(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081500
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】遊技用装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A63F7/02 332
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195171
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 周二
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088CA31
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】 遊技機から出力される遊技情報に基づき、遊技状態を特定できる遊技用装置を提供する。
【解決手段】 遊技用装置は、第1の第1遊技状態、変動時間の平均値が第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態、変位部材が第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態を含む第1遊技状態と、識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、第2遊技状態に制御することが可能であり、第2の第1遊技状態において特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される第2遊技状態の終了後の方が、第1の第1遊技状態において特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される第2遊技状態の終了後よりも、第3の第1遊技状態に制御する確率が高くなるように制御する
遊技状態制御手段とを備える遊技機から出力される遊技情報に基づいて、第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段を備える構成としてある。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも第1領域に遊技媒体が通過し易い第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態において、第2領域に遊技媒体が通過した場合、識別情報の変動時間を決定可能な決定手段と、
前記決定手段により決定された変動時間に基づいて識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、
前記第1遊技状態において、前記第2領域に遊技媒体が通過し易い第1位置と、当該第1位置よりも前記第2領域に遊技媒体が通過し難い第2位置と、に変位可能な変位部材と、
遊技に関する情報である遊技情報を出力可能な出力手段と、
を備え、
前記第1遊技状態は、
第1の第1遊技状態と、
前記決定手段により決定される変動時間の平均値が、前記第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態と、
前記第1の第1遊技状態及び前記第2の第1遊技状態よりも前記変位部材が前記第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態と、
を含み、
前記遊技状態制御手段は、
前記識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、前記第2遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後の方が、前記第1の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後よりも、前記第3の第1遊技状態に制御する確率が高い遊技機に対応して設けることが可能な遊技用装置において、
前記出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段を備える
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも第1領域に遊技媒体が通過し易い第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態において、第2領域に遊技媒体が通過した場合、識別情報の変動時間を決定可能な決定手段と、
前記決定手段により決定された変動時間に基づいて識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、
前記第1遊技状態において、前記第2領域に遊技媒体が通過し易い第1位置と、当該第1位置よりも前記第2領域に遊技媒体が通過し難い第2位置と、に変位可能な変位部材と、
遊技に関する情報である遊技情報を出力可能な出力手段と、
を備え、
前記第1遊技状態は、
第1の第1遊技状態と、
前記決定手段により決定される変動時間の平均値が、前記第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態と、
前記第1の第1遊技状態及び前記第2の第1遊技状態よりも前記変位部材が前記第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態と、
を含み、
前記遊技状態制御手段は、
前記識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、前記第2遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後の方が、前記第1の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後よりも、前記第3の第1遊技状態に制御される遊技回数を多くすることが可能な遊技機に対応して設けることが可能な遊技用装置において、
前記出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段を備える
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
前記第2領域は、
前記変位部材が対応して設けられていない第1の第2領域と、
前記変位部材が対応して設けられている第2の第2領域と、
を含み、
前記識別情報表示手段は、
前記第1の第2領域を遊技媒体が通過した場合に識別情報が変動表示可能な第1識別情報表示手段と、
前記第2の第2領域を遊技媒体が通過した場合に識別情報が変動表示可能な第2識別情報表示手段と、
を含み、
前記第1識別情報表示手段は、
前記特定態様で識別情報を停止表示可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記第2の第1遊技状態である場合、遊技情報として特定遊技情報を出力可能であり、
前記特定手段は、
前記特定遊技情報が出力される場合、前記第2の第1遊技状態を特定可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に遊技用装置。
【請求項5】
前記特定手段により前記第2の第1遊技状態を特定された場合、前記第2の第1遊技状態であることを示す情報を報知可能な報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に遊技用装置。
【請求項6】
前記遊技用装置は、
呼出ランプである
ことを特徴とする請求項1又は2に遊技用装置。
【請求項7】
前記遊技用装置は、
ホールコンピュータである
ことを特徴とする請求項1又は2に遊技用装置。
【請求項8】
第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも第1領域に遊技媒体が通過し易い第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態において、第2領域に遊技媒体が通過した場合、識別情報の変動時間を決定可能な決定手段と、
前記決定手段により決定された変動時間に基づいて識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、
前記第1遊技状態において、前記第2領域に遊技媒体が通過し易い第1位置と、当該第1位置よりも前記第2領域に遊技媒体が通過し難い第2位置と、に変位可能な変位部材と、
遊技に関する情報である遊技情報を出力可能な出力手段と、
を備え、
前記第1遊技状態は、
第1の第1遊技状態と、
前記決定手段により決定される変動時間の平均値が、前記第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態と、
前記第1の第1遊技状態及び前記第2の第1遊技状態よりも前記変位部材が前記第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態と、
を含み、
前記遊技状態制御手段は、
前記識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、前記第2遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後の方が、前記第1の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後よりも、前記第3の第1遊技状態に制御する確率が高い遊技機に対応して設けることが可能な遊技用装置を構成するコンピュータを、
前記出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段
として機能させることを特徴とする遊技用プログラム。
【請求項9】
第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも第1領域に遊技媒体が通過し易い第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態において、第2領域に遊技媒体が通過した場合、識別情報の変動時間を決定可能な決定手段と、
前記決定手段により決定された変動時間に基づいて識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、
前記第1遊技状態において、前記第2領域に遊技媒体が通過し易い第1位置と、当該第1位置よりも前記第2領域に遊技媒体が通過し難い第2位置と、に変位可能な変位部材と、
遊技に関する情報である遊技情報を出力可能な出力手段と、
を備え、
前記第1遊技状態は、
第1の第1遊技状態と、
前記決定手段により決定される変動時間の平均値が、前記第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態と、
前記第1の第1遊技状態及び前記第2の第1遊技状態よりも前記変位部材が前記第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態と、
を含み、
前記遊技状態制御手段は、
前記識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、前記第2遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後の方が、前記第1の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後よりも、前記第3の第1遊技状態に制御される遊技回数を多くすることが可能な遊技機に対応して設けることが可能な遊技用装置を構成するコンピュータを、
前記出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段
として機能させることを特徴とする遊技用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機から出力される遊技信号に基づいて、遊技機の遊技状態を判定し、判定した遊技状態ごとに、アウトやセーフに基づく遊技情報を集計する遊技用装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技用装置は、第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも第1領域に遊技媒体が通過し易い第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段と、前記第1遊技状態において、第2領域に遊技媒体が通過した場合、識別情報の変動時間を決定可能な決定手段と、前記決定手段により決定された変動時間に基づいて識別情報を変動表示させることが可能な識別情報表示手段と、前記第1遊技状態において、前記第2領域に遊技媒体が通過し易い第1位置と、当該第1位置よりも前記第2領域に遊技媒体が通過し難い第2位置と、に変位可能な変位部材と、遊技に関する情報である遊技情報を出力可能な出力手段と、を備え、前記第1遊技状態は、第1の第1遊技状態と、前記決定手段により決定される変動時間の平均値が、前記第1の第1遊技状態とは異なる第2の第1遊技状態と、前記第1の第1遊技状態及び前記第2の第1遊技状態よりも前記変位部材が前記第1位置に変位し易い第3の第1遊技状態と、を含み、前記遊技状態制御手段は、前記識別情報表示手段において特定態様で識別情報が停止表示された場合、前記第2遊技状態に制御することが可能であり、前記第2の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後の方が、前記第1の第1遊技状態において前記特定態様で識別情報が停止表示された場合に制御される前記第2遊技状態の終了後よりも、前記第3の第1遊技状態に制御する確率が高い遊技機に対応して設けることが可能な遊技用装置において、前記出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記第2の第1遊技状態を特定可能な特定手段を備える構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】遊技用システムの各装置間の情報の流れを示すブロック図である。
【
図3】遊技用装置が収集する出力情報の一例を示す図である。
【
図4】遊技機の遊技盤の構成の一例を示す図である。
【
図6】遊技機で行われる遊技状態の遷移を示す図である。
【
図7】遊技用装置(ホールコンピュータ)の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】CZ遊技状態の特定方法を説明するためのタイムチャートである。
【
図9】時短状態の特定方法を説明するためのタイムチャートである。
【
図10】遊技用装置(ホールコンピュータ)の表示部に表示される遊技場内レイアウト画面の一例を示す図である。
【
図11】遊技用装置(ホールコンピュータ)の表示部に表示される台個別データ画面の一例を示す図である。
【
図12】遊技用装置(呼出ランプ)の構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】遊技用装置(呼出ランプ)のデータ表示部に表示される表示例を示す図である。
【
図14】遊技機の特別図柄一覧表の変形例を示す図である。
【
図15】変形例の遊技機の遊技機状態ごとの遊技情報の出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
本発明に係る遊技用装置、プログラム、及び遊技用装置を備える遊技用システムの第1実施形態について、各図を参照して説明する。
本実施形態に係る遊技用システム1は、プログラム(遊技用プログラム)に制御されたコンピュータにより動作する。
プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、ホールコンピュータ60におけるデータの送受信、記憶、及び演算等を行わせる。
遊技用システム1は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものであり、プログラムの全部、又は一部は、磁気ディスク、光ディスク及びその他任意のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体により提供され、記憶媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。
なお、プログラムは、記憶媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードして、実行することも可能である。
【0008】
遊技用システム1は、
図1に示すように、パチンコ機等の遊技機10や複数の遊技用装置等で構成されている。
遊技用装置としては、例えば、現金の投入(紙幣)と引き換えに遊技球等の遊技媒体(遊技価値)を貸し出す台間機20、対をなす遊技機10に関する遊技情報の表示や店員の呼出機能を備える呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、遊技機10ごとの遊技情報を収集するホールコンピュータ60等を備えている。
また、特に図示しないが、遊技機10としてスロットマシン、台間機20としてメダルを貸し出すタイプのもの、遊技媒体を計数可能な計数装置、遊技機10で獲得した遊技媒体と所定の景品との交換を行う景品交換装置等の遊技用装置も設置されている。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
なお、遊技機10は、遊技者が遊技媒体に触れられないように構成されるスマート遊技機でも良い。
【0009】
このような遊技用システム1は、遊技機10、台間機20等から出力される各種情報(各種信号)に基づいて、遊技機10ごとの遊技情報を収集する遊技情報収集システムとして構成される。
【0010】
具体的には、遊技機10は、
図2に示すような流れで、遊技進行に応じて出力される遊技情報(信号)を、外部端子板等の出力手段から遊技用装置に対して出力する。
遊技機10(出力手段)から出力される遊技情報には、遊技進行に応じて出力される様々な情報がある。
例えば、遊技機10から出力される遊技情報には、
図3に示すように、「アウト情報」、「セーフ情報」、「大当り情報」、「時短情報」、「スタート情報」等がある。
【0011】
「アウト情報」は、使用される遊技球(例えば、10玉)ごとに出力され、この出力数を計数することで、遊技機10で使用される遊技球数(遊技価値数)が求められる。
ホールコンピュータ60等には、「アウト情報」がアウトとして、接続される。
【0012】
「セーフ情報」は、入賞により付与される遊技球の所定数(例えば、10玉)ごとに出力され、この出力数を計数することで、遊技機10から付与される遊技球数が求められる。
ホールコンピュータ60等には、「セーフ情報」がセーフとして、接続される。
【0013】
「大当り情報」は、「大当り遊技状態」の開始によりオフからオンに変化し、「大当り遊技状態」の終了によりオンからオフに変化する、すなわち「大当り遊技状態」中に出力される遊技情報である。
ホールコンピュータ60等には、「大当り情報」が大当りとして、接続される。
【0014】
「時短情報」は、「大当り遊技状態」、「電サポ状態」、「変短状態」の開始によりオフからオンに変化し、「大当り遊技状態」、「電サポ状態」、「変短状態」の終了によりオンからオフに変化する。
すなわち「時短情報」は、「大当り遊技状態」中、「電サポ状態」中、「変短状態」中に、重複して、又は単独で同一の出力端子から出力される遊技情報である。
ここでいう「電サポ」とは、「電動チューリップサポート」の略称で、「電サポ状態」とは、電動チューリップ(以下、電チューという)の開放時間や開放回数等を変動させ遊技球が入賞し易い状態をいう。
また、「変短」とは、「変動時間短縮」の略称で、「変短状態」とは、特別図柄の変動時間(特別図柄抽選における図柄の変動開始から変動終了するまでの時間)を短縮する状態をいう。
そのため、「変短状態」は、「非変短状態」時より特別図柄の変動時間が平均して短くなる傾向にある。
そして、以下の説明では、電チューの開放時間や開放回数等が「通常遊技状態」と同一状態でも、特別図柄の変動時間が短縮状態にある場合には、「変短状態」(「非電サポ状態」)という。
また、電チューの開放時間や開放回数等を変動させ遊技球が入賞し易い状態でも、特別図柄の変動時間が「通常遊技状態」と同一状態にある場合には、「非変短状態」(「電サポ状態」)という。
ホールコンピュータ60等には、「時短情報」が時短として、接続される。
【0015】
なお、「時短情報」は、上述の通り、複数の遊技状態時に同一の出力端子から出力されるが、これに限られず、例えば、スマート遊技機において、シリアル通信で遊技情報が出力される場合には、単独で遊技状態を示す遊技情報がそれぞれ出力される。
この場合、「大当り遊技状態」中に出力される「大当り情報」のように、「電サポ状態」中に出力される「電サポ情報」、「変短状態」中に出力される「変短情報」がそれぞれ単独の出力端子から出力される。
また、「時短情報」は、ホールコンピュータ60において、時短として接続される例について説明したが、これに限られず、確変として接続して管理しても良い。
このように、遊技機10から出力される遊技情報は、遊技機10の仕様、機種等によって決定される。
【0016】
「スタート情報」は、識別情報である特別図柄の変動が停止する度、すなわち1ゲーム(遊技)ごとに出力される遊技情報であり、この出力数を計数することで、ゲーム数が求められる。
ホールコンピュータ60等には、「スタート情報」がスタートとして、接続される。
【0017】
また、台間機20からも、現金の投入やカードの挿入等の取引情報や現金等の投入額を示す「売上情報」等の貸出情報が、併設された遊技機10を特定可能な遊技機情報とともに出力される。
なお、遊技機10がパチンコ機の場合、「アウト情報」は、パチンコ機に併設されるアウトタンクに備える遊技球検知センサ等の出力手段から出力されるが、便宜上、遊技機10から出力されるものとして説明する。
【0018】
これらの遊技情報は、ネットワークを介して、ホールコンピュータ60等の遊技用装置に送信される。
そして、遊技情報は、台コンピュータ40、島コンピュータ50、及びホールコンピュータ60のうち少なくともいずれかにおいて所定のデータ加工(例えば数値化処理)が行われ、ホールコンピュータ60に遊技機10ごとの遊技情報として順次蓄積される。
【0019】
[遊技機の構成、及び仕様]
次に、
図4~
図6を参照しながら、遊技用システム1を構成する遊技機10の基本的な構成、及び仕様等について説明する。
図4は、遊技機10(パチンコ機)が備える遊技盤11の一例である。
遊技機10は、表示装置119の数字が揃うと大当りとなる所謂「デジパチ」と、役物が開放して入賞すると大当りとなる所謂「羽根モノ」とが組み合わせられた「一種二種混合タイプ」の遊技機10である。
遊技機10は、遊技領域105に構造物(役物)や障害物(遊技釘)が前方から見て左右非対称に配置されるとともに、遊技領域105の左側の左遊技領域と、遊技領域105の右側の右遊技領域とから構成される。
そして、一般に、左遊技領域を遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」といい、一方、右遊技領域を遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」という。
遊技者は、遊技状態に合わせて適宜打ち方を変えて遊技を行うゲーム性になっている。
【0020】
遊技盤11の遊技領域105には、遊技球を種々の方向に分散・誘導する複数の遊技釘が設けられるとともに、主として第1始動口装置110、第2始動口装置111、特
図1表示装置112、特
図2表示装置113、普図表示装置114、普通図柄作動ゲート115、第1大入賞口装置117、第2大入賞口装置118、表示装置119、アウト口120等が設けられている。
これらの装置は一例であり、数量や配置は適宜変更しても構わない。
【0021】
第1始動口装置110は、入賞率が変動しない第1始動口110aを備える。
第1始動口110aは、遊技球が入賞する入口が変化しない所謂ヘソタイプの特
図1の始動口である。
また、第1始動口装置110が備える通過センサによる第1の第2領域110b(第2領域)への遊技球の通過の検出は、遊技機10の制御手段(遊技状態制御手段)による特
図1の抽選、及び変動表示の契機となっている。
【0022】
第2始動口装置111は、入賞率が変動する第2始動口111aを備える。
第2始動口111aは、遊技球が入賞する入口が開閉し、役割としては電チュー(普通電動役物)タイプの特
図2の始動口である。
第2始動口装置111を構成する電チューは、入口が開放され遊技球が通過し易い開位置(第1位置:遊技球が通過できる位置)と、入口が開放されず遊技球が通過し難い閉位置(第2位置:遊技球が通過できない位置)とに変位可能な変位部材として機能する。
このような変位は、電チューが備えるソレノイドによって実行され、電チューが開位置の状態時にのみ、遊技球の第2始動口111aへの入賞が許可されるとともに、入賞、又は所定時間経過後、閉位置(閉鎖)に変位する。
したがって、「電サポ状態」では、このような電チューの制御により頻繁に入口を開放させ、遊技球が第2の第2領域111b(第2領域)に通過し易い状態にする。
また、第2始動口装置111が備える通過センサによる第2の第2領域111bへの遊技球の通過の検出は、遊技機10の制御手段による特
図2の抽選、及び変動表示の契機となっている。
【0023】
特
図1表示装置112(識別情報表示手段、第1識別情報表示手段)は、例えば、7セグメントLED等で構成され、第1始動口110aに遊技球が入賞すると、特別図柄の変動が開始され、所定時間経過後に変動を停止する。
【0024】
特
図2表示装置113(識別情報表示手段、第2識別情報表示手段)は、特
図1表示装置112と同様に、例えば、7セグメントLED等で構成され、第2始動口111aに遊技球が入賞すると、特別図柄の変動が開始され、所定時間経過後に変動を停止する。
【0025】
普図表示装置114は、例えば、LED等で構成され、普通図柄作動ゲート115を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動表示される。
普図表示装置114は、遊技球が普通図柄作動ゲート115を通過した場合、「普通図柄」を変動表示した後に停止表示して、普通図柄の抽選(以下、普通図柄抽選という)の結果を表示する。
【0026】
普通図柄作動ゲート115は、遊技球が通過可能なように第2始動口111aの左斜め下方に設けられている。
普通図柄作動ゲート115への遊技球の通過は、普通図柄抽選の契機となっており、この普通図柄抽選の結果に応じて、電チューが開放される。
したがって、電チューは、普通図柄抽選の結果に基づき、開位置にするか否かが制御される。
【0027】
第1大入賞口装置117は、電チューのように大入賞口117aを開閉可能に構成され、第1領域117bへの遊技球の入賞により遊技球が払い出され、表示装置119において、「大当り図柄」の組合せの表示により所定時間の開放と閉口とを所定回数繰り返す。
また、大入賞口117aの開放回数は、後述するラウンド数と称され、当選した「大当り図柄」に応じて変化する。
【0028】
第2大入賞口装置118は、内部にV入賞口(不図示)を備え、大入賞口118aを開閉可能に構成され、第1領域118bへの遊技球の入賞により遊技球が払い出される。
第2大入賞口装置118は、表示装置119において、「小当り図柄」の組合せが表示され、小当りを発生させるとともに大入賞口118aを開放する。
そして、小当り発生時に第2大入賞口装置118内部のV入賞口に遊技球が入賞すると、大入賞口117aが所定時間の開放と閉口とを所定回数繰り返す大当りが発生する。
【0029】
表示装置119(識別情報表示手段)は、例えば、液晶表示器(LCD)を備える演出用の表示装置であり、遊技機10の制御手段により特別図柄抽選(大当り抽選)が実行されると、図柄情報を変動表示し、所定時間経過後にその変動を停止表示する。
具体的には、表示装置119は、特
図1表示装置112、特
図2表示装置113の表示結果に関連する表示を行う表示手段として機能する。
例えば、遊技機10の制御手段による特別図柄抽選の抽選結果は、それぞれ表示装置119に停止表示される。
そして、停止表示した図柄情報が「大当り図柄(小当たり経由も含む)」の組み合わせ(例えば、数字のゾロ目)を示すときには、第1大入賞口装置117が予め設定された回数開放する「大当り遊技状態」となる。
【0030】
表示装置119の上部には、特
図1抽選の権利として、現在、保留(記憶)されている特
図1保留玉119aが点灯、点滅等で表示される。
特
図1保留玉119aは、特別図柄抽選を実行中に、さらに第1始動口110aに遊技球が入賞したときに表示され、保留可能な上限値(例えば、4個)まで表示される。
図4に示す例では、特
図1保留玉119aが4個保留されていることを示している。
【0031】
表示装置119の下部には、特
図2抽選の権利として、現在、保留されている特
図2保留玉119bが点灯、点滅等で表示される。
特
図2保留玉119bは、第2始動口111aに遊技球が入賞したときに表示され、特
図1保留玉119aと同様に、保留可能な上限値(例えば、4個)まで表示される。
また、保留されている特
図1保留玉119a、及び特
図2保留玉119bは、特
図1抽選、特
図2抽選が実行されるたびに消化され、消化されるたびに表示装置119による表示も消灯する。
図4に示す例では、特
図2保留玉119bが3個保留されていることを示している。
遊技者は、遊技の進行にともなって変化する特
図1保留玉119aや特
図2保留玉119bを確認しながら遊技を行うことになる。
【0032】
アウト口120は、遊技盤11の下方に、遊技領域105に開口して設けられる。
遊技領域105を流下する遊技球は、何れの始動口にも入賞しなかった場合、アウト口から排出される。
【0033】
図5は、遊技機10の仕様の一例を示す図であり、(a)は各種抽選確率、(b)は特別図柄一覧表である。
遊技機10のスペックは、遊技機10に予め設定される理論上の値である。
大当り確率は、確変機能を搭載していないため、特
図1、及び特
図2ともに1/256となっている。
小当り確率は、特
図1では1/6553、特
図2では1/20となっており、特
図2では、高確率で小当りが発生する。
【0034】
そして、「大当り図柄5、6」は、「大当り図柄」であるのと同時に「小当り図柄」でもある。
小当り発生時は、第2大入賞口装置118の中のV入賞口が同時に開放され、このV入賞口に遊技球が入賞(V入賞ともいう)することを契機として大当りが発生する。
したがって、1/256の確率で大当りに当選した場合には、大当りが開始されるが、1/20の確率で小当りに当選した後、V入賞した場合にも大当りが発生する。
【0035】
特定ハズレ確率は、1/200となっており、特
図1抽選によって「特定ハズレ図柄」が発生する。
この特定ハズレ確率は、大当り抽選に漏れたハズレ変動の一部で突入する変短(以下、C時短、突然時短ともいう)への図柄導出確率を示している。
すなわち、「通常遊技状態」における「特定ハズレ図柄」の当選が後述する「CZ遊技状態」への移行契機となっている。
【0036】
特別図柄は、「大当り図柄(特定態様)」、「小当り図柄(特定態様)」、「特定ハズレ図柄」の大きく3つに分類されている。
遊技機10は、特別図柄の種別に応じて、
図5に示すような振分確率、ラウンド数、当選時の「変短状態」、時短回数(電サポ、変短)がそれぞれ付与される。
特
図1の振分確率は、「大当り図柄1」が40%、「大当り図柄2」が40%、「大当り図柄3」が10%、「大当り(小当たり)図柄4」が10%となっている。
「大当り図柄1」、「大当り図柄2」、「大当り図柄3」当選時は、ともに第1大入賞口装置117が「3回」開放する「3ラウンド」が付与され、「大当り図柄4」当選時は、第1大入賞口装置117が「4回」開放する「4ラウンド」が付与される。
また、「大当り図柄」停止時に付与される電サポの時短回数(以下、電サポ回数ともいう)、及び変短の時短回数(以下、変短回数ともいう)は、例えば、「大当り図柄1」の場合、大当り当選時が「非変短状態」では、電サポ回数「0回(「電サポ状態」無し)」、変短回数「101~130回(101~130回転目が「変短状態」)」がそれぞれ付与される。
ここでの電サポ回数は、電チューのサポート回数を示しており、電チューのサポート内容は、例えば、電チューの開放回数が「通常遊技状態」時に比べて多くなること、開放時間が長くなること等が挙げられる。
また、変短回数は、特定図柄の変動時間が「通常遊技状態」時より短くなる回数を示している。
なお、特
図1の「大当り図柄」停止時に付与される変短回数は、大当り当選時が「非変短状態」では、大当り終了後直ぐに「変短状態」に移行しない遊技機10を一例として説明したが、大当り終了後直ぐに「変短状態」に移行する遊技機10でも本発明を適用できる。
【0037】
一方、大当り当選時が「変短状態」の場合、電サポ回数「10回(1~10回転目が「電サポ状態」)」、変短回数「1~20回(1~20回転目が「変短状態」)」がそれぞれ付与される。
したがって、大当り当選時の「変短状態」に応じて、付与される電サポ回数、及び変短回数が変動する。
すなわち、大当り当選時が「変短状態」の場合、「非変短状態」時より、電サポが付与される確率が高いため、「電サポ状態」に制御される確率が高い。
このような傾向は、「大当り図柄2」、「大当り図柄3」当選時も同様である。
また、「大当り図柄4」の場合は、大当り当選時の「変短状態」に関係なく、電サポ回数「10回」、変短回数「1~20回」がそれぞれ付与される。
【0038】
これに対し、特
図2の振分確率は、「大当り(小当たり)図柄5」が20%、「大当り(小当たり)6」が80%となっている。
「大当り図柄5」当選時は、第1大入賞口装置117が「6回」開放する「6ラウンド」が付与され、「大当り図柄6」当選時は、最も第1大入賞口装置117の開放回数が多く、第1大入賞口装置117が「10回」開放する「10ラウンド」が付与される。
なお、小当り時は、第2大入賞口装置118の開放も「1ラウンド」にカウントされるため、例えば、小当り経由の大当りで、「6ラウンド」が付与された場合は、第2大入賞口装置118の開放「1回」と第1大入賞口装置117の開放「5回」となる。
【0039】
また、「大当り図柄」停止時に付与される電サポ回数、及び変短回数は、例えば、「大当り図柄5」の場合、大当り当選時の「変短状態」に関係なく、電サポ回数「10回」、変短回数「1~30回」がそれぞれ付与される。
「大当り図柄6」においても「大当り図柄5」と同様に、大当り当選時の「変短状態」に関係なく、電サポ回数「100回」、変短回数「1~100回」がそれぞれ付与される。
【0040】
さらに、「特定ハズレ図柄」は、「特定ハズレ図柄」停止時に付与される電サポ回数、及び変短回数は、特定ハズレ当選時が「非変短状態」では、電サポ回数「0回」、変短回数「30回」がそれぞれ付与される。
一方、特定ハズレ当選時が「変短状態」では、電サポ回数、及び変短回数何れも「100回」がそれぞれ付与される。
なお、大当りの「1ラウンド」あたりの消化時間は、「20秒」程度を想定しているため、ラウンド数が増えるほど、大当り中の時間(「大当り情報」の出力時間)が長くなる確率が高いといえる。
【0041】
このように、大当り、特定ハズレ当選時の「変短状態」に応じて、電サポを付与するか否かを決定する。
具体的には、遊技機10の制御手段は、大当り、特定ハズレ当選時が「変短状態」では、電サポを付与するが、「非変短状態」では、電サポを付与しないように制御する。
このため、大当り、特定ハズレ当選時が「変短状態」の場合、「電サポ状態」に制御される確率が高いため、「変短状態」は、「非変短状態」時より大当りに当選し易い状態といえる。
なお、遊技機10の時短状態には、上述したC時短に加え、大当り後の時短(以下、A時短ともいう)も含まれる。
そして、時短の優先順位は、A時短 < C時短であるため、大当り後の時短回数に関係なく、例えば、「変短状態」時に「特定ハズレ図柄」が停止すると、電サポ回数、変短回数ともに「100回」が再セット(上書き)される。
しかし、これに限られず、時短の優先順位をA時短 > C時短として、C時短に基づく電サポ回数、及び変短回数を再セットしない遊技機10にも本発明を適用できる。
また、電サポ回数、及び変短回数を再セットするか否かを、抽選(例えば、100ゲーム後に電サポ回数、又は変短回数を100回付与する等の抽選)で決定する遊技機10にも本発明を適用できる。
【0042】
次に、これらのことを踏まえ、遊技の主要な流れについて説明する。
図6は、遊技機10で行われる遊技状態の遷移の一例を示している。
「通常遊技状態」(第1遊技状態、第1の第1遊技状態、非変短遊技状態)は、「非電サポ状態」、かつ「非変短状態」にあり、普通図柄抽選は実行されず、特別図柄抽選が実行される。
特別図柄抽選は、特
図1抽選の契機となる第1始動口110aに遊技球が入賞することで、抽選が行われ、1/256の確率で発生する「大当り図柄」に当選すると「大当り遊技状態」(第2遊技状態)に移行する(
図6の矢印(a))。
また、特別図柄抽選では、C時短の抽選も同時に行っており、1/200の確率で発生する「特定ハズレ図柄」に当選すると「CZ遊技状態」に移行する(
図6の矢印(b))。
したがって、「通常遊技状態」時は、大当り抽選と同時に、C時短を抽選している。
【0043】
「CZ遊技状態」(第1遊技状態、第2の第1遊技状態、変短遊技状態)は、「非電サポ状態」、かつ「変短状態」にあり、「CZ遊技状態」中に、第1始動口110aに遊技球が入賞し、大当り抽選で当選すると「大当り遊技状態」に移行する(
図6の矢印(c))。
「CZ遊技状態」では、遊技機10の制御部65が、決定手段として機能することにより、特別図柄の変動時間の短縮(変短状態)を決定する。
一方、「CZ遊技状態」における「変短状態」中に、大当りに当選しなければ、「通常遊技状態」に移行する(
図6の矢印(d))。
「CZ遊技状態」中に「大当り図柄」に当選した方が、上述の通り、「大当り図柄」停止後に所定の電サポが付与されるため、「通常遊技状態」中に「大当り図柄」に当選した場合より、遊技者にとって有利なゲーム性になっている。
【0044】
また、「CZ遊技状態」では、「変短状態」であるものの、「非電サポ状態」にあるため、「右打ち」しても電チューに入賞しない。
そのため、「通常遊技状態」、及び「CZ遊技状態」では、遊技者は、遊技領域105の中央に設けられた第1始動口110aに遊技球を入賞させ大当りを発生させるために、「左打ち」で遊技した方が有利な構成になっている。
そして、特
図1の大当り終了後は、大当り当選時が「変短状態」のとき、つまり電サポが付与された場合には「時短状態」に移行し(
図6の矢印(e))、大当り当選時が「非変短状態」のとき、つまり電サポが付与されない場合には「通常遊技状態」に移行した後(
図6の矢印(f))、「変短状態」になればCZ遊技状態に移行する(
図6の矢印(b))。
【0045】
「時短状態」(第3の第1遊技状態)は、「電サポ状態」、かつ「変短状態」、又は「非変短状態」であり、所定の電サポ回数に到達するまで継続する時短状態である。
そのため、「時短状態」では、遊技盤11における第2始動領域111bに遊技球が通過し易い状態である。
また、「時短状態」では、通常の特別図柄抽選とは別に、普通図柄作動ゲート115への遊技球の通過を契機として、第2始動口111aが開放する普通図柄抽選が実行される。
普通図柄抽選では、第2始動口111aに遊技球が入賞すれば、特
図2の抽選が実行されるが、特
図1の大当りが発生(
図6の矢印(g))するより高確率な小当りが発生する。
小当り発生時は、第2大入賞口装置118内部のV入賞口に遊技球が入賞すると、大当りが発生する(
図6の矢印(h))。
すなわち、遊技者は、「時短状態」中に、第2始動口111aに遊技球が入賞できれば、連続して大当りに当選する確率が高くなるため、遊技媒体の増加が期待できる構成になっている。
このため、「時短状態」では、遊技者は、右遊技領域に設けられた普通図柄作動ゲート115に遊技球を通過させ、第2始動口111aに多くの遊技球が入賞するように、「右打ち」で遊技した方が有利な構成になっている。
このように「時短状態」では、遊技球の減りが抑えられ、短時間で連続して大当りが発生し易いため、高ベース状態となる。
【0046】
特
図2の大当り終了後は、所定の電サポ回数、及び変短回数が付与され「時短状態」に移行する(
図6の矢印(i))。
さらに、「時短状態」において、「電サポ状態」中に、特別図柄抽選で大当りや小当りが発生せず、そのとき「変短状態」であれば「CZ遊技状態」に移行し(
図6の矢印(j))、「非変短状態」であれば「通常遊技状態」に移行する(
図6の矢印(k))。
なお、時短回数(電サポ回数、及び変短回数)は、特図の抽選回数(特図の変動終了回数)に対応しているため、特図が一切変動していない状態で、普通図柄抽選が実行され、電チューが開放されたとしても、時短回数は変わらない。
また、遊技機10は、特
図1保留玉119b、及び特
図2保留玉119bともに保留している場合には、特
図1保留玉119aよりも特
図2保留玉119bを優先して消化する制御構成(特
図2優先消化)になっているが、特
図1優先消化の遊技機10でも本発明を適用できる。
【0047】
[ホールコンピュータ]
ホールコンピュータ60は、遊技用装置の一例として動作し、例えば、
図7に示すように、キーボード、マウス等の入力手段からなる操作部61、台コンピュータ40、島コンピュータ50等とデータ通信を行う通信部62、液晶表示装置等を有し、遊技機10ごとの遊技情報を表示する表示部63、ハードディスク等の記憶手段からなる記憶部64、上記各部を制御する制御部65等を備え、主に遊技場の管理者や店員等により操作される情報処理装置として構成されている。
【0048】
制御部65は、収集手段として機能することにより、通信部62を介して島コンピュータ50等から受信する遊技機10ごとの遊技情報を記憶部64に逐次記憶する。
【0049】
記憶部64に記憶される遊技情報には、例えば、使用される遊技球の入力数から求められる「アウト数」、付与される遊技球の入力数から求められる「セーフ数」、「スタート情報」の入力数から求められる「スタート回数」等がある。
また、この他の遊技情報としては、「アウト数」に占める「セーフ数」の割合(例えば、百分率)を示す「ベース」、「アウト数」と「セーフ数」の差分を示す「差数(出玉ともいう)」、「大当り情報」の入力数から求められる「大当り回数」、スタート回数と大当り回数の比率を示す「大当り確率」、「売上情報」の入力数から求められる「売上金額」等がある。
このような遊技情報が遊技機10ごと、所定時間(例えば、10分)ごと及び営業日(例えば、1日単位)ごとに対応付けて記憶されている。
【0050】
ところで、遊技情報は、遊技機10の遊技状態別に区分けして記憶される。
遊技機10から遊技状態を示す遊技情報として、大当りを特定する遊技情報(「大当り情報」)は、その出力期間に亘って、「大当り遊技状態」を特定できる。
しかしながら、「時短情報」のように、「大当り遊技状態」中、「電サポ状態」中、「変短状態」中に、重複して、又は単独で同一の出力端子から出力される遊技情報もあることから、このような場合には、他の遊技情報から、遊技状態を特定する必要がある。
以下の説明においては、上述した構成、及び仕様を備える遊技機10から「CZ遊技状態」を特定可能な遊技情報が単独で出力されず、複数の遊技情報から「CZ遊技状態」を特定する方法について説明する。
【0051】
図8は、「CZ遊技状態」の特定方法を説明するためのタイムチャートである。
例えば、制御部65は、同図に示すように「大当り情報」(特定遊技情報)を受信していない状態、すなわち「通常遊技状態」で「時短情報」(特定遊技情報)を受信した場合を「CZ遊技状態」と特定する。
このとき、制御部65は、通信部62を介して受信する「時短情報」のオン期間を計測し、かつ「時短情報」のオフからオンに切り替わるオフ時の遊技状態を特定する。
そして、制御部65は、「時短情報」のオフからオンに切り替わるオフ時に「大当り情報」を受信していなければ、「CZ遊技状態」と特定する。
これは、「CZ遊技状態」は、「通常遊技状態」から発生する遊技状態であるとともに、このときの「時短情報」は、C時短であることを特定できるからである。
そのため、制御部65は、「通常遊技状態」時に「時短情報」が出力されたときを、「CZ遊技状態」の移行タイミングとして特定する。
【0052】
なお、スマート遊技機では、専用の中継装置(例えば、専用ユニット、ホールコン出力BOX)を介してホールコンピュータ60等の遊技用装置とシリアル通信で接続されており、遊技機10から遊技状態ごとの遊技情報が単独で出力される。
例えば、「電サポ状態」中に出力される「電サポ情報」(特定遊技情報)、「変短状態」中に出力される「変短情報」(特定遊技情報)等がそれぞれ単独の出力端子から出力される。
このため、制御部65は、「電サポ状態」を受信していない状態で「変短状態」を受信した場合を「CZ遊技状態」と特定する。
【0053】
また、制御部65は、
図9に示すように「大当り情報」と「時短情報」を受信している状態から、「時短情報」のみを受信した場合を「時短状態」と特定する。
このとき、制御部65は、通信部62を介して受信する「大当り情報」のオンからオフに切り替わったところから「時短情報」のオン期間を計測し、かつ「大当り情報」のオンからオフに切り替わるオフ時の遊技状態を特定する。
そして、制御部65は、「大当り情報」のオンからオフに切り替わるオフ時に「時短情報」を受信していれば、「時短状態」と特定する。
これは、「電サポ状態」は、「大当り遊技状態」後から発生する遊技状態であるとともに、このときの「時短情報」は、A時短であることを特定できるからである。
なお、「時短状態」と「電サポ状態」は、同時に制御されているものとする。
【0054】
したがって、制御部65は、「CZ遊技状態」を特定する単独の遊技情報が出力端子から出力されていない場合でも、「CZ遊技状態」を特定できる。
このような「CZ遊技状態」発生時における遊技情報の特徴的な出力形態を監視することにより、ホールコンピュータ60は、「CZ遊技状態」の発生を特定できる。
すなわち、ホールコンピュータ60は、制御部65が特定手段として機能することで、受信した「大当り遊技情報」と「時短情報」から現在の遊技状態が「CZ遊技状態」であることを特定できる。
これにより、ホールコンピュータ60において、適切なデータ管理を行うことができる。
【0055】
ホールコンピュータ60は、単独で「CZ遊技状態」を特定可能な遊技情報が出力されない遊技機10であっても、他の遊技情報に基づいて、「CZ遊技状態」を特定できるので、「CZ遊技状態」中と、「CZ遊技状態」中でない遊技状態とで、区分けして集計することができる。
この結果、ホールコンピュータ60は、区別された「CZ遊技状態」を報知できる。
表示部63は、以下のような表示を行うことにより、「CZ遊技状態」中に取得した遊技情報を報知できる。
【0056】
制御部65は、フロア全体の遊技機10の稼動状況を表示部63に表示することで、「CZ遊技状態」の遊技機10を報知するように制御する。
その結果、表示部63は、「CZ遊技状態」の遊技機10と、その他の遊技状態の遊技機10を識別可能に表示できる。
図10に示すように、例えば、遊技場における遊技機10の位置を表示した遊技場内レイアウト画面では、各遊技機10の遊技状態等が図式化して表示される。
【0057】
また、ポップアップされた表示選択画面100において、表示したい遊技状態に対応するチェックボックス100aにチェックを入れることで、チェックを入れた遊技状態に該当する遊技機10が所定の色や記号等で施された状態で選択され、表示される。
これにより、店員がフロアに設置された「CZ遊技状態」の遊技機10を容易に把握できる。
【0058】
具体的には、フロアに設置された遊技機10の中で、何れの遊技機10が「CZ遊技状態」なのかを把握できる。
これは、ホールコンピュータ60が遊技機10から「CZ遊技状態」を特定する遊技情報を受信すると、記憶部64に記憶されている遊技機10の位置情報に基づいて、受信した遊技機10を特定できるためである。
このため、記憶部64には、予め、遊技場における遊技機10の設置領域(位置、大きさ、範囲等)を特定可能な情報(位置情報)を記憶させておくことにより、遊技機10の設置領域を含む遊技場のレイアウトを表示部63に表示できる。
したがって、例えば、「CZ遊技状態」のチェックボックス100aにチェックを入れることで、「CZ遊技状態」の遊技機10が、例えば、「赤旗のマーク」等で他の遊技機10と異なる表示態様で表示される。
このように、「CZ遊技状態」の遊技機10とその他の遊技状態の遊技機10との表示態様を異ならせることで、遊技場の店員は、現在の遊技状態が「CZ遊技状態」の遊技機10を容易に認識できる。
【0059】
また、ホールコンピュータ60は、遊技場内レイアウト画面上で個別に確認したい遊技機10をダブルクリックすることにより、
図11に示すような台個別データ画面を表示できる。
台個別データ画面は、上述した遊技場内レイアウト画面と同時に表示することができ、遊技機10の稼働状態の詳細を確認するための画面である。
台個別データ画面で表示される「CZ遊技状態」中の営業情報としては、後述する例えば、「遊技状態」、「CZ突入回数」、「CZ突入確率」、「CZスタート」、「CZ中大当り出玉」等が挙げられる。
すなわち、表示部63は、遊技状態が「CZ遊技状態」であることを示す情報を報知可能な報知手段として機能する。
なお、表示選択画面100において、チェックボックス100aにチェックを入れる前においても、何れの遊技機10が「CZ遊技状態」なのかを把握できるように表示しても良い。
【0060】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、「CZ遊技状態」の特定や報知等を、遊技用装置として、ホールコンピュータ60を用いることで実現していた。
第2実施形態では、「CZ遊技状態」の特定や報知等を、遊技用装置として、呼出ランプ30を用いて実現している。
なお、以下の説明では、既に説明した第1実施形態におけるホールコンピュータ60と同様の構成となる説明を省略する。
【0061】
[呼出ランプ]
呼出ランプ30は、遊技場に設置される遊技機10に併設され、遊技情報を見やすいように具体的な数字等用いて、遊技者に有益な遊技情報として表示する。
また、呼出ランプ30は、遊技情報を表示する以外にも、遊技中にトラブル等が発生したときに、遊技者が呼出ボタン310を押下するとその旨を遊技場の店員、及び周囲の遊技者に報知できる。
さらに、呼出ランプ30は、履歴ボタン300を押下することにより、データ制御部35の記憶手段に記憶された過去の遊技情報を表示できる構成になっている。
【0062】
以下、
図12を参照して呼出ランプ30のハードウエア構成について説明する。
呼出ランプ30は、データ通信部31と、発光部32と、音出力部33と、データ表示部34と、これらを制御するデータ制御部35とをそれぞれ備えて構成されている。
【0063】
データ通信部31は、遊技機10や遊技者に遊技媒体を貸し出す台間機20から出力される遊技情報を受信するとともに、台コンピュータ40を介して、この遊技情報をホールコンピュータ60に送信する。
【0064】
発光部32は、多色(RGB)発光(フルカラー)のLEDと、LEDの点灯や点滅を制御するLEDドライバとを備え、データ制御部35は、このLEDの点灯や点滅等を所定の発光態様で行うように制御する。
そして、発光部32は、所定の発光態様により制御されることで、大当り等の遊技状態や遊技機10で発生した異常状態を外部に報知することが可能になる。
また、発光部32は、呼出ランプ30の周縁に配置され、LEDが発光する光を拡散するためにカット(例えば、ダイヤカット)された無色又は有色透明な樹脂カバーで覆われているため、どこから見ても色鮮やかに報知することができる構成となっている。
【0065】
音出力部33は、例えば、スピーカ、PCM音源、アンプ等を備え、データ制御部35からの指示に従い、スピーカ等を駆動することにより、効果音、音声等の音データを出力し、その出力態様により大当り等の遊技状態や遊技機10で発生した異常状態を外部に報知する。
【0066】
データ表示部34は、例えば、液晶表示器、液晶駆動用ドライバ、画像制御用プロセッサ(VDP)、VRAM、画像データを記憶した画像ROM等を備え、データ制御部35からの指示に従い、遊技情報を、数字、文字及び図形等の文字情報に変換して液晶表示器に表示する。
データ表示部34は、遊技者によるタッチ操作を検出するタッチパネルから構成され、所定の表示領域をタッチ操作することで、数字や文字等の入力ができるテンキー画面(不図示)が表示される。
そのため、遊技者は、データ表示部34の所定の表示領域をタッチ操作した後、このテンキー画面において、例えば、確認したい年月日を入力することで、所望の年月日の遊技情報を確認できる構成になっている。
【0067】
また、データ表示部34は、
図13に示すように複数の表示領域34a~34eに区画され、各表示領域には、以下のような遊技情報がそれぞれ表示される。
なお、データ表示部34に表示される遊技情報は、1営業日中の遊技情報に限定するものではなく、複数の営業日(例えば、2日等の複数の日、週単位、月単位)の遊技情報を表示する構成としても良い。
【0068】
表示領域34aには、本日の開店時から現時点までの「CZ突入回数」の累計が表示される。
「CZ突入回数」は、遊技機10から出力される遊技情報に基づき、「CZ遊技状態」に移行したと判定された回数の累計により算出される。
【0069】
表示領域34bには、本日の開店時から現時点までの「CZ突入確率」が表示される。
「CZ突入確率」は、遊技機10から出力される遊技情報に基づき、「CZ遊技状態」に移行したと判定された回数の累計を、「通常遊技状態」時の「スタート情報」(スタート回数)の累計で除算した除算値(CZ突入回数/通常時スタート)により算出される。
なお、スタート回数は、「通常遊技状態」時以外の他の遊技状態時のスタート回数を含めても良い。
【0070】
表示領域34cには、本日の開店時から現時点までの「CZ遊技状態」中の「CZスタート」が表示される。
「CZスタート」は、遊技機10から出力される遊技情報に基づき、現在滞在している「CZ遊技状態」中のスタート回数の累計により算出される。
すなわち、「CZ遊技状態」時の遊技機10から出力される「スタート情報」の累計が表示される。
なお、ここでは、「CZ遊技状態」中のスタート回数が「CZスタート」として表示されるが、「CZ遊技状態」中か否かに関わらず、所定期間(例えば、1営業日)における「CZ遊技状態」時のスタート回数の累計を算出して表示するようにしても良い。
【0071】
表示領域34dには、本日の開店時から現時点までの「CZ中大当り出玉」が表示される。
「CZ中大当り出玉」は、遊技機10から出力される遊技情報に基づき、「CZ遊技状態」中に当選した大当り時の出玉の累計により算出される。
すなわち、「CZ遊技状態」を経由した「大当り遊技状態」時の遊技機10から出力される「セーフ情報」(セーフ数)の累計が表示される。
なお、出玉(セーフ数)ではなく、差数(セーフ数-アウト数)の累計を算出して表示するようにしても良い。
【0072】
表示領域34eには、現時点の遊技状態が表示される。
データ制御部35が特定した遊技状態が表示され、例えば、「CZ遊技状態」では、「CZ中」と表示され、「大当り遊技状態」では、「大当り中」とそれぞれ表示される。
そのため、遊技者は、遊技機10が「CZ遊技状態」時に、現在の遊技状態が「CZ遊技状態」であることを容易に認識できる。
なお、表示領域34dの表示態様は、他の遊技状態と区別できれば、「CZ中」に限られない。
【0073】
また、この他にも、データ表示部34には、遊技場の開店前、又は閉店後の予め定められた時刻(例えば、遊技場で設定した時刻)において、CZ中の遊技機10がある場合に、遊技機10のリセット処理を促すような特別な報知を表示しても良い(
図13(b)参照)。
具体的には、CZ中と判定した場合には、CZ中の遊技機10であることを示す旨の報知を行う。
この場合の特別な報知例としては、所定時刻の経過時に、表示領域34を通してディスプレイ表示することができ、例えば、「CZ中です。リセットして下さい。」等のメッセージを表示する。
これにより、遊技場の店員等は、○○番台の遊技機10がCZ中であることを認識できる。
【0074】
このように、遊技用装置として呼出ランプ30を用いても、「CZ遊技状態」を特定し「CZ遊技状態」時の遊技情報を表示できる。
すなわち、データ表示部34は、データ制御部35が特定手段として機能することにより、現在の遊技状態が「CZ遊技状態」であると特定した場合には、「CZ遊技状態」であることを示す情報を報知可能な報知手段として機能する。
これにより、データ表示部34は、遊技機10が「CZ遊技状態」であることを表示できるとともに、「CZ遊技状態」時と他の遊技状態時の表示態様を異ならせて表示できる。
【0075】
[変形例]
本発明を適用する遊技機10は、以下に示すような変形例とすることもできる。
図14に示す変形例は、以下の点において上述した特図別のスペック一覧表と相違する。
具体的には、
図5に示す特図別のスペック一覧表の当選時の時短状態の条件に、新たに「電サポ状態」を加えたものである。
このため、遊技機10は、主にスマート遊技機により、シリアル通信で遊技状態ごとの遊技情報が単独で出力される場合を想定している。
ホールコンピュータ60等では、遊技機10から出力される遊技情報の出力方式に応じた処理が予め設定されており、何れかの処理が遊技場の管理者によって単独、又は複数で設定され実行される。
そして、「大当り図柄」、又は「特定ハズレ図柄」停止時に付与される電サポ回数、及び変短回数の有利度は、「非電サポ状態」・「非変短状態」 < 「非電サポ状態」・「変短状態」 < 「電サポ状態」・「非変短状態」 < 「電サポ状態」・「変短状態」になるように規定される。
このように遊技機10から遊技状態ごとの遊技情報が単独で出力される場合にも、ホールコンピュータ60等は、遊技状態ごとに遊技情報を特定できる。
【0076】
また、「大当り図柄」停止後に付与される電サポ回数、及び変短回数は、それぞれ再セットされるが、「特定ハズレ図柄」停止後に付与される電サポ回数、及び変短回数は、それぞれの残り回数に上乗せ(加算)される構成になっている。
このため、変形例の遊技機10では、電サポ回数が上乗せされた場合、その上乗せされた電サポ回数、又は残りの電サポ回数を示す情報(以下、電サポ上乗せ情報という)が出力手段から出力される。
変短回数が上乗せされた場合は、その上乗せされた変短回数、又は残りの変短回数を示す情報(以下、変短上乗せ情報という)が出力手段から出力される。
この場合、ホールコンピュータ60等は、遊技機10から遊技状態ごとの遊技情報が単独で出力されるため、遊技機10の遊技状態ごとの遊技情報を特定できる。
その結果、ホールコンピュータ60の表示部63や呼出ランプ30のデータ表示部34には、このような電サポ上乗せ情報や変短上乗せ情報を表示できる。
【0077】
図15は、変形例の遊技機10の遊技機状態ごとの遊技情報の出力例を示す図である。
同図の「3R」、「6R」、「9R」は、それぞれ大当り状態を示しており、例えば、遊技機状態が「非電サポ状態」、「非変短状態」、「3R」の場合には、「非電サポ状態」、「非変短状態」において、大当り当選した「3ラウンド」の「大当り遊技状態」中であることを示している。
ホールコンピュータ60、及び呼出ランプ30側では、変形例の遊技機10から出力された遊技情報に基づき、遊技機状態を特定し表示する。
具体的には、
図11に示すホールコンピュータ60の表示部63や
図13に示す呼出ランプ30のデータ表示部34に表示された「CZ遊技状態」中の営業情報は、以下の(1)~(6)に示す様に、より詳細に特定され、表示される。
【0078】
(1)遊技状態
例えば、遊技状態は、「CZ」、「CZボーナスA」、「CZボーナスB」、「CZボーナスC」のように、「CZ遊技状態」をさらに区別して表示できる。
(2)CZ突入回数
例えば、CZ突入回数は、「CZ 1回」、「CZボーナスA 3回」、「CZボーナスB 5回」、「CZボーナスC 10回」のように、CZ突入回数を種別ごとに区別して表示できる。
なお、「CZ遊技状態」ごと、及び/又は全「CZ遊技状態」のCZ突入回数を合算して、その値を表示することもできる。
(3)CZ突入確率
例えば、CZ突入確率は、「CZ 1/1000」、「CZボーナスA 1/333」、「CZボーナスB 1/200」、「CZボーナスC 1/10」のように、CZ突入確率を種別ごとに区別して表示できる。
なお、「CZ遊技状態」ごと、及び/又は全「CZ遊技状態」のCZ突入確率を合算して、その値を表示することもできる。
(4)CZスタート
例えば、CZスタートは、「CZ 10回」、「CZボーナスA 20回」、「CZボーナスB 30回」、「CZボーナスC 40回」のように、CZスタート回数を種別ごとに区別して表示できる。
なお、「CZ遊技状態」ごと、及び/又は全「CZ遊技状態」のCZスタート回数を合算して、その値を表示することもできる。
(5)CZ経由からの出玉
例えば、CZ経由からの出玉は、「ボーナスA 1000玉」、「CZボーナスA 1300玉」、「チャンスボーナスA 2000玉」、「高確ボーナスA 1000玉」のように、出玉(又は差数)をボーナス種別ごとに区別して表示できる。
また、「ボーナス 1000玉」、「CZボーナス 1300玉」、「チャンスボーナス 2000玉」、「高確ボーナス 1000玉」のように、ボーナスでの出玉(又は差数)を大当り当選時の状態ごとに区別して表示できる。
【0079】
以上説明したように、本発明の遊技用装置によれば、「通常遊技状態」時に大当りに移行するより「CZ遊技状態」時に大当りに移行した方が、高確率で有利な特典(時短回数)が付与される遊技機10から出力される遊技情報に基づいて、遊技機10の「CZ遊技状態」を特定できる。
これにより、「CZ遊技状態」時の遊技情報と他の遊技状態時の遊技情報とを区別して収集できるため、遊技情報をより正確に算出できるとともに、表示部63等の外部に「CZ遊技状態」中の表示態様を異ならせて報知できる。
そして、このような機能は、遊技用装置の記憶部に記憶されたプログラムを、コンピュータとして構成された制御部が実行することにより実現される。
【0080】
一方、従来の遊技用装置では、「CZ遊技状態」を特定することができないため、「CZ遊技状態」中の遊技情報を区別して収集できず、現状の遊技状態を正確に把握したいと考える店員や遊技者のニーズに応えることができなかった。
本実施形態の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部等を解決できる。
【0081】
以上、本発明の遊技用装置及びプログラムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置、及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
(1)本発明を遊技用装置として呼出ランプ30、及びホールコンピュータ60に適用した例を用いて説明したが、この他にも、台間機20、台コンピュータ40、及び島コンピュータ50に加え、遊技球、又はメダル等の遊技媒体と景品との交換処理を行う景品交換機(不図示)や会員カード等から現金の残高を読み取り、操作に応じて現金を遊技者に戻す精算機(不図示)等、その他遊技用システム1に接続可能な遊技用装置にも適用できる。
(2)「変短状態」では、「非変短状態」時より、特別図柄の変動時間の平均値が短くなる遊技機10を一例として説明したが、特別図柄の変動時間の平均値が変わらない遊技機10でも本発明を適用できる。
(3)大当り等の当選時が「変短状態」の場合、電サポが付与されるが、「非変短状態」では、電サポが付与されない遊技機10を一例として説明したが、電サポを付与するか否かではなく、例えば、大当り等の当選時が「変短状態」時に電サポ回数「10回」付与し、「非変短状態」時に電サポ回数「5回」付与する等、電サポ回数により「変短状態」により区別する遊技機10でも本発明を適用できる。
(4)「特定ハズレ図柄」の抽選は、特
図1抽選でのみ実行される遊技機10を一例として説明したが、特
図2抽選でのみ実行される遊技機10、又は特
図1抽選、及び特
図2抽選の何れでも実行される遊技機10でも本発明を適用できる。
(5)第2始動口装置111を構成する電チューが入口を開放して遊技球が通過し易い開位置に変位しないと、第2始動口111aに入賞しない遊技機10を一例として説明したが、開位置に変位しなくても第2始動口111aに入賞できる構成としても良い。
(6)「電サポ状態」においては、「通常遊技状態」時よりも第2始動口111aの入口が開放し易くなり、第2始動口111aへの遊技球の入賞頻度が増加することになるが、この第2始動口111aへの遊技球の入賞頻度を増加させる方法は、上述した方法のみならず、普通図柄抽選の当選確率を「通常遊技状態」よりも高くすること、普通図柄抽選の図柄の変動時間を「通常遊技状態」よりも短くすることのうち、一又は二以上を任意に組合せた方法のいずれかでも良い。
なお、このとき、普図表示装置114の図柄の変動時間が「通常遊技状態」よりも短くなることが好ましく、その結果、第2始動口111aへの遊技球の入賞頻度が増加する。
(7)変形例の遊技機10では、「大当り図柄」停止後に付与される電サポ回数、及び変短回数は、それぞれ再セットされる例について説明したが、上乗せされる遊技機10でも本発明を適用できる。
また、遊技機10がB時短(遊タイム)を備え、B時短に移行した場合には、C時短と同様、電サポ回数、及び変短回数を再セット、又は上乗せされる遊技機10でも本発明を適用できる。
この場合、B時短とC時短が同時に発生した場合には、両方の電サポ回数、変短回数を再セットしても良いし、優先順位の高い方の時短の電サポ回数、又は変短回数が再セットしても良い。
リセット(初期化)をした遊技機10については、予め定められた電サポ回数、又は変短回数を必ず再セットするようにしても良いし、抽選で当選した場合のみ再セットするようにしても良い。(所謂「モーニング機能」を設けても良い。)
(8)変形例の遊技機10は、シリアル通信で遊技情報が出力されるため、通常、CZ、チャンス、高確等の遊技状態を示す遊技情報が単独で出力される例を用いて説明したが、複数の遊技状態を示す遊技情報が同一の出力端子から出力される遊技機10でも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 遊技用システム
10 遊技機
20 台間機
30 呼出ランプ(遊技用装置)
31 データ通信部
32発光部
33 音出力部
34 データ表示部(報知手段)
35 データ制御部(特定手段)
40 台コンピュータ
50 島コンピュータ
60 ホールコンピュータ(遊技用装置)
61 操作部
62 通信部
63 表示部(報知手段)
64 記憶部
65 制御部(特定手段)