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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081523
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】口腔内清掃具
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20240611BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240611BHJP
   C09J 123/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61C17/00 T
C09J201/00
C09J123/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195200
(22)【出願日】2022-12-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開者:株式会社イノアックコーポレーション 販売場所:川本産業株式会社(大阪市中央区谷町2-6-4 谷町ビル) 販売日:令和3年12月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸一郎
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DA001
4J040DA051
4J040JB01
4J040KA26
4J040LA01
4J040LA06
4J040LA08
4J040NA03
(57)【要約】
【課題】口腔内の傷付きを抑制し得る口腔内清掃具を提供する。
【解決手段】口腔内清掃具10は、発泡体20と、発泡体20に接着された把持部材30と、を備えている。把持部材30は、ホットメルト接着剤によって発泡体20に接着されている。ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、65以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体と、
前記発泡体に接着された把持部材と、
を備え、
前記把持部材は、ホットメルト接着剤によって前記発泡体に接着されており、
前記ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、65以下である、口腔内清掃具。
【請求項2】
前記ホットメルト接着剤の180℃における溶融粘度が、2000mPa・s以下である、請求項1に記載の口腔内清掃具。
【請求項3】
前記ホットメルト接着剤は、非晶性ポリオレフィンを含む、請求項1又は請求項2に記載の口腔内清掃具。
【請求項4】
前記把持部材は前記発泡体の切れ込みに挿入されて接着されている、請求項1又は請求項2に記載の口腔内清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、口腔内清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される口腔内清掃具は、スポンジ小塊と、スポンジ小塊に形成された孔に差し込まれて接着剤によって固定された把持部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-248859号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような口腔内清掃具では、接着剤としてホットメルト接着剤が用いられる。このような口腔内清掃具において、ホットメルト接着剤の硬化物に突起が生じ、その突起が口腔内を傷付けるおそれがある。
本開示は、口腔内の傷付きを抑制し得る口腔内清掃具を提供することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕発泡体と、
前記発泡体に接着された把持部材と、
を備え、
前記把持部材は、ホットメルト接着剤によって前記発泡体に接着されており、
前記ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、65以下である、口腔内清掃具。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、口腔内の傷付きを抑制し得る口腔内清掃具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る口腔内清掃具を模式的に示す斜視図である。
図2】口腔内清掃具の製造工程において、発泡体を作製する工程を説明する説明図である。
図3図2の工程に続き、発泡体の切れ込みにホットメルト接着剤を注入する工程を説明する説明図である。
図4図3の工程に続き、発泡体の切れ込みに把持部材を挿入する工程を説明する説明図である。
図5図4の工程に続き、ホットメルト接着剤を硬化させる工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、本開示の望ましい例を示す。
〔2〕前記ホットメルト接着剤の180℃における溶融粘度が、2000mPa・s以下である、〔1〕に記載の口腔内清掃具。
〔3〕前記ホットメルト接着剤は、非晶性ポリオレフィンを含む、〔1〕又は〔2〕に記載の口腔内清掃具。
〔4〕前記把持部材は前記発泡体の切れ込みに挿入されて接着されている、〔1〕または〔2〕に記載の口腔内清掃具。
【0009】
以下、本開示を詳しく説明する。
1.口腔内清掃具
本開示の口腔内清掃具の一実施形態を、図1に示す。図1に示す口腔内清掃具10は、発泡体20と、発泡体20に接着された把持部材30と、を備えている。把持部材30は、発泡体20の切れ込み28に挿入されて接着されている。把持部材30は、ホットメルト接着剤によって発泡体20に接着されている。口腔内清掃具10は、把持部材30を把持しながら口腔内に挿入した発泡体20により、歯の表面や口腔内面等の汚れを擦り取ることにより、口腔内を清掃して衛生状態を良好に保つ用途に用いられる。
【0010】
把持部材30は、棒状である。把持部材30の端部に、発泡体20が取り付けられている。把持部材30の素材は、特に限定されず、例えば所定長さに形成した紙、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂、竹、木材等の繊維状素材などである。把持部材30の長さは、特に限定されない。例えば、把持部材30の全長は、50mm以上200mm以下が好ましく、100mm以上150mm以下がより好ましい。把持部材30の全長のうち発泡体20に挿入される部分の長さは、5mm以上25mm以下が好ましく、10mm以上20mm以下がより好ましい。把持部材30の形状は、特に限定されず、例えば丸棒状、角棒状、平板状などである。
【0011】
発泡体20は、弾性的に圧縮変形可能であり、弾性変形により口腔内の汚れを効果的に擦り取り得るようになっている。発泡体20としては、ポリウレタン発泡体等の合成樹脂発泡体、ブラシ状繊維体、海面等の天然多孔質体等を採用することができ、特に合成樹脂発泡体が好ましい。発泡体20の形状や大きさは、口腔内での動かし易さや汚れの擦り取り易さなどを考慮して適宜に決定することができる。発泡体20の形状は、例えば円柱状や多角柱状など、任意の形状を採用し得る。
【0012】
発泡体20は、図1に示すように、円柱状の基体の外周部に軸方向に延びる複数の溝22が設けられる構成となっている。溝22は、周方向で等間隔に離間して設けられている。具体的には、発泡体20は、軸方向に延びる芯部24と、芯部24の外周側に設けられる複数の突出部26と、を有している。突出部26は、芯部24から径方向に突出している。発泡体20を軸方向から見た形状は、花弁状である。
【0013】
芯部24には、把持部材30の端部が挿入される切れ込み28(図2参照)が設けられている。切れ込み28は、芯部24の軸方向一端から他端まで貫通していてもよく、軸方向一端から中央部付近まで形成されていてもよい。切れ込み28を軸方向から見た形状は、例えば、中心点から放射状に伸びる複数(例えば6本)の線分で構成される形状(例えばアスタリスク形状)である。切れ込み28に注入されたホットメルト接着剤が硬化することで、切れ込み28に挿入された把持部材30の端部が、接着固定される。
【0014】
発泡体20の軸方向の長さ、突出部26の幅(周方向の長さ)、突出部26の突出長さ(径方向の長さ)は、口腔内への挿入し易さや、口腔内での発泡体20の動かし易さ、汚れの擦り取り易さなどを考慮して適宜決定することができる。例えば、発泡体20の軸方向の長さは、10mm以上40mm以下が好ましく、15mm以上25mm以下がより好ましい。突出部26の幅は、3mm以上15mm以下が好ましく、5mm以上10mm以下がより好ましい。突出部26の突出長さは、10mm以上30mm以下が好ましく、15mm以上25mm以下がより好ましい。
【0015】
2.ホットメルト接着剤
ホットメルト接着剤は、例えば、ベース樹脂と、粘着性付与剤と、を含んでいる。ホットメルト接着剤は、その他添加剤を含んでいてもよい。ベース樹脂としては、例えば、ホットメルト接着剤を構成する成分として用いられる熱可塑性ポリマーが挙げられる。熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン系の熱可塑性ポリマー、エチレン酢酸ビニル系の熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0016】
ポリオレフィン系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤におけるポリオレフィン系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。ポリオレフィン系の熱可塑性ポリマーとして、非晶性ポリオレフィンが好ましい。
【0017】
非晶性ポリオレフィンとしては、例えば、非晶性のポリプロピレン、非晶性のポリエチレン、非晶性のプロピレンと他のα-オレフィンとの共重合体、非晶性のエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体を例示できる。これら重合体は、単独で用いられても、複数種類用いられてもよい。
【0018】
非晶性ポリオレフィンとして、具体的には、ポリプロピレン(ホモポリマー)、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/1-ブテン共重合体、プロピレン/エチレン/1-ブテンの3元共重合体、プロピレン/1-ヘキセン/1-オクテンの3元重合体、プロピレン/1-ヘキセン/メチルペンテンの3元共重合体、1-ポリブテン(ホモポリマー)等を例示できる。
【0019】
エチレン酢酸ビニル系の熱可塑性ポリマーとして、非晶性のEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)が好適に挙げられる。
【0020】
3.硬度に関する要件
ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、口腔内の傷付きを抑制する観点から、65以下であり、55以下が好ましく、50以下がより好ましい。ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、把持部材30による発泡体20の保持力を確保する観点から、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましい。以上の観点から、ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、65以下であり、10以上65以下が好ましく、15以上55以下が好ましく、20以上50以下がより好ましい。ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度は、JIS K 6253-1997に準じて、ショアA硬度計を用いて測定できる。
【0021】
4.溶融粘度に関する要件
ホットメルト接着剤の、180℃におけるせん断速度122sec-1で測定した溶融粘度は、発泡体20の切れ込み28に接着剤組成物を注入し易くする観点から、2000mPa・s以下であり、1500mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましい。ホットメルト接着剤の、180℃におけるせん断速度122sec-1で測定した溶融粘度は、発泡体20の切れ込み28に接着剤組成物を注入し易くする観点から、200mPa・s以上が好ましく、250mPa・s以上がより好ましく、300mPa・s以上がさらに好ましい。以上の観点から、ホットメルト接着剤の、180℃におけるせん断速度122sec-1で測定した溶融粘度は、2000mPa・s以下であり、200mPa・s以上2000mPa・s以下が好ましく、250mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、300mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましい。溶融粘度の測定は、JIS K6862に従って行うことができる。
【0022】
5.軟化点に関する要件
ホットメルト接着剤の軟化点は、特に限定されない。ホットメルト接着剤の軟化点は、接着性を維持しつつ耐熱強度を高める観点から、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。ホットメルト接着剤の軟化点は、接着性を向上させる観点から、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。以上の観点から、ホットメルト接着剤の軟化点は、70℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上140℃以下がより好ましく、90℃以上130℃以下がさらに好ましい。ホットメルト接着剤の軟化点は、JIS K 6863に従って測定できる。
【0023】
6.口腔内清掃具の製造方法
口腔内清掃具の製造方法について説明する。まず、所定の厚みの板状に形成した基材(弾性体)から発泡体20(図2参照)を切り出す。例えば、切出刃を基材に押し当てるようにして、発泡体20を切り出すとともに、発泡体20の芯部24の中心に切れ込み28を形成する。
【0024】
続いて、図3に示すように、切れ込み28に溶融状態のホットメルト接着剤を注入する。例えば、発泡体20を保持部40で保持した状態で、切れ込み28に差し込まれた注入ノズル42を介してホットメルト接着剤を注入する。
【0025】
続いて、図4に示すように、把持部材30を軸周りに回転させながら切れ込み28に対して軸方向に沿って挿入する。具体的には、把持部材30を半回転ずつ時計回りと反時計回りを交互に繰り返しながら切れ込み28にねじ込んでいく。これにより、発泡体20と把持部材30との間に、ホットメルト接着剤が入り込む。
【0026】
続いて、図5に示すように、切れ込み28に注入されたホットメルト接着剤を冷却させて硬化させる。例えば、エアノズル44から噴出されるエアを切れ込み28に当て、ホットメルト接着剤を冷却して硬化させる。これにより、発泡体20に把持部材30を接着固定した口腔内清掃具10を製造できる。
【0027】
7.本実施形態の効果
本開示の口腔内清掃具は、ホットメルト接着剤のショアA硬度を65以下とすることで、ホットメルト接着剤の硬化物に突起が生じても、口腔内の傷付きを抑制できる。また、発泡体20と把持部材30との接着強度を維持しつつ、所望の硬度(65以下のショアA硬度)とすることができる。
【0028】
なお、明細書に記載の種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。
【実施例0029】
以下、実施例により更に具体的に説明する。
【0030】
1.口腔内清掃具の作製
表1に示す各種ホットメルト接着剤を用いて、上記実施形態で説明した製造方法によって、実施例及び比較例の口腔内清掃具を作製した。実施例及び比較例に用いる発泡体には、ポリウレタンフォーム(品番:SC、株式会社イノアックコーポレーション社製)を用いた。把持部材には、ポリプロピレンを用いた。
【0031】
【表1】
【0032】
表1に示すホットメルト接着剤の詳細は、以下の通りである。なお、主成分とは、含有成分の中で一番多くの割合を占める成分をいう。
・比較例1:主成分がEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、XH977-1(昭和電工マテリアルズ株式会社製)
・比較例2:主成分がEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、XH953-3A(昭和電工マテリアルズ株式会社製)
・実施例1:主成分がポリオレフィン、JM-5013-F(積水フーラー株式会社製)
・実施例2:主成分が非晶性ポリオレフィン、356Pピロー(三洋ライフマテリアル株式会社製)
・実施例3:主成分が非晶性ポリオレフィン、321P(三洋ライフマテリアル株式会社製)
・実施例4:主成分が非晶性ポリオレフィン、AC-409Z(株式会社MORESCO製)
・実施例5:主成分が非晶性EVA、PE-1000(株式会社MORESCO製)
・実施例6:主成分が非晶性ポリオレフィン、TN-716Z(株式会社MORESCO製)
【0033】
2.評価
次に、得られた各実施例及び各比較例の口腔内清掃具について、以下のような評価をした。各評価を、表1の各欄に示す。
【0034】
[溶融粘度の評価]
実施例および比較例の各ホットメルト接着剤に対して、溶融粘度を測定した。溶融粘度は、JIS K6862に基づき、180℃の測定温度下で、キャピログラフを用い、せん断速度122sec-1で測定した。なお、実施例6のホットメルト接着剤に対しては、160℃の測定温度下で、溶融粘度を測定した。
【0035】
[硬度の評価]
実施例および比較例の各ホットメルト接着剤の硬化物に対して、ショアA硬度を測定した。ショアA硬度の測定は、JIS K 6253-1997に基づき、ASKER社の製品ショアA硬度計(デュロメータータイプA)を用いて行った。
【0036】
[軟化点の評価]
実施例および比較例の各ホットメルト接着剤に対して、軟化点を測定した。軟化点は、JIS K 6863に基づき測定した。
【0037】
[オープンタイムの評価]
実施例および比較例の各ホットメルト接着剤に対して、オープンタイムを測定した。測定結果を表1に示す。
【0038】
[耐熱性の評価]
実施例および比較例の各ホットメルト接着剤に対して、耐熱性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0039】
[柔らかさの評価]
実施例および比較例の硬化した各ホットメルト接着剤に対して、柔らかさを評価した。柔らかさは、テスターを用い、接着剤硬化後に発泡体を握り込み、接着箇所の柔らかさを評価した。
柔らかさの評価は、以下の基準とした。
「A」:握り込んだ際に異物感がない。
「B」:握り込んだ際に硬化した樹脂の異物感がある。
【0040】
[剥離強度の評価]
実施例および比較例の各口腔内清掃具に対して、剥離強度を評価した。剥離強度は、標準型デジタルフォースゲージ(株式会社イマダ社製、ZTS-500N)を用いて測定した。
剥離強度の評価は、以下の基準とした。
「A」:40N以上である
「B」:40N未満である
【0041】
[外観の評価]
実施例および比較例の硬化した各ホットメルト接着剤に対して、外観を評価した。外観の評価は、外観が初期の形状から目視にて変形した場合を「変形あり」、外観が初期の形状から目視にて変形しない場合を「変形なし」とした。すなわち、外観の評価は、以下の基準により判断した。
「A」:変形なし
「B」:変形あり
【0042】
[製造コストの評価]
実施例および比較例の各口腔内清掃具に対して、製造コストを評価した。
製造コストの評価は、従来品(2022年5月)の1本当たりの製造コストを基準として、基準よりも高い場合を「高い」、基準よりも低い場合を「低い」とした。すなわち、製造コストの評価は、以下の基準により判断した。
「A」:高い
「B」:低い
【0043】
[総合評価]
実施例および比較例の各口腔内清掃具に対して、総合評価した。
総合評価は、以下の基準により判断した。
「A」:「柔らかさ」の評価が「A」、かつ「剥離強度」の評価が「A」
「B」:「柔らかさ」の評価および「剥離強度」の評価の少なくとも一方が「A」でない
【0044】
3.評価結果
実施例1-6の口腔内清掃具は、下記要件(a)を満たしている。比較例1,2の口腔内清掃具は、下記要件(a)を満たしていない。
・要件(a):ホットメルト接着剤の硬化物のショアA硬度が、65以下である
実施例1-6の口腔内清掃具は、「総合評価」が「A」であった。比較例1,2の口腔内清掃具は、総合評価が「B」であった。実施例1-6の口腔内清掃具は、上記要件(a)を満たすことで、ホットメルト接着剤の高い接着強度を維持しつつ、ホットメルト接着剤の硬化物に突起が生じた場合でも口腔内が傷付きにくい構成となった。
【0045】
実施例3-6の口腔内清掃具は、下記要件(b)を満たしている。比較例1,2および実施例1,2の口腔内清掃具は、下記要件(b)を満たしていない。
・要件(b):ホットメルト接着剤の180℃におけるせん断速度122sec-1で測定した溶融粘度が、2000mPa・s以下である
実施例3-6は、上記要件(b)を満たすことで、口腔内清掃具の作製時に切れ込みにホットメルト接着剤を注入する際に、ホットメルト接着剤が切れ込みに染み込み易かった。
【0046】
4.実施例の効果
以上の実施例によれば、口腔内の傷付きを抑制し得る口腔内清掃具を作製できた。
【0047】
なお、上記実施例の口腔内清掃具において、発泡体をポリウレタンフォーム(品番:EP-70S、株式会社イノアックコーポレーション社製)に変えた場合、把持部材の材料を紙に変えた場合、発泡体をポリウレタンフォーム(品番:EP-70S、株式会社イノアックコーポレーション社製)に変えて且つ把持部材の材料を紙に変えた場合、のいずれの場合においても、上記実施例の口腔内清掃具と同様の効果が生じることが確認できた。
【0048】
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、様々な変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
10: 口腔内清掃具
20: 発泡体
22: 溝
24: 芯部
26: 突出部
28: 切れ込み
30: 把持部材
40: 保持部
42: 注入ノズル
44: エアノズル
図1
図2
図3
図4
図5