(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081386
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】表示装置および表示システム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20240611BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240611BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20240611BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240611BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20240611BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240611BHJP
G09G 5/34 20060101ALI20240611BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20240611BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 535
G09G3/34 J
G09G3/20 621E
G09G5/10 B
G09G5/00 550C
G09G3/20 642P
G09G5/34 A
G09G3/20 612U
G09G3/20 642D
G09G5/00 550B
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194975
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】迫 和彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 好浩
(72)【発明者】
【氏名】石原 朋幸
【テーマコード(参考)】
2H193
2H199
5C006
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZD12
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZG48
2H193ZG60
2H193ZP15
2H193ZQ16
2H193ZR20
2H199CA04
2H199CA23
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA75
2H199CA92
2H199CA97
5C006AF45
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC11
5C006BF38
5C006EA01
5C006EC09
5C006EC12
5C006FA54
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080BB06
5C080CC04
5C080DD03
5C080EE19
5C080EE28
5C080KK20
5C080KK43
5C080KK50
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB25
5C182AB33
5C182AC35
5C182AC46
5C182BA14
5C182BA46
5C182BB04
5C182BB12
5C182CA01
5C182CA02
5C182CC15
5C182DA53
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】ローカルディミング処理を実行する表示装置において、光源の輝度が不足することを抑制すること。
【解決手段】表示装置1は、画像を表示する表示領域DAを有する表示パネル20と、表示パネル20に向けて光を出射する複数の光源31を有する光源装置30と、画像の情報を有する画像信号に基づいて表示パネル20を駆動する駆動回路21と、を備え、表示領域DAは、複数の分割領域Ddに分割されており、複数の光源31は、複数の分割領域Ddに対応して配置されており、駆動回路21は、画像信号に基づいて複数の光源31毎に光源31の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の光源31すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、光源装置30を制御し、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて第2点灯制御を選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示領域を有する表示パネルと、
前記表示パネルに向けて光を出射する複数の光源を有する光源装置と、
前記画像の情報を有する画像信号に基づいて前記表示パネルを駆動する駆動回路と、を備え、
前記表示領域は、複数の分割領域に分割されており、
複数の前記光源は、複数の前記分割領域に対応して配置されており、
前記駆動回路は、
前記画像信号に基づいて複数の前記光源毎に前記光源の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の前記光源すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、前記光源装置を制御し、
前記表示パネルの単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて前記第2点灯制御を選択する、
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルが移動することにより、前記表示領域に表示されている前記画像の一部は、前記表示領域内を移動し、
前記所定移動量は、前記表示パネルの移動による前記画像の一部の単位時間あたりの移動量が前記分割領域の大きさ以上となる前記表示パネルの単位時間あたりの移動量である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、
前記画像信号に基づいて複数の前記分割領域それぞれにおいて必要な前記分割領域の光量である必要光量を算出し、
前記第2点灯制御を選択した場合、複数の前記分割領域それぞれの前記必要光量のうち最大の前記必要光量を特定し、複数の前記光源それぞれを点灯させた場合に複数の前記分割領域それぞれにおいて前記分割領域の光量が最大の前記必要光量となる前記光源の輝度である第1全点灯輝度で複数の前記光源それぞれを点灯させる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記駆動回路は、
前記第2点灯制御を選択した場合、前記第2点灯制御を選択した時点から、前記光源の輝度を、前記第1全点灯輝度より小さい前記光源の輝度から前記第1全点灯輝度まで徐々に増加させる、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、
前記光源の輝度を、以下の式(1)に従って前記第1全点灯輝度より小さい前記光源の輝度から前記第1全点灯輝度まで単位時間毎に増加させる、請求項4に記載の表示装置。
Ln+1=Ln+(La-Ln)×K ・・・(1)
式(1)において、Ln+1,Lnは前記光源の輝度であり、LnはLn+1の直前の前記光源の輝度であり、nは1以上の整数であり、Laは前記第1全点灯輝度であり、Kは前記光源の輝度の増加率の減少を表す係数である。
【請求項6】
前記駆動回路は、
前記第2点灯制御を選択している状態から前記第1点灯制御を選択した場合、前記第1点灯制御を選択した時点から、前記光源の輝度を、複数の前記分割領域それぞれにおいて前記分割領域の光量が前記必要光量となる前記光源の輝度まで前記第1全点灯輝度から徐々に低下させる、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記画像を構成する複数の副画素をさらに備え、
前記駆動回路は、
前記第2点灯制御を選択した場合、複数の前記光源すべてを点灯させた場合に複数の前記副画素の輝度が前記副画素の階調の最大値に対応する前記副画素の輝度となる前記光源の輝度に相当する第2全点灯輝度で複数の前記光源それぞれを点灯させる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、
前記第2点灯制御を選択している場合において、前記第2点灯制御が選択された時点から所定時間が経過したことに応じて前記第2点灯制御を終了する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記駆動回路は、
前記第2点灯制御を選択している場合において、前記表示パネルの単位時間あたりの移動量が前記所定移動量より小さいことに応じて、前記第2点灯制御を終了する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記駆動回路は、加速度を検出するセンサの検出値に基づいて前記表示パネルの移動量を算出する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
画像を表示する表示領域を有する表示パネルと、
前記表示パネルに向けて光を出射する複数の光源を有する光源装置と、
前記表示パネルの加速度を検出するセンサと、
前記画像の情報を有する画像信号に基づいて前記表示パネルを駆動する駆動回路と、を備え
前記表示領域は、複数の分割領域に分割されており、
複数の前記光源は、複数の前記分割領域に対応して配置されており、
前記駆動回路は、
前記センサの検出値に基づいて前記表示パネルの単位時間あたりの移動量を算出し、
前記画像信号に基づいて複数の前記光源毎に前記光源の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の前記光源すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、前記光源装置を制御し、
前記表示パネルの単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて前記第2点灯制御を選択する、
表示装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載の表示装置と、
レンズと、を備えている、
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置および表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像を表示する表示領域をする液晶ディスプレイである表示器および表示器に向けて光を出射するバックライトを備え、いわゆるローカルディミング処理を実行する表示装置が開示されている。ローカルディミング処理は、バックライト(光源装置)によって光が出射する出射領域が分割された複数の区画領域に対応して配置されている表示器(表示パネル)に表示される画像に応じて複数の光源毎に光源の輝度を調節する処理である。
【0003】
表示装置は、ローカルディミング処理に基づいて、例えば、輝度が比較的高い高輝度部位および輝度が比較的低い低輝度部位の両方を表示領域に表示される画像が含む場合、低輝度部位が位置する区画領域を照らす光源の輝度を、高輝度部位が位置する区画領域を照らす光源の輝度より小さくする。これにより、低輝度部位が位置する区画領域において複数の副画素の間からの光漏れが抑制されることで、表示領域に表示される画像のコントラストが向上する。
【0004】
また、ローカルディミング処理においては、画像の高輝度部位が表示領域を移動する場合、当該高輝度部位の移動に応じて複数の光源の輝度が調節される。なお、特許文献2にもローカルディミング処理を実行する表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-76831号公報
【特許文献2】特開2013-182268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、上記の表示装置は、ユーザの動きなどによって生じる表示パネルの移動に応じて表示を変更する表示システム(例えばVR(Virtual Reality)システムなど)に用いられている。このような表示システムにおいて、表示パネルが比較的速く移動する場合、表示領域に表示される画像の高輝度部位が比較的速く移動する。このとき、ローカルディミング処理による光源の輝度の調節が遅れることで、高輝度部位が位置する区画領域を照らす光源の輝度が不足する可能性がある。当該光源の輝度が不足する場合、表示領域において光量が不足して高輝度部位の輝度が小さくなり、画像が暗く表示されることがある。
【0007】
本開示は、ローカルディミング処理を実行する表示装置および表示システムにおいて、光源の輝度が不足することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置は、画像を表示する表示領域を有する表示パネルと、前記表示パネルに向けて光を出射する複数の光源を有する光源装置と、前記画像の情報を有する画像信号に基づいて前記表示パネルを駆動する駆動回路と、を備え、前記表示領域は、複数の分割領域に分割されており、複数の前記光源は、複数の前記分割領域に対応して配置されており、前記駆動回路は、前記画像信号に基づいて複数の前記光源毎に前記光源の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の前記光源すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、前記光源装置を制御し、前記表示パネルの単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて前記第2点灯制御を選択する。
【0009】
また、本開示の表示装置は、画像を表示する表示領域を有する表示パネルと、前記表示パネルに向けて光を出射する複数の光源を有する光源装置と、前記表示パネルの加速度を検出するセンサと、前記画像の情報を有する画像信号に基づいて前記表示パネルを駆動する駆動回路と、を備え、前記表示領域は、複数の分割領域に分割されており、複数の前記光源は、複数の前記分割領域に対応して配置されており、前記駆動回路は、前記センサの検出値に基づいて前記表示パネルの単位時間あたりの移動量を算出し、前記画像信号に基づいて複数の前記光源毎に前記光源の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の前記光源すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、前記光源装置を制御し、前記表示パネルの単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて前記第2点灯制御を選択する。
【0010】
また、本開示の表示システムは、上記の表示装置と、レンズと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る表示システムの一例を示す構成図である。
【
図2】
図2は、表示装置とユーザの目との位置関係の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、表示パネルおよび光源装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、表示パネルの回路構成を示す図である。
【
図7】
図7は、光源装置の構成を示す平面図である。
【
図9】
図9は、任意の行番号の分割領域において光源の光量と分割領域の光量との関係を示す図である。
【
図10】
図10は、入力画像と表示画像との関係を示す図である。
【
図11】
図11は、駆動回路が光源の輝度を算出する際に実行するフローチャートである。
【
図12】
図12は、駆動回路が実行する第1点灯制御のフローチャートである。
【
図14】
図14は、任意の行番号の分割領域について分割領域の必要光量を示す図である。
【
図15】
図15は、任意の行番号の分割領域について仮必要輝度に対応する光源の光量の分布を示す図である。
【
図16】
図16は、任意の行番号の分割領域について仮必要輝度に対応する光源の光量の総量の分布を示す図である。
【
図17】
図17は、任意の行番号の分割領域について必要輝度に対応する光源の光量の総量の分布を示す図である。
【
図18】
図18は、ユーザの動きによって変化する表示画像を表示する表示領域を示す図である。
【
図19】
図19は、フレームNの表示画像に対応する小分割領域の必要光量および分割領域の必要光量を示す図である。
【
図20】
図20は、
図19に示すフレームNの分割領域の必要光量に対応する光源の仮必要輝度、光源の必要輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図21】
図21は、駆動回路が実行する第2点灯制御のフローチャートである。
【
図22】
図22は、フレームN+1の表示画像に対応する小分割領域の必要光量および分割領域の必要光量を示す図である。
【
図23】
図23は、
図22に示すフレームN+1の分割領域の必要光量に対応する光源の仮必要輝度、光源の必要輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図24】
図24は、フレームN+2の表示画像に対応する小分割領域の必要光量および分割領域の必要光量を示す図である。
【
図25】
図25は、
図24に示すフレームN+2の分割領域の必要光量に対応する光源の仮必要輝度、光源の必要輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図26】
図26は、本開示の実施形態の第1変形例に係る駆動回路が実行する第2点灯制御のフローチャートである。
【
図27】
図27は、本開示の実施形態の第1変形例に係るフレームN+1の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図28】
図28は、本開示の実施形態の第1変形例に係るフレームN+2の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図29】
図29は、本開示の実施形態の第2変形例に係るフレームN+1の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図30】
図30は、本開示の実施形態の第2変形例に係るフレームN+2の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図31】
図31は、本開示の実施形態の第3変形例に係るフレームN+1の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図32】
図32は、本開示の実施形態の第3変形例に係るフレームN+2の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図33】
図33は、本開示の実施形態の第4変形例に係るフレームN+2の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図34】
図34は、本開示の実施形態の第5変形例に係るフレームN+1の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【
図35】
図35は、本開示の実施形態の第5変形例に係るフレームN+2の分割領域における光源の必要輝度、光源の仮実輝度および光源の実輝度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0013】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る表示システム100の一例を示す構成図である。本実施形態において、表示システム100は、ユーザの動きに伴って表示を変更するシステムである。例えば、表示システム100は、仮想空間上の3次元のオブジェクト等を示す画像を立体表示し、ユーザの頭部の向き(位置)に伴って立体表示を変更することにより、ユーザに仮想現実感を生じさせるVRシステムである。画像は、例えば、コンピュータグラフィック映像および360度の実写映像等の画像を含む。
【0015】
表示システム100は、外部装置200とケーブル300によって電気的に接続されている。外部装置200は、パーソナルコンピュータおよびゲーム機器等の電子機器である。なお、外部装置200は、インターネット上にあるサーバ装置でもよい。表示システム100と外部装置200は無線によって電気的に接続されてもよい。
【0016】
外部装置200は、画像の情報を含む画像信号を表示システム100に出力する。当該画像は、ユーザの両目の視差を利用した互いに異なる2つの画像を有する。当該2つの画像は、ユーザの右目用の画像およびユーザの左目用の画像である。
【0017】
表示システム100は、表示装置1および装着装置2を備えている。装着装置2は、装着部2aおよび2つのレンズ2bを備えている。
【0018】
装着部2aは、ユーザの両目を覆う状態でユーザの頭部に装着される。装着部2aは、例えば、ヘッドセット、ゴーゴル、ヘルメットおよびマスクなどである。装着部2aは、表示装置1を着脱可能に取り付ける。なお、表示装置1は装着部2aに固定されていてもよい。また、装着部2aは、外部装置200から出力される音信号を出力する出力部(不図示)をさらに備えてもよい。
【0019】
図2は、表示装置1とユーザの目Eとの位置関係の一例を示す模式図である。装着部2aは、表示装置1において画像が表示される表示領域DA(後述する)とユーザの目Eとが対向する位置に表示装置1を取り付ける。
【0020】
2つのレンズ2bは、ユーザの両目に対応している。レンズ2bは、表示装置1に表示される画像をユーザの目Eに結像させる拡大レンズである。レンズ2bは、表示装置1とユーザの目Eとの間に配置されている。なお、装着装置2は3つ以上のレンズ2bを備えてもよい。この場合、表示装置1は、ユーザの目Eと対向しない位置に取り付けられてもよい。
【0021】
図3は、表示装置1のブロック図である。表示装置1は、画像分離回路10、第1表示パネル20a、第2表示パネル20b、第1光源装置30a、第2光源装置30b、および、センサ40を備えている。
【0022】
画像分離回路10は、画像の情報を含む画像信号を外部装置200から取得する。画像分離回路10は、右目用の画像の情報を含む画像信号を第1表示パネル20aに出力し、左目用の画像の情報を含む画像信号を第2表示パネル20bに出力する。
【0023】
第1表示パネル20aおよび第2表示パネル20bは、透過型の液晶ディスプレイである。なお、第1表示パネル20aおよび第2表示パネル20bは、例えば、有機ELディスプレイおよび無機ELディスプレイでもよい。第1表示パネル20aにおいて画像が表示される第1表示領域DA1は、ユーザの左目と対向する。第2表示パネル20bにおいて画像が表示される第2表示領域DA2は、ユーザの右目と対向する。
【0024】
第1表示パネル20aの構成および第2表示パネル20bの構成は、互いに同じである。以下、第1表示パネル20aと第2表示パネル20bとを区別せずに説明するときは、単に表示パネル20と称する場合がある。また、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とを区別せずに説明するときは単に表示領域DAを称する場合がある。さらに、第1光源装置30aの構成および第2光源装置30bの構成は互いに同じである。以下、第1光源装置30aと第2光源装置30bとを区別せずに説明するときは、単に光源装置30と称する場合がある。
【0025】
図4は、表示パネル20および光源装置30の斜視図である。図面で示すX方向およびY方向は、表示パネル20に含まれる基板の前面と平行な方向に相当する。X方向の+X側、-X側、Y方向の+Y側、-Y側は、表示パネル20の側方に相当する。Z方向は、表示パネル20の厚み方向に相当し、X方向およびY方向と直交する。Z方向の+Z側は、表示パネル20の前面側に相当し、Z方向の-Z側は、表示パネル20の背面側に相当する。また、本明細書において、「平面視」は、Z方向に沿って+Z側から-Z側に向かって表示パネル20を見ることである。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。
【0026】
表示パネル20は、平面視矩形状の板状であり、表示領域DAを前面に有する。
図3および
図4に示すように、表示領域DAは、X方向およびY方向に沿って行列状に並ぶ複数の分割領域Ddに分割されている。また、
図4に示すように、表示パネル20は、表示領域DAにおいてX方向およびY方向に沿って行列状に並ぶ複数の画素Pを有している。1つの分割領域Ddには複数の画素Pが含まれる。
【0027】
複数の画素Pは、それぞれ、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を有している。第1副画素SP1は赤の副画素SPである。第2副画素SP2は緑の副画素SPである。第3副画素SP3は青の副画素SPである。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3は、X方向に沿ってこの順に並んでいる。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3の配列はいわゆるストライプ配列である。
【0028】
以下、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を区別せずに説明する場合、単に副画素SPと記載する場合がある。なお、副画素SPの配列がストライプ配列に限定されないこと、および、副画素SPの色が上記の色に限定されないことは言うまでもない。
【0029】
図5は、表示パネル20の回路構成を示す図である。表示パネル20は、駆動回路21、ならびに、複数の副画素SPそれぞれが有するスイッチング素子SW、副画素電極PE、共通電極CE、液晶容量LC、および、保持容量KCを備えている。
【0030】
駆動回路21は、画像信号に基づいて表示パネル20を駆動する。駆動回路21は、信号処理回路21a、信号出力回路21b、および、走査回路21cを備えている。
【0031】
信号処理回路21aは、画像分離回路10から出力される画像信号に基づいて、後述する副画素信号を生成し、生成した副画素信号を信号出力回路21bに出力する。また、信号処理回路21aは、信号出力回路21bの動作と走査回路21cの動作とを同期させるクロック信号を信号出力回路21bおよび走査回路21cに出力する。
【0032】
信号出力回路21bは、複数の副画素信号それぞれを対応する副画素SPに出力する。信号出力回路21bと複数の副画素SPとは、Y方向に沿って延びる複数の信号線Lbを介して電気的に接続されている。
【0033】
走査回路21cは、信号出力回路21bによる副画素信号の出力と同期して、複数の副画素SPを走査する。走査回路21cと複数の副画素SPとは、X方向に沿って延びる複数の走査線Lcを介して電気的に接続されている。平面視においてX方向において互いに隣接する2つの信号線LbおよびY方向において互いに隣接する2つの走査線Lcによって区画されている領域が副画素SPに相当する。
【0034】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。スイッチング素子SWにおいて、ソース電極と信号線Lbとが電気的に接続され、ゲート電極と走査線Lcとが電気的に接続されている。
【0035】
副画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極に接続されている。共通電極CEは、複数の走査線Lcに対応して複数配置されている。副画素電極PEおよび共通電極CEは、透光性を有する。
【0036】
液晶容量LCは、副画素電極PEと共通電極CEとの間にある後述する液晶層23の液晶材料の容量成分である。保持容量KCは、共通電極CEと同電位の電極と、副画素電極PEと同電位の電極との間に配置されている。
【0037】
図6は、表示パネル20の断面図である。表示パネル20は、第1基板22、液晶層23、および、第2基板24をさらに備えている。第1基板22、液晶層23、および、第2基板24は、それぞれ透光性を有し、Z方向に沿って-Z側から+Z側に向けて、この順に配置されている。第1基板22および第2基板24は、平面視矩形状である。
【0038】
第1基板22の前面には、駆動回路21を構成するICチップTiが配置されている(
図4参照)。また、第1基板22の前面には、共通電極CEが配置されている。共通電極CEの前面には絶縁層ILが配置され、さらに、絶縁層ILの前面には、副画素電極PE、および、配向膜ALが配置されている。
【0039】
副画素電極PEは、絶縁層ILと配向膜ALとの間に配置されている。このように、共通電極CEと副画素電極PEは、第1基板22に配置されている。つまり、表示パネル20は、横電界方式の液晶ディスプレイである。
【0040】
第2基板24は、第1基板22の前面側に位置する。第2基板24の背面には、カラーフィルタCF、遮光膜SM、および、配向膜ALが配置されている。遮光膜SMおよびカラーフィルタCFは、第2基板24と配向膜ALとの間に配置されている。
【0041】
カラーフィルタCFは、平面視矩形状であり、1つの副画素SPに1つ配置されている。カラーフィルタCFは、透光性を有し、透過させる光のスペクトルのピークが予め定めされている。スペクトルのピークはカラーフィルタCFの色に対応する。カラーフィルタCFの色は副画素SPの色と同じである。つまり、赤の第1副画素SP1は赤のカラーフィルタCFを有し、緑の第2副画素SP2は緑のカラーフィルタCFを有し、青の第3副画素SP3は青のカラーフィルタCFを有する。
【0042】
遮光膜SMは、遮光性を有し、X方向およびY方向において互いに隣接する複数の副画素SPの境界と平面視で重なる。なお、
図6において、信号線Lbおよび走査線Lcの図示は省略されている。信号線Lbおよび走査線Lcは第1基板22の前面に配置されている。
【0043】
液晶層23は、複数の液晶分子LMを含んで構成されている。液晶層23は、第1基板22と第2基板24との間にあり、平面視で表示領域DAと重なる。具体的には、液晶層23は、互いに対向する2つの配向膜ALの間にある。液晶分子LMの向きは、互いに対向する2つの配向膜ALによって規制される。
【0044】
また、表示パネル20は、第1基板22の背面に配置されている第1偏光板25、および、第2基板24の前面に配置されている第2偏光板26をさらに備えている。第1偏光板25は、Z方向と直交する透過軸を有している。第2偏光板26は、第1偏光板25の透過軸およびZ方向と直交する透過軸を有している。第2偏光板26の前面は表示パネル20の前面に相当する。第1偏光板25の背面は表示パネル20の背面に相当する。
【0045】
駆動回路21が画像信号に基づいて副画素信号を副画素SPに出力することで、液晶層23に電界が発生し、液晶分子LMの向きが変化する。これにより、表示パネル20を透過する光が変調されることで表示領域DAに画像が表示される(詳細は後述する)。このように、画素Pに含まれる複数の副画素SPは画像を構成する。
【0046】
図4に示すように、光源装置30は、表示パネル20の背面側に配置されている。具体的には、第1光源装置30aは第1表示パネル20aの背面側に配置されており、第2光源装置30bは第2表示パネル20bの背面側に配置されている。
【0047】
図3に示すように、第1光源装置30aは第1表示パネル20aに向けて光を出射する第1出射領域SA1を前面に有し、第2光源装置30bは第2表示パネル20bに向けて光を出射する第2出射領域SA2を有する。第1出射領域SA1は平面視で第1表示領域DA1と平面視で重なり、第2出射領域SA2は平面視で第2表示領域DA2と平面視で重なる。以下、第1出射領域SA1と第2出射領域SA2とを区別することなく説明するときは単に出射領域SAと称する場合がある。
【0048】
図7は、光源装置30の構成を示す平面図である。出射領域SAは、X方向およびY方向に沿って行列状に並ぶ複数の区分領域Sdを有する。複数の区分領域Sdは、それぞれ正方形状であり、互いに等しい大きさを有する。本実施形態において区分領域Sdの個数は28個である。
【0049】
区分領域Sdの行数は4である。区分領域Sdの行番号を示す変数を「v」とし、最も-Y側に位置する区分領域Sdの行番号を0(すなわちv=0)とする。また、行番号は、-Y側から+Y側に向かうにしたがって、1ずつ増加するものとする。
【0050】
X方向に沿って並ぶ区分領域Sdの列数は7である。区分領域Sdの列番号を示す変数を「h」とし、最も-X側に位置する区分領域Sdの列番号を0(すなわちh=0)とする。また、行番号は、-X側から+X側に向かうにしたがって、1ずつ増加するものとする。
【0051】
光源装置30は、表示パネル20に向けて光を出射する複数の光源31を有する。複数の光源31は、互いに同じ色(例えば白色)の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。複数の光源31は、複数の区分領域Sdに対応して配置されている。本実施形態では1つの区分領域Sdに1つの光源31が配置されている。なお、1つの区分領域Sdに配置される光源31の個数が1つに限定されないことは言うまでもない。
【0052】
図8は、表示領域DAの平面図である。分割領域Ddは、平面視で区分領域Sdと重なる。つまり、複数の分割領域Ddは、それぞれ正方形状であり、区分領域Sdと等しい大きさを有する。よって、本実施形態において分割領域Ddの個数は、区分領域Sdの個数と等しく28個である。
【0053】
分割領域Ddの行数は区分領域Sdの行数と等しく4であり、区分領域Sdと同様に分割領域Ddの行番号を示す変数を「v」とする。さらに、分割領域Ddの列数は区分領域Sdの列数と等しく7であり、区分領域Sdと同様に分割領域Ddの行番号を示す変数を「h」とする。
【0054】
また、複数の分割領域Ddは、それぞれ、複数の小分割領域Dsを有する。小分割領域Dsは、分割領域Ddが複数に区分れた領域である。複数の小分割領域Dsは平面視矩形状であり、X方向およびY方向に沿って行列状に並ぶ。本実施形態において1つの分割領域Ddにおいて、小分割領域Dsの個数は4であり、X方向に沿って並ぶ小分割領域Dsの行数は2であり、Y方向に沿って並ぶ小分割領域Dsの列数は2である。また、複数の小分割領域Dsは、それぞれ、複数の画素Pを含む。なお、区分領域Sd、分割領域Ddおよび小分割領域Dsそれぞれの配置および個数が上記のように限定されないことは言うまでもない。
【0055】
上記のように分割領域Ddは平面視で区分領域Sdと重なる。つまり、複数の光源31は、複数の分割領域Ddに対応して配置されている。
【0056】
図9は、任意の行番号の分割領域Ddにおいて光源31の光量と分割領域Ddの光量との関係を示す図である。
図9において、縦軸は明るさを示し、横軸は任意の行番号の分割領域Ddにおける列番号を示している。つまり、
図9の横軸は任意の行番号の分割領域Ddを1次元で示している。以下の説明は分割領域Ddが1次元の場合についての説明であるが、上記のように分割領域DdはX方向およびY方向に沿って2次元で配置されており、以下の説明は2次元の場合にも適用できる。
【0057】
光源31の光量は、光源31から出射される光の量である。光源31の光量は、光源31の発光部(不図示)の外表面の明るさである光源31の輝度が大きくなるほど大きくなる。光源31の輝度は、0(ゼロ)から第1光源輝度までの範囲で調節可能である。第1光源輝度は、光源31の定格電流値より小さい第1電流値(定格電流値のおよそ50%)に対応する光源31の輝度である。
図9には、光源31の輝度が第1光源輝度である場合における光源31の光量の分布D1が光源31毎に実線にて示されている。
【0058】
図9に示すように、1つの分割領域Ddに対応する光源31の光量の分布は、当該1つの分割領域Ddだけでなく当該1つの分割領域Ddと互いに隣接する分割領域Ddにも及んでいる。このことは、1つの分割領域Ddに対応する光源31の光は、当該1つの分割領域Ddだけでなく当該1つの分割領域Ddと互いに隣接する分割領域Ddにも入射することを示している。つまり、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて複数の光源31の光が合成される。分割領域Ddに入射する複数の光源31の光の総量は、分割領域Ddの光量に相当する。
【0059】
複数の光源31すべての輝度が第1光源輝度である場合、複数の光源31の光が合成されることで、複数の分割領域Ddそれぞれにおける分割領域Ddの光量は第1領域光量Lrとなる。第1領域光量Lrは、第1光源輝度に対応する光源31の光量の最大値である第1光源光量最大値Lm1より大きい。
【0060】
また、光源31の輝度は、第1光源輝度より大きい第2光源輝度に調節可能である。第2光源輝度は、第1電流値より大きく光源31の定格電流値以下の第2電流値(定格電流値のおよそ80%)に対応する光源31の輝度である。
図9には、光源31の輝度が第2光源輝度である場合における光源31の光量の分布D2が破線にて示されている。光源31の輝度が第2光源輝度である場合、当該光源31の光量の最大値である第2光源光量最大値Lm2は、第1領域光量Lrより大きい。光源31の輝度は、通常、第1光源輝度以下で調節される。これにより、光源31の劣化を抑制することができる。
【0061】
図3に示すように、光源装置30は、光源制御回路32をさらに有している。上記の駆動回路21の信号処理回路21a(
図4参照)は、画像分離回路10から出力される画像信号に基づいて、後述する光源信号を生成し、生成した光源信号を光源制御回路32に出力する(詳細は後述する)。さらに、信号処理回路21aは上記のクロック信号を光源制御回路32に出力する。クロック信号によって光源制御回路32の動作と、信号出力回路21bの動作および走査回路21cの動作とが同期する。光源制御回路32は、光源信号に基づいて光源31の輝度を調節する。
【0062】
センサ40は、表示パネル20の動きを検出する。センサ40は、第1表示パネル20aおよび第2表示パネル20bの一方に配置される。なお、センサ40は、装着部2aに配置されてもよい。
【0063】
センサ40は、加速度センサである。センサ40は、例えば、静電容量方式の加速度センサである。センサ40は、表示パネル20が動くことによって生じる表示パネル20の加速度を検出する。また、センサ40は、表示パネル20の向き(具体的には、水平方向に対する表示パネル20の前面の傾斜角度)を検出する。センサ40の検出値は信号処理回路21aに出力される。なお、センサ40は、ジャイロセンサを含んで構成されてもよい。センサ40がジャイロセンサを含む場合、センサ40は、表示パネル20が動くことによって生じる表示パネル20の角速度をさらに検出し、表示パネル20の加速度をさらに精度よく検出することができる。
【0064】
次に、表示パネル20が取り付けられた装着部2aがユーザの頭部に装着されている状態において、表示領域DAに画像が表示されるときの表示装置1の動作の概要について説明する。
【0065】
画像分離回路10は、外部装置200から出力された画像信号を取得し、画像信号を表示パネル20に出力する。信号処理回路21aは、センサ40の検出信号を取得し、表示パネル20の向きを算出する。信号処理回路21aは、表示パネル20の向きに基づいて、画像信号に含まれる画像(以下、入力画像と称する)の情報のうち表示領域DAに表示する入力画像の一部の画像(以下、表示画像と称する)の情報を特定する。換言すれば、表示領域DAには入力画像の一部である表示画像が表示され、表示画像は表示パネル20の向きによって特定される。
【0066】
図10は、入力画像Fと表示画像との関係を示す図である。
図10に示すX方向およびY方向は、表示パネル20のX方向およびY方向に対応している。表示画像は、入力画像Fのうち選択範囲Hで選択された画像に相当する。選択範囲Hは矩形状であり、選択範囲HのX方向長さとY方向長さとの比は、表示領域DAのX方向長さとY方向長さとの比に相当する。
【0067】
例えば、ユーザが正面を向いている状態であり、表示パネル20の前面が水平方向と直交する場合、選択範囲H(
図10に実線にて示す選択範囲H)が入力画像Fの中央部に位置し、選択範囲Hで囲まれている入力画像Fの情報が表示画像の情報として特定される。
【0068】
また、信号処理回路21aは、画像信号に含まれる表示画像の情報に基づいて上記の光源信号および副画素信号を生成する。本実施形態において、表示画像の情報は、副画素SPの階調を含む。信号処理回路21aは、表示画像の情報に基づいて副画素SPの輝度を算出する。副画素SPの階調が大きいほど副画素SPの輝度は大きく算出される。副画素SPの階調と副画素SPの輝度との相関関係は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部(不図示)に格納されている。
【0069】
信号処理回路21aは、算出した副画素SPの輝度に基づいて光源31の輝度(後述する実輝度)を算出する(詳細は後述する)。さらに、信号処理回路21aは、算出した光源31の輝度(実輝度)によって光源31に印加する電圧を算出する。
【0070】
光源信号は、算出された光源31に印加する電圧を含み、信号処理回路21aから光源制御回路32を介して光源31に出力される。光源31は、光源信号に含まれる電圧の値に応じた輝度で発光し、表示パネル20に向けて光を出射する。光源信号に含まれる電圧の値が大きいほど光源31の輝度および表示パネル20に入射する光源31の光の量が大きくなる。
【0071】
また、信号処理回路21aは、算出した副画素SPの輝度および光源31の輝度(実輝度)を用いて副画素SPの透光率(=副画素SPの輝度/光源31の輝度(実輝度))を算出する。さらに、信号処理回路21aは、算出した副画素SPの透光率から副画素電極PEに印加する電圧を算出する。
【0072】
副画素信号は、副画素電極PEに印加する電圧を含み、信号処理回路21aから出力されて信号出力回路21bおよび走査回路21cによって副画素SPに出力される。これにより、副画素信号に含まれる電圧の値に応じた電界が液晶層23に生じて液晶分子LMの向きが変化する。副画素信号に含まれる電圧の値が大きいほど液晶分子LMの傾斜が大きくなり、透光率が大きくなる。
【0073】
これにより、表示パネル20を透過する光源31の光が複数の副画素SPそれぞれで変調されることで表示領域DAに表示画像が表示される。このとき、複数の副画素SPそれぞれの輝度は、信号処理回路21aによって算出された副画素SPの輝度に相当する。
【0074】
また、ユーザが頭部を動かしたことにより、表示パネル20が移動した場合、表示パネル20の位置および表示パネル20の向きが変化する。この場合、信号処理回路21aは、センサ40の検出値に基づいて表示パネル20の移動量を算出する。
【0075】
表示パネル20の移動量は、空間座標における表示パネル20の位置の変化量および表示パネル20の向き(具体的には水平方向に対する表示パネル20の前面の角度)の変化量を含む。センサ40の検出値と表示パネル20の移動量との相関関係は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部に格納されている。
【0076】
さらに、信号処理回路21aは、算出された表示パネル20の移動量に基づいて、表示画像の情報を特定する。例えば、ユーザが正面を向いており且つ入力画像Fの中央部が表示画像として表示領域DAに表示されている状態から、ユーザが右側を向くことでユーザの頭部が旋回した場合、表示パネル20はユーザの正面から右側(+X側)に移動する。
【0077】
この場合、信号処理回路21aは、
図10の矢印で示すように入力画像Fにおいて実線にて示されている選択範囲Hを入力画像Fの中央部から+X側に移動させる。移動後の選択範囲Hは破線にて示されている。表示パネル20の移動量と選択範囲Hの移動量との相関関係は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部に格納されている。
【0078】
このようなユーザの頭部の動きにより、表示領域DAには、入力画像Fにおいて中央部の画像から中央部の右側にある画像の一部まで、表示パネル20の動きに応じて連続して切り替えられて表示される。換言すれば、ユーザが正面から右側を向くことで、表示領域DAに表示される表示画像は+X側から-X側に移動するように連続して切り替わる。つまり、表示領域DAに表示されている表示画像のうち+X側の画像は、表示領域DA内を-X側に移動する。すなわち、表示パネル20が移動することにより、表示領域DAに表示されている画像の一部は、表示領域DA内を移動する。
【0079】
次に、駆動回路21(信号処理回路21a)が光源31の輝度(実輝度)を算出する場合の表示装置1の動作について詳細に説明する。
【0080】
図11は、駆動回路21が光源31の輝度を算出する際に実行するフローチャートである。駆動回路21は、ステップS1で表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であるか否かを判定する。単位時間は表示画像が表示される1フレームの時間に相当する。
【0081】
所定移動量は、表示パネル20の移動によって表示領域DAに表示されている画像の一部の単位時間あたりの移動量が分割領域Ddの大きさ以上となる、表示パネル20の単位時間あたりの移動量である。分割領域Ddの大きさは、分割領域Ddの1辺の長さ(すなわち分割領域DdのX方向の長さ(または分割領域DdのY方向の長さ))である。なお、分割領域Ddの大きさは、区分領域Sdの大きさと等しい。
【0082】
ユーザの頭部の動きが比較的小さいことにより、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量より小さい場合(ステップS1でNO)、駆動回路21は、ステップS2で、第1点灯制御を実行する。第1点灯制御は、駆動回路21が画像信号に基づいて複数の光源31毎に光源31の輝度を調節する制御である。すなわち、第1点灯制御はいわゆるローカルディミング処理を実行する制御である。第1点灯制御において駆動回路21は光源31の輝度を0以上とする。つまり、第1点灯制御において、光源31は、光源31の輝度が0である状態すなわち消灯している状態を含む。
【0083】
図12は、駆動回路21が実行する第1点灯制御のフローチャートである。駆動回路21は、ステップS11で、画像信号に含まれる表示画像の情報を取得する。続けて、駆動回路21は、ステップS12で、光源31の必要輝度算出処理を実行する。
【0084】
図13は、
図12に示す光源31の必要輝度算出処理のフローチャートである。駆動回路21は、ステップS21で小分割領域Dsの必要光量を算出する。
【0085】
小分割領域Dsの必要光量は、小分割領域Dsに含まれる複数の副画素SPの輝度を得るために必要な小分割領域Dsの光量である。分割領域Ddの必要輝度は、小分割領域Dsに含まれる複数の副画素SPの輝度に基づいて複数の分割領域Dd毎に算出される。
【0086】
副画素SPの輝度は、上記のように、駆動回路21がステップS12で取得した表示画像の情報に含まれる副画素SPの階調に基づいて算出される。本実施形態において、副画素SPの階調の最大値に対応する副画素SPの輝度は第1領域光量Lr(
図9参照)と等しい。例えば、副画素SPの階調が最大値であるとき、当該副画素SPに対応する小分割領域Dsの必要光量が第1領域光量Lrとされ、かつ、当該副画素SPの透光率が100%とされることで、当該副画素SPの輝度が第1領域光量Lrとなる。
【0087】
第1点灯制御において、小分割領域Dsに含まれる複数の副画素SPの輝度のうち最大の輝度となる副画素SPを特定し、特定された副画素SPの輝度が小さいほど小分割領域Dsの必要光量は小さく算出される。これにより、特定された副画素SPの輝度が小さいほど当該副画素SPを含む小分割領域Dsを照らす光源31の輝度が小さくなり、表示領域DAにおける副画素SPの輝度が比較的小さい領域において互いに隣接する2つの副画素SPの間から光が漏れること(以下、光漏れと称する)が抑制される。よって、表示画像のコントラストが向上する。なお、副画素SPの輝度と小分割領域Dsの必要光量との相関関係は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部に格納されている。
【0088】
続けて、駆動回路21は、ステップS22で分割領域Ddの必要光量を算出する。分割領域Ddの必要光量は、分割領域Ddに含まれる複数の小分割領域Dsの必要光量のうち最大の必要光量である。このように、駆動回路21は、画像信号に基づいて複数の分割領域Ddそれぞれにおいて必要な分割領域Ddの光量である必要光量を算出する。
【0089】
図14は、任意の行番号の分割領域Ddについて分割領域Ddの必要光量を示す図である。
図14の縦軸および横軸は、
図9の縦軸および横軸と同じである。
図14には、駆動回路21が算出した分割領域Ddの必要光量Leが示されている。
【0090】
以下、説明を簡単にするために、上記のステップS22(
図13参照)で駆動回路21が算出した分割領域Ddの必要光量Leについて、
図14に示すように、[h=1]列目の分割領域Ddの必要光量Leが第1光源光量最大値Lm1と等しく、[h=1]列目、[h=0]列目および[h=2]列目の分割領域Ddの順に分割領域Ddの必要光量Leが小さくなり、[h=2],[h=3],[h=4],[h=5]列目および[h=6]列目の分割領域Ddの必要光量Leが互いに等しい場合について説明する。
【0091】
駆動回路21は、
図13に示すステップS23で光源31の仮必要輝度を算出する。光源31の仮必要輝度(以下、単に仮必要輝度と記載する場合がある)は、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて光源31の光量の最大値が分割領域Ddの必要光量Leより僅かに小さくなる光源31の輝度である。仮必要輝度と分割領域Ddの必要光量との相関関係は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部に格納されている。
【0092】
図15は、任意の行番号の分割領域Ddについて仮必要輝度に対応する光源31の光量の分布を示す図である。
図15の縦軸および横軸は、
図9の縦軸および横軸と同じである。
図15には、分割領域Ddの必要光量Le、および、複数の分割領域Ddそれぞれにおける光源31の仮必要輝度に対応する光源31の光量の分布D3が示されている。
【0093】
光源31の輝度が仮必要輝度である場合、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて光源31の光量の最大値が分割領域Ddの必要光量Leより僅かに小さい。
【0094】
さらに、駆動回路21は、
図13に示すS24で光源31の必要輝度を算出する。光源31の必要輝度(以下、単に必要輝度と記載する場合がある)は、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量がステップS22で駆動回路21によって算出された分割領域Ddの必要光量Le以上となる光源31の輝度である。まず、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて複数の光源31の光が合成された光の量である光源31の光量の総量を算出する。複数の分割領域Ddそれぞれにおいて、光源31の光量の総量は分割領域Ddの光量に相当する。
【0095】
図16は、任意の行番号の分割領域Ddについて仮必要輝度に対応する光源31の光量の総量の分布を示す図である。
図16の縦軸および横軸は、
図9の縦軸および横軸と同じである。
図16には、分割領域Ddの必要光量Le、複数の分割領域Ddそれぞれおける光源31の仮必要輝度に対応する光源31の光量の分布D3、および、光源31の仮必要輝度に対応する光源31の光量の総量の分布Dt1が示されている。
【0096】
図16に示すように[h=0],[h=2],[h=3],[h=4],[h=5]列目および[h=6]列目の分割領域Ddにおいて、複数の光源31の光が合成されることで、光源31の光量の総量(すなわち分割領域Ddの光量)は分割領域Ddの必要光量Le以上となっている。しかしながら、[h=1]列目の分割領域Ddにおいては、光源31の光量の総量は分割領域Ddの必要光量Le以下である。そこで、駆動回路21は、[h=1]列目の光源31の光量の総量を分割領域Ddの必要光量Le以上とする必要輝度を算出する。
【0097】
必要輝度は、第2光源輝度以下の光源31の輝度である。駆動回路21は、仮必要輝度に対応する光源31の光量の総量に基づいて、輝度を大きくする光源31を選択し、選択した光源31の輝度を調節する。
【0098】
図17は、任意の行番号の分割領域Ddについて必要輝度に対応する光源31の光量の総量の分布を示す図である。
図17の縦軸および横軸は、
図9の縦軸および横軸と同じである。
図17には、分割領域Ddの必要光量Le、複数の分割領域Ddそれぞれおける光源31の必要輝度に対応する光源31の光量の分布D4、および、光源31の必要輝度に対応する光源31の光量の総量の分布Dt2が示されている。
【0099】
駆動回路21は、[h=1],[h=2]列目の分割領域Ddに対応する光源31の輝度を仮必要輝度より大きくする。これにより、[h=1],[h=2]列目の分割領域Ddの光源31の光量が大きくなることで、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて光源31の光量の総量は分割領域Ddの必要光量Le以上となる。このときの複数の分割領域Ddそれぞれに対応する光源31の輝度を必要輝度とする。
【0100】
なお、駆動回路21は、[h=1]列目の分割領域Ddに対応する光源31の必要輝度を仮必要輝度と等しくし、[h=0]列目,[h=2]列目の分割領域Ddに対応する光源31の必要輝度を仮必要輝度より大きくすることで、複数の分割領域Ddにおいて光源31の光量の総量を分割領域Ddの必要光量Le以上としてもよい。
【0101】
駆動回路21は、
図13に示すステップS24が終了すると光源31の必要輝度算出処理を終了し、
図12に示すステップS13で、光源31の実輝度を算出する。光源31の実輝度(以下、単に実輝度と記載する場合がある)は、必要輝度に基づいて算出され、光源31の輝度を実際に調節するために用いられる光源31の輝度である。本実施形態の第1点灯制御において、駆動回路21は、実輝度を、ステップS12で算出した必要輝度とする。
【0102】
駆動回路21は、光源31の実輝度の情報を含む光源信号を生成し、当該光源信号を光源制御回路32に出力する。光源制御回路32は、複数の光源31の輝度それぞれを、実輝度に調節する。また、上記のように光源31の実輝度および副画素SPの輝度から副画素SPの透光率(=副画素SPの輝度/光源31の実輝度)が算出され、副画素SPの透光率の情報を含む副画素信号が複数の副画素SPに出力される。これにより、駆動回路21によって算出された副画素SPの輝度が得られ、表示領域DAに表示画像が表示される。
【0103】
駆動回路21は、ステップS13が終了すると第1点灯制御を終了し、
図11に示すステップS1にプログラムを戻す。ユーザの頭部の動きが比較的小さいことにより、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量より小さい状態が継続する場合(ステップS1でNO)、駆動回路21は、単位時間毎にステップS1,S2を繰り返し実行する。すなわち、駆動回路21は単位時間毎に表示画像の情報を取得し、表示領域DAには単位時間毎に表示画像が表示される。
【0104】
一方、ユーザの頭部の動きが比較的大きいことにより、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上である場合(ステップS1でYES)、駆動回路21は、ステップS3で、第2点灯制御を実行する。第2点灯制御は、駆動回路21が複数の光源31すべてを点灯させる制御である。
【0105】
図18は、ユーザの動きによって変化する表示画像を表示する表示領域DAを示す図である。以下、第2点灯制御を説明するにあたりユーザの動きによって変化する
図18の表示画像を用いて説明する。また、以下では、[v=i]行目且つ[h=j]列目の小分割領域Dsを小分割領域Ds(i,j)と記載し、[v=i]行目且つ[h=j]列目の分割領域Ddを分割領域Dd(i,j)と記載する。
【0106】
図18に示す表示画像は、輝度が比較的高い部位(以下、高輝度部位Lを称する)を有する。高輝度部位Lの大きさは、小分割領域Dsの大きさより小さい。
【0107】
ユーザが頭部を動かしたことで、高輝度部位Lは、X方向に沿って-X側に移動するものとする。具体的には、フレームN,フレームN+1およびフレームN+2の順に、高輝度部位Lは、分割領域Dd(1,4)、分割領域Dd(1,3)および分割領域Dd(1,2)の順にX方向に沿って移動する。なお、Nは自然数であり、フレームN+2は、フレームN+1の次のフレームであり、フレームN+1は、フレームNの次のフレームである。
【0108】
それぞれの分割領域Ddにおいて高輝度部位Lは、-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsに位置するものとし、フレームN,N+1の間、および、フレームN+1,N+2の間それぞれにおける高輝度部位Lの移動量は、分割領域Ddの1辺の長さ(すなわち分割領域DdのX方向の長さ(または分割領域DdのY方向の長さ))と等しいものとする。
【0109】
また、高輝度部位Lに対応する副画素SPの階調は、副画素SPの階調の最大値とする。以下、説明を簡単にするために副画素SPの階調の最大値に基づいて駆動回路21が算出する副画素SPの輝度を100とする。すなわち、高輝度部位Lに対応する副画素SPの輝度は100である。また、本実施形態において第1領域光量Lr(
図9参照)を100とする。つまり、高輝度部位Lに対応する副画素SPの透光率は100%である。
【0110】
さらに、第1光源光量最大値Lm1(
図9参照)に対応する光源31の輝度である第1光源輝度を100とする。つまり、複数の光源31の輝度それぞれが0から第1光源輝度(100)まで均一に変化すると、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて複数の光源31の光が合成されることで分割領域Ddの光量は0から第1領域光量Lr(100)まで均一に変化する。なお、1つの光源31の輝度を115として他の複数の光源31の輝度を0とすると、当該1つの光源31に対応する1つの分割領域Ddにおける光源31の光量の最大値が第1領域光量Lr(100)と等しくなるものとする。なお、第2光源光量最大値Lm2に対応する光源31の輝度である第2光源輝度を150とする。
【0111】
また、
図18に示す表示画像において高輝度部位L以外の部位に対応する副画素SPの輝度を0とする。すなわち、表示画像において高輝度部位L以外の部位は黒である。
【0112】
さらに、フレームN以前のフレームにおいて高輝度部位Lは、分割領域Dd(1,4)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Ds内で静止していたものとする。すなわち、フレームNより前のフレームからフレームNまでは、駆動回路21は、複数の光源31の輝度を上記の第1点灯制御によって調節する。
【0113】
次に、第2点灯制御について説明する前に、第1点灯制御によってフレームNにおける光源31の実輝度を算出する駆動回路21の動作について説明する。
【0114】
駆動回路21は、
図12に示すステップS11で、フレームNの表示画像を取得する。続けて、駆動回路21は、ステップS12で上記の
図13に示す光源31の必要輝度算出処理を実行する。駆動回路21は、ステップS21で上記のように小分割領域Dsの必要光量を算出する。
【0115】
図19は、フレームNの表示画像に対応する小分割領域Dsの必要光量および分割領域Ddの必要光量を示す図である。
【0116】
上記のようにフレームNの表示画像において高輝度部位Lは分割領域Dd(1,4)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsに位置し(
図18参照)、高輝度部位Lに対応する副画素SPの輝度は100である。よって、
図19の上段に示すようにフレームNにおいて、駆動回路21は、ステップS21で分割領域Dd(1,4)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsの必要光量を100とする。また、駆動回路21は、当該小分割領域Ds以外の小分割領域Dsの必要光量を0とする。
【0117】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS22で上記のように分割領域Ddの必要光量を算出する。
図19の下段に示すようにフレームNにおいて、駆動回路21は、分割領域Dd(1,4)の必要光量を100とし、当該分割領域Dd(1,4)以外の分割領域Ddの必要光量を0とする。さらに、駆動回路21は、
図13に示すステップS23で上記のように光源31の仮必要輝度を算出する。
【0118】
図20は、
図19に示すフレームNの分割領域Ddの必要光量に対応する光源31の仮必要輝度、光源31の必要輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0119】
駆動回路21は、
図13に示すステップS23で
図20の上段に示すようにフレームNにおいて、分割領域Dd(1,4)の必要光量(100)に基づいて分割領域Dd(1,4)の仮必要輝度を115とする。上記のように1つの光源31の輝度を115とすると、当該光源31に対応する1つの分割領域Ddにおける光源31の光量の最大値が第1領域光量Lr(100)と等しくなる。
【0120】
また、駆動回路21は、分割領域Dd(1,4)以外の分割領域Ddにおいて分割領域Ddの必要光量(0)に基づいて仮必要輝度を0とする。この場合、分割領域Dd(1,4)の中心部では分割領域Ddの光量が分割領域Ddの必要光量以上となるが、分割領域Dd(1,4)の全体では分割領域Ddの光量が分割領域Ddの必要光量より小さい部分がある。
【0121】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS24で上記のように光源31の必要輝度を算出する。
図20の中段に示すようにフレームNにおいて、駆動回路21は、分割領域Dd(1,4)の必要輝度を115のままとし、分割領域Dd(1,3),(0,4)それぞれの必要輝度を50とする。高輝度部位Lが位置している小分割領域DsとX方向およびY方向で隣接する分割領域Dd(1,3),(0,4)それぞれに対応する仮必要輝度が0より大きい50であることで、分割領域Dd(1,4)の全体で分割領域Ddの光量が分割領域Ddの必要光量以上となる。
【0122】
さらに、駆動回路21は、
図12に示すステップS13で上記のように光源31の実輝度を算出する。
図20の下段に示すようにフレームNにおいて、駆動回路21は、実輝度を、
図20の中段に示す仮実輝度とする。
【0123】
このように、高輝度部位Lが静止しているフレームNより前のフレームからフレームNまでは、第1点灯制御によって
図20の下段に示す実輝度にて複数の光源31が調節される。
【0124】
一方、駆動回路21がフレームN+1の表示画像の情報を取得する前において、ユーザの頭部の動きが比較的大きいことにより表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上である場合(
図11のステップS1でYES)、駆動回路21は、ステップS3で第2点灯制御を実行する。
【0125】
図21は、駆動回路21が実行する第2点灯制御のフローチャートである。駆動回路21は、ステップS31でフレームN+1の表示画像の情報を取得する。
【0126】
続けて、駆動回路21は、ステップS32で、
図13に示す光源31の必要輝度算出処理を実行する。駆動回路21は、ステップS21で上記のように小分割領域Dsの必要光量を算出する。
【0127】
図22は、フレームN+1の表示画像に対応する小分割領域Dsの必要光量および分割領域Ddの必要光量を示す図である。フレームN+1の表示画像において高輝度部位Lは分割領域Dd(1,3)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsに位置し(
図18参照)、高輝度部位Lに対応する副画素SPの輝度は100である。
【0128】
よって、
図22の上段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsの必要光量を100とする。また、駆動回路21は、当該小分割領域Ds以外の小分割領域Dsの必要光量を0とする。
【0129】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS22で上記のように分割領域Ddの必要光量を算出する。
図22の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の必要光量を100とし、当該分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddの必要光量を0とする。さらに、駆動回路21は、
図13に示すステップS23で上記のように場合と同様に光源31の仮必要輝度を算出する。
【0130】
図23は、
図22に示すフレームN+1の分割領域Ddの必要光量に対応する光源31の仮必要輝度、光源31の必要輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0131】
図23の上段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の必要光量(100)に基づいて分割領域Dd(1,3)の仮必要輝度を115とする。また、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddにおいて分割領域Ddの必要光量(0)に基づいて仮必要輝度を0とする。
【0132】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS24で上記のように光源31の必要輝度を算出する。
図23の中段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の必要輝度を115のままとし、分割領域Dd(1,2),(0,3)それぞれの必要輝度を50とする。これにより、分割領域Dd(1,3)の全体で分割領域Ddの光量が分割領域Ddの必要光量以上となる。
【0133】
駆動回路21は、
図21に示すステップS32の光源31の必要輝度算出処理を終了すると、S33で全点灯輝度を算出する。全点灯輝度は、第2点灯制御において複数の光源31すべてを点灯させるときの実輝度の算出に用いられる光源31の輝度である。本実施形態において全点灯輝度は、駆動回路21が複数の光源31それぞれを点灯させた場合に現時点のフレームでの複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が複数の分割領域Ddの必要光量のうち最大の必要光量となる光源31の輝度である第1全点灯輝度に相当する。
【0134】
具体的には、駆動回路21は、まず、複数の分割領域Ddの必要光量のうち最大の必要光量を特定する。
図22の下段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddの必要光量のうち最大の必要光量は100である。上記のように複数の光源31すべての輝度が第1光源輝度(100)である場合、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が
図9に示す第1領域光量Lr(100)となる。つまり、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が最大の必要光量(100)となる光源31の輝度は100である。よって、駆動回路21は、第1全点灯輝度を100とする。
【0135】
さらに、駆動回路21は、
図21に示すS34で光源31の実輝度を算出する。第2点灯制御において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddすべてに対応する光源31の実輝度を、ステップS33で算出した第1全点灯輝度(100)とする。
図23の下段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddすべてにおいて光源31の実輝度は100となる。これにより、光源制御回路32は、複数の光源31の輝度それぞれを、実輝度(100)に調節する。
【0136】
このように、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、複数の分割領域Ddそれぞれの必要光量のうち最大の必要光量を特定し、複数の光源31それぞれを点灯させた場合に複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が最大の必要光量となる光源31の輝度である第1全点灯輝度で複数の光源31それぞれを点灯させる。
【0137】
続けて、駆動回路21は、
図21に示すS35で所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、ユーザが動くことで表示パネル20が移動する標準的な時間以上の時間に定められている。所定時間は、単位時間より長く、例えば2秒である。所定時間は、予め行われる実験およびシミュレーション等によって導出され、駆動回路21の記憶部に格納されている。
【0138】
第2点灯制御が開始された時点から所定時間が経過していない場合(ステップS35でNO)、駆動回路21は、プログラムをステップS31に戻し、フレームN+2の表示画像の情報を取得する。さらに、駆動回路21は、ステップS32で
図13に示す光源31の必要輝度処理を実行する。駆動回路21は、ステップS21で上記のように小分割領域Dsの必要光量を算出する。
【0139】
図24は、フレームN+2の表示画像に対応する小分割領域Dsの必要光量および分割領域Ddの必要光量を示す図である。フレームN+2の表示画像において高輝度部位Lは分割領域Dd(1,2)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsに位置し(
図18参照)、高輝度部位Lに対応する副画素SPの輝度は100である。
【0140】
よって、
図24の上段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)における-X側且つ+Y側にある小分割領域Dsの必要光量を100とする。また、駆動回路21は、当該小分割領域Ds以外の小分割領域Dsの必要光量を0とする。
【0141】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS22で上記のように分割領域Ddの必要光量を算出する。
図24の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)の必要光量を100とし、当該分割領域Dd(1,2)以外の分割領域Ddの必要光量を0とする。さらに、駆動回路21は、
図13に示すステップS23で上記のフレームNの場合と同様に光源31の仮必要輝度を算出する。
【0142】
図25は、
図24に示すフレームN+2の分割領域Ddの必要光量に対応する光源31の仮必要輝度、光源31の必要輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0143】
図25の上段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)の必要光量(100)に基づいて分割領域Dd(1,2)の仮必要輝度を115とする。また、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)以外の分割領域Ddにおいて分割領域Ddの必要光量(0)に基づいて仮必要輝度を0とする。
【0144】
続けて、駆動回路21は、
図13に示すステップS24で上記ように光源31の必要輝度を算出する。
図25の中段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)の必要輝度を115のままとし、分割領域Dd(1,1),(0,2)それぞれの必要輝度を50とする。これにより、分割領域Dd(1,2)の全体で分割領域Ddの光量が分割領域Ddの必要光量以上となる。
【0145】
駆動回路21は、
図21に示すステップS32に示す光源31の必要輝度算出処理を終了すると、S33で上記のフレームN+1の場合と同様に全点灯輝度を算出する。
【0146】
図24の下段に示すようにフレームN+2において、分割領域Ddの最大の必要光量は100である。上記のように複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が最大の必要光量(100)となる光源31の輝度は、第1光源輝度(100)である。よって、駆動回路21は、第1全点灯輝度を100とする。
【0147】
さらに、駆動回路21は、
図21に示すS34で上記のフレームN+1の場合と同様に光源31の実輝度を算出する。第2点灯制御において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddすべてに対応する光源31の実輝度を、ステップS33で算出した第1全点灯輝度(100)とする。
図25の下段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddすべてにおいて光源31の実輝度は100となる。これにより、光源制御回路32は、複数の光源31の輝度それぞれを、実輝度(100)に調節する。
【0148】
続けて、駆動回路21は、
図21に示すS35で所定時間が経過したか否かを判定する。第2点灯制御が開始された時点から所定時間が経過していない場合(ステップS35でNO)、駆動回路21は、プログラムをステップS31に戻し、フレームN+3の表示画像の情報を取得する。続けて、駆動回路21は、ステップS32で光源31の必要輝度処理を実行する。
【0149】
以下、説明を簡単にするためにフレームN+3以降の表示画像はフレームN+2の表示画像と同じとする。つまり、フレームN+3以降において高輝度部位Lは静止している。よって、フレームN+3以降において、第2点灯制御では、上記のフレームN+2と同様に複数の光源31の輝度それぞれは、実輝度(100)に調節される。
【0150】
このように、第2点灯制御では、複数の光源31それぞれの実輝度が第1全点灯輝度(100)に調節されることで、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が100となる。また、上記のように高輝度部位Lに対応する副画素SPの透光率は100%である。よって、ユーザの頭部の動きによってフレームN、N+1,N+2の順に高輝度部位Lが移動しても、高輝度部位Lに対応する副画素SPの輝度は100となり、駆動回路21は、算出された副画素SPの輝度(100)で表示領域DAに高輝度部位Lを表示することができる。
【0151】
また、第2点灯制御は、表示領域DAにおいて高輝度部位Lが移動することで副画素SPの輝度が比較的小さい領域で生じる光漏れによる点滅を抑制することができる。当該点滅は、例えば、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上である場合(
図11のステップS1でYES)に
図11のステップS3で第2点灯制御ではなく第1点灯制御が実行される場合に発生する。
【0152】
次に、駆動回路21がステップS3で第2点灯制御ではなく第1点灯制御を実行し、フレームN+1,N+2で
図19に示す表示画像の情報を取得する場合に生じる上記の点滅について説明する。
【0153】
この場合、フレームN+1,N+2それぞれにおいて、駆動回路21は、光源31の必要輝度を
図23の中段および
図25の中段に示す値とする。本実施形態の第1点灯制御では、光源31の実輝度を光源31の必要輝度とする。つまり、光源31の実輝度は、
図23の中段および
図25の中段に示す値とされる。
【0154】
また、高輝度部位L以外の表示領域DAの部位に対応する副画素SPの輝度は上記のように0であり、当該副画素SPの透光率は0%である。この場合、例えば、
図20(フレームN)の分割領域Dd(0,3)において、副画素SPの透光率は0%であり、かつ、光源31の実輝度は0(
図20の下段参照)であり、複数の副画素SPの間から光漏れは発生しない。一方、
図20(フレームN)の分割領域Dd(0,4)において、副画素SPの透光率は0%であり、かつ、光源31の実輝度は50(
図20の下段参照)であり、複数の副画素SPの間から光漏れが発生する。つまり、
図20(フレームN)の分割領域Dd(0,3),(0,4)においてはともに黒が表示されるが、分割領域Dd(0,3)の明るさより分割領域Dd(0,4)の明るさの方が光漏れの分だけ僅かに大きい。
【0155】
さらに、フレームN+1の分割領域Dd(0,3)において、副画素SPの透光率は0%であり、かつ、光源31の実輝度は(
図23に示す必要輝度と等しい)50であり、複数の副画素SPの間から光漏れが発生する。つまり、フレームNからフレームN+1になると、分割領域Dd(0,3)では黒が表示されているままであるが分割領域Dd(0,3)の明るさは僅かに大きくなる。すなわち、フレームN,N+1の間において分割領域Dd(0,3)で点滅が生じる。
【0156】
また、フレームN+1の分割領域Dd(0,4)において、副画素SPの透光率は0%であり、かつ、光源31の実輝度(
図23に示す必要輝度と等しい)は0であり、複数の副画素SPの間から光漏れは発生しない。つまり、フレームNからフレームN+1になると、分割領域Dd(0,4)では黒が表示されているままであるが分割領域Dd(0,4)の明るさは僅かに小さくなる。すなわち、フレームN,N+1の間において分割領域Dd(0,4)で点滅が生じる。
【0157】
同様に、フレームN+1からフレームN+2になると、分割領域Dd(0,3)では黒が表示されているままであるが分割領域Dd(0,3)の明るさは僅かに小さくなり、分割領域Dd(0,3)で点滅が生じる。同様に、フレームN+1からフレームN+2になると、分割領域Dd(0,2)では黒が表示されているままであるが分割領域Dd(0,2)の明るさは僅かに大きくなり、分割領域Dd(0,2)で点滅が生じる。
【0158】
一方、上記のように
図11に示すステップS3で第2点灯制御が実行されると、フレームN+1,N+2それぞれにおいて、複数の光源31の実輝度それぞれが100となり、分割領域Dd(0,2),(0,3),(0,4)において上記の点滅が生じることを抑制することができる。
【0159】
第2点灯制御が開始された時点から所定時間が経過した場合(
図21に示すステップS35でYES)、駆動回路21は、第2点灯制御を終了し、プログラムを
図11に示すステップS1に戻す。
【0160】
このように、駆動回路21は、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上であることに応じて第2点灯制御を選択する。すなわち、駆動回路21は、画像信号に基づいて複数の光源31毎に光源31の輝度を調節する第1点灯制御、および、複数の光源31すべてを点灯させる第2点灯制御の一方を選択して、光源装置30を制御する。
【0161】
次に、上記の実施形態の第1変形例に係る表示システム100について、主として上記の実施形態の表示システム100と異なる点について説明する。本第1変形例の第2点灯制御は上記の実施形態の第2点灯制御と異なる点を有する。
【0162】
以下、上記の実施形態と同様に
図18に示す表示画像の情報を駆動回路21が取得する場合について説明する。この場合、上記の実施形態と同様に、フレームNより前のフレームからフレームNまでは第1点灯制御が実行され、フレームNにおいては
図19に示す分割領域Ddの必要光量および
図20に示す仮必要輝度、必要輝度および実輝度が算出されている。この状態において、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上となることで、駆動回路21は、
図11に示すステップS1でYESと判定し、ステップS3で第2点灯制御を実行する。
【0163】
図26は、本開示の実施形態の第1変形例に係る駆動回路21が実行する第2点灯制御のフローチャートである。
【0164】
駆動回路21は、
図26に示すステップS141で全点灯輝度を所定輝度とする。所定輝度は、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度である。所定輝度は例えば0である。以下、所定輝度を0として説明を続ける。
【0165】
続けて、駆動回路21は、ステップS142でフレームN+1の表示画像の情報を取得し、ステップS143で光源31の必要輝度算出処理を、上記の実施形態のステップS32(
図21および
図13参照)と同様に実行する。これにより、駆動回路21は、ステップS143で
図22(フレームN+1)の下段に示す分割領域Ddの必要光量を算出する。同様に、駆動回路21は、ステップS143で光源31の必要輝度を算出する。
【0166】
図27は、本開示の実施形態の第1変形例に係るフレームN+1の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。駆動回路21は、ステップS143で
図27の上段に示す必要輝度(
図23の中段に示す必要輝度と同じ)を算出する。
【0167】
さらに、駆動回路21は、
図26に示すステップS144で光源31の仮実輝度(以下、単に仮実輝度と記載する場合がある)を算出する。仮実輝度は、本第1変形例の第2点灯制御において複数の光源31すべてを点灯させるときの実輝度の算出に用いられる光源31の輝度である。
【0168】
本第1変形例においては、駆動回路21は、仮実輝度を、現時点のフレームの必要輝度とする。よって、
図27の中段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、仮実輝度を、現時点のフレームN+1の必要輝度(
図27の上段参照)とする。
【0169】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145で全点灯輝度が第1全点灯輝度以上であるか否かを判定する。第1全点灯輝度は、上記のように駆動回路21が複数の光源31それぞれを点灯させた場合に現時点のフレームでの複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が複数の分割領域Ddの必要光量のうち最大の必要光量となる光源31の輝度であり、現時点において上記の実施形態と同様に100とされる。
【0170】
現時点において全点灯輝度は0であり、第1全点灯輝度(100)より小さい。よってこの場合(ステップS145でNO)、駆動回路21は、ステップS146で全点灯輝度を増加させる。本第1変形例では、全点灯輝度の増加量は第1全点灯輝度の50%である。つまり、駆動回路21は、ステップS146で全点灯輝度を50(=0(所定輝度)+100(第1全点灯輝度)×0.5)とする。
【0171】
さらに、駆動回路21は、ステップS147で光源31の実輝度を算出する。本第1変形例において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれについて、仮実輝度が第1全点灯輝度以下である場合は、下記の式(A)によって算出される光源31の輝度である第1比較輝度と全点灯輝度とを比較し、値が大きい方を実輝度にする。式(A)においてC1は、0より大きい1以下の係数であり、本第1変形例では1とする。
第1比較輝度=仮実輝度×C1 ・・・(A)
【0172】
具体的には、
図27の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddでは、仮実輝度は0または50であり、第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(0(=0×1)または50(=50×1))は全点灯輝度(50)以下である。よって、
図27の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(50)とする。
【0173】
一方、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち仮実輝度が第1全点灯輝度より大きい分割領域Ddについて、式(B)によって算出される光源31の輝度である第2比較輝度と第1全点灯輝度と比較し、値が大きい方を当該分割領域Ddの実輝度にする。式(B)においてC2は、0より大きい1以下の係数であり、本第1変形例では1とする。
第2比較輝度=仮実輝度-全点灯輝度×C2 ・・・(B)
【0174】
具体的には、
図27の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)では、仮実輝度は115であり、第1全点灯輝度(100)より大きい。また、分割領域Dd(1,3)において、式(B)によって算出される第2比較輝度(65(=115-50×1))は第1全点灯輝度(100)より小さい。よって、
図27の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の実輝度を第1全点灯輝度(100)とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図27の下段に示す実輝度に調節される。
【0175】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すS148で所定時間が経過したか否かを判定する。第2点灯制御が開始された時点から所定時間が経過していない場合(ステップS148でNO)、駆動回路21は、プログラムをステップS142に戻し、フレームN+2の表示画像の情報を取得する。さらに、駆動回路21は、ステップS143で上記と同様に光源31の必要輝度処理を実行する。
【0176】
これにより、駆動回路21は、ステップS143で
図24(フレームN+2)の下段に示す分割領域Ddの必要光量を算出する。同様に、駆動回路21は、ステップS143で光源31の必要輝度を算出する。
【0177】
図28は、本開示の実施形態の第1変形例に係るフレームN+2の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。駆動回路21は、ステップS143で
図28の上段に示す必要輝度(
図25の中段に示す必要輝度と同じ)を算出する。
【0178】
さらに、駆動回路21は、ステップS144で光源31の仮実輝度を算出する。上記と同様に、
図28の中段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、仮実輝度を、フレームN+2の必要輝度(
図28の上段参照)とする。
【0179】
続けて、駆動回路21は、ステップS145で全点灯輝度が第1全点灯輝度以上であるか否かを判定する。第1全点灯輝度は上記のように100である。
【0180】
現時点において全点灯輝度は50であり、第1全点灯輝度(100)より小さい。よってこの場合(ステップS145でNO)、駆動回路21は、ステップS146で全点灯輝度を増加させる。上記のように全点灯輝度の増加量は第1全点灯輝度の50%である。つまり、駆動回路21は、ステップS146で全点灯輝度を100(=50+100(第1全点灯輝度)×0.5)とする。これにより、全点灯輝度は第1全点灯輝度と等しくなる。
【0181】
さらに、駆動回路21は、ステップS147で光源31の実輝度を算出する。具体的には、
図28の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,2)以外の分割領域Ddでは、仮実輝度は0または50であり、全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,2)以外の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(0(=0×1)または50(=50×1))は全点灯輝度(100)以下である。よって、
図28の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,2)以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(100(=第1全点灯輝度))とする。
【0182】
一方、
図28の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,2)では、仮実輝度は115であり、第1全点灯輝度(100)より大きい。また、分割領域Dd(1,2)において、式(B)によって算出される第2比較輝度(15(=115-100×1))は全点灯輝度(100)とより小さい。よって、
図28の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,2)の実輝度を第1全点灯輝度(100)とする。したがって、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて実輝度は第1全点灯輝度(100)となる。複数の光源31の輝度は、
図28の下段に示す実輝度(すなわち第1全点灯輝度)に調節される。
【0183】
続けて、駆動回路21は、S148で所定時間が経過したか否かを判定する。第2点灯制御が開始された時点から所定時間が経過していない場合(ステップS148でNO)、駆動回路21は、プログラムをステップS142に戻し、フレームN+3の表示画像の情報を取得する。
【0184】
上記の実施形態と同様にフレームN+3以降の表示画像はフレームN+2の表示画像と同じであり、フレームN+3以降において高輝度部位Lは静止している。よって、フレームN+3以降において、第2点灯制御では、上記のフレームN+2と同様に
図28の中段に示す仮実輝度が算出される。
【0185】
また、全点灯輝度は100であり第1全点灯輝度(100)以上である。この場合(ステップS145でYES)、駆動回路21は、ステップS147で上記のフレームN+2と同様に
図28の下段に示す実輝度を算出する。よって、フレームN+3以降において第2点灯制御が実行されている場合、複数の光源31の輝度は、
図28の下段に示す実輝度に調節される。このときの複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度と等しい。
【0186】
このように、本第1変形例において、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで徐々に増加させる。
【0187】
次に、上記の実施形態の第2変形例に係る表示システム100について、主として上記の実施形態の第1変形例に係る表示システム100と異なる点について説明する。本第2変形例の第2点灯制御は上記の実施形態の第1変形例に係る第2点灯制御と、駆動回路21が
図26に示すS144で算出する光源31の仮実輝度が異なる。以下、第2点灯制御が開始され、フレームN+1において駆動回路21がS143の処理が終了した時点から説明する。当該時点までは、駆動回路21は上記の第1変形例と同様に動作する。
【0188】
図29は、本開示の実施形態の第2変形例に係るフレームN+1の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0189】
本第2変形例においては、駆動回路21は、
図26に示すステップS144で、現時点のフレームの必要輝度と現時点の直前のフレームの実輝度との平均を仮実輝度として算出する。
【0190】
具体的には、現時点のフレームN+1において、駆動回路21は、ステップS143で
図29の上段に示す必要輝度(
図23の中段に示す必要輝度と同じ)を算出する。また、現時点(フレームN+1)の直前のフレームNにおいて、駆動回路21は、
図20の下段に示す実輝度を算出している。
【0191】
よって、
図29の中段に示すようにフレームN+1において、分割領域Dd(0,3)の仮実輝度は25(=(0(
図20の下段参照)+50(
図29の上段参照))/2)となり、分割領域Dd(0,4)の仮実輝度は25(=(50(
図20の下段参照)+0(
図29の上段参照))/2)となる。
【0192】
また、
図29の中段に示すようにフレームN+1において、分割領域Dd(1,2)の仮実輝度は25(=(0(
図20の下段参照)+50(
図29の上段参照))/2)となる。さらに、
図29の中段に示すように、分割領域Dd(1,3)の仮実輝度は82.5(=(50(
図20の下段参照)+115(
図29の上段参照))/2)となり、分割領域Dd(1,4)の仮実輝度は57.5(=(115(
図20の下段参照)+0(
図29の上段参照))/2)となる。
【0193】
また、複数の分割領域Ddのうち上記の(0,3),(0,4),(1,2),(1,3),(1,4)以外の分割領域Ddの仮実輝度は0(=(0(
図20の下段参照)+0(
図29の上段参照))/2)となる。
【0194】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を50とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0195】
具体的には、
図29の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddそれぞれでは、仮実輝度は第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3),(1,4)以外の分割領域Ddでは、式(A)によって算出される第1比較輝度(0(=0×1)または25(=25×1))は全点灯輝度(50)以下である。よって、
図29の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3),(1,4)以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(50)とする。
【0196】
また、
図29の中段に示すようにフレームN+1において、分割領域Dd(1,3),(1,4)では、仮実輝度は82.5および57.5であり、式(A)によって算出される第1比較輝度(82.5(=82.5×1)または57.5(=57.5×1))は全点灯輝度(50)より大きい。よって、
図29の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の実輝度を82.5とし、分割領域Dd(1,4)の実輝度を57.5とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図29の下段に示す実輝度に調節される。
【0197】
次に、フレームN+2において駆動回路21が仮実輝度および実輝度を算出する場合について説明する。
【0198】
図30は、本開示の実施形態の第2変形例に係るフレームN+2の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0199】
駆動回路21は、ステップS144で、上記のように現時点のフレームの必要輝度と現時点の直前のフレームの実輝度との平均を仮実輝度として算出する。
【0200】
具体的には、現時点のフレームN+2において、駆動回路21は、ステップS143で
図30の上段に示す必要輝度(
図25の中段に示す必要輝度と同じ)を算出する。また、現時点(フレームN+2)の直前のフレームN+1において、駆動回路21は、
図29の下段に示す実輝度を算出している。
【0201】
よって、
図30の中段に示すようにフレームN+2において、分割領域Dd(0,2)の仮実輝度は50(=(50(
図29の下段参照)+50(
図30の上段参照))/2)となり、分割領域Dd(1,1)の仮実輝度は50(=(50(
図29の下段参照)+50(
図30の上段参照))/2)となる。
【0202】
また、
図30の中段に示すようにフレームN+2において、分割領域Dd(1,2)の仮実輝度は82.5(=(50(
図29の下段参照)+115(
図30の上段参照))/2)となる。さらに、
図30の中段に示すように、分割領域Dd(1,3)の仮実輝度は41.25(=(82.5(
図29の下段参照)+0(
図30の上段参照))/2)となり、分割領域Dd(1,4)の仮実輝度は28.75(=(57.5(
図29の下段参照)+0(
図30の上段参照))/2)となる。なお、複数の分割領域Ddのうち上記の(0,2),(1,1),(1,2),(1,3),(1,4)以外の分割領域Ddの仮実輝度は25(=(50(
図29の下段参照)+0(
図30の上段参照))/2)となる。
【0203】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を100とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0204】
具体的には、
図30の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddそれぞれでは、仮実輝度は第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(25,28.75,41.25,50,82.5の何れか)は全点灯輝度(100)以下である。よって、
図30の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれの実輝度を全点灯輝度(100(=第1全点灯輝度))とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図30の下段に示す実輝度に調節される。このときの複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度と等しい。
【0205】
このように、本第2変形例においても、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで徐々に増加させる。
【0206】
次に、上記の実施形態の第3変形例に係る表示システム100について、主として上記の実施形態の第1変形例に係る表示システム100と異なる点について説明する。本第3変形例の第2点灯制御は上記の実施形態の第1変形例に係る第2点灯制御と、駆動回路21が
図26に示すS144で算出する光源31の仮実輝度が異なる。以下、第2点灯制御が開始され、フレームN+1において駆動回路21がS143の処理が終了した時点から説明する。当該時点までは、駆動回路21は上記の第1変形例と同様に動作する。
【0207】
図31は、本開示の実施形態の第3変形例に係るフレームN+1の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0208】
本第3変形例においては、駆動回路21は、
図26に示すステップS144で、現時点の直前のフレームの必要輝度を仮実輝度として算出する。
【0209】
具体的には、現時点(フレームN+1)の直前のフレームNにおいて、駆動回路21は、
図20の中段に示す必要輝度を算出する。よって、
図31の中段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれの仮実輝度を
図20の中段に示す必要輝度とする。
【0210】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を50とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0211】
具体的には、
図31の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,4)以外の分割領域Ddでは、仮実輝度は0または50であり、第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,4)以外の分割領域Ddにおいて、式(A)によってから算出される第1比較輝度(0(=0×1)または50(=50×1))は全点灯輝度(50)以下である。よって、
図31の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,4)以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(50)とする。
【0212】
また、
図31の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,4)では、仮実輝度は115であり、第1全点灯輝度(100)より大きい。また、分割領域Dd(1,4)において、式(B)によって算出される第2比較輝度(65(=115-50×1))は第1全点灯輝度(100)より小さい。よって、
図31の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,4)の実輝度を第1全点灯輝度(100)とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図31の下段に示す実輝度に調節される。
【0213】
次に、フレームN+2において駆動回路21が仮実輝度および実輝度を算出する場合について説明する。
【0214】
図32は、本開示の実施形態の第3変形例に係るフレームN+2の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。駆動回路21は、現時点(フレームN+2)の直前のフレームN+1においてステップS143で
図31の上段に示す必要輝度を算出する。
【0215】
さらに、駆動回路21は、ステップS144で、上記のように現時点の直前のフレームの必要輝度を仮実輝度として算出する。
【0216】
具体的には、
図32の中段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれの仮実輝度を
図31の上段に示す必要輝度とする。
【0217】
続けて、駆動回路21は、ステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を100とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0218】
具体的には、
図32の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddでは、仮実輝度は0または50であり、全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(0(=0×1)または50(=50×1))は全点灯輝度(100)以下である。よって、
図32の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(100(=第1全点灯輝度))とする。
【0219】
一方、
図32の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)では、仮実輝度は115であり、第1全点灯輝度(100)より大きい。また、分割領域Dd(1,3)において、式(B)によって算出される第2比較輝度(15(=115-100×1))は全点灯輝度(100)とより小さい。よって、
図32の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の実輝度を第1全点灯輝度(100)とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図32の下段に示す実輝度に調節される。このときの複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度と等しい。
【0220】
このように、本第3変形例においても、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで徐々に増加させる。
【0221】
次に、上記の実施形態の第4変形例に係る表示システム100について、主として上記の実施形態の第1変形例に係る表示システム100と異なる点について説明する。本第4変形例の第2点灯制御は上記の実施形態の第1変形例に係る第2点灯制御と、駆動回路21が
図26に示すS144で算出する光源31の仮実輝度が異なる。以下、第2点灯制御が開始され、フレームN+1において駆動回路21がS143の処理が終了した時点から説明する。当該時点までは、駆動回路21は上記の第1変形例と同様に動作する。
【0222】
本第4変形例においては、駆動回路21は、ステップS144で、現時点の直前のフレームの必要輝度と実輝度との平均を仮実輝度として算出する。
【0223】
具体的には、現時点(フレームN+1)の直前のフレームNにおいて、駆動回路21は、
図20の中段に示す必要輝度および
図20の下段に示す実輝度を算出する。よって、フレームN+1において、駆動回路21は、
図20に示す必要輝度と実輝度との平均を仮実輝度として算出する。フレームN+1の仮実輝度は、
図31の中段に示す仮実輝度と同じである。
【0224】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を50とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0225】
フレームN+1における仮実輝度が
図31の中段に示す仮実輝度と同じであるため、フレームN+1における実輝度は
図31の下段に示す実輝度と同じとなる。これにより、複数の光源31の輝度は、
図31の下段に示す実輝度に調節される。
【0226】
次に、フレームN+2において駆動回路21が仮実輝度および実輝度を算出する場合について説明する。
【0227】
図33は、本開示の実施形態の第4変形例に係るフレームN+2の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0228】
駆動回路21は、ステップS144で、上記のように現時点の直前のフレームの必要輝度と実輝度との平均を仮実輝度として算出する。
【0229】
具体的には、現時点(フレームN+2)の直前のフレーム(フレームN+1)の必要輝度および実輝度は、
図31の上段および下段に示されている。
【0230】
よって、
図33の中段に示すようにフレームN+2において、分割領域Dd(0,3)の仮実輝度は50(=(50(
図31の上段参照)+50(
図31の下段参照))/2)となり、分割領域Dd(1,2)の仮実輝度は50(=(50(
図31の上段参照)+50(
図31の下段参照))/2)となる。
【0231】
また、
図33の中段に示すようにフレームN+2において、分割領域Dd(1,3)の仮実輝度は82.5(=(115(
図31の上段参照)+50(
図31の下段参照))/2)となり、分割領域Dd(1,4)の仮実輝度は50(=(0(
図31の上段参照)+100(
図31の下段参照))/2)となる。
【0232】
さらに、複数の分割領域Ddのうち上記の(0,3),(1,2),(1,3),(1,4)以外の分割領域Ddの仮実輝度は25(=(0(
図31の上段参照)+50(
図31の下段参照))/2)となる。
【0233】
続けて、駆動回路21は、ステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を100とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0234】
具体的には、
図33の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddそれぞれの仮実輝度は第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(25,50,82.5の何れか)は全点灯輝度(100)以下である。よって、
図33の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれの実輝度を全点灯輝度(100(=第1全点灯輝度))とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図33の下段に示す実輝度に調節される。このときの複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度と等しい。
【0235】
このように、本第4変形例においても、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで徐々に増加させる。
【0236】
次に、上記の実施形態の第5変形例に係る表示システム100について、主として上記の実施形態の第1変形例に係る表示システム100と異なる点について説明する。本第5変形例の第2点灯制御は上記の実施形態の第1変形例に係る第2点灯制御と、駆動回路21が
図26に示すS144で算出する光源31の仮実輝度が異なる。以下、第2点灯制御が開始され、フレームN+1において駆動回路21がS143の処理が終了した時点から説明する。当該時点までは、駆動回路21は上記の第1変形例と同様に動作する。
【0237】
図34は、本開示の実施形態の第5変形例に係るフレームN+1の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。フレームN+1において、駆動回路21は、
図26に示すステップS143で
図34の上段に示す必要輝度(
図23の中段に示す必要輝度と同じ)を算出する。また、現時点(フレームN+1)の直前のフレームNにおいて、駆動回路21は、
図20の下段に示す実輝度を算出している。
【0238】
本第5変形例においては、駆動回路21は、
図26に示すステップS144で、まず、現時点のフレームと現時点の直前のフレームとの間における表示画像の移動方向および移動量を算出する。具体的には、駆動回路21は、フレームN,N+1の間の表示画像の移動方向および移動量を算出する。表示画像の移動方向および移動量は、
図10に示す選択範囲Hの移動方向および移動量に相当する。
【0239】
本第5変形例においては、表示画像の移動方向および移動量は、
図18に示す高輝度部位Lの移動方向および移動量と等しい。すなわち、上記のようにフレームN,N+1の間において表示画像の移動方向はX方向に沿って-X側に向かう方向であり、表示画像の移動量は分割領域Ddの1辺の長さと等しい。
【0240】
さらに、駆動回路21は、ステップS144で、現時点の直前のフレームにおける実輝度を、表示画像の移動方向および移動量と等しい分だけ移動させたものを現時点のフレームの仮実輝度にする。つまり、本第5実施形態において、フレームN+1での分割領域Ddの仮実輝度は、フレームNでの分割領域Ddの実輝度を1列分だけ-X側に移動させたものに相当する。
【0241】
具体的には、
図34の中段に示すようにフレームN+1において、[h=0,1,2,3,4]列目の分割領域Ddの仮実輝度は、
図20の下段に示すフレームNにおける[h=1,2,3,4,5]列目の分割領域Ddの実輝度に相当する。
【0242】
また、駆動回路21は、フレームN+1において新たに表示される画像を表示する分割領域Ddの仮実輝度を第1全点灯輝度とする。第1全点灯輝度は上記の第1変形例と同様に100である。
【0243】
フレームN+1において[h=5]列目の分割領域Ddに表示される画像は、フレームNの表示画像に対応する部分がなく、新たに表示される画像に相当する。よって、
図34の中段に示すようにフレームN+1において、[h=5]列目の分割領域Ddの仮実輝度は、第1全点灯輝度(100)となる。
【0244】
続けて、駆動回路21は、
図26に示すステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を50とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0245】
具体的には、
図34の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)および[h=5]列目の分割領域Dd以外の分割領域Ddでは、仮実輝度は0または50であり、第1全点灯輝度(100)以下である。
【0246】
複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)および[h=5]列目の分割領域Dd以外の分割領域Ddにおいて、式(A)によってから算出される第1比較輝度(0(=0×1)または50(=50×1))は全点灯輝度(50)以下である。よって、
図34の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)および[h=5]列目の分割領域Dd以外の分割領域Ddの実輝度を全点灯輝度(50)とする。
【0247】
また、複数の分割領域Ddのうち[h=5]列目の分割領域Ddにおいて、仮実輝度は100であり、第1全点灯輝度(100)と等しい。また、当該[h=5]列目の分割領域Ddにおいて、式(A)によってから算出される第1比較輝度(100(=100×1))は全点灯輝度(50)より大きい。よって、
図34の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、[h=5]列目の分割領域Ddの実輝度を仮実輝度と等しい100とする。
【0248】
さらに、
図34の中段に示すようにフレームN+1において、複数の分割領域Ddのうち分割領域Dd(1,3)では、仮実輝度は115であり、第1全点灯輝度(100)より大きい。また、当該分割領域Dd(1,3)において、式(B)によって算出される第2比較輝度(65(=115-50×1))は第1全点灯輝度(100)より小さい。よって、
図34の下段に示すようにフレームN+1において、駆動回路21は、分割領域Dd(1,3)の実輝度を第1全点灯輝度(100)とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図34の下段に示す実輝度に調節される。
【0249】
次に、フレームN+2において駆動回路21が仮実輝度および実輝度を算出する場合について説明する。
【0250】
図35は、本開示の実施形態の第5変形例に係るフレームN+2の分割領域Ddにおける光源31の必要輝度、光源31の仮実輝度および光源31の実輝度を示す図である。
【0251】
駆動回路21は、ステップS144で、上記と同様に現時点(フレームN+2)の直前のフレームN+1における実輝度を、表示画像の移動方向および移動量と等しい分だけ移動させたものを現時点のフレームN+2の仮実輝度にする。
【0252】
フレームN+1,N+2の間において表示画像の移動方向はX方向に沿って-X側に向かう方向であり、表示画像の移動量は分割領域Ddの1辺の長さと等しい。よって、フレームN+2での分割領域Ddの仮実輝度は、フレームN+1での分割領域Ddの実輝度を1列分だけ-X側に移動させたものに相当する。
【0253】
具体的には、
図35の中段に示すようにフレームN+2において、[h=0,1,2,3,4]列目の分割領域Ddの仮実輝度は、
図34の下段に示すフレームNにおける[h=1,2,3,4,5]列目の分割領域Ddの実輝度に相当する。
【0254】
また、フレームN+2において[h=5]列目の分割領域Ddに表示される画像は、フレームN+1の表示画像に対応する部分がなく、新たに表示される画像に相当する。よって、
図35の中段に示すようにフレームN+2において、[h=5]列目の分割領域Ddの仮実輝度は、第1全点灯輝度(100)となる。
【0255】
続けて、駆動回路21は、ステップS145,S146を上記の第1変形例と同様に実行し、全点灯輝度を100とする。さらに、駆動回路21は、ステップS147を上記の第1変形例と同様に実行して実輝度を算出する。
【0256】
具体的には、
図35の中段に示すようにフレームN+2において、複数の分割領域Ddそれぞれの仮実輝度は第1全点灯輝度(100)以下である。また、複数の分割領域Ddにおいて、式(A)によって算出される第1比較輝度(50または100)は全点灯輝度(100)以下である。よって、
図35の下段に示すようにフレームN+2において、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれの実輝度を全点灯輝度(100(=第1全点灯輝度))とする。これにより、複数の光源31の輝度は、
図35の下段に示す実輝度に調節される。このときの複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度と等しい。
【0257】
このように、本第5変形例においても、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで徐々に増加させる。
【0258】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0259】
例えば、第1表示パネル20aおよび第2表示パネル20bは一体でもよい。この場合、一体の第1表示パネル20aおよび第2表示パネル20bは1つの表示領域DAを有し、当該表示領域DAにおいて左目用の画像は-X側に右目用の画像は+X側に表示される。さらにこの場合、1つの表示領域DAに対応してレンズ2bの個数は1つでもよく、第1光源装置30aおよび第2光源装置30bは一体でもよい。
【0260】
また、上記の
図26に示すステップS146において全点灯輝度の増加量は第1全点灯輝度の50%であるが、当該増加量に限定されないはいうまでもない。またこの場合、全点灯輝度の増加量と単位時間との関係は比例関係となるが、比例関係に限定されないことは言うまでもない。例えば、駆動回路21は、光源31の輝度を、以下の式(1)に従って第1全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第1全点灯輝度まで単位時間毎に増加させてもよい。
L
n+1=L
n+(La-L
n)×K ・・・(1)
式(1)において、L
n+1,L
nは光源31の輝度であり、L
nはL
n+1の直前(すなわち直前のフレーム)の光源31の輝度である。nは1以上の整数であり、n=1である場合の光源31の輝度(すなわちL
1)は所定輝度である。Laは第1全点灯輝度である。Kは光源31の輝度の増加率の減少を表す係数であり、例えば1/16から1/2までの間の値である。式(1)はいわゆる無限インパルス応答フィルタ(IIR(Infinite impulse response)フィルタ)である。
【0261】
また、駆動回路21は、第2点灯制御を選択している状態から第1点灯制御を選択した場合、第1点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの光量が必要光量となる光源31の輝度まで第1全点灯輝度から徐々に低下させてもよい。上記のように、第2点灯制御が終了した時点では複数の光源31の輝度は、第1全点灯輝度となっている。そして、駆動回路21は、
図12に示す第1点灯制御のステップS13において、まず、光源31の輝度の減少量を算出し(例えば現時点の直前のフレームの第1全点灯輝度の50%)を算出し、第1全点灯輝度から当該減少量を差し引く。さらに、駆動回路21は、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて、第1全点灯輝度から当該減少量を差し引いた光源31の輝度と必要輝度とを比較し、値が大きい方を実輝度にする。駆動回路21は、所定時間毎に第1全点灯輝度から当該減少量を差し引くことで、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて、光源31の輝度は、第1全点灯輝度から、複数の分割領域Ddそれぞれにおいて分割領域Ddの必要光量となる光源31の輝度まで徐々に低下する。
【0262】
また、駆動回路21は、
図21に示すステップS35で表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量より小さいか否かを判定してもよい。表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量以上である場合(ステップS35でNO)、駆動回路21はプログラムをS31に戻す。一方、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量より小さい場合(ステップS35でYES)、駆動回路21は第2点灯制御を終了する。つまり、この場合、駆動回路21は、第2点灯制御を選択している場合において、表示パネル20の単位時間あたりの移動量が所定移動量より小さいことに応じて、第2点灯制御を終了する。
【0263】
また、上記の実施形態において、全点灯輝度は、第1全点灯輝度であるが、これに代えて、駆動回路21が複数の光源31すべてを点灯させた場合に複数の副画素SPの輝度が副画素SPの階調の最大値に対応する副画素SPの輝度となる光源31の輝度に相当する第2全点灯輝度としてもよい。本実施形態において、第2全点灯輝度は、第1光源輝度(
図9参照)と等しい100である。この場合、駆動回路21は、
図21に示すステップS33で複数の分割領域Ddの必要光量のうち最大の必要光量を特定しなくもよい。
【0264】
また、上記の実施形態の第1変形例において、駆動回路21は、第2点灯制御を選択した場合、第2点灯制御を選択した時点から、光源31の輝度を、第2全点灯輝度より小さい光源31の輝度から第2全点灯輝度まで徐々に増加させてもよい。この場合、
図26に示すステップS141の所定輝度は、第2全点灯輝度より小さい光源31の輝度である。また、駆動回路21は、ステップS145で全点灯輝度が第2全点灯輝度以上であるか否かを判定する。さらに、駆動回路21は、ステップS147で仮実輝度を算出する場合、複数の分割領域Ddのうち仮実輝度が第2全点灯輝度以下である分割領域Ddについて、上記の式(A)によって算出される光源31の輝度である第1比較輝度と全点灯輝度とを比較し、値が大きい方を当該分割領域Ddの実輝度にする。さらに、駆動回路21は、複数の分割領域Ddのうち仮実輝度が第2全点灯輝度より大きい分割領域Ddについて、式(B)によって算出される光源31の輝度である第2比較輝度と第2全点灯輝度と比較し、値が大きい方を当該分割領域Ddの実輝度にする。
【0265】
また、表示装置1がセンサ40を備えずに、外部装置200がセンサ40を備えてもよい。この場合、センサ40は、例えばカメラおよび当該カメラで撮影した画像を処理することで表示パネル20の動きを検出してもよい。
【0266】
また、表示システム100は、VRシステムではなく、車両のナビゲーションシステム(いわゆるカーナビ)でもよい。この場合、表示装置1は車両に取り付けられ、表示画像は例えば地図の画像である。また、この場合、センサ40は、車両の速度および車両が備えるハンドルの操作量(例えばハンドルの単位時間あたりの回転量)などを検出する。
【0267】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0268】
1 表示装置
20 表示パネル
21 駆動回路
30 光源装置
31 光源
40 センサ
100 表示システム
DA 表示領域
Dd 分割領域
SP 副画素