(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081381
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20240611BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20240611BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240611BHJP
G09F 9/46 20060101ALI20240611BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240611BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1347
G02F1/13 505
G09F9/46 A
G09F9/00 302
G09F9/00 336F
G09F9/30 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194965
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 啓史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 公二
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H088EA45
2H088HA03
2H088HA15
2H088HA18
2H088HA28
2H088JA05
2H088MA20
2H189AA29
2H189AA55
2H189AA70
2H189HA16
2H189JA05
2H189LA02
2H189LA05
2H189LA13
2H189LA17
2H189LA20
5C094AA03
5C094AA36
5C094BA43
5C094DA03
5C094EA04
5C094EA07
5G435AA06
5G435BB12
5G435EE26
5G435HH05
(57)【要約】
【課題】液晶表示パネルに表示ムラが発生しにくい表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置DSPは、液晶表示パネルPNLと、液晶表示パネルPNLと貼り合わされており、液晶表示パネルPNLの視野角を調整する視野角制御パネルVPLと、視野角制御パネルVPLを支持する支持体80と、を備える。支持体80が視野角制御パネルVPLを支持している部位の断面視において、液晶表示パネルPNLの側方端は、視野角制御パネルVPLの側方端より内側に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルと貼り合わされており、前記液晶表示パネルの視野角を調整する視野角制御パネルと、
前記視野角制御パネルを支持する支持体と、を備え、
前記支持体が前記視野角制御パネルを支持している部位の断面視において、前記液晶表示パネルの側方端は、前記視野角制御パネルの側方端より内側に位置する、
表示装置。
【請求項2】
前記液晶表示パネルは、
第1基板と、
共通電極および複数の画素電極を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間にある第1液晶層と、を備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記視野角制御パネルは、
第1電極を有する第3基板と、
第2電極を有する第4基板と、
前記第3基板と前記第4基板との間にある第2液晶層と、を備える、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記視野角制御パネルは、
第1電極を有する第3基板、第2電極を有する第4基板、および、前記第3基板と前記第4基板との間にある第2液晶層を有する第1液晶パネルと、
第3電極を有する第5基板、第4電極を有する第6基板、および、前記第5基板と前記第6基板との間にある第3液晶層を有する第2液晶パネルと、を備えている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
バックライトユニットをさらに備え、
前記液晶表示パネル、前記視野角制御パネル、および、前記バックライトユニットは、この順に厚み方向に沿って配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記支持体は、前記視野角制御パネルの前記バックライトユニット側の面における、前記液晶表示パネルの側方端より内側の部位を支持している、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
バックライトユニットをさらに備え、
前記視野角制御パネル、前記液晶表示パネル、および、前記バックライトユニットは、この順に厚み方向に沿って配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記支持体は、前記視野角制御パネルの前記バックライトユニット側の面における、前記液晶表示パネルの側方端より外側の部位を支持している、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記視野角制御パネルは、前記液晶表示パネルの表示面と反対面に貼り合わされており、
前記液晶表示パネルの表示面に貼り合わされている保護パネルをさらに備えている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記視野角制御パネルは、前記液晶表示パネルの表示面に貼り合わされており、
前記視野角制御パネルにおける前記液晶表示パネルが貼り合わされている面と反対面に貼り合わされている保護パネルをさらに備えている、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルの背面側にバックライトユニットを配置し、バックライトユニットからの光を利用して、液晶表示パネルに画像を表示する透過型の表示装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置において、液晶表示パネルに外力が作用することで局部的に応力が発生し、液晶表示パネルが変形すると、液晶表示パネルに表示ムラが発生する恐れがある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、液晶表示パネルに表示ムラが発生しにくい表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルと貼り合わされており、前記液晶表示パネルの視野角を調整する視野角制御パネルと、前記視野角制御パネルを支持する支持体と、を備え、前記支持体が前記視野角制御パネルを支持している部位の断面視において、前記液晶表示パネルの側方端は、前記視野角制御パネルの側方端より内側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る表示装置の平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る表示装置のII-II線に沿う断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の変形例に係る表示装置の断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る表示装置の断面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態の変形例に係る表示装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図面で示すX方向およびY方向は、表示装置DSPに含まれる基板の主面に平行な方向に相当する。X方向の+X側、-X側、Y方向の+Y側、-Y側は、表示装置DSPの側方に相当する。Z方向は、表示装置DSPの厚み方向に相当し、Z方向の+Z側は、表示装置DSPにおいて画像が表示される前面側に相当し、Z方向の-Z側は、表示装置DSPの背面側に相当する。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの平面図である。
図2は、第1実施形態に係る表示装置DSPのII-II線に沿う断面図である。表示装置DSPは、液晶表示パネルPNLと視野角制御パネルVPLと、バックライトユニットILと、収納ケース70と、支持体80と、を備えている。
【0012】
液晶表示パネルPNL、視野角制御パネルVPL、および、バックライトユニットILは、この順に前面側から背面側に向けて厚み方向に沿って配置されている。視野角制御パネルVPLは、液晶表示パネルPNLの表示面DSと反対面(すなわち背面)に貼り合わされている。
【0013】
図3は、液晶表示パネルPNLの断面図である。液晶表示パネルPNLは、横電界方式(例えばFFS(Fringe Field Switching)方式)の液晶ディスプレイである。なお、液晶表示パネルPNLの駆動方式は、FFS方式以外のIPS方式でもよいし、TN(Twisted Nematic)方式およびVA(Vertical Alignment)方式などの縦電界方式でもよい。
【0014】
液晶表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1液晶層LC1と、を備えている。第1液晶層LC1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、液晶分子を封止するシールSE1を有している。
【0015】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2の前面側に位置している。第1基板SUB1は、絶縁基板10と、配向膜AL1と、を備えている。配向膜AL1は、第1液晶層LC1に接触している。
【0016】
第2基板SUB2は、絶縁基板20と、配向膜AL2と、絶縁膜21と、共通電極CEと、複数の画素電極PEと、を備えている。配向膜AL2は、第1液晶層LC1に接触している。
【0017】
共通電極CEは、絶縁基板20と絶縁膜21との間に設けられている。複数の画素電極PEは、絶縁膜21と配向膜AL2との間に設けられている。
【0018】
液晶表示パネルPNLにおいて画像を表示する表示領域DAにおいて、複数の画素電極PEは、絶縁膜21を介して1つの共通電極CEに重畳している。画素電極PEおよび共通電極CEは、第1液晶層LC1に電圧を印加するように制御される。
【0019】
なお、
図3では液晶表示パネルPNLの主要部のみが簡素化して図示されており、液晶表示パネルPNLは、図示されていない部材をさらに備えている。例えば、第1基板SUB1は、遮光層、カラーフィルタ層、オーバーコート層、スペーサなどを備えている。また、第2基板SUB2は、複数の走査線、複数の信号線、各画素電極PEと電気的に接続されるスイッチング素子、各種絶縁膜などを備えている。
【0020】
また、液晶表示パネルPNLは、第1偏光板POL1と、第2偏光板POL2と、をさらに備えている。第1偏光板POL1は、絶縁基板10の前面側に配置されている。第2偏光板POL2は、絶縁基板20の背面側に配置されている。第1偏光板POL1の第1透過軸および第2偏光板POL2の第2透過軸は、Z方向と直交している。また、第1偏光板POL1の第1透過軸と第2偏光板POL2の第2透過軸とは、互いに直交している。
【0021】
図4は、視野角制御パネルVPLの断面図である。視野角制御パネルVPLは、液晶表示パネルPNLの視野角を調整する。視野角制御パネルVPLは、第1液晶パネルLPL1と、第2液晶パネルLPL2と、を備えている。
【0022】
第1液晶パネルLPL1は、縦電界方式(例えばTN方式)の液晶パネルである。第1液晶パネルLPL1は、第3基板SUB3と、第4基板SUB4と、第2液晶層LC2と、を備えている。
【0023】
第2液晶層LC2は、第3基板SUB3と第4基板SUB4との間に保持され、液晶分子を封止するシールSE2を有している。第2液晶層LC2は、後述するように、直線偏光である偏光成分の偏光軸を回転させる旋光能を有している。
【0024】
第3基板SUB3は、第4基板SUB4の前面側に位置している。第3基板SUB3は、絶縁基板30と、第1透光性電極TE1と、配向膜AL3と、を備えている。
【0025】
第1透光性電極TE1は、視野角を制御するための有効領域AA1において、絶縁基板30と配向膜AL3との間に設けられている。配向膜AL3は、第2液晶層LC2に接触している。
【0026】
第4基板SUB4は、絶縁基板40と、第2透光性電極TE2と、配向膜AL4と、を備えている。第2透光性電極TE2は、有効領域AA1において、絶縁基板40と配向膜AL4との間に設けられている。配向膜AL4は、第2液晶層LC2に接触している。
【0027】
第1透光性電極TE1は、第2液晶層LC2を介して第2透光性電極TE2に重畳している。第1透光性電極TE1および第2透光性電極TE2は、第2液晶層LC2に電圧を印加するように制御される。第1透光性電極TE1および第2透光性電極TE2の各々は、例えば単一のシート状電極であるが、第1方向Xおよび第2方向Yの少なくとも一方に沿って複数個に分割された電極であってもよい。
【0028】
第2液晶パネルLPL2は、第1液晶パネルLPL1と同様に構成されている。具体的には、第2液晶パネルLPL2は、縦電界方式(例えばTN方式)の液晶パネルであり、第5基板SUB5と、第6基板SUB6と、第3液晶層LC3と、を備えている。
【0029】
第5基板SUB5、第6基板SUB6、第3液晶層LC3、および、有効領域AA2は、それぞれ、第1液晶パネルLPL1の第3基板SUB3、第4基板SUB4、第2液晶層LC2、および、有効領域AA1と同様に構成されている。第3液晶層LC3において、シールSE3は、シールSE2と同様に構成されている。
【0030】
第5基板SUB5が備えている絶縁基板50、第3透光性電極TE3、および、配向膜AL5は、それぞれ、第3基板SUB3の絶縁基板30、第1透光性電極TE1、および、配向膜AL3と同様に構成されている。
【0031】
第6基板SUB6が備えている絶縁基板60、第4透光性電極TE4、および、配向膜AL6は、それぞれ、第4基板SUB4の絶縁基板40、第2透光性電極TE2、および、配向膜AL4と同様に構成されている。
【0032】
また、液晶表示パネルPNLと、第1液晶パネルLPL1と、第2液晶パネルLPL2との関係に着目すると、第1液晶層LC1、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3は、Z方向において互いに重畳している。また、表示領域DA、有効領域AA1および有効領域AA2は、Z方向において互いに重畳している。複数の画素電極PEは、第1透光性電極TE1、第2透光性電極TE2、第3透光性電極TE3、および、第4透光性電極TE4とZ方向において互いに重畳している。
【0033】
なお、絶縁基板10、20、30、40、50、60は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。共通電極CE、画素電極PE、第1透光性電極TE1、第2透光性電極TE2、第3透光性電極TE3、および、第4透光性電極TE4は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透光性電極である。配向膜AL1、AL2,AL3,AL4,AL5,AL6は、X-Y平面と平行な配向規制力を有する水平配向膜である。
【0034】
また、視野角制御パネルVPLは、第3偏光板POL3と、第4偏光板POL4と、第5偏光板POL5と、偏光軸回転素子100と、をさらに備えている。第3偏光板POL3は、第1液晶パネルLPL1の前面側に配置されている。第4偏光板POL4は、第1液晶パネルLPL1と第2液晶パネルLPL2との間に配置されている。第5偏光板POL5は、第2液晶パネルLPL2の背面側に配置されている。偏光軸回転素子100は、第3偏光板POL3の前面側に配置されている。
【0035】
第3偏光板POL3、第4偏光板POL4および第5偏光板POL5の透過軸は、それぞれ、Z方向と直交している。第3偏光板POL3の第3透過軸と第5偏光板POL5の第5透過軸とは、互いに平行である。第3透過軸および第5透過軸と、第4偏光板POL4の第4透過軸とは、互いに直交している。さらに、第3透過軸と、第2偏光板POL2の第2透過軸とは、Z方向に沿うZ軸回りにおいて、互いに異なる方位に位置している。
【0036】
偏光軸回転素子100は、第3偏光板POL3から液晶表示パネルPNLに向かう光の偏光軸を回転させる光学シートである。第3偏光板POL3を透過した光は、第3透過軸と平行な偏光軸を有している。偏光軸回転素子100は、第3偏光板POL3を透過した光の偏光軸を、第2偏光板POL2の第2透過軸と整合するように回転させる。
【0037】
なお、偏光軸回転素子100は、単一の光学シートであってもよいし、多層の光学シートであってもよい。また、偏光軸回転素子100は、偏光軸を回転させる機能を発現できるものであればよく、光学シートに限らず、ツイストネマティック液晶素子などの旋光能を有する素子であってもよい。
【0038】
図2に示すように、バックライトユニットILは、光を出力する。バックライトユニットILは、液晶表示パネルPNLに視野角制御パネルVPLを介して光を照射する。バックライトユニットILは、光源と、導光板と、を備えている。光源は、例えばLED(Light Emitting Diode)および蛍光灯などである。導光板は、光源から出力された光を視野角制御パネルVPLに照射させるように案内する。
【0039】
なお、表示装置DSPは、バックライトユニットILを備えなくてもよい。この場合、表示装置DSPは、自然光が液晶表示パネルPNLに照明されるように構成される。
【0040】
このような表示装置DSPにおいて、バックライトユニットILから出射される光(自然光)は、視野角制御パネルVPLを透過し、さらに液晶表示パネルPNLを透過することで、表示面DSに画像が出力される。
【0041】
より具体的には、バックライトユニットILから出射された光は、視野角制御パネルVPLに入射し、第5偏光板POL5を透過する。第5偏光板POL5を透過した光は、第5透過軸と平行な偏光軸を有する直線偏光である。
【0042】
第5偏光板POL5を透過した光は、第3液晶層LC3に入射し、第3液晶層LC3を透過する際に偏光軸が回転する。第3液晶層LC3を透過した光は、第4偏光板POL4に入射する。第4偏光板POL4を透過した光は、第4透過軸と平行な偏光軸を有する直線偏光である。
【0043】
第4偏光板POL4を透過した光は、第2液晶層LC2に入射し、第2液晶層LC2を透過する際に偏光軸が回転する。第2液晶層LC2を透過した光は、第3偏光板POL3に入射する。第3偏光板POL3を透過した光は、第3透過軸と平行な偏光軸を有する直線偏光である。
【0044】
第3偏光板POL3を透過した光は、偏光軸回転素子100に入射し、偏光軸が第2透過軸と平行となるように回転する。偏光軸回転素子100を透過した光は、液晶表示パネルPNLに入射し、第2偏光板POL2を透過する。第2偏光板POL2を透過した光は、第2透過軸と平行な偏光軸を有する直線偏光である。
【0045】
第2偏光板POL2を透過した光は、第1液晶層LC1を透過する際に偏光成分が変調される。第1液晶層LC1を透過した光は、第1偏光板POL1に入射する。第1偏光板POL1を通過した光が表示面DSに画像として出力される。
【0046】
次に、視野角制御パネルVPLが液晶表示パネルPNLの視野角を調整する動作を説明する。第1液晶パネルLPL1および第2液晶パネルLPL2の駆動方式が上記のようにTN方式であり、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3に含まれている液晶分子は、ツイスト配向した状態である。
【0047】
まず、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3に電圧が印加されていない状態について説明する。第2液晶層LC2および第3液晶層LC3に電圧が印加されていない状態では、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3それぞれに含まれる液晶分子の長軸は、Z方向と直交している。
【0048】
これにより、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3において、光の進む方向は変化しない。よって、視野角制御パネルVPLの透過率は、有効領域AA1および有効領域AA2の全体でほぼ等しく、対称性を有している。したがって、液晶表示パネルPNLの視野角も、対称性を有している。
【0049】
一方、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3に電圧が印加されている状態では、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3それぞれに含まれる液晶分子の長軸は、Z方向と直交せずに、X-Y平面と交差するように傾斜している。
【0050】
これにより、第2液晶層LC2および第3液晶層LC3において、液晶分子の長軸の傾きによって、光の進む方向は傾くように変化する。これにより、視野角制御パネルVPLの透過率は、有効領域AA1および有効領域AA2で、非対称性を有する。したがって、液晶表示パネルPNLの視野角も、非対称性を有する。
【0051】
例えば、電圧が印加された状態での第1液晶パネルLPL1の透過率をX方向において-X側と比べて+X側を高くするように、かつ、電圧が印加された状態での第2液晶パネルLPL2の透過率をY方向において-Y側と比べて+Y側を高くするように、視野角制御パネルVPLが構成されている場合における液晶表示パネルPNLの視野角について説明する。
【0052】
第1液晶パネルLPL1および第2液晶パネルLPL2のうち第1液晶パネルLPL1に電圧が印加された場合、X方向において、視野角制御パネルVPLの+X側の透過率は、-X側の透過率より高くなる。よって、X方向において、液晶表示パネルPNLの+X側の視野角は、-X側の視野角より大きくなる。
【0053】
また、第1液晶パネルLPL1および第2液晶パネルLPL2のうち第2液晶パネルLPL2に電圧が印加された場合、Y方向において、視野角制御パネルVPLの+Y側の透過率は、-Y側の透過率より高くなる。よって、Y方向において、液晶表示パネルPNLの+Y側の視野角は、-Y側の視野角より大きくなる。
【0054】
さらに、第1液晶パネルLPL1および第2液晶パネルLPL2の両方に電圧が印加された場合、X-Y平面において、視野角制御パネルVPLの+X側かつ+Y側の透過率は、-X側かつ-Y側の透過率より高くなる、よって、X-Y平面において、液晶表示パネルPNLの+X側かつ+Y側の視野角は、-X側かつ-Y側の視野角より大きくなる。このように、視野角制御パネルVPLは、液晶表示パネルPNLの視野角を切り替えるように調整する。視野角制御パネルVPLによる液晶表示パネルPNLの視野角の調整が、上記のように限定されないことは言うまでもない。
【0055】
なお、視野角制御パネルVPLは、第2液晶パネルLPL2および第5偏光板POL5を有さなくてもよい。また、視野角制御パネルVPLは、単一または複数の光学シートによって構成されてもよい。この場合、液晶表示パネルPNLの視野角は、切り替えられず、任意の視野角に定められる。
【0056】
収納ケース70は、バックライトユニットILを収納する。収納ケース70は、+Z側に開口を有する箱状である。収納ケース70は、例えば金属製である。
【0057】
支持体80は、視野角制御パネルVPLを支持する。支持体80は、例えば金属製である。支持体80は、収納ケース70に取り付けられる縦壁部81と、視野角制御パネルVPLと接触して視野角制御パネルVPLを支持する支持部82と、を有している。
【0058】
支持部82は、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面において、視野角制御パネルVPLの側方端から、液晶表示パネルPNLの側方端より内側の部位を支持する形状である。支持部82は、縦壁部81の+Z側の部位から表示装置DSPの内側に向けてX-Y平面に沿って延びている形状である。これにより、バックライトユニットILの光漏れを抑制することができる。
【0059】
支持部82は、視野角制御パネルVPLを全周に亘って支持する形状でもよいし、視野角制御パネルVPLを周りの一部を支持する形状でもよい。また、支持部82は、液晶表示パネルPNLに接触しない形状である。これにより、支持部82からの外力が液晶表示パネルPNLに作用することが抑制される。
【0060】
また、支持体80が視野角制御パネルVPLを支持している部位の断面視において、液晶表示パネルPNLの側方端は、視野角制御パネルVPLの側方端より内側に位置する。つまり、この断面視において、視野角制御パネルVPLと貼り合わされている液晶表示パネルPNLの部位は、液晶表示パネルPNLの側方端より内側に位置する。これにより、支持体80からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生することを抑制することができる。よって、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0061】
なお、支持部82は、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面において、視野角制御パネルVPLの側方端より内側の部位を支持する形状でもよい。また、支持部82は、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面において、液晶表示パネルPNLの側方端より外側の部位を支持する形状でもよい。そして、支持体80は、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面および側面に接触する断面L字状に形成されてもよく、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面、側面および液晶表示パネルPNL側の面に接触する断面U字状でもよい。さらに、支持体80は、収納ケース70と一体でもよい。
【0062】
また、平面視において、視野角制御パネルVPLと貼り合わされている液晶表示パネルPNLの部位の周縁が、液晶表示パネルPNLと貼り合わされている視野角制御パネルVPLの面の周縁より内側に位置するように、液晶表示パネルPNLおよび視野角制御パネルVPLが構成されてもよい。これにより、支持体80からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0063】
また、上記のように液晶表示パネルPNLの駆動方式は、横電界方式である。横電界方式の液晶表示パネルPNLは、縦電界方式の液晶表示パネルPNLと比べて、局部的な応力の発生による表示ムラが発生しやすい。よって、横電界方式の液晶表示パネルPNLを備える表示装置DSPにおいて、特に、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0064】
<第1実施形態の変形例>
図5は、第1実施形態の変形例に係る表示装置DSPの断面図である。表示装置DSPは、保護パネル90をさらに備えている。保護パネル90は、液晶表示パネルPNLを保護する。保護パネル90は、例えば透光性を有するガラスである。保護パネル90は、液晶表示パネルPNLの表示面DSに貼り合わされている。
【0065】
上記のように、支持体80が視野角制御パネルVPLを支持している部位の断面視において、液晶表示パネルPNLの側方端は、視野角制御パネルVPLの側方端より内側に位置する。これにより、保護パネル90が液晶表示パネルPNLに貼り合わせられる際に、支持体80からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0066】
また、平面視において、保護パネル90と貼り合わされている液晶表示パネルPNLの部位の範囲が、視野角制御パネルVPLと貼り合わされている液晶表示パネルPNLの部位の範囲に含まれるように、液晶表示パネルPNLおよび視野角制御パネルVPLが構成されてもよい。この場合、保護パネル90が液晶表示パネルPNLに貼り合わせられる際に、視野角制御パネルVPLと貼り合わされている液晶表示パネルPNLの部位は、全体で、保護パネル90からの外力を受けることができる。これにより、保護パネル90からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態の表示装置DSPについて、主として上記の第1実施形態と異なる部位について説明する。
【0068】
図6は、第2実施形態に係る表示装置DSPの断面図である。第2実施形態に係る表示装置DSPにおいて、視野角制御パネルVPL、液晶表示パネルPNL、および、バックライトユニットILは、この順に厚み方向に沿って配置されている。視野角制御パネルVPLは、液晶表示パネルPNLの表示面DSに貼り合わされている。これにより、表示装置DSPの外部から液晶表示パネルPNLに外力が作用すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生することを抑制することができる。よって、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0069】
また、支持体80の支持部182は、視野角制御パネルVPLのバックライトユニットIL側の面における、液晶表示パネルPNLの側方端より外側の部位を支持している。つまり、支持部182は、液晶表示パネルPNLから離れた位置にある。よって、支持体80からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0070】
<第2実施形態の変形例>
図7は、第2実施形態の変形例に係る表示装置DSPの要部断面図である。第2実施形態の変形例に係る表示装置DSPにおいて、支持部282は、Z方向に沿って+Z側に延びている形状であり、先端で視野角制御パネルVPLを支持している。
【0071】
また、支持体80は、X-Y平面に沿って表示装置DSPの内側に延びている横壁部283をさらに有している。これにより、バックライトユニットILの光漏れを抑制することができる。
【0072】
さらに、表示装置DSPは、視野角制御パネルVPLにおける液晶表示パネルPNLが貼り合わされている面と反対面に貼り合わされている保護パネル190をさらに有している。保護パネル190は、液晶表示パネルPNLに接触しない。よって、保護パネル190が貼り合わされる際に保護パネル190からの外力によって、液晶表示パネルPNLに局部的に応力が発生すること、ひいては、液晶表示パネルPNLに表示ムラが発生することを抑制することができる。
【0073】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態および各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換および変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
70 収納ケース
80 支持体
90 保護パネル
100 偏光軸回転素子
CE 共通電極
DS 表示面
DSP 表示装置
IL バックライトユニット
LC1 第1液晶層
LC2 第2液晶層
LC3 第3液晶層
LPL1 第1液晶パネル
LPL2 第2液晶パネル
PNL 液晶表示パネル
PE 画素電極
SUB1 第1基板
SUB2 第2基板
SUB3 第3基板
SUB4 第4基板
SUB5 第5基板
SUB6 第6基板
TE1 第1透光性電極(第1電極)
TE2 第2透光性電極(第2電極)
TE3 第3透光性電極(第3電極)
TE4 第4透光性電極(第4電極)
VPL 視野角制御パネル