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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081409
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】水液中への鉄イオン溶出供給装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/04 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B22F9/04 C
B22F9/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195023
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(71)【出願人】
【識別番号】305040732
【氏名又は名称】杉本 由起江
(71)【出願人】
【識別番号】303056140
【氏名又は名称】杉本 至健
(71)【出願人】
【識別番号】303056151
【氏名又は名称】杉本 慧子
(74)【上記3名の代理人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幹生
【テーマコード(参考)】
4K017
【Fターム(参考)】
4K017AA02
4K017BA06
4K017DA09
4K017EA01
4K017EA03
4K017EA06
(57)【要約】
【課題】 水中に没する状態にすることにより水中に鉄イオンを発生させる複数の鉄イオン溶出体を衝突させ粒化又は微粉化して水液中に連続的に放出する装置の提供。
【解決手段】フロートや筏等の浮支持体12の裏面に回転支持体2で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器3と、該金属製収容容器3内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物4を備え、前記金属製収容容器3の周壁には多数の小穴3a又は細長い横向きスリット3bが開穴され、前記金属製収容容器3の回転軸3cに備えたスプロケット3dと浮き支持体12上部に備えた回転駆動用電動モーター6の駆動軸に備えたスプロケット6aとの間をチェーン7で連動されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、該水槽内に回転支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、
前記金属製収容容器の周壁には水槽内と連通する多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、
前記金属製収容容器の回転軸に備えたスプロケットと水槽上部の設置台に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動され、
前記水槽内に水液を連続的に供給する水液供給手段を備え、
前記水槽には該水槽内の水液を外部に放出する放出手段を備えていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記水液供給手段は、供給パイプを介して海の海水又は河川の水を供給するポンプであることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記放出手段は、放出パイプを介して海の海水又は河川の水に放出する水槽の側壁に開口する放出口であることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記水液中への鉄イオン溶出供給装置は、フロートや筏等の浮支持体上に設置されていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記浮支持体には、前記ポンプ及び電動モーターを駆動する電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項6】
フロートや筏等の浮支持体の裏面に回転支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、
前記金属製収容容器の周壁には多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、
前記金属製収容容器の回転軸に備えたスプロケットと浮き支持体上部に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動されていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項7】
請求項6に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記浮支持体には、前記電動モーターを駆動する電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物を収容していることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物を収容していることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器の断面形状が多角形であることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器の断面形状が円形であり、該金属製収容容器内に収容された活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物と、該炭素材の複数個の塊・固形物の上部に該炭素材の複数個の塊・固形物の浮上を押さえる鉄板等の重石を備えていることを特徴とする水液中への鉄イオン溶出供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元素の酸化還元電位や電気陰性度や電極電位とイオン化傾向が異なる2種の物質を密着や密接させて媒体中に没し電位差による局部電池を形成して電位の低い方(小さい方)の元素をイオン化する技術において、水中に没する状態にすることにより水中に鉄イオンを発生させる鉄イオン溶出体を衝突及び研磨させ粒化又は微粉化して水液中に鉄イオンを連続的に放出供給する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固形物体同士を空気中で圧力を印加した状態で相対摩擦研磨させることで両固形物体を磨耗させて粉体化する技術が知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-263109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術にあっては、鉄イオン溶出体同士に圧力を印加する手段としてスプリングが用いられているため、鉄イオン溶出体が磨耗すると次第に印加圧力が減少し、粉・微粉体の製造能力にばらつきが生じるという問題がある。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、水中に没する状態にすることにより水中に鉄イオンを発生させる複数の鉄イオン溶出体を衝突させ粒化又は微粉化して水液中に連続的に放出する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、水槽と、該水槽内に回転支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、
前記金属製収容容器の周壁には水槽内と連通する多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、
前記金属製収容容器の回転軸に備えたスプロケットと水槽上部の設置台に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動され、
前記水槽内に水液を連続的に供給する水液供給手段を備え、
前記水槽には該水槽内の水液を外部に放出する放出手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記水液供給手段は、供給パイプを介して海の海水域の水又は汽水・淡水域の水を供給するポンプであることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1又は2に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記放出手段は、放出パイプを介して海水域の水又は淡水・汽水の水に放出する水槽の側壁に開口する放出口であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1~3のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記水液中への鉄イオン溶出供給装置は、フロートや筏等の浮支持体上に設置されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項4に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記浮支持体には、前記ポンプ及び電動モーターを駆動する電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、フロートや筏等の浮支持体の裏面に回転支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、
前記金属製収容容器の周壁には多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、
前記金属製収容容器の回転軸に備えたスプロケットと浮き支持体上部に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項6に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記浮支持体には、前記電動モーターを駆動する電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1~7のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物を収容していることを特徴とする。
【0014】
また、請求9記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1~8のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物を収容していることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1~9のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器の断面形状が多角形であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、請求項1~9のいずれか1項に記載の水液中への鉄イオン溶出供給装置において、
前記金属製収容容器の断面形状が円形であり、該金属製収容容器内に収容された活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物と、該炭素材の複数個の塊・固形物の上部に該炭素材の複数個の塊・固形物の浮上を押さえる鉄板等の重石を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1では、上述のように、水槽と、該水槽内に支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、前記回転収容容器の周壁には水槽内と連通する多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、前記回転収容容器の回転軸に備えたスプロケットと水槽外部に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動され、前記水槽内に水液を連続的に供給する水液供給手段を備え、前記水槽には該水槽内の水液を外部に放出する放出手段を備えていることで、以下に列挙する効果が得られる。
即ち、金属製収容容器を水槽の水液中で回転させることにより、金属製収容容器内に収容された複数個の鉄イオン溶出体等の塊・固形物が互いに衝突すると共に、金属製収容容器の内壁面と衝突し、かつ多数の小穴やスリットの開口縁部で削られることにより、粉化又は微粉化されて金属製収容容器内の水液と共に小穴やスリットから水槽内に流出し、水液と共に放出手段から水槽外部である海の海水や河川の水などへ連続的に放出供給することができる。
即ち、水中に鉄イオン生成の無数の粒又は微粉を水液中に連続的に放出することができる。
更に収容した鉄イオン溶出体等の塊・固形物と鉄製収容容器との摩擦摺動で鉄製収容容器内面も常に削られ新鉄面を露出し、鉄の微粉を発生して、鉄製収容容器に加工された小穴やスリットから水槽内に放流排出され、鉄製収容容器外の水液環境で鉄/炭素密着砕粒から継続して2価鉄イオンを生成する。
同時に、削られ研磨された鉄製収容容器内面(未酸化面露出)でも水槽中の水液との反応を起こし2価鉄イオンと鉄微粉の両方を放出し供給する。
【0018】
また、フロートや筏等の浮支持体の裏面に回転支持体で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器と、該金属製収容容器内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物を備え、
前記金属製収容容器の周壁には多数の小穴又は細長い横向きスリットが開穴され、
前記金属製収容容器の回転軸に備えたスプロケットと浮き支持体上部に備えた回転駆動用電動モーターの駆動軸に備えたスプロケットとの間をチェーンで連動されていることで、以下に列挙する効果が得られる。
即ち、浮き支持体により海の海水や河川・沼等に浮かべて金属製収容容器を海水または水中に没した状態にして金属製収容容器を回転させることにより、金属製収容容器内に収容された複数個の鉄イオン溶出体等の塊・固形物が互いに衝突すると共に、金属製収容容器の内壁面と衝突し、かつ多数の小穴やスリットの開口縁部で削られることにより、粉化又は微粉化されて金属製収容容器内の水液と共に小穴やスリットから水槽内に流出し、水液と共に放出手段から水槽外部である海の海水や河川の水などへ連続的に放出供給することができる。
即ち、水中に鉄イオン生成の無数の粒又は微粉を水液中に連続的に放出することができる。
【0019】
また、前記金属製収容容器内に前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物を収容することで、鉄イオンの溶出効率を高めることができる。
【0020】
また、前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物を収容することで、鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒化又は微粉化を促進することができる
【0021】
また、前記水液中への鉄イオン溶出供給装置をフロートや筏等の浮支持体上に設置することで、これを海上や水上に浮かべた状態にすることで、水槽に海水や水を連続的に供給し、海や河川に直接鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒又は微粉を供給することができる。
【0022】
また、前記浮支持体には、前記ポンプを駆動する電動モーターの電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えることで、電動モーターやポンプを太陽光のみで駆動させることができる。
【0023】
また、前記金属製収容容器の断面形状を多角形にすることで、金属製収容容器が回転する際に鉄イオン溶出体の塊・固形物が折れ曲がった部分で不規則に崩れ乱動を繰返して収容物同士が衝突し破砕され細粒化する。
従って鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒化又は微粉化を促進することができるようになる。
なお、多角形金属収容容器で電気陰性度が1.8の鉄製の場合に於いて収容物として電気陰性度が1.5以下の金属(例えば、アルミニウム又はチタン又はマグネシウム又はその他)の短片をたくさん容れて回転すれば金属収容容器が衝突と接触を繰り返し研磨され常に新表面が露出更新され、接触時に酸化還元電位や電気陰性度や電極電位などの電位差で局部電池を形成し金属イオンが生成できる。参考・炭素の電気陰性度は2.5です。
【0024】
また、前記金属製収容容器の断面形状を円形にすることで、金属製収容容器自体に活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物を常に密接し、活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物と金属製収容容器間に電位差をつけてイオン化材とするから様々な金属を採用できる。
また、水中で金属製収容容器を回転しても収容物の活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物が当接を維持し、金属製収容容器内面と常に密接触状態で滑りを維持し、水中で金属製収容容器を回転しても収容物(炭素材)を金属製収容容器内面から浮離さないで確実に滑らせることができ、そのために収容物(炭素材)の上に金属製収容容器同一金属の鉄板や網あるいは金属粒と炭素粉の混合密着固形物などで重量をかけることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置の金属製収容容器を示す正面図である。
図2】実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置の金属製収容容器を示す側面図である
図3図2のA-A線における縦断面図である。である。
図4】実施例2の水液中への鉄イオン溶出供給装置の金属製収容容器を示す正面図である。
図5】実施例2の水液中への鉄イオン溶出供給装置の金属製収容容器を示す側面図である
図6図6のB-B線における縦断面図である。
図7】実施例1及び2の水液中への鉄イオン溶出供給装置の使用状態を示す説明図である。
図8】実施例1及び2の水液中への鉄イオン溶出供給装置の他の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下にこの発明の実施例を説明する。
【実施例0027】
まず、この実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、図1~3、7に示すように、水槽1と、該水槽1内に回転支持体2で回転自在に支持された断面5角形(多角形)で横向き筒状の金属製収容容器3と、該金属製収容容器3内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物4を備え、
前記金属製収容容器3の周壁には水槽1内と連通する多数の小穴3a又は細長い横向きスリット3bが開穴され、
前記金属製収容容器3の回転軸3cに備えたスプロケット3dと水槽1上部の蓋体を兼ねた設置台5に備えた回転駆動用電動モーター6の駆動軸に備えたスプロケット6aとの間をチェーン7で連動され、
前記水槽1内に供給パイプ8aを介して水液を連続的に供給するポンプ(水液供給手段)8を備え、
前記水槽1には該水槽1内の水液を排出パイプ9aを介して外部に放出する放出口(放出手段)9を備えている。
【0028】
また、前記金属製収容容器3内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物4に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物10を収容している。
【0029】
また、前記金属製収容容器3内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物4に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物11を収容している。
【0030】
また、前記水液中への鉄イオン溶出供給装置は、フロートや筏等の浮支持体12上に設置され、該浮支持体12には、前記ポンプ8及び電動モーター6を駆動する電源となる蓄電池13と、該蓄電池13に電気を供給する太陽光パネル14を備えている。
【0031】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置では、上述のように、水槽1と、該水槽1内に回転支持体2で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器3と、該金属製収容容器3内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物4を備え、前記回転収容容器3の周壁には水槽1内と連通する多数の小穴3a又は細長い横向きスリット3bが開穴され、前記回転収容容器3の回転軸3cに備えたスプロケット3dと水槽1外部に備えた回転駆動用電動モーター6の駆動軸に備えたスプロケット6aとの間をチェーン7で連動され、前記水槽1内に水液を連続的に供給するポンプ(水液供給手段)8を備え、前記水槽1には該水槽1内の水液を外部に放出する放出口(放出手段)9を備えていることで、以下に列挙する作用・効果が得られる。
【0032】
この実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置では、上述のように構成されるため、図7の使用状態に示すように、浮き支持体12の浮力を利用して海上又は河川・沼等の水面17に浮かべ置くことにより、太陽光パネル14で発電し蓄電池13に蓄電された電気でポンプ8を駆動させて浮き支持体12上の水槽1内に海水又は水を水槽1内に連続的に供給し、電動モーター6を駆動して水槽内1の金属製収容容器3を連続的に回転させることができる。
即ち、金属製収容容器3を水槽1の水液中で連続的に回転させることにより、金属製収容容器3内に収容された複数個の鉄イオン溶出体等の塊・固形物4が互いに衝突すると共に、金属製収容容器3の内壁面と衝突し、かつ多数の小穴3aやスリット3bの開口縁部で削られることにより、粉化又は微粉化されて金属製収容容器3内の水液と共に小穴3aやスリット3bから水槽1内に流出し、水液と共に放出口(放出手段)9から水槽1外部である海の海水や河川の水などへ連続的に放出供給することができる。
つまり、水中に鉄イオン生成の無数の粒又は微粉を水液中に連続的に放出することができる。
更に収容した鉄イオン溶出体等の塊・固形物4と鉄製収容容器3との摩擦摺動で鉄製収容容器3内面も常に削られ新鉄面を露出し、鉄の微粉を発生して、鉄製収容容器3に加工された小穴3aやスリット3bから水槽1内に放流排出され、鉄製収容容器3外の水液環境で鉄/炭素密着砕粒から継続して2価鉄イオンを生成する。
同時に、削られ研磨された鉄製収容容器3内面(未酸化面露出)でも水槽1中の水液との反応を起こし2価鉄イオンと鉄微粉の両方を放出し供給する。
【0033】
また、前記水液中への鉄イオン溶出供給装置をフロートや筏等の浮支持体12上に設置することで、これを海上や水上に浮かべた状態にすることで、水槽1に海水や水を連続的に供給し、海や河川に直接鉄イオン溶出体の塊・固形物4の粒又は微粉を供給することができる。
【0034】
また、前記浮支持体12には、前記ポンプ8を駆動する電動モーター6の電源となる蓄電池13と、該蓄電池13に電気を供給する太陽光パネル14を備えることで、電動モーター6やポンプ8を太陽光のみで駆動させることができる。
【0035】
この実施例1の水液中への鉄イオン溶出供給装置では、上述のように構成されるため、図8の他の使用状態に示すように、フロートや筏等の浮支持体12の裏面に回転支持体2で回転自在に支持された横向き筒状の金属製収容容器3と、該金属製収容容器3内に収容された水液中に没する状態にすることで水液中に鉄イオンを溶出する複数個の鉄イオン溶出体の塊・固形物4を備え、
前記金属製収容容器3の周壁には多数の小穴3a又は細長い横向きスリット3bが開穴され、
前記金属製収容容器3の回転軸3cに備えたスプロケット3dと浮き支持体12上部に備えた回転駆動用電動モーター6の駆動軸に備えたスプロケット6aとの間をチェーン7で連動されていることで、以下に列挙する効果が得られる。
即ち、浮き支持体12により海の海水や河川・沼等の水面17に浮かべて金属製収容容器3を海水または水中に没した状態にして金属製収容容器3を回転させることにより、金属製収容容器3内に収容された複数個の鉄イオン溶出体等の塊・固形物4が互いに衝突すると共に、金属製収容容器3の内壁面と衝突し、かつ多数の小穴3aやスリット3bの開口縁部で削られることにより、粉化又は微粉化されて金属製収容容器3内の水液と共に小穴3aやスリット3bから海の海水や河川の水などへ連続的に放出供給することができる。
即ち、水中に鉄イオン生成の無数の粒又は微粉を水液中に連続的に放出することができる。
【0036】
また、前記水液中への鉄イオン溶出供給装置をフロートや筏等の浮支持体12上に設置することで、これを海上や水上に浮かべた状態にすることで、金属製収容容器3事態を海水や水中に没した状態にでき、これにより、海の海水や河川・沼等の水中に直接鉄イオン溶出体の塊・固形物4の粒又は微粉を供給することができる。
【0037】
また、前記浮支持体12には、前記ポンプ8を駆動する電動モーター6の電源となる蓄電池13と、該蓄電池13に電気を供給する太陽光パネル14を備えることで、電動モーター6太陽光のみで駆動させることができる。
【0038】
また、前記金属製収容容器内に前記鉄イオン溶出体の塊・固形物4に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物10を収容することで、鉄イオンの溶出効率を高めることができる。
【0039】
また、前記金属製収容容器3内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物4に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物11を収容することで、鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒化又は微粉化を促進することができる
【0040】
また、前記金属製収容容器3の断面形状を多角形にすることで、金属製収容容器3が回転する際に鉄イオン溶出体の塊・固形物4が折れ曲がった部分で不規則に崩れ乱動を繰返して収容物同士が衝突し破砕され細粒化する。
従って鉄イオン溶出体の塊・固形物4の粒化又は微粉化を促進することができるようになる。
【0041】
また、前記金属製収容容器内に前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物を収容することで、鉄イオンの溶出効率を高めることができる。
【0042】
また、前記金属製収容容器内には前記鉄イオン溶出体の塊・固形物に加え、研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物を収容することで、鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒化又は微粉化を促進することができる
【0043】
また、前記水液中への鉄イオン溶出供給装置をフロートや筏等の浮支持体上に設置することで、これを海上や水上に浮かべた状態にすることで、水槽に海水や水を連続的に供給し、海や河川に直接鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒又は微粉を供給することができる。
【0044】
また、前記浮支持体には、前記ポンプを駆動する電動モーターの電源となる蓄電池と、該蓄電池に電気を供給する太陽光パネルを備えることで、電動モーターやポンプを太陽光のみで駆動させることができる。
【0045】
また、前記金属製収容容器の断面形状を多角形にすることで、金属製収容容器が回転する際に鉄イオン溶出体の塊・固形物が折れ曲がった部分で不規則に崩れ乱動を繰返して収容物同士が衝突し破砕され細粒化する。
従って鉄イオン溶出体の塊・固形物の粒化又は微粉化を促進することができるようになる。
【実施例0046】
次に、実施例2の水液中への鉄イオン溶出供給装置を図4~5に基づいて説明する。
この実施例2の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、前記金属製収容容器3の断面形状が円形であり、該金属製収容容器3内に収容は、活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物15が収容され、該炭素材の複数個の塊・固形物の上部には該炭素材の複数個の塊・固形物の浮上を押さえる鉄板等の重石16を備えている。
【0047】
次に、この実施例2の作用・効果を説明する。
この実施例2の水液中への鉄イオン溶出供給装置は、前記金属製収容容器3の断面形状を円形にすることで、金属製収容容器3自体に活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物15を常に密接し、活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物と金属製収容容器3間に電位差をつけてイオン化材とするから様々な金属を採用できる。
また、水中で金属製収容容器を回転しても収容物の炭素材が当接を維持し、金属製収容容器3内面と常に密接触状態で滑りを維持し、水中で金属製収容容器3を回転しても活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物を金属製収容容器3の内面から浮離さないで確実に滑らせることができ、そのために活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物の上に金属製収容容器3同一金属の鉄板や網あるいは金属粒と炭素粉の混合密着固形物などで重量をかけることができるようになる。
【0048】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、金属収容容器3としては、細かなめのエキスパンドメタル材又は小さな孔を多数加工したパンチング材で収容容器を製造しても良い
また、炭素材の複数個の塊・固形物15の浮上を押さえる鉄板等の重石16としては、収容容器3と同一種類の長尺金属板又は網板,金属棒,金属パイプ等を用いても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 水槽
2 回転支持体
3 金属製収容容器
3a 小穴
3b スリット
3c 回転軸
3d スプロケット
4 鉄イオン溶出体の塊・固形物
5 設置台
6 電動モーター
6a スプロケット
7 チェーン
8 ポンプ(水液供給手段)
8a 供給パイプ
9 放出口(放出手段)
9a 排出パイプ
10 鉄粉粒/炭素粉の混合密着の塊.固化物及び/又は鉄粉/炭素粉の混合体をプラズマ焼結した塊.固化物
11 研磨.研削目的のバレル研磨砥石とその他研磨作用もする塊,固形物
12 フロート・筏(浮き支持体)
13 蓄電池
14 太陽光パネル
15 活性炭等の炭素材の複数個の塊・固形物
16 鉄板等の重石
17 海水や水等の水面


図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8