合されている。はんだペーストSDは、裏面電極29の側面29Sにも接している。
【0047】
半導体素子20が支持部材に固定された半導体装置では、支持部材としてたとえばセラミック等の基板やリードフレームによるダイパッド等が用いられる。この場合、半導体素子20の裏面電極29から回路基板CBまでの放熱経路には、支持部材と、支持部材に半導体素子20を固定するダイボンディング材が介在する。これに対して、第1実施形態の半導体装置10において、半導体素子20の熱は、裏面電極29からはんだペーストSDを介して回路基板CBに移動する。つまり、裏面電極29にはんだペーストSDが接しているため、裏面電極29から回路基板CBに放熱しやすくなる。
【0048】
[効果]
第1実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体装置10は、封止表面41と、封止表面41とは反対側を向く封止裏面42とを有する封止樹脂40と、封止樹脂40内に設けられ、封止裏面42から露出する端子部32を含む導電層30と、封止樹脂40内に設けられ、封止表面41と同じ側を向く素子表面21と、封止裏面42と同じ側を向く素子裏面22とを有し、導電層30と電気的に接続された半導体素子20と、を備える。封止樹脂40は、封止裏面42に設けられ、半導体素子20の素子裏面22を露出する凹部47を有する。
【0049】
この構成によれば、半導体素子20の素子裏面22が封止樹脂40の封止裏面42から露出するため、半導体素子20の素子裏面22が封止樹脂40に覆われる構成と比較して、半導体素子20から封止樹脂40の外部に放熱しやすくなる。したがって、半導体装置10の放熱性能の向上を図ることができる。
【0050】
(1-2)半導体素子20は、素子表面21の一部を構成し、導電層30と電気的に接続された表面電極28と、素子裏面22の少なくとも一部を構成する裏面電極29と、を有する。
【0051】
この構成によれば、はんだペーストSDによって半導体装置10が回路基板CBに実装された状態において、半導体素子20の熱は、裏面電極29からはんだペーストSDを介して回路基板CBに移動しやすくなる。したがって、はんだペーストSDによって半導体装置10が回路基板CBに実装された状態における半導体装置10の放熱性能の向上を図ることができる。
【0052】
加えて、封止樹脂40に凹部47が設けられていることによって、半導体装置10が回路基板CBに実装する際に第2電極CB2に塗布されたはんだペーストSDが凹部47に入り込む。これにより、はんだペーストSDが半導体素子20の裏面電極29に接しやすくなる。
【0053】
(1-3)裏面電極29は、半導体素子20の素子裏面22の全体を構成している。
この構成によれば、はんだペーストSDと裏面電極29との接合面積が増大するため、半導体素子20の熱が回路基板CBに移動しやすくなる。
【0054】
(1-4)封止樹脂40の凹部47は、半導体素子20の裏面電極29の側面29Sを露出するように構成されている。
この構成によれば、はんだペーストSDが裏面電極29の側面29Sと接合することができる。これにより、はんだペーストSDと裏面電極29との接合面積が増大するため、半導体素子20の熱が回路基板CBに移動しやすくなる。
【0055】
(1-5)導電層30は、封止樹脂40の封止表面41と同じ側を向く主面31Aを有する。半導体素子20の素子裏面22は、導電層30の主面31Aよりも封止樹脂40の封止裏面42寄りに位置している。この構成によれば、半導体素子20が導電層30上に実装された構成と比較して、半導体装置10の低背化を図ることができる。
【0056】
(1-6)半導体素子20の素子表面21は、導電層30の主面31Aよりも封止樹脂40の封止裏面42寄りに位置している。この構成によれば、半導体装置10の更なる低背化を図ることができる。
【0057】
(1-7)半導体素子20の表面電極28と導電層30とはワイヤWによって接続されている。ワイヤWのうち封止樹脂40の封止表面41に最も近い頂点WPは、平面視において表面電極28との第1接合部W1と、導電層30との第2接合部W2との間のうち第1接合部W1寄りに設けられている。
【0058】
この構成によれば、第2接合部W2よりも封止樹脂40の封止裏面42寄りの第1接合部W1がファーストボンド部となるため、封止裏面42からワイヤWの頂点WPまでのZ方向の寸法を小さくできる。したがって、半導体装置10の低背化を図ることができる。
【0059】
(1-8)導電層30は、半導体素子20の表面電極28と電気的に接続された第1導電層30Aと、第1導電層30Aから離隔して設けられた第2導電層30Bと、を含む。半導体素子20は、第1導電層30Aと第2導電層30Bとの間に配置されている。
【0060】
この構成によれば、第2導電層30Bは、封止樹脂40のうち半導体素子20に対して第1導電層30Aとは反対側の部分を補強できる。したがって、封止樹脂40の破損を抑制できる。
【0061】
(1-9)封止樹脂40の凹部47は、第1~第4素子側面23~26の一部を露出するように構成されている。
この構成によれば、半導体装置10が回路基板CBに実装する際に第2電極CB2に塗布されたはんだペーストSDと半導体素子20との接触面積が大きくなるため、半導体素子20の熱が回路基板CBにさらに移動しやすくすることができる。
【0062】
<第2実施形態>
図13を参照して、第2実施形態の半導体装置10について説明する。第2実施形態の半導体装置10では、第1実施形態の半導体装置10と比較して、半導体素子20の裏面電極29の構成が主に異なる。以下の説明では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図13に示すように、半導体装置10の裏面電極29は、裏面電極層29Aと、裏面電極板29Bとの積層構造によって構成されている。より詳細には、裏面電極層29Aの裏面29AAに裏面電極板29Bが設けられている。裏面電極板29Bは、たとえば共晶結合によって裏面電極層29Aに接合されている。
【0064】
裏面電極層29Aは、第1実施形態の裏面電極29に対応している。裏面電極層29Aは、たとえばめっき層によって形成されている。裏面電極層29Aは、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26に対応する側面29SAを含む。裏面電極層29Aの側面29SAは、第1~第4素子側面23~26と面一である。
【0065】
裏面電極板29Bは、たとえば銅を含む材料によって形成されている。裏面電極板29Bは、たとえば銅板によって形成されている。裏面電極板29BのX方向およびY方向の寸法は、裏面電極層29AのX方向およびY方向の寸法と等しい。裏面電極板29Bの厚さ(Z方向の寸法)は、裏面電極層29Aの厚さ(Z方向の寸法)よりも厚い。
【0066】
裏面電極板29Bは、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26に対応する側面29SBを含む。裏面電極板29Bの側面29SBは、裏面電極層29Aの側面29SAと面一である。このため、第1~第4素子側面23~26、裏面電極層29Aの側面29SA、および裏面電極板29Bの側面29SBは互いに面一になるといえる。
【0067】
第2実施形態の裏面電極29の厚さ(Z方向の寸法)は、表面電極28の厚さ(Z方向の寸法)よりも厚い。一例では、裏面電極29の厚さは、表面電極28の厚さの10倍以上である。一例では、裏面電極29の厚さは、表面電極28の厚さの50倍以上である。裏面電極29の厚さは、表面電極28の厚さの100倍程度である。裏面電極29が厚くなることにともない、第2実施形態では、半導体素子20の厚さ(Z方向の寸法)が導電層30の厚さ(Z方向の寸法)以上になってもよい。なお、図13では、図面の理解を容易にするため、表面電極28、裏面電極層29A、および裏面電極板29Bの厚さ関係を実際の厚さ関係とは異なる態様で示している。
【0068】
一例では、凹部47は、裏面電極層29Aおよび裏面電極板29Bの双方の側面29SA,29SBを露出するように構成されている。第2実施形態では、凹部47は、裏面電極板29Bの側面29SBのZ方向の全体、および裏面電極層29Aの側面29SAのZ方向の全体を露出するように構成されている。このため、凹部47は、裏面電極29の側面29Sの全体を露出するように構成されているともいえる。
【0069】
さらに、凹部47は、半導体素子20の第1素子側面23および第2素子側面24のうちZ方向における裏面電極層29A寄りの一部を露出している。なお、図示していないが、凹部47は、半導体素子20の第3素子側面25および第4素子側面26(ともに図3参照)のうちZ方向における裏面電極層29A寄りの一部を露出している。
【0070】
半導体素子20の素子裏面22は、第1実施形態と同様に、導電層30の主面31Aよりも封止裏面42寄りに位置している。一方、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、半導体素子20の素子表面21は、導電層30の主面31Aよりも封止表面41寄りに位置している。一例では、素子表面21と導電層30の主面31AとのZ方向の間の距離は、導電層30の接続電極部33の厚さ(Z方向の寸法)よりも小さい。
【0071】
[効果]
第2実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(2-1)半導体素子20の裏面電極29の厚さは、表面電極28の厚さよりも厚い。この構成によれば、はんだペーストSDによって半導体装置10が回路基板CB(図12参照)に実装された状態において、はんだペーストSDが裏面電極29と接合することによって合金化されたときに裏面電極29の厚さ方向の全てがはんだペーストSDと合金化することを抑制できる。したがって、裏面電極29の厚さ方向の全てがはんだペーストSDと合金化されたことに起因する裏面電極29の剥がれの発生を抑制できる。
【0072】
加えて、裏面電極板29Bを裏面電極層29Aに接合することによって裏面電極29を厚くする構成であるため、裏面電極板29Bを用いずに裏面電極層29A自体を厚くする構成と比較して、半導体素子20のコストを低減できる。
【0073】
<第3実施形態>
図14および図15を参照して、第3実施形態の半導体装置10について説明する。第3実施形態の半導体装置10では、第1実施形態の半導体装置10と比較して、平面視における半導体素子20の配置態様と、導電層30の構成とが異なる。以下の説明では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。なお、図15では、図面を容易に理解するため、導電層30の接続電極部33を二点鎖線で示している。
【0074】
図14に示すように、半導体素子20は、平面視において、X方向(第2方向)およびY方向(第1方向)の双方に対して傾斜した四辺によって構成されている。半導体素子20の第1~第4素子側面23~26は、平面視においてX方向およびY方向の双方に対して傾斜しているといえる。一例では、平面視においてX方向およびY方向の双方に対する第1~第4素子側面23~26の傾斜角度はそれぞれ45°である。
【0075】
ワイヤWは、たとえば表面電極28のうち第4素子側面26寄りの端部に接合されている。つまり、ワイヤWは、表面電極28のうち第1導電層30Aに近い方の端部に接合されている。これにより、平面視において、ワイヤWの長さを短くすることができる。
【0076】
図15に示すように、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの双方は、平面視において封止樹脂40の凹部47を避けるように凹む導電層側凹部35A,35Bを含む。導電層側凹部35Aは第1導電層30AのX方向の中央に形成され、導電層側凹部35Bは第2導電層30BのX方向の中央に形成されている。導電層側凹部35A,35Bは、Z方向において第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの端子部32の裏面31B寄りの端部に少なくとも設けられている。導電層側凹部35A,35Bは、Z方向において端子部32の全体にわたり設けられていてもよい。一方、導電層側凹部35A,35Bは接続電極部33には設けられていない。
【0077】
平面視において、導電層側凹部35A,35Bは、湾曲状に形成されている。一例では、導電層側凹部35A,35Bの曲率半径は、封止樹脂40の凹部47の曲率半径よりも大きい。導電層側凹部35A,35Bは、平面視において凹部47と同心円となるように形成されていてもよい。
【0078】
第3実施形態では、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、第1実施形態よりもY方向において半導体素子20の近くに配置されている。このため、平面視において、凹部47は、接続電極部33と重なる部分を含む。図15に示す例では、平面視において、凹部47のY方向の両端部は、接続電極部33と重なる位置に設けられている。
【0079】
なお、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの位置は任意に変更可能である。一例では、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、平面視において接続電極部33が凹部47と重ならないように配置されていてもよい。
【0080】
[効果]
第3実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(3-1)第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、平面視において封止樹脂40の凹部47を避けるように凹む導電層側凹部35A,35Bを含む。この構成によれば、半導体素子20の裏面電極29と第1導電層30Aおよび第2導電層30Bのめっき層34とのY方向の間の距離を確保しつつ、半導体素子20と第1導電層30Aおよび第2導電層30BとのY方向の間の距離を小さくすることができる。したがって、半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0081】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態および以下の各変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。なお、図16図18、および図19では、図面を容易に理解するため、接続電極部33を二点鎖線で示している。
【0082】
・第1実施形態において、図16に示すように、第3実施形態の導電層側凹部35A,35Bを含む第1導電層30Aおよび第2導電層30Bが用いられていてもよい。この構成によれば、第3実施形態の(3-1)の効果と同様の効果が得られる。なお、第2実施形態において、第3実施形態の導電層側凹部35A,35Bを含む第1導電層30Aおよび第2導電層30Bが用いられていてもよい。
【0083】
・第2実施形態において、封止樹脂40の凹部47は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26を露出せず、裏面電極29を露出する構成であってもよい。また、封止樹脂40の凹部47は、裏面電極29のうち裏面電極層29Aを露出せず、裏面電極板29Bを露出する構成であってもよい。
【0084】
・第1および第2実施形態において、平面視における半導体素子20の形状は任意に変更可能である。一例では、図17に示すように、平面視における半導体素子20の形状は、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状であってもよい。この場合、半導体素子20の発光部27および表面電極28は、半導体素子20の長手方向(X方向)において互いに離隔して形成されている。図17の例では、表面電極28は、素子表面21のX方向の両端部のうち第3素子側面25寄りの端部に設けられている。ワイヤWは、表面電極28のY方向の両端部のうち第1導電層30Aに近い方の端部に接合されている。
【0085】
図18に示すように、封止樹脂40の凹部47は、平面視において半導体素子20の対角線の長さを直径する円形に形成されている。このため、平面視において凹部47の周面47Aと半導体素子20の第1素子側面23とのX方向の間の最大距離は、凹部47の周面47Aと第3素子側面25とのY方向の間の最大距離よりも大きい。平面視において凹部47の周面47Aと半導体素子20の第2素子側面24とのX方向の間の最大距離は、凹部47の周面47Aと第3素子側面25とのY方向の間の最大距離よりも大きい。平面視において凹部47の周面47Aと半導体素子20の第1素子側面23とのX方向の間の最大距離は、凹部47の周面47Aと第4素子側面26とのY方向の間の最大距離よりも大きい。平面視において凹部47の周面47Aと半導体素子20の第2素子側面24とのX方向の間の最大距離は、凹部47の周面47Aと第4素子側面26とのY方向の間の最大距離よりも大きい。
【0086】
図18に示す例では、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、第3実施形態と同様に導電層側凹部35A,35Bを含む。これにより、第3実施形態の(3-1)の効果と同様の効果が得られる。
【0087】
・第3実施形態において、第2実施形態の半導体素子20が用いられていてもよい。
・上記各実施形態において、平面視における封止樹脂40の凹部47の大きさは任意に変更可能である。
【0088】
第1例では、図19に示すように、平面視における凹部47は、その周面47Aが第1~第4コーナ部分C1~C4から十分に離れるような直径を有してもよい。この場合、凹部47は、半導体素子20の裏面電極29の側面29Sのうち第1~第4コーナ部分C1~C4もZ方向において全体的に露出するように構成されている。つまり、凹部47によって、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の全体が、Z方向において全体的に露出している。換言すると、凹部47によって、裏面電極29の側面29Sの全面が露出している。これにより、はんだペーストSDと裏面電極29の側面29Sとの接合面積が増大するため、半導体素子20の熱が回路基板CBに移動しやすくなる。
【0089】
また、図19に示す例では、第1導電層30Aおよび第2導電層30Bは、第3実施形態と同様に導電層側凹部35A,35Bを含む。これにより、第3実施形態の(3-1)の効果と同様の効果が得られる。
【0090】
第2例では、図20に示すように、平面視における凹部47は、半導体素子20の対角線の長さよりも小さい直径を有してもよい。この場合、凹部47は、裏面電極29の側面29Sのうち第1~第4コーナ部分C1~C4を露出していない。つまり、裏面電極29の側面29Sのうち第1~第4コーナ部分C1~C4は、封止樹脂40によって覆われている。裏面電極29の側面29Sの長さ方向のうち第1~第4コーナ部分C1~C4寄りの部分は、凹部47によってZ方向に部分的に露出している。裏面電極29の側面29Sの長さ方向において第1~第4コーナ部分C1~C4に近づくにつれてZ方向に露出する部分が小さくなる。一方、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の中央部は、凹部47によってZ方向において全体的に露出している。
【0091】
また、図20の例では、裏面電極29の裏面(素子裏面22)のうち第1~第4コーナ部分C1~C4に対応する四隅は、封止樹脂40によって覆われている。つまり、素子裏面22は、部分的に封止樹脂40から露出しており、素子裏面22の全面が封止樹脂40から露出している構成ではない。換言すると、裏面電極29の裏面は、部分的に封止樹脂40から露出しており、裏面電極29の裏面全体が封止樹脂40から露出している構成ではない。
【0092】
・上記各実施形態では、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の中央部は、凹部47によってZ方向において全体的に露出していたが、これに限られない。一例では、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の中央部は、凹部47によってZ方向において部分的に露出していてもよい。この場合、裏面電極29の側面29Sの長さ方向の両端部は、凹部47によって露出してなくてもよい。
【0093】
・上記各実施形態において、封止樹脂40の凹部47の形状は任意に変更可能である。一例では、図21に示すように、凹部47は、底面47Bと、底面47Bと封止樹脂40の封止裏面42とを繋ぐ側面47Cと、を含む。一例では、底面47Bは、Z方向と直交する平面である。図21の例では、裏面電極29の側面29Sは封止樹脂40によって覆われている。封止樹脂40は裏面電極29の側面29Sに接している。裏面電極29の裏面(素子裏面22)は、凹部47の底面47Bと面一である。
【0094】
図22に示すように、平面視における凹部47の形状は、矩形状である。一例では、平面視における凹部47の形状は正方形である。平面視において、凹部47のX方向およびY方向の寸法は、半導体素子20のX方向およびY方向の寸法よりも大きい。このような凹部47は、たとえばペースト状のダイボンディング材810(図8参照)に代えて、シート状のダイボンディング材を用いることによって形成される。シート状のダイボンディング材は、たとえば平面視において矩形状に形成されている。一例では、シート状のダイボンディング材は、平面視において正方形に形成されている。このシート状のダイボンディング材が封止樹脂40から除去されることによって、図22に示される凹部47が形成される。
【0095】
なお、平面視におけるシート状のダイボンディング材の大きさ(X方向の寸法およびY方向の寸法)は、任意に変更可能である。一例では、シート状のダイボンディング材は、平面視において半導体素子20と同じ大きさとすることができる。また、シート状のダイボンディング材が平面視において半導体素子20よりも大きい場合、シート状のダイボンディング材が半導体素子20からはみ出す部分の長さが異なってもよい。一例では、平面視において、シート状のダイボンディング材が半導体素子20の第3素子側面25および第4素子側面26からはみ出す部分のX方向の長さは、半導体素子20の第1素子側面23および第2素子側面24からはみ出す部分のY方向の長さよりも長くてもよい。
【0096】
・上記各実施形態において、凹部47の周面47Aは、その一部が、平面視において第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの少なくとも一方の接続電極部33と重なるように形成されていてもよい。一例では、凹部47の周面47Aは、その一部が、平面視において第1導電層30Aおよび第2導電層30Bの双方の接続電極部33と重なるように形成されている。
【0097】
・上記各実施形態において、第2導電層30Bと半導体素子20とのY方向の間の距離が第1導電層30Aと半導体素子20とのY方向の間の距離よりも小さくてもよい。この構成によれば、半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0098】
・上記各実施形態において、半導体素子20の素子表面21のZ方向の位置は任意に変更可能である。一例では、第1~第3実施形態において、素子表面21は、導電層30の主面31AとZ方向において同じ位置であってもよい。また一例では、第1および第3実施形態において、素子表面21は、Z方向において導電層30の主面31Aよりも封止表面41寄りに位置していてもよい。また一例では、第2実施形態において、素子表面21は、Z方向において導電層30の主面31Aよりも封止裏面42寄りに位置していてもよい。
【0099】
・上記各実施形態において、半導体素子20の素子裏面22のZ方向の位置は任意に変更可能である。一例では、半導体素子20の素子裏面22は、導電層30の主面31Aと同じ位置、または主面31Aよりも封止表面41寄りに位置していてもよい。この場合においても半導体素子20の素子裏面22は、凹部47によって露出している。
【0100】
・上記各実施形態において、半導体素子20の厚さ(Z方向の寸法)は任意に変更可能である。一例では、第1および第3実施形態において、半導体素子20の厚さは、導電層30の厚さ(Z方向の寸法)以上であってもよい。一例では、第2実施形態において、半導体素子20の厚さは、導電層30の厚さよりも薄くてもよい。
【0101】
・上記各実施形態において、導電層30からめっき層34を省略してもよい。
・上記各実施形態において、導電層30の端子部32の裏面31BのZ方向の位置は任意に変更可能である。一例では、端子部32の裏面31Bは、封止樹脂40の封止裏面42よりも封止表面41寄りに位置していてもよい。また、端子部32は、封止裏面42からZ方向に突出していてもよい。
【0102】
・上記各実施形態において、導電層30はリードフレームに限られない。一例では、導電層30は、導電性のシート材によって形成されていてもよい。
・上記各実施形態では、導電層30が第1導電層30Aおよび第2導電層30Bから構成されたが、これに限られない。一例では、導電層30から第2導電層30Bを省略してもよい。
【0103】
・上記各実施形態において、ワイヤWの頂点WPのY方向の位置は任意に変更可能である。一例では、ワイヤWの頂点WPは、第1接合部W1よりも第2接合部W2寄りに位置していてもよい。この場合、第2接合部W2がファーストボンド部となり、第1接合部W1がセカンドボンド部となる。
【0104】
・上記各実施形態において、封止樹脂40の材料は任意に変更可能である。一例では、封止樹脂40は、フィラー等の拡散材が含まれていてもよい。また、半導体素子20がVCSELおよびLED等の半導体発光素子以外の素子であれば、封止樹脂40は、遮光性を有する材料によって形成されていてもよい。
【0105】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、「AがB上に形成される」という表現は、上記各実施形態ではAがBに接触してB上に直接配置され得るが、変更例として、AがBに接触することなくBの上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、AとBとの間に他の部材が形成される構造を排除しない。
【0106】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0107】
<付記>
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載した構成について実施形態中の対応する符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各符号に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0108】
[付記A1]
封止表面(41)と、前記封止表面(41)とは反対側を向く封止裏面(42)とを有する封止樹脂(40)と、
前記封止樹脂(40)内に設けられ、前記封止裏面(42)から露出する端子部(32)を含む導電層(30)と、
前記封止樹脂(40)内に設けられ、前記封止表面(41)と同じ側を向く素子表面(21)と、前記封止裏面(42)と同じ側を向く素子裏面(22)とを有し、前記導電層(30)と電気的に接続された半導体素子(20)と、
を備え、
前記封止樹脂(40)は、前記封止裏面(42)に設けられ、前記半導体素子(20)の前記素子裏面(22)を露出する凹部(47)を有する
半導体装置(10)。
【0109】
[付記A2]
前記半導体素子(20)は、
前記素子表面(21)の一部を構成し、前記導電層(30)と電気的に接続された表面電極(28)と、
前記素子裏面(22)の少なくとも一部を構成する裏面電極(29)と、
を有する
付記A1に記載の半導体装置。
【0110】
[付記A3]
前記導電層(30)は、前記封止表面(41)と同じ側を向く主面(31A)を有し、
前記素子裏面(22)は、前記主面(31A)よりも前記封止裏面(42)寄りに位置している
付記A1またはA2に記載の半導体装置。
【0111】
[付記A4]
前記素子表面(21)は、前記主面(31A)よりも前記封止裏面(42)寄りに位置している
付記A3に記載の半導体装置。
【0112】
[付記A5]
前記半導体素子(20)は、前記素子表面(21)の一部を構成し、前記導電層(30)と電気的に接続された表面電極(28)を有し、
前記表面電極(28)と前記導電層(30)とはボンディングワイヤ(W)によって接続されており、
前記ボンディングワイヤ(W)のうち前記封止表面(41)に最も近い頂点(WP)は、平面視において前記表面電極(28)との第1接合部(W1)と、前記導電層(30)との第2接合部(W2)との間のうち前記第1接合部(W1)寄りに設けられている
付記A4に記載の半導体装置。
【0113】
[付記A6]
前記凹部(47)は、前記裏面電極(29)の側面(29S)を露出するように構成されている
付記A2~A5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0114】
[付記A7]
前記凹部(47)は、平面視において円形に形成されている
付記A1~A6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0115】
[付記A8]
前記裏面電極(29)は、前記素子裏面(22)の全体を構成している
付記A2に記載の半導体装置。
【0116】
[付記A9]
前記裏面電極(29)の厚さは、前記表面電極(28)の厚さよりも厚い
付記A2またはA8に記載の半導体装置。
【0117】
[付記A10]
前記導電層(30)は、
前記表面電極(28)と電気的に接続された第1導電層(30A)と、
前記第1導電層(30A)から離隔して設けられた第2導電層(30B)と、
を含み、
前記半導体素子(20)は、前記第1導電層(30A)と前記第2導電層(30B)との間に配置されている
付記A2、A8、およびA9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0118】
[付記A11]
前記第1導電層(30A)および前記第2導電層(30B)の少なくとも一方は、平面視において前記凹部(47)を避けるように凹む導電層側凹部(35A,35B)を含む
付記A10に記載の半導体装置。
【0119】
[付記A12]
前記端子部(32)の裏面(31B)は、前記封止裏面(42)と面一である
付記A1~A11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0120】
[付記A13]
前記端子部(32)の裏面(31B)にはめっき層(34)が形成されている
付記A1~A12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0121】
[付記A14]
前記封止樹脂(40)は、
平面視において第1方向(Y方向)の両端面を構成する第1封止側面(43)および第2封止側面(44)と、
平面視において前記第1方向(Y方向)と直交する第2方向(X方向)の両端面を構成する第3封止側面(45)および第4封止側面(46)と、
を有し、
前記半導体素子(20)は、平面視において、前記第1方向(Y方向)および前記第2方向(X方向)の双方に対して傾斜した四辺(23~26)によって構成されている
付記A1~A13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0122】
[付記A15]
前記半導体素子(20)は、VCSELである
付記A1~A14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0123】
[付記A16]
前記導電層(30)は、リードフレームである
付記A1~A15のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0124】
[付記A17]
前記凹部(47)は、
底面(47B)と、
前記底面(47B)と前記封止裏面(42)とを繋ぐ側面(47C)と、
を有し、
前記素子裏面(22)は、前記底面(47B)と面一である
付記A1~A16のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0125】
[付記A18]
前記導電層(30)は、前記封止樹脂(40)の厚さ方向(Z方向)において前記封止裏面(42)から離隔して設けられ、前記端子部(31)から前記半導体素子(20)に向けて延びる接続電極部(33)を含み、
前記凹部(47)は、平面視において前記接続電極部(33)と重なる部分を含む
付記A1~A17のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0126】
[付記A19]
前記半導体素子(20)は、前記素子表面(21)と前記素子裏面(22)とを繋ぐ素子側面(23~26)を有し、
前記凹部(47)は、前記素子側面の一部を露出するように構成されている
付記A1~A18のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0127】
[付記B1]
支持材(800)上に導電層(30)を配置する工程と、
前記支持材(800)上に半導体素子(20)を配置する工程と、
前記半導体素子(20)と前記導電層(30)とを接続するワイヤ(W)を形成する工程と、
前記導電層(30)、前記半導体素子(20)、および前記ワイヤ(W)を封止する封止樹脂(40)を形成する工程と、
前記支持材(800)を除去する工程と、
を備え、
前記支持材(800)上に前記半導体素子(20)を配置する工程は、
前記支持材(800)上にダイボンディング材(810)を塗布する工程と、
前記ダイボンディング材(810)上に前記半導体素子(20)を配置する工程と、
を含み、
前記支持材(800)を除去する工程においては、前記支持材(800)とともに前記ダイボンディング材(810)が除去される
半導体装置の製造方法。
【0128】
[付記B2]
前記ダイボンディング材(810)は、ペースト状に形成されている
付記B1に記載の半導体装置の製造方法。
【0129】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0130】
10…半導体装置
20…半導体素子
21…素子表面
22…素子裏面
23~26…第1~第4素子側面
27…発光部
28…表面電極
29…裏面電極
29A…裏面電極層
29B…裏面電極板
29AA…裏面
29S,29SA,29SB…側面
30…導電層
30A…第1導電層
30B…第2導電層
31A…主面
31B…裏面
32…端子部
33…接続電極部
34…めっき層
35A,35B…導電層側凹部
40…封止樹脂
41…封止表面
42…封止裏面
43~46…第1~第4封止側面
47…凹部
47A…周面
47B…底面
47C…側面
800…支持材
801…表面
810…ダイボンディング材
W…ワイヤ
W1…第1接合部
W2…第2接合部
WP…頂点
C1~C4…第1~第4コーナ部分
CB…回路基板
CB1…第1電極
CB2…第2電極
CB3…第3電極
SD…はんだペースト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22