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特開2024-81318身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081318
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240611BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240611BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/0601
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194844
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】518072287
【氏名又は名称】ソーシャル知財株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅 喜嗣
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L030BB63
5L049AA16
5L049BB63
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】製品製造後の廃棄物の削減に寄与する身の回り品の製造方法を提供する。
【解決手段】身の回り品の製造方法は、販売店が保有する商品における、前記商品を構成するパーツの種別毎の数を登録する販売店在庫数登録工程と、管理企業における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録工程と、前記商品を製作する作業所における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する作業所在庫数登録工程と、前記販売店在庫数登録工程、前記管理企業在庫数登録工程及び前記作業所在庫数登録工程にて登録された前記パーツの種別毎の数を集計して前記パーツの種別毎の在庫数とする集計工程と、前記集計工程で集計された前記パーツの在庫を用いて設計する設計工程と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売店が保有する商品における、前記商品を構成するパーツの種別毎の数を登録する販売店在庫数登録工程と、
管理企業における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録工程と、
前記商品を製作する作業所における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する作業所在庫数登録工程と、
前記販売店在庫数登録工程、前記管理企業在庫数登録工程及び前記作業所在庫数登録工程にて登録された前記パーツの種別毎の数を集計して前記パーツの種別毎の在庫数とする集計工程と、
前記集計工程で集計された前記パーツの在庫を用いて設計する設計工程と、
を有する身の回り品の製造方法。
【請求項2】
前記設計工程で用いた前記パーツの数が、前記集計工程で集計された前記パーツの在庫数よりも少ない場合には、不足する前記パーツの数を算出する不足パーツ算出工程を有する、請求項1に記載の身の回り品の製造方法。
【請求項3】
前記パーツは、紐通し孔としての貫通孔を有する天然石を含む、請求項1に記載の身の回り品の製造方法。
【請求項4】
前記商品は、寺社仏閣との関係を表示する情報表示部を有する、請求項3に記載の身の回り品の製造方法。
【請求項5】
コンピュータに、
販売店が保有する商品における、前記商品を構成するパーツの種別毎の数を登録する販売店在庫数登録部と、
管理企業における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録部と、
前記商品を製作する作業所における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する作業所在庫数登録部と、
前記販売店在庫数登録部、前記管理企業在庫数登録部及び前記作業所在庫数登録部にて登録された前記パーツの種別毎の数を前記パーツの種別毎の在庫数として表示部に表示させる在庫集計表示部と、
を実行させる在庫管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセサリーやお守り等の身の回り品の製造方法と、身の回り品を構成するパーツの在庫管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天然石等をパーツとして用いた身の回り品としての商品、例えばアクセサリーや数珠の形態のお守り等が提供されている。このような身の回り品の製造においては、当該商品のデザインや生産数量の決定を含む設計が行われている。このような設計は、在庫されるパーツの種別毎の数を勘案して行われる。そして、従来から、パーツの在庫管理は、コンピュータを用いた在庫管理プログラムを用いて管理されることがあった。
【0003】
特許文献1には、パーツの在庫数量を推定する在庫量推定部と、推定された在庫量と閾値とを比較して部品の発注を行うか否かを判定する判定部と、推定された在庫量が所定の在庫量としての上限指標に足りない分を発注量として算出する発注量算出部とをコンピュータに機能させる在庫管理プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-192143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、SDGsにおける気候変動対策として、廃棄物を削減することでCOを削減し、環境負荷を低減する製品製造活動の要求がある。従来の在庫管理プログラムは、新たな製品を製造するための活動には寄与するが、SDGs活動に寄与する製造後の廃棄物の削減まで視野に入れたものではなかった。
【0006】
本発明は、製品製造後の廃棄物の削減に寄与する身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る身の回り品の製造方法は、販売店が保有する商品における、前記商品を構成するパーツの種別毎の数を登録する販売店在庫数登録工程と、管理企業における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録工程と、前記商品を製作する作業所における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する作業所在庫数登録工程と、前記販売店在庫数登録工程、前記管理企業在庫数登録工程及び前記作業所在庫数登録工程にて登録された前記パーツの種別毎の数を集計して前記パーツの種別毎の在庫数とする集計工程と、前記集計工程で集計された前記パーツの在庫を用いて設計する設計工程と、を有する。
【0008】
本発明に係る在庫管理プログラムは、コンピュータに、販売店が保有する商品における、前記商品を構成するパーツの種別毎の数を登録する販売店在庫数登録部と、管理企業における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録部と、前記商品を製作する作業所における、前記商品を構成するための前記パーツの種別毎の数を登録する作業所在庫数登録部と、前記販売店在庫数登録部、前記管理企業在庫数登録部及び前記作業所在庫数登録部にて登録された前記パーツの種別毎の数を前記パーツの種別毎の在庫数として表示部に表示させる在庫集計表示部と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製品製造後の廃棄物の削減に寄与する身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る身の回り品の製造方法における当事者の関係を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態に係る身の回り品の製造方法で製作される身の回り品としてのアクセサリーの例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る在庫管理プログラムが実行されるPCのブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る身の回り品の製造方法を示すフロー図である。
図5】本発明の実施形態に係る身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラムにおいて作成される集計表を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る身の回り品の製造方法及び在庫管理プログラムにおいて表示部に表示される設計画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図に基づいて、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施に関わる当事者としての管理企業10、販売店20、作業所30の関係を示す説明図である。管理企業10は、本発明に係る在庫管理プログラムを用いた在庫の管理、商品としての身の回り品の設計を行う。複数の販売店20は、本発明に係る身の回り品の製造方法により製造された身の回り品を販売する店舗である。ここではA販売店21、B販売店22、C販売店23の3店舗を例とする。複数の作業所30は、身の回り品を製作し、梱包して販売店20に出荷する製造工場として機能する。ここではA作業所31、B作業所32、C作業所33の3つを例とする。
【0012】
ここで、本発明に係る商品としての身の回り品とは、ブレスレット、イヤリング、ネックレスのようなアクセサリーや、カバン等にぶら下げたり携帯することができるお守りのように、身に着けたり携帯したりする、比較的小型の物品である。本実施形態に係る身の回り品は、図2に示すように、いわゆるパワーストーンと呼ばれる天然石81をパーツとして数珠のように連結したブレスレット80を例とする。なお、本実施例では、ブレスレット80をすべて天然石81で構成したが、人工石、木製、樹脂製等のビーズをパーツとして含む身の回り品であっても良い。
【0013】
図2の囲み図Qに示すように、天然石81は、球状に形成され、その中心には、紐通し孔としての貫通孔81aが形成されている。ブレスレット80は、複数の天然石81の貫通孔81aに、ゴム紐状の通し紐82を通して両端を結ぶことで、容易に製作することができる。通し紐82の両端を結ぶと、結び目82aが形成される。結び目82aを解くことで、ブレスレット80は容易に分解することができる。なお、ネックレスやイヤリング等の他の身の回り品であっても、パーツに貫通孔81aが設けられることにより、本実施形態におけるブレスレット80と同様に、製作と分解を容易に行うことができる。
【0014】
ブレスレット80の天然石81は、種々の天然石81を用いることができる。天然石81の種類としては、アメジスト、エメラルド、クォーツ等の種類がある。天然石81の大きさは、略同一とされている。
【0015】
また、ブレスレット80には、ブレスレット80を構成する複数の天然石81の一部に刻印を施したり、ブレスレット80(通し紐82)に紐状体を介してタグを設けたり、ブレスレット80を収納する包装容器に印刷したりシールを貼り付けたりすることにより、情報表示部を設けることができる。例えば、情報表示部は、寺社仏閣との関係を表示することで、ブレスレット80をお守りとすることもできる。そして、このような、寺社仏閣との関係を表示する情報表示部を備えるブレスレット80を販売する販売店20は、情報表示部に表示される寺社仏閣において営業される店舗とすることができる。例えば、A販売店21はA寺院にて営業される店舗であり、B販売店22はB神社にて営業され、C販売店23はC神社にて営業される店舗とすることができる。
【0016】
一方、ブレスレット80は、上記のように、容易に製作することができるため、作業所30は、例えば、作業所30は、障害者自立支援法第80条第1項の規定に基づき定められた、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準の就労継続支援B型事業者(同基準第八章)が運営する作業所(以下、「福祉作業所」という。)とすることができる。
【0017】
そして、販売店20と作業所30は、地域的な一体性を有するものとすることができる。例えば、A販売店21とA作業所31は、同じ市区町村であるA市に所在するものとすることができる。特に、販売店20が寺社仏閣の店舗であり、作業所30が福祉作業所であれば、本発明の実施することで、身の回り品の製造により作業所30の作業者の収入となり、同じ地域の福祉作業所で製作された商品を寺社仏閣の販売店20で販売することで、寺社仏閣の地域貢献にも資することができる。
【0018】
図3は、PC(パーソナルコンピュータ)100の構成を示すブロック図である。制御部110は、少なくとも1つのプロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)やマイコン等により構成され、記憶部120に記憶されるプログラムを読み出し、各種の処理を実行する。記憶部120は、例えば、少なくとも1つのメモリとしてのフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等で構成される。記憶部120には、在庫管理プログラムを含む、各種プログラムや、在庫管理プログラム等のプログラムが実行されることにより入力されるデータ等が記憶される。
【0019】
入力部130は、キーボード等の入力装置を含む。表示部140は、ディスプレイやプリンタ等を含み、後述する在庫集計表示部104の指示内容を表示することができる。通信部150は、有線又は無線の方式にて、外部機器との通信を行ってデータのやり取りを行うことができる。なお、通信部150がインターネットに接続することにより、記憶部120をクラウド上に配置し、在庫管理プログラムをクラウド上で起動する形式とすることもできる。
【0020】
本発明に係る在庫管理プログラムは、制御部110(コンピュータ)に、各販売店20が保有する商品であるブレスレット80における、ブレスレット80を構成するパーツとしての天然石81の種別毎の数を登録する販売店在庫数登録部101と、管理企業10における、天然石81の種別毎の数を登録する管理企業在庫数登録部102と、作業所30における、天然石81の種別毎の数を登録する作業所在庫数登録部103と、販売店在庫数登録部101、管理企業在庫数登録部102及び作業所在庫数登録部103により登録された天然石81の種別毎の数を天然石81の種別毎の在庫数として集計し、表示部140に表示させる在庫集計表示部104と、を実行させる。
【0021】
また、本発明に係る在庫管理プログラムは、制御部110(コンピュータ)に、生産数量を含むブレスレット80の設計で用いた天然石81の数が、在庫集計表示部104で集計された天然石81の在庫数よりも少ない場合には、不足する天然石81の数を算出する不足パーツ算出部105を実行させる。
【0022】
また、本発明に係る在庫管理プログラムは、制御部110(コンピュータ)に、ブレスレット80のデザインと、デザインされたブレスレット80を製作する作業所30と、デザインされたブレスレット80を販売する販売店20と、生産数量と、を含む設計データを作成する設計データ作成部106を実行させる。
【0023】
ここで、販売店在庫数登録部101により登録される「販売店20が保有する商品であるブレスレット80における、ブレスレット80を構成するパーツとしての天然石81の種別毎の数」とは、販売店20が販売するブレスレット80(商品)を構成する天然石81(パーツ)の種別毎の数であり、この数を把握することで、販売店20が販売するブレスレット80を構成する天然石81についてもパーツ在庫とすることができる。
【0024】
なお、販売店20の在庫管理は、通常、完成品としてのブレスレット80の個数で管理している。従って、販売店在庫数登録部101は、完成品としてのブレスレット80から、当該ブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の個数データから換算して、天然石81の種別毎の数を割り出す機能部も実装する。
【0025】
また、管理企業在庫数登録部102により登録される「管理企業10における、天然石81の種別毎の数」とは、管理企業10が管理する倉庫11(図1参照)で在庫する天然石81の種別毎の在庫数である。また、作業所在庫数登録部103により登録される「作業所30における、天然石81の種別毎の数」とは、作業所30で在庫される天然石81の種別毎の在庫数である。
【0026】
在庫集計表示部104は、販売店在庫数登録部101、管理企業在庫数登録部102及び作業所在庫数登録部103により登録された天然石81の種別毎の数を集計し、天然石81の種別毎の在庫数として表示部140に表示させる。不足パーツ算出部105は、生産数量を含む設計作業で設計されたブレスレット80で用いた天然石81の数が、在庫集計表示部104で集計された天然石81の在庫数よりも少ない場合には、不足する天然石81の数を算出する。
【0027】
設計データ作成部106は、表示部140にブレスレット80をデザインする画面等を表示させると共に、デザイナー12(図2参照)によりデザインされたブレスレット80のデザインや、入力された生産数量や作業所30、販売店20等に基づいて設計データを作成する。
【0028】
在庫管理プログラムを用いて行われるブレスレット80の製造方法は、図4のフロー図に従って行われる。
【0029】
販売店在庫数登録工程(ステップS11);販売店在庫数登録部101により、販売店20が保有するブレスレット80における、ブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の数を登録する。ブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の数は、別途登録されている完成品としてのブレスレット80の個数から換算して登録される。すなわち、販売店20では、在庫は完成品のブレスレット80の個数として管理されており、本工程では、この完成品の数から、パーツである天然石81の種別毎の数を換算して登録する。例えば、A販売店21において、アメジストを2個、エメラルドを4個、クォーツを3個、サファイヤを3個使用したブレスレット80を3個販売(在庫)している場合には、アメジストを6個、エメラルドを12個、クォーツを9個、サファイヤを9個として換算して登録される。これらの登録データは、記憶部120に記憶される。なお、ブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の数は、入力部130により手動で入力しても良い。
【0030】
販売店在庫数登録工程(ステップS11)は、各販売店20で登録の処理をすれば、図1の各販売店20から管理企業10に向かう実線の矢印で示す流れでデータを記憶部120に登録して記憶させることができる。販売店在庫数登録工程(ステップS11)の登録処理を各作業所30で行った場合、例えば、各作業所30からの出荷時に出荷するブレスレット80の個数を登録して販売されたブレスレット80の個数を差し引いて登録する場合には、図1の各作業所30から管理企業10に向かう実線の矢印で示す流れでデータを記憶部120に登録して記憶させることができる。なお、管理企業10にて販売店在庫数登録工程(ステップS11)の登録の処理を実行しても良い。
【0031】
管理企業在庫数登録工程(ステップS12);管理企業在庫数登録部102により、管理企業10における、天然石81の種別毎の数を登録する。ステップS11と同様に、種別毎の数(在庫数)は入力部130を介して入力し、入力データは記憶部120に記憶される。管理企業在庫数登録工程(ステップS12)は管理企業10にて入力作業が実行される。
【0032】
作業所在庫数登録工程(ステップS13);作業所在庫数登録部103により、作業所30において在庫している天然石81の種別毎の数を登録する。ステップS11と同様に、種別毎の数(在庫数)は入力部130を介して入力し、入力データは記憶部120に記憶される。作業所在庫数登録工程(ステップS13)の入力を各作業所30で行った場合には、図1の各作業所30から管理企業10に向かう実線の矢印で示す流れでデータを記憶部120に登録して記憶させることができる。なお、管理企業10にて作業所在庫数登録工程(ステップS13)の入力作業を実行しても良い。
【0033】
以上の販売店在庫数登録工程(ステップS11)、管理企業在庫数登録工程(ステップS12)及び作業所在庫数登録工程(ステップS13)は、平行処理することができる。
【0034】
集計工程(ステップS20);在庫集計表示部104により、販売店在庫数登録工程(ステップS11)、管理企業在庫数登録工程(ステップS12)及び作業所在庫数登録工程(ステップS13)にて登録された天然石81の種別毎の数を集計して、天然石81の種別毎の在庫数を集計する。集計工程(ステップS20)が実行されると、在庫集計表示部104により図5に示す集計表が作成される。「石の種類」の欄は、天然石81の種別を示し、夫々の保管場所(倉庫11、A作業所31、B作業所32、C作業所33、A販売店21、B販売店22、C販売店23)における天然石81の種別毎の在庫数が登録される。集計表の右側には、天然石81の種別毎の合計の在庫数として、「総在庫数」が集計される。図5の集計表は、記憶部120に記憶され登録される。
【0035】
設計工程(ステップS30);集計工程(ステップS20)で集計された天然石81の在庫を用いて設計する。ここで、当該設計には、ブレスレット80のデザインや、製作したブレスレット80の販売店20やブレスレット80を製作する作業所30、ブレスレット80の生産数量の決定等も含まれる。設計工程(ステップS30)は、管理企業10に属するデザイナー12が行うことができる。本工程は、図6に示すPC100の表示部140に表示される設計画面200で行うことができる。設計画面200は、入力部130のキーボードやマウス(マウスポインタ131)等を用いて操作することができる。
【0036】
設計画面200において、左側には天然石配置領域210が設けられる。天然石配置領域210は、設計データ作成部106により表示部140に表示の指示がされ、ブレスレット80が完成した状態をイメージできるように、天然石81が配置される位置を円形の破線で示した仮想配置領域211が環状に設けられている。
【0037】
設計画面200の右側には、在庫リスト領域220が設けられる。在庫リスト領域220は、在庫集計表示部104により表示部140に表示の指示がされ、天然石81の種別に対応するイメージ図(描画した図や、写真であってもよい)が記載される天然石イメージ部221と、タイトル行に「石の種類」と記載されて、天然石81の種別が記載される種別記載部222と、タイトル行に「在庫数」と記載され、天然石81の種別に対応する、登録され集計された総在庫数が表示される総在庫数記載部223とを有する。在庫リスト領域220は、スクロールバー224を有して、スクロールさせることができる。
【0038】
なお、在庫集計表示部104は、ブレスレット80の設計を特定の場所で在庫されているパーツを使用するものとして、パーツとしての天然石81が在庫されている場所を特定して集計した数(在庫数)を総在庫数記載部223に表示するよう表示部140に指示することもできる。例えば、総在庫数記載部223には、総在庫数からB販売店22、C販売店23、B作業所32、C作業所33の在庫数を差し引いて、A販売店21と、A作業所31と、管理企業10の倉庫11の在庫数を表示させることができる。
【0039】
ブレスレット80のデザインは、天然石イメージ部221のイメージ図を、マウスポインタ131を用いて仮想配置領域211にドラックアンドドロップすることで行うことができる。
【0040】
また、設計画面200の下段には、設計データ作成部106により表示部140に表示の指示がされる3つの枠があり、左端には生産数入力領域230が設けられ、設計したブレスレット80の生産個数を入力することができる。生産数入力領域230の右隣りには、販売店入力領域240が設けられる。販売店入力領域240は、設計したブレスレット80を販売する予定の販売店20を入力(又はプルダウン方式による選択)することができる。販売店入力領域240には、複数の販売店20を入力可能に形成することもできる。販売店入力領域240の右隣りには、作業所入力領域250が設けられる。作業所入力領域250は、設計したブレスレット80を製作する作業所30を入力(選択)することができる。なお、販売店20と作業所30とが地域的な一体性を備えてなる場合には、販売店20を入力(選択)と同時に自動的に作業所30を入力させることもできる。
【0041】
不足パーツ判断工程(ステップS40);設計工程(ステップS30)の終了後、設計工程(ステップS30)で用いた天然石81の数(種別毎の数)が、集計工程(ステップS20)で集計された天然石81の在庫数(総在庫数)よりも少ないか否か(パーツ数の不足あるか)が判断される。不足パーツ判断工程(ステップS40)は、不足パーツ算出部105により実行される。
【0042】
不足パーツ算出工程(ステップS50);不足パーツ判断工程(ステップS40)でパーツ数の不足があると判断された場合には、種別毎の不足する天然石81の数を算出する(ステップS50)。不足パーツ算出工程(ステップS50)は、不足パーツ算出部105により実行される。
【0043】
例えば、アメジストの総在庫数が84個であるときに、1つのブレスレット80に使用するアメジストが6個であり、生産数量が20個である場合には、アメジストは120個必要であるので、36個のアメジストが不足数として算出される。
【0044】
ブレスレット80を設計するデザイナー12は、不足パーツ算出工程(ステップS50)で算出された不足する天然石81について、算出された不足数を発注することができる(ステップS60)。なお、不足分の発注は、在庫管理プログラムに機能部を実装することにより、自動的に発注するようにすることもできる。
【0045】
設計データ送信工程(ステップS70);設計工程(ステップS30)の終了後、不足パーツ判断工程(ステップS40)により不足パーツがないと判断され、又は、不足パーツがあると判断されてステップS50,S60により不足パーツが算出された後、設計データ送信工程(ステップS70)が実行される。ここで、送信される設計データは、設計画面200で設計されたブレスレット80の設計データ(天然石配置領域210のデータ(天然石81の配置データ)、生産数入力領域230のデータ(設計したブレスレット80の生産数)、販売店入力領域240のデータ(設計したブレスレット80を販売する販売店20のデータ)、作業所入力領域250のデータ(設計したブレスレット80を製作する作業所30のデータ))を含み、設計データ作成部106により作成される。設計データは、図1において管理企業10から作業所30に向かう破線の矢印で示すように、作業所入力領域250のデータに基づいて、設計したブレスレット80を製作する作業所30に渡される。設計データを作業所30へ渡す方式は、E-MAIL等や専用回線による電子的な送信の他、紙にプリントアウトして渡すこともできる。
【0046】
また、デザイナー12は、設計したブレスレット80の製作に使用する天然石81について、ブレスレット80を製作する作業所30以外の倉庫11、販売店20の在庫を使用する場合には、倉庫11を管理する管理企業10や販売店20に対して、ブレスレット80を製作する作業所30へ使用する天然石81を送るよう指示する。また、他の作業所30からも、製作する作業所30へ使用する天然石81を送るよう指示することもできる。販売店20は、使用する天然石81を含むブレスレット80を完成品の状態で送ることもできるし、容易に分解できるため、パーツの状態で送ることもできる。また、天然石81を作業所30に送る指示は、在庫管理プログラムに機能部を実装することにより電子的・自動的に指示するよう構成することもできる。
【0047】
商品製造工程(ステップS80);設計データを受け取った作業所30では、受け取った設計データに基づいて、ブレスレット80を製作する。製作したブレスレット80は、設計データに基づいて、設定された販売店20に納品される。図1では、2点鎖線の矢印で示すように、A作業所31で作成したブレスレット80はA販売店21に納品し、B作業所32で作成したブレスレット80はB販売店22に納品し、C作業所33で作成したブレスレット80はC販売店23に納品する。
【0048】
商品返品判断工程(ステップS90);販売店20に納品されたブレスレット80が販売された場合には、商品返品判断工程(ステップS90)で返品する商品(ブレスレット80)はないと判断され、「NO」に進んで本製造方法は終了する。一方、販売店20に納品されたブレスレット80のうち販売できずに残ってしまった商品(ブレスレット80)は、作業所30に返品するため、商品返品判断工程(ステップS90)で返品する商品(ブレスレット80)があるので「YES」に進んで作業所在庫数登録工程(ステップS13)に戻る。
【0049】
すなわち、返品するブレスレット80は、作業所30に戻されて分解されて、パーツとして天然石81の種別毎の数が登録される。なお、当然に、販売店在庫数登録工程(ステップS11)で登録された数からは、販売されたブレスレット80及び返品されたブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の数が差し引かれ、返品されたブレスレット80を構成する天然石81の種別毎の数は、作業所在庫数登録工程(ステップS13)で登録された、作業所30において在庫している天然石81の種別毎の数を登録に加えられる。
【0050】
本発明の実施により、本来、廃棄処分される返品商品について廃棄処分を回避して、返品商品をパーツとして新たなデザインの身の回り品をデザインし、製造・販売することができる。さらに、前記情報表示部に寺社仏閣の表示(例えばご利益があるような祈祷済の表示)を設けることができ、付加価値を高めた商品とすることができる。または、前記情報表示部には、地域を応援したいその地域の著名人が関係したことの表示(当該著名人がデザインしたものであることや、プロデュースしたことを示す表示)を設けて付加価値を高めた商品とすることができる。そして、作業所30を福祉作業所とすることで、このような付加価値の高い商品を製作し、収入が得にくい福祉作業所の作業者が高い収入を得ることができ、寺社仏閣や地域の著名人が地域社会に貢献ができると共に、税金で賄われることが多い福祉作業所が市場経済から得られる利益を享受することができる。そして、本発明の実施により、SDGsの気候変動対策に対応して廃棄物の削減ができると共に、SDGsの働きがい、経済成長に関連してすべての人々に対する雇用創出にも寄与することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることはなく、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、在庫管理プログラムにおける各機能部は、単一の機能部により構成されるものだけではなく、複数の機能部がモジュールとして組み合わされて構成することもできる。具体的には、在庫集計表示部104は、在庫を集計する機能部と、これらを表示部に表示させる機能部とを分割して構成することができる。また、管理企業10におけるデザイナー12は、複数人の担当者(デザイン担当、パーツ管理担当、パーツ発注担当等)からなるチームとして構成することもできる。
【符号の説明】
【0052】
10 管理企業 11 倉庫
12 デザイナー 20 販売店
21 A販売店 22 B販売店
23 C販売店 30 作業所
31 A作業所 32 B作業所
33 C作業所 80 ブレスレット
81 天然石 81a 貫通孔
82 通し紐 82a 結び目
101 販売店在庫数登録部 102 管理企業在庫数登録部
103 作業所在庫数登録部 104 在庫集計表示部
105 不足パーツ算出部 106 設計データ作成部
110 制御部 120 記憶部
130 入力部 131 マウスポインタ
140 表示部 150 通信部
200 設計画面 210 天然石配置領域
211 仮想配置領域 220 在庫リスト領域
221 天然石イメージ部 222 種別記載部
223 総在庫数記載部 224 スクロールバー
230 生産数入力領域 240 販売店入力領域
250 作業所入力領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6