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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081491
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/59 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H04B1/59
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195154
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】596100812
【氏名又は名称】京セラコミュニケーションシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】宮下 純一
(72)【発明者】
【氏名】海野 晃平
(72)【発明者】
【氏名】高田 直幸
(57)【要約】
【課題】 混信が生じる可能性を低くした送信装置を提供する。
【解決手段】 送信装置2aは、送信部102、送信制御手段104を備えている。送信部102は、自らの識別符号を伴う信号を送信するものである。送信制御手段104は、送信部102による信号の送信時刻、送信時間間隔を制御するものである。送信部102は、送信制御手段104の制御により、所定の送信時間間隔(たとえば24時間ごと)にて、所定の送信時刻(たとえば、3時30分)に信号の送信を行う。送信装置2aの他に、同様の構成を有する送信装置2b・・・2nが設けられている。各送信装置2a、2b・・・2nの送信制御手段104は、送信時刻をランダムに設定して(乱数に基づいて送信時刻を設定して)信号の送信を制御する。このように、各送信装置2a、2b・・・2nは、それぞれランダムに送信時刻を設定するので、互いの送信時刻が重複する可能性が低くなる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を送信する送信部と、
設定した送信時刻と送信時間間隔に基づいて、送信部による信号の送信を制御する送信制御手段であって、前記送信時刻をランダムに設定する送信制御手段と、
を備えた送信装置。
【請求項2】
コンピュータによって送信装置を実現するための送信プログラムであって、コンピュータを、
設定した送信時刻と送信時間間隔に基づいて、送信部による信号の送信を制御する送信制御手段であって、前記送信時刻をランダムに設定する送信制御手段として機能させるための送信プログラム。
【請求項3】
請求項1の装置または請求項2のプログラムにおいて、
前記送信装置は、所定の周波数帯域において他の送信装置が送信している場合には、自らは送信しないように構成されていることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項4】
請求項1の装置または請求項2のプログラムにおいて、
前記送信制御手段は、前記送信装置の起動時に、前記送信時刻をランダムに設定することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項5】
請求項1の装置または請求項2のプログラムにおいて、
前記送信制御手段は、前記送信時刻を所定時間範囲内においてランダムに設定することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
送信時刻がランダムになるように設定するとともに送信の時間間隔を設定し、
前記設定された送信時刻と、時間間隔にて信号を送信する送信方法。
【請求項7】
複数の送信装置とサーバ装置を備えた送信システムであって、
前記サーバ装置は、
各送信装置からの送信タイミングの問合せに対し、サーバ送信部によってランダムな送信時刻を送信する送信タイミング送信手段を備え、
前記送信装置は、
信号を送信する送信部と、
前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得する送信時刻取得手段と、
前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する送信制御手段と、
を備えた送信システム。
【請求項8】
複数の送信装置と通信可能なサーバ装置であって、
各送信装置からの送信タイミングの問合せに対し、サーバ送信部によってランダムな送信時刻を送信する送信タイミング送信手段を備え、
前記ランダムな送信時刻は、前記送信装置における信号の送信時刻として用いられることを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
サーバ装置と通信可能な送信装置であって、
信号を送信する送信部と、
前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得する送信時刻取得手段と、
前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する送信制御手段とを備え、
前記送信時刻は、他の複数の送信装置との関係においてラインダムとなるようにサーバ装置において生成されたものであることを特徴とする送信装置。
【請求項10】
サーバ装置と通信可能な送信装置をコンピュータによって実現するための送信プログラムであって、コンピュータを、
前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得する送信時刻取得手段と、
前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する送信制御手段として機能させ、
前記送信時刻は、他の複数の送信装置との関係においてラインダムとなるようにサーバ装置において生成されたものであることを特徴とする送信プログラム。
【請求項11】
請求項7~10のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記送信装置は、所定の周波数帯域において他の送信装置が送信している場合には、自らは送信しないように構成されていることを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項12】
請求項7~10のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記サーバ装置は、送信時刻だけでなく送信時間間隔も送信装置に送信し、
前記送信装置は、送信時刻だけでなく送信時間間隔もサーバ装置から受信し、これらに基づいて信号の送信を制御することを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項13】
複数の送信装置とサーバ装置を用いた送信方法であって、
前記サーバ装置は、各送信装置からの送信タイミングの問合せに対し、サーバ送信部によってランダムな送信時刻を送信し、
前記送信装置は、前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得し、
前記送信装置は、前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する送信方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は送信装置に関するものであり、特にその混信防止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の送信装置を近接して用いる場合、互いの周波数帯が接近していると混信を生じる可能性がある。
【0003】
これを回避するために、法規によって定められたLBT(Listen Befor Talk)方式が採用されている(特許文献1参照)。LBT方式においては、送信装置が信号を送信する前に、当該周波数帯において他の送信装置が送信を行っていないかどうかを受信して確認する。他の送信装置が、当該周波数帯において送信をしていないことが分かると、送信を開始するというものである。また、既に当該周波数帯が使用されている場合には、所定時間経過後に再度確認を行うことを繰り返し、使用されていないことを確認した後に送信を行う。
【0004】
LBT方式によれば、送信しようとする周波数帯において他の送信装置が送信をしていないことを確認するようにしているので、混信を確実に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-60932
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、送信前に当該周波数帯が使用されていれば時間を空けて再び確認するようにしているので、多数の送信装置を用いる場合には、互いが干渉しないタイミングにて送信できるまでに多くの時間を要していた。また、LBT方式による確認のために電力を消費するため、電池駆動の送信装置においては、電力消費が問題となる。
【0007】
LBT方式を定める規則においては、帯域の狭い電波を送信する場合であっても、所定の周波数帯において他の電波が出されていないかを確認する必要がある。このため、LPWAのような帯域の狭い(100Hz程度)ものであれば、本来は100Hz程度離れた他の電波があっても混信はしないにも拘わらず、200KHzの周波数帯全域において他の通信がないかを規則上確認する必要があり、上記問題がなおさら顕著であった。
【0008】
一方、LBT方式を用いない場合においても、複数の送信装置間において、できるだけ混信の可能性が低くなるようにすることが好ましい。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解決して、混信が生じる可能性を低くした送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の独立して適用可能ないくつかの特徴を列挙する。
【0011】
(1)(2)この発明に係る送信装置は、信号を送信する送信部と、設定した送信時刻と送信時間間隔に基づいて、送信部による信号の送信を制御する送信制御手段であって、前記送信時刻をランダムに設定する送信制御手段とを備えている。
【0012】
したがって、複数の送信装置の送信時刻が重複しないように設定することができる。
【0013】
(3)この発明に係る送信装置は、所定の周波数帯域において他の送信装置が送信している場合には、自らは送信しないように構成されていることを特徴としている。
【0014】
したがって、他の送信装置との同時刻による送信が回避されるため、LBT方式のような構成の場合においても、迅速に送信を行うことができる。
【0015】
(4)この発明に係る送信装置は、送信制御手段が、送信装置の起動時に、前記送信時刻をランダムに設定することを特徴としている。
【0016】
したがって、起動の際に送信時刻を決定することができる。
【0017】
(5)この発明に係る送信装置は、送信制御手段が、前記送信時刻を所定時間範囲内においてランダムに設定することを特徴としている。
【0018】
したがって、定められた時間範囲内において、送信時刻をランダムに決定することができる。
【0019】
(6)この発明に係る送信方法は、送信時刻がランダムになるように設定するとともに送信の時間間隔を設定し、前記設定された送信時刻と、時間間隔にて信号を送信する。
【0020】
したがって、複数の送信装置の送信時刻が重複しないように設定することができる。
【0021】
(7)(8)(9)(10)この発明に係る送信システムは、複数の送信装置とサーバ装置を備えた送信システムであって、
前記サーバ装置は、各送信装置からの送信タイミングの問合せに対し、サーバ送信部によってランダムな送信時刻を送信する送信タイミング送信手段を備え、
前記送信装置は、信号を送信する送信部と、前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得する送信時刻取得手段と、前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する送信制御手段とを備えている。
【0022】
したがって、複数の送信装置の送信時刻が重複しないように設定することができる。
【0023】
(11)この発明に係る送信システムは、送信装置が、所定の周波数帯域において他の送信装置が送信している場合には、自らは送信しないように構成されていることを特徴としている。
【0024】
したがって、他の送信装置との同時刻による送信が回避されるため、LBT方式のような構成の場合においても、迅速に送信を行うことができる。
【0025】
(12)この発明に係る送信システムは、サーバ装置が、送信時刻だけでなく送信時間間隔も送信装置に送信し、送信装置は、送信時刻だけでなく送信時間間隔もサーバ装置から受信し、これらに基づいて信号の送信を制御することを特徴としている。
【0026】
したがって、送信時間間隔も設定することができる。
【0027】
(13)この発明に係る送信方法は、複数の送信装置とサーバ装置を用いた送信方法であって、前記サーバ装置は、各送信装置からの送信タイミングの問合せに対し、サーバ送信部によってランダムな送信時刻を送信し、前記送信装置は、前記サーバ装置に対して送信タイミングの問合せを行い、送信時刻を取得し、前記送信装置は、前記取得した送信時刻と設定した送信時間間隔に基づいて、送信部における信号の送信を制御する。
【0028】
したがって、複数の送信装置の送信時刻が重複しないように設定することができる。
【0029】
「送信制御手段」は、第1の実施形態においては、ステップS102、S103がこれに対応し、第2の実施形態においては、ステップS108、S103がこれに対応する。
【0030】
「送信タイミング送信手段」は、実施形態においては、ステップS201がこれに対応する。
【0031】
「送信時刻取得手段」は、実施形態においては、ステップS121、S122がこれに対応する。
【0032】
「装置」とは、1台のコンピュータによって構成されるものだけでなく、ネットワークなどを介して接続された複数のコンピュータによって構成されるものも含む概念である。したがって、本発明の手段(あるいは手段の一部でもよい)が複数のコンピュータに分散されている場合、これら複数のコンピュータが装置に該当する。
【0033】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム、オペレーティングシステムと協働してその機能を発揮するプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】この発明の一実施形態による送信装置2の機能的構成である。
図2】送信装置2の外観である。
図3A】パレット10に対する送信装置2の取付を示す図である。
図3B】パレット10に対する送信装置2の取付を示す図である。
図4】送信装置2のハードウエア構成である。
図5】送信プログラム124のフローチャートである。
図6】第2の実施形態による送信システムの機能構成である。
図7】サーバ装置200のハードウエア構成である。
図8】送信処理のフローチャートである。
図9】第3の実施形態による送信装置2の機能構成である。
図10】送信装置2の断面図である。
図11】基板30の斜視図である。
図12】送信装置2の回路ブロック図である。
図13】静電容量検出モジュール72のファームウエアのフローチャートである。
図14】マイクロプロセッサ74の制御プログラムのフローチャートである。
図15】Sigfox送信モジュール80のファームウエアのフローチャートである。
図16】追跡サーバ装置SVCによる位置検出の仕組みを示す図である。
図17】他の例による基板30の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.第1の実施形態
1.1機能的構成
図1に、この発明の一実施形態による送信装置2aの機能的構成を示す。送信装置2aは、送信部102、送信制御手段104を備えている。送信部102は、自らの識別符号を伴う信号を送信するものである。送信制御手段104は、送信部102による信号の送信時刻、送信時間間隔を制御するものである。送信部102は、送信制御手段104の制御により、所定の送信時間間隔(たとえば24時間ごと)にて、所定の送信時刻(たとえば、3時30分)に信号の送信を行う。
【0036】
送信装置2aの他に、同様の構成を有する送信装置2b・・・2nが設けられている。各送信装置2a、2b・・・2nの送信制御手段104は、送信時刻をランダムに設定して(乱数に基づいて送信時刻を設定して)信号の送信を制御する。
【0037】
このように、各送信装置2a、2b・・・2nは、それぞれランダムに送信時刻を設定するので、互いの送信時刻が重複する可能性が低くなる。
【0038】
1.2外観およびハードウエア構成
送信装置2a、2b・・・2nは同様の構成を有しているので、各装置を送信装置2として説明する。
【0039】
図2に、この発明の一実施形態による送信装置2の外観を示す。送信装置2は、内部に送信回路(図示せず)や電池(図示せず)を収納した筐体4を備えており、筐体4には貫通孔6が設けられている。
【0040】
この送信装置2は、たとえば、図3Aに示すように対象物であるパレット10に固定されて使用される。送信装置2の貫通孔6に金属製のネジ20を挿入し、パレット10の木製の支柱12にネジ止めする。このように、パレット10に取り付けられた送信装置2からの信号を取得して、そのIDと位置を得ることで、パレット10をトラッキングすることができる。
【0041】
図4に、送信装置2のハードウエア構成を示す。CPU110には、メモリ112、時計114、不揮発性メモリ116、送受信回路118が接続されている。送受信回路118は、LPWA規格にて送信を行う回路である。
【0042】
不揮発性メモリ116には、オペレーティングシステム120(たとえば、TRON(商標)など)、装置ID122、送信プログラム124、送信時間間隔126が記録されている。装置ID122は、当該送信装置2を識別するための識別符号であり、送信装置2ごとにユニークに設定されている。送信プログラム124は、オペレーティングシステム120と協働してその機能を発揮する。
【0043】
1.3送信処理
図5に、送信プログラム124のフローチャートを示す。送信装置2が起動されると、CPU110は、時計114から現在時刻を取得する(ステップS101)。続いて、CPU110は、予め定められた時間内において、現在時刻をパラメータとして、ランダムに(乱数的に)送信時刻を算出し、不揮発性メモリ116に記録する(ステップS102)。
【0044】
たとえば、予め定められた時間としては、23:00~翌日の3:00などである。この23:00~3:00の間において、ランダムに送信時刻が算出される。なお、どの送信装置2も同じ乱数発生関数を用いるので、初期値として各送信装置2が生成する送信時刻は同一となってしまう。そこで、この実施形態では、現在時刻をパラメータとして用いて乱数を発生するようにしている。このため、倉庫などにおいて多数のパレットに多数の送信装置を付ける場合であっても、それぞれの送信時刻は異なることになる。
【0045】
CPU110は、算出された送信時刻に割込が生じるように内部タイマを設定し、電池消費を減らすため低消費電力モードとなる。設定した送信時刻になると内部タイマからの割込により、低消費電力モードから回復する。
【0046】
CPU110は、送信周波数チャネルを選択する(ステップS104)。この実施形態では、100Hzおきに約2000チャネルを用意しており、このチャネルの中からランダムに選択する。
【0047】
次に、CPU100は、規則によって定められた周波数帯域全般(200kHz)において、送受信回路118を用いて他の電波がないかどうかを確認する(ステップS105)。他の電波が出ていなければ、CPU100は、送受信回路118を制御し、前記選択したチャネルの周波数信号を装置ID122を変調して送信する(ステップS107)。
【0048】
この信号は、複数の基地局などで受信され、その電波強度によって位置が特定され、時刻、装置ID、位置が対応付けて記録される。これにより、対象物であるパレット10のトラッキングを行うことができる。
【0049】
送信が終了すると、CPU110は、予め記録されている送信時間間隔126(たとえば、24時間)に基づいて、次の送信時刻(日時)を決定する(ステップS108)。さらに、この送信時刻をタイマに設定し、低消費電力モードに入る(ステップS103)。
【0050】
一方、ステップS106において、所定レベル以上の他の電波が存在すると判断すると、CPU110は、ランダムなシフト時間(数分程度)を算出する(ステップS10)。このシフト時間だけ待って再送信を行うため、タイマを設定する。シフト時間が経過すると、CPU110は、再びステップS104以下を繰り返し、他の電波がなければ信号を送信する(ステップS107)。そして、シフト時間だけシフトされた送信時刻に基づいて、送信時間間隔によって、次の送信時刻を決定する(ステップS108)。タイマを設定してスリープモードに入る(ステップS103)。
【0051】
以下、送信時間間隔毎に信号が送信されることになる。なお、ステップS105において他の電波が見いだされれば、シフト時間によって時間をずらせるようにしている。
【0052】
1.4変形例・その他
(1)上記実施形態では、LBT方式によって、事前に周波数帯域において他の電波がないかどうかを判断するようにしている。しかし、LBT方式を用いない場合においても、本発明を適用することができる。この場合には、混信の可能性を減少させることができる。
【0053】
(2)上記実施形態では、送信装置2の起動時に現在時刻を用いてランダムに送信時刻を決定するようにしている。しかし、送信装置2に送信プログラムを記録する際や、テスト送信の際に、その現在時刻を用いてランダムに送信時刻を決定するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態では、現在時刻をパラメータとしてランダムに送信時刻を決定するようにしている。しかし、他のパラメータを用いてランダムに送信時刻を決定するようにしてもよい。
【0055】
(4)上記実施形態では、送信装置2を木製のパレット10に取り付ける場合について説明した。しかし、図3Bに示すように、プラスチック製のパレット10の隙間に送信装置2を挿入して、ネジ(図示せず)にて止めるようにしてもよい。
【0056】
(5)上記実施形態では、CPUを用いて制御を行っているが、その一部または全部をハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0057】
(6)上記実施形態では、送信時間間隔を24時間としているが12時間としてもよい。この場合、同じ時刻にて午前と午後に送信が行われることになる。また、送信時間間隔を1時間としてもよい。この場合には、送信時刻は分秒で設定することになる。さらに、送信時間間隔を3時間など任意の時間としてもよい。この場合にも、送信時間は時分秒で設定することになる。
【0058】
(7)上記実施形態では、1つのCPUによって制御を行っている。しかし、複数のCPUによって機能を分担して制御を行うようにしてもよい。
【0059】
(8)上記変形例は互いに組み合わせて実施可能であり、他の実施形態やその変形例とも組み合わせて実施可能である。
【0060】
2.第2の実施形態
2.1機能的構成
図6に、第2の実施形態による送信システムの機能構成を示す。複数の送信装置2a、2b・・・2nが設けられている点は、第1の実施形態と同様である。この実施形態では、サーバ装置200がランダムになるように生成した送信時刻を送信装置2に送信するようにしている。
【0061】
送信装置2aは、送信部102、送信制御手段104、送信時刻取得手段106を備えている。送信部102は、自らの識別符号を伴う信号を送信するものである。送信時刻取得手段106は、サーバ装置200にアクセスして送信時刻要求を送信する。これを受けたサーバ装置200の送信手段202は、ランダムになうように生成した送信時刻を、送信装置2に送信する。たとえば、予め生成したランダムな送信時刻を、要求を行った送信装置2に順次与える。
【0062】
送信制御手段104は、送信部102による信号の送信時刻、送信時間間隔を制御するものである。送信部102は、送信制御手段104の制御により、所定の送信時間間隔(たとえば24時間ごと)にて、サーバ装置200から受信した送信時刻(たとえば、3時30分)に信号の送信を行う。
【0063】
このように、サーバ装置200が、各送信装置2a、2b・・・2nの送信時刻をランダムになるように決定するので、互いの送信時刻が重複する可能性が低くなる。
【0064】
2.2外観およびハードウエア構成
外観および送信装置2のハードウエア構成は、第1の実施形態と同様である。図7に、サーバ装置200のハードウエア構成を示す。CPU210には、メモリ212、SSD226、通信回路228が接続されている。通信回路228は、インターネットに接続された基地局装置と通信を行うためのものである。したがって、この通信回路228を用いて、基地局を介して、送信装置2と通信を行うことができる。
【0065】
SSD226には、オペレーティングシステム220、サーバプログラム222、予め生成しておいたランダムな複数の送信時刻224が記録されている。サーバプログラム222は、オペレーティングシステム220と協働してその機能を発揮するものである。
【0066】
2.3送信処理
図8に、この実施形態による送信処理のフローチャートを示す。送信装置2が起動されると、CPU110は、送受信回路118を用いて、サーバ装置200に対し、送信時刻要求を行う(ステップS121)。サーバ装置200は、送信要求を受けると、SSD226に記録されている送信時刻224を一つ読み出して、送信装置2に送信する(ステップS201)。
【0067】
なお、サーバ装置200は、端末装置2からの要求があるごとに、記録されている送信時刻224を順番に読み出して送信する。したがって、各送信装置2に対しては、ランダムに設定された送信時刻が送信されることになる。
【0068】
送信装置2のCPU100は、サーバ装置200から受信した送信時刻を、不揮発性メモリ116に記録する(ステップS122)。
【0069】
ステップS103以下の処理は、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0070】
この実施形態では、サーバ装置200にてランダムになるように生成した送信時刻を送信装置2に与えるようにしているので、各送信装置2における送信時刻が重複するおそれがない。
【0071】
2.4変形例・その他
(1)上記実施形態において、サーバ装置200は、予め作成したランダムな送信時刻を順次送信するようにしている。しかし、予め作成したランダムな送信時刻のうち、要求のあった時点の現在時刻以降であって最も近い送信時刻を選択して送信するようにしてもよい。
【0072】
(2)上記実施形態では、LBT方式によって、事前に周波数帯域において他の電波がないかどうかを判断するようにしている。しかし、LBT方式を用いない場合においても、本発明を適用することができる。この場合には、混信の可能性を減少させることができる。
【0073】
(3)上記実施形態では、送信装置2の起動時にサーバ装置200から送信時刻を取得するようにしている。しかし、送信装置2に送信プログラムを記録する際や、テスト送信の際に、サーバ装置200から送信時刻を取得するようにしてもよい。
【0074】
(4)上記実施形態では、送信装置2を木製のパレット10に取り付ける場合について説明した。しかし、図3Bに示すように、プラスチック製のパレット10の隙間に送信装置2を挿入して、ネジ(図示せず)にて止めるようにしてもよい。
【0075】
(5)上記実施形態では、CPUを用いて制御を行っているが、その一部または全部をハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0076】
(6)上記実施形態では、送信時間間隔を24時間としているが12時間としてもよい。この場合、同じ時刻にて午前と午後に送信が行われることになる。また、送信時間間隔を1時間としてもよい。この場合には、送信時刻は分秒で設定することになる。さらに、送信時間間隔を3時間など任意の時間としてもよい。この場合にも、送信時間は時分秒で設定することになる。
【0077】
(7)上記実施形態では、送信時間間隔は、予め送信装置2に記録するようにしている。しかし、装置IDと対応付けてサーバ装置200に送信時間間隔を記録しておくようにしてもい。この場合、送信装置2が送信時刻要求を行う際に、装置IDを送信し、サーバ装置200がこれに応じて、送信時刻と対応する送信時間間隔を送信するようにする。
【0078】
(8)上記変形例は互いに組み合わせて実施可能であり、他の実施形態やその変形例とも組み合わせて実施可能である。
【0079】
3.第3の実施形態
3.1機能構成
上記実施形態では、送信装置2を対象物に取り付けた際に、起動スイッチを入れて送信装置2を起動する場合について説明した。この実施形態では、送信装置2を対象物に取り付けることで自動的に起動スイッチが入るようにする場合について説明する。
【0080】
図9に、この発明の一実施形態による送信装置2の機能的構成を示す。送信装置2は、ネジなどの取付具20によって、パレットなどの対象物10に取付けられる。送信装置2には電極などの検出部60が設けられている。制御部70は、送信装置2が対象物10に取付けられたことを、取付具20や対象物10によって検出部60に生じた静電容量の変化を検出する。
【0081】
制御部70は、静電容量の変化によって送信装置2が対象物10に取付けられたことを検知し、送信回路80を駆動状態にする。これにより、送信回路80は、送信装置2の識別符号を所定時間間隔で継続的に送信する。サーバ装置(図示せず)は、基地局などを介してこの信号を取得し、対象物10のトラッキングを行う。
【0082】
この実施形態では、静電容量の変化によって送信装置20が対象物10に取り付けられたことを検出して送信回路10を駆動するようにしている。したがって、永久磁石などの特殊な部品を設けることなく、送信装置20の装着に応じて自動的に送信回路10を駆動させることができる。
【0083】
3.2外観および構造
図2に、この発明の一実施形態による送信装置2の外観を示す。送信装置2は、内部に送信回路(図示せず)を収納した筐体4を備えており、筐体4には貫通孔6が設けられている。
【0084】
この送信装置2は、たとえば、図3Aに示すように対象物であるパレット10に固定されて使用される。送信装置2の貫通孔6に金属製のネジ20を挿入し、パレット10の木製の支柱12にネジ止めする。
【0085】
この実施形態では、ネジ20が貫通孔6に挿入されたことを検知し、送信装置2が駆動を開始する。これにより、送信装置2の装着がなされると、自動的に、送信装置2の駆動を開始させることができる。その詳細については以下に説明する。
【0086】
図10Aに送信装置2の平断面図、図10Bに横断面図を示す。図10Aに示すように、筐体4の内部には、送信部や制御部が設けられた基板30が固定されている。送信部や制御部に電力を供給するための電池50も収納されている。
【0087】
図10Bに示すように、筐体4は、上筐体40と下筐体42を備えて構成され、上筐体40と下筐体42とが勘合して、内部に水などが侵入しないように構成されている。上筐体40の中央付近において、下方向に突出する円筒部40Aが設けられ、円筒部40Aの内側に貫通孔6を形成している。基板30には、円筒部40Aの外側よりやや大きい穴32(基板貫通孔)が設けられ、穴32に円筒部40Aが挿入されている。
【0088】
図11に、基板30の斜視図を示す。穴32の周囲には金属膜36が形成されている。裏面にも、同様に穴32の周囲に金属膜(図示せず)が形成されている。穴32の内面には金属膜34が形成され(スルーホール)、表面の金属膜36と裏面の金属膜とを電気的に接続している。これら金属膜34および表裏面の金属膜によって、検出電極38が構成されている。後述のように、ネジ20が挿入された時の検出電極38の静電容量の変化を検出して、送信部を駆動するようにしている。穴32の内面の金属膜34は、ネジ20と対向するように設けられており、ネジ20の有無による静電容量の変化が大きくなるように構成されている。
【0089】
また、基板30には、穴35(補償電極用貫通孔)が設けられている。穴35の周囲には金属悪31が形成されている。裏面にも、同様に穴35の周囲に金属膜(図示せず)が形成されている。穴35の内面には金属膜33が形成され(スルーホール)、表面の金属膜33と裏面の金属膜とを電気的に接続している。これら金属膜31および表裏面の金属膜によって、温度補償用電極35が形成されている。
【0090】
なお、この実施形態では、検出電極38において、金属膜36(表および裏)、金属膜34の表面には、金属物の接触による誤動作を防止するために、非導電性のレジストが塗布されている。同様に、温度補償用電極の金属膜31(表および裏)、金属膜33の表面には、金属物の接触による誤動作を防止するために、非導電性のレジストが塗布されている。
【0091】
3.3ハードウエア構成
図12に、送信装置2の回路ブロック図を示す。これら回路は電池50からの電力供給を受けて動作する。検出部60は、検出電極38と温度補償用電極35を備えて構成されている。制御部70は、静電容量検出モジュール72(たとえば、Azoteq社のIQS7222Cを用いることができる)、マイクロプロセッサ74を備えて構成されている。送信回路は、LPWA規格の送信を行うSigfox送信モジュール80(たとえば、Innovation Farm社のIFS-M01)を備えて構成されている。
【0092】
静電容量検出モジュール72には、図11に示す検出電極38、温度補償用電極35が接続されている。静電容量検出モジュール72は、交流信号を検出電極38および温度補償用電極35に与えることにより、自己静電容量方式にて検出電極38および温度補償用電極35の静電容量を検出する。静電容量検出モジュール72は、CPUを備えている。
【0093】
3.4制御処理
図13に、静電容量検出モジュール72に記録されたファームウエアのフローチャートを示す。静電容量検出モジュール72は、電力消費を減らすためスリープ状態であり、所定時間ごと(たとえば1分ごと)に、タイマによって通常モードとなって図13の処理を実行する。
【0094】
静電容量検出モジュール72(のCPU)は、検出電極38の静電容量を検出する(ステップS1)。同様に、温度補償用電極35の静電容量も検出する(ステップS2)。たとえば、交流信号を与えたときの電圧変化により、静電容量を検出することができる。
【0095】
続いて、ステップS3において、検出電極38の静電容量を、温度補償用電極35の静電容量によって補正し、温度変化による静電容量の変化をキャンセルする。
【0096】
図10において、ネジ20が挿入されていない時、検出電極38(図11参照)の静電容量は周囲との寄生容量Cxのみである。一方、ネジ20が挿入されると、検出電極38の静電容量は、周囲との寄生容量Cxにネジ20による寄生容量Cfが加わって大きくなる。したがって、ステップS3において算出した静電容量が、所定のしきい値を超えているか否かを判断することにより、ネジ20が挿入されたか否かを判断することができる。
【0097】
静電容量検出モジュール72は、ステップS3において算出した静電容量が、予め定められたしきい値を超えているか否かを判断する(ステップS4)。超えていなければ、処理を終了し、スリープモードに戻る。
【0098】
しきい値を超えており、ネジ20が挿入されたと判断すると、検出出力を端子RDYから出力する(ステップS5)。
【0099】
図12に示すように、端子RDYはマイクロプロセッサ74のハードウエア割込端子IRに接続されている。したがって、スリープ状態にあったマイクロプロセッサ74は、通常モードとなる。
【0100】
マイクロプロセッサ74に記録されている制御プログラムのフローチャートを図14に示す。マイクロプロセッサ74は、送信機駆動モードであるか否かを判断する(ステップS11)。送信機駆動モードでなければ、I2Cの信号ラインD(同期はクロックラインCLにて行う)を介して、静電容量検出モジュール72に要求を行い、静電容量値(図13のステップS3における容量値)を取得する(ステップS12)。
【0101】
マイクロプロセッサ74は、静電容量値が予め定めたしきい値を超えているか否かを判断する(ステップS13)。超えていれば、送信機駆動モードに設定し、Sigfox送信モジュール80の割込端子T1に対して、駆動信号を出力する(ステップS15)。
【0102】
このように、静電容量検出モジュール72の検出出力によって、直ちにSigfox送信モジュール80を駆動するようにしていないのは次の理由による。静電容量検出モジュール72が検出出力を出すしきい値は詳細に設定することができない。そこで、静電容量検出モジュール72においては、比較的小さなしきい値にて検出出力を出すようにし、マイクロプロセッサ74において静電容量値に基づいて正確な判断をするようにしている。
【0103】
Sigfox送信モジュール80のファームウエアのフローチャートを図15に示す。マイクロプロセッサ74からの駆動信号を端子T1に受けると、スリープ状態にあったSigfox送信モジュール80は、通常状態となって、図15の処理を開始する。
【0104】
Sigfox送信モジュール80は、LPWA規格によって、識別符号を含むデータ信号を無線送信する(ステップS31)。データ信号を送信すると、Sigfox送信モジュール80はスリープ状態(低消費電力モード)となる(ステップS32)。予め設定された所定時間(たとえば24時間)が経過すると、Sigfox送信モジュール80は、通常状態に復帰して、データ信号を送信し(ステップS34)、スリープ状態となる(ステップS32)。
【0105】
上記のように、端子T1に駆動信号が与えられると、Sigfox送信モジュール80は、所定時間間隔にてデータ信号を送信する。この信号は、図16に示すように、基地局B1、B2、B3、B4などで受信され、その受信強度に基づいて、追跡サーバ装置SVCにより位置が算出されて記録される。これによって、送信装置2の位置追跡が行われることになる。
【0106】
上記の処理において、割込端子IRへの検出信号によって通常状態となったマイクロプロセッサ74は、図14のステップS12~S15までの処理を行った後、スリープ状態となり、所定時間間隔にて通常状態となって図14の処理を実行する。
【0107】
送信機駆動モードになった状態では、静電容量検出モジュール72から受信した静電容量値が、所定のしきい値を下回っているかどうかを判断する(ステップS16、S17)。下回っていなければ、送信機駆動モードを維持する。
【0108】
送信装置2の貫通孔6からネジ20が取り除かれて送信装置2がパレット10から取り外されると、静電容量値が所定のしきい値を下回る。静電容量値が所定のしきい値を下回ると、マイクロプロセッサ74は、送信機スリープモードに設定する(ステップS18)。Sigfox送信モジュール80の割込端子T2に停止信号を与える。これを受けて、Sigfox送信モジュール80は、所定時間毎のデータ送信を中止し、端子T1による割込があるまではスリープモードに入る。
【0109】
また、静電容量が所定のしきい値を下回った場合、マイクロプロセッサ74もスリープモードに入って初期状態となる。
【0110】
3.5その他
(1)上記実施形態では、送信装置2をパレット10の側面から取り付けるようにしている。しかし、いずれの箇所に取り付けるようにしてもよい。たとえば、隣接する上板11の間において、上方から取り付けるようにしてもよい。
【0111】
(2)上記実施形態では、送信装置2を木製のパレット10に取り付ける場合について説明した。しかし、図3Bに示すように、プラスチック製のパレット10の隙間に送信装置2を挿入して、ネジ(図示せず)にて止めるようにしてもよい。
【0112】
(3)上記実施形態では、送信装置2を取り付ける対象物をパレット10として説明した。しかし、送信装置2を取り付けることが可能な物であれば対象物とすることができる。
【0113】
(4)上記実施形態では、取付具としてネジ20を用いて送信装置2を対象物に取り付けるようにしている。しかし、ボルト・ナット、U字金具、U字釘などを取付具として用いるようにしてもよい。この場合、U字金具などの近接を検出できるように、筐体4の内部に検出電極38を設けることが好ましい。
【0114】
(5)上記実施形態では、図11に示すように、孔32の周縁にも電極36を設けて、電極34とともに検出電極38としている。しかし、孔32の内面のみに電極34を設け、これを検出電極38としてもよい。温度補償用電極35についても同様である。
【0115】
(6)上記実施形態では、取付具であるネジ10による検出電極38の静電容量の変化を検出するようにしている。しかし、送信装置2が導電体である対象物に取り付けられたことによる検出電極38の静電容量の変化を検出するようにしてもよい。対象物が導電体であれば(たとえば、鉄製パレット)、取り付けられたか否かを判断することができる。
【0116】
(7)上記実施形態では、取付具であるネジ10によって送信装置2が取り付けられるとSigfox送信モジュール80が駆動し、ネジ10が取り外されるとSigfox送信モジュール80が停止するように構成している。しかし、一旦、取り付けられてSigfox送信モジュール80が駆動した後は、ネジ10が取り外されてもSigfox送信モジュール80が駆動しつづけるようにしてもよい。
【0117】
(8)上記実施形態では、送信装置2が対象物に取り付けられるとSigfox送信モジュール80が駆動を開始するようにしている。しかし、送信装置2が対象物に取り付けられる前には駆動するようにし、対象物に取り付けられると停止するようにしてもよい。
【0118】
(9)上記実施形態では、送信装置2が対象物に取り付けられると、直ちにSigfox送信モジュール80が駆動を開始するようにしている。しかし、所定時間経過した後に、Sigfox送信モジュール80が駆動を開始するようにしてもよい。
【0119】
(10)上記実施形態では、静電容量検出モジュール72の検出出力があるとマイクロプロセッサ74が判断を行って、Sigfox送信モジュール80が駆動するようにしている。しかし、静電容量検出モジュール72の検出出力をSigfox送信モジュール80に与えて駆動を開始するようにしてもよい。
【0120】
(11)上記実施形態では、取付具であるネジ20は金属製のものを使用している。しかし、金属でない導電性のものを使用してもよい。
【0121】
(12)上記実施形態では、温度補償用電極35を設けて温度補償を行うようにしている。しかし、温度と静電容量変化との関係式に基づいて、計測された静電容量を修正するようにしてもよい。この場合、温度補償用電極35は不要である。また、使用状況などによっては、温度補償を行わなくともよい。
【0122】
(13)上記実施形態では、自己静電容量方式にて静電容量の変化を検出するようにしている。しかし、検出電極38を2つ設けて、相互静電容量方式にて静電容量の変化を検出するようにしてもよい。この場合、図17に示すように、検出電極38Aと検出電極38Bを設け、両電極間の静電容量を検出する。また、温度補償用電極も温度補償用電極35Aと温度補償用電極35Bを設ける。
【0123】
(14)上記実施形態では、LPWA規格の送信回路を用いているが、通常の携帯無線通信など他の無線通信を用いてもよい。
【0124】
(15)上記実施形態では、図16に示すように、基地局をベースにして位置を特定するようにしている(たとえばSigfox社のAtlas Native)。しかし、WiFiアクセスポイントのMACアドレスをもとに位置を特定するようにしてもよい(たとえばSigfox社のAtlas WiFi)。
【0125】
(16)上記実施形態では、Sigfox送信モジュール80として、Innovation Farm社のIFS-M01を用いている。しかし、STMicroelectronics社のSTM32WLなど他のSigfox送信モジュールを用いてもよい。STM32WLを用いた場合には、所定時間間隔にて送信するタイミングの制御は、STM32WL自身ではなく外部から行うことになる。
【0126】
(17)上記実施形態では、CPUを用いて制御を行っているが、その一部または全部をハードウエアロジックによって構成してもよい。




図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
図17