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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081297
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/02 20120101AFI20240611BHJP
   B60W 30/12 20200101ALI20240611BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240611BHJP
   B62K 21/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B60W30/02
B60W30/12
B60W30/08
B62K21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194816
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】能勢 翼
【テーマコード(参考)】
3D013
3D241
【Fターム(参考)】
3D013CA00
3D241BA12
3D241BA18
3D241BA30
3D241BA51
3D241BA55
3D241BA60
3D241BB37
3D241BC02
3D241CA12
3D241CC08
3D241CC17
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB09Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
(57)【要約】
【課題】鞍乗り型車両に対する操舵アシストの制御が解除される際に、ライダーによる保舵の操作が過大になってライダーに違和感を与えることを抑制して、制御切り替えのフィーリングを向上し得る運転支援装置を提供する。
【解決手段】鞍乗り型車両(1)の操舵をアシストする運転支援装置であって、前記車両に備えられた操舵装置(43)を作動させる操舵アシスト制御を実行する操舵制御部(23)と、操舵制御部により操舵アシスト制御が実行されている状態から、操舵制御部により操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わるときに、車両に備えられた制動装置(41)を作動させて車両の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する制動制御部(24)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両(1)の操舵をアシストする運転支援装置であって、
前記鞍乗り型車両に備えられた操舵装置(43)を作動させる操舵アシスト制御を実行する操舵制御部(23)と、
前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されている状態から、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わるときに、前記鞍乗り型車両に備えられた制動装置(41)を作動させて前記鞍乗り型車両の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する制動制御部(24)と、
を備える運転支援装置。
【請求項2】
前記鞍乗り型車両の走行状態を認識する走行状態認識部(22)を備え、
前記制動制御部は、前記前輪制動力付与制御を開始した後、前記走行状態に基づいて前記鞍乗り型車両が所定の安定状態となったと判断したときに、前記前輪制動力付与制御を終了する
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記走行状態認識部は、前記鞍乗り型車両の走行状態として前記鞍乗り型車両のロール角とロール角速度とを認識し、
前記制動制御部は、前記安定状態として、前記鞍乗り型車両のロール角とロール角速度が所定のロール挙動条件を満たしていることを判断する
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記鞍乗り型車両の走行状態として、前記鞍乗り型車両の速度を認識する走行状態認識部を備え、
前記制動制御部は、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されている状態から、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わった時点の前記鞍乗り型車両の速度に応じて、前記前輪制動力付与制御により前記鞍乗り型車両の前輪に付与する制動力を変更する
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記鞍乗り型車両の周囲状況を認識する周囲状況認識部(21)を備え、
前記操舵制御部は、前記鞍乗り型車両に備えられた、前記周囲状況から認識される前記鞍乗り型車両の自車線から、前記鞍乗り型車両が逸脱しないように前記操舵装置を作動させる車線逸脱抑制機能の実施要素として、前記操舵アシスト制御を実行する
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗り型車両の運転支援装置においては、カメラの撮影画像から認識した走行車線内を車両が走行するように、鞍乗り型車両の操舵装置を作動させる制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、鞍乗り型車両がカーブ(曲線路)を走行する際に、カーブ進入前、カーブ走行中、及びカーブを抜けた後の各時点において操舵装置を作動させることにより、鞍乗り型車両が車線のアウト側→センター側→アウト側の走行軌跡を走行させる制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/20266号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鞍乗り型車両の運転支援装置において、操舵装置を作動させるアシスト制御が実行されている状態から、アシスト制御が解除されてライダーによる操舵に移動する際に、ライダーにとって違和感を与える可能性がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両に対する操舵アシストの制御が解除される際に、ライダーによる保舵の操作が過大になって、ライダーに違和感を与えることを抑制し、制御切り替えのフィーリングを向上し得る運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための態様として、鞍乗り型車両(1)の操舵をアシストする運転支援装置であって、前記鞍乗り型車両に備えられた操舵装置(43)を作動させる操舵アシスト制御を実行する操舵制御部(23)と、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されている状態から、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わるときに、前記鞍乗り型車両に備えられた制動装置(41)を作動させて前記鞍乗り型車両の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する制動制御部(24)と、を備える運転支援装置が挙げられる。
【発明の効果】
【0006】
上記運転支援装置によれば、鞍乗り型車両に対する操舵アシストの制御が解除される際に、ライダーによる保舵の操作が過大になってライダーに違和感を与えることを抑制して、制御切り替えのフィーリングを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、運転支援装置及び運転支援装置が備えられた鞍乗り型車両の構成図である。
図2図2は、操舵アシスト制御による車体の挙動変化の説明図である。
図3図3は、車線逸脱抑制機能による運転支援処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.運転支援装置の構成]
図1を参照して、本開示の運転支援装置の構成について説明する。本開示の運転支援装置は、車両1に備えられて車両1の全体的な作動を制御する車両制御装置10の機能の一部として構成される。車両1は、ライダーが車体を跨いで乗車する鞍乗り型車両であり、自動二輪車の他、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪(前一輪かつ後二輪、或いは前二輪かつ後一輪)、又は四輪の車両も含まれる。
【0009】
車両1には、後述する車線逸脱抑制機能等の運転支援機能のオン/オフを設定するための運転支援スイッチ51、アクセル操作部(アクセルグリップ等)によるスロットルの操作レベルを検出するスロットルセンサ52、ブレーキ操作部(ブレーキレバー、ブレーキペダル等)によるブレーキの操作レベルを検出するブレーキセンサ53、車両1の走行速度を検出する速度センサ54、IMU(Inertial Measurement Unit)センサ55、及び車両1の周囲を撮影する周囲カメラ56が備えられている。IMUセンサ55は、直交する3軸のジャイロセンサと加速度センサにより、車両1の角速度と加速度を検出する。
【0010】
車両制御装置10には、運転支援スイッチ51の操作信号と、スロットルセンサ52、ブレーキセンサ53、速度センサ54、及びIMUセンサ55の検出信号と、周囲カメラ56による撮影画像とが入力される。
【0011】
さらに、車両1には、駆動装置40、前輪制動装置41、後輪制動装置42、操舵装置43、ディスプレイ44、及びスピーカー45が備えられている。駆動装置40、前輪制動装置41、後輪制動装置42、操舵装置43は、車両制御装置10から出力される制御信号TR_c、FBK_c、RBK_c、ST_cによって、それぞれ作動が制御される。また、ディスプレイ44は、車両制御装置10から出力される制御信号に応じた表示を行い、スピーカー45は、車両制御装置10から出力される音信号を増幅して出力する。
【0012】
車両制御装置10は、プロセッサ20、メモリ30等を備えた制御ユニットであり、メモリ30には、車両制御装置10の制御用のプログラム31が保存されている。プロセッサ20は、プログラム31を読み込んで実行することにより、周囲状況認識部21、走行状態認識部22、操舵制御部23、及び制動制御部24として機能する。
【0013】
周囲状況認識部21は、周囲カメラ56による撮影画像に基づいて、車両1の周囲状況として、車両1が走行している車線(自車線)を認識する。周囲状況認識部21は、車両1に対する自車線の位置(左側境界線及び右側境界線の位置)を認識する。走行状態認識部22は、スロットルセンサ52、ブレーキセンサ53、速度センサ54、及びIMUセンサ55による検出信号に基づいて、車両1の走行状態を認識する。
【0014】
操舵制御部23は、運転支援スイッチ51のオン操作により運転支援モードに設定されているときに、周囲状況認識部21により認識されている自車線から、車両1が逸脱することを回避する車線逸脱抑制機能を有効として、車線逸脱抑制機能の実施要素である操舵装置43を作動させる操舵アシスト制御を実行する。車線逸脱抑制機能による操舵アシスト制御は、上記国際公開2020/20266号公報等に記載された公知の手法を用いて実行することができる。制動制御部24は、操舵アシスト制御が実行されている状態から操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わる際に、前輪制動装置41を作動させて車両1の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する。
【0015】
[2.操舵アシスト制御による車両の挙動]
図2を参照して、操舵アシスト制御による車両1の車体挙動の変化について説明する。図2は、操舵アシスト制御が実行する際の車両1とライダーRの挙動の変化を、ST1→ST2→ST3→ST4の順で示したものである。
【0016】
図2のST1は、車両1(ここでは二輪車両)が直進していて、車両1が自車線から逸脱するおそれがない状況を示している。ST1では、操作アシスト制御は実行されない。ST2は、車両1が自車線の境界線に接近して自車線から逸脱するおそれが生じて、操舵アシスト制御が開始された状態を示している。ST2では、逆操舵作用により、車両1のロール挙動が生じている。
【0017】
ST3は、車両1のロールを維持するために操舵アシスト制御が継続されている状態であり、この状態では、ライダーRによるハンドルの保舵力と、操舵装置43によるアシスト力が釣り合って、車両1のロール状態が維持される。ST4は、車両1の旋回により、自車線からの車両の逸脱が抑制されて、操舵アシスト制御が解除された状態である。操舵アシスト制御の解除により、それまで作用していた操舵装置43による保舵が減少するため、ライダーRによる保舵が過大であると、ハンドルの切れ角が大きくなって、ライダーRが予期していなかった車体のロール挙動が発生するおそれがある。
【0018】
そこで、制動制御部24は、操舵制御部23による操舵アシスト制御が解除される際に、前輪制動装置41を作動させて、車両1の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する。車両1の前輪に制動力を付与して前輪荷重を増大させることにより、ライダーRがハンドルを操作し難い状態となるため、ライダーRによる過大な保舵がなされることを抑制することができる。
【0019】
[3.車線逸脱抑制機能による運転支援処理]
図3に示したフローチャートに従って、車両制御装置10により実行される車線逸脱機能による運転支援処理の手順について説明する。
【0020】
図3のステップS1で、周囲状況認識部21は、周囲カメラ56の撮影画像から、車両1が走行している自車線の境界線を認識する。続くステップS2で、周囲状況認識部21は、車両1が境界線に接近しているか否かを判断し、車両1が境界線に接近しているときはステップS3に処理を進め、車両1が境界線に接近していないときにはステップS1に処理を進める。
【0021】
ステップS3で、周囲状況認識部21は、車両1が自車線の境界線に接近していることをライダーRに警告する接近警報を出力する。周囲状況認識部21は、接近警報として、ディスプレイ44への警告表示と、スピーカー45からの警報音の出力を行う。次のステップS4で、制動制御部24は、前輪制動装置41と後輪制動装置42を作動させて車両1を減速させる予備制動を実行する。
【0022】
続くステップS5で、走行状態認識部22は、IMUセンサ55の検出信号に基づいて、ライダーRにより自車線からの逸脱を避けるための回避操作がなされたか否かを判断する。そして、走行状態認識部22は、ライダーRによる回避操作があったときはステップS1に進め、ライダーRによる回避操作がなかったときにはステップS6に処理を進める。
【0023】
次のステップS6で、操舵制御部23は、スロットルセンサ52、ブレーキセンサ53、速度センサ54、IMUセンサ55による検出信号に基づいて、車両1が操舵アシスト制御による介入が可能な状態であるか否かを判断する。そして、操舵制御部23は、操舵アシスト制御による介入が可能な状態であるときはステップS7に処理を進め、操舵システム制御による介入が不能な状態であるときにはステップS1に処理を進める。
【0024】
ステップS7で、操舵制御部23は、車両1が自車線の境界線から離れる方向に操舵装置43を作動させる操舵アシスト制御を実行する。続くステップS8で、操舵制御部23は、スロットルセンサ52、ブレーキセンサ53、速度センサ54、IMUセンサ55による検出信号に基づいて、車両1が操舵アシスト制御による介入が継続可能な状態であるか否かを判断する。そして、操舵制御部23は、操舵アシスト制御による介入が継続可能な状態であるときはステップS7に処理を進め、操舵アシスト制御による介入が継続不能であるときにはステップS9に処理を進める。
【0025】
ステップS10で、操舵制御部23は、車両1の進路変更の程度が、自車線からの逸脱を回避するために不足しているか否かを判断する。そして、操舵制御部23は、車両1の進路変更の程度が不足しているときはステップS7に処理を進め、車両1の進路変更の程度が十分なものとなったときにはステップS11に処理を進める。
【0026】
ステップS11で、操舵制御部23は、操舵アシスト制御を終了する(操舵アシスト制御の解除)。続くステップS12で、制動制御部24は、前輪制動装置41を作動させて車両1の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する(前輪ブレーキ作動)。ここで、車両1が高速で走行している状況では、前輪のジャイロ効果等により、ある程度の操舵の重さが確保されていると想定される。
【0027】
そこで、操舵制御部23は、操舵アシスト制御が解除される時点における車両1の速度に応じて、車両1の速度が低速になるほど前輪に付与される制動力が大きくなるように前輪制動装置41を作動させるようにしてもよい。また、車両1が低速になり過ぎると、車体が不安定になるおそれがあるので、車両1の車速とロール角及びロール角速度に応じて、前輪制動装置41により付与する前輪への制動力を調整してもよい。
【0028】
次のステップS13で、制動制御部24は、IMUセンサ55による検出信号に基づいて車両1のロール角とロール角速度を認識して、車両1の挙動が安定しているか否かを判断する。制動制御部24は、車両1の安定状態の判断を、例えば、予め設定されたロール角とロール角度の二次元マップの所定範囲内に、車両1のロール角とロール角速度が含まれるロール挙動条件の成否を判定することによって行う。
【0029】
制動制御部24は、車両1の挙動が安定しているときはステップS14に進め、車両1の挙動が安定していないときにはステップS12に処理を進める。ステップS14で、制動制御部24は、前輪制動装置41による車両1の前輪への制動力の付与を終了する(前輪ブレーキ解除)。
【0030】
なお、ライダーRが正しい操舵をしている場合には、前輪制動力付与制御を実行しないようにしてもよい。正しい操舵の判定は、操舵アシスト制御を速やかに解除しても問題ない状態になりそうな操作かどうかを操舵トルク等で判定することによって行う。或いは、操舵トルクセンサを不要にしたい場合は、IMUセンサ55の検出信号から認識される車両1のロール角速度等によって、ライダーRによる操舵状況を推定して判定してもよい。
【0031】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、車線逸脱抑制機能により操舵アシスト制御が実行される場合を示したが、障害物回避等の他の運転支援機能により操舵アシスト制御が実行される場合においても、本開示の発明の適用が可能である。
【0032】
なお、図1は、本開示の発明の理解を容易にするために、運転支援装置の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、運転支援装置の機能構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図3に示した運転支援装置の各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0033】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0034】
(構成1)鞍乗り型車両(1)の操舵をアシストする運転支援装置であって、前記鞍乗り型車両に備えられた操舵装置(43)を作動させる操舵アシスト制御を実行する操舵制御部(23)と、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されている状態から、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わるときに、前記鞍乗り型車両に備えられた制動装置(41)を作動させて前記鞍乗り型車両の前輪に制動力を付与する前輪制動力付与制御を実行する制動制御部(24)と、を備える運転支援装置。
構成1の運転支援装置によれば、鞍乗り型車両に対する操舵アシストの制御が解除される際に、ライダーによる保舵の操作が過大になってライダーに違和感を与えることを抑制して、制御切り替えのフィーリングを向上させることができる。
【0035】
(構成2)前記鞍乗り型車両の走行状態を認識する走行状態認識部(22)を備え、前記制動制御部は、前記前輪制動力付与制御を開始した後、前記走行状態に基づいて前記鞍乗り型車両が所定の安定状態となったと判断したときに、前記前輪制動力付与制御を終了する、構成1に記載の運転支援装置。
構成2の運転支援装置によれば、鞍乗り型車両が安定状態になった適切なタイミングで、前記制動力付与制御を終了することができる。
【0036】
(構成3)前記走行状態認識部は、前記鞍乗り型車両の走行状態として前記鞍乗り型車両のロール角とロール角速度とを認識し、前記制動制御部は、前記安定状態として、前記鞍乗り型車両のロール角とロール角速度が所定のロール挙動条件を満たしていることを判断する、構成2に記載の運転支援装置。
構成3の運転支援装置によれば、鞍乗り型車両のロール角とロール角速度に基づいて、鞍乗り型車両の安定状態を判断することができる。
【0037】
(構成4)前記鞍乗り型車両の走行状態として、前記鞍乗り型車両の速度を認識する走行状態認識部を備え、前記制動制御部は、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されている状態から、前記操舵制御部により前記操舵アシスト制御が実行されていない状態に切り替わった時点の前記鞍乗り型車両の速度に応じて、前記前輪制動力付与制御により前記鞍乗り型車両の前輪に付与する制動力を変更する、構成1に記載の運転支援装置。
構成4の運転支援装置によれば、走行速度に応じて変化する鞍乗り型車両の操舵の重さに応じて、前輪制動力付与制御により前輪に付与する制動力を適切に設定することができる。
【0038】
(構成5)前記鞍乗り型車両の周囲状況を認識する周囲状況認識部(21)を備え、前記操舵制御部は、前記鞍乗り型車両に備えられた、前記周囲状況から認識される前記鞍乗り型車両の自車線から、前記鞍乗り型車両が逸脱しないように前記操舵装置を作動させる車線逸脱抑制機能の実施要素として、前記操舵アシスト制御を実行する構成1から構成4のうちいずれか1つの構成に記載の運転支援装置。
構成5の運転支援装置によれば、車線逸脱抑制機能による操舵アシスト制御が解除される際の制御切り替えのフィーリングを向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1…車両、10…車両制御装置(運転支援装置)、20…プロセッサ、21…周囲状況認識部、22…走行状態認識部、23…操舵制御部、24…制動制御部、30…メモリ、31…プログラム、40…駆動装置、41…前輪制動装置、42…後輪制動装置、43…操舵装置、51…運転支援スイッチ、52…スロットルセンサ、53…ブレーキセンサ、54…速度センサ、55…IMUセンサ、56…周囲カメラ。
図1
図2
図3