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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081325
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】負荷時タップ切換器
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H01F29/04 502A
H01F29/04 502Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194857
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】江口 直紀
(72)【発明者】
【氏名】片山 洋子
(57)【要約】
【課題】コストを抑制することができる負荷時タップ切換器を提供することである。
【解決手段】実施形態の負荷時タップ切換器は、切換開閉器と、槽体と、蓋体と、駆動軸と、限流抵抗器と、下部シールドと、上部シールドと、を持つ。槽体は、切換開閉器を内側に収容する。蓋体は、槽体の上部の開口を閉塞する。駆動軸は、槽体の外側に配置され、切換開閉器を駆動する。限流抵抗器は、切換開閉器の上部に集約して配置される。下部シールドは、切換開閉器に対して着脱可能であり、限流抵抗器の上部を覆い、上面の中央部が平面である。上部シールドは、蓋体の下部に固定され、下面の中央部が平面である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切換開閉器と、
前記切換開閉器を内側に収容する槽体と、
前記槽体の上部の開口を閉塞する蓋体と、
前記槽体の外側に配置され、前記切換開閉器を駆動する駆動軸と、
前記切換開閉器の上部に集約して配置された限流抵抗器と、
前記切換開閉器に対して着脱可能であり、前記限流抵抗器の上部を覆い、上面の中央部が平面である下部シールドと、
前記蓋体の下部に固定され、下面の中央部が平面である上部シールドと、を有する、
負荷時タップ切換器。
【請求項2】
前記下部シールドを前記切換開閉器に向けて押すことにより前記下部シールドを前記切換開閉器に対して着脱可能とするプッシュロック機構をさらに有する、
請求項1に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項3】
前記プッシュロック機構は、前記下部シールドおよび前記切換開閉器の中央部に配置され、
前記下部シールドは、周縁部に等角度間隔で配置され下方に伸びる足部を有する、
請求項2に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項4】
前記下部シールドは、中央部から下方に伸びる中央筒を有し、
前記下部シールドは、上端部が前記中央筒に固定され鉛直方向に伸縮可能な弾性部材を有する、
請求項3に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項5】
前記下部シールドは、上端部が前記足部に固定され鉛直方向に伸縮可能な弾性部材を有する、
請求項3に記載の負荷時タップ切換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、負荷時タップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切換器は、変圧器の運転中にタップを切り換える。負荷時タップ切換器には、コストを抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/085288号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、コストを抑制することができる負荷時タップ切換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の負荷時タップ切換器は、切換開閉器と、槽体と、蓋体と、駆動軸と、限流抵抗器と、下部シールドと、上部シールドと、を持つ。槽体は、切換開閉器を内側に収容する。蓋体は、槽体の上部の開口を閉塞する。駆動軸は、槽体の外側に配置され、切換開閉器を駆動する。限流抵抗器は、切換開閉器の上部に集約して配置される。下部シールドは、切換開閉器に対して着脱可能であり、限流抵抗器の上部を覆い、上面の中央部が平面である。上部シールドは、蓋体の下部に固定され、下面の中央部が平面である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】負荷時タップ切換器の断面図。
図2】槽体の上半部の断面図。
図3】実施形態の下部シールドの斜視図。
図4】下部シールドおよび切換開閉器の分解断面図。
図5】プッシュロック機構の第1動作説明図。
図6】プッシュロック機構の第2動作説明図。
図7】プッシュロック機構の第3動作説明図。
図8】プッシュロック機構の第4動作説明図。
図9】プッシュロック機構の第5動作説明図。
図10】プッシュロック機構の第6動作説明図。
図11】実施形態の変形例の下部シールドの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の負荷時タップ切換器を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の負荷時タップ切換器10の斜視図である。負荷時タップ切換器10は、変圧器の運転中にタップを切り換える。負荷時タップ切換器10は、変圧器本体1のタンク5の内部に配置される。負荷時タップ切換器10は、タンク5の上面の開口5aを通って、タンク5の内部に挿入される。
【0008】
負荷時タップ切換器10は、タップ選択器11と、切換開閉器30と、を有する。
タップ選択器11は、変圧器のタップを選択する。切換開閉器30は、選択されたタップに回路を切り換える。負荷時タップ切換器10の下半部にタップ選択器11が配置され、上半部に切換開閉器30が配置される。
【0009】
負荷時タップ切換器10は、槽体20と、頭部22と、蓋体23と、フランジ24と、を有する。
槽体20は円筒状である。切換開閉器30は、槽体20の内側に収容される。槽体20の下端部は底板により閉塞される。切換開閉器30は、槽体20の底板に固定される。頭部22は、槽体20の上端部に接続される。頭部22は開口する。蓋体23は、槽体20および頭部22の開口を閉塞する。槽体20は密閉され、槽体20の内部に絶縁油または絶縁ガス(以下、絶縁油等と言う場合がある。)が充填される。蓋体23は、頭部22に対して着脱可能である。フランジ24は、頭部22の外周から径方向の外側に伸びる。フランジ24は、タンク5の開口5aを閉塞する。タンク5は密閉され、タンク5の内部に絶縁油等が充填される。絶縁油等は、電気絶縁性および消弧性が高い。
【0010】
負荷時タップ切換器10は、歯車機構13と、駆動軸14と、動力導入部15と、を有する。
歯車機構13は、電動操作機構(不図示)が発生させた動力を減速して、駆動軸14に伝達する。歯車機構13は、頭部22の径方向の外側に配置され、フランジ24に固定される。駆動軸14の上端部は、歯車機構13に連結される。駆動軸14は、歯車機構13から下方に伸びる。駆動軸14の下端部は、動力導入部15に連結される。動力導入部15は、槽体20とタップ選択器11との間に配置される。動力導入部15は、駆動軸14から伝達された動力を、切換開閉器30およびタップ選択器11に導入する。切換開閉器30およびタップ選択器11は、駆動軸14から伝達された動力により動作する。
【0011】
切換開閉器30は、3相交流の各相について、一対のタップ端子の接続を切り換える。切換開閉器30は、限流抵抗器32と、天板31と、を有する。
限流抵抗器32は、3相の一対のタップ端子ごとに設置され、タップ端子の接続時の突入電流を制限する。天板31は、切換開閉器30の上部に配置される。複数の限流抵抗器32が、天板31の上面に集約して配置される。複数の限流抵抗器32が、水平方向である周方向に並んで配置される。
【0012】
駆動軸14が槽体20の内側に配置されると、駆動軸14と槽体20との間に限流抵抗器32が配置されることになる。この場合には、複数の限流抵抗器32が上下方向に並んで配置されるので、切換開閉器30が上下方向に高くなる。実施形態では、駆動軸14が槽体20の外側に配置される。複数の限流抵抗器32が水平方向に並んで配置されるので、切換開閉器30が上下方向に低くなる。
【0013】
切換開閉器30のメンテナンス作業を実施する場合には、図2に示される頭部22から蓋体23が取り外される。槽体20の内部から絶縁油等が抜油(回収)される。槽体20の内部に切換開閉器30を配置したままで、切換開閉器30のメンテナンス作業が実施される。頭部22の開口から切換開閉器30を上方に引き上げて、タンク5の外側で切換開閉器30のメンテナンス作業が実施される場合もある。
【0014】
切換開閉器30は槽体20の内側に収容される。そのため、タンク5の絶縁油等を抜油することなく、槽体20の絶縁油等を抜油するだけで、切換開閉器30のメンテナンス作業を実施することができる。歯車機構13は、フランジ24に固定され、蓋体23に固定されない。歯車機構13を取り外すことなく、蓋体23を取り外して、切換開閉器30のメンテナンス作業を実施することができる。以上により、切換開閉器30のメンテナンス工数が抑制される。また、蓋体23の構造が簡略化され、部品コストが抑制される。
【0015】
上部シールド26および下部シールド40による大地絶縁構造について説明する。
図1に示されるタップ選択器11および切換開閉器30は、タンク5に収容される変圧器(不図示)に接続される。負荷時タップ切換器10の頭部22、蓋体23およびフランジ24は、タンク5に接続される。タンク5は接地される。槽体20の内部において、切換開閉器30と蓋体23との間の電界を緩和して絶縁性を確保するため、大地絶縁構造が導入される。大地絶縁構造は、上部シールド26および下部シールド40で構成される。
【0016】
図2は、槽体20の上半部の断面図である。
上部シールド26は、次述する下部シールド40から中央筒45を除いて、上下反転させたものと同等である。上部シールド26および下部シールド40の部品が共通化され、コストが抑制される。上部シールド26は、シールド本体27と、足部28と、を有する。シールド本体27の下面の中央部は平面である。足部28は、シールド本体27から上方に伸び、蓋体23の下部に固定される。
【0017】
図3は、下部シールド40の斜視図である。
下部シールド40は、アルミニウム等の金属材料により形成される。下部シールド40は、シールド本体41と、足部42と、中央筒45と、を有する。
シールド本体41は、下方に開口するシャーレ状である。シールド本体41の上面の中央部は平面である。シールド本体41の上面と外周面との間には、曲面が形成される。図2に示されるように、シールド本体41は限流抵抗器32の上部を覆う。
【0018】
駆動軸14が槽体20の外側に配置されるので、シールド本体41の上面に駆動軸14の挿通孔を設ける必要がない。駆動軸14の周囲の電界を緩和するため、駆動軸14の挿通孔の周囲におけるシールド本体41の上面に、曲面を形成する必要がない。シールド本体41の上面の中央部は平面である。シールド本体41の形状が単純化され、コストが抑制される。槽体20の内部の電界が緩和される。
【0019】
足部42は、図3に示されるように、シールド本体41の周縁部から下方に伸びる。複数の足部42が、周方向に等角度間隔で配置される。足部42の先端は、図2に示される切換開閉器30の天板31に当接可能である。
【0020】
中央筒45は、図3に示されるように、円筒形状である。中央筒45は、シールド本体41の中心軸と同軸状に配置される。中央筒45は、シールド本体41の中央部から下方に伸びる。中央筒45の内部には、次述されるプッシュロック機構50のレバー52等が配置される。
【0021】
図2に示されるように、上部シールド26および下部シールド40が上下方向に対向配置される。前述されたように切換開閉器30の高さが低いので、上部シールド26と下部シールド40との間隔が大きくなる。前述されたように、上部シールド26のシールド本体27および下部シールド40のシールド本体41の形状が単純化される。以上により、槽体20の内部において、切換開閉器30と蓋体23との間の電界が緩和され、絶縁性が確保される。槽体20の内部の電界を緩和するため、槽体20の外部に外部シールドを設ける必要がない。リング状の外部シールドと槽体20の外周との隙間を一定に調整する作業が不要である。負荷時タップ切換器10のコストが抑制される。
【0022】
プッシュロック機構50について説明する。
図4は、下部シールド40および切換開閉器30の分解断面図である。切換開閉器30のメンテナンス作業を実施する場合に、下部シールド40が切換開閉器30に対して着脱される。メンテナンス作業前に、下部シールド40が切換開閉器30から取り外される。メンテナンス作業後に、下部シールド40が切換開閉器30に取り付けられる。下部シールド40は、プッシュロック機構(ハートカム機構)50により、切換開閉器30に対して着脱可能である。
【0023】
プッシュロック機構50は、レバー52と、水平バネ57と、鉛直バネ59と、ハートカムコマ(ハートカム)62と、を有する。
レバー52は、下部シールド40の中央筒45の内側に配置される。レバー52は、略上下方向に伸びる。レバー52は、上端部に回動軸53を有する。レバー52は、回動軸53を中心に回動可能である。回動軸53は、水平方向に伸び、両端部が中央筒45に支持される。レバー52は、下端部に係合ピン55を有する。係合ピン55は、回動軸53と平行に、レバー52から突出する。レバー52は、上下方向の中間に腕部56を有する。腕部56は、回動軸53に直交する水平方向に、レバー52から伸びる。レバー52を挟んで両側に、一対の腕部56が伸びる。
【0024】
水平バネ57は、水平方向に伸縮可能である。水平バネ57は、腕部56の周囲に配置される。一対の水平バネ57が、対応する腕部56の周囲に配置される。水平バネ57は、圧縮された状態で、レバー52と中央筒45との間に配置される。
鉛直バネ(弾性部材)59は、上下方向(鉛直方向)に伸縮可能である。鉛直バネ59の上端部は、中央筒45の下端部に固定される。鉛直バネ59の下端部は、切換開閉器30の天板31に当接可能である。
【0025】
切換開閉器30は、天板31の上方に中央穴35を有する。天板31の上方の限流抵抗器32が、中央穴35の周囲に配置されて、限流抵抗器32の中央に中央穴35が形成される。中央穴35は、切換開閉器30の中心軸と同軸状である。中央穴35の内側の下端部にベースカム61が配置される。ベースカム61は、天板31に固定される。
ハートカムコマ62は、ベースカム61に装着される。ハートカムコマ62の厚さ方向は、レバー52の回動軸53と平行である。ハートカムコマ62の周囲には、レバー52の係合ピン55の通路63が形成される。
【0026】
図5から図10は、プッシュロック機構50の第1から第6動作説明図である。
図5に示されるように、ハートカムコマ62の周縁部には、頂部64と、第1傾斜部67rと、係合溝65と、第2傾斜部67sとが形成される。下部シールド40および切換開閉器30の中心軸CLに対して、r方向およびs方向が以下のように定義される。r方向は、中心軸CLに対してハートカムコマ62の頂部64が位置する方向である。s方向は、中心軸CLに対してハートカムコマ62の係合溝65が位置する方向である。r方向およびs方向は、相互に反対方向である。
【0027】
頂部64は、ハートカムコマ62の上端部にある。頂部64は、中心軸CLからs方向にずれて配置される。
係合溝65は、ハートカムコマ62の下端部にある。係合溝65は、中心軸CLからr方向にずれて配置される。係合溝65は、下方に開口する。係合溝65には、レバー52の係合ピン55が係合可能である。
【0028】
第1傾斜部67rは、頂部64および係合溝65のr方向において、頂部64と係合溝65との間を連結する。
第2傾斜部67sは、頂部64および係合溝65のs方向において、頂部64と係合溝65との間を連結する。
【0029】
図4に示される下部シールド40を切換開閉器30に取り付ける場合の、プッシュロック機構50の動作について説明する。
作業者は、下部シールド40のシールド本体41の上面に、負圧により吸着する吸盤を取り付ける。吸盤の代わりに、磁石を取り付けてもよい。作業者は、吸盤を保持して、下部シールド40の中央筒45を切換開閉器30の中央穴35に挿入する。吸盤を介して下部シールド40を取り扱うことにより、シールド本体41の上面の損傷が抑制される。シールド本体41の周囲における電界の乱れが抑制される。
【0030】
図5に示されるように、レバー52の係合ピン55がハートカムコマ62に当接する。係合ピン55は、ハートカムコマ62の第1傾斜部67rに当接する。
作業者は、下部シールド40を切換開閉器30に向かって下方に押す。
図6に示されるように、係合ピン55が第1傾斜部67rに案内され、レバー52がr方向に回動する。レバー52のr方向にある第1水平バネ57rが圧縮される。
【0031】
図7に示されるように、係合ピン55が第1傾斜部67rの下端部を越えると、第1水平バネ57rがレバー52をs方向に押し戻す。係合ピン55は、ハートカムコマ62の係合溝65に係合する。図4に示される鉛直バネ59の下端部が切換開閉器30の天板31に当接して、鉛直バネ59が圧縮される。以上により、下部シールド40の切換開閉器30への取り付けが完了する。
【0032】
下部シールド40を切換開閉器30から取り外す場合の、プッシュロック機構50の動作について説明する。
作業者は、下部シールド40を切換開閉器30に向かって下方に押す。
図8に示されるように、係合ピン55が係合溝65から抜け出す。第1水平バネ57rがレバー52をs方向に押す。
【0033】
図9に示されるように、係合ピン55が第2傾斜部67sに乗り上げる。図4に示される鉛直バネ59が、下部シールド40を上方に押し上げる。
図10に示されるように、係合ピン55が第2傾斜部67sに案内され、レバー52が上方に移動する。以上により、下部シールド40の切換開閉器30からの取り外しが完了する。
【0034】
図11は、実施形態の変形例の下部シールド40の斜視図である。図3に示される実施形態の下部シールド40では、鉛直バネ59が中央筒45に固定される。図11に示される変形例の下部シールド40では、鉛直バネ59が足部42に固定される。実施形態と同様である点に関する変形例の説明は省略される場合がある。
【0035】
下部シールド40は、複数の足部42の下端部から下方に突出する突部58を有する。鉛直バネ59は、突部58の周囲に配置される。全ての足部42の下端部に、鉛直バネ59が配置される。鉛直バネ59の上端部は、足部42に固定される。鉛直バネ59の下端部は、切換開閉器30の天板に当接可能である。変形例の鉛直バネ59も、実施形態の鉛直バネと同様に機能する。
【0036】
以上に詳述されたように、実施形態の負荷時タップ切換器10は、切換開閉器30と、槽体20と、蓋体23と、駆動軸14と、限流抵抗器32と、下部シールド40と、上部シールド26と、を持つ。槽体20は、切換開閉器30を内側に収容する。蓋体23は、槽体20の上部の開口を閉塞する。駆動軸14は、槽体20の外側に配置され、切換開閉器30を駆動する。限流抵抗器32は、切換開閉器30の上部に集約して配置される。下部シールド40は、切換開閉器30に対して着脱可能であり、限流抵抗器32の上部を覆い、上面の中央部が平面である。上部シールド26は、蓋体23の下部に固定され、下面の中央部が平面である。
【0037】
駆動軸14が槽体20の外側に配置される。上部シールド26および下部シールド40に駆動軸14の挿通孔を設ける必要がない。上部シールド26の下面の中央部が平面である。下部シールド40の上面の中央部が平面である。上部シールド26および下部シールド40の形状が単純化される。負荷時タップ切換器10のコストが抑制される。
【0038】
駆動軸14が槽体20の外側に配置される。複数の限流抵抗器32が、切換開閉器30の上部において、水平方向に並んで配置される。切換開閉器30が上下方向に低くなる。上部シールド26と下部シールド40との間隔が大きくなる。前述されたように、上部シールド26および下部シールド40の形状が単純化される。以上により、槽体20の内部において、切換開閉器30と蓋体23との間の電界が緩和される。槽体20の内部の電界を緩和するため、槽体20の外部に外部シールドを設ける必要がない。負荷時タップ切換器10のコストが抑制される。
【0039】
負荷時タップ切換器10は、下部シールド40を切換開閉器30に向けて押すことにより下部シールド40を切換開閉器30に対して着脱可能とするプッシュロック機構50をさらに有する。
下部シールド40を切換開閉器30に着脱するための取付孔等を、下部シールド40の上面に設ける必要がない。下部シールド40の形状が単純化され、負荷時タップ切換器10のコストが抑制される。簡単な操作で下部シールド40が着脱可能であり、切換開閉器30のメンテナンス作業が容易になる。
【0040】
プッシュロック機構50は、下部シールド40および切換開閉器30の中央部に配置される。下部シールド40は、周縁部に等角度間隔で配置され、下方に伸びる足部42を有する。
下部シールド40の着脱動作および姿勢が安定する。
【0041】
下部シールド40は、中央部から下方に伸びる中央筒45を有する。下部シールド40は、上端部が中央筒45に固定され、上下方向に伸縮可能な鉛直バネ59を有する。
下部シールド40は、上端部が足部42に固定され、上下方向に伸縮可能な鉛直バネ59を有してもよい。
プッシュロック機構50の動作が安定する。
【0042】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、中央部が平面である上部シールド26および下部シールド40を持つ。これにより、負荷時タップ切換器10のコストを抑制することができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
10…負荷時タップ切換器、14…駆動軸、20…槽体、23…蓋体、26…上部シールド、30…切換開閉器、32…限流抵抗器、40…下部シールド、42…足部、45…中央筒、50…プッシュロック機構、59…鉛直バネ(弾性部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11