(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081458
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】内視鏡および内視鏡用照明基板
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20240611BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20240611BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61B1/06 531
A61B1/07 736
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195102
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小師 敦
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040AA00
2H040BA00
2H040CA03
2H040CA12
2H040CA23
2H040DA03
2H040DA12
2H040DA15
2H040DA18
2H040FA01
2H040GA02
4C161JJ15
4C161QQ06
4C161QQ07
4C161SS01
(57)【要約】
【課題】静電気により破損しにくい内視鏡を提供すること。
【解決手段】内視鏡は、挿入部の先端部に配置された観察窓と、内視鏡用照明基板41とを備え、前記内視鏡用照明基板41は、複数の発光素子51が実装されたベース基板と42、前記ベース基板42の実装面のうち、前記発光素子51が実装されていない部分に積層された反射体43と、前記反射体43の表面を覆う絶縁膜46とを有する。前記反射体43は、前記発光素子51に比べて厚く、前記発光素子51を囲む反射面431を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部の先端部に配置された観察窓と、
内視鏡用照明基板とを備え、
前記内視鏡用照明基板は、
複数の発光素子が実装されたベース基板と、
前記ベース基板の実装面のうち、前記発光素子が実装されていない部分に積層された反射体と、
前記反射体の表面を覆う絶縁膜とを有する
内視鏡。
【請求項2】
前記反射体は、
前記発光素子に比べて厚く、
前記発光素子を囲む反射面を有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記反射面は、前記発光素子の周囲を、前記挿入部の外周側が開口したU字型に囲む
請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記内視鏡用照明基板は環状であり、
前記発光素子は前記内視鏡用照明基板の縁に沿って複数配置されている
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記内視鏡用照明基板は、
前記発光素子を覆う樹脂部を有し、
前記ベース基板と、前記発光素子と、前記樹脂部と、前記反射体と、前記絶縁膜とは、一枚の板状に構成されている
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記樹脂部は、蛍光体を含む
請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記内視鏡用照明基板は、
第1波長の光を放射する第1発光部と、
前記第1発光部の間に配置された、前記第1波長とは異なる第2波長で発光する第2発光部とを含む
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記絶縁膜は、ポリイミド膜である
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記反射体は、前記発光素子とは絶縁された金属である
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の内視鏡。
【請求項10】
環状のベース基板と、
前記ベース基板の実装面に実装された複数の発光素子と、
前記実装面のうち、前記発光素子が実装されていない部分に積層された反射体と、
前記反射体の表面を覆う絶縁膜とを有する
内視鏡用照明基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡および内視鏡用照明基板に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の発光素子が実装された環状の発光素子基板と、発光素子基板の中央部から突出する広角の観察光学系とを備える内視鏡が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の内視鏡においては、内視鏡視野の端部まで明るく照明できる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の内視鏡においては、挿入部の先端近傍に発光素子基板が配置されているため、偶発的に生じた静電気により発光素子基板が破損する可能性がある。
【0006】
一つの側面では、静電気により破損しにくい内視鏡の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
内視鏡は、挿入部の先端部に配置された観察窓と、内視鏡用照明基板とを備え、前記内視鏡用照明基板は、複数の発光素子が実装されたベース基板と、前記ベース基板の実装面のうち、前記発光素子が実装されていない部分に積層された反射体と、前記反射体の表面を覆う絶縁膜とを有する。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、静電気により破損しにくい内視鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】
図2におけるIV-IV線による内視鏡の部分断面図である。
【
図6】
図5におけるVI-VI線による内視鏡用照明基板の断面図である。
【
図8】変形例-1の内視鏡用照明基板の断面図である。
【
図9】変形例-2の内視鏡用照明基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
図1は、内視鏡10の外観図である。本実施の形態の内視鏡10は、消化管向けの軟性鏡である。内視鏡10は、挿入部14、操作部20、ユニバーサルコード25およびコネクタ部24を有する。操作部20は、湾曲ノブ21およびチャンネル入口22を有する。
【0011】
挿入部14は長尺であり、一端が折止部16を介して操作部20に接続されている。挿入部14は、操作部20側から順に軟性部11、湾曲部12および先端部13を有する。湾曲部12は、湾曲ノブ21の操作に応じて湾曲する。
【0012】
チャンネル入口22から先端部13まで、挿入部14を貫通するチャンネル15が設けられている。チャンネル入口22には、処置具等を挿入する挿入口を有する鉗子栓23が取り付けられている。
【0013】
以後の説明では、挿入部14の長手方向を挿入方向と記載する。同様に、挿入方向に沿って操作部20に近い側を操作部側、操作部20から遠い側を先端側と記載する。
【0014】
ユニバーサルコード25は長尺であり、第一端が操作部20に、第二端がコネクタ部24にそれぞれ接続されている。コネクタ部24は、略直方体のコネクタケース26に覆われている。コネクタケース26の一つの面から、スコープコネクタ27が突出している。コネクタ部24は、図示を省略する内視鏡用プロセッサ等に接続される。
【0015】
図2は、
図1におけるII矢視図である。
図3は、
図2におけるIII矢視図である。
図2は挿入部14の端面を正面視した状態を示す。
図3は先端部13の側面を示す。
【0016】
図2に示すように、挿入部14の中心軸から
図2における上方にずれた位置に観察窓36が配置されている。
図3に示すように、観察窓36はドーム型である。観察窓36を囲んで環状の照明窓39が配置されている。照明窓39の詳細については後述する。
【0017】
図2における観察窓36の右下に、送気送水ノズル37が観察窓36に出射口を向けて配置されている。観察窓36の左下にチャンネル出口152および先端送水孔38がそれぞれ配置されている。
【0018】
なお、
図2は先端部13の端面の外観の一例であり、各部材の配置は
図2に限定されない。たとえば、送気送水ノズル37の代わりに、独立した送気ノズルおよび送水ノズルが設けられていても良い。
【0019】
図3に示すように、先端部13は先端側から第1枠31および第2枠32を有する。第1枠31の
図3における下半分、すなわち送気送水ノズル37、チャンネル出口152および先端送水孔38が設けられた部分は、略円錐面である。
【0020】
第1枠31は、
図3における上側に操作部側に突出する突出部311を有する。第2枠32の先端側の端部は、突出部311に対応する部分が操作部側に後退している。突出部311が第2枠32の窪みに係合することにより、第1枠31と第2枠32との間の回転方向の角度が規制されている。
【0021】
第2枠32の操作部側に、第4枠34が固定されている。第1枠31、第2枠32および第4枠34は、筒状である。第4枠34に、
図3に二点鎖線で示す湾曲駒122が嵌めこまれて、固定されている。第2枠32の操作部側の部分および湾曲駒122は、湾曲ゴム121で覆われている。
【0022】
図4は、
図2におけるIV-IV線による内視鏡10の部分断面図である。第1枠31および第2枠32の内側に、筒状の第3枠33が収容されている。第3枠33は、先端側が太く、操作部側が細い段付き筒型である。
【0023】
第3枠33の先端側の端面に、環状の内視鏡用照明基板41が配置されている。内視鏡用照明基板41には、発光素子51が実装されている。内視鏡用照明基板41の構成については後述する。
【0024】
第1枠31は、発光素子51から放射された光を透過させる透光性樹脂製である。
図4に示すように、第1枠31の内面は、発光素子51に対向する部分がU字溝状に窪んで、凹レンズを形成している。
【0025】
内視鏡用照明基板41および第3枠33に、筒状の第5枠35が挿入されている。第5枠35に、先端側からレンズユニット361が挿入されている。レンズユニット361は、遮光性を有するレンズ枠364と、レンズ枠364に固定された複数のレンズを有する。前述の観察窓36は、最も先端側に配置されたレンズの外表面である。
【0026】
本実施の形態のレンズユニット361は、視野角が150度を超えるいわゆる超広角レンズである。レンズユニット361は、先端側に径の大きいレンズを、操作部側に径の小さいレンズを有する。レンズ枠364は、先端側に鍔を有する円筒形状である。レンズ枠364の鍔の部分に径の大きい先端側のレンズが固定され、レンズ枠364の内面に径の小さい操作部側のレンズが固定されている。
【0027】
レンズユニット361の操作部側に、撮像素子363が配置されている。撮像素子363は、図示を省略するドライバ回路および撮像ケーブルに接続されている。撮像ケーブルは、操作部20、ユニバーサルコード25およびコネクタ部24を介して、内視鏡用プロセッサに接続される。
【0028】
レンズユニット361に入射した光が撮像素子363上で結像するように、両者の位置が調整されている。レンズユニット361と撮像素子363とは、内視鏡10の観察光学系を構成する。
【0029】
第1枠31には、チャンネル出口152および先端送水孔38に対応する貫通孔がそれぞれ設けられている。
図1に示すように、チャンネル出口152に対応する貫通穴と、チャンネル入口22との間には、チャンネル15を構成するチューブが配置されている。
【0030】
送気送水ノズル37に対応する貫通孔の先端に送気送水ノズル37が取り付けられている。図示を省略するが、送気送水ノズル37には、送気送水チューブが接続されている。同様に、先端送水孔38に対応する貫通孔には、先端送水用チューブが接続されている。
【0031】
図5は、内視鏡用照明基板41の斜視図である。前述のとおり、内視鏡用照明基板41は環状である。内視鏡用照明基板41はベース基板42反射体43との積層構造である。内視鏡用照明基板41の縁に沿って、第1発光部501と第2発光部502とが交互に合計12個配置されている。
【0032】
第1発光部501は、たとえば特殊光観察用に用いられる第1波長の照明光を放射する。第2発光部502は、たとえば白色光等の通常光観察用に用いられる第2波長の照明光を放射する。以下の説明において、第1発光部501と第2発光部502とを特に区別する必要がない場合には、発光部50と記載する場合がある。
【0033】
内視鏡用照明基板41の中央部には、略D字型の撮像孔411が設けられている。内視鏡用照明基板41の撮像孔411の直線部の近傍の外周に、略円弧状のチャンネル凹部412が設けられている。
【0034】
反射体43には、撮像孔411の縁に沿って3個の略U字型の切り欠きが設けられて、ベース基板42の表面が露出している。切り欠きの一つは、撮像孔411の直線部に対向して配置されており、ベース基板42の表面に4個の配線ランド44が配置されている。残りの二つは、互いに対向して配置されており、ベース基板42の表面にそれぞれ3個の配線ランド44が配置されている。
【0035】
すなわち、ベース基板42には、合計10個の配線ランド44が配置されている。たとえば、3個の配線ランド44のうちの、中央の配線ランド44には、内視鏡用照明基板41にGND電位を供給するGND線が接続され、残りの8個の配線ランド44には発光素子51に電圧を供給して発光させる信号線が接続される。
【0036】
それぞれの配線ランド44に接続されている配線材は、軟性部11の内部ではたとえば一束に束ねられて、照明ケーブル束を構成する。なお、配線ランド44の数および配置は例示である。発光部50の発光は、照明ケーブル束を介して内視鏡用プロセッサにより制御される。
【0037】
図6は、
図5におけるVI-VI線による内視鏡用照明基板41の断面図である。
図6は、内視鏡用照明基板41の側面から始まり、一つの発光部50の中央部を通過して内視鏡用照明基板41の側面に至る、略U字形の断面を示す。発光素子51の内部構造、および、ベース基板42に設けられた配線パターンについては図示を省略する。それぞれの発光部50の構成は、略同一である。
【0038】
図5および
図6を使用して、内視鏡用照明基板41の構成を説明する。ベース基板42の実装面に、反射体43が積層されている。前述のとおり、ベース基板42に発光素子51が実装されている。反射体43は、発光素子51に比べて厚い。発光素子51は、反射体43の厚さの半分以下であることが望ましい。
【0039】
発光素子51が実装されている部分の周囲においては、反射体43には内視鏡用照明基板41の外周側が開口する略U字形の切り欠きが設けられている。切り欠きの端面は、平滑で光の反射率が高い反射面431に形成されている。
【0040】
ベース基板42は、たとえばガラスエポキシ基板またはセラミックス基板等の、回路基板である。反射体43は、たとえばアルミニウム、ステンレスまたは銅等の金属である。反射体43の表面は、全面にわたって絶縁膜46により覆われている。絶縁膜46は、たとえばポリイミド膜である。
【0041】
発光素子51の周囲は、樹脂部52により覆われている。樹脂部52は、
図5に示すようにベース基板42と、反射体43とが、配線ランド44周辺を除いて均一な厚さを有する一枚の板状の内視鏡用照明基板41を構成するように成形されている。
【0042】
たとえば、発光素子51には特殊光または白色光等の照明光に使用する仕様の光を放射するようにパッケージ化された部品が使用される。樹脂部52には、発光素子51から放射された光を効率良く透過させる、透光性の高い樹脂が使用される。
【0043】
発光素子51には狭帯域の光を放射するいわゆるベアチップが使用され、樹脂部52に混入された蛍光体により、所望の光を放射するように構成されていてもよい。たとえば、青色の狭帯域光を放射する発光素子51を、黄色の蛍光体を混入した樹脂部52で覆うことにより、白色光を放射できる。
【0044】
LED(Light Emitting Diode)等の発光素子51と、蛍光体とを組み合わせて特殊光観察用および白色光観察用の照明光をそれぞれ放射する方法は公知であるため、詳細については説明を省略する。
【0045】
なお、ベース基板42の内部に設けられた配線パターンは、発光素子51の実装に使用するランドおよび配線ランド44を除き、ベース基板42の表面から十分に離れている。
【0046】
凹レンズの効果、および、発光素子51の側面が反射体43により覆われていないことの効果により、発光素子51から放射された光は、挿入部14の前方から側方までの広い範囲を照明する。
【0047】
発光素子51から放射された光のうち、反射面431に向かう光は、反射面431により反射されて、挿入部14の前方または側方を照明する。反射面431により、発光素子51から放射された光を効率よく利用する内視鏡10を提供できる。
【0048】
第1枠31の、発光部50から放射された光を透過する部分が、照明窓39の機能を果たす。第1枠31は、先端部分が透光性樹脂により形成され、それ以外の部分が不透光性樹脂により形成されていても良い。第1枠31は、先端部分が透光性樹脂または透光性セラミックス等の任意の透光性素材により形成され、それ以外の部分が樹脂、金属またはセラミックス等の任意の素材により形成されていても良い。
【0049】
図7は、静電気(ESD:Electro-Static Discharge)の通過経路を説明する説明図である。静電気は、たとえばチャンネル15に挿入した高周波処置具の使用中等に偶発的に発生し得る。
【0050】
静電気は、電流量は小さいが数キロボルトから十数キロボルト程度の高電圧になり得る。静電気の電荷は、電流が流れやすい経路を通って放電される。たとえば、金属製等の導電性の部分、および、異なる素材同士を接着している接着層等は、静電気の経路になりやすいことが知られている。さらに、平坦な面よりも、尖った部分の方が、静電気の経路になりやすいことが知られている。
【0051】
図7において、矢印Aは外部から内視鏡10の先端に向けて放電された静電気を模式的に示す。矢印Aの静電気は、観察窓36とレンズ枠364との間を接着する接着層内を流れる矢印Bの経路と、第5枠35と照明窓39との間を接着する接着層内を流れる矢印Cの経路に分離する。
【0052】
仮に、絶縁膜46が設けられていない場合、矢印Cの経路を流れる静電気は、良導体である反射体43に入る。反射体43とベース基板42との間の電位差が瞬間的に大きくなり、発光素子51が静電破壊し得る。
【0053】
しかしながら本実施の形態においては、絶縁膜46が存在するため静電気は反射体43に到達しにくい。通過しにくい、すなわち抵抗値の高い矢印Cの経路よりも、矢印Bの経路を流れる静電気の方が多くなる。
【0054】
矢印Bの経路を流れる静電気は、点線で示すように撮像素子363の外側を流れ、撮像素子363に接続された撮像ケーブルのシールドを経由して、内視鏡10の外に到達する。
【0055】
本実施の形態によると、絶縁膜46を設けることにより、静電気による内視鏡用照明基板41の破損を防止できる。すなわち、静電気により破損しにくい内視鏡10を提供できる。
【0056】
なお、絶縁膜46はポリイミド製に限定しない。たとえばPTFE(polytetrafluoroethylene)等のフッ素樹脂、またはパリレン(登録商標)等のパラキシリレン系ポリマーであっても良い、絶縁膜46の厚さは、予測される静電気の電圧と、使用する材料の特性により定められる。たとえばポリイミドを絶縁膜46に使用する場合には、30マイクロメートルから50マイクロメートル程度の厚さで、
図7を使用して説明した機能を果たす。
【0057】
レンズ枠364は、たとえば金属等の良導体製であることが望ましい。レンズ枠364は、炭素繊維強化プラスチック等の、導電性のある樹脂製であってもよい。静電気が、
図7を使用して説明した矢印Bの経路に誘導されやすくなり、内視鏡用照明基板41の破損をさらに確実に防止できる。
【0058】
すべての発光部50が白色光を放射してもよい。特殊光観察機能を備えない代わりに、視野の明るい内視鏡10を提供できる。
【0059】
[変形例-1]
変形例-1は、反射体43とベース基板42の接合面に絶縁膜46が介在しない内視鏡用照明基板41に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図8は、変形例-1の内視鏡用照明基板41の断面図である。
図8は、
図6と同様の断面を示す。
【0060】
本変形例においては、たとえばベース基板42と反射体43とが接合された後に、発光素子51を実装する部分およびベース基板42がマスキングされた状態で絶縁膜46が形成される。その後、発光素子51の実装と、樹脂部52の成形が行われることにより、本変形例の内視鏡用照明基板41が完成する。
【0061】
本変形例によると、ベース基板42と反射体43と間の絶縁膜46を介して、隣の発光部50に照明光が漏れる迷光を防止した内視鏡用照明基板41を提供できる。
【0062】
[変形例-2]
本実施の形態は、内視鏡用照明基板41の外面を絶縁膜46で覆った内視鏡用照明基板41に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図9は、変形例-2の内視鏡用照明基板41の断面図である。
図9は、
図6と同様の断面を示す。
【0063】
たとえば、発光素子51の実装および樹脂部52の成形が完了した後に、絶縁膜46が形成されることにより、本変形例の内視鏡用照明基板41が完成する。
【0064】
本変形例によると、たとえば樹脂部52と反射体43との界面、または、ベース基板42と反射体43との界面から静電気が侵入することによる発光素子51の破損を防止できる。
【0065】
なお、絶縁膜46を形成する際に、樹脂部52の表面にマスキングを施してもよい。絶縁膜46による照明光の減衰を防止した内視鏡用照明基板41を提供できる。
【0066】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
10 内視鏡
11 軟性部
12 湾曲部
121 湾曲ゴム
122 湾曲駒
13 先端部
14 挿入部
15 チャンネル
152 チャンネル出口
16 折止部
20 操作部
21 湾曲ノブ
22 チャンネル入口
23 鉗子栓
24 コネクタ部
25 ユニバーサルコード
26 コネクタケース
27 スコープコネクタ
31 第1枠
311 突出部
32 第2枠
33 第3枠
34 第4枠
35 第5枠
36 観察窓
361 レンズユニット
363 撮像素子
364 レンズ枠
37 送気送水ノズル
38 先端送水孔
39 照明窓
41 内視鏡用照明基板
411 撮像孔
412 チャンネル凹部
42 ベース基板
43 反射体
431 反射面
44 配線ランド
46 絶縁膜
50 発光部
501 第1発光部
502 第2発光部
51 発光素子
52 樹脂部