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特開2024-81561凍結膨張力吸収を兼ね備える、自然対流促進管と、強制還流装置を組み入れた、水抜き不要の水道不凍分岐装置。
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  • 特開-凍結膨張力吸収を兼ね備える、自然対流促進管と、強制還流装置を組み入れた、水抜き不要の水道不凍分岐装置。 図1
  • 特開-凍結膨張力吸収を兼ね備える、自然対流促進管と、強制還流装置を組み入れた、水抜き不要の水道不凍分岐装置。 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081561
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】凍結膨張力吸収を兼ね備える、自然対流促進管と、強制還流装置を組み入れた、水抜き不要の水道不凍分岐装置。
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/02 20060101AFI20240611BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20240611BHJP
   F16L 39/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
E03C1/02
E03C1/042 B
F16L39/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022207584
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】597036167
【氏名又は名称】大澤 千代澄
(72)【発明者】
【氏名】大澤 千代澄
【テーマコード(参考)】
2D060
3J106
【Fターム(参考)】
2D060AA01
2D060AC03
2D060BB03
2D060BC17
2D060BF09
3J106AB03
3J106AB04
3J106BA01
3J106BB04
3J106BE40
3J106CA03
(57)【要約】
【課題】[0029]
寒冷地、準寒冷地の水道凍結防止の考案である.
【解決手段】[0030]水道施設の地下熱を水道施設の地上部分まで誘導し、地上部の冷水と入れ替え、地上施設の配管及び器具の凍結破壊を、防ぐ発明である。
同時に、当、考案品接続部より下流の他の器具が使用され、接続本管に流れが発生した場合、分岐部分に負圧を発生させ、強制的に分岐管内の冷水を、本管内の水と入れ替える事が出来る、考案である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用水道配管設備に接続するための、引込本管(7)に、付けられた、分岐継手(4)の分岐側に取り付けた、自然対流促進装置(1)を、組み込んだ水道分岐継手
【請求項2】
自然対流促進装置(1)に取り付けた、冷水出口兼、強制還流発生管(2)を、付けた、分岐継手
【請求項3】
分岐管(5)内に、蛇口(8)の内部まで、差し込み、内部水凍結膨張量の、吸収を兼ね備えた対流促進管(9)を、通した、水道配管方式
【請求項4】
引きこみ本管内の流れにより発生した負圧力を、分岐管内の停滞水の入れ替え促進に利用する分岐継手。
【請求項5】
分岐管(5)内に、蛇口(8)の内部まで、差し込んだ、凍結膨張力の、吸収を兼ねた自然対流促進管(9)を、通した、水道分岐配管方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来、不凍栓と呼ばれる名の下で、多数、商品化、販売されているが、その全てが、水抜き栓で、その構造は、使用休止する毎に、内部の水を捨て、又、使用の時は満たし、貴重な上水を無駄に使い、そのうえ、頻繋に、繰り返し作動すると、地下の配管部一帯が、作動時の捨て水のために、水浸しにする、欠点があった。
故に、水捌けの悪い地層では、捨て水が、地下配管分岐部周辺に停滞し、再使用の時、配管内に逆流、衛生的にも、問題が多かった。
【0002】
寒冷地、及び、準寒冷地では、外使用の水栓は、埋設型にするか、柱型外水栓の場合も、何重にも、断熱材を巻き、かつ、最も凍結し易い蛇口部には、電熱ヒーターで加熱、その為に、美観も、使用感も悪く、その為の電力も、消費した。
【0003】
半埋設型外水栓は、地温の影響を受け、比較的凍結はしにくいが、冬期積雪すると、使用できず冬季以外の時は、使用には非常に、不便であり、又、設置が地表の為、凍結する断熱材の使用方法も限られていた。
【0004】
また、凍結防止帯は、電力を使用するため、冬季寒冷地特有の、送電線の着氷、着雪よる、送電線切断等、時々起きる不意の停電には、対処する事が、出来ない不安があった。
【背景技術】
【0005】
本考案は、屋外の水栓としては、最も使い易い、柱型水栓を、水抜作業も、凍結防止の電力も必要とせず、配管埋設部の、地中地温だけで、地上の配管と、水栓を、凍結から守る考案である。
【0006】
本来、冬季に起きる、水道管凍結破損事故の、殆どは、地面より上部で起き、その地区の上水道管理者の定めた、不凍深度を守り、適切に埋設された、部分には、及んではいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本考案はその、地中温度を熱伝導で、分岐管部分に取り込み、管内の水を温め、分岐管の地表部分内の凍結寸前の停滞水と、入れ替える発明である。
【0008】
冬季、配管周辺の地中温度を取り込んだ、地中配管内の水は、地上の外気温近くまで下がった地上配管内の水より、温度が高く、当然比重も軽く、上昇力が有り、一方、地表配管内の、外気温により、冷えた比重の重い水は、下に沈む作用をする。
【0009】
比重の違う二種類の水の、比重の軽い比較的温かい水を、配管末端の、器具内部まで、導く為には、対流促進管(9)を用いる。
【0010】
対流促進管(9)は、末端器具の、本申請の場合は、蛇口(8)であるが、その蛇口内部に、可能な限り差し込み開口、蛇口内に流れだし、蛇口(8)の、凍結を防ぐ発明である。
【0011】
対流促進管(9)は、可能な限り、柔軟、肉厚で、かつ、水質確保のできる素材、例として、シリコン樹脂等を使用して、管内の水の凍結膨張量を、その柔軟な材質と、質量により吸収、凍結破壊から、分岐管(5)と、蛇口(8)を守り、装置内の自然対流を、促進させる、考案である。
【0012】
以上は、地中の持つ、地温を活用した凍結防止策であるが、本考案品を、流れの上流、一般家は、水道メーターの、次の位置等に設定、施工し、他の水道水使用の、末端の器具全ての使用
水流が、本申請発明品の(2)冷水出口兼強制還流発生管の周辺を流れ、その流れにより、冷水出口兼、強制還流発生管(2)の内部に、大きな負圧を発生させ、連結した、分岐管(5)内の冷えた水を、強制的に吸出し、分岐管内に、あらたな本流水を入れて温度を上げ、分岐管全体の凍結を防ぐ発明である。
【発明の効果】
【0013】
限り有る、現在の利用可能エネルギーの、消費をおさえる方法として、地下に蓄えられた熱源を利用する発明である。
【0014】
地下には、地域により違いは有るが、膨大なエネルギーが蓄えられており。その一部を地上1~2m位まで、本申請発明品を使い引き上げ利用する事により、凍結防止帯の電力を確実に、減らすことが出来る。
【0015】
本申請発明品は、消耗品や交換部品は必要とせず、尚且つ無電力で、半永久的に効果を発揮する事が出来る考案である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明主要部分の自然対流どきの、作用断面概念図である。
図2】本発明の強制還流断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多方面に利用できる考案で有るが、その一例として、一般家庭を想定、その施工例に付いて説明する。
【0018】
給水施設より、引きこまれた、引きこみ本管は、積算メーター等を経て、なるべく一番先に本発明の本管接続パイプ7に、流入口方向を確認し、接続する。
【0019】
接続された本発明品は、その地域の不凍深度であり、当然ながら冬季でも、一定の地中温度を確保しており、その地下熱は、本発明の埋設部分に伝達され、内部の停滞水を地下熱と同等にする。
【0020】
埋設部分で地下熱により、地表配管内の水温より温かく、比重の軽い水は、配管内を上昇する。
【0021】
一方、地表部分の配管内の水は、外気温により冷やされ、比重が重く、下がる力が発生、配管内を下降する。
【0022】
上昇する水と、下降する水が、配管内で交わらないように、分岐部分より、分岐管末端の蛇口内部まで差し込まれた、対流促進管(9)がその役割をする。
【0023】
この作用により、管内の水は少量では有るが、確実に自然対流を始めてその作用は、管内の水が地中温度と、同温になるまで継続され、地表配管、器具の凍結を防止する。
【0024】
以上は、引きこまれた配管施設のすべてで、水の使用が全く、流れの無い場合の作動である。
【0025】
次に、本申請発明品、凍結破壊防止を兼ねた、管内自然対流及び、強制対流促進管入れた、水抜き不要の、水道不凍分岐管の下流で、水道水使用が発生した場合は、本管接続パイプ(7)及び、分岐継手(4)内に水流が発生、その水流は、強制対流発生管(2)の出口周辺を通過する時に、強制還流発生管(2)内にベンチュリ効果により、負圧を発生させ、自然対流していた、分岐管内の下降水流を、強力に促し、分岐管内の水道水を入れ替える作動をする。
【0026】
当然ながら、分岐管内の水量不足を補うために、本流から、地下熱で温められた水道水が、対流促進装置(1)経て、対流促進管(9)に流れ込み、取り付けられた先端器具の内部で噴出し、先端器具を含め、分岐管内全部の水を入れ替えると同時に、周辺温度も地中水温度に近付ける事ができる。
【0027】
以上柱型外水栓に付いて説明したが、この発明は、最終分岐管以外の、全ての分岐部分に取付ける事ができ、省力、省エネルギー化する事ができる。
当申請発明品、の、本管内に、流れが発生した時の分岐管内の状態を示す概念図である。
【符号の説明】
【0028】
1 対流促進装置
2 冷水出口兼強制還流発生管
3 対流促進管取付け口
4 分岐継手
5 分岐管
6 分岐管接続継手
7 引きこみ本管
8 蛇口
9 対流促進管
10 比重が重い冷水
11 比重が軽い温水
図1
図2