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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081299
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】安全支援装置および安全支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0635 20230101AFI20240611BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q10/0635
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194818
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 與志
(72)【発明者】
【氏名】西村 武宏
(72)【発明者】
【氏名】花房 聡人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】作業内容の変更に応じたリスク評価を簡単に行うことができる安全支援装置および安全支援システムを提供する。
【解決手段】安全支援装置は、外部のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた作業内容に関する更新情報を取得するデータ取得部と、作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、更新情報に基づく作業リスク評価を行う評価部と、作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業条件に基づいて作業リスク評価を行う安全支援装置であって、
所定のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた作業内容に関する更新情報を取得するデータ取得部と、
作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、前記更新情報に基づく作業リスク評価を行う評価部と、
前記作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える、安全支援装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、
前記データベースにおけるデータ更新の有無を判定し、
データ更新がある場合に、データ更新内容を抽出して前記更新情報を生成する、請求項1に記載の安全支援装置。
【請求項3】
前記作業計画は、複数の作業項目にそれぞれ設定される、作業順、作業要領、使用設備、または、時間的制約条件に関する作業要素データを含み、
前記更新情報は、前記データベースにおいて追加または変更された前記作業要素データを含む、請求項1または2に記載の安全支援装置。
【請求項4】
前記作業計画は、複数の作業項目に割り当てられる作業者のデータを含み、
前記更新情報は、作業項目に割り当てられる作業者の変更情報を含む、請求項1または2に記載の安全支援装置。
【請求項5】
前記評価部は、前記作業リスク評価を、前記作業条件のデータおよび過去に発生したリスクのデータに対する機械学習を用いた分析結果に基づいて決定する、請求項1または2に記載の安全支援装置。
【請求項6】
ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成し、生成された前記作業計画データを記憶器に記憶することにより、前記データベースの内容を更新するデータ更新部を備える、請求項1または2に記載の安全支援装置。
【請求項7】
作業条件に基づいて作業リスク評価を行う安全支援装置であって、
所定のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた場合に変更後の作業計画のデータを取得するデータ取得部と、
作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、前記変更後の作業計画に基づく作業リスク評価を行う評価部と、
前記作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える、安全支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載の安全支援装置と、
ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成する作業管理装置と、
前記作業計画データを記憶する記憶器と、を含み、
前記安全支援装置、前記作業管理装置および前記記憶器がネットワークを介して通信可能に接続されている、安全支援システム。
【請求項9】
前記作業管理装置は、
前記記憶器におけるデータ更新の有無を判定し、
データ更新がある場合に、データ更新内容を抽出して前記更新情報を生成し、
前記更新情報を前記安全支援装置に送信する、請求項8に記載の安全支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全支援装置および安全支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の製品を製造する工場では、様々な作業が同時並行的に行われている。そのため、各作業を行うにあたって、事前に、各作業における安全性の確認だけでなく、一の作業項目における作業が他の作業項目における作業と干渉するかどうか等、複数の作業間における安全性の確認も必要となる。
【0003】
下記特許文献1には、所定の作業で使用するリソースごとのリスクを評価し、そのリスク評価データによってその作業の労働安全衛生上のリスクの評価を行う構成が開示されている。リスク評価データは、事故発生確率や事故の影響度を、設備データおよび物質データと対応付けてデータベース化したものである。本構成において、作業内容が入力されると、データベースとして記憶されているリスク評価データから入力された作業内容におけるリスク評価値が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-196448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の構成では、作業内容ごとにユーザが入力する必要がある。また、近年では、多品種かつ少量生産を行う工場も増えてきている。このような工場では、頻繁に作業内容または作業工程等が変化する。このような場合、ユーザが毎回リスク評価を行うために作業内容を1つずつ入力するのは手間である。また、頻繁に作業内容または作業工程等が変化する工場に対応するためには、リスク評価も短期間に行う必要がある。そのため、リスク評価を行うべき作業内容に対して短時間で漏れなくリスク評価を実施することについて、上記特許文献1の構成は、改善の余地がある。
【0006】
本開示は上記に鑑みなされたものであり、作業内容の変更に応じたリスク評価を簡単に行うことができる安全支援装置および安全支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る安全支援装置は、作業条件に基づいて作業リスク評価を行う安全支援装置であって、所定のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた作業内容に関する更新情報を取得するデータ取得部と、作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、前記更新情報に基づく作業リスク評価を行う評価部と、前記作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える。
【0008】
本開示の他の態様に係る安全支援システムは、上記構成の安全支援装置と、ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成する作業管理装置と、前記作業計画データを記憶する記憶器と、を含み、前記安全支援装置、前記作業管理装置および前記記憶器がネットワークを介して通信可能に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、作業内容の変更に応じたリスク評価を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施の形態に係る安全支援システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す安全支援システムにおける作業リスク評価の実行の流れを示すフローチャートである。
図3図3は、本実施の形態におけるリスク評価画面の一例を示す図である。
図4図4は、本実施の形態における評価内容表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、本実施の形態における予防措置表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本実施の形態における施設マップ上のリスク表示の一例を示す図である。
図7図7は、図1に示す実施の形態の変形例に係る安全支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0012】
[全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る安全支援システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態における安全支援システム100は、安全支援装置1、作業管理装置2およびサーバ3を含む。作業管理装置2は、ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成する。安全支援装置1は、作業管理装置2で生成された作業計画データの更新に基づいて作業リスク評価を自動的に実行する。サーバ3は、安全支援装置1および作業管理装置2で用いられる各種データベースを記憶する。安全支援装置1、作業管理装置2およびサーバ3は、互いにインターネット、LAN等の無線または有線のネットワーク4を介して通信可能である。
【0013】
また、安全支援装置1または作業管理装置2にアクセスするために、作業者が所有する作業者端末5および管理者が操作する管理端末6がネットワーク4に接続される。作業者端末5は、例えばタブレット端末またはスマートフォン等の携帯端末である。作業者端末5は、工場またはプラント等の施設における所定の場所で所定の作業に従事する作業者が所持する。安全支援システム100は、1または複数の作業者端末5を含み得る。作業者端末5は、作業者毎に割り当てられていてもよいし、作業項目毎に割り当てられてもよい。
【0014】
作業者端末5は、後述する機能を発揮する限り、市販または汎用の通信端末でもよいし、施設作業専用の通信端末でもよい。例えば、作業者は、作業管理装置2から作業者端末5にダウンロードした所定のデータに基づいて作業者端末5の表示器に表示される作業指示を参照して施設の所定の場所で所定の作業を行う。作業者は、所定の作業の完了後、その作業実績を送信するための通信を、作業者端末5を通じて作業管理装置2に対して行う。
【0015】
管理端末6は、例えばパーソナルコンピュータ等の据え置き型の端末である。管理端末6は、施設の管理者が操作する端末である。管理者は、管理端末6を用いて、作業者端末5に対する指示を行ったり、安全支援装置1または作業管理装置2を介してサーバ3に、後述する評価データ、作業要素データ、作業者データ等をアップロードして登録したり、サーバ3に記憶される作業計画データベースの内容を閲覧したりする。安全支援システム100は、1または複数の管理端末6を含み得る。
【0016】
安全支援装置1は、各種の信号処理を行う処理回路10を備えている。処理回路10は、例えばマイクロコントローラ、パーソナルコンピュータ、PLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータを有する。より具体的には、処理回路10は、プロセッサ11、メモリ12および周辺回路13を含む。プロセッサ11は、例えば、CPUまたはMPU等を含む。メモリ12は、ROM、RAM、レジスタ等を含む。周辺回路13は、入出力インターフェイス等を含む。安全支援装置1は、ユーザが操作入力するための入力器または出力表示を行うモニタ等の出力器等を備えていてもよい。
【0017】
作業管理装置2も、安全支援装置1と同様に、各種の信号処理を行う処理回路20を備えている。処理回路20は、例えばマイクロコントローラ、パーソナルコンピュータ、PLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータを有する。より具体的には、処理回路20は、プロセッサ21、メモリ22および周辺回路23を含む。プロセッサ21は、例えば、CPUまたはMPU等を含む。メモリ22は、ROM、RAM、レジスタ等を含む。周辺回路23は、入出力インターフェイス等を含む。作業管理装置2は、ユーザが操作入力するための入力器または出力表示を行うモニタ等の出力器等を備えていてもよい。
【0018】
サーバ3も、各種の信号処理を行う処理回路30を備えている。処理回路30は、後述する各種データを集約したデータベースを記憶する記憶器31を含む。
【0019】
なお、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせを含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本明細書において、回路、ユニット、手段、または部は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、ユニット、または手段はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0020】
記憶器31に記憶されるデータベースは、評価データベース、作業計画データベースおよび作業者データベースを含む。評価データベースは、後述する作業リスク評価を行うための元になるデータベースである。
【0021】
作業計画データベースは、施設で実施される作業計画を集約したデータベースである。作業計画は、例えば、所定の製品を生産するための複数の作業項目に関して設定される作業要素データを含む。作業要素データは、作業項目データ、作業順データ、作業要領データ、使用設備データ、または、時間的制約条件データを含む。作業要素データは、テキストデータ、画像データ等を含み得る。
【0022】
作業項目データは、作業計画に含まれる複数の作業項目を示すデータである。作業順データは、複数の作業項目の作業順を示すデータである。作業要領データは、各作業項目における作業内容を示すデータである。使用設備データは、各作業項目で使用される設備を示すデータである。
【0023】
時間的制約条件データは、作業計画全体のタクトタイム、各作業項目についてのタクトタイム、他の作業計画または他の作業項目との干渉、使用設備の利用順または利用可能時間等を含む。他の作業項目との干渉は、例えば、一の作業項目を実施する前に他の一の作業項目を完了させておく必要がある、または、一の作業項目と他の一の作業項目とを同時に実施しない等の条件を含む。他の作業計画との干渉も、同様である。他の作業項目との干渉は、一の作業計画に含まれる作業項目と、他の作業計画に含まれる作業項目との干渉を含む。使用設備の利用順は、複数の作業項目で使用設備の利用期間が重複する場合に何れの作業を優先するか等の条件を含む。使用設備の利用可能時間は、例えば、夜間には利用できない設備等、使用設備自体の条件を含む。時間的制約条件データは、各作業項目における実際の実施期間、例えば、開始日時、終了日時等を含んでもよい。
【0024】
作業者データベースは、作業を行う作業者の経歴、経験、前回作業の情報等を含む作業者データを集約したデータベースである。作業者データは、作業者を特定するための識別記号に対応付けられる。
【0025】
なお、図1において、評価データベース、作業計画データベースおよび作業者データベースは、1つのサーバ3の記憶器31に記憶される態様が例示されている。これに代えて、これらのデータベースが互いに異なる複数の記憶器31または複数のサーバ3の記憶器に記憶されてもよい。また、複数の記憶器に記憶されたデータにより一群のデータベースが構成されてもよい。
【0026】
[作業計画の策定]
以下に、作業管理装置2を用いた作業計画の策定について説明する。管理者は、施設で新たな製品を生産する場合に、管理端末6を操作して作業計画データを生成する。管理者の代わりに作業者が作業計画データを作成してもよい。その場合、作業者端末5を操作して作業計画データを生成する。また、作業計画の変更または削除等も管理端末6または作業者端末5から実行可能である。
【0027】
新たな作業計画が立ち上げられた場合に、当該作業計画に必要な複数の作業項目およびそれらの作業順が策定される。さらに、複数の作業項目のそれぞれについて、当該作業項目毎の具体的な作業要領を示す作業要領データが作成される。作業要領データは、写真または図面等のデータ、例えば、画像データ、二次元または三次元の設計データ図面等を含み、作業者が作業の詳細な内容を理解するためのデータである。また、作業計画および各作業項目についての時間的制約条件データが作成される。
【0028】
作業管理装置2のメモリ22には、作業計画データを作成するための作業計画策定支援プログラムが記憶されている。作業管理装置2のプロセッサ21は、作業計画策定支援プログラムに基づいて動作し、管理者が管理端末6に入力したデータから作業計画データを生成する。
【0029】
例えば、管理端末6から作業管理装置2にアクセスすることにより、管理端末6のモニタには、各種作業要素データの元になる作業内容および時間的制約条件等の各種入力を受け付ける作業計画策定画面が表示される。作業計画策定画面における入力態様は、例えばテキスト入力、表示された選択肢の中から選択する選択入力、テキストデータまたは画像データ等のデータをアップロードする仮想のアップロードボタン等を含み得る。
【0030】
例えば、作業計画および各作業項目の名称を記入するテキストボックスが作業計画策定画面に表示される。また、例えば、作業計画および各作業項目のタクトタイムを入力するプルダウン形式の時間選択欄が作業計画策定画面に表示される。また、例えば、各作業項目に対応する作業要領データをアップロードする仮想のアップロードボタンが作業計画策定画面において作業項目ごとに表示される。
【0031】
作業管理装置2のプロセッサ21は、入力された時間的制約条件データに基づいて複数の作業項目の作業順を決定してもよいし、実際の作業開始日時または作業終了日時を決定してもよい。作業順または実際の作業開始日時、作業終了日時は、管理端末6から直接入力されてもよい。
【0032】
プロセッサ21は、新たな作業計画を生成する際に、または、新たな作業計画を生成した結果、必要に応じて既存の作業計画を変更してもよい。例えば、新たな作業計画Bにおけるある作業項目B1において使用する設備が、その作業項目B1の作業開始日時において既存の作業計画Aにおける作業項目A1において使用中である場合、かつ、既存の作業計画Aにおける当該作業項目A1の作業開始日時または作業終了日時を変更することが可能である場合には、プロセッサ21は、既存の作業計画Aを変更してもよい。既存の作業計画を変更するか新たな作業計画において既存の作業計画と干渉しないような作業計画とするかは、作業計画またはそれに含まれる作業項目の優先度、変更許容度等に基づいて決定され得る。
【0033】
プロセッサ21は、入力内容に基づいて作業計画データを生成し、作業計画データをサーバ3の記憶器31に記憶させる。この際、一の作業計画における作業項目データ、作業順データ、作業要領データおよび時間的制約条件データは、作業計画番号等の作業計画を特定するデータに対応付けられる。なお、作業要領データは、複数の作業計画または複数の作業項目において重複または再利用され得る。作業計画データは、新たな作業計画が立ち上げられるたびまたは既存の作業計画が変更されるたびに生成される。生成された作業計画データが記憶器31に記憶されることにより、作業計画データベースの内容が更新される。サーバ3の記憶器31に記憶される複数の作業計画データが作業計画データベースを構成する。
【0034】
作業計画データには、各作業項目を実施する作業者の割り当てデータも含まれ得る。作業計画策定画面において管理端末6または作業者端末5からの入力に基づいて各作業項目に当該作業項目を実施する作業者が割り当てられる。この場合、作業計画データは、複数の作業項目のそれぞれに、割り当てられた作業者の識別記号が対応付けられる。
【0035】
[作業リスク評価]
安全支援装置1は、作業管理装置2で生成された作業計画データの更新に基づいて作業リスク評価を自動的に実行する。このために、安全支援装置1の処理回路10は、データ取得部101、評価部102および出力部103を含んでいる。データ取得部101および評価部102は、メモリ12に記憶されたプログラムに基づいてプロセッサ11が各種処理を行うことにより実現される。データ取得部101は、外部のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた作業内容に関する更新情報を取得する。評価部102は、作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、更新情報に基づく作業リスク評価を行う。出力部103は、作業リスク評価の結果を出力する。
【0036】
図2は、図1に示す安全支援システムにおける作業リスク評価の実行の流れを示すフローチャートである。作業管理装置2のプロセッサ21は、作業計画データベースにおけるデータ更新の有無を判定する(ステップS1)。データ更新は、新たな作業計画データの追加、および、既存の作業計画データの変更または削除を含む。データ更新がある場合、すなわち、ステップS1でYesの場合、プロセッサ21は、データ更新内容を抽出して更新情報を生成する(ステップS2)。更新情報は、作業計画データベースにおいて追加または変更された作業要素データを含む。
【0037】
作業管理装置2のプロセッサ21は、生成された更新情報を安全支援装置1に送信する(ステップS3)。安全支援装置1において、データ取得部101は、更新情報を受信することにより取得する(ステップS4)。評価部102は、リスクデータを使用して、取得した更新情報に基づく作業リスク評価を実行する(ステップS5)。すなわち、評価部102は、作業計画において変更が生じた作業内容を作業条件として作業リスク評価を行う。
【0038】
前述のように、サーバ3の記憶器31には、評価データベースが記憶されている。評価データベースは、過去に発生した事故、ニアミス事故、危険報告等のリスクの内容と、そのときの作業状況とを含むリスクデータを集約したデータベースである。例えば、リスクデータは、作業状況およびリスクの内容が記載された報告書等のテキストデータである。また、評価データベースは、リスクの内容とそれに対する予防措置とが対応付けられた安全対策データを含み得る。さらに、評価データベースは、点検またはパトロールの記録データを含んでもよい。
【0039】
また、評価データベースは、施設における作業フロア、通路、設備等の位置を示すマップデータを含み得る。評価データベースにおけるリスクの内容がマップデータに対応付けられていてもよい。さらに、評価データベースは、気象データ、安全目標データ、関連法規データ、工場内の非定常作業予定のデータ等を含み得る。
【0040】
作業項目が屋外で行われる場合等、気象条件によってリスク評価が変化し得る。安全目標データが用いられることで、リスクと判断されなかった事案についても安全目標への達成度に応じて、今後のリスクの指標とすることができる。また、関連法規のデータが用いられることで関連法規への抵触をリスクの1つとして評価することができる。
【0041】
施設においては、製品の製造作業等の施設における定常作業とは異なる非定常作業が行われる場合がある。例えば非定常作業は、施設の点検作業または保守作業等を含む。このような非定常作業予定のデータが評価データベースに含まれることにより、非定常作業と定常作業との干渉等のリスク評価を行うことができる。
【0042】
評価部102は、作業リスク評価を、作業条件のデータおよび過去に発生したリスクのデータに対する機械学習を用いた分析結果に基づいて決定する。例えば、評価部102は、作業要素データがテキストデータを含む場合には、テキストマイニング、文章スペクトル解析等を用い、評価データベースに含まれる作業状況、すなわち、リスクが生じたときの作業状況の中から更新情報に含まれる作業状況と同じまたは類似した作業状況を探索する。
【0043】
また、例えば、評価部102は、作業要素データが画像データを含む場合には、画像認識等を行い、評価データベースに含まれる作業状況、すなわち、リスクが生じたときの作業状況の中から更新情報に含まれる作業状況と同じまたは類似した作業状況を探索する。作業状況を示す用語または画像を認識するために、例えばディープラーニング等の機械学習が事前に実施され得る。機械学習に基づく分析により、蓄積されたデータベースを有効活用することができ、複合的な作業リスク評価をユーザに簡単に提供することができる。さらに、作業条件のデータ、過去に発生したリスクのデータ、または新たに発生したリスクのデータのいずれかの組み合わせに基づき、作業リスクを再学習させることで、より精度の高い作業リスク評価を提供することもできる。
【0044】
評価部102は、作業リスク評価において、更新情報に含まれる作業状況として例えば作業項目における作業要領の内容、作業順、作業位置、作業量、使用設備、材料等が同じまたは類似する作業状況を、評価データベースから抽出する。作業リスク評価は、作業項目ごとに行われてもよいし、1つの作業項目において複数の設備を使用する場合には設備ごとに行われてもよい。また、評価部102は、更新情報に含まれる作業状況として当該作業項目に割り当てられた作業者のデータに基づいて作業リスク評価を行ってもよい。
【0045】
例えば、ある作業項目の作業の開始前に急遽作業者の変更が必要になった場合、作業管理装置2に、変更後の作業者が所有する作業者端末5または管理端末6から作業者の変更による作業計画の変更操作が行われる。作業管理装置2のプロセッサ21は、作業者の変更内容を更新情報として安全支援装置1に送信する。データ取得部101は、作業者データベースから作業者の変更による作業者の能力の変化を抽出する。例えば、当該作業に従事した期間がしきい値期間より短くなった等のデータが抽出される。評価部102は、作業者の能力の変化により発生するリスクまたはリスクの変化についての評価を行う。これにより、作業者の割り当て変更時に、作業者の能力の変更によるリスクへの影響について評価することができる。
【0046】
評価部102は、作業リスク評価としてリスクの程度を評価値として表してもよい。例えば、リスク評価値は、リスクの重篤度およびリスクの発生可能性の度合を掛け合わせた値に定義され得る。リスクの重篤度は、リスクが発生した場合に、作業者が負傷または疾病を生じる人数やその程度、あるいは、リスクが発生した場合に施設の休業を伴うかどうか、または、休業の日数等に基づいて定められる。リスクの発生可能性は、リスクが発生する頻度、時間、回避の困難性等に基づいて定められる。
【0047】
評価部102は、評価データベースにおいて、更新情報に含まれる作業状況と同じまたは類似した作業状況において発生したリスクを解析し、リスクの重篤度およびリスクの発生可能性を数値化する。例えば、リスクの重篤度およびリスクの発生可能性は、何れも、大きいほど重大リスクであることを示す数値で表される。そのため、これらが掛け合わせられたリスク評価値は、数値が大きいほどリスクが大きく、早急に対処すべきであることを示す指標となる。
【0048】
評価部102は、更新情報に含まれる作業状況において生じる可能性のあるリスクに対する予防措置を評価データベースから取得する。例えば、評価部102は、更新情報に含まれる作業状況と同じまたは類似した作業状況において発生したリスクに対する対応措置を検索する。あるいは、評価部102は、別途安全対策データから当該リスクを検索し、当該リスクに対する予防措置を抽出してもよい。
【0049】
出力部103は、作業リスク評価の結果を出力する(ステップS6)。結果の出力は、例えば、作業計画生成のための入力を行った管理端末6または作業者端末5、当該作業項目に割り当てられた作業者の作業者端末5等のモニタにリスク評価画面を表示することで行われる。この際、例えば、リスク評価画面にアクセスするためのハイパーリンクを含む電子メールが対応する端末に送信されてもよい。あるいは、安全支援装置1または作業管理装置2に接続されたモニタ、プリンタ等の出力器に出力されてもよい。
【0050】
図3は、本実施の形態におけるリスク評価画面の一例を示す図である。リスク評価画面D1には、作業リスク評価の対象となった作業計画に含まれる複数の作業項目が示される。また、リスク評価画面D1には、各作業項目で使用される設備が示され、当該設備の使用時のリスク評価値が示される。リスク評価値表示欄C1は、リスク評価値を示すとともに、リスク評価値の内訳などのより詳しい内容を示す評価内容表示画面D1aへアクセスするためのハイパーリンクとしても機能する。
【0051】
さらに、リスク評価画面D1には、予防措置の内容を示す予防措置欄C2が設けられる。図3の例において予防措置欄C2には、予防措置を表示する予防措置表示画面D1bへアクセスするためのハイパーリンクが表示される。予防措置のハイパーリンクは、リスク評価値が所定値以上の作業項目、使用設備において表示される。なお、作業項目欄に、作業要領等の作業項目の内容を示す作業内容表示画面へアクセスするためのハイパーリンクが表示されてもよい。
【0052】
図4は、本実施の形態における評価内容表示画面の一例を示す図である。本実施の形態では、リスク評価画面D1におけるリスク評価値表示欄C1の何れかが選択操作されることにより、当該リスク評価値に対応するリスク評価のより詳しい内容を示す評価内容表示画面D1aが表示される。図4の例において、評価内容表示画面D1aは、具体的なリスクの内容を表示するリスク内容表示欄D11およびリスク評価値の内訳を示す内訳表示欄D12を含む。
【0053】
リスク内容表示欄D11には、例えば、過去に発生したリスクの内容または発生する可能性の高いリスクの内容が表示される。内訳表示欄D12には、例えば、上述した作業リスク評価で用いた重篤性および可能性についての各数値と、それらの合計として得られる評価値と、評価値に基づく対策優先度とが表示される。対策優先度は、例えば、I,II,III,IV,Vの5段階で示され、Vが最も優先度が高くIが最も優先度が低いことを示す。
【0054】
なお、リスクの内容が複数存在する場合には、複数のリスク内容表示欄D11と、それに応じた内訳表示欄D12が表示され得る。また、評価内容表示画面D1aに、リスク内容に応じた予防措置の内容が表示されてもよい。評価部102は、当該予防措置が取られた場合のリスク評価値を算出してもよい。この場合、出力部103は、評価内容表示画面D1aに当該予防措置が取られた場合のリスク評価値を表示してもよい。
【0055】
図5は、本実施の形態における予防措置表示画面の一例を示す図である。本実施の形態では、リスク評価画面D1における予防措置表示欄C2の何れかが選択操作されることにより、発生し得るリスクの内容および当該リスクに対する予防措置の内容を示す予防措置表示画面D1bが表示される。
【0056】
予防措置表示画面D1bには、例えば、過去に発生したリスクの内容または発生する可能性の高いリスクの内容が表示される。さらに、予防措置表示画面D1bには、リスクの内容に対する予防措置の内容が表示される。図5の例では、リスク評価画面D1における1つのハイパーリンクに対して1つのリスク内容および1つの予防措置が表示される。これに代えて、1つのハイパーリンクに対して複数のリスク内容が表示され、複数のリスク内容のそれぞれに対応する予防措置が表示されてもよい。また、1つのリスク内容に対して複数の予防措置が表示されてもよい。また、リスク評価画面D1において、1つの予防措置表示欄に複数のリスク内容に対応する複数のハイパーリンクが表示されてもよい。
【0057】
評価部102は、予防措置表示画面D1bに表示された予防措置が取られた場合のリスク評価値を算出してもよい。この場合、出力部103は、当該予防措置表示画面D1bに当該予防措置が取られた場合のリスク評価値を表示してもよい。
【0058】
また、出力部103は、作業リスク評価の結果に基づいて、施設のマップ上にリスクが発生し得る位置を表示してもよい。図6は、本実施の形態における施設マップ上のリスク表示の一例を示す図である。図6に示すリスクマップ表示画面D4は、マップ表示部D4aとリスク表示部D4bとを含む。マップ表示部D4aには、施設内のマップが表示される。作業リスク評価によってリスクが生じる可能性があるマップ上の箇所にリスクマークM1,M2,M3が付けられる。リスクマークM1,M2,M3は、対応する評価値に応じて異なる態様で表示されてもよい。例えば、リスクマークM1,M2,M3は、対応する評価値または優先度等に応じて異なる色で表示される。
【0059】
また、マップ表示部D4aにおいて、リスクマークM1,M2,M3の何れかが選択操作可能に構成される。選択されたリスクマークM1に対応するリスクの内容がリスク表示部D4bに表示される。さらに、リスク表示部D4bに予防措置が表示されてもよい。
【0060】
以上に説明したように、本実施の形態における安全支援装置1によれば、変更が生じた作業内容に関する更新情報に基づいてリスクデータを使用した作業リスク評価が行われる。このため、ユーザが改めて従前の作業計画から変更された箇所を抽出する必要がなくなる。従来のように作業リスク評価を行いたい作業内容を作業条件として安全支援装置に直接入力する態様では、作業計画の追加、変更が頻繁に行われる場合、すなわち、頻繁に作業内容または作業工程等が変化する場合には、そのたびに、作業計画の変更箇所の洗い出し、および作業条件の入力を行う必要があり、手間である。また、作業リスク評価を行うべき変更箇所に漏れがないかを確認しなければならず時間がかかる。
【0061】
また、新たな作業計画の追加または既存の作業計画における作業内容の部分的な変更により、管理者または作業者が予期していない複数の作業項目間の干渉等も生じ得る。例えば、製品の細かな仕様変更により、仕様変更後の製品の製造作業において、ある作業項目が追加または削除されたり、作業順が変更されたりする。
【0062】
例えば作業項目が削除されることにより、削除された作業項目の次の作業順における作業項目の開始時間が早くなると、仕様変更前には生じていなかった他の作業項目との干渉が生じる可能性がある。同様に、作業順が変更になることによっても、各作業項目の開始時間が変更されることにより、他の作業項目との干渉が生じる可能性がある。このような、管理者または作業者が予期し難い作業内容の変更について、従来のような作業リスク評価の態様では、作業リスク評価が行われない恐れがある。
【0063】
これに対して、本実施の形態によれば、更新情報が自動的に抽出されるため、作業内容の変更に応じたリスク評価を漏れなく簡単に行うことができる。
【0064】
[他の実施の形態]
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0065】
例えば、上記実施の形態において、作業管理装置2がデータ更新の有無の判定および更新情報の生成を行う態様を例示したが、これに限られない。例えば、データ取得部101が作業計画データベースにおけるデータ更新の有無を判定してもよい。この場合、データ取得部101が、作業管理装置2に対してデータ更新の有無を問い合わせる通信を行い、データ更新がある場合に、データ更新内容を抽出して更新情報を生成する。これにより、既存の作業管理装置を用いて安全支援システム100を構築するために、既存の作業装置における処理回路の変更量を低減させることができる。したがって、既存の作業管理装置を用いて容易に安全支援システム100を実現することができる。
【0066】
また、上記実施の形態において、安全支援装置1と作業管理装置2とが別の装置として構成される安全支援システム100を例示したが、安全支援装置1と作業管理装置2とが1つの装置として構成されてもよい。図7は、図1に示す実施の形態の変形例に係る安全支援システムの概略構成を示すブロック図である。本変形例において図1に示す安全支援システム100と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。本変形例において、安全支援装置1Bは、図1に示す実施の形態における安全支援装置1の機能および作業管理装置2の機能を有する。すなわち、安全支援装置1Bの処理回路10は、データ取得部101、評価部102、出力部103およびデータ更新部104を含んでいる。
【0067】
この場合、データ更新部104は、ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成し、生成された作業計画データを記憶器31に記憶することにより、作業計画データベースの内容を更新する。安全支援装置1Bの処理回路10において作業計画データを生成することにより、1つの装置で作業計画の生成および作業リスク評価の双方を行うことができる。
【0068】
また、上記実施の形態において、各種データベースがサーバ3の記憶器31に記憶される態様を例示したが、これに限られない。例えば、作業計画データベースは、作業管理装置2のメモリ22に記憶されてもよい。また、評価データベースは、安全支援装置1,1Bのメモリ12に記憶されてもよい。また、安全支援システム100外のサーバ等に記憶されているデータベースを用いて作業リスク評価等が実行されてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態においては、評価部102が更新情報に基づく作業リスク評価を行う態様を例示した。すなわち、上記実施の形態において、評価部102は、作業計画において変更が生じた作業内容および当該変更が生じた作業内容に影響を及ぼすと推測される他の作業内容についての部分的な作業リスク評価を行う。これに代えて、評価部102は、作業計画の一部が変更された場合に、変更後の作業計画全体の作業リスク評価を行ってもよい。すなわち、データ取得部101が、作業計画において変更が生じた場合に、変更後の作業計画のデータを取得し、評価部102が、リスクデータを使用して、変更後の作業計画に基づく作業リスク評価を行ってもよい。
【0070】
[本開示のまとめ]
[項目1]
本開示の一態様に係る安全支援装置は、作業条件に基づいて作業リスク評価を行う安全支援装置であって、外部のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた作業内容に関する更新情報を取得するデータ取得部と、作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、前記更新情報に基づく作業リスク評価を行う評価部と、前記作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える。
【0071】
上記構成によれば、変更が生じた作業内容に関する更新情報に基づいてリスクデータを使用した作業リスク評価が行われる。このため、ユーザが改めて従前の作業計画から変更された箇所を抽出する必要がなくなる。したがって、作業内容の変更に応じたリスク評価を漏れなく簡単に行うことができる。
【0072】
[項目2]
項目1の安全支援装置において、前記データ取得部は、前記データベースにおけるデータ更新の有無を判定し、データ更新がある場合に、データ更新内容を抽出して前記更新情報を生成してもよい。これにより、既存の作業管理装置における処理回路の変更量を低減させることができる。したがって、既存の作業管理装置を用いて容易に安全支援装置を実現することができる。
【0073】
[項目3]
項目1または2の安全支援装置において、前記作業計画は、複数の作業項目にそれぞれ設定される、作業順、作業要領、使用設備、または、時間的制約条件に関する作業要素データを含み、前記更新情報は、前記データベースにおいて追加または変更された前記作業要素データを含んでもよい。
【0074】
[項目4]
項目1から3の何れかの安全支援装置において、前記作業計画は、複数の作業項目に割り当てられる作業者のデータを含み、前記更新情報は、作業項目に割り当てられる作業者の変更情報を含んでもよい。これにより、作業者の割り当て変更時に、作業者の能力の変更によるリスクへの影響について評価することができる。
【0075】
[項目5]
項目1から4の何れかの安全支援装置において、前記評価部は、前記作業リスク評価を、前記作業条件のデータおよび過去に発生したリスクのデータに対する機械学習を用いた分析結果に基づいて決定してもよい。機械学習に基づく分析により複合的な作業リスク評価をユーザに簡単に提供することができる。
【0076】
[項目6]
項目1から5の何れかの安全支援装置は、ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成し、生成された前記作業計画データを記憶器に記憶することにより、前記データベースの内容を更新するデータ更新部を備えてもよい。安全支援装置の処理回路において作業計画データを生成することにより、1つの装置で作業計画の生成および作業リスク評価の双方を行うことができる。
【0077】
[項目7]
本開示の他の態様に係る安全支援装置は、作業条件に基づいて作業リスク評価を行う安全支援装置であって、外部のデータベースに記憶される複数の作業項目を含む作業計画において、変更が生じた場合に変更後の作業計画のデータを取得するデータ取得部と、作業に対する安全リスクの指標となるリスクデータを使用して、前記変更後の作業計画に基づく作業リスク評価を行う評価部と、前記作業リスク評価の結果を出力する出力部と、を備える。
【0078】
[項目8]
本開示の他の態様に係る安全支援システムは、項目1の安全支援装置と、ユーザからの新たな作業内容および時間的制約条件の入力に基づいて、作業計画データを生成する作業管理装置と、前記作業計画データを記憶する記憶器と、を含み、前記安全支援装置、前記作業管理装置および前記記憶器がネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0079】
[項目9]
項目8の安全支援システムにおいて、前記作業管理装置は、前記記憶器におけるデータ更新の有無を判定し、データ更新がある場合に、データ更新内容を抽出して前記更新情報を生成し、前記更新情報を前記安全支援装置に送信してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 安全支援装置
2 作業管理装置
4 ネットワーク
31 記憶器
100 安全支援システム
101 データ取得部
102 評価部
103 出力部
104 データ更新部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7