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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008149
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B60P1/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109762
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】小手森 俊紀
(72)【発明者】
【氏名】豊留 拓磨
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両のシャシフレームに対する荷受台昇降装置の取り付け構造の高剛性化を図り、荷受台昇降装置に備わったリヤバンパに大きな力を受けた際の変形を抑制する。
【解決手段】シャシフレームに装着するブラケット30と、前記ブラケットに複数のボルトで締結するフレームと、前記フレームに対して昇降する荷受台と、リヤバンパとを備え、前記ブラケットに、前記複数のボルトBを個々に通す複数の長孔35を設けた荷受台昇降装置において、前記複数のボルト及び前記複数の長孔の間に介在し、前記複数のボルトを個々に通す複数の孔を有し前記複数のボルトに共用されるワッシャ36と、前記ブラケットに対して前記ワッシャを拘束する拘束機構40とを備えた荷受台昇降装置を提供する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシフレームに装着するブラケットと、
前記ブラケットに複数のボルトで締結するフレームと、
前記フレームに対して昇降する荷受台と、
リヤバンパとを備え、
前記ブラケットに、前記複数のボルトを個々に通す複数の長孔を設けた荷受台昇降装置において、
前記複数のボルト及び前記複数の長孔の間に介在し、前記複数のボルトを個々に通す複数の孔を有し前記複数のボルトに共用されるワッシャと、
前記ブラケットに対して前記ワッシャを拘束する拘束機構と
を備えた荷受台昇降装置。
【請求項2】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記拘束機構は、嵌め合い構造である荷受台昇降装置。
【請求項3】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記拘束機構は、キー構造である荷受台昇降装置。
【請求項4】
請求項3の荷受台昇降装置において、
前記ワッシャは、前記複数のボルトの列に沿って延びるプレート状又はブロック状に形成されており、
前記キー構造を構成するキー及びキー溝は、前記長孔の長軸方向に延びている
荷受台昇降装置。
【請求項5】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記拘束機構は、前記ワッシャの前記長孔の長軸方向に直交する方向を向いた両端面が前記ブラケットの壁面に接触する構造である荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面と荷台との間を昇降する荷受台を備えた荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台昇降装置は、車両のシャシフレーム等に架装して荷台に対して荷受台を昇降させて荷役作業を支援する装置であり、車両のリヤバンパを兼ねる場合がある。荷受台昇降装置のフレームは、一般的にブラケットを介して車両のシャシフレームにボルトで固定される。荷受台昇降装置のフレームとブラケットとの締結部には、車両に対する荷受台昇降装置の位置の微調整、荷受台昇降装置の架装工数の抑制、製作誤差の許容等のために、長孔が採用される場合がある(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-59768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷受台昇降装置がリヤバンパを備える場合、例えば後続車両が荷受台昇降装置に追突する場合、荷受台昇降装置に大きな力が作用し、前述した長孔に沿ってボルトが動く可能性がある。この場合、荷受台昇降装置の位置がずれることにより、結果としてリヤバンパの変形量が大きくなる可能性があり、リヤバンパとして剛性面の課題がある。
【0005】
本発明の目的は、車両のシャシフレームに対する取り付け構造の高剛性化を図り、大きな力を受けた際の変形を抑制することができる荷受台昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、シャシフレームに装着するブラケットと、前記ブラケットに複数のボルトで締結するフレームと、前記フレームに対して昇降する荷受台と、リヤバンパとを備え、前記ブラケットに、前記複数のボルトを個々に通す複数の長孔を設けた荷受台昇降装置において、前記複数のボルト及び前記複数の長孔の間に介在し、前記複数のボルトを個々に通す複数の孔を有し前記複数のボルトに共用されるワッシャと、前記ブラケットに対して前記ワッシャを拘束する拘束機構とを備えた荷受台昇降装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両のシャシフレームに対する荷受台昇降装置の取り付け構造の高剛性化を図り、荷受台昇降装置に備わったリヤバンパに大きな力を受けた際の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置を車両に架装した状態を表す斜視図
図2】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図
図3】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置の斜視図
図4】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置に備えられたフレームの平面図
図5】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置に備えられたフレームの後面図
図6】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置に備えられたフレームの側面図
図7】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置に備えられたブラケット(フレームへの装着状態)の要部を表す斜視図
図8】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置に備えられたブラケットの単体の要部を表す斜視図
図9】フレームの右側部分を表した平面図
図10】本発明の一変形例に係る荷受台昇降装置に備えられたブラケット(フレームへの装着状態)の要部を表す側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0010】
-荷受台昇降装置-
図1は本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置を車両に架装した状態を表す斜視図、図2は荷受台昇降装置の側面図、図3は斜視図である。本願明細書において、図2の左右を荷受台昇降装置の前後とする。
【0011】
図1図3に示した荷受台昇降装置1は、車両のシャシフレーム(車枠)100の下部に取り付けるフレーム2、フレーム2に連結した左右のアーム3、これら左右のアーム3の先端に連結した荷受台4、及び荷受台4を昇降等させる油圧シリンダ5を備えている。
【0012】
アーム3は、平行リンク機構及びチルトリンク機構を有し、ピン6,7を介してフレーム2に連結されている。荷受台4は、フレーム2に対して昇降し、車両の荷台101に対する荷物等の積み降ろし作業(荷役作業)を支援する。この荷受台4は、格納時には図1に示したように車両の荷台101の後面に沿って起立した姿勢をとり、操作装置(不図示)を操作して油圧シリンダ5を収縮させると、図2に示したように荷台101の床面の高さで水平に展開する(二点鎖線4a参照)。続けて油圧シリンダ5を収縮させると、荷受台4は、アーム3の平行リンク機構により水平姿勢のまま接地する高さまで下降する(二点鎖線4b参照)。更に油圧シリンダ5を収縮させると、荷受台4は、アーム3のチルト機構により先端が接地する姿勢にチルトする(二点鎖線4c参照)。油圧シリンダ5を伸長させると逆に動作する。
【0013】
-フレーム-
図4はフレーム2の平面図、図5は後面図、図6は側面図である。これらの図に示したフレーム2は、左右の支持フレーム11、左右の支持フレーム11を連結するクロスメンバ12,13、及びリヤバンパ14を備えている。
【0014】
左右の支持フレーム11は、それぞれアーム3及び油圧シリンダ5を支持するフレームであり、アーム3、油圧シリンダ5及び荷受台4のモーメントを十分に支持するだけの剛性を有している。これら支持フレーム11は、それぞれシャシフレーム100に連結する取付フレーム16、取付フレーム16の車幅方向の外側に連結したアームフレーム17、及びアームフレーム17に連結したバンパフレーム18でコの字型に構成されている。
【0015】
取付フレーム16は、前後方向に延在する角パイプ状の部材であり、上面に装着されたブラケット30(後述)を介して車両のシャシフレーム100に複数のボルトで締結される。アームフレーム17には、前述したピン6,7を介してアーム3が回動可能に支持される。油圧シリンダ5も、アームフレーム17に対して上下に回動可能に連結される。バンパフレーム18は、アームフレーム17から後方に延びる。
【0016】
クロスメンバ12,13は、左右の支持フレーム11を連結しフレーム2の剛性を高める。
【0017】
リヤバンパ14は、左右のバンパ14a及び中央のバンパ14bを含む。左右のバンパ14aは、それぞれ左右のバンパフレーム18の後端に支持されている。中央のバンパ14bは、クロスメンバ13に支持されてクロスメンバ13の後側でかつ左右のバンパ14aの間に位置する。バンパ14a,14bは実質的に同一直線に沿って左右に延在するが、左右のバンパ14aと中央のバンパ14bとの間には、上下に回動する左右のアーム3や油圧シリンダ5を通過させるために所定の間隙が介在している。
【0018】
-ブラケット-
ブラケット30は、荷受台昇降装置1をシャシフレーム100に架装するための部材であり、本実施形態では、左右2対(計4つ)備わっている。これらブラケット30は、荷受台昇降装置1のフレーム2(取付フレーム16)に装着される。本実施形態では、荷受台昇降装置1のフレーム2の左側の取付フレーム16の前後に各1つのブラケット30が、右側の取付フレーム16の前後に各1つのブラケット30が装着される。これらブラケット30がシャシフレーム100にボルトで装着されることにより、荷受台昇降装置1が車両に架装される。本実施形態では、左側の取付フレーム16に装着した2つのブラケット30が、左側のシャシフレーム100の左側面にボルトで締結される(図4)。同様に、右側の取付フレーム16に装着した2つのブラケット30が、右側のシャシフレーム100の右側面にボルトで締結される(図4)。
【0019】
図7はフレーム2に装着した状態のブラケットの要部の斜視図、図8はブラケット単体の要部をワッシャ36と併せて示す斜視図である。これらの図に示すように、ブラケット30は、第1面31、第2面32、第3面33、第4面34を備えている。
【0020】
第1面31は、荷受台昇降装置1のフレーム2との取り合い面である。本実施形態においてはブラケット30が取付フレーム16の上面に装着される構成であるため、荷受台昇降装置1が架装された状態において、第1面31はブラケット30の水平な下部壁面に相当する。第1面31には、荷受台昇降装置1のフレーム2(取付フレーム16)にブラケット30を固定するボルトBを個々に通す複数(本実施形態では2つ)の長孔35が備わっている。
【0021】
第2面32は、シャシフレーム100との取り合い面であり、本実施形態においては、荷受台昇降装置1を架装した状態で第1面31に対して車幅方向の内側に位置する側部壁面に当たる。第2面32は、主面を車幅方向に向けた姿勢(つまりシャシフレーム100に対向させた姿勢)で鉛直に起立する。この第2面32には、シャシフレーム100にブラケット30を固定するボルトを通す円形の孔(不図示)が複数設けられる。
【0022】
第3面33及び第4面34は、荷受台昇降装置1を架装した状態で第1面31の前後から立ち上がるブラケット30の側部壁面(前壁及び後壁)である。本実施形態の場合、荷受台昇降装置1を架装した状態において、車幅方向の外側から見ると、ブラケット30の第1面31、第3面33及び第4面34が、U字型を構成する。上側から見ると、第2面32、第3面33及び第4面34が、コの字型を構成する。
【0023】
複数のボルトB及び複数の長孔35の間(複数のボルトBの頭部及び第1面31の上面の間)には、ワッシャ36が介在する。ボルトBは、ワッシャ36及びブラケット30の長孔35を介して取付フレーム16のボルト穴(不図示)にねじ込まれる。ワッシャ36は、複数のボルトBの列に沿って延びるプレート状又はブロック状の部材である。本実施形態において、各ブラケット30の第1面31に挿し込む複数のボルトBの列は前後に延びるため、ワッシャ36は前後に長い形状をしている。ワッシャ36には、複数のボルトBを個々に通す複数(本実施形態では2つ)の孔37が備わっており、単一のワッシャ36が複数のボルトBのワッシャを兼ねる。つまり、ワッシャ36は複数のボルトBに共用される。ワッシャ36の複数の孔37は、いずれもボルトBの呼び径に応じた大きさの円孔である。
【0024】
ブラケット30とワッシャ36との対向部には、ブラケット30に対してワッシャ36を拘束する拘束機構40が設けられている。拘束機構40には、嵌め合い構造、本実施形態ではキー構造が採用されている。つまり、ブラケット30及びワッシャ36の一方にキーを形成し、このキーに係合するキー溝を他方に形成した構成である。本実施形態では、ブラケット30の第1面31の上面に上向きに突出するキー41を設け、ワッシャ36の下面にキー溝42を設けた構成を例示している。但し、ワッシャ36にキー41を、ブラケット30にキー溝42を設ける構成としても良い。キー41及びキー溝42は、長孔35の長軸方向(本実施形態では左右方向)に延びる。これにより、ブラケット30に対する長孔35の長軸方向へのワッシャ36の位置調整を許容しつつ、ブラケット30に対して水平面内でワッシャ36が回転することが抑制される。
【0025】
なお、本実施形態において、キー41及びキー溝42は複数のボルトBの間(複数の長孔35の間と同義)に位置し、キー41及びキー溝42の中心線は複数のボルトB(複数の長孔35)と等距離にある。
【0026】
-効果-
荷受台昇降装置1を車両に架装する場合、例えば取付フレーム16及びシャシフレーム100の一方にブラケット30を仮止めした状態で、荷受台昇降装置1をリフトアップして取付フレーム16及びシャシフレーム100の他方とブラケット30とを締結する。この過程において、ボルトBを緩めた状態ではキー41及びキー溝42に沿ってワッシャ36とブラケット30との相対位置を微調整することができる。従って、シャシフレーム100に合わせて左右のブラケット30の間隔を調整したり車両に対する荷受台昇降装置1の位置を調整したりすることができる。
【0027】
そして、ボルトBを全て締め込んだ状態では、取付フレーム16に対してワッシャ36が複数のボルトBを介して移動不能に拘束される。また、シャシフレーム100に対して移動不能に固定されたブラケット30に対し、拘束機構40を介してワッシャ36が回転不能に拘束される。
【0028】
図9はフレーム2の右側部分を表した平面図である。図9ではフレーム2の構造を模式化して表しており、ブラケット30も1つのみ図示している。同図において、例えば後続車両の追突等によってリヤバンパ14、特に左右のバンパ14aに前方への大きな外力Fが作用したとする。右側のバンパ14aに外力Fが作用することにより、荷受台昇降装置1のフレーム2には、図中の左回り方向に回転しようとするモーメントMが作用する。仮に拘束機構40を省略したとして、モーメントMによりブラケット30の長孔35の内部でボルトBにずれδ1,δ2が生じたとする。この場合、シャシフレーム100に対して荷受台昇降装置1がモーメントM方向に回転し、矢印で示したリヤバンパ14の変形量dが増加する。例えばワッシャ36をブラケット30に溶接すれば、ブラケット30に対するワッシャ36のずれを防止して変形量dを抑制することもできるが、フレーム2の品質にばらつきが生じ易くなり望ましくない。また、荷受台昇降装置1の架装作業、取り外し及び分解の作業の工数も増加してしまう。
【0029】
それに対し、本実施形態においては、上記の通り、ブラケット30に対し、拘束機構40を介してワッシャ36が回転不能に拘束される。そのため、モーメントMが作用してもブラケット30の長孔35の内部でボルトBが動かず、フレーム2に対するブラケット30のずれを抑制することができる。従って、シャシフレーム100に対する荷受台昇降装置1のモーメントM方向への回転を抑制し、リヤバンパ14の変形量dを抑えることができる。
【0030】
このように、本実施形態によれば、車両のシャシフレーム100に対する荷受台昇降装置1の取り付け構造の高剛性化を図り、大きな力を受けた際のリヤバンパ14の変形や変位を抑制でき、リヤバンパとして法令で定められた剛性を確保することができる。
【0031】
また、ブラケット30の装着に関して溶接作業を伴わないため、フレーム2の品質も安定し、荷受台昇降装置1の架装作業、取り外し及び分解の作業も容易に行える。
【0032】
-変形例-
上記実施形態では、キー構造の拘束機構40を例に挙げて説明したが、拘束機構40はブラケット30に対するワッシャ36の回転を拘束できればその他の嵌め合い構造でも良い。例えば、ブラケット30の第1面31に設けた凹部にワッシャ36そのものが嵌り込むような構造を拘束機構40として採用しても良い。この場合、凹部の寸法について、例えば長孔35の短軸方向にはワッシャ36に合わせて設定しつつ、長孔35の長軸方向にはワッシャ36よりも大きく確保する。これにより、長孔35による位置調整機能を阻害することなく、ブラケット30に対するワッシャ36の回転を拘束する構成とすることができる。この例に限らず、その他にも拘束機構40の構成は適宜設計変更可能である。その他の一変形例を図10に例示する。
【0033】
図10は本発明の一変形例に係る荷受台昇降装置に備えられたブラケット(フレームへの装着状態)の要部を表す側面図である。図10において、図1図9を用いて説明した上記実施形態と同一の又は対応する要素については、既出図面と同符号を付して説明省略する。
【0034】
図10の例では、ブラケット30の第3面33及び第4面34の対向面の面間距離にワッシャ36の長手方向(長孔35の長軸に直交する方向)の寸法が合わせてある。ワッシャ36は平面視で矩形であるため、ワッシャ36の長手方向を向く両端面がブラケット30の第3面33及び第4面34に接触し、これら接触面によってブラケット30に対するワッシャ36の回転が拘束される。その一方で、ワッシャ36は、ブラケット30の第3面33及び第4面34に摺動し、長孔35の長軸方向にスライド可能である。つまり、ワッシャ36の長手方向(長孔35の長軸に直交する方向)を向いた両端面がブラケット30の壁面に接触する構造が、図10の例における拘束機構40を構成する。
【0035】
なお、ブラケット30の第1面31及び第3面33の境界部、第1面31及び第4面34の境界部はR形状になっているため、これらの部分に対応してワッシャ36の角は切り欠かれている(図10)。このような構成に限らず、ブラケット30の角は、面取りしても良いし、R形状としても良い。また、ブラケット30の第1面31及び第3面33の境界部、及び第1面31及び第4面34の境界部を、直角な角としても良い。
【0036】
図10のように拘束機構40を構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。図10の構成の場合、ワッシャ36の寸法をブラケット30の第3面33及び第4面34の面間距離に合わせるだけであり、ブラケット30に特殊な構造がない。そのため、拘束機構40の構築に当たってブラケット30側の加工等に要する工数が抑えられることもメリットである。
【0037】
また、格納時に荷受台4を荷台101の後面に沿って起立させるタイプの荷受台昇降装置1に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の適用対象はこれに限定されない。例えば、荷受台を折り畳んでシャシフレームの下側に格納する荷受台昇降装置も、折り畳んだ荷受台の端面でリヤバンパを構成する場合がある。また、荷箱の後部に設けた支柱に沿って荷受台が垂直に昇降する荷受台昇降装置にも、リヤバンパが備えられる場合がある。これらの荷受台昇降装置においても、後続車両の追突を受けた場合には同様の課題が生じ得る。従って、こうした荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…荷受台昇降装置、2…フレーム、4…荷受台、14…リヤバンパ、30…ブラケット、35…長孔、36…ワッシャ、37…孔、40…拘束機構、41…キー、42…キー溝、100…シャシフレーム、B…ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10