(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081489
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ガイド用治具、キーマシン及び合鍵製造方法
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20240611BHJP
B23C 3/35 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
E05B19/00 B
B23C3/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195151
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】597064425
【氏名又は名称】株式会社 フキ
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康彦
【テーマコード(参考)】
3C022
【Fターム(参考)】
3C022EE08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】角錐台形状の穴を有するオリジナルキーの合鍵を製造できるガイド用治具、キーマシン及び合鍵製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態のガイド用治具70は、キーマシンに保持され、角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーの表面を覆うマスク面71と、マスク面71に形成され、カッターガイドの先端面が通過可能であり、穴の開口の対角線に沿うガイド孔72と、を有する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーマシンに保持され、角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーの表面を覆うマスク面と、
前記マスク面に形成され、カッターガイドの先端面が通過可能であり、前記穴の開口の対角線に沿うガイド孔と、
を有するガイド用治具。
【請求項2】
前記ガイド孔が、前記オリジナルキーの長手方向に沿って、複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のガイド用治具。
【請求項3】
複数の前記ガイド孔は、複数の前記穴の形成位置に1つおきに対応して設けられていることを特徴とする請求項2記載のガイド用治具。
【請求項4】
複数の前記ガイド孔は、同一のサイズであることを特徴とする請求項2記載のガイド用治具。
【請求項5】
前記キーマシンに前記オリジナルキーとともに保持される支持面と、
前記支持面と前記オリジナルキーとの間に配置されるスペーサと、
を有することを特徴とする請求項1記載のガイド用治具。
【請求項6】
ブランクキーの表面に接することにより、前記表面を回転により研削するカッターと、
前記ブランクキーを保持する第1の保持部と、
表面に角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーを保持する第2の保持部と、
先端面が前記穴の底面に収まるサイズであり、前記先端面が前記穴の底面に接離するカッターガイドと、
請求項1記載のガイド用治具と、
前記カッターガイドの先端面が前記穴に接するとともに、前記カッターが前記ブランクキーに接する方向に、前記カッター及び前記カッターガイドを同期して移動させる移動機構と、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部の相対位置を固定し、前記カッターガイドの先端面が前記ガイド用治具のガイド孔に挿通して前記穴の底面に接した状態で、前記ブランクキーの表面に形成された丸穴を、前記カッターが前記穴の開口の対角線に沿う方向に研削するように、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を前記対角線に沿う方向に同期して移動可能に支持する支持機構と、
を有することを特徴とするキーマシン。
【請求項7】
第1の保持部によってブランクキーを保持し、
第2の保持部によって、表面に角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーを保持し、
移動機構によって、前記ブランクキーの表面に接することにより、前記表面を回転により研削するカッターと、先端面が前記穴の底面に収まるサイズであり、前記オリジナルキーの前記穴に接離する第1のカッターガイドとを、それぞれ前記ブランクキー及び前記第1のカッターガイドに接する方向に同期して移動させることにより、前記ブランクキーの表面に、前記穴に対応する丸穴を形成し、
請求項1記載のガイド用治具のマスク面によって、前記丸穴が形成された前記オリジナルキーの表面を覆い、
前記移動機構によって、先端面が前記穴の底面に収まり、前記ガイド用治具の前記ガイド孔に挿通可能なサイズの第2のカッターガイドの前記先端面が、前記ガイド孔に挿通されて前記オリジナルキーの前記穴に接して、支持機構によって前記ガイド孔に沿って前記第2のカッターガイドが相対移動するとともに、前記カッターが、前記丸穴を前記穴の開口の対角線に沿う方向に研削するように、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を相対位置を固定した状態で同期して移動させる、
ことを特徴とする合鍵製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド用治具、キーマシン及び合鍵製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的ピッキングに強いディンプルシリンダー錠のキーは、鍵穴内に挿入されるキーの胴部に、深さや大きさの異なる窪みである穴が形成されている。この胴部を鍵穴内に挿入すると、穴によって、複数のタンブラーが内筒の回動を許容する位置に移動するので、キーを回すことによる解錠が可能となる。つまり、穴の形状によって、ディンプルシリンダー錠を解錠することができる正しいキーか否かが決まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなキーのうち、さらにセキュリティを高めるため、キーの胴部の側面に、角錐台形状の穴を形成したものも提供されている。しかしながら、角錐台形状の穴は、合鍵を製造することが困難である。つまり、従来のキーマシンでは、円板形状のカッターでブランクキーの側面を、上下面が貫かれるように溝を形成するので、角錐台形状の穴を形成することは不可能である。また、ドリル状のカッターによって穴を形成する場合には、円形の穴しか形成することができない。さらに、既存のカッターガイドを使用して、オリジナルキーの角錐台形状をトレースすることにより、穴の製作を試みても、穴と同様の角錐台形状を形成することは非常に困難であり、合鍵としての機能にも問題が生じることになる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、角錐台形状の穴を有するオリジナルキーの合鍵を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明のガイド用治具は、キーマシンに保持され、角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーの表面を覆うマスク面と、前記マスク面に形成され、カッターガイドの先端面が通過可能であり、前記穴の開口の対角線に沿うガイド孔と、を有する。
【0007】
本発明のキーマシンは、ブランクキーの表面に接することにより、前記表面を回転により研削するカッターと、前記ブランクキーを保持する第1の保持部と、表面に角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーを保持する第2の保持部と、先端面が前記穴の底面に収まるサイズであり、前記先端面が前記穴の底面に接離するカッターガイドと、前記ガイド用治具と、前記カッターガイドの先端面が前記穴に接するとともに、前記カッターが前記ブランクキーに接する方向に、前記カッター及び前記カッターガイドを同期して移動させる移動機構と、前記第1の保持部及び前記第2の保持部の相対位置を固定し、前記カッターガイドの先端面が前記ガイド用治具のガイド孔に挿通して前記穴の底面に接した状態で、前記ブランクキーの表面に形成された丸穴を、前記カッターが前記穴の開口の対角線に沿う方向に研削するように、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を前記対角線に沿う方向に同期して移動可能に支持する支持機構と、を有する。
【0008】
本発明の合鍵製造方法は、第1の保持部によってブランクキーを保持し、第2の保持部によって、表面に角錐台形状の穴が形成されたオリジナルキーを保持し、移動機構によって、前記ブランクキーの表面に接することにより、前記表面を回転により研削するカッターと、先端面が前記穴の底面に収まるサイズであり、前記オリジナルキーの前記穴に接離する第1のカッターガイドとを、それぞれ前記ブランクキー及び前記第1のカッターガイドに接する方向に同期して移動させることにより、前記ブランクキーの表面に、前記穴に対応する丸穴を形成し、前記ガイド用治具のマスク面によって、前記丸穴が形成された前記オリジナルキーの表面を覆い、前記移動機構によって、先端面が前記穴の底面に収まり、前記ガイド用治具の前記ガイド孔に挿通可能なサイズの第2のカッターガイドの前記先端面が、前記ガイド孔に挿通されて前記オリジナルキーの前記穴に接して、支持機構によって前記ガイド孔に沿って前記第2のカッターガイドが相対移動するとともに、前記カッターが、前記丸穴を前記穴の開口の対角線に沿う方向に研削するように、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を相対位置を固定した状態で同期して移動させる。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、角錐台形状の穴を有するオリジナルキーの合鍵を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のキーマシンの丸穴の形成時を示す正面図(A)、溝の形成時を示す正面図(B)
【
図2】実施形態のキーマシンの丸穴の形成時を示す左側面図(A)、溝の形成時を示す左側面図(B)
【
図5】第2のカッターガイドの位置決めを示す正面図(A)、ガイド孔と第2のカッターガイドを示す平面図(B)、カッターと丸穴を示す平面図(C)
【
図6】第2のカッターガイドによる溝の形成を示す正面図(A)、ガイド孔と第2のカッターガイドを示す平面図(B)、カッターと溝を示す平面図(C)
【
図7】丸穴が形成されたブランクキーを示す側面図(A)、拡大図(B)、複製穴が形成されたブランクキーを示す側面図(C)、拡大図(D)、平面図(E)
【
図8】ブランクキーを示す側面図(A)、平面図(B)
【
図9】オリジナルキーを示す側面図(A)、平面図(B)、穴の拡大図(C)、(D)
【
図10】第1のカッターガイドの先端面の大きさと穴の大きさを示す平面図(A)、第1のカッターガイドの先端面の形状と穴の形状を示す断面図(B)
【
図11】第2のカッターガイドの先端面の大きさと穴の大きさを示す平面図(A)、第2のカッターガイドの先端面の形状と穴の形状を示す断面図(B)
【
図12】実施形態のガイド用治具を示す平面図(A)、(C)、正面図(B)、(D)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照して説明する。なお、各図面に表された部材は、発明の理解をし易くするための形状やサイズとなっており、必ずしも実際の製品と一致するものではない。
【0012】
[概要]
本実施形態のキーマシン1及び合鍵製造方法は、
図1(A)の正面図、
図2(A)の左側面図、
図3の右側面図、
図4(A)、(B)に示すように、第1のカッターガイド40を、第2の保持部30によって保持されたオリジナルキーK2の角錐台形状の穴Hに接触させる。これにより、
図5(C)、
図7(A)、(B)に示すように、第1の保持部20によって保持されたブランクキーK1に、オリジナルキーK2の穴Hに対応する丸穴CHを、カッター10で研削する。
【0013】
そして、
図1(B)の正面図、
図2(B)の左側面図、
図4(C)、(D)、
図5(A)、(B)に示すように、第2の保持部30にオリジナルキーK2とともに保持されたガイド用治具70のガイド孔72に、第2のカッターガイド41を挿入する。そして、
図6(A)、(B)に示すように、第1の保持部20及び第2の保持部30を、ガイド孔72に沿って(穴Hの開口Aの対角線DX(
図9(D)参照)に沿って)移動させて、
図7(C)、(D)に示すように、対角線DXに対応する溝Gを研削する。これにより、ブランクキーK1の側面S1に、オリジナルキーK2の穴Hに対応する複製穴THを形成する。
【0014】
つまり、本実施形態の合鍵製造方法は、穴Hに対応する丸穴CHの形成と、穴Hの開口Aの対角線DXに対応する溝Gの形成の2段階で行われる。キーマシン1は、このような2段階で合鍵を製造する合鍵製造装置である。
【0015】
[ブランクキー]
ブランクキーK1は、
図8(A)の側面図、
図8(B)の平面図に示すように、平面視で略長方形状の板状の胴部M1を有し、この胴部M1の側面S1には穴は形成されていない。
【0016】
[オリジナルキー]
オリジナルキーK2は、
図9(A)の側面図、
図9(B)の平面図に示すように、平面視で略長方形状の板状の胴部M2を有し、胴部M2の側面S2に、角錐台形状の穴H1、H2が形成されている。以下の説明では、穴H1、H2を区別しない場合には、穴Hとする。側面S2には、図の*に示すように、長手方向に沿って11個の穴Hの形成位置が設定されている。本実施形態では、便宜上、5番目と6番目の隣接する位置に、2つの穴Hが形成されている例を示しているが、実際に11個のいずれの位置に穴Hを形成するかは自由である。また、穴Hは、2つの大きさが設定されており、側面S2の幅に近い大きさの穴H1、これよりも小さな穴H2がある。穴H1、穴H2の深さは異なり、穴H1の方が深くなっている。なお、オリジナルキーK2は、複製元の鍵と同じ穴Hを有する合鍵として製造された鍵であってもよい。
【0017】
図9(C)の拡大図に示すように、穴Hは、四角錐台形状であり、その上縁の開口A及び底面Bは、四角形(正方形、長方形を含む)である。但し、
図9(D)の拡大図に示すように、開口A及び底面Bは必ずしも正確な四角形である必要はなく、角に丸みを帯びた形状、円形、楕円形、長円形に近似した形状であってもよい。また、底面Bは窪んだ曲面であってもよい。
【0018】
穴Hの傾斜した4つの内側面Cは、台形状である。各内側面C同士の境界は、平面視で開口Aの対角線DXに沿っている。但し、各内側面C同士の境界は、必ずしも明確な角を形成している必要はなく、丸みを帯びていたり、連続した曲面となっていてもよい。このため、この境界は、対角線DXを含む領域である。また、各内側面Cは曲面であってもよい。さらに、側面S2と穴Hの境界、底面Bと各内側面Cの境界も、必ずしも明確な角を形成している必要はなく、丸みを帯びていたり、連続した曲面となっていてもよい。
【0019】
[構成]
本実施形態のキーマシン1は、
図1~
図3に示すように、本体1aに設けられたカッター10、第1の保持部20、第2の保持部30、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41、移動機構50、支持機構60、ガイド用治具70を有する。
【0020】
(カッター)
カッター10は、ブランクキーK1の側面S1に接することにより、側面S1を回転により研削する。カッター10は円柱形状であり、先端の研削刃によって研削した研削屑が外周に形成されたらせん状の溝を介して排出される。カッター10は、駆動源であるモータ11にチャック機構11aを介して着脱可能に設けられ、モータ11により回転してブランクキーK1を研削する。カッター10の軸は、ブランクキーK1の側面S1に直交する方向(Z方向、鉛直方向)となる。
【0021】
(第1の保持部)
第1の保持部20は、ブランクキーK1を保持する。第1の保持部20は、胴部M1を左右からバイス21によって挟んでネジ22により締め付け固定することにより、ブランクキーK1の側面S1がカッター10に対向するように、且つ胴部M1の平面が鉛直となるように保持する。これにより、側面S1は水平となる。なお、ネジ22の頭部の外部に露出した部分は、作業者が把持して回転させやすいように径が拡大した摘み部となっている。
【0022】
(第2の保持部)
第2の保持部30は、オリジナルキーK2を保持する。第2の保持部30は、左右からバイス31によって挟んでネジ32により締め付け固定することにより、オリジナルキーK2の側面S2が、後述する第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41に対向するように、且つ胴部M1の平面が鉛直となるように保持する。これにより、側面S2は水平となる。また、ブランクキーK1とオリジナルキーK2は高さ位置が一致する。
【0023】
なお、カッター10に対するブランクキーK1の位置、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41に対するオリジナルキーK2の位置は、相対的に一致するように、図示しない治具によって位置決めされる。さらに、位置決めは、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41の先端面41aの中心が、穴Hの形成位置の中心に合うとともに(
図10(A)、
図11(A)参照)、カッター10の先端の中心が、ブランクキーK1の複製穴THの形成位置の中心に合うようになされる。
【0024】
また、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41の先端面40a、41aの高さ位置は、穴H内に接した時に、カッター10の先端がブランクキーK1の側面S1に接して、穴Hから出てオリジナルキーK2の側面S2に接している時には、カッター10の先端がブランクキーK1の側面S1に接しないように設定されている。なお、ネジ32の頭部の外部に露出した部分は、把持して回転させやすいように径が拡大した摘み部となっている。
【0025】
(第1のカッターガイド)
第1のカッターガイド40は、鉛直方向に固定された棒状の部材であり、先端面40aが、第2の保持部30に保持されたオリジナルキーK2の側面S2に対向する。第1のカッターガイド40は、本体1aに設けられたチャック機構42に着脱可能に設けられている。本実施形態の第1のカッターガイド40は、円柱形状の棒状であり、先端が先鋭化した円錐台形状となっている。
【0026】
図10(A)に示すように、第1のカッターガイド40の先端面40aは、穴Hの底面Bに収まるサイズである。より具体的には、先端面40aの径d1が、底面Bの横の長さW及び縦の長さTのいずれよりも小さい。また、
図10(B)に示すように、先端面40aと側面40bとがなす角度αが、穴Hの底面Bと内側面Cとがなす角度βよりも大きい。以上のサイズと角度設定により、底面Bの中心と先端面40aの中心の高さ位置が合った状態で、先端面40aが穴Hの底面Bに達して接することができる。なお、第1のカッターガイド40の先端面40aと側面40bとの境界は、必ずしも明確な角をなしている必要はなく、丸みを帯びていてもよい。
【0027】
(第2のカッターガイド)
第2のカッターガイド41は、鉛直方向の棒状の部材であり、後述するガイド用治具70のガイド孔72に挿通される先端面41aを有する。第2のカッターガイド41は、第1のカッターガイド40に替えて、チャック機構42に着脱可能に設けられている。第2のカッターガイド41の先端面41aは、第2の保持部30に保持されたオリジナルキーK2の側面S2に対向する。
図11(A)、(B)に示すように、第2のカッターガイド41の先端面41aは、穴H1に接離する円錐台形状となっている。先端面41aは、円柱形状の棒状(ピン形状)の先端部41bの下端に設けられている。
【0028】
第2のカッターガイド41の先端部41bは、穴Hの底面Bに収まるとともに、ガイド用治具70のガイド孔72に挿通される径である。より具体的には、先端面40aの径d2が、ガイド孔72の直線部分の幅よりも小さく、底面Bの横の長さW及び縦の長さTのいずれよりも小さい。また、先端部41bの軸方向の長さLは、穴Hの深さ及びガイド用治具70のマスク面71の厚さを合わせた長さhaよりも長い。
【0029】
(移動機構)
移動機構50は、
図1~
図3に示すように、カッター10がブランクキーK1に接離し、第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41がオリジナルキーK2の側面S2に接離する方向に、カッター10、第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41を同期して移動させる機構である。移動機構50は、
図3に示すように、支持体51、操作部52、伝達部53を有する。支持体51は、カッター10、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41を支持し、本体1aの上部に昇降可能に設けられている。支持体51の下部には、正面から見て左方にモータ11及びチャック機構11aが固定され、右方に第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41が着脱されるチャック機構42が固定されている。カッター10、第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41は、チャック機構11a、チャック機構42に、鉛直方向に装着され、それぞれの先端が、上記のように位置決めされたブランクキーK1の側面S1、オリジナルキーK2の側面S2に対向する。
【0030】
操作部52は、支持体51が昇降するように操作する部材である。操作部52は、棒状の部材に上方に向かって径が太くなる把持部が設けられている。伝達部53は、操作部52の下端を支点とする回動操作を、支持体51の昇降動作に変換する機構である。伝達部53は、軸部53a、回動ギヤ53b、ラックギヤ53cを有する。軸部53aは、本体1aの側面に水平なX方向を軸として回動可能に設けられた部材である。軸部53aは、操作部52の下端に直交する方向に連結されている。回動ギヤ53bは、本体1aに内蔵され、軸部53aを中心に回動可能に設けられた円板ギヤである。ラックギヤ53cは、支持体51に固定され、鉛直方向に延びたギヤであり、回動ギヤ53bの回動に従って上下方向に駆動される。
【0031】
これにより、操作部52を手前に倒すと、支持体51とともにカッター10及び第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41が下降し、操作部52を奥側に倒すと、支持体51とカッター10及び第1のカッターガイド40又は第2のカッターガイド41が上昇する。
【0032】
(支持機構)
支持機構60は、
図1~
図3に示すように、第1の保持部20及び第2の保持部30の相対位置を固定した状態で、穴Hの開口Aの対角線DXに沿う方向に移動可能に支持する。また、支持機構60は、第1のカッターガイド40の先端面40a又は第2のカッターガイド41の先端面41aがオリジナルキーK2の穴Hに接したときに、カッター10がブランクキーK1の側面S1に接して研削するように、第1の保持部20及び第2の保持部30を同期して移動可能とする。
【0033】
より具体的には、支持機構60は、
図2及び
図3に示すように、ステージ61、スライド機構62、操作部63を有する。ステージ61は、上部に第1の保持部20及び第2の保持部30が固定された板体である。スライド機構62は、ステージ61が搭載され、直交する水平な2軸方向に沿ってステージ61の移動を支持する機構である。
【0034】
スライド機構62は、ガイド部62a、テーブル62b、フレーム62cを有する。ガイド部62aは、2軸のスライドガイドであり、水平な横方向(図中、X方向)、これに直交する水平な前後方向(図中、Y方向)へ移動する。テーブル62bは、ガイド部62aに搭載されX方向、Y方向に移動する。このX方向への移動とY方向への移動の組み合わせにより、テーブル62b及びステージ61は、X方向、Y方向に対して水平な斜め方向に移動することができる。フレーム62cは、テーブル62bを囲み、テーブル62bとともに移動可能な部材である。フレーム62cには、その側面から突出した拡張部62dが設けられ、拡張部62dに、後述する操作部63の下端が貫通して支持される球状軸受62eが設けられている。
【0035】
操作部63は、第1の保持部20、第2の保持部30を同期して移動させるように操作する部材である。操作部63は、棒状の部材に上方に向かって径が太くなる把持部が設けられている。操作部63は、下端が拡張部62dの球状軸受62eに挿通されて、本体1aの側面の下部に旋回動作可能に連結されている。
【0036】
このため、操作部63を前後左右に移動させると、フレーム62cとともに、テーブル62bに搭載されたステージ61が、X方向、Y方向に移動する。これにより、第1の保持部20及び第2の保持部30がX方向、Y方向に移動する。さらに、ガイド部62aのX方向及びY方向の移動が組み合わさることにより、X方向及びY方向に対して傾斜した方向へ、第1の保持部20及び第2の保持部30を移動させることができる。
【0037】
(ガイド用治具)
ガイド用治具70は、穴Hの開口Aの対角線DXに対応する切削を可能とする治具である。ガイド用治具70は、
図12に示すように、マスク面71、ガイド孔72、支持面73、スペーサ74を有する。マスク面71は、オリジナルキーK2の側面S2を覆う面である。マスク面71は、オリジナルキーK2の側面S2の長手方向に沿って延びた水平な長方形状の板である。ガイド孔72は、マスク面71に形成され、第2のカッターガイド41の先端部41bが通過可能であり、開口Aの対角線DXに沿う孔である。つまり、ガイド孔72は、X字形状の貫通孔である。
【0038】
支持面73は、マスク面71の一辺から、マスク面71に直交する方向に延びた板であり、オリジナルキーK2の平面と第2の保持部30に挟まれて支持固定される。なお、ガイド用治具70は、ガイド孔72の中心(X字の交点)と、オリジナルキーK2の穴Hの中心とが一致するように、第2の保持部30に保持される。ガイド孔72の長さは、大きな穴H1の開口Aの対角線DXよりも、第2のカッターガイド41の先端面41aの半径分以上長くなっていることにより、第2のカッターガイド41の中心が開口Aの角に達するように設定されていることが好ましい。つまり、大きな穴H1に対応する大きさのガイド孔72であればよい。
【0039】
複数のガイド孔72は、オリジナルキーK2の長手方向に沿って、複数設けられている。各ガイド孔72は、
図9(A)に示した複数の穴Hの形成位置に対応する。この穴Hの形成位置とは、穴Hが形成されるべく設定されている位置であり、実際に穴Hが形成されているか否かは問わない。但し、ガイド孔72は、複数の穴Hの形成位置に、1つおきに対応して設けられている。つまり、隣接する穴Hに対応するガイド孔72を形成しようとすると、ガイド孔72が繋がってしまうため、複数の穴Hの形成位置に対して1つおきに形成する。また、複数のガイド孔72は、同一のサイズである。
【0040】
本実施形態では、2つのガイド用治具70A、70Bを用いる。ガイド用治具70Aは、
図12(A)、(B)に示すように、1、3、5、7、9、11の奇数番の形成位置に対応して、6つのガイド孔72が形成されている。ガイド用治具70Bは、
図12(C)、(D)に示すように、2、4、6、8、10の偶数番の形成位置に対応して、5つのガイド孔72が形成されている。本実施形態では、ガイド用治具70A、70Bを区別しない場合には、ガイド用治具70として説明する。
【0041】
スペーサ74は、支持面73の内側面に固定された板状体である。スペーサ74は、支持面73がオリジナルキーK2と第2の保持部30により保持された場合に、ガイド孔72の中心を、オリジナルキーK2の側面S2の中心に位置決め可能とする厚さを有する。なお、マスク面71に形成されるガイド孔72を加工する際に邪魔にならないように、ガイド孔72に対して支持面73は距離を空ける必要があるが、第2の保持部30に保持される際には、上記のようにガイド孔72の中心位置決めがなされる必要があるため、スペーサ74を挟む必要がある。
【0042】
[合鍵製造方法]
以上のような本実施形態のキーマシン1によって、合鍵を製造する方法を説明する。なお、以下の説明では、複製穴TH1、TH2を形成する場合に共通の手順については、複製穴THとして説明し、相違する点は後述する。
【0043】
(丸穴の形成)
まず、
図1(A)、
図2(A)、
図4(A)に示すように、作業者は、ネジ22、32の摘み部を持って、ネジ22により第1の保持部20にブランクキーK1を締め付け固定して、ネジ32により第2の保持部30にオリジナルキーK2を締め付け固定する。これにより、ブランクキーK1の側面S1がカッター10に対向し、オリジナルキーK2の穴Hが形成された側面S2が第1のカッターガイド40に対向する。
【0044】
そして、操作部52を手前に倒すことにより、カッター10及び第1のカッターガイド40を下降させて、操作部63を動かすことにより、オリジナルキーK2の穴Hの中心に、第1のカッターガイド40の中心を合わせる。これにより、ブランクキーK1の複製穴THを形成すべき位置の中心に、カッター10の中心が合う。
【0045】
さらに、カッター10の回転を開始させるが、ブランクキーK1は、カッター10には非接触なので、切削はされない。この状態から、作業者が操作部52をさらに手前に倒すことにより、
図4(B)に示すように、カッター10及び第1のカッターガイド40を下降させる。これにより、第1のカッターガイド40が穴Hの底面Bに接するまで下降するとともに、ブランクキーK1の側面S1に回転するカッター10の先端が接触して切削される。この切削により、穴Hの鉛直方向の断面と同一の深さの円錐台形状の丸穴CHが形成される(
図7(A)、(B)参照)。
【0046】
(溝の形成)
次に、
図1(B)、
図2(B)、
図4(C)に示すように、第1のカッターガイド40を外し、第2のカッターガイド41をチャック機構42に装着する。また、第2のカッターガイド41の第2の保持部30からオリジナルキーK2を外し、オリジナルキーK2の側面S2をマスク面71が覆い、バイス31に胴部M1とともに支持面73が挟まれるようにして、オリジナルキーK2とガイド用治具70を締め付け固定する。このとき、ガイド用治具70のガイド孔72の中心は、穴Hの中心に一致させる。
【0047】
この状態から、作業者が操作部52を手前に倒すことにより、カッター10及び第2のカッターガイド41を下降させて、操作部63を動かすことにより、ガイド用治具70のガイド孔72の中心(オリジナルキーK2の穴Hの中心)に、第2のカッターガイド41の中心を合わせる。これにより、ブランクキーK1に形成された丸穴CHの中心に、カッター10の中心が合う。
【0048】
さらに、カッター10の回転を開始させるが、ブランクキーK1は、カッター10には非接触なので、切削はされない。この状態から、作業者が操作部52をさらに手前に倒すことにより、
図4(D)に示すように、カッター10及び第2のカッターガイド41を穴Hの底面Bに接するまで下降させ、操作部63を操作することにより、オリジナルキーK2をガイド孔72のX字に沿って移動させる(
図6(B)、
図11(A))。これにより、
図6(C)に示すように、ブランクキーK1もガイド孔72に沿う方向に移動するので、ブランクキーK1の側面S1に形成された丸穴CHの内側面に、カッター10が接触して切削される。この切削により、丸穴CHの中心からX字の溝Gが形成された複製穴THが形成される(
図7(C)、(D)。
【0049】
上記のような手順によって、ガイド用治具70Aを用いて、奇数番目の形成位置に複製穴TH1を形成することができる。この後、引き続き奇数番目の形成位置に、複製穴THを形成する場合には、ガイド用治具70Aを用いて、上記と同様の手順で形成する。また、偶数番目の形成位置に、複製穴TH2を形成する場合には、ガイド用治具70Bを用いて、上記と同様の手順で形成する。引き続き偶数番目の形成位置に、複製穴THを形成する場合には、ガイド用治具70Bを用いて、上記と同様の手順で形成する。その後、第1の保持部20からブランクキーK1を外し、第2の保持部30からオリジナルキーK2を外す。
【0050】
なお、オリジナルキーK2の穴H2の開口Aが小さいために、第2のカッターガイド41の先端面41aが開口Aの角を越えて、ガイド孔72の端部に達したとしても、第2のカッターガイド41の先端面41aが側面S2に乗り上げることにより、カッター10が上昇してブランクキーK1の側面S1から離れるので、開口Aに合った大きさの複製穴TH2を形成できる。このため、ガイド用治具70A、70Bに形成されたガイド孔72は、全て同じ大きさとすることができる。
【0051】
[作用効果]
(1)本実施形態のガイド用治具70は、キーマシン1に保持され、角錐台形状の穴Hが形成されたオリジナルキーK2の表面を覆うマスク面71と、マスク面71に形成され、第2のカッターガイド41(カッターガイド)の先端面41aが通過可能であり、穴Hの開口Aの対角線DXに沿うガイド孔72と、を有する。
【0052】
本実施形態のキーマシン1は、ブランクキーK1の表面に接することにより、表面を回転により研削するカッター10と、ブランクキーK1を保持する第1の保持部20と、表面に角錐台形状の穴Hが形成されたオリジナルキーK2を保持する第2の保持部30と、先端面41aが穴Hの底面Bに収まるサイズであり、先端面41aが穴Hの底面Bに接離する第2のカッターガイド41(カッターガイド)と、ガイド用治具70と、第2のカッターガイド41の先端面41aが穴Hに接するとともに、カッター10がブランクキーK1に接する方向に、カッター10及び第2のカッターガイド41を同期して移動させる移動機構50と、第1の保持部20及び第2の保持部30の相対位置を固定し、第2のカッターガイド41の先端面41aがガイド用治具70のガイド孔72に挿通して穴Hの底面Bに接した状態で、ブランクキーK1の表面の丸穴CHに対して、カッター10が対角線DXに沿う方向に研削するように、第1の保持部20及び第2の保持部30を対角線DXに沿う方向に同期して移動可能に支持する支持機構60と、を有する。
【0053】
本実施形態の合鍵製造方法は、第1の保持部20によってブランクキーK1を保持し、第2の保持部30によって、表面に角錐台形状の穴Hが形成されたオリジナルキーK2を保持し、移動機構50によって、ブランクキーK1の側面S1に接することにより、側面S1を回転により研削するカッター10と、先端面40aが穴H1の底面Bに収まるサイズであり、先端面40aがオリジナルキーK2の穴H1に接離する第1のカッターガイド40とを、それぞれブランクキーK1及び第1のカッターガイド40に接する方向に同期して移動させることにより、ブランクキーK1の表面に、穴H1に対応する丸穴CHを形成し、ガイド用治具70のマスク面71によって、丸穴CHが形成されたオリジナルキーK2の表面を覆い、移動機構50によって、先端面41aが穴Hの底面Bに収まり、ガイド用治具70のガイド孔72に挿通可能なサイズの第2のカッターガイド41の先端面41aが、ガイド孔72に挿通されてオリジナルキーK2の穴Hに接して、支持機構60によってガイド孔72に沿って第2のカッターガイド41が相対移動するとともに、カッター10が、丸穴CHを対角線DXに沿う方向に研削するように、第1の保持部20及び第2の保持部30を相対位置を固定した状態で同期して移動させる。
【0054】
このように、カッター10によって、ブランクキーK1の側面S1に、オリジナルキーK2の角錐台形状の穴Hと同じ深さの丸穴CHを形成した後、穴Hの開口Aの対角線DXに沿う溝Gを、丸穴CHに形成することにより、穴Hに相当する形状の複製穴THを形成できる。
【0055】
ここで、本発明の発明者は、穴H1と同じ深さの丸穴CHに、穴Hの開口Aの対角線DXと同じ溝Gを形成すれば、溝Gが角錐台形状の穴Hと同様に、ディンプルシリンダー錠を解錠して、抜き出すことができることを見出した。本実施形態では、上記のように、このような複製穴THを形成することができるので、穴Hと正確に形状が一致していなくても、実質的に、オリジナルキーK2の合鍵を製造することができる。また、穴Hの外観と複製穴THの外観は近似しているため、ユーザーに合鍵としての機能に疑義を生じさせない。
【0056】
さらに、本実施形態では、一般的なキーマシン1と同様の操作によって、穴Hを有するオリジナルキーK2の合鍵を、簡単に製造できる。このため、特殊な機械、熟練した技術者を不要とし、緊急を要する場合にも短時間で対応可能となる。
【0057】
(2)また、本実施形態のガイド用治具70は、ガイド孔72がブランクキーK1の長手方向に沿って複数設けられている。このため、複数の穴H1に対応する位置に、それぞれの複製穴THを連続して形成できる。
【0058】
(3)複数のガイド孔72は、複数の穴Hの形成位置に、1つおきに対応して設けられている。このため、穴Hの間隔が狭くても、1つおきに対応するガイド孔72が形成された1対のガイド用治具70A、70Bを用いることにより、全ての穴Hに対応する複製穴THを形成できる。
【0059】
(4)複数のガイド孔72は、同一のサイズである。上記のように、第2のカッターガイド41が穴Hから外れた場合には、カッター10による研削がなされないため、同サイズのガイド孔72であっても、大小の穴Hに対応可能であり、ガイド孔72の加工が容易となる。
【0060】
(5)キーマシン1にオリジナルキーK2とともに保持される支持面73と、支持面73とオリジナルキーK2との間に配置されるスペーサ74と、を有する。このため、ガイド孔72の加工時には支持面73が邪魔にならず、キーマシン1に保持する際には、スペーサ74を挟むことにより、ガイド孔72をオリジナルキーK2の穴Hに位置決めできる。
【0061】
[変形例]
本発明は上記の態様に限定されるものではない。
(1)第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41は、角柱形状であっても良く、その先端が角錐台形状であってもよい。但し、上記の態様のように、円柱形状である方がガイド孔72が移動し易く、その先端が円錐台形状の方が、加工が容易であり、製造がしやすい。
【0062】
(2)第2のカッターガイド41のみを用いてもよい。つまり、第2のカッターガイド41を上記の第1のカッターガイド40と同様に用いて、丸穴CHを形成した後、上記と同様に、溝Gを形成してもよい。この場合、第1のカッターガイド40及び第2のカッターガイド41は共通のカッターガイドとなるため、カッターガイドの取り換え作業が不要となる。この場合、初めからガイド用治具70を第2の保持部30に保持して作業することにより、ガイド用治具70を取り付けるためのオリジナルキーK2の取り外し作業が不要となる。
【0063】
(3)第1の保持部20及び第2の保持部30は、上記の態様では、ブランクキーK1、オリジナルキーK2の長手方向がY方向となり、Y方向に並ぶように配置されていたが、ブランクキーK1、オリジナルキーK2の長手方向がX方向となり、X方向に並ぶように配置されていてもよい。
【0064】
(4)第1の保持部20及び第2の保持部30が、ブランクキーK1及びオリジナルキーK2を側面S2が鉛直方向となるように保持し、カッター10、第1のカッターガイド40、第2のカッターガイド41が水平方向から、ブランクキーK1及びオリジナルキーK2に接離する構成としてもよい。
【0065】
(5)オリジナルキーK2に形成された穴Hは、上記の実施形態では、側面S2に形成されていたが、オリジナルキーK2の表面に形成されているものであればよく、胴部M2の平面に形成されたものであってもよい。この場合、平面が水平な方向となるように、ブランクキーK1、オリジナルキーK2が保持された状態で研削される。
【0066】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 キーマシン
1a 本体
10 カッター
11 モータ
11a チャック機構
20 第1の保持部
21 バイス
22 ネジ
30 第2の保持部
31 バイス
32 ネジ
40 第1のカッターガイド
40a 先端面
40b 側面
41 第2のカッターガイド
41a 先端面
41b 先端部
42 チャック機構
50 移動機構
51 支持体
52 操作部
53 伝達部
53a 軸部
53b 回動ギヤ
53c ラックギヤ
60 支持機構
61 ステージ
62 スライド機構
62a ガイド部
62b テーブル
62c フレーム
62d 拡張部
62e 球状軸受
63 操作部
70、70A、70B ガイド用治具
71 マスク面
72 ガイド孔
73 支持面
74 スペーサ