(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081321
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194851
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】506322112
【氏名又は名称】株式会社アンビシャス
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】徳永 暢也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建物のセキュリティを確保しつつ、ユーザーにおける負担を軽減可能な建物の施解錠管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】施解錠管理システム1は、第1ドアD1、第1ドアD1の電気錠10、部屋毎の第2ドアD2、第2ドアD2毎のロック部L、ロック部の施解錠部材K、施解錠部材を収容すると共に施解錠部材の取り出しを個別に許容・制限する施解錠部材管理部20及び制御部40を有するトランクルーム管理施設(店舗)2Aと、情報処理装置50と、を備える。情報処理装置は、登録識別情報5Aを登録する識別情報登録部53を有する。制御部は、識別情報5の入力を受け付ける第1入力受付部42及び第2入力受付部46を有し、第1入力受付部で受け付けた識別情報が、登録識別情報と一致することを条件に電気錠を解錠し、第2入力受付部で受け付けた識別情報が、登録識別情報と一致することを条件に所定の施解錠部材の取り出しを許容する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数の部屋を有する建物の施解錠管理システムであり、
前記建物の入口において前記建物の内部と外部とを隔てる第1ドアと、
前記第1ドアを、ネットワークを介して施錠又は解錠することが可能な電気錠と、
前記複数の部屋毎に設けられた第2ドアと、
複数の前記第2ドア毎に設けられ、前記第2ドアをそれぞれ施錠又は解錠するロック部と、
複数の前記ロック部におけるロックをそれぞれ施錠又は解錠するための複数の施解錠部材と、
前記建物の内部に配され、前記複数の施解錠部材をそれぞれ個別に収容又は発行可能であると共に、前記複数の施解錠部材の取り出し又は発行を、それぞれ個別に許容又は制限する施解錠部材管理部と、
前記電気錠及び前記施解錠部材管理部を制御する制御部と、
前記建物の外部に配され、前記制御部に前記ネットワークを介して接続された情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、予めユーザーに付与された識別情報を登録識別情報として登録する識別情報登録部を有し、
前記制御部は、
前記電気錠において、前記識別情報が記録された電子キーを介しての前記識別情報の入力、又は、直接的な前記識別情報の入力の少なくとも一方を受け付ける第1入力受付部と、
前記施解錠部材管理部において、前記識別情報が記録された電子キーを介しての前記識別情報の入力、又は、直接的な前記識別情報の入力の少なくとも一方を受け付ける第2入力受付部と、
を有するものであり、
前記制御部は、前記第1入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致することを条件として、前記電気錠を解錠する制御を行うものであり、前記第2入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致することを条件として、前記登録識別情報に対応する前記施解錠部材の取り出しを許容する制御、又は前記施解錠部材を発行する制御を行うものであること、を特徴とする建物の施解錠管理システム。
【請求項2】
前記複数の部屋が、トランクルームであり、
前記建物が、トランクルーム管理施設であること、を特徴とする請求項1に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記ユーザーに係る固有情報の入力を受け付ける固有情報入力受付部と、
前記固有情報に基づいて前記ユーザーに対して前記識別情報を付与する識別情報付与部と、
を有し、
前記固有情報入力受付部において、前記固有情報の入力を受け付けたことを条件として、前記識別情報付与部により前記識別情報が付与されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項4】
前記識別情報の前記ユーザーに対する付与が、前記情報処理装置からの電子メールの送信、前記電子キーへの記録、又は、印字媒体への出力の少なくとも1つにより行われること、を特徴とする請求項3に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項5】
前記識別情報及び前記登録識別情報が、前記ユーザー毎に付与される識別符号と、パスワードとで構成されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項6】
前記電気錠の解錠に必要とされる前記登録識別情報が、第1登録識別情報として前記識別情報登録部に登録されており、
前記施解錠部材管理部における前記施解錠部材の取り出しを許容するのに必要とされる前記登録識別情報が、前記第1登録識別情報とは異なる第2登録識別情報として前記識別情報登録部に登録されており、
前記制御部は、前記第1入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記第1登録識別情報と一致することを条件として、前記電気錠を解錠する制御を行うものであり、前記第2入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記第2登録識別情報と一致することを条件として、前記第2登録識別情報に対応する前記施解錠部材の取り出しを許容する制御又は前記施解錠部材を発行する制御を行うものであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項7】
前記電子キーは、近距離無線通信可能なカードキー、ワイヤレスキー又はモバイル端末であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項8】
前記施解錠部材は、物理キー、前記登録識別情報が記録された電子キー、又は、前記登録識別情報が出力された印字媒体であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項9】
前記第1ドア、前記第2ドア、及び前記施解錠部材管理部の少なくとも1つの周辺にカメラが配されており、
前記カメラで撮影された静止画又は動画は、前記ネットワークを介して前記制御部に送信されるものであり、
前記制御部は、送信された前記静止画又は前記動画に基づいて、前記ユーザーであるか否かの認証を行う制御を行うこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置が、サーバーとして構成されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システム。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の建物の施解錠管理システムを用いた施解錠管理方法であり、
前記ユーザーに係る固有情報の入力を前記情報処理装置において受け付ける固有情報入力受付工程と、
受け付けた前記固有情報に基づいて前記ユーザーに対して前記識別情報を付与する識別情報付与工程と、
前記識別情報を登録識別情報として、前記識別情報登録部において登録する識別情報登録工程と、
前記第1入力受付部において、前記ユーザーによる前記識別情報の入力を受け付ける第1識別情報入力受付工程と、
前記第1入力受付部において、受け付けた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致するか否かの判定を行う第1識別情報判定工程と、
前記第1識別情報判定工程において、前記第1識別情報入力受付工程で受け付けた前記識別情報と、前記登録識別情報とが一致することを条件として、前記ネットワークを介して前記制御部に前記電気錠の解錠指令を行う電気錠解錠工程と、
前記第2入力受付部において、前記ユーザーによる前記識別情報の入力を受け付ける第2識別情報入力受付工程と、
前記第2入力受付部において、受け付けた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致するか否かの判定を行う第2識別情報判定工程と、
前記第2識別情報判定工程において、前記登録識別情報と、前記識別情報とが一致することを条件として、前記制御部において前記ネットワークを介して前記施解錠部材管理部における所定の前記施解錠部材の取り出しの許容又は前記施解錠部材の発行に関する制御を行う施解錠部材取り出し許容・発行工程と、
を順次行うこと、を特徴とする施解錠管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マンション等のエントランス(入口)に設けられたドアに電気錠が設けられている(例えば、特許文献1)。また、特許文献1に記載のような電気錠は、トランクルーム(部屋)等をレンタルする管理業者等、各種の業界において利用されている。
【0003】
上述した特許文献1に記載のような電気錠は、特定のユーザーが施解錠可能なように、当該ユーザーに対して固有の識別情報が付与されている。前記識別情報には、例えば、部屋番号やパスワード等が含まれており、電気錠が設けられた部屋のドアの解錠に必要な情報が記録されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したトランクルーム(部屋)のレンタルは、管理業者とレンタル契約を締結したユーザーに対して、当該管理業者が、レンタル対象となるトランクルームの鍵を貸し出すことで行われている。しかしながら、上述したトランクルームのレンタル方法では、トランクルームの契約や鍵の受け渡しの際に、ユーザーが管理業者の事務所等に来所して契約を締結した上で、鍵の受け渡しを行う必要がある。そのため、鍵の受け渡しが、煩雑となる懸念があった。
【0006】
また、複数のトランクルームを一括して管理するような管理施設(建物)では、当該管理施設内に第三者が自由に立ち入りできるため、セキュリティ上の問題が懸念される。そのため、前記管理施設は、例えば、エントランス(入口)に、電気錠を設けることが望ましいものと考えられる。しかしながら、前記管理施設において、入口に電気錠を設けた場合は、ユーザーに対して、電気錠の解錠のための識別情報の付与と併せて、トランクルームの解錠のための鍵の受け渡しが必要になるなど、管理がより一層煩雑となる懸念があった。その結果、ユーザーの負担が大きくなる懸念があった。
【0007】
そこで、本発明は、トランクルーム等の部屋の管理施設(建物)におけるセキュリティを確保しつつ、ユーザーにおける負担を軽減可能な建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明に係る建物の施解錠管理システムは、内部に複数の部屋を有する建物の施解錠管理システムであり、前記建物の入口において前記建物の内部と外部とを隔てる第1ドアと、前記第1ドアを、ネットワークを介して施錠又は解錠することが可能な電気錠と、前記複数の部屋毎に設けられた第2ドアと、複数の前記第2ドア毎に設けられ、前記第2ドアをそれぞれ施錠又は解錠するロック部と、複数の前記ロック部におけるロックをそれぞれ施錠又は解錠するための複数の施解錠部材と、前記建物の内部に配され、前記複数の施解錠部材をそれぞれ個別に収容又は発行可能であると共に、前記複数の施解錠部材の取り出し又は発行を、それぞれ個別に許容又は制限する施解錠部材管理部と、前記電気錠及び前記施解錠部材管理部を制御する制御部と、前記建物の外部に配され、前記制御部に前記ネットワークを介して接続された情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、予めユーザーに付与された識別情報を登録識別情報として登録する識別情報登録部を有し、前記制御部は、前記電気錠において、前記識別情報が記録された電子キーを介しての前記識別情報の入力、又は、直接的な前記識別情報の入力の少なくとも一方を受け付ける第1入力受付部と、前記施解錠部材管理部において、前記識別情報が記録された電子キーを介しての前記識別情報の入力、又は、直接的な前記識別情報の入力の少なくとも一方を受け付ける第2入力受付部と、を有するものであり、前記制御部は、前記第1入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致することを条件として、前記電気錠を解錠する制御を行うものであり、前記第2入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致することを条件として、前記登録識別情報に対応する前記施解錠部材の取り出しを許容する制御、又は前記施解錠部材を発行する制御を行うものであること、を特徴とするものである。
【0009】
上述した建物の施解錠管理システムは、複数の部屋を管理する建物の入口に電気錠が設けられており、当該電気錠は、第1入力受付部で受け付けたユーザーの識別情報が登録識別情報と一致することを条件に解錠されるものとされている。したがって、上述した建物の施解錠管理システムは、建物内における複数の部屋へのユーザーのアクセスを電気錠の施解錠管理により、一括で管理できる。そのため、上述した建物の施解錠管理システムは、建物のセキュリティ管理を容易に行うことができる。また、上述した建物の施解錠管理システムは、建物や部屋のセキュリティを確保することができる。
【0010】
また、上述した建物の施解錠管理システムは、建物内に入場したユーザーが、第2入力受付部において識別情報を入力(電子キーを介しての入力、又は直接的な入力)し、当該識別情報が、登録識別情報と一致することを条件として、登録識別情報に対応する施解錠部材の取り出しを許容する制御、又は前記施解錠部材を発行する制御を行うものとされている。したがって、上述した建物の施解錠管理システムは、施解錠部材の取り出しの許容、又は施解錠部材の発行を容易に行うことができる。また、建物内において、施解錠部材の取り出しの許容、又は施解錠部材の発行が行われるので、ユーザーが部屋の解錠のための鍵を忘れたり、紛失したりすることを抑制できる。
【0011】
また、上述した建物の施解錠管理システムは、電気錠の解錠や施解錠部材の受け渡しに必要な識別情報の付与が、予めユーザーに対して行われるものとされている。すなわち、電気錠の解錠や施解錠部材の受け渡しを、識別情報の付与によって行うことができるので、ユーザーは、識別情報を受け取ることで、容易に電気錠の解錠や、施解錠部材の受け取りを行うことができる。したがって、上述した建物の施解錠管理システムは、ユーザーが直接管理会社等に出向くことなく、建物や部屋の解錠手段を受け渡しできるので、ユーザーや管理会社における利便性を高めることができる。
【0012】
(2)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記複数の部屋が、トランクルームであり、前記建物が、トランクルーム管理施設であること、を特徴とするとよい。
【0013】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、例えば、レンタルでトランクルームを管理するような場合(「レンタル収納スペース」とも称する)に好ましく利用できる。具体的には、トランクルーム管理施設を管理会社が管理しており、ユーザーが管理会社におけるトランクルームをレンタル契約して、利用する場合が想定される。かかる場合は、ユーザーが管理会社に直接出向かなくても、電気錠の解錠と、レンタル契約されたトランクルームの解錠とを行うことができるので、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0014】
(3)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムにおいて、前記情報処理装置は、前記ユーザーに係る固有情報の入力を受け付ける固有情報入力受付部と、前記固有情報に基づいて前記ユーザーに対して前記識別情報を付与する識別情報付与部と、を有し、前記固有情報入力受付部において、前記固有情報の入力を受け付けたことを条件として、前記識別情報付与部により前記識別情報が付与されること、を特徴とするとよい。
【0015】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、ユーザーに対して円滑に識別情報を付与できる。ここで、固有情報入力受付部は、ネットワークを介して接続された情報処理装置において提供されているので、ユーザーがネットワークを介して、固有情報を入力することで、識別情報付与部からユーザーに対して識別情報が付与される。したがって、上述した建物の施解錠管理システムは、ユーザーが直接管理会社等に出向かなくても、電気錠の解錠に必要な識別情報の付与や施解錠部材の受け渡しを行うことができる。これにより、ユーザーや管理会社における利便性向上が期待できる。
【0016】
(4)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記識別情報の前記ユーザーに対する付与が、前記情報処理装置からの電子メールの送信、前記電子キーへの記録、又は、印字媒体への出力の少なくとも1つにより行われること、を特徴とするとよい。
【0017】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、識別情報のユーザーに対する付与手段を多様化できる。これにより、ユーザーに対して、電気錠の解錠に必要な識別情報の受け渡しを直接的なものだけではなく間接的なものとすることができる。例えば、上述した施解錠管理システムは、識別情報の付与を電子メールの送信とすることにより、ユーザーが施解錠管理システムの管理会社に直接出向かなくても、即時にユーザーに対して識別情報を付与できる。そのため、ユーザーにおける利便性の向上が期待できる。また、ユーザーが急がない場合は、識別情報が付与された電子キーや印字媒体をユーザーに対して送付するようにすればよい。また、識別情報を印字媒体(例えば、紙媒体)に出力する場合は、識別情報がそのまま出力されるものの他、識別情報がバーコードやQRコード(登録商標)等として出力されるものであってもよい。
【0018】
(5)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記識別情報及び前記登録識別情報が、前記ユーザー毎に付与される識別符号と、パスワードとで構成されていること、を特徴とするとよい。
【0019】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、認証に係るセキュリティをより高めることができる。また、上述した建物の施解錠管理システムは、識別情報及び登録識別情報が識別符号(IDとも称する)を有するので、当該施解錠管理システムの管理者、及びユーザーにおける管理の利便性向上が期待できる。ここで、識別符号やパスワードは、数字によるものだけではなく、数字・記号・文字(例えば、英字)やこれらの複数の組み合わせとして構成されていてもよい。
【0020】
(6)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記電気錠の解錠に必要とされる前記登録識別情報が、第1登録識別情報として前記識別情報登録部に登録されており、前記施解錠部材管理部における前記施解錠部材の取り出しを許容するのに必要とされる前記登録識別情報が、前記第1登録識別情報とは異なる第2登録識別情報として前記識別情報登録部に登録されており、前記制御部は、前記第1入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記第1登録識別情報と一致することを条件として、前記電気錠を解錠する制御を行うものであり、前記第2入力受付部において受け付けられた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記第2登録識別情報と一致することを条件として、前記第2登録識別情報に対応する前記施解錠部材の取り出しを許容する制御又は前記施解錠部材を発行する制御を行うものであること、を特徴とするとよい。
【0021】
上述した建物の施解錠管理システムは、電気錠の解錠に必要とされる識別情報(第1登録識別情報)と、施解錠部材管理部における施解錠部材の取り出し、又は前記施解錠部材の発行に必要とされる識別情報(第2登録識別情報)とが異なるものとされている。そのため、上述した建物の施解錠管理システムでは、より一層のセキュリティの向上が期待できる。ここで、上述した建物の施解錠管理システムは、第1登録識別情報及び第2登録識別情報における一部(例えば、識別符号又はパスワード)を共通のものとすることにより、認証におけるセキュリティを高めつつ、ユーザーや管理会社における利便性を確保できる。
【0022】
(7)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記電子キーが、近距離無線通信可能なカードキー、ワイヤレスキー又はモバイル端末であることを、特徴とするとよい。
【0023】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、ユーザーの手が荷物等で塞がっていても、近距離無線通信により容易に電気錠を施解錠することができる。ここで、近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCタグなど、各種の近距離無線通信手段が利用できる。また、上述した建物の施解錠管理システムは、直接第1入力受付部や第2入力受付部に直接触れることなく、識別情報を入力可能であるので、感染症の流行時などにおいて、感染症対策の一手段としての利用が期待できる。
【0024】
(8)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記施解錠部材が、物理キー、前記登録識別情報が記録された電子キー、又は、前記登録識別情報が出力された印字媒体であること、を特徴とするとよい。
【0025】
上述した建物の施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、施解錠部材の取り出しの許容、又は施解錠部材の発行を容易に行うことができる。また、建物内で、施解錠部材の取り出しの許容、又は施解錠部材の発行が行われるので、ユーザーが部屋の解錠のための鍵を忘れたり、紛失したりすることを抑制できる。
【0026】
(9)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記第1ドア、前記第2ドア、及び前記施解錠部材管理部の少なくとも1つの周辺にカメラが配されており、前記カメラで撮影された静止画又は動画は、前記ネットワークを介して前記制御部に送信されるものであり、前記制御部は、送信された前記静止画又は前記動画に基づいて、前記ユーザーであるか否かの認証を行う制御を行うことを特徴とするとよい。
【0027】
上述した施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、ユーザーの不正利用の抑制や、第三者に対するセキュリティを向上させることができる。上述した施解錠管理システムにおけるカメラは、第1ドア、第2ドア、及び施解錠部材に直接設けるものや、これらを周辺から撮影できる範囲(例えば、上方や側方など)に設けられているものなど、各種の位置に配置することができる。なお、上述した建物の施解錠管理システムは、静止画又は動画を用いて顔認証等を行なうことにより、識別情報と併せて、ユーザーを特定するようにしてもよい。
【0028】
(10)上述した本発明に係る建物の施解錠管理システムは、前記情報処理装置が、サーバーとして構成されていることを、特徴とするとよい。
【0029】
上述した施解錠管理システムは、かかる構成とすることにより、サーバーとして一括管理を行うことができる。これにより、上述した施解錠管理システムは、ユーザーに対するWEBサービスの提供等を円滑に行うことができる。
【0030】
(11)上述した課題を解決すべく提供される施解錠管理システムを用いた建物の施解錠管理方法は、前記ユーザーに係る固有情報の入力を前記情報処理装置において受け付ける固有情報入力受付工程と、受け付けた前記固有情報に基づいて前記ユーザーに対して前記識別情報を付与する識別情報付与工程と、前記識別情報を登録識別情報として、前記識別情報登録部において登録する識別情報登録工程と、前記第1入力受付部において、前記ユーザーによる前記識別情報の入力を受け付ける第1識別情報入力受付工程と、前記第1入力受付部において、受け付けた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致するか否かの判定を行う第1識別情報判定工程と、前記第1識別情報判定工程において、前記第1識別情報入力受付工程で受け付けた前記識別情報と、前記登録識別情報とが一致することを条件として、前記ネットワークを介して前記制御部に前記電気錠の解錠指令を行う電気錠解錠工程と、前記第2入力受付部において、前記ユーザーによる前記識別情報の入力を受け付ける第2識別情報入力受付工程と、前記第2入力受付部において、受け付けた前記識別情報が、前記識別情報登録部に登録された前記登録識別情報と一致するか否かの判定を行う第2識別情報判定工程と、前記第2識別情報判定工程において、前記登録識別情報と、前記識別情報とが一致することを条件として、前記制御部において前記ネットワークを介して前記施解錠部材管理部における所定の前記施解錠部材の取り出しの許容又は施解錠部材の発行に関する制御を行う施解錠部材取り出し許容・発行工程と、を順次行うこと、を特徴とするものである。
【0031】
上述した施解錠管理方法は、固有情報入力受付工程においてユーザーによる固有情報を情報処理装置で受け付けた後、識別情報付与工程においてユーザーに対して識別情報を付与するので、ユーザーが、直接管理会社に出向かなくても、電気錠の解錠に必要な識別情報の付与や施解錠部材の受け渡しを行うことができる。そのため、ユーザーや管理会社の利便性向上が期待できる。
【0032】
また、上述した施解錠管理方法は、第1識別情報入力受付工程でユーザーから受け付けた識別情報が、第1識別情報判定工程において、登録識別情報と一致することを条件として、ネットワークを介して制御部に電気錠の解錠指令を行う電気錠解錠工程を行うものとされている。したがって、上述した施解錠管理方法は、ユーザーの建物への入退場を電気錠によって管理できる。これにより、上述した建物の施解錠管理方法は、建物の入退場に係るセキュリティを高めることができる。
【0033】
また、上述した施解錠管理方法は、第2識別情報入力受付工程において、受け付けた識別情報が、第2識別情報判定工程において、登録識別情報と一致することを条件として、施解錠部材取り出し許容・発行工程を行うものとされている。そのため、建物に入場し、登録識別情報と一致する第2識別情報を入力したユーザーのみに施解錠部材の受け渡しが行われる。したがって、ユーザーが管理会社に出向かなくても、施解錠部材を取得できるので、ユーザー及び管理会社の利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、トランクルーム等の部屋の管理施設(建物)におけるセキュリティを確保しつつ、ユーザーにおける負担を軽減可能な建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システムのブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システムの概略説明図である。
【
図3】本発明の建物の施解錠管理システムにおける識別情報付与の各種態様を表す説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システムの連携の概略を説明する概略説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理方法のフロー図である。
【
図6】本発明の変形例に係る建物の施解錠管理システムのブロック図である。
【
図7】本発明の変形例に係る建物の施解錠管理システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システム1の詳細を説明する。なお、これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付していることに留意されたい。
【0037】
また、本実施形態では、建物2が、内部に複数の部屋〔トランクルームR(R1~Rn)〕を有するトランクルーム管理施設2A(店舗2Aとも称する)である場合を例として説明する。ここで、トランクルーム管理施設2Aは、トランクルームRをレンタルとして貸し出す管理会社3によって管理されている場合(「レンタル収納スペース」とも称する)を例として説明する。
【0038】
図1及び
図2に示すように、施解錠管理システム1は、建物2、及び建物2の内部に複数のトランクルームR1~Rn(特に区別する必要がない場合は、総称してトランクルームRとも称する)を有している。また、施解錠管理システム1は、建物2の入口となる第1ドアD1と、第1ドアD1に設けられた電気錠10と、複数のトランクルームR毎に設けられた第2ドアD2と、第2ドアD2毎に設けられた複数のロック部L1~Ln(以下総称してロック部Lとも称する)と、を有している。施解錠管理システム1は、ロック部Lをそれぞれ施錠又は解錠する複数の施解錠部材Kと、建物2内に設けられた施解錠部材管理部20と、制御部40と、管理会社3に設けられた情報処理装置50等を有している。
【0039】
まず、施解錠管理システム1の説明にあたり、管理会社3によって付与される識別情報5について説明する。
【0040】
管理会社3は、例えば、会員としての契約をユーザー4と締結することにより、ユーザー4に対して識別情報5を付与するものとされている。識別情報5は、ユーザー4に係る固有情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス等)に基づいて、後述する情報処理装置50によって個々に付与される。識別情報5は、例えば、ユーザー4毎に付与される識別符号(IDとも称する)及びパスワードにより構成されている(
図4参照)。ここで、識別符号やパスワードは、数字によるものだけではなく、数字・記号・文字(例えば、英字)やこれらの複数の組み合わせ(桁数は任意)として構成されていてもよい。識別情報5は、情報処理装置50における識別情報付与部52によってユーザー4に付与されるものとされている。このように、識別情報5は、識別符号とパスワードとの組み合わせで構成することにより、ユーザー4における利便性を確保しつつ、セキュリティを向上させることができる。
【0041】
図1に示すように、情報処理装置50は、例えば、CPUや記憶装置等を備えるコンピュータとして形成されている。本実施形態では、情報処理装置50は、管理会社3に設けられ、サーバーとして機能するものとされている。すなわち、本実施形態では、情報処理装置50が、トランクルーム管理施設2A(建物2)の外部に配されている。なお、情報処理装置50は、管理会社3の外部に外部サーバーとして設けられていてもよい。かかる場合は、管理会社3に情報処理装置50とネットワーク接続された端末装置を設けるようにするとよい。情報処理装置50は、ネットワークに有線又は無線により接続されており、ネットワークを介してインターネット6に接続されている。したがって、情報処理装置50は、ネットワークを通じて、ユーザー4にWEBサービス等を提供することができる。また、情報処理装置50は、固有情報入力受付部51と、識別情報付与部52と、識別情報登録部53等を有している。
【0042】
固有情報入力受付部51は、ユーザー4に係る固有情報の入力を受け付けるものとされている。固有情報入力受付部51は、本実施形態では、例えば、アプリケーションプログラムとして提供されており、WEBサイト上やアプリケーションプログラム上での入力の受け付けが可能なものとされている。
図3に示すように、固有情報の入力(ユーザー4と管理会社3との契約)は、ユーザー4自身がWEBサイトを通じて行う場合、又はユーザー4から電話等で連絡を受けた管理会社3の担当者がWEBサイトを通じて行う場合等がある。識別情報5の付与に係る各種の態様の詳細は後述する。
【0043】
図1に示すように、固有情報入力受付部51で受け付けたユーザー4に係る固有情報に基づいてユーザー4に対して識別情報5を付与することができる。すなわち、識別情報付与部52は、固有情報入力受付部51において、前記固有情報の入力を受け付けたことを条件として、識別情報5をユーザー4に対して付与するものとされている。ここで、識別情報5の付与は、電子メールの送信、電子キー30への記録、又は、印字媒体Kへの出力の少なくとも1つにより行われる。なお、識別情報5の付与が、WEBサイト上への表示で行われてもよい。
【0044】
識別情報登録部53は、予めユーザー4に付与された識別情報5を登録識別情報5Aとして登録するものとされている。識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aは、後述する電気錠10の解錠における認証や、施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの受け渡しの際の認証に使用される。
【0045】
建物2は、入口に建物2の内部と外部とを隔てる第1ドアD1を有している。本実施形態では、建物2は、ユーザー4の入退場を許容する単一の第1ドアD1を有するものとされている。
【0046】
第1ドアD1は、内部が通路7(
図2参照)に連なっている。第1ドアD1には、当該第1ドアD1を、ネットワークを介して施錠又は解錠することが可能な電気錠10が設けられている。ユーザー4は、第1ドアD1における電気錠10を解錠することにより、第1ドアD1を開いて建物2の内部に入ることができる。
【0047】
電気錠10は、第1ドアD1に設けられており、後述する制御部40に接続されている。電気錠10は、当該第1ドアD1を、ネットワークを介して施錠又は解錠することが可能である。電気錠10は、制御部40における第1入力受付部42に接続されており、第1入力受付部42を介して、識別情報5を入力することにより、施錠又は解錠が制御される。詳細は後述するが、本実施形態では、識別情報5の入力が、カード状の電子キー30を介して行われるものとされている。
【0048】
図2に示すように、本実施形態では、通路7の両側に複数のトランクルームR(部屋R)が設けられている。また、第1ドアD1を入って、左前方の壁際には、施解錠部材Kを管理する施解錠部材管理部20が設けられている。
【0049】
複数のトランクルームRには、それぞれ第2ドアD2が設けられている。それぞれの第2ドアD2には、それぞれロック部Lが設けられている。それぞれの第2ドアD2は、ロック部Lを解錠することにより、開閉が許容される。
【0050】
ロック部Lは、施解錠部材Kを用いて施錠又は解錠することが可能なものとされている。ユーザー4は、第2ドアD2におけるロック部Lを解錠することにより、第2ドアD2を開いてトランクルームRに入室することができる。本実施形態では、複数の第2ドアD2毎のロック部Lのそれぞれが異なるものとされている。ロック部Lは、本実施形態では、シリンダー錠として構成されており、施解錠部材Kを挿入可能な鍵穴LHを有している。
【0051】
施解錠部材Kは、本実施形態では、物理キーとして構成されている(以下、施解錠部材Kを物理キーKとも称する)。第2ドアD2毎のロック部Lにおけるロックは、それぞれ対応する物理キーK1~Kn(以下、総称して物理キーKとも称する)により、施錠又は解錠することができる。具体的には、ロック部Lの鍵穴LHに物理キーKを挿入し、物理キーKを回動させることにより、ロックが施錠又は解錠される。また、複数の施解錠部材Kは、施解錠部材管理部20に収容されており、施解錠部材管理部20により取り出しの許容が管理されている。なお、施解錠部材Kは、物理キーKだけではなく、登録識別情報5Aが記録された電子キー、又は、登録識別情報5Aが印字された印字媒体K(例えば、紙媒体)であってもよい。
【0052】
このように、施解錠部材Kを構成することにより、上述した建物の施解錠管理システム1は、施解錠部材K(例えば、物理キーK)の取り出しの許容、又は施解錠部材K(例えば、印字媒体K)の発行を容易に行うことができる。また、トランクルーム管理施設2A内において、施解錠部材Kの取り出しの許容、又は施解錠部材Kの発行が行われるので、ユーザー4がトランクルームRの解錠のための鍵を忘れたり、紛失したりすることを抑制できる。
【0053】
施解錠部材管理部20には、複数の物理キーKがそれぞれ所定の位置に収容されている。施解錠部材管理部20には、後述する制御部40における第2入力受付部46が接続されている。施解錠部材管理部20は、収容された物理キーKの取り出しを、それぞれ個別に許容又は制限することができる。施解錠部材管理部20は、第2入力受付部46を介して、識別情報5を入力することにより、物理キーKの取り出しの許容又は制限に係る制御がなされる。
【0054】
制御部40は、電気錠10及び施解錠部材管理部20の制御を含めた本発明に係る施解錠管理システム1の全体的な制御を担うものとされている。また、制御部40は、ネットワークと接続されており、情報処理装置50を通じて、遠隔で電気錠10の施解錠や施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの取り出しの許容の制御を行うことができる。本実施形態では、制御部40が、第1制御部41と、第2制御部45とで構成されている。
【0055】
第1制御部41は、電気錠10に接続されている。第1制御部41は、ネットワークを介して情報処理装置50に接続されており、情報処理装置50からの指令に基づき電気錠10における施錠及び解錠を遠隔で操作(制御)できる。また、第1制御部41は、第1入力受付部42を有している。
【0056】
第1入力受付部42は、電気錠10においてユーザー4による識別情報5の入力を受け付けることができる。具体的には、第1入力受付部42は、電気錠10において、識別情報5が記録された電子キー30を介しての識別情報5の入力、又は、直接的な識別情報5の入力の少なくとも一方を受け付けるものとされている。第1入力受付部42は、電子キー30との通信が可能な通信端末として提供されている。また、第1入力受付部42は、タッチパネルやキーボードを備え、ユーザー4による識別情報5の直接的な入力を受け付け可能に構成されている。なお、第1入力受付部42は、識別情報5を直接的又は間接的に入力可能なように、通信端末、タッチパネル、及びキーボードの少なくとも1つを備えるものとすることができる。
【0057】
電子キー30は、近距離無線通信可能なカードキー、ワイヤレスキー又はモバイル端末として構成することができる。本実施形態では、電子キー30が、
図2に示すように近距離通信が可能なワイヤレスカードキーとして構成されている。また、電子キー30には、識別情報5が記録されており、通信により、第1入力受付部42、及び後述する第2入力受付部46に識別情報5を入力することができる。ここで、近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCタグなど、各種の近距離無線通信手段が利用できる。これにより、ユーザー4は、第1入力受付部42に電子キー30を接触させたり、近接させたりすることで、識別情報5を第1入力受付部42に入力することができる。
【0058】
図1に示すように、第1入力受付部42に入力された識別情報5は、ネットワークを介して情報処理装置50に送信され、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと照合される。第1制御部41(制御部40)は、第1入力受付部42において受け付けられた識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致することを条件として、電気錠10を解錠する制御を行うものとされている。したがって、ユーザー4が、付与された識別情報5を、第1入力受付部42に入力することにより、電気錠10が解錠され、ユーザー4のトランクルーム管理施設2A(建物2)内への入場が許可される。
【0059】
第2制御部45は、施解錠部材管理部20に接続されている。第2制御部45は、ネットワークを介して情報処理装置50に接続されている。また、第2制御部45は、情報処理装置50からの指令に基づき施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの取り出しを許容する制御、又は、施解錠部材Kを発行する制御を行うことができる。また、第2制御部45は、第2入力受付部46を有している。
【0060】
第2入力受付部46は、施解錠部材管理部20においてユーザー4による識別情報5の入力を受け付けることができる。第2入力受付部46は、電子キー30との通信が可能な通信端末として提供されている。また、第2入力受付部46は、タッチパネルやキーボードを備え、ユーザー4による識別情報5の直接的な入力を受け付け可能に構成されている。なお、第1入力受付部42は、通信端末、タッチパネル、及びキーボードの少なくとも1つを備えるものとすることができる。
【0061】
第2入力受付部46に入力された識別情報5は、ネットワークを介して情報処理装置50に送信され、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと照合される。第2制御部45(制御部40)は、第2入力受付部46において受け付けられた識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致することを条件として、登録識別情報5Aに対応する物理キーKの取り出しを許容する制御を行うものとされている。したがって、ユーザー4が、付与された識別情報5を、第2入力受付部46に入力することにより、ロック部Lにおけるロックを解錠するための物理キーKがユーザー4に受け渡される。
【0062】
ここで、例えば、電子キー30を、近距離無線通信可能に形成しておき、近距離無線通信により、第1入力受付部42及び第2入力受付部46に識別情報5を入力可能にしておけば、ユーザー4の手が荷物等で塞がっていても、近距離無線通信により容易に電気錠10を施解錠したり、施解錠部材管理部20における物理キーKの取り出しを許容したりすることができる。また、かかる構成とすることにより、上述した施解錠管理システム1は、直接第1入力受付部42及び第2入力受付部46に直接触れることなく、識別情報5を入力可能であるので、感染症の流行時などにおいて、感染症対策の一手段としての利用が期待できる。
【0063】
以上が、本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システム1の構成であり、次に施解錠管理システム1における識別情報5の付与に係る各種の態様について
図3を参照しながら説明する。
【0064】
本発明の建物の施解錠管理システム1を利用することにより、各種の態様で識別情報5や電子キー30の受け渡しを行うことができる。ユーザー4は、電話での管理会社3への連絡又はWEBサイトを通じて、管理会社3に対して契約(例えば、会員登録)の申請を行うことができる。管理会社3は、WEBサイトを通じた契約、管理会社3へのユーザー4の来社による契約、トランクルーム管理施設2A(店舗2A)での契約、及び契約書のユーザー4への郵送による契約などの態様でユーザー4との契約を締結することができる。
【0065】
管理会社3とユーザー4との契約締結が完了すると、ユーザー4と直接面会して行う契約(管理会社3又はトランクルーム管理施設2Aでの契約)の場合、その場で電子キー30がユーザー4に対して受け渡される。また、ユーザー4との契約が、WEBサイトを通じて行われる場合は、電子キー30のユーザー4への郵送、管理会社3又はトランクルーム管理施設2A(店舗2A)での電子キー30の受け渡しを行うことができる。その他、電子メール等での識別情報5のユーザー4への通知により、電子キー30又は識別情報5を受け渡すこともできる。また、ユーザー4との契約が、契約書の郵送で行われる場合は、記入・押印した契約書が管理会社3に返送された後、管理会社3からユーザー4に電子キー30が郵送される。このように、本発明の建物の施解錠管理システム1を利用することで、多くの態様での識別情報5(電子キー30)の付与が可能となるので、施解錠管理システム1の汎用性が飛躍的に向上する。
【0066】
以上が、建物の施解錠管理システム1における識別情報付与に係る各種の態様であり、次に施解錠管理システム1の連携の概略について、
図4を参照しながら以下に説明する。
【0067】
まず、ユーザー4が、管理会社3に例えば、トランクルーム管理施設2Aのレンタルに関する契約申請を行う。契約申請は、例えばWEBサイトから行うことができる。管理会社3とユーザー4との契約が成立すると、情報処理装置50を介して識別情報5がユーザー4に対して付与される。ユーザー4への識別情報5の付与は、例えば、電子メールによる通知や、識別情報5が付与された電子キー30の受け渡しにより行われる。続いて、ユーザー4の識別情報5に基づいて、第1ドアD1の解錠が行われる。また、ユーザー4の識別情報5に基づいて、施解錠部材管理部20で施解錠部材Kの取り出しの許容、又は施解錠部材Kの発行が行われる。図示を省略するが、施解錠部材Kの取り出しの許容、又は施解錠部材Kの発行により、ユーザー4が、レンタル契約されたトランクルームRの施解錠を自由に行うことができる。
【0068】
以上が、本発明の建物の施解錠管理システム1の一実施形態であり、次に建物の施解錠管理システム1の作用効果について説明する。
【0069】
上述した建物の施解錠管理システム1は、複数の部屋R(トランクルームR)を管理する建物2(トランクルーム管理施設2A)の入口に電気錠10が設けられており、当該電気錠10は、第1入力受付部42で受け付けたユーザー4の識別情報5が登録識別情報5Aと一致することを条件に解錠されるものとされている。したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、建物2内における複数の部屋Rへのユーザー4のアクセスを電気錠10の施解錠管理により、一括で管理できる。そのため、上述した建物の施解錠管理システム1は、建物2のセキュリティ管理を容易に行うことができる。また、上述した建物の施解錠管理システム1は、建物2や部屋Rのセキュリティを確保することができる。
【0070】
また、上述した建物の施解錠管理システム1は、建物2内に入場したユーザー4が、第2入力受付部46において識別情報5を入力(電子キー30を介しての入力、又は直接的な入力)し、当該識別情報5が、登録識別情報5Aと一致することを条件として、登録識別情報5Aに対応する施解錠部材K(例えば、物理キーK)の取り出しを許容する制御、又は施解錠部材K(例えば、印字媒体K)を発行する制御を行うものとされている。したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、施解錠部材Kの取り出しの許容、又は施解錠部材Kの発行を容易に行うことができる。また、建物2内において、施解錠部材Kの取り出しの許容、又は施解錠部材Kの発行が行われるので、ユーザー4が部屋Rの解錠のための鍵を忘れたり、紛失したりすることを抑制できる。
【0071】
また、上述した建物の施解錠管理システム1は、電気錠10の解錠や施解錠部材Kの受け渡しに必要な識別情報5の付与が、予めユーザー4に対して行われるものとされている。すなわち、電気錠10の解錠や施解錠部材Kの受け渡しを、識別情報5の付与によって行うことができるので、ユーザー4は、識別情報5を受け取ることで、容易に電気錠10の解錠や、施解錠部材Kの受け取りを行うことができる。
【0072】
したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、ユーザー4が直接管理会社3等に出向くことなく、建物2や部屋Rの解錠手段を受け渡しできるので、ユーザー4や管理会社3における利便性を高めることができる。したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、上述の実施形態のように、レンタルでトランクルームRを管理するような場合に好ましく利用できる。すなわち、ユーザー4が管理会社3に直接出向かなくても、電気錠10の解錠と、レンタル契約されたトランクルームRの解錠とを行うことができるので、ユーザー4の利便性を高めることができる。
【0073】
また、上述した建物の施解錠管理システム1では、情報処理装置50が、ユーザー4に係る固有情報の入力を受け付ける固有情報入力受付部51と、前記固有情報に基づいてユーザー4に対して識別情報5を付与する識別情報付与部52と、を有しており、固有情報入力受付部51において、前記固有情報の入力を受け付けたことを条件として、識別情報付与部52により識別情報5が付与されるものとされている。
【0074】
したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、ユーザー4に対して円滑に識別情報5を付与できる。ここで、固有情報入力受付部51は、ネットワークを介して接続された情報処理装置50において提供されているので、ユーザー4がネットワーク(例えば、WEBサイト)を介して、固有情報を入力することで、識別情報付与部52からユーザー4に対して識別情報5が付与される。したがって、上述した施解錠管理システム1は、ユーザー4が直接管理会社3等に出向かなくても、電気錠10の解錠に必要な識別情報5の付与や施解錠部材Kの受け渡しを行うことができる。これにより、ユーザー4や管理会社3における利便性向上が期待できる。
【0075】
また、上述した建物の施解錠管理システム1は、識別情報5のユーザー4に対する付与が、情報処理装置50からの電子メールの送信、電子キー30への記録、又は、印字媒体Kへの出力の少なくとも1つにより行われるものとされている。
【0076】
したがって、上述した建物の施解錠管理システム1は、識別情報5のユーザー4に対する付与手段を多様化できる。これにより、ユーザー4に対して、電気錠10の解錠に必要な識別情報5の受け渡しを直接的なものだけではなく間接的なものとすることができる。例えば、上述した建物の施解錠管理システム1は、識別情報5の付与を電子メールの送信とすることにより、ユーザー4が管理会社3に直接出向かなくても、即時にユーザー4に対して識別情報5を付与できる。そのため、ユーザー4における利便性の向上が期待できる。また、ユーザー4が急がない場合は、識別情報5が付与された電子キー30や印字媒体Kをユーザー4に対して郵送等で送付するようにすればよい。また、識別情報5を印字媒体Kに出力する場合は、識別情報5がそのまま出力されるものの他、識別情報5がバーコードやQRコード(登録商標)等として出力されるものであってもよい。
【0077】
また、本実施形態のように、上述した建物の施解錠管理システム1は、情報処理装置50をサーバーとして構成することにより、一括管理を行うことができる。ここで、サーバーは、例えば、情報集約装置として機能したり、遠隔地から情報を参照・更新等したりすることができるものとされている。これにより、上述した建物の施解錠管理システム1は、ユーザー4に対するWEBサービスの提供等を円滑に行うことができる。なお、サーバーには、各種の形態のものが利用できる。
【0078】
以上が、本発明の一実施形態に係る建物の施解錠管理システム1の作用効果であり、次に、施解錠管理システム1を用いた施解錠管理方法について、
図5のフロー図を参照しながら以下に説明する。なお、以下の説明においては、新規のユーザー4に対して識別情報5が付与されるものとして、説明していることに留意されたい。
【0079】
施解錠管理システム1の動作が開始されると、ユーザー4に係る固有情報の入力を固有情報入力受付部51で受け付ける固有情報入力受付工程が実行される(ステップS10)。続いて、受け付けた前記固有情報に基づいてユーザー4に対して識別情報5が、識別情報付与部52において付与される(識別情報付与工程、ステップS11)。また、ステップS11における識別情報5の付与に伴い、識別情報5を登録識別情報5Aとして、識別情報登録部53において登録する識別情報登録工程が実行される(ステップS12)。
【0080】
続いて、第1入力受付部42において、ユーザー4による識別情報5の入力を受け付ける第1識別情報入力受付工程が実行される(ステップS13)。
【0081】
ステップS13に続いて、第1入力受付部42において、受け付けた識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致するか否かの判定を行う第1識別情報判定工程が実行される(ステップS14)。
【0082】
ステップS14において、識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致しない場合は、処理がステップS13の第1識別情報入力受付工程に戻される。
【0083】
ステップS14において、第1識別情報入力受付工程で受け付けた識別情報5と、登録識別情報5Aとが一致する場合は、ネットワークを介して制御部40(第1制御部41)に電気錠10の解錠指令が行われる(電気錠解錠工程、ステップS15)。これにより、ユーザー4のトランクルーム管理施設2A内への入場が可能となる。
【0084】
続いて、第2入力受付部46において、ユーザー4による識別情報5の入力を受け付ける第2識別情報入力受付工程が実行される(ステップS16)。
【0085】
ステップS16に続いて、第2入力受付部46において、受け付けた識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致するか否かの判定を行う第2識別情報判定工程が実行される(ステップS17)。
【0086】
ステップS17において、識別情報5が、識別情報登録部53に登録された登録識別情報5Aと一致しない場合は、処理がステップS16の第1識別情報入力受付工程に戻される。
【0087】
ステップS17における第2識別情報判定工程において、登録識別情報5Aと、識別情報5とが一致した場合は、制御部40(第2制御部45)においてネットワークを介して施解錠部材管理部20における所定の施解錠部材K(物理キーK)の取り出しの許容又は施解錠部材K(印字媒体K)の発行に関する制御を行う施解錠部材取り出し許容・発行工程が実行される(ステップS18)。これにより、施錠管理方法の一連の工程が終了する。なお、本発明の施錠管理方法は、上記工程を順次実行するプログラムとして提供することもできる。
【0088】
上記工程が実行された後、ユーザー4がトランクルームR内での用を済ませ、トランクルームRから退室すると、ユーザー4が再びロック部Lを施錠し、施解錠部材Kが物理キー25である場合は、物理キーKを施解錠部材管理部20に返却する。その後、ユーザー4が、トランクルーム管理施設2Aから退場する。ユーザー4がトランクルーム管理施設2Aから退場すると、電気錠10が施錠される。上記の工程が、複数のユーザー4毎に実行される。なお、既に識別情報5が付与されたユーザー4においては、ステップS13の第1識別情報入力受付工程から施解錠管理方法を実行するとよい。また、施解錠部材Kが物理キーKである場合は、ユーザー4がトランクルーム管理施設2Aから退場する際に、物理キーKが返却されているかの確認を実施するようにしてもよい。
【0089】
以上が、本発明の一実施形態に係る施解錠管理方法であり、次に、施解錠管理方法の作用効果について、以下に説明する。
【0090】
上述した施解錠管理方法は、固有情報入力受付工程においてユーザー4による固有情報を情報処理装置50で受け付けた後、識別情報付与工程においてユーザー4に対して識別情報5が付与されるので、ユーザー4が、直接管理会社に出向かなくても、電気錠10の解錠に必要な識別情報5の付与や施解錠部材Kの受け渡しを行うことができる。そのため、ユーザー4や管理会社3の利便性向上が期待できる。
【0091】
また、上述した施解錠管理方法は、第1識別情報入力受付工程でユーザー4から受け付けた識別情報5が、第1識別情報判定工程において、登録識別情報5Aと一致することを条件として、ネットワークを介して制御部40に電気錠10の解錠指令を行う電気錠解錠工程が行われる。したがって、上述した施解錠管理方法は、ユーザー4の建物2への入退場を電気錠10によって管理できる。これにより、上述した施解錠管理方法は、建物2の入退場に係るセキュリティを高めることができる。
【0092】
また、上述した施解錠管理方法は、第2識別情報入力受付工程において、受け付けた識別情報5が、第2識別情報判定工程において、登録識別情報5Aと一致することを条件として、施解錠部材取り出し許容・発行工程が行われる。そのため、建物2に入場し、登録識別情報5Aと一致する第2識別情報を入力したユーザー4のみに施解錠部材Kの受け渡しが行われる。したがって、ユーザー4が管理会社3に出向かなくても、施解錠部材Kを取得できるので、ユーザー4及び管理会社3の利便性を高めることができる。
【0093】
以上が、本発明の一実施形態に係る施解錠管理方法の構成及び作用効果であり、次に本発明の変形例1に係る建物の施解錠管理システム1について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成部品は、同様の符号を付していることに留意されたい。
【0094】
≪変形例1≫
本発明の変形例1に係る建物の施解錠管理システム1では、識別情報5の構成が異なる以外の構成は、上述した実施形態と同様であるので、同様部分の説明を省略する。
【0095】
本発明の変形例1に係る建物の施解錠管理システム1は、電気錠10の解錠に必要とされる登録識別情報5Aが、第1登録識別情報として識別情報登録部53に登録されている。また、施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの取り出しを許容するのに必要とされる登録識別情報5Aが、第1登録識別情報とは異なる第2登録識別情報として識別情報登録部53に登録されている。
【0096】
本発明の変形例1に係る建物の施解錠管理システム1において、制御部40(第1制御部41)は、第1入力受付部42において受け付けられた識別情報5が、前記第1登録識別情報と一致することを条件として、電気錠10を解錠する制御を行うものとされている。また、制御部40(第2制御部45)は、第2入力受付部46において受け付けられた識別情報5が、識別情報登録部53に登録された前記第2登録識別情報と一致することを条件として、前記第2登録識別情報に対応する施解錠部材Kの取り出しを許容する制御又は施解錠部材Kを発行する制御を行うものとされている。
【0097】
このように、変形例1に係る施解錠管理システム1は、電気錠10の解錠に必要とされる識別情報(第1登録識別情報)と、施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの取り出し、又は施解錠部材Kの発行に必要とされる識別情報(第2登録識別情報)とが異なるものとされている。そのため、変形例1に係る施解錠管理システム1では、より一層のセキュリティの向上が期待できる。ここで、上述した変形例1に係る施解錠管理システム1は、第1登録識別情報及び第2登録識別情報における一部(例えば、識別符号又はパスワード)を共通のものとすることにより、認証におけるセキュリティを高めつつ、ユーザー4や管理会社3における利便性を確保できる。
【0098】
以上が、本発明の変形例1に係る建物の施解錠管理システム1の構成及び作用効果であり、次に、本発明の変形例2に係る建物の施解錠管理システム100について
図6及び
図7を参照しながら以下に説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成部品は、同様の符号を付していることに留意されたい。
【0099】
≪変形例2≫
本発明の変形例2に係る建物の施解錠管理システム100では、カメラC1~C3が設けられている以外の構成は、上述した実施形態と同様であるので、同様部分の説明を省略する。
【0100】
本発明の変形例2に係る建物の施解錠管理システム100は、第1ドアD1、第2ドアD2、及び施解錠部材管理部20の周辺にカメラC1,C2,C3(総称して、カメラCとも称する)が配されている。カメラCは、例えば、静止画又は動画(以下、単に画像とも称する)を撮影することができる。カメラCで撮影された画像は、ネットワークを介して制御部40に送信される。制御部40は、画像処理により、前記画像から例えば、撮影された人物の顔認証を行ない、撮影された人物がユーザー4であるか否かの認証を行うことができる。なお、本実施形態では、前記画像が、制御部40において画像処理され、制御部40においてユーザー4であるか否かの認証が行われるものとしたが、制御部40とは、別途に設けられた画像処理システム等で画像処理や認証が行われるようにしてもよい。また、画像が、情報処理装置50に送信され、画像処理や認証が情報処理装置50で行われるようにしてもよい。
【0101】
このように、変形例2に係る施解錠管理システム100は、カメラCを有するので、ユーザー4の不正利用の抑制や、第三者に対するセキュリティを向上させることができる。また、施解錠管理システム100は、静止画又は動画を用いて顔認証等を行なうことにより、識別情報5と併せて、ユーザー4を特定することもできる。なお、カメラCは、第1ドアD1、第2ドアD2、及び施解錠部材管理部20に直接設けるものや、これらを周辺から撮影できる範囲(例えば、上方や側方など)に設けられているものなど、各種の位置に配置することができる。また、カメラC1,C2,C3は、それぞれ同一のものでもよいし、異なるものとしてもよい。
【0102】
以上が、本発明の建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法の実施形態や変形例1及び変形例2の構成及び作用効果であるが、本発明の建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法は、上述した実施形態には限定されず、各種の変形を行うことができる。
【0103】
本実施形態では、複数の部屋Rが、トランクルームRであり、建物2が、トランクルーム管理施設2Aである場合を例示したが、本発明の建物の施解錠管理システム1,100は、これには限定されず、各種の建物や部屋に利用できる。また、部屋数は、単一のものから複数のものまで各種の部屋数に利用できる。また、本実施形態では第1ドアD1が単数のものを例示したが、第1ドアD1が複数設けられていてもよい。また、建物2は、単一階のものだけではなく、複数階のものでもよい。かかる場合は、複数の第1ドアD1に必要な識別情報5や電子キー30を共通のものとするとよい。これにより、電気錠10の解錠が煩雑になることを抑制できる。また、本実施形態では、建物2自体がトランクルーム管理施設2Aである場合を例示したが、建物2にトランクルーム管理施設2Aを含む複数のテナント(店舗)が設けられていてもよい。また、かかる場合において、建物2が管理会社3以外の者に管理されている場合は、ユーザー4が、建物2に入場(例えば、管理会社3以外の者が管理する鍵を使って入場)した後に、ユーザー4が、識別情報5を用いてトランクルーム管理施設2Aにおける電気錠10を解錠するようにすればよい。
【0104】
また、電気錠10は、上述した実施形態に係るものだけではなく、各種の電気錠10を利用できる。また、本実施形態では、電気錠10が、情報処理装置50からネットワークを介して遠隔で施錠又は解錠されるものとしたが、電気錠10における制御部40(第1制御部41)に、登録識別情報5Aを記憶させるようにしてもよい。かかる場合は、ネットワークや情報処理装置50を介さずに直接的に電気錠10を施錠又は解錠するように制御すればよい。
【0105】
また、本実施形態では、制御部40を第1制御部41と第2制御部45とに分離して形成したが、制御部40は、単一のものや、例えば機能毎に3つ以上に分割して形成されていてもよい。また、ネットワークは、インターネット6に接続されていることが望ましいが、インターネット6に接続されていないものでもよい。
【0106】
本実施形態では、情報処理装置50が、固有情報入力受付部51において、固有情報の入力を受け付けたことを条件として、識別情報付与部52により識別情報5が付与されるものとしたが、識別情報5は、情報処理装置50により付与されるものだけではなく、固有情報に基づき、人為的に付与されるものとしてもよい。かかる場合は、付与された識別情報5を登録識別情報5Aとして、情報処理装置50に入力すればよい。
【0107】
また、本実施形態では、識別情報5のユーザー4に対する付与が、情報処理装置50からの電子メールの送信、電子キー30への記録、又は、印字媒体Kへの出力により行われるものとしたが、識別情報5の付与は、これには限定されず、各種の手段により行うことができる。また、識別情報5の付与は、単一の手段で行われるものだけではなく、複数の手段の組み合わせで行われてもよい。また、識別情報5及び登録識別情報5Aは、識別符号と、パスワードとで構成されているものだけではなく、各種の態様で構成することができる。また、電気錠10の解錠に必要とされる登録識別情報5Aと、施解錠部材管理部20における施解錠部材Kの取り出しを許容するのに必要とされる登録識別情報5Aは、同一のものであってもよいし、それぞれ異なるものであってもよい。
【0108】
本実施形態では、電子キー30が、近距離無線通信可能なワイヤレスカードキーである場合を例示したが、電子キー30は、磁気ストライプやバーコード等が形成された非ワイヤレスタイプのカードキーやカード形式ではないワイヤレスキーであってもよい。また、識別情報5は、電子キー30で提供されるものだけではなく、スマートフォン等のモバイル端末の画面にバーコードやQRコード(登録商標)として表示させるものであってもよい。かかる場合は、第1入力受付部42及び第2入力受付部46において当該バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るようにするとよい。
【0109】
本実施形態では、施解錠部材Kとして物理キーKを用いているが、施解錠部材Kは、物理キーKだけではなく、登録識別情報5Aが記録された電子キー、又は、登録識別情報5Aが出力された印字媒体(例えば、紙媒体)であってもよい。また、施解錠部材Kとして電子キーを用いる場合は、電気錠10の解錠と共通の電子キーとしてもよい。また、ロック部Lは、施解錠部材Kの構成に応じて、適宜、変更すればよい。例えば、ロック部Lを電気錠として構成した場合は、施解錠部材Kを電子キーや登録識別情報5Aが印刷された紙媒体とすることができる。また、第1入力受付部42及び第2入力受付部46は、電子キー30による通信等で識別情報5が入力されるものだけではなく、識別情報5がタイピング等で直接的又は間接的に入力されるものであってもよい。
【0110】
本実施形態では、情報処理装置50が、サーバーとして構成されているが、これには限定されず、情報処理装置50は、様々な態様で設けることができる。例えば、情報処理装置50が端末装置として設けられていてもよい。また、情報処理装置50は、管理会社3に設置するものだけではなく、各所に設置することができる。例えば、情報処理装置50がクラウドサーバーとして配置され、管理会社3の従業員等の端末装置(PC等)が情報処理装置50に通信可能に接続されていてもよい。
【0111】
本変形例2では、第1ドアD1、第2ドアD2、及び施解錠部材管理部20のそれぞれの周辺にカメラC1,C2,C3が配された構成としたが、カメラCは、必要に応じて設ければよく、設ける場合の台数も単一のものから複数のものまで各種の台数のカメラを配することができる。また、カメラCを設ける場所は、上記のものに限定されず、必要に応じて各所に設けることができる。例えば、カメラCは、部屋Rの内部に設けられていてもよい。また、カメラCで撮影する画像も静止画によるものや動画によるものなど各種の画像を採用することができる。また、カメラCで撮影された画像も顔認証で解析されるものだけではなく、画像を用いて単に監視するだけのものとしてもよい。
【0112】
以上が、本発明に係る建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の建物の施解錠管理システム及び施解錠管理方法は、トランクルーム、レンタル収納スペース、及びミーティングルーム等を管理する各種の管理施設(建物)における各種の鍵(電気錠や物理キー)の施解錠管理に利用できる。
【符号の説明】
【0114】
1 :施解錠管理システム
2 :建物
2A:トランクルーム管理施設(店舗)
3 :管理会社
4 :ユーザー
5 :識別情報
5A:登録識別情報
10 :電気錠
20 :施解錠部材管理部
30 :電子キー
40 :制御部
42 :第1入力受付部
46 :第2入力受付部
50 :情報処理装置
51 :固有情報入力受付部
52 :識別情報付与部
53 :識別情報登録部
100 :施解錠管理システム
K :施解錠部材(物理キー,印字媒体)
L :ロック部
R :トランクルーム(部屋)
C1 :カメラ
C2 :カメラ
C3 :カメラ