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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081310
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】手提げ袋およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20240611BHJP
   A45C 3/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A45C3/00 U
A45C3/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194833
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】522475247
【氏名又は名称】ふじみや株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 義和
(72)【発明者】
【氏名】新井 典子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045CE02
3B045EA02
3B045FA01
3B045FC08
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045HA01
3B045IA01
3B045IA05
3B045IA06
(57)【要約】
【課題】所望の形状の収容部を形成することができ、しかも、見栄えを良くすることができるようにした手提げ袋を提供する。
【解決手段】長尺シート4を長手方向中央で折り曲げて形成したループ状の手提げ部2と、長尺シート4の両端側を袋状に連結して収容部3を形成する連結部5とを具備し、この連結部5は、収容部3の内側に設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺シートを長手方向中央で折り曲げて形成したループ状の手提げ部と、
前記長尺シートの両端側を袋状に連結して収容部を形成する連結部と、
を具備し、
前記連結部は、前記収容部の内側に設けた、
ことを特徴とする手提げ袋。
【請求項2】
前記収容部は、有底角筒状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の手提げ袋。
【請求項3】
長尺シートを長手方向中央で折り曲げて重ね合せることにより折曲端と重合端とを形成する第1工程と、
該第1工程により折り曲げられた前記長尺シートの幅方向両側を前記折曲端から離間した部位から前記重合端に向けて長手方向に沿って連結することにより一対の長手方向連結部を形成する第2工程と、
該第2工程により前記長手方向連結部が形成された前記長尺シートの幅方向両側を前記長手方向連結部に沿って折り曲げる第3工程と、
該第3工程により折り曲げられた前記長尺シートの前記重合端の側を幅方向に沿って連結することにより幅方向連結部を形成する第4工程と、
該第4工程により前記幅方向連結部が形成された前記長尺シートを裏返すことにより前記折曲端の側にループ状の手提げ部を形成するとともに前記重合端の側に袋状の収容部を形成する第5工程と、
を具備したことを特徴とする手提げ袋の製造方法。
【請求項4】
前記第4工程と前記第5工程との間に、前記幅方向連結部の両端を前記幅方向連結部の中央部に連結して中央連結部を形成する第6工程を備えたことを特徴とする請求項3に記載の手提げ袋の製造方法。
【請求項5】
前記第4工程と前記第6工程との間に、前記長尺シートを前記幅方向連結部の両端部と中央部との中間部分から前記幅方向連結部と直交する方向に沿って連結し角底連結部を形成することにより前記収容部に角底状の底部を形成する第7工程を備えたことを特徴とする請求項4に記載の手提げ袋の製造方法。
【請求項6】
表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートによって形成した表側と、裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートによって形成した裏側とに、リバーシブル可能な手提げ袋であって、
前記表側第1長尺シートの中央側および前記裏側第1長尺シートの中央側で形成したループ状の第1手提げ部と、
前記表側第2長尺シートの中央側および前記裏側第2長尺シートの中央側で形成したループ状の第2手提げ部と、
前記表側第1長尺シートの両端側および前記表側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した表側収容部と、
前記裏側第1長尺シートの両端側および前記裏側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した裏側収容部と、
を具備したことを特徴とする手提げ袋。
【請求項7】
前記表側収容部および前記裏側収容部は、有底角筒状に形成したことを特徴とする請求項6に記載の手提げ袋。
【請求項8】
表側と裏側とにリバーシブル可能な手提げ袋の製造方法であって、
表側となる表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートならびに裏側となる裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートを準備する第1工程と、
前記表側第1長尺シートの表面と前記裏側第1長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第1手提げ部を形成する第2工程と、
前記表側第2長尺シートの表面と前記裏側第2長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第2手提げ部を形成する第3工程と、
前記表側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および前記表側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状に連結するとともに前記裏側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および前記裏側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状にかつ一部に非連結部が形成されるように連結する第4工程と、
前記非連結部を介して裏返すことにより表側収容部および裏側収容部を形成する第5工程と、
を具備したことを特徴とする手提げ袋の製造方法。
【請求項9】
前記第4工程は、有底角筒状に形成する工程を備えることを特徴とする請求項8に記載の手提げ袋の製造方法。
【請求項10】
前記第5工程は、裏返し後に前記非連結部を連結して閉塞する工程を備えることを特徴とする請求項8に記載の手提げ袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば手ぬぐいなどの長尺シートから製造する手提げ袋およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の手提げ袋としては、従来、次のようなものも提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、手ぬぐいを二つに折り畳み、両側面下部を縫い合わせて袋状にし、側面上部の左右端を折ることなく縫いあわせた手ぬぐいエコバッグが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3234602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このエコバッグは、手ぬぐいの中央部を折返し両側を連結して収容部を形成し、手ぬぐいの両端部を連結して手提げ部を形成するため、収容部の形状は手ぬぐいの中央部を折り返しただけの湾曲した形状しかできず、所望の形状の収容部を作り難い。
【0006】
しかも、このエコバッグは、縫い目が表面側に露出しているので見栄えが悪い。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、所望の形状の収容部を形成することができ、しかも、見栄えを良くすることができるようにした手提げ袋およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る手提げ袋は、長尺シートを長手方向中央で折り曲げて形成したループ状の手提げ部と、長尺シートの両端側を袋状に連結して収容部を形成する連結部とを具備し、この連結部は、収容部の内側に設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る手提げ袋の製造方法は、長尺シートを長手方向中央で折り曲げて重ね合せることにより折曲端と重合端とを形成する第1工程と、この第1工程により折り曲げられた長尺シートの幅方向両側を折曲端から離間した部位から重合端に向けて長手方向に沿って連結することにより一対の長手方向連結部を形成する第2工程と、この第2工程により長手方向連結部が形成された長尺シートの幅方向両側を長手方向連結部に沿って折り曲げる第3工程と、この第3工程により折り曲げられた長尺シートの重合端の側を幅方向に沿って連結することにより幅方向連結部を形成する第4工程と、この第4工程により幅方向連結部が形成された長尺シートを裏返すことにより折曲端の側にループ状の手提げ部を形成するとともに重合端の側に袋状の収容部を形成する第5工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明に係る他の手提げ袋は、表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートによって形成した表側と、裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートによって形成した裏側とに、リバーシブル可能な手提げ袋であって、表側第1長尺シートの中央側および裏側第1長尺シートの中央側で形成したループ状の第1手提げ部と、表側第2長尺シートの中央側および裏側第2長尺シートの中央側で形成したループ状の第2手提げ部と、表側第1長尺シートの両端側および表側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した表側収容部と、裏側第1長尺シートの両端側および裏側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した裏側収容部とを具備したことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明に係る他の手提げ袋の製造方法は、表側と裏側とにリバーシブル可能な手提げ袋の製造方法であって、表側となる表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートならびに裏側となる裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートを準備する第1工程と、表側第1長尺シートの表面と裏側第1長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第1手提げ部を形成する第2工程と、表側第2長尺シートの表面と裏側第2長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第2手提げ部を形成する第3工程と、表側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および表側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状に連結するとともに裏側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および裏側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状にかつ一部に非連結部が形成されるように連結する第4工程と、非連結部を介して裏返すことにより表側収容部および裏側収容部を形成する第5工程とを具備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所望の形状の収容部を形成することができ、しかも、見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の第1実施形態に係る手提げ袋を示す斜視図。
図2】同手提げ袋の畳んだ状態を示す斜視図。
図3】同手提げ袋の製造方法を説明するための平面図。
図4】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図5】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図6】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図7】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図8】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図9】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図10】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図11】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図12】本発明の第2実施形態に係る手提げ袋を示す斜視図。
図13】同手提げ袋の畳んだ状態を示す斜視図。
図14】同手提げ袋の製造方法を説明するための平面図。
図15】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図16】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図17】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図18】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図19】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図20】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図21】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図22】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図23】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図24】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図25】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図26】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
図27】同手提げ袋の製造方法を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1中、符号1は、本発明の第1実施形態に係る手提げ袋を示している。
【0016】
この手提げ袋1は、ループ状の手提げ部2と、この手提げ部2に連接する収容部3を有し、これら手提げ部2および収容部3は、1枚のたとえば手ぬぐいなどの織布製の長尺シート4で形成されている。
【0017】
すなわち、手提げ部2は、長尺シート4を長手方向中央で二つに折り曲げてループ状に形成されている。
【0018】
また、収容部3は、長尺シート4の両端側を縫合(連結)することによって袋状に形成されている。
【0019】
すなわち、長尺シート4の一端側の表面と他端側の表面とが向かい合わせで重ね合わされて縫合されている。
【0020】
したがって、この縫合により形成された縫合部(連結部)5は、収容部3の内側に設けられている。
【0021】
また、収容部3は、縫合部5によってたとえば正方形の底部6を有する有底角筒状に形成されている。
【0022】
なお、縫合部5は、後述するが、長手方向縫合部(長手方向連結部)14、幅方向縫合部(幅方向連結部)15、角底縫合部(角底連結部)17、および中央縫合部(中央連結部)18で構成されている。
【0023】
そして、手提げ部2の外周面、収容部3の対向する二表面、および底部6の表面は、長尺シート4の幅方向中央部分で形成され、手提げ部2の内周面よび収容部3の他の対向する二表面は、長尺シート4の幅方向両側部分で形成されている。
【0024】
また、図2は、図1の仮想線で谷折りした状態を示している。
【0025】
次に、この手提げ袋1の製造方法について説明する。
【0026】
先ず、図3に示すように、長尺シート4を長手方向中央(仮想線で示す。)を矢印で示すように折り曲げて重ね合わせることにより、図4に示すように、折曲端12と重合端13を形成する。
【0027】
次いで、長尺シート4の幅方向両側を折曲端12から離間した部位から重合端13に向けて長手方向に沿って縫合することにより一対の長手方向縫合部(長手方向連結部)14を形成する。
【0028】
次いで、長手方向縫合部14が形成された長尺シート4の幅方向両側を、図4に矢印で示すように、長手方向縫合部14に沿って折り返す。
【0029】
次いで、図5に示すように、長尺シート4の重合端13側を幅方向に沿って縫合することにより幅方向縫合部(幅方向連結部)15を形成する。
【0030】
次いで、図6に示すように、幅方向縫合部15の近傍を幅方向縫合部15に沿って矢印方向に折り込み、図7に示すように、長尺シート4を幅方向縫合部15の両端部と中央部との中間部分から幅方向縫合部15と直交する方向に沿って縫合し角底縫合部(角底連結部)17を形成することにより収容部3の底部6を角底状に形成する。
【0031】
次いで、幅方向縫合部15の両端を折り曲げ、図8に示すように、幅方向縫合部15の中央部に縫合し、中央縫合部(中央連結部)18を形成する。
【0032】
次いで、図9に示すように、長尺シート4を裏返すことにより、図10に示すように、折曲端12側にループ状の手提げ部2を形成するとともに重合端13側に袋状の収容部3を形成する。
【0033】
さらに、手提げ部2は、図11に矢印で示すように、内側に折り込み、これにより、図1に示す手提げ袋1を製造することができる。
【0034】
以上の構成によれば、長尺シート4の両端側で収容部3を形成するようにしたので、たとえば有底角筒状などの所望の形状の収容部3を形成することができる。
【0035】
しかも、縫合部5を収容部3の内側に設けたので、見栄えを良くすることができる。
【0036】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0037】
図12および図13中、符号31は、本発明の第2実施形態に係る手提げ袋を示している。
【0038】
この手提げ袋31は、リバーシブル可能であって、表側が表側第1長尺シートAおよび表側第2長尺シートBによって形成され、裏側が裏側第1長尺シートCおよび裏側第2長尺シートDによって形成されている。
【0039】
そして、これら表側第1長尺シートA、表側第2長尺シートB、裏側第1長尺シートC、および裏側第2長尺シートDは、たとえば手ぬぐいなどの織布で形成されている。
【0040】
また、この手提げ袋31は、一対のループ状の第1手提げ部32および第2手提げ部33と、これら第1手提げ部32および第2手提げ部33に連接する収容部34を有している。
【0041】
第1手提げ部32は、表側第1長尺シートAの中央側および裏側第1長尺シートCの中央側を縫合(連結)して形成されている。
【0042】
また、第2手提げ部33は、表側第2長尺シートBの中央側および裏側第2長尺シートDの中央側を縫合して形成されている。
【0043】
さらに、収容部34は、表側収容部35と裏側収容部36を有している。
【0044】
表側収容部35は、表側第1長尺シートAの両端側および表側第2長尺シートBの両端側とを縫合して形成されている。
【0045】
また、裏側収容部36は、裏側第1長尺シートCの両端側および裏側第2長尺シートDの両端側とを縫合して形成されている。
【0046】
さらに、表側収容部35および裏側収容部36は、有底角筒状に形成されている。
【0047】
なお、図2は、図1の仮想線で谷折りした状態を示している。
【0048】
次に、この手提げ袋31の製造方法について説明する。
【0049】
先ず、図14に示すように、表側となる表側第1長尺シートAおよび表側第2長尺シートBならびに裏側となる裏側第1長尺シートCおよび裏側第2長尺シートDを準備する。
【0050】
次いで、表側第1長尺シートAの表面と裏側第1長尺シートCの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、図15に示すように、長手方向中央部分(長手方向2分の1程度)かつ幅方向両端側を長手方向に沿って縫合することにより一対の第1長手方向中央縫合部(第1長手方向中央連結部)41を形成し、これにより長手方向中央部分を筒状に形成する。
【0051】
同様に、表側第2長尺シートBの表面と裏側第2長尺シートDの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分(長手方向2分の1程度)かつ幅方向両端側を長手方向に沿って縫合することにより一対の第2長手方向中央縫合部(第2長手方向中央連結部)42を形成し、これにより長手方向中央部分を筒状に形成する。
【0052】
次いで、図16に示すように、それぞれ筒状部分を裏返して第1手提げ部32および第2手提げ部33を形成する。
【0053】
次いで、表側第1長尺シートAの長手方向両端側の表面および表側第2長尺シートBの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状に縫合するとともに裏側第1長尺シートCの長手方向両端側の表面および裏側第2長尺シートDの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状に縫合する。
【0054】
すなわち、先ず、図17に示すように、表側第1長尺シートAの長手方向両端側かつ幅方向一端側の表面および表側第2長尺シートBの長手方向両端側かつ幅方向一端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第1長手方向両端縫合部(第1長手方向両端連結部)43を形成するとともに裏側第1長尺シートCの長手方向両端側かつ幅方向一端側の表面および裏側第2長尺シートDの長手方向両端側かつ幅方向一端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第2長手方向両端縫合部(第2長手方向両端連結部)44を形成し、長手方向中央(一点鎖線で示す。)で矢印で示すように二つ折りにして重ねる。
【0055】
次いで、図18に矢印で示すように、裏側第1長尺シートCおよび裏側第2長尺シートDを裏返して、図19の状態にする。
【0056】
次いで、図20に示すように、表側第1長尺シートAの長手方向両端側かつ幅方向他端側の表面および表側第2長尺シートBの長手方向両端側かつ幅方向他端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第3長手方向両端縫合部(第3長手方向両端連結部)45を形成するとともに裏側第1長尺シートCの長手方向両端側かつ幅方向他端側の表面および裏側第2長尺シートDの長手方向両端側かつ幅方向他端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第4長手方向両端縫合部(第4長手方向両端連結部)46を形成する。
【0057】
また、第4長手方向両端縫合部46の一部には非縫合部(非連結部)47を形成する。
【0058】
次いで、表側第1長尺シートAの長手方向両端側の表面および表側第2長尺シートBの長手方向両端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第1幅方向縫合部(第1幅方向連結部)48を形成するとともに裏側第1長尺シートCの長手方向両端側の表面および裏側第2長尺シートDの長手方向両端側の表面を向かい合わせで重ね合わせて縫合することにより第2幅方向縫合部(第2幅方向連結部)49を形成する。
【0059】
この状態では、表側第1長尺シートA、表側第2長尺シートB、裏側第1長尺シートC、および裏側第2長尺シートDは、表面が内側となる袋状になっている。
【0060】
次いで、図21に示すように、表側第1長尺シートAを第1幅方向縫合部48の近傍を第1幅方向縫合部48に沿って折り込み、表側第1長尺シートAを第1幅方向縫合部48の両端部と中央部との中間部分から第1幅方向縫合部48と直交する方向に沿って縫合し第1角底縫合部(第1角底連結部)50を形成する。
【0061】
同様に、表側第2長尺シートBを第1幅方向縫合部48の近傍を第1幅方向縫合部48に沿って折り込み、表側第2長尺シートBを第1幅方向縫合部48の両端部と中央部との中間部分から第1幅方向縫合部48と直交する方向に沿って縫合し第2角底縫合部(第2角底連結部)51を形成する。
【0062】
これにより、表側収容部35の底部52を角底状に形成する。
【0063】
次いで、第1幅方向縫合部48の両端を第1角底縫合部50および第2角底縫合部51に沿って折り曲げ、図22に示すように、第3長手方向両端縫合部45にそれぞれ縫合し、一対の第1側面縫合部(第1側面連結部)53を形成する。
【0064】
次いで、図23に示すように、裏側第1長尺シートCを第1幅方向縫合部48の近傍を第2幅方向縫合部49に沿って折り込み、裏側第1長尺シートCを第2幅方向縫合部49の両端部と中央部との中間部分から第2幅方向縫合部49と直交する方向に沿って縫合し第3角底縫合部(第3角底連結部)54を形成する。
【0065】
同様に、裏側第2長尺シートDを第2幅方向縫合部49の近傍を第2幅方向縫合部49に沿って折り込み、裏側第2長尺シートDを第2幅方向縫合部49の両端部と中央部との中間部分から第2幅方向縫合部49と直交する方向に沿って縫合し第4角底縫合部(第4角底連結部)55を形成する。
【0066】
これにより、裏側収容部36の底部56を角底状に形成する。
【0067】
次いで、第2幅方向縫合部49の両端を第3角底縫合部54および第4角底縫合部55に沿って折り曲げ、図24に示すように、第4長手方向両端縫合部46にそれぞれ縫合し、一対の第2側面縫合部(第2側面連結部)57を形成する。
【0068】
次いで、図25に示すように、非縫合部47を介して、表側第1長尺シートA、表側第2長尺シートB、裏側第1長尺シートC、および裏側第2長尺シートDを裏返すことにより、図26に示すように、表側第1長尺シートAの表面、表側第2長尺シートBの表面、裏側第1長尺シートCの表面、および裏側第2長尺シートDの表面が表側になる。
【0069】
すなわち、表側収容部35と裏側収容部36は、表面が表側になる。
【0070】
次いで、非縫合部47を表側から縫合部分が極力見えないように縫合し閉塞する。
【0071】
次いで、図27に示すように、裏側収容部36を裏返しながら表側収容部35内に納める。
【0072】
このとき、第1長手方向中央縫合部41、第2長手方向中央縫合部42、第1長手方向両端縫合部43、第2長手方向両端縫合部44、第3長手方向両端縫合部45、第4長手方向両端縫合部46、第1幅方向縫合部48、第2幅方向縫合部49、第1角底縫合部50、第2角底縫合部51、第1側面縫合部53、第3角底縫合部54、第4角底縫合部55、および第2側面縫合部57は、表側収容部35と裏側収容部36との間に位置することになり、手提げ袋1の外観に現れない。
【0073】
以上の構成によれば、表側第1長尺シートA、表側第2長尺シートB、裏側第1長尺シートC、および裏側第2長尺シートDの両端側で収容部34(表側収容部35および裏側収容部36)を形成するようにしたので、たとえば有底角筒状などの所望の形状の収容部34を形成することができる。
【0074】
しかも、第1長手方向中央縫合部41、第2長手方向中央縫合部42、第1長手方向両端縫合部43、第2長手方向両端縫合部44、第3長手方向両端縫合部45、第4長手方向両端縫合部46、第1幅方向縫合部48、第2幅方向縫合部49、第1角底縫合部50、第2角底縫合部51、第1側面縫合部53、第3角底縫合部54、第4角底縫合部55、および第2側面縫合部57は、表側収容部35と裏側収容部36との間になるように設け、手提げ袋31の外観に現れないように構成したので、見栄えを良くすることができる。
【0075】
なお、上記第1および第2実施形態において、長尺シート4、A、B、C、Dは、織布を用いたが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえば不織布や網状体などでも良く、要するに長尺のシート状であればよい。
【0076】
また、これらの連結は、縫合でなく、たとえば接着などでもよく、素材によっては溶着でも良い。
【0077】
さらに、非縫合部(非連結部)47は、上記第2実施形態では、縫合して閉塞するようにしたが、本発明はこれに限定されることは無く、開放状態のまま使用しても良い。
【0078】
すなわち、表側収容部35と裏側収容部36とが重なった状態で使用することになるので、非縫合部(非連結部)47が開放状態でも使用に支障はない。
【0079】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0080】
本発明に係る手提げ袋は、長尺シートを長手方向中央で折り曲げて形成したループ状の手提げ部と、長尺シートの両端側を袋状に連結して収容部を形成する連結部とを具備し、この連結部は、収容部の内側に設けたことを特徴とするものである。
【0081】
また、本発明に係る手提げ袋の製造方法は、長尺シートを長手方向中央で折り曲げて重ね合せることにより折曲端と重合端とを形成する第1工程と、この第1工程により折り曲げられた長尺シートの幅方向両側を折曲端から離間した部位から重合端に向けて長手方向に沿って連結することにより一対の長手方向連結部を形成する第2工程と、この第2工程により長手方向連結部が形成された長尺シートの幅方向両側を長手方向連結部に沿って折り曲げる第3工程と、この第3工程により折り曲げられた長尺シートの重合端の側を幅方向に沿って連結することにより幅方向連結部を形成する第4工程と、この第4工程により幅方向連結部が形成された長尺シートを裏返すことにより折曲端の側にループ状の手提げ部を形成するとともに重合端の側に袋状の収容部を形成する第5工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0082】
さらに、本発明に係る他の手提げ袋は、表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートによって形成した表側と、裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートによって形成した裏側とに、リバーシブル可能な手提げ袋であって、表側第1長尺シートの中央側および裏側第1長尺シートの中央側で形成したループ状の第1手提げ部と、表側第2長尺シートの中央側および裏側第2長尺シートの中央側で形成したループ状の第2手提げ部と、表側第1長尺シートの両端側および表側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した表側収容部と、裏側第1長尺シートの両端側および裏側第2長尺シートの両端側とを連結して形成した裏側収容部とを具備したことを特徴とするものである。
【0083】
さらに、本発明に係る他の手提げ袋の製造方法は、表側と裏側とにリバーシブル可能な手提げ袋の製造方法であって、表側となる表側第1長尺シートおよび表側第2長尺シートならびに裏側となる裏側第1長尺シートおよび裏側第2長尺シートを準備する第1工程と、表側第1長尺シートの表面と裏側第1長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第1手提部を形成する第2工程と、表側第2長尺シートの表面と裏側第2長尺シートの表面とを向かい合わせで重ね合わせ、長手方向中央部分かつ幅方向両端側を長手方向に沿って連結することにより長手方向中央部分を筒状に形成した後、裏返して第2手提部を形成する第3工程と、表側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および表側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状に連結するとともに裏側第1長尺シートの長手方向両端側の表面および裏側第2長尺シートの長手方向両端側の表面を表面が内側になるように有底筒状にかつ一部に非連結部が形成されるように連結する第4工程と、非連結部を介して裏返すことにより表側収容部および裏側収容部を形成する第5工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0084】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0085】
(1) 本発明に係る手提げ袋において、収容部は、有底角筒状に形成する。
【0086】
(2) 本発明に係る手提げ袋の製造方法において、第4工程と第5工程との間に、幅方向連結部の両端を幅方向連結部の中央部に連結して中央連結部を形成する第6工程を備える。
【0087】
(3) また、第4工程と第6工程との間に、長尺シートを幅方向連結部の両端部と中央部との中間部分から幅方向連結部と直交する方向に沿って連結し角底連結部を形成することにより収容部に角底状の底部を形成する第7工程を備える。
【0088】
(4) 本発明に係る他の手提げ袋において、表側収容部および裏側収容部は、有底角筒状に形成する。
【0089】
(5) 本発明に係る他の手提げ袋の製造方法において、第4工程は、有底角筒状に形成する工程を備える。
【0090】
(6) また、第5工程は、裏返し後に非連結部を連結して閉塞する工程を備える。
【符号の説明】
【0091】
1 手提げ袋
2 手提げ部
3 収容部
4 長尺シート
5 連結部(縫合部)
12 折曲端
13 重合端
14 長手方向連結部(長手方向縫合部)
15 幅方向連結部(幅方向縫合部)
17 角底連結部(角底縫合部)
18 中央連結部(中央縫合部)
A 表側第1長尺シート
B 表側第2長尺シート
C 裏側第1長尺シート
D 裏側第2長尺シート
31 手提げ袋
32 第1手提げ部
33 第2手提げ部
35 表側収容部
36 裏側収容部
47 非連結部(非縫合部)
図1
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