(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081486
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】コンセント装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240611BHJP
H01R 25/00 20060101ALI20240611BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20240611BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20240611BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K7/20 F
H01R25/00 G
H01R25/00 A
H01R13/66
G01K1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195140
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中植 真仁
(72)【発明者】
【氏名】董 思含
【テーマコード(参考)】
2F056
5E021
5E322
【Fターム(参考)】
2F056CL07
5E021FA05
5E021FA16
5E021FB15
5E021FB21
5E021FC16
5E021MA08
5E021MA12
5E021MA18
5E322AA03
5E322AB01
5E322AB08
5E322AB10
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】ケースの温度変化を正確に検出する。
【解決手段】コンセント装置1は、第1基板6と、第2基板7と、ケース2と、支持部4と、を備える。第1基板6には、発熱部品62と、交流電力を直流電力に変換する変換回路と、が実装される。第2基板7には、直流電力が出力されるポートPT0と、温度を検出する温度検出素子と、が実装される。ケース2は、第1基板6及び第2基板7を収容する。支持部4は、第2基板7を支持して第2基板7をケース2に対して位置決めする。第2基板7は、ポートPT0が実装される主部8と、主部8の端部から突出する突出部9を有する。突出部9に温度検出素子が実装される。支持部4は、主部8におけるポートPT0の実装面の反対側から、突出部9の少なくとも一部を支持する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品と、交流電力を直流電力に変換する変換回路と、が実装された第1基板と、
前記直流電力が出力されるポートと、温度を検出する温度検出素子と、が実装された第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板を収容するケースと、
前記第2基板を支持して前記第2基板を前記ケースに対して位置決めする支持部と、を備え、
前記第2基板は、前記ポートが実装される主部と、前記主部の端部から突出する突出部と、を有し、
前記突出部に前記温度検出素子が実装され、
前記支持部は、前記主部における前記ポートの実装面の反対側から、前記突出部の少なくとも一部を支持する
コンセント装置。
【請求項2】
前記ケースと前記支持部とは、一体に形成されている
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項3】
前記温度検出素子の検出結果に基づいて、前記直流電力の出力を制御する制御部を更に備える
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項4】
前記ケースは、
造営面に設けられた埋込孔に少なくとも一部が収容された状態で配置されるボディと、
前記ボディに取り付けられて一面が前記埋込孔の外側に露出するカバーと、を備え、
前記ボディは金属製である
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項5】
前記突出部は、第1方向における前記主部の端部から突出しており、
前記発熱部品は、前記第1基板において、前記第1方向と交差する第2方向における端部側に実装される
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項6】
前記主部における前記実装面の法線方向から見た場合に、前記支持部の少なくとも一部及び前記温度検出素子に重なるように配置される伝熱部材を更に備える
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項7】
前記伝熱部材は、前記支持部の少なくとも一部及び前記温度検出素子と接触する
請求項6に記載のコンセント装置。
【請求項8】
前記突出部は、
前記主部の端部から第1方向に沿って突出し、前記第1方向と交差する第2方向における幅が、前記主部の前記第2方向における幅よりも狭い第1突出部と、
前記第1突出部から前記第1方向に沿って突出し、前記第2方向における幅が、前記第1突出部の前記第2方向における幅よりも狭い第2突出部と、を含み、
前記支持部は、前記第2突出部を支持する
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項9】
前記第1基板及び前記第2基板は一方向に並んだ状態で前記ケースに収容され、
前記温度検出素子は、前記突出部の前記第1基板と反対側の実装面に実装される
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項10】
前記支持部は、
突出方向における先端部に前記突出方向と反対方向に凹んだ凹部を有し、
前記凹部において、前記突出部の少なくとも一部を支持する
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項11】
前記第1基板及び前記第2基板は一方向に並んだ状態で前記ケースに収容され、
前記発熱部品は、前記第1基板の前記第2基板側の実装面に実装され、
前記第2基板と前記発熱部品との間には、隙間が設けられる
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項12】
前記第2基板と前記発熱部品との間に、前記発熱部品と接触した状態で配置される放熱部材を更に備える
請求項11に記載のコンセント装置。
【請求項13】
前記発熱部品と前記ケースの内面との間に、前記発熱部品及び前記ケースの内面と接触した状態で配置される放熱部材を更に備える
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項14】
前記放熱部材は、ペースト状の放熱材料で形成されている
請求項13に記載のコンセント装置。
【請求項15】
前記第1基板は、前記ケースの一面と対向した状態で、前記ケースに収容され、
前記一面と前記第1基板との間に配置される放熱部材を更に備える
請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項16】
前記ポートは、USBコネクタが接続されるUSBポートを含む
請求項1に記載のコンセント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にコンセント装置に関する。より詳細には、本開示は、発熱部品を有するコンセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の放熱構造は、基板に設置された電子部品から発生する熱を放熱部に伝熱して放熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発熱部品を有するコンセント装置においては、発熱対策として、発熱部品の熱を特許文献1に記載されているような放熱構造によって放熱することに加えて、コンセント装置のケースの温度変化を正確に検出することが求められていた。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、ケースの温度変化を正確に検出することができるコンセント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るコンセント装置は、第1基板と、第2基板と、ケースと、支持部と、を備える。前記第1基板には、発熱部品と、交流電力を直流電力に変換する変換回路と、が実装される。前記第2基板には、前記直流電力が出力されるポートと、温度を検出する温度検出素子と、が実装される。前記ケースは、前記第1基板及び前記第2基板を収容する。前記支持部は、前記第2基板を支持して前記第2基板を前記ケースに対して位置決めする。前記第2基板は、前記ポートが実装される主部と、前記主部の端部から突出する突出部を有する。前記突出部に前記温度検出素子が実装される。前記支持部は、前記主部における前記ポートの実装面の反対側から、前記突出部の少なくとも一部を支持する。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、ケースの温度変化を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るコンセント装置の使用例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、同上のコンセント装置の概念的なブロック図である。
【
図3】
図3は、同上のコンセント装置の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のコンセント装置の取付構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、同上のコンセント装置の取付構造を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上のコンセント装置の正面図である。
【
図7】
図7は、同上のコンセント装置からカバー、第1放熱部材及び第1基板を取り除いた状態の正面図である。
【
図8】
図8は、同上のコンセント装置からカバーを取り除いた状態の正面図である。
【
図9】
図9は、同上のコンセント装置からカバーを取り除いた状態の上面図である。
【
図10】
図10は、同上のコンセント装置の要部の側面図である。
【
図11】
図11は、同上のコンセント装置の
図6のZ1-Z1線断面に相当する断面図である。
【
図12】
図12は、同上のコンセント装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係るコンセント装置1について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0010】
(1)概要
以下、本実施形態のコンセント装置1の概要について、
図1~
図3、
図8を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係るコンセント装置1は、例えば、電気機器D1(例えばスマートフォン等)のコネクタCN1(
図1参照)が接続されて電気機器D1への電力供給を行う配線器具、つまりアウトレット(Outlet)である。電気機器D1は、コンセント装置1から供給される電力によって、例えば、電気機器D1に含まれている蓄電池の充電を行う。
【0012】
コンセント装置1は、
図2及び
図3に示すように、第1基板6と、第2基板7と、ケース2と、支持部4と、を備える。
【0013】
第1基板6には、発熱部品62と、交流電力を直流電力に変換する変換回路63と、が実装される。
【0014】
第2基板7には、直流電力が出力されるポートPTと、温度を検出する温度検出素子71と、が実装される。
【0015】
ケース2は、第1基板6及び第2基板7を収容する。
【0016】
支持部4は、第2基板7を支持して第2基板7をケース2に対して位置決めする。
【0017】
第2基板7は、ポートPTが実装される主部8と、主部8の端部から突出する突出部9を有する。
【0018】
突出部9に温度検出素子71(
図8参照)が実装される。
【0019】
支持部4は、主部8におけるポートPTの実装面G2(
図8参照)の反対側から、突出部9の少なくとも一部を支持する。
【0020】
ここにおいて、ポートPTには、電気機器D1のコネクタCN1が接続される。つまり、電気機器D1には、ポートPTから出力される直流電力が供給される。発熱部品62は、変換回路63を構成する回路部品の一部であってもよいし、変換回路63以外の回路部品であってもよい。
【0021】
また、支持部4が「第2基板7をケース2に対して位置決めする」とは、ケース2内において、支持部4がケース2に対する第2基板7の位置を固定することを示す。つまり、ケース2と第2基板7とは支持部4を介して接触している。なお、ケース2と第2基板7とは、支持部4の他に金属部品等の中間部材を介して接触していてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、ケース2の熱が支持部4を介して突出部9に伝達されるため、突出部9に実装された温度検出素子71がケース2の温度変化を正確に検出することができる。これにより、発熱部品62で発生した熱によるケース2の温度上昇を正確に検出することができる。
【0023】
(2)詳細
以下に、本実施形態に係るコンセント装置1について図面を参照して、詳細に説明する。
【0024】
(2.1)前提
本実施形態では、コンセント装置1は、造営面W1に固定される。本開示でいう「造営面」は、コンセント装置1が固定される部材であって、例えば、建物の壁、天井若しくは床等の造営物、又は机、棚、若しくはカウンタ台等の什器(建具を含む)等を含む。コンセント装置1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校、工場、病院若しくは介護施設等の非住宅施設に設置される。本実施形態では一例として、コンセント装置1は、
図1、
図4及び
図5に示すように、住宅施設の壁からなる造営面W1に取り付けられる、埋込型の配線器具であると仮定する。特に、コンセント装置1は、建物の内部で使用される屋内用の配線器具であると仮定する。
【0025】
以下、造営面W1である住宅施設の壁にコンセント装置1が固定された状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向をコンセント装置1の「上下方向」とし、コンセント装置1を正面から見て下方をコンセント装置1の「下方」、上方をコンセント装置1の「上方」として説明する。また、上下方向と直交し、かつ造営面W1の表面(壁面)に平行な方向をコンセント装置1の「左右方向」とし、コンセント装置1を正面から見て右方をコンセント装置1の「右方」、左方をコンセント装置1の「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営面W1の表面(壁面)に直交する方向をコンセント装置1の「前後方向」とし、造営面W1の裏面側(壁裏側)をコンセント装置1の「後方」、造営面W1の表面側をコンセント装置1の「前方」として説明する。ただし、これらの方向はコンセント装置1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0026】
また、本実施形態ではコンセント装置1の前面F1は、造営面W1である住宅施設の壁にコンセント装置1が固定された状態において、基本的には、前方を向くことになる。ただし、これは、前面F1が前方に向けられることを限定する趣旨ではない。例えば、コンセント装置1が天井に設置される場合には、前面F1は下方に向けられることになる。
【0027】
(2.2)全体構成
コンセント装置1の全体構成について、図面を参照して説明する。
【0028】
本実施形態に係るコンセント装置1は、
図2及び
図3に示すように、ケース2と、端子部3と、第1基板6と、第2基板7と、支持部4と、を備える。
【0029】
ケース2は、
図3に示すように、ボディ21及びカバー22を有する。ボディ21とカバー22とはねじS3等によって前後方向に固定される。また、ケース2は、端子部3を収容する端子収容部23を更に有する。
【0030】
ボディ21は、前面が開口された箱状に形成されている。ボディ21の開口面(前面)は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い長方形状である。
【0031】
本実施形態では、ボディ21は金属製である。一例として、ボディ21は、アルミニウム系の金属材料の鋳造によって形成される。ボディ21を合成樹脂等と比較して熱伝導率の高い金属製とすることによって、ボディ21の内部で発生した熱をボディ21の外部に放熱しやすくなる。なおボディ21の材料はアルミニウム系の金属材料に限定されず、他の金属を主成分とする金属材料であってもよい。また、ボディ21は、金属材料の板金加工、切削加工等によって形成されてもよい。
【0032】
ボディ21は、造営面W1に設けられた埋込孔H1に少なくとも一部が収容された状態で配置される。より詳細には、ボディ21は、
図4及び
図5に示すように、埋込型のスイッチボックス等の取付部材E1を用いて造営面W1に取り付けられる。すなわち、造営面W1の裏側(壁裏)に配置されたスイッチボックス等の取付部材E1に対して、ボディ21が埋込孔H1を通して取り付けられる。
【0033】
カバー22は、後面が開口された箱状に形成されてる。カバー22の開口面(後面)は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い長方形状である。
【0034】
本実施形態では、カバー22は電気絶縁性を有する合成樹脂製である。
【0035】
カバー22は、ボディ21に取り付けられて一面(前面F1)が埋込孔H1の外側に露出する。
【0036】
カバー22の前面F1には、
図6に示すように、例えば2つの接続口5(51、52)が上下方向に並んで配置される。接続口51、52は、上下方向において、一定の間隔を空けて並べて配置されている。接続口51、52の各々は、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きい長方形状である。
【0037】
ボディ21及びカバー22を有するケース2は、
図5に示すように、ケース2を造営面W1に固定するための取付枠E2に対して、取外し可能に取り付けられている。さらに、取付枠E2には、コンセントプレートE3が取り付けられる。ここで、本実施形態では、取付枠E2及びコンセントプレートE3は、コンセント装置1の構成要素に含まれない。ただし、取付枠E2及びコンセントプレートE3の少なくとも一方が、コンセント装置1の構成要素に含まれてもよい。
【0038】
取付枠E2は、例えば、日本工業規格によって規格化された大角形連用配線器具の取付枠である。具体的には、取付枠E2は、正面視において矩形枠状に形成されている。この取付枠E2の内側にケース2が位置するように、ケース2が取付枠E2に装着されている。
【0039】
取付枠E2は、一例として、合成樹脂製である。取付枠E2には、一対の取付孔E21と、一対のプレート固定孔E22と、が形成されている。一対の取付孔E21を通して、一対の取付ねじS1がスイッチボックス等の取付部材E1に締め付けられることで、取付枠E2は、造営面W1に取り付けられる。
【0040】
コンセントプレートE3は、化粧プレートE4と、固定プレートE5と、を有している。コンセントプレートE3(化粧プレートE4及び固定プレートE5)は、一例として、合成樹脂製である。
【0041】
固定プレートE5は、取付枠E2に固定される。化粧プレートE4は、固定プレートE5の前面を覆うように、固定プレートE5に取り付けられる。このように、化粧プレートE4は、ケース2が取り付けられている取付枠E2に対し、固定プレートE5を介して間接的に固定される。化粧プレートE4には窓孔E41が形成されており、コンセントプレートE3が取付枠E2に取り付けられた状態では、窓孔E41からケース2の前面F1が露出することになる。また、固定プレートE5は、正面視において矩形枠状に形成されている。さらに、固定プレートE5には、一対の透孔E51が形成されている。一対の透孔E51を通して、一対の固定ねじS2が取付枠E2の一対のプレート固定孔E22に締め付けられることで、固定プレートE5は、取付枠E2に取り付けられる。
【0042】
端子収容部23は、ボディ21の右下部に設けられる。端子収容部23は例えば電気絶縁性を有する合成樹脂製である。端子収容部23は前方が開口された箱状に形成されている。端子収容部23は、端子部3(
図2及び
図3参照)を内部に収容する。ここで、端子収容部23の背面には、配線を接続するための端子孔が形成されている。端子部3は、端子収容部23内において端子孔に対応する位置に配置されている。端子部3は、端子板等を含み、端子孔に配線の先端部(心線)が差し込まれると、配線の先端部(心線)を機械的に保持し、かつ配線と電気的に接続される。本実施形態では一例として、端子部3は、端子孔から配線を差し込むだけで配線が接続される、差込式のいわゆる速結端子である。
【0043】
コンセント装置1は、端子部3に配線が接続されることにより、配線を介して、例えば単相100V、60Hzの商用の交流電源(系統電源)PS1に電気的に接続される。ここで、コンセント装置1は、分電盤を介して交流電源(系統電源)PS1(
図2参照)に接続されており、分電盤のブレーカ(主幹ブレーカ及び分岐ブレーカ)が導通状態にあれば、常時、通電状態にある。そのため、コンセント装置1は、基本的には、常時、電気機器D1に対して電力を供給可能な状態にある。
【0044】
第1基板6及び第2基板7は、前後方向に並んだ状態で、ケース2内に収容されている。詳細には、第1基板6及び第2基板7は、ボディ21とカバー22とによって囲まれる空間に、前後方向において互いに対向した状態で収容されている。第1基板6は、ケース2(より詳細にはボディ21)の背面B1と対向した状態で、ケース2に収容されている。また、第2基板7は、第1基板6の前方に間隔を空けて配置されている。第2基板7は、ケース2(より詳細にはカバー22)の前面F1と対向した状態で、ケース2に収容されている。
【0045】
第1基板6には、電源回路61が実装されている。電源回路61は、
図2及び
図7に示すように、発熱部品62及び変換回路63を有する。
【0046】
発熱部品62は、例えば、交流電源PS1から端子部3に供給される交流電圧を所定の電圧値の交流電圧に変圧するトランス(以下トランス62という)である。トランス62によって変圧された交流電源は、変換回路63に出力される。トランス62は、例えば鉄心であるコアの周りに、銅線を含む一次コイル及び二次コイルが巻かれた構造を有しており、変圧を行う際に、コア、一次コイル及び二次コイルにおいて熱損失が生じるため発熱する。
【0047】
トランス62は、第1基板6の第2基板7側の実装面G1に実装される。また、第2基板7とトランス62との間には隙間が設けられる。これにより、トランス62で発生した熱が第2基板7に直接伝達される可能性を低減することができる。
【0048】
変換回路63は、トランス62から出力された交流電圧を、直流電圧に変換し、第2基板7に出力する。ここで、変換回路63は、例えば、トランス62が実装される実装面G1に実装される。なお、変換回路63は、第1基板6における実装面G1と反対側の実装面に実装されてもよい。
【0049】
第2基板7は、
図8に示すように、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い長方形状である主部8と、主部8の端部から突出する突出部9と、を有する。より詳細には、突出部9は、上下方向における主部8の上端部から突出している。
【0050】
突出部9は、第1突出部91と、第2突出部92と、を含む。第1突出部91は、主部8の上端部から第1方向(上下方向)に沿って上方に突出している。第1突出部91は、第1方向と交差する第2方向(左右方向)における幅が、主部8の第2方向における幅よりも狭い。第2突出部92は、第1突出部91から第1方向に沿って上方に突出している。第2突出部92は、第2方向における幅が、第1突出部91の第2方向における幅よりも狭い。
【0051】
第2基板7には、
図2及び
図8に示すように、例えば2つのポートPT0(PT1、PT2)と、温度検出素子71と、制御部72と、出力変更部73と、が実装されている。具体的には、制御部72、出力変更部73及びポートPT1、PT2は、第2基板7の主部8に実装され、温度検出素子71は、第2基板7の突出部9に実装される。
【0052】
ポートPT1、PT2は、一例として、USBコネクタが接続されるUSBポートである。ここで、本開示でいう「USB」は、シリアルバス規格の1つであるUSB(Universal Serial Bus)の規格を意味する。本開示において、「USB」は、例えば、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0、USB3.1、USB3.2、及びUSB4といった様々な世代(転送速度の規格)のUSBを含む。また、本開示において、USBの端子形状(ポートPT1、PT2の形状、及びUSBコネクタの形状)は、様々な形状を含む。USBの端子形状は、例えば、A端子(Type-A)、B端子(Type-B)及びC端子(Type-C)、並びに、ミニUSB(mini USB)及びマイクロUSB(micro USB)等、更にはこれらの組み合わせを含む。つまり、USBの端子形状は、一例として、ミニUSBのA端子(mini USB Type-A)、及びマイクロUSBのB端子(micro USB Type-B)等を含む。
【0053】
ポートPT1、PT2の各々からは、変換回路63から出力された直流電力が出力される。なお、ポートPT1、PT2の少なくとも1つは、USBポートに限定されず、コンセントプラグの栓刃が差し込まれる接触部材等であってもよい。
【0054】
ポートPT1、PT2は、主部8の第1基板6と反対側の実装面G2に実装される。換言すると、ポートPT1、PT2は、主部8においてカバー22の前面F1と対向する実装面G2に実装される。ここで、上述したように、カバー22の前面F1には、2つの接続口51、52が上下方向に並んで配置されている。
図6に示すように、第2基板7がケース2に収容された状態において、接続口51、52は、ポートPT1、PT2をそれぞれ露出させる。これにより、接続口51に電気機器D1のコネクタ(USBコネクタ)CN1が正面からまっすぐ差し込まれることにより、ポートPT1にコネクタCN1が接続される。同様に、接続口52に電気機器D1のコネクタ(USBコネクタ)CN1が正面からまっすぐ差し込まれることにより、ポートPT2にコネクタCN1が接続される。
【0055】
温度検出素子71は、例えば、サーミスタ、熱電対、又はサーモパイル等を含む。温度検出素子71は、上述したように、第2基板7の突出部9に実装される。より詳細には、温度検出素子71は、突出部9の第1基板6と反対側の実装面G3に実装される。これにより、第1基板6の実装面G1に実装された発熱部材(トランス)62からの輻射熱の温度検出素子71への影響を低減することができ、温度検出素子71がケースの温度をより正確に検出することができる。ここで、上述したように、突出部9は、上下方向における主部8の上端部から突出している。また発熱部品(トランス)62は、第1基板6の実装面G1において、上下方向と交差する左右方向における端部側に実装される。本実施形態では、
図7及び
図8に示すように、トランス62は、実装面G1において、左端部側に実装されている。したがって、トランス62が実装面G1において、上下方向と交差する左右方向における中央部に設けられる場合と比較して、トランス62と突出部9に実装される温度検出素子71との間隔を広くとることができる。これにより、トランス62で発生した熱がケース2を介さずに温度検出素子71に伝達される可能性を低減できる。これにより、温度検出素子71がケース2の温度変化を正確に検出できなくなる可能性を低減することができる。
【0056】
制御部72は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部72として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0057】
本実施形態では、制御部72の動作電力は、例えば、商用の交流電源PS1(
図2参照)から電源回路61を介して供給される。
【0058】
制御部72は、ポートPT1、PT2からの直流電力の出力を最大値以下に制御する。一例として、ポートPT1のみに電気機器D1のコネクタCN1が接続されている場合は、制御部72は、ポートPT1から電気機器D1に出力される直流電力を60W以下に制限する。また、ポートPT2のみに電気機器D1のコネクタCN1が接続されている場合は、制御部72は、ポートPT2から電気機器D1に出力される直流電力を例えば10W以下に制限する。また、ポートPT1、PT2の両方に異なる電気機器D1のコネクタCN1がそれぞれ接続されている場合は、制御部72は、ポートPT1、PT2から電気機器D1に出力される直流電力を合計で例えば60W以下に制限する。
【0059】
また、制御部72は、温度検出素子71の検出結果に基づいて、ポートPT1、PT2からの直流電力の出力を制御する。より詳細には、制御部72は、温度検出素子71の検出結果に基づいて、出力変更部73を制御することにより、ポートPT1、PT2からの直流電力の出力を制御する。出力変更部73は、例えば、DC-DCコンバータを含む。
【0060】
支持部4は、
図8及び
図9に示すように、ボディ21の開口面(前面)の上端部から前方に突出する部材である。本実施形態では、ボディ21と支持部4とは、一体に形成されている。つまり、本実施形態では、支持部4は、ボディ21と同様に金属製である。支持部4がボディ21と一体に形成されることにより、支持部4の強度を向上することができる。なお、ボディ21と支持部4とは別体に形成されていてもよい。この場合、ボディ21と支持部4とは、例えばねじ、接着剤等によって機械的に接続されればよい。
【0061】
支持部4は、
図9及び
図10に示すように、第2基板7を支持して、第2基板7をケース2に対して位置決めする。
【0062】
支持部4は、主部8におけるポートPT1、PT2の実装面G2の反対側から、突出部9の少なくとも一部を支持する。本実施形態では、支持部4は、第2突出部92を支持する。以下に、支持部4による第2突出部92の支持状態について説明する。
【0063】
支持部4は、
図9に示すように、突出方向(前方)における先端部に突出方向と反対方向(後方)に凹んだ凹部41を有する。より詳細には、凹部41は、支持部4の先端部の左右方向における中央部に設けられる。凹部41が設けられることにより、支持部4の先端部において、前方に突出する凸形状である凸部42、43が凹部41の左右にそれぞれ形成される。
【0064】
支持部4は、
図8~
図10に示すように、凹部41において、突出部9の少なくとも一部(例えば第2突出部92)を支持する。これにより、ケース2の熱が凹部41を介して突出部9に伝達されるため、突出部9に実装された温度検出素子71がケース2の温度変化を正確に検出することができる。なお、温度検出素子71は、突出部9において、支持部4に支持される第2突出部92に近い位置に実装されることが好ましい。温度検出素子71を第2突出部92に近い位置に実装するほど、ケース2の熱が効率よく温度検出素子71に伝達されるため、ケース2の温度変化をより正確に検出することが可能となる。
【0065】
また、第2突出部92は、凹部41によって支持された状態において、凹部41の左右にそれぞれ形成された凸部42、43の間に位置している。これにより、ケース2に対する第2基板7の左右方向の動きを規制することができ、ケース2に対する第2基板7の左右方向の位置を固定することができる。
【0066】
ここで、コンセント装置1は、
図8及び
図9に示すように、主部8における実装面G2の法線方向(前方)から見た場合に、支持部4の少なくとも一部及び温度検出素子71に重なるように配置される伝熱部材10を更に備える。具体的には、伝熱部材10は、前方から見た場合に、凸部42、43の少なくとも一部及び温度検出素子71に重なるように配置されている。
【0067】
伝熱部材10は、例えば、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも長い長方形状の板状部材である。伝熱部材10は、例えば、金属フィラー(充填剤)を配合した合成樹脂で形成されている。
【0068】
伝熱部材10は、
図9に示すように、凸部42、43の少なくとも一部及び温度検出素子71と接触している。より詳細には、伝熱部材10の後面が、凸部42、43の先端面の少なくとも一部、及び、実装面G3に実装された温度検出素子71と接触している。これにより、ケース2の熱が凸部42、43、及び、凸部42、43の先端面の少なくとも一部と接触した伝熱部材10を介して温度検出素子71に伝わるため、温度検出素子71がケース2の温度変化をより正確に検出することができる。
【0069】
コンセント装置1は、発熱部材(トランス)62から発生した熱を放熱するための第1放熱部材11、第2放熱部材12及び第3放熱部材13を更に有する。
【0070】
第1放熱部材11は、
図11に示すように、第2基板7と発熱部品(トランス)62との間に、発熱部品(トランス)62と接触した状態で配置される。トランス62で発生した熱は、第1放熱部材11に伝達され、第1放熱部材11及びボディ21を介して外部に放熱される。ここで、第1放熱部材11は、
図3に示すように、長方形状の板状部材である。第1放熱部材11は、例えば、金属フィラー(充填剤)を配合した合成樹脂により形成される。なお、第1放熱部材11と第2基板7との間には、隙間が設けられる。これにより、第1放熱部材11から放熱される熱が第2基板7に直接伝達されることを防ぐことができる。
【0071】
第2放熱部材12は、
図7及び
図8に示すように、トランス62とケース2(より詳細にはボディ21)の内面との間に、トランス62及びボディ21の内面と接触した状態で配置される。なお、本実施形態では、第2放熱部材12と接触するボディ21の内面は、ボディ21の左側の側壁の内面である。第2放熱部材12は、例えばペースト状の放熱材料で形成されている。詳細には、第2放熱部材12は、ペースト状の放熱材料をトランス62とボディ21の左側面との間の空隙に充填することで形成されている。放熱部材12は、例えば金属フィラーを配合したシリコングリスである。トランス62で発生した熱は、第2放熱部材12を介してボディ21に伝達され、ボディ21から外部に放熱される。
【0072】
第3放熱部材13は、
図11に示すように、ボディ21の背面B1と第1基板6との間に配置される。詳細には、第3放熱部材13は、第1基板6におけるトランス62が実装されている実装面G1と反対側の面G4と、背面B1との間に配置される。トランス62で発生した熱は、第3放熱部材13に伝達され、第3放熱部材13及びボディ21を介して外部に放熱される。ここで、第3放熱部材13は、長方形状の板状部材である。第3放熱部材13は、例えば、金属フィラー(充填剤)を配合した合成樹脂により形成されている。
【0073】
コンセント装置1は、
図3及び
図11に示すように、電気絶縁性を有する絶縁部材14を更に有する。絶縁部材14は、例えば、合成樹脂製の板状部材である。絶縁部材14は、ボディ21と、第1基板6及び第2基板7とを絶縁するように、第3放熱部材13と背面B1との間を含む空間に配置される。
【0074】
(2.3)動作例
次に、コンセント装置1の動作例について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
まず、コンセント装置1のポートPT1、PT2の少なくとも一方に電気機器D1のコネクタCN1が接続されると、コンセント装置1から電気機器D1への電力供給が開始される(ST1)。ここでは、ポートPT1にのみ電気機器D1のコネクタCN1が接続されたとして説明する。
【0076】
電気機器D1への電力供給が開始されると、発熱部材(トランス)62が発熱する。トランス62で発生した熱は、例えば第1放熱部材11、第2放熱部材12及び第3放熱部材13とボディ21とを介して外部に放熱される。
【0077】
第1放熱部材11、第2放熱部材12及び第3放熱部材13から放熱された熱によって、ボディ21を含むケース2の温度が上昇する(ST2)。ここで、上述したように、ケース2の熱は、支持部4の凹部41及び第2基板7の突出部9を介して、また、支持部4の凸部42、43及び伝熱部材10を介して、温度検出素子71に伝達される。
【0078】
制御部72は、温度検出素子71が検出した温度が閾値(例えば85℃)以上になると(ST3:Yes)、ポートPT1から電気機器D1に出力される直流電力の値の最大値を例えば60Wから45Wに制限する(ST4)。ここで温度検出素子71が検出する温度の閾値は、例えば、ボディ21と組み合わされるカバー22の物性に変化(例えば、劣化、変形等)が生じる温度に設定される。ポートPT1から電気機器D1に出力される直流電力が45W以上であった場合は、ポートPT1から電気機器D1に出力される直流電力は45Wに減少する。これにより、発熱部材(トランス)62からの発熱量を低減することができる。なお、両方に接続されている状態で、温度が閾値以上になると、両方から出力される電力の合計値を最大60Wから最大45Wに制限してもよい。
【0079】
(3)変形例
以下に、上記実施形態の変形例に係るコンセント装置1を列記する。以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0080】
上記実施形態のコンセント装置1では、突出部9は上下方向における主部8の端部から突出しているが、突出部9は左右方向における主部8の端部(例えば左端部)から突出していてもよい。この場合、発熱部品62と突出部9に実装される温度検出素子71との間隔を広くとるために、発熱部品62は、第1基板6の実装面G1において、左右方向と交差する上下方向における端部(例えば上端部)側に実装される。また、突出部9を支持する支持部4は、ボディ21の開口面(前面)の左端部から前方に突出する。
【0081】
制御部72は、温度検出素子71の検出結果に関する通知を行ってもよい。一例として、制御部72は、温度検出素子71が検出した温度が閾値(例えば85℃)以上になった場合に、出力部(発光部、ブザー等)を通じて、異常な温度を検出したことをユーザに通知してもよい。ここで、出力部は、例えば、第1基板6及び第2基板7の少なくとも一方に実装されればよい。
【0082】
第2基板7に実装されるポートPT0の数は2つに限定されず、1つでもよいし、3以上でもよい。そして、カバー22の前面F1には、第2基板7に実装されるポートPT0の数と同数の接続口5がポートPTの位置と対応した位置に設けられればよい。
【0083】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様のコンセント装置(1)は、第1基板(6)と、第2基板(7)と、ケース(2)と、支持部(4)と、を備える。第1基板(6)には、発熱部品(62)と、交流電力を直流電力に変換する変換回路(63)と、が実装される。第2基板(7)には、直流電力が出力されるポート(PT0)と、温度を検出する温度検出素子(71)と、が実装される。ケース(2)は、第1基板(6)及び第2基板(7)を収容する。支持部(4)は、第2基板(7)を支持して第2基板(7)をケース(2)に対して位置決めする。第2基板(7)は、ポート(PT0)が実装される主部(8)と、主部(8)の端部から突出する突出部(9)を有する。突出部(9)に温度検出素子(71)が実装される。支持部(4)は、主部(8)におけるポート(PT0)の実装面(G2)の反対側から、突出部(9)の少なくとも一部を支持する。
【0084】
この態様によれば、ケース(2)の熱が支持部(4)を介して突出部(9)に伝達されるため、突出部(9)に実装された温度検出素子(71)がケース(2)の温度変化を正確に検出することができる。これにより、発熱部品(62)で発生した熱によるケース(2)の温度上昇を正確に検出することができる。
【0085】
第2の態様のコンセント装置(1)では、第1の態様において、ケース(2)と支持部(4)とは、一体に形成されている。
【0086】
この態様によれば、支持部(4)の強度を向上することができる。
【0087】
第3の態様のコンセント装置(1)は、第1又は第2の態様において、温度検出素子(71)の検出結果に基づいて、直流電力の出力を制御する制御部(72)を更に備える。
【0088】
この態様によれば、温度検出素子(71)が異常な温度上昇を検出した場合に、直流電力の出力を制限することができる。
【0089】
第4の態様のコンセント装置(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、ケース(2)は、造営面(W1)に設けられた埋込孔(H1)に少なくとも一部が収容された状態で配置されるボディ(21)と、ボディ(21)に取り付けられて一面が埋込孔(H1)の外側に露出するカバー(22)と、を備える。ボディ(21)は金属製である。
【0090】
この態様によれば、ボディ(21)を合成樹脂等と比較して熱伝導率の高い金属製とすることによって、ボディ(21)の内部で発生した熱をボディ(21)の外部に放熱しやすくなる。
【0091】
第5の態様のコンセント装置(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、突出部(9)は、第1方向における主部(8)の端部から突出している。発熱部品(62)は、第1基板(6)において、第1方向と交差する第2方向における端部側に実装される。
【0092】
この態様によれば、発熱部品(62)と突出部(9)に実装される温度検出素子(71)との間隔を広くとることができ、発熱部品(62)で発生した熱がケース(2)を介さずに温度検出素子(71)に伝達される可能性を低減できる。
【0093】
第6の態様のコンセント装置(1)は、第1~第5のいずれかの態様において、主部(8)における実装面(G2)の法線方向から見た場合に、支持部(4)の少なくとも一部及び温度検出素子(71)に重なるように配置される伝熱部材(10)を更に備える。
【0094】
この態様によれば、ケース(2)の熱が伝熱部材(10)を介して温度検出素子(71)に伝わるため、温度検出素子(71)がケース(2)の温度変化をより正確に検出することができる。
【0095】
第7の態様のコンセント装置(1)では、第6の態様において、伝熱部材(10)は、支持部(4)の少なくとも一部及び温度検出素子(71)と接触する。
【0096】
この態様によれば、ケース(2)の熱が伝熱部材(10)を介して温度検出素子(71)に伝わるため、温度検出素子(71)がケース(2)の温度変化をより正確に検出することができる。
【0097】
第8の態様のコンセント装置(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、突出部(9)は、主部(8)の端部から第1方向に沿って突出し、第1方向と交差する第2方向における幅が、主部(8)の第2方向における幅よりも狭い第1突出部(91)と、第1突出部(91)から第1方向に沿って突出し、第2方向における幅が、第1突出部(91)の第2方向における幅よりも狭い第2突出部(92)と、を含む。支持部(4)は、第2突出部(92)を支持する。
【0098】
この態様によれば、ケース(2)の熱を、支持部(4)及び第2突出部(92)を介して、温度検出素子(71)に伝達することができる。
【0099】
第9の態様のコンセント装置(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、第1基板(6)及び第2基板(7)は一方向に並んだ状態でケース(2)に収容される。温度検出素子(71)は、突出部(9)の第1基板(6)と反対側の実装面(G3)に実装される。
【0100】
この態様によれば、第1基板(6)の実装面(G1)に実装された発熱部材(62)からの輻射熱の温度検出素子(71)への影響を低減することができ、温度検出素子(71)の検出精度を向上することができる。
【0101】
第10の態様のコンセント装置(1)では、第1~第9のいずれかの態様において、支持部(4)は、突出方向における先端部に突出方向と反対方向に凹んだ凹部(41)を有し、凹部(41)において、突出部(9)の少なくとも一部を支持する。
【0102】
この態様によれば、ケース(2)の熱が凹部(41)を介して突出部(9)に伝達されるため、突出部(9)に実装された温度検出素子(71)がケース(2)の温度変化を正確に検出することができる。
【0103】
第11の態様のコンセント装置(1)では、第1~第10のいずれかの態様において、第1基板(6)及び第2基板(7)は一方向に並んだ状態でケース(2)に収容される。発熱部品(62)は、第1基板(6)の第2基板(7)側の実装面(G1)に実装される。第2基板(7)と発熱部品(62)との間には、隙間が設けられる。
【0104】
この態様によれば、発熱部品(62)で発生した熱が第2基板(7)に直接伝達される可能性を低減することができる。
【0105】
第12の態様のコンセント装置(1)は、第11の態様において、第2基板(7)と発熱部品(62)との間に、発熱部品(62)と接触した状態で配置される放熱部材(11)を更に備える。
【0106】
この態様によれば、発熱部品(62)で発生した熱を放熱部材(11)から放熱することができる。
【0107】
第13の態様のコンセント装置(1)は、第1~第12のいずれかの態様において、発熱部品(62)とケース(2)の内面との間に、発熱部品(62)及びケース(2)の内面と接触した状態で配置される放熱部材(12)を更に備える。
【0108】
この態様によれば、発熱部品62で発生した熱を放熱部材(12)を介してケース(2)から外部に放熱することができる。
【0109】
第14の態様のコンセント装置(1)では、第13の態様において、放熱部材(12)は、ペースト状の放熱材料で形成されている。
【0110】
この態様によれば、放熱部材(12)を発熱部品(62)とケース(2)の内面との間に設ける作業の作業性を向上することができる。
【0111】
第15の態様のコンセント装置(1)では、第1~第14のいずれかの態様において、第1基板(6)は、ケース(2)の一面(B1)と対向した状態で、ケース(2)に収容される。コンセント装置(1)は一面(B1)と第1基板(6)との間に配置される放熱部材(13)を更に備える。
【0112】
この態様によれば、発熱部品(62)で発生した熱を放熱部材(13)から放熱することができる。
【0113】
第16の態様のコンセント装置(1)では、第1~第15のいずれかの態様において、ポート(PT0)は、USBコネクタが接続されるUSBポートを含む。
【0114】
この態様によれば、コンセント装置(1)はUSB規格に対応した電気機器(D1)に給電することができる。
【0115】
なお、第2~第16の態様はコンセント装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 コンセント装置
2 ケース
4 支持部
6 第1基板
7 第2基板
8 主部
9 突出部
10 伝熱部材
11 第1放熱部材
12 第2放熱部材
13 第3放熱部材
21 ボディ
22 カバー
41 凹部
62 発熱部品
63 変換回路
71 温度検出素子
72 制御部
91 第1突出部
92 第2突出部
B1 背面
D1 電気機器
G1 実装面
G2 実装面
G3 実装面
H1 埋込孔
PT0 ポート
W1 造営面