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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081428
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】LED基板及び面発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240611BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240611BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240611BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240611BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20240611BHJP
【FI】
F21S2/00 311
H01L33/62
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21S2/00 320
F21Y115:10
F21Y105:16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195057
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】岡本 大輔
【テーマコード(参考)】
3K013
5F142
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
5F142AA82
5F142BA32
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD25
5F142CD32
5F142DB36
5F142DB54
5F142EA01
5F142EA34
5F142GA21
(57)【要約】
【課題】製造コストの上昇及び組立工数の増加を抑えながら、多様なサイズの面発光装置を構成できるようにする。
【解決手段】複数のLEDが縦横に搭載されたLED基板であって、長方形状をなし、縦方向又は横方向の一方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したLED基板。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDが縦横に搭載されたLED基板であって、
長方形状をなし、縦方向又は横方向の一方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したLED基板。
【請求項2】
前記縦方向又は前記横方向の他方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の前記第1種単位LED基板と、
前記他方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の前記第2種単位LED基板とを、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したものである請求項1に記載のLED基板。
【請求項3】
前記各単位LED基板には、複数のLEDが、前記縦方向及び前記横方向に沿ってそれぞれ等ピッチで搭載されており、
前記縦方向及び前記横方向のそれぞれにおいて、前記各単位LED基板に搭載されているLEDのピッチが互いに等しい請求項1に記載のLED基板。
【請求項4】
前各単位LED基板には、LEDに通電するための配線パターンが、前記一方向に沿って、対向する一方の辺近傍から他方の辺近傍に亘って形成されている請求項1に記載のLED基板。
【請求項5】
前記各単位LED基板に周囲を囲まれるように配置され、厚み方向に貫通する観測孔が形成された穴開き基板を備え、
当該穴開き基板には、LEDに通電するための配線パターンが、前記一方向に沿って、対向する一方の辺近傍から他方の辺近傍に亘って形成されている請求項4に記載のLED基板。
【請求項6】
前記穴開き基板は、前記一方向に沿った辺の長さが、前記第1種単位LED基板と前記第2種単位LED基板のそれぞれの前記一方向に沿った辺の長さの差と略同一なものである請求項5に記載のLED基板。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のLED基板を備える面発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDが面状に搭載されたLED基板及び面発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LED基板上に、複数のLEDを面状に配置して発光面を形成するようにした面発光装置が知られている。この種の面発光装置として、例えば特許文献1には、多数のLEDが搭載された同一形状のLED基板を複数組み合わせることにより、用途に応じた様々な形状の発光面を形成できるようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-016093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したように同一形状の複数のLED基板を組み合わせて様々なサイズの面発光装置を構成する場合には、面発光装置のサイズが大きくなると、必要なLED基板の枚数が多くなり、LED基板を固定するネジ部材の部品点数や給電のための半田箇所が増大し、組立工数が膨大になってしまう。組立工数を考慮して、複数のLED基板を組み合わせることなく、面発光装置のサイズに合わせて大型の1枚のLED基板を特注すると、ロットをまとめて生産することができず、LED基板の初期費用が高くなり製造コストが増大してしまう。
【0005】
本発明はこのような問題を一挙に解決すべくなされたものであり、製造コストの上昇及び組立工数の増加を抑えながら、多様なサイズの面発光装置を構成できるようにすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係るLED基板は、複数のLEDが縦横に搭載されたものであって、長方形状をなし、縦方向又は横方向の一方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、製造コストの上昇及び組立工数の増加を抑えながら、多様なサイズの面発光装置を構成できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態のLED基板を備える面発光装置の構成を模式的に示す斜視図。
図2】同実施形態の面発光装置の構成を模式的に示す分解斜視図。
図3】同実施形態のLED基板の構成を模式的に示す平面図。
図4】同実施形態のLED基板の配線パターンを模式的に示す平面図。
図5】他の実施形態のLED基板の構成を模式的に示す平面図。
図6】他の実施形態のLED基板の構成を模式的に示す平面図。
図7】他の実施形態のLED基板の構成を模式的に示す平面図。
図8】単位LED基板の長さと必要な基板枚数の関係とを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態に係るLED基板1を有する面発光装置100について図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態に係る面発光装置100は、例えば製品等の対象物であるワークに光を照射して、ワークの表面の傷や文字等をカメラで観測して自動検査する表面検査等に用いられるものである。具体的にこの面発光装置100は、図1及び図2に示すように、複数のLED10が搭載されたLED基板1と、LED10から発せられた光を拡散させる光拡散板2と、これらを収容するケーシング3とを具備するものである。なお、ケーシング3には、LED10に電力を供給するための電源ケーブル(図示しない)が接続されている。
【0011】
LED基板1は、平面視において長方形状(4つの角が略同一である四角形を意味し、正方形状を含む。以下同じである。)をなすものであり、配線基板1Sと、当該配線基板1Sに搭載された複数のLED10とを備えている。以下では、平面視において、LED基板1が有する直交する2辺に沿った方向を、縦方向及び横方向とする。
【0012】
配線基板1Sは、所謂プリント基板と称されるものであり、長方形状をなすベース基板と、ベース基板の上に形成された配線パターン1Pとを備える。ベース基板は、少なくともその表面が絶縁性を有するものであり、例えばガラスエポキシ基板や、表面に絶縁膜が形成されたアルミ基板等である。配線パターン1Pは、LED10に通電するためのものであり、ベース基板の表面に成膜された銅箔等の導電箔等により構成されている。
【0013】
LED10は、縦方向及び横方向に沿ってマトリクス状(又は格子状)をなすようにして配線基板1S上に搭載されている。ここでは、各LED10は、縦方向及び横方向にそれぞれ等ピッチとなるように搭載されている。各LED10はいずれも同一規格のものであり、例えば白色光等の任意の色調の光を発するチップ型のものである。
【0014】
光拡散板2は、LED10から出た光を透過及び拡散させるものであり、平面視において長方形形状をなすものである。この光拡散板2は、LED10の光射出前方に配置されている。
【0015】
ケーシング3は、底板31と枠体32により形成される概略箱形状をなすものである。底板31は、LED基板1と略同一の面積を有する長方形板状のものであり、LED基板1が載せられ、これを支持するものである。枠体32は、底板31の4辺に固定して取付けられるものであり、略同一形状の4枚の側板322により構成されている。各側板322は、底板31の各辺の長さと同程度の長さを有する長尺状をなすものであり、底板31から直角に起立させ、平面視においてその内周面が、LED基板1の外縁を取り囲む長方形状をなすように配置されている。なお前記した光拡散板2は、ケーシング3の開口全面を塞ぐように、枠体32により保持されている。
【0016】
しかして本実施形態の面発光装置100は、図3に示すように、LED基板1が、縦方向又は横方向の一方向(ここでは横方向)に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる、長方形状をなす2種類の単位LED基板11、12を縦横にマトリクス状に複数(ここでは縦6列×横4列)並べて構成されている。本実施形態の2種類の単位LED基板11、12は、いずれも一方の対辺が他方の対辺よりも長い長四角形状であり、その長手方向が互いに揃うように配置されている。
【0017】
各単位LED基板11、12はいずれも、長方形状をなす配線基板上に、複数のLED10が縦方向及び横方向に沿ってマトリクス状に搭載されたものである。この配線基板の構成は、上記した全体の配線基板1Sと同じである。そして各単位LED基板11、12では、横方向において、複数のLED10が同一ピッチで並べられており、最も外側に位置するLED10の配線基板の外縁からの距離が横方向のピッチの半分となっている。同様に各単位LED基板11、12では、縦方向において、複数のLED10が同一ピッチで並べられており、最も外側に位置するLED10の配線基板の外縁からの距離が縦方向のピッチの半分となっている。
【0018】
具体的にLED基板1は、横方向の長さが所定の第1基準長さ(N)の3倍である第1種単位LED基板11と、横方向の長さが第1基準長さ(N)の2倍である第2種単位LED基板12とを縦横に複数並べて構成されている。より具体的にこのLED基板1は、横方向に沿った各列において第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12とを並べて配置し、縦方向に沿った各列において、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12のいずれかを複数並べて構成されている。そしてLED基板1は、横方向に沿った各列において、第1種単位LED基板11の数が1枚以上であり、かつ第2種単位LED基板12の数が1枚以上2枚以下となるように構成されている。ここでは、LED基板1は、左3列に第1種単位LED基板11を並べ、右1列に第2種単位LED基板12を並べて構成されている。
【0019】
縦方向と横方向のそれぞれにおいて、第1種単位LED基板11上のLED10のピッチと、第2種単位LED基板12上のLED10のピッチとは互いに等しくなっている。そのため横方向において、第1種単位LED基板11に搭載されているLED10の数(ここでは6個)は、第2種単位LED基板12に搭載されているLED10の数(ここでは4個)の1.5倍である。
【0020】
また本実施形態の面発光装置100では、LED基板1は、縦方向又は横方向の他方向(ここでは縦方向)に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の第1種単位LED基板11と、当該他方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の第2種単位LED基板12と、を縦横に複数並べて構成されている。
【0021】
具体的に面発光装置100は、第1種単位LED基板11として、縦方向の長さが所定の第2基準長さ(P)の3倍である第1単位LED基板11aと、縦方向の長さが第2基準長さ(P)の2倍である第2単位LED基板11bとを有している。また面発光装置100は、第2種単位LED基板12として、縦方向の長さが第2基準長さ(P)の3倍である第3単位LED基板12aと、縦方向の長さが第2基準長さ(P)の2倍である第4単位LED基板12bとを有している。そしてLED基板1は、縦方向に沿った各列において、縦方向の長さが2Pである第2単位LED基板11bと第4単位LED基板12bの数は1枚以上2枚以下となるように構成されている。
【0022】
縦方向において、第1単位LED基板11aと第3単位LED基板12aには、同数(ここでは3個)のLED10が等ピッチで搭載されており、第2単位LED基板11bと第4単位LED基板12bには、同数(ここでは2個)のLED10が等ピッチで搭載されている。つまり、第1単位LED基板11aと第3単位LED基板12aのそれぞれに搭載されているLED10の数は、第2単位LED基板11bと第4単位LED基板12bのそれぞれに搭載されているLED10の数の1.5倍になっている。
【0023】
また図4に示すように、各単位LED基板11、12には、横方向に平行となるように配線パターン1Pが形成されている。各単位LED基板11、12には、配線パターン1Pとして、LED10のアノード電極が接続されるアノードパターン1Paと、LED10のカソード電極が接続されるカソードパターン1Pcとが形成されている。これらの配線パターン1Pはいずれも、各単位LED基板11、12が有する縦方向に沿った一対の対辺の一方(又はその近傍)から他方(又はその近傍)に亘って形成されている。そして、横方向に隣り合う単位LED基板11、12が有する配線パターン1P同士は、コネクタ1Cにより接続されている。
【0024】
また配線パターン1Pは、各単位LED基板11、12を横方向に並べて配置した際に、縦方向における位置が揃うように形成されている。本実施形態では、第1種単位LED基板11である第1単位LED基板11aと、第2種単位LED基板12である第3単位LED基板12aのそれぞれには、アノードパターン1Paとカソードパターン1Pcとが、縦方向の位置を互いに揃えて形成されている。同様に第1種単位LED基板11である第2単位LED基板11bと、第2種単位LED基板12である第4単位LED基板12bのそれぞれにも、アノードパターン1Paとカソードパターン1Pcとが、縦方向の位置を互いに揃えて形成されている。
【0025】
このように構成された本実施形態のLED基板1を用いた面発光装置100によれば、複数の単位LED基板11、12を縦横に並べてLED基板1を構成するようにしているので、縦横に並べる単位LED基板11、12の枚数を変えることにより、ニーズに応じた多様なサイズの面発光装置100を製造することができる。このため、面発光装置100のサイズに合わせた1枚のLED基板1を特注で製造する必要がなく、またロットをまとめて複数の単位LED基板11、12を生産することができるので、LED基板1の製作にかかる初期費用を抑えることができる。しかも、横方向の辺の長さの比が3:2である2種類の単位LED基板11、12を組み合わせて並べることで、同一長さの1種類の単位LED基板を縦横に並べる場合や、横方向の辺の長さの比が2:1である2種類の単位LED基板を縦横に並べる場合に比べて、横方向に並べる単位LED基板11、12の列数を少なくでき、多様なサイズのLED基板1を、少ない枚数の単位LED基板11、12で構成することができる。例えば図8に示すように、第1基準長さN=50mmとして、横方向の長さが9N(=450mm)であるLED基板を構成する際に、横方向の長さがNである1種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には横方向に9枚の単位LED基板が必要であり、横方向の長さが2N、Nである2種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には横方向に5枚の単位LED基板が必要であるが、横方向の長さが3N、2Nである2種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には横方向に並べる単位LED基板の必要枚数は3枚で済む。これにより、単位LED基板11、12を固定するネジ部材の部品点数や給電のための半田箇所を減らし、組立工数を減らすことができる。そしてこのような効果は、構成するLED基板が大きくなるほどより顕著となる。
【0026】
また縦方向に沿った辺の長さの比がいずれも3:2である2種類の第1種単位LED基板11と2種類の第2種単位LED基板12を縦横に並べることで、縦方向に沿った辺の長さが全て同じである第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12を並べる場合に比べて、縦方向に並べる単位LED基板11、12の列数を少なくでき、多様なサイズのLED基板1を、より少ない枚数の単位LED基板11、12で構成することができる。例えば、第1基準長さN=50mm、第2基準長さP=20mmとして、横方向の長さが9N(=450mm)、かつ縦方向の長さが9P(=180mm)の基板を構成する際に、横方向の長さがNであり、かつ縦方向の長さがPである1種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には、縦9枚×横9枚=81枚の単位LED基板が必要となる。また横方向の長さがN又は2Nであり、かつ縦方向の長さがP又は2Pの組み合わせである4種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には、縦5枚×横5枚=25枚の単位LED基板が必要となる。そして本実施形態のように、横方向の長さが2N又は3Nであり、かつ縦方向の長さが2P又は3Pの組み合わせである4種類の単位LED基板を縦横に並べる場合には、必要な単位LED基板の枚数は、縦3枚×横3枚=9枚であり、その必要枚数を大幅に減らすことができる。これにより、各単位LED基板11、12を固定するネジ部材の部品点数や給電のための半田箇所をより一層減らし、組立工数をより一層減らすことができる。
【0027】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0028】
例えば前記実施形態のLED基板1は、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12とが縦6列×横4列となるように並べて構成されていたがこれに限らない。他の実施形態のLED基板1は、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12とを縦横に複数列並べた構成であればよい。
【0029】
また前記実施形態のLED基板1は、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12のみを並べて構成したものであったがこれに限らない。他の実施形態のLED基板1は、図5に示すように、厚み方向に貫通する観測孔13hが形成された長方形状をなす1枚の穴開き基板13をさらに備えてもよい。
【0030】
この穴開き基板13は、縦方向及び横方向においてLED基板1の略中央に配置され、その周囲を第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12とにより囲まれている。図5に示すように、穴開き基板13は、縦方向又は横方向の一方向(ここでは横方向)において、第1種単位LED基板11及び第2種単位LED基板12と並ぶように配置されている。横方向において穴開き基板13の右側と左側には、第1種単位LED基板11が同数ずつ配置されており、第2種単位LED基板12も同数ずつ配置されている。
【0031】
具体的にこの穴開き基板13は、横方向に沿った辺の長さが、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12のそれぞれの横方向に沿った辺の長さの差(すなわち、第1基準長さN)と略同一であるのがよい。また穴開き基板13は、縦方向に沿った辺の長さが、横方向に隣り合う第1種単位LED基板11又は第2種単位LED基板12の縦方向の辺の長さ(すなわち、第2基準長さPの2倍又は3倍)と略同一であるのがよい。このようにすれば、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12と穴開き基板13とを隙間なく並べることができる。
【0032】
また穴開き基板13には、第1種単位LED基板11及び第2種単位LED基板12と同様に、横方向に平行となるように配線パターン1Pが形成されており、この配線パターン1Pは、横方向に隣り合う各単位LED基板11、12の配線パターン1Pと縦方向における位置が揃うように形成されている。
【0033】
また前記実施形態のLED基板1は、縦方向の長さが異なる2種類の第1種単位LED基板11と、縦方向の長さが異なる2種類の第2種単位LED基板12とを並べて構成されていたがこれに限らない。他の実施形態のLED基板1は、図6に示すように、縦方向の長さが全て同じである第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12とを並べて構成されていてもよい。
【0034】
また前記実施形態では、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12は、横方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となるものであったがこれに限らない。他の実施形態では、図7に示すように、第1種単位LED基板11と第2種単位LED基板12は、縦方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となるものであってもよい。
【0035】
また他の実施形態では、LED基板1に搭載されるLED10は、チップ型に限らず、SMD型や砲弾型のものであってもよい。さらに他の実施形態の面発光装置100では、ケーシング3が備える底板31は、LED基板1が備えるベース基板であってもよい。この場合、ベース基板が枠体32により保持されていればよい。
【0036】
また他の実施形態の面発光装置100は、検査用に限らず他の用途で使用されるものであってもよい。また他の実施形態の面発光装置100は光拡散板2を備えていなくてもよい。
【0037】
さらに本明細書の開示内容は、以下に例示する態様1~7を含み得る。
【0038】
(態様1)複数のLEDが縦横に搭載されたLED基板であって、長方形状をなし、縦方向又は横方向の一方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したLED基板。
【0039】
このような構成であれば、複数の単位LED基板を縦横に並べてLED基板を構成するようにしているので、縦横に並べる単位LED基板の枚数を変えることにより、ニーズに応じた多様なサイズの面発光装置を製造することができる。このため、面発光装置のサイズに合わせた1枚のLED基板を特注で製造する必要がなく、またロットをまとめて複数の単位LED基板を生産することができるので、LED基板の製作にかかる初期費用を抑えることができる。しかも、縦方向又は横方向の一方向(例えば横方向)の辺の長さの比が3:2である2種類の単位LED基板を組み合わせて並べることで、同一長さの1種類の単位LED基板を縦横に並べる場合や、横方向の辺の長さの比が2:1である2種類の単位LED基板を縦横に並べる場合に比べて、横方向に並べる単位LED基板の列数を少なくでき、多様なサイズのLED基板を、少ない枚数の単位LED基板で構成することができる。これにより、単位LED基板を固定するネジ部材の部品点数や給電のための半田箇所を減らし、組立工数を減らすことができる。
【0040】
(態様2)前記縦方向又は前記横方向の他方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の前記第1種単位LED基板と、前記他方向に沿った辺の長さの比が3:2の関係となる2種類の前記第2種単位LED基板とを、前記縦方向及び前記横方向に複数並べて構成したものである態様1に記載のLED基板。
このような構成であれば、縦方向又は横方向の他方向(例えば縦方向)に沿った辺の長さの比がいずれも3:2である2種類の第1種単位LED基板と2種類の第2種単位LED基板を縦横に並べることで、縦方向に沿った辺の長さが全て同じである第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を並べる場合に比べて、縦方向に並べる単位LED基板の列数を少なくでき、多様なサイズのLED基板を、より少ない枚数の単位LED基板で構成することができる。これにより、各単位LED基板を固定するネジ部材の部品点数や給電のための半田箇所をより一層減らし、組立工数をより一層減らすことができる。
【0041】
(態様3)前記各単位LED基板には、複数のLEDが、前記縦方向及び前記横方向に沿ってそれぞれ等ピッチで搭載されており、前記縦方向及び前記横方向のそれぞれにおいて、前記各単位LED基板に搭載されているLEDのピッチが互いに等しい態様1又は2に記載のLED基板。
このように構成すれば、第1種単位LED基板と第2種単位LED基板を縦横に並べて構成されるLED基板において、複数のLEDを縦方向及び横方向に沿って等ピッチで並べることができる。
【0042】
(態様4)前各単位LED基板には、LEDに通電するための配線パターンが、前記一方向に沿って、対向する一方の辺近傍から他方の辺近傍に亘って形成されている態様1~3のいずれかに記載のLED基板。
このようにすれば、複数の単位LED基板を縦横にどのような枚数で組み合わせても、LED基板の全体において配線パターンを一方向に沿って形成することができ、LEDの点灯回路の設計を簡単にできる。
【0043】
(態様5)前記各単位LED基板に周囲を囲まれるように配置され、厚み方向に貫通する観測孔が形成された穴開き基板を備え、当該穴開き基板には、LEDに通電するための配線パターンが、前記一方向に沿って、対向する一方の辺近傍から他方の辺近傍に亘って形成されている態様4に記載のLED基板。
このような穴開き基板を備える面発光装置であれば、カメラと同じ光軸方向からワークを照射する同軸照明装置に好適に適用することができる。しかも、この穴開き基板にも配線パターンが各単位LED基板と同じ方向に形成されているので、LEDの点灯回路の設計を簡単にできる。
【0044】
(態様6)前記穴開き基板は、前記一方向に沿った辺の長さが、前記第1種単位LED基板と前記第2種単位LED基板のそれぞれの前記一方向に沿った辺の長さの差と略同一なものである態様5に記載のLED基板。
【0045】
(態様7)態様1~6のいずれかに記載のLED基板を備える面発光装置。
【0046】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
100 ・・・面発光装置
1 ・・・LED基板
11・・・第1種単位LED基板
12・・・第2種単位LED基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8