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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008141
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】収容箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/22 20060101AFI20240112BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20240112BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20240112BHJP
   B62B 5/02 20060101ALI20240112BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D25/22
B62B3/00 D
B62B5/00 E
B62B5/02 E
B65D25/20 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109742
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】522273735
【氏名又は名称】有限会社インマ仮設工業
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 徹
【テーマコード(参考)】
3D050
3E062
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050AA04
3D050BB04
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050KK09
3E062AA01
3E062AB09
3E062BB03
3E062CA07
3E062HA02
3E062HB02
3E062HC11
3E062HD13
(57)【要約】
【課題】人や重量物を簡単に運搬できる収容箱を提供する。
【解決手段】収容箱2は、収容空間が形成された箱本体10と、箱本体10の側面に設けられた取っ手20と、箱本体10の側面に設けられた車輪ユニット30と、箱本体10の底面に設けられた滑止部材40と、箱本体10に設けられたスタッキング部材50と、を備える。X方向第1側板10X1の中央部分には頭側開口10XKが形成される。頭側開口10XKには、ロ字状の開口を有する取っ手20が取り付けられる。このため、取っ手20を取り付けた状態において、収容箱2の内部空間は、頭側開口10XKを介して外部空間と連通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向へ長く伸びるものであり、
前記横方向の一端部の側面には通気口及び取っ手が形成され、
前記横方向の他端部の側面には車輪ユニットが設けられることを特徴とする収容箱。
【請求項2】
前記取っ手が前記通気口を兼ねることを特徴とする請求項1記載の収容箱。
【請求項3】
前記収容箱は、貫通穴が形成された板からなり、
前記貫通穴は、前記通気孔と外部空間とを連通することを特徴とする請求項1または2記載の収容箱。
【請求項4】
前記車輪ユニットの車輪は、前記他端部の側面よりも前記収容箱の底面側へ突出している又は面一であることを特徴とする請求項1記載の収容箱。
【請求項5】
前記車輪ユニットの車輪の回動が規制されたロック状態と、規制が解除されたロック解除状態との間で切り替え自在であることを特徴とする請求項4記載の収容箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
豪雨、土砂くずれや洪水などの災害の際、自宅を失った人や自宅までの交通手段を失った人は指定の避難場所において数日間生活を送ることとなる。この場合には、段ボール製の仕切りやベッドといった簡易的な非常用家具が用いられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-42500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今の異常気象に伴って、自然災害の規模は大きくなりつつある。このため、避難者や負傷者の数も膨大になりつつある。負傷者は、自力による移動がままならない場合も多い。このため、負傷者を運ぶ人員が別途必要になるが、通常は、一人の負傷者を2人で運ぶ場合が多い。
【0005】
しかしながら、避難場所において負傷者を運ぶ人員を確保することは困難である。また、負傷者のような比較的重いものを運ぶ際には、高齢者、女性や子供など非力な人を運搬要員とすることができない。このような運搬要員の問題は、負傷者を収容する場合のみならず、死傷者や健常者が収容される場合や、重量物の場合にもいえる。
【0006】
そこで、本発明では、人や重量物を簡単に運搬できる収容箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収容箱は、横方向へ長く伸びるものであり、前記横方向の一端部の側面には通気口及び取っ手が形成され、前記横方向の他端部の側面には車輪ユニットが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人や重量物を簡単に運搬できる収容箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】伏臥状態の収容箱の概要を示す斜視図である。
図2】伏臥状態及び起立状態の収容箱の概要を示す側面図である。
図3】伏臥状態の収容箱を起立状態にする様子を示す側面図である。
図4】頭側開口近傍のIVa―IVa’線断面図、IVb―IVb’線断面図である。
図5】積み重ね状態の収容箱の概要を示す側面図である。
図6】起立状態の収容箱の概要を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明の便宜上、水平面における任意の方向をX方向と、水平面においてX方向に直交する方向をY方向と、水平面に直交する方向をZ方向とする。
【0011】
図1に示すように、収容箱2は、収容空間が形成された箱本体10と、箱本体10の側面に設けられた取っ手20と、箱本体10の側面に設けられた車輪ユニット30と、箱本体10の底面に設けられた滑止部材40と、箱本体10に設けられたスタッキング部材50と、を備える。
【0012】
箱本体10は、直方体に形成され、X方向、Y方向及びZ方向に延びる辺をもつ。箱本体10のX方向の長さは、Y方向及びZ方向の長さよりも長い。伏臥状態の収容箱2において、箱本体10の側面のうち、X方向の一方側及び他方側に位置するものをX方向第1側板10X1及びX方向第2側板10X2と、Y方向の一方側及び他方側に位置するものをY方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2と、称する。4つの側面(X方向第1側板10X1、X方向第2側板10X2、Y方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2)は、全体として平面視ロ字状となるように連結する。
【0013】
箱本体10の底板10Z1は、4つの側面に対して連結している。底板10Z1のうち、X方向における一方側及び中央部においては、滑止部材40が形成される(図2)。滑止部材40は、底板10Z1から下方に突出する。滑止部材40の形成材料は、箱本体10の載置面に対する摩擦係数が箱本体10の形成材料よりも高い物質であればよく、ゴム等が用いられる。
【0014】
図1に示すように、箱本体10の天板10Z2は、Y方向第2側板10Y2に対して開閉自在に連結する。天板10Z2のY方向先端側からは折り返し片11Yが延設され、天板10Z2のX方向両端からはそれぞれ折り返し片11Xが延設されることが好ましい。天板10Z2が閉状態の場合、折り返し片11YはY方向第1側板10Y1の外壁面に沿い、折り返し片11Xは、X方向第1側板10X1及びX方向第2側板10X2の内壁面に沿うことが好ましい。
【0015】
図2~3に示すように、X方向第2側板10X2の四隅には、車輪ユニット30が設けられる。車輪ユニット30は、X方向第2側板10X2に設けられた固定板31と、Y方向周り(伏臥状態)において回動自在な車輪32と、車輪32を回動自在な状態のまま固定板31に連結する回動保持具33と、車輪32の回動の規制が可能な回動ロック機構37と、を備える。
【0016】
箱本体10が横たわった伏臥状態(図2の破線)において、車輪32の一部分は、底板10Z1よりも下方側に突出していることが好ましい。なお、滑止部材40は、車輪32の一部分と面一またはこれよりも下方側に突出していることが好ましい。
【0017】
回動ロック機構37は、車輪32の回動が規制された回動規制状態と、車輪32の規制が解除された回動状態と、の間で切り替え自在となっている。
【0018】
図1に戻って、X~Y方向第1~2側板10X1~10Y2の継ぎ目の上部において、く字状のスタッキング部材50を設けてもよい。スタッキング部材50は、閉状態の天板10Z2よりも上方に突出することが好ましい。
【0019】
X方向第1側板10X1の中央部分には頭側開口10XKが形成される。頭側開口10XKには、ロ字状の開口を有する取っ手20が取り付けられる。
このため、取っ手20を取り付けた状態において、収容箱2の内部空間は、頭側開口10XKを介して外部空間と連通する(図1,4(A))。すなわち、取っ手20のロ字状の開口が頭側開口10XKを兼ねることが好ましい。なお、頭側開口10XKは、Y方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2のX方向一方側に1つまたは複数形成されていてもよい(図1,4(B))。また、Y方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2に形成された頭側開口10XKに相通された紐部材を設けてもよい。この紐部材により、収容物を箱本体10内で固定することができる。紐部材は、紐本体と、紐本体の一端部に設けられた第1嵌合部材と、紐本体の他端部に設けられ第1嵌合部材に対して着脱自在な第2嵌合部材と、を備えていることが好ましい。
【0020】
箱本体10を形成する各板10X1~10Z2の形成材料は、比較的軽量な材料であることが好ましく、プラスチックであることが好ましい。
【0021】
また、図4(A)に示すように、X方向第1側板10X1には、それぞれ、Y方向に延びる孔10XLがZ方向に並ぶように形成されることが好ましい。孔10XLは、X方向第1側板の両端において開口することが好ましい。また、孔10XLは、頭側開口10XKにおいて開口することが好ましい。これにより、孔10XLの両端は、外部空間に開放される。これにより、箱本体10のY方向隣側に荷物等が置かれ頭側開口10XKが塞がれたとしても、通気路を確保することができる。同様にして、Y方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2には、それぞれ、X方向に延びる孔10YLがZ方向に並ぶように形成されることが好ましい(図4(B))。孔10YLは、Y方向第1側板10Y1及びY方向第2側板10Y2の両端において開口することが好ましい。また、孔10YLは、頭側開口10XKにおいて開口することが好ましい。これにより、孔10YLの両端は、外部空間に開放される。これにより、箱本体10のX方向隣側に荷物等が置かれ頭側開口10XKが塞がれたとしても、通気路を確保することができる。
【0022】
次に、収容箱2の使用方法について説明する。
【0023】
図1に示すように伏臥状態の収容箱2に対し、負傷者を収容する。このとき、負傷者の頭はX方向第1側板10X1側に位置するとともに、負傷者の足はX方向第2側板10X2側に位置する。天板10Z2を閉じた場合であっても、収容箱2には頭側開口10XKが設けられるため、通気性は確保される。
【0024】
また、頭側開口10XKには、ロ字状の開口を有する取っ手20が取り付けられるため、取っ手20を用いて収容箱2を持ち上げることにより(図2)、X方向第1側板10X1は、X方向第2側板10X2よりも斜め上の位置となる。このとき、回動ロック機構37が回動状態になっていれば、取っ手20を持ったまま横方向に移動することにより、箱本体10は車輪ユニット30によって転がしながら移動する。結果、収容箱2を一人で搬送することができる。すなわち、頭が上方となって横たわった人を、小さな力で搬送することができる。
【0025】
また、箱本体10にはスタッキング部材50が設けられているため、収容箱2を重ねることもできる(図5)。
【0026】
一方、収容箱2が空になった場合において、図5に示すように、伏臥状態の収容箱2を重ねることもできる。またさらに、図2に示すように、取っ手20を用いて伏臥状態の収容箱2を持ち上げる際、回動ロック機構37が回動規制状態になっていれば、車輪32を支点にして、収容箱2を起立状態にすることが容易となる。収容箱2を起立状態することにより、収容面積スペースを極力小さくすることができる。そして、回動ロック機構37が回動状態になっていれば、起立状態の収容箱2を小さな力で移動することも可能である。さらに、スタッキング部材50が設けられているため、起立状態の複数の収容箱2を一体にして移動させることも容易となる(図6)。
【0027】
上記実施形態では、取っ手20のロ字状の開口が頭側開口10XKを兼ねるとしたが、本発明はこれに限られず、X方向第1側板10Xにおいて、取っ手20のロ字状の開口と、頭側開口10XKとが独立して設けられていてもよい。
【0028】
上記実施形態では、車輪32の一部分は、底板10Z1よりも下方側に突出しているとしたが、本発明はこれに限られず、車輪32の端部は、底板10Z1と面一であってもよい。
【0029】
なお、収容箱2に収容するものは、伏臥状態や起立状態にかかわらず、負傷者、健常者、死者や物でもよい。
【0030】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
2 収容箱
10 箱本体
20 取っ手
30 車輪ユニット
31 固定板
32 車輪
33 回動保持具
37 回動ロック機構
40 滑止部材
50 スタッキング部材


図1
図2
図3
図4
図5
図6