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特開2024-81562スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置、方法及びそのためのプログラム
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  • 特開-スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置、方法及びそのためのプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081562
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240611BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240611BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/0241 446
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023362
(22)【出願日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2022194552
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 納品日 2023年1月29日 納品場所 株式会社タカシン(神奈川県横浜市中区小港町1-4-10) 公開者 エンゲート株式会社 ウェブサイトの掲載日 2023年2月1日 ウェブサイトのアドレス https://engate.jp/communities/b-corsairs/rewards/4549 公開者 エンゲート株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519147382
【氏名又は名称】エンゲート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003605
【氏名又は名称】弁理士法人六本木通り特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】城戸 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】南 蔵人
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲志朗
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L030BB08
5L049BB07
5L049BB08
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試合中に露出を得るための物理的な広告物の設置を必要としない、新たなスポーツ・スポンサーシップを可能とする方法を提供する。
【解決手段】まず、装置110は、ファンによるアクションに応じた数量のポイントを当該ファンに対して付与する(S201)。ポイント付与の対象となるアクションは企業端末120を用いるスポンサー企業が指定したアクションである。ファンに付与されるポイントの原資の少なくとも一部はスポンサー企業が負担するものである。次に、装置110は、ファン端末140から、付与されたポイントを用いて可能なデジタルギフトの贈答要求を受信する(S202)。当該ポイントは、所定のスポーツチームに対するデジタルギフトに使用可とする。そして、装置110は、贈答要求に含まれるデジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを贈答先であるスポーツチームの獲得ポイントに加算する(S203)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための方法であって、
ユーザーによるアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与するステップであって、前記アクションは、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションであるステップと、
前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信するステップと、
前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算するステップと
を含み、
前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記アクションは、インターネット上で行われるアクションである。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記アクションは、前記スポンサー企業の店頭で行われるアクションである。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記アクションは、前記店頭に設置された店頭設置物が有するNFC部品に前記ユーザー端末を近接させる動作である。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、
前記ポイントは、前記スポーツチーム以外に対するデジタルギフトに使用不可である。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の方法であって、
前記アクションは、前記スポーツチームから予め承認を受けたスポンサー企業が設定したアクションである。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の方法であって、
前記アクションは、前記スポーツチームから予め承認を受けたアクションである。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、
前記アクションは、前記スポンサー企業が販売する商品又は前記スポンサー企業が提供するサービスに対する支払いである。
【請求項9】
請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、
前記アクションは、前記スポンサー企業が設定した1又は複数の質問に対する回答の入力である。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の方法であって、
前記ポイントを用いた前記贈答要求は、前記ポイントが付与されたシーズンと同一のシーズン内でのみ可能である。
【請求項11】
コンピュータに、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
ユーザーによるアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与するステップであって、前記アクションは、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションであるステップと、
前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信するステップと、
前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算するステップと
を含み、
前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【請求項12】
スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置であって、
ユーザーによる、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与し、
前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信して、前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算し、
前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツチームは、スタジアムで行われる試合の入場料のほか、スポンサーからの広告収入、試合を放送又は配信するための放映権収入及びチーム又は所属選手に関するグッズの物販収入を主な収益源としており、このようにして得られた収益が選手の報酬、選手の育成等に当てられている。
【0003】
上記収益源のうち、広告収入は、スポンサー企業がユニフォームに当該企業のロゴを表示するユニフォーム広告、及び、試合が行われるスタジアム内に看板を置き、その看板に当該企業のロゴを表示する看板広告によって主に得られる。試合中にこれらの広告物が観客の目に入ることによって、加えてこれらの広告物がテレビに映ることによって、多数の観客及び視聴者に対する露出が得られ、当該企業又はそのプロダクトのブランド価値向上が図られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スポーツ・スポンサーシップは、世代、性別、言語、宗教等の違いを超えて、幅広くそのファンの注意を惹きつけ、また、スポーツを応援しているということから肯定的な印象を形成することもできるというスポーツの特性を活かした有力な広告手法である一方、物理的な広告物の設置を伴なうことから、広告枠が限られており、高額となる傾向にある。たとえば、ヨーロッパのサッカークラブにおけるユニフォーム広告では、5年契約で年間3000万ポンドという例がある。加えて、スポンサー契約で獲得した権利を有効に用いるために行われる「アクティベーション」と呼ばれるさまざまな活動の費用も避けられない。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その課題は、試合中に露出を得るための物理的な広告物の設置を必要としない、新たなスポーツ・スポンサーシップを可能とする装置、方法又はそのためのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための方法であって、ユーザーによるアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与するステップであって、前記アクションは、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションであるステップと、前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信するステップと、前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算するステップとを含み、前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の方法であって、前記アクションは、インターネット上で行われるアクションである。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様の方法であって、前記アクションは、前記スポンサー企業の店頭で行われるアクションである。
【0009】
また、本発明の第4の態様は、第3の態様の方法であって、前記アクションは、前記店頭に設置された店頭設置物が有するNFC部品に前記ユーザー端末を近接させる動作である。
【0010】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様の方法であって、請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、前記ポイントは、前記スポーツチーム以外に対するデジタルギフトに使用不可である。
【0011】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかの方法であって、前記アクションは、前記スポーツチームから予め承認を受けたスポンサー企業が設定したアクションである。
【0012】
また、本発明の第7の態様は、第1から第5のいずれかの態様の方法であって、前記アクションは、前記スポーツチームから予め承認を受けたアクションである。
【0013】
また、本発明の第8の態様は、第1から第3のいずれかの態様の方法であって、前記アクションは、前記スポンサー企業が販売する商品又は前記スポンサー企業が提供するサービスに対する支払いである。
【0014】
また、本発明の第9の態様は、第1から第3のいずれかの態様の方法であって、前記アクションは、前記スポンサー企業が設定した1又は複数の質問に対する回答の入力である。
【0015】
また、本発明の第10の態様は、第1から第9のいずれかの態様の方法であって、前記ポイントを用いた前記贈答要求は、前記ポイントが付与されたシーズンと同一のシーズン内でのみ可能である。
【0016】
また、本発明の第11の態様は、コンピュータに、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、ユーザーによるアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与するステップであって、前記アクションは、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションであるステップと、前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信するステップと、前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算するステップとを含み、前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【0017】
また、本発明の第12の態様は、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置であって、ユーザーによる、前記スポーツチームのスポンサー企業が指定したアクションに応じた数量のポイントを前記ユーザーに対して付与し、前記ユーザーが用いるユーザー端末から、前記ポイントを用いて可能な、前記スポーツチームに対するデジタルギフトの贈答要求を受信して、前記デジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを前記デジタルギフトの贈答先である前記スポーツチームの残高ポイントに加算し、前記ポイントは、前記スポンサー企業が負担した対価に応じて前記スポンサー企業に付与可能ポイントとして設定されたものの一部であり、かつ、前記スポーツチームに対するデジタルギフトに使用可である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、スポンサー企業が指定したアクションを実行したユーザーに、当該スポンサー企業が対価を負担したポイントを付与し、当該ポイントを当該スポンサー企業によるスポンサーシップの対象であるスポーツチームに対するデジタルギフトに使用可とすることによって、スポンサー企業が試合中に露出を得るための物理的な広告物を必ずしも要しない、新たなスポーツチーム・スポンサーシップが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態にかかるシステムを示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる方法の流れを示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる商品購入画面の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる店頭設置物の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる店頭設置物を用いたポイント付与の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1に、本発明の一実施形態にかかるシステムを示す。システム100は、スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための装置110と、当該スポーツチームのスポンサー企業が用いる企業端末120と、当該スポーツチームが用いるチーム端末130と、当該スポーツチームのファンが用いるファン端末140とを備える。図1では、複数のスポンサー企業が存在し得ることから複数の企業端末を示しているが、そのうちの1つに着目して説明する。逆に、ファン端末140については、単一の端末のみを示しているが、複数存在してもよい。装置110は、企業端末120、チーム端末130及びファン端末140とインターネット等のIPネットワークを介して通信する。
【0022】
装置110は、通信インターフェースなどの通信部111と、プロセッサ、CPU等の処理部112と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部113とを備え、各処理又は各動作を行うためのプログラムを処理部112において実行することによって構成することができる。装置110は、1又は複数の装置、コンピュータないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部113又は装置110からIPネットワークを介してアクセス可能なデータベース等の記憶装置又は記憶媒体に記憶しておき、処理部112の少なくとも1つのプロセッサにおいて当該プログラムに含まれる命令を実行することができる。以下で記憶部113に記憶されるものとして記述されるデータはデータベース等の記憶装置又は記憶媒体に記憶してもよく、またその逆も同様である。
【0023】
まず、装置110は、ファン端末140を用いるファンによるアクションに応じた数量のポイントを当該ファンに対して付与する(S201)。ポイント付与の対象となるアクションは、企業端末120を用いるスポンサー企業が指定したアクションであり、たとえば、装置110が提供するアクション設定入力画面に対して企業端末120を用いて当該スポンサー企業が入力して記憶部113に記憶されたアクションとすることができる。装置110により提供されるスポンサーシップ支援サービスを運営する事業者が、スポンサー企業が指定したアクションを装置110に対して入力し、それが記憶部113に記憶されてもよい。
【0024】
スポンサー企業による入力は、入力画面表示情報を、たとえばHTML形式のファイルとして送信して、企業端末120の表示画面にウェブブラウザ上で表示される入力画面から行ったり、企業端末120にインストールされたアプリケーション(以下「アプリ」とも呼ぶ。)を動作させ、当該アプリ上で表示される入力画面から行ったりすることができる。なお、「入力画面」とは、ウェブブラウザ上で表示される場合にはウェブページ、モーダルウィンドウ、ポップアップウィンドウ等のさまざまな形式を採用することができ、アプリ上で表示される場合にはアプリの一画面とすることができる。いずれにおいても、設定情報を入力するための入力欄を有する領域を含む画面であれば、設定情報入力画面に該当する。本明細書で言及する他の画面についても、同様の技術を適用することができる。
【0025】
アクションとしては、商品購入、アンケート回答、カード申込等が例として挙げられる。また、アクションと関連づけて、当該アクションに対して付与されるポイント数が指定又は入力されてもよい。商品購入は、より具体的には、スポンサー企業が販売する商品に対する支払いとすることができ、商品ではなくサービスの場合には、スポンサー企業が提供するサービスに対する支払いがアクションとして指定されてもよい。アンケート回答は、より具体的には、スポンサー企業が設定した1又は複数の質問に対する回答の入力とすることができる。また、アクションをインターネット上で行われるアクションとすれば、スポーツ・スポンサーシップが物理的な制約から解放される。あるいは、アクションをスポンサー企業の店舗における商品購入としてもよい。
【0026】
後述するように、ファンに付与されるポイントの原資の少なくとも一部をスポンサー企業が負担するものであり、これは言わば、当該スポンサー企業にとって広告費である。上述のようにスポンサー企業が指定したアクションを実行したファンに対してポイントを付与することによって、アクション数又はこれに応じた数を広告効果として定量的に測定し、スポーツ・スポンサーシップのROIを透明化することが可能となる。
【0027】
図3に、本発明の一実施形態にかかる商品購入画面の一例を示す。商品購入画面300は、装置110により提供され、ファンが商品購入のアクションを行うためのものである。商品購入が行われた場合には、支払金額の5%に相当するポイントがファンに付与され、ファンを識別するファン識別子に関連づけて記憶部113に記憶される。
【0028】
この例では、装置110が提供する画面上でファンが商品購入を実行するが、装置110が提供する画面から、商品購入その他のアクションを実行可能なウェブサイト、より具体的には、当該アクションを指定したスポンサー企業が提供するウェブサイトに遷移可能としてもよい。この場合には、装置110により提供されるスポンサーシップ支援サービスを運営する事業者は、当該スポンサー企業から、ファンを識別するファン識別子とともに、行われたアクション若しくはそれに応じて付与されるべきポイント数又はそれを表すクーポンコード等の記号の通知を受け、ファン識別子に関連づけて、行われたアクションに応じた数量のポイントを記憶部113に記憶することができる。スポンサー企業の店舗においてアクションが行われる場合にも、装置110により提供されるスポンサーシップ支援サービスを運営する事業者は、当該スポンサー企業から、ファンを識別するファン識別子とともに、行われたアクション若しくはそれに応じて付与されるべきポイント数又はそれを表す記号の通知を受ければよい。
【0029】
スポンサー企業の店頭で行われるアクション(以下「店頭アクション」とも呼ぶ。)の例として、店頭に設置された店頭設置物が有するNFC部品にファン端末140を近接させる動作である。図4に、本発明の一実施形態にかかる店頭設置物の一例を示す。店頭設置物400は、NFCタグ、NFCカード等のNFC規格で通信可能なNFC部品410を有する。たとえば、NFC部品410を卓上に載置可能な店頭設置物400に貼付してもよい。図4の例では、店頭設置物400の内側に貼付している。
【0030】
ファンが、ファン端末140を店頭設置物が有するNFC部品410に近接させて、NFC部品410に登録されたURLを読み取ると(S501)、ファン端末140上で動作するウェブブラウザは、当該URLに対するリクエストを送信する(S502)。当該URLは、装置110上の位置であり、スポンサー企業ごとに、又はスポンサー企業の店舗ごとに異なるように定め、NFC部品410に登録しておくことができる。装置110では、リクエストされたURL又はその一部が、予めポイント付与の対象として設定されているか否かの確認を行い(S503)、確認結果が肯定的である場合、当該リクエストを送信したファン端末140を用いるファンを識別するファン識別子に関連づけて所定のポイントが記憶部103に記憶される(S504)。ここで、必要に応じて、ファンの認証を行い、認証後に所定のポイントが付与されるようにしてもよい。装置110には、URL又はその一部に関連づけて、付与ポイント数及び付与期間を設定しておくことができ、さらに、同一のファンがポイント付与を受けられる回数を設定してもよい。また、装置110には、URL又はその一部に関連づけて、ファン端末140のウェブブラウザに表示させる遷移先URLを設定することができる。遷移先URLが設定されている場合、装置110は、ファン端末140に遷移先URLで指定されるウェブページを表示するための表示情報を送信する(S505)。装置110は、当該表示情報をファン端末140に送信する際に、又はその前若しくは後に、ファン端末140上で動作するウェブブラウザの履歴から、NFC部品410より読み取ったURLを削除することが好ましい。
【0031】
図5の説明では、1社のスポンサー企業に着目して説明をしたところ、同一のスポーツチームに第1及び第2のスポンサー企業が存在する場合に、2店舗目で店頭アクションをファンが行ったとき、当該店舗を1店舗目に訪れたときと比較して多くポイントを付与するようにしてもよい。より一般に、同一のスポーツチームに複数のスポンサー企業が存在する場合に、店頭アクションを行った店舗の数に応じて最新の店頭アクションにより付与されるポイントを増加させるようにしてもよい。
【0032】
次に、装置110は、ファン端末140から、上記アクションに応じて付与されたポイントを用いて可能な、デジタルギフトの贈答要求を受信する(S202)。贈答要求は、贈答されるデジタルギフト及び贈答先となるスポーツチーム又はその選手を含む。装置110は、デジタルギフトを贈答するための贈答要求入力画面をファンに提供し、さらにファン及びスポーツチーム又はその選手が閲覧可能なデジタルギフト表示画面を提供してもよい。デジタルギフト表示画面に、誰が誰にどのギフトを贈ったかを表示することによって、ファンは、試合中に贈答を行うことで、試合内容について感じている感情を伝えることができ、試合の前後に贈答を行うことで、チーム又はその選手への期待、応援等の気持ちを伝えることができる。
【0033】
贈答要求を受信した装置110は、必要に応じて、贈答要求に含まれるデジタルギフトにより識別されるギフトに必要なポイントが、ファン識別子により識別されるファンに付与されたポイント以下であるか否かを判定する。また、装置110は、贈答要求を、当該贈答要求に使用されるポイントがファンに付与されたシーズンと同一のシーズン内でのみ可能としてもよい。
【0034】
当該アクションに応じて付与されたポイントは、所定のスポーツチーム又はその選手に対するデジタルギフトに使用可とすることが好ましい。このようにポイントの用途を制限することで、当該アクションを指定したスポンサー企業は、当該所定のスポーツチームを応援する企業として、当該所定のスポーツチームのファンに露出し、所望の消費者層に対して広告効果を得ることができる。所定のスポーツチームは、単一のスポーツチームとすることが好ましいが、複数のスポーツチームとすることも考えられる。
【0035】
この効果は、当該アクションに応じて付与されたポイントを、所定のスポーツチーム又はその選手以外に対するデジタルギフトに使用不可とすることによって、さらに高まる。当該アクションが行われることは、当該ポイントを使用可能なスポーツチームとしては自らに対するデジタルギフトの増加に繋がるため、たとえば、当該アクションを促す告知を自らのSNSアカウントを用いて行うことの動機づけとなる。かかるポイントの制約条件は、記憶部113に記憶しておき、贈答要求を受信した装置110が、必要に応じて、当該条件が満たされているか否かを判定すればよい。
【0036】
ポイント付与の対象となるアクションは、付与されるポイントを使用可能なスポーツチームから予め承認を受けたスポンサー企業が設定したアクション又は付与されるポイントを使用可能なスポーツチームから承認を受けたアクションとすることができる。スポンサーチームの承認を必要とすることで、スポーツチームが当該アクションをファンに対して告知するより強い動機づけとなる。アクション自体を承認対象とする場合には、スポーツチームは、当該アクションが当該スポーツチームのブランドを棄損するおそれのないものであることを事前に具体的に確認することができる。
【0037】
そして、装置110は、贈答要求に含まれるデジタルギフトのポイント数に応じた数量の獲得ポイントを当該デジタルギフトの贈答先であるスポーツチームの獲得ポイントに加算する(S203)。装置110は、チーム端末130で獲得ポイントを確認可能な管理画面を提供してもよい。
【0038】
指定されたアクションを実行することによってファンに付与されるポイントは、当該アクションを指定したスポンサー企業が広告費としてその対価の少なくとも一部を支払うものとする。スポンサー企業からスポーツチームへ広告費の流れを例示的に説明すると、1000万円のスポンサーシップをスポンサー企業が行う場合、スポンサー企業から、装置110により提供されるスポンサーシップ支援サービスを運営する事業者に支払う。当該事業者は、支払額から一定の手数料を減じた額、たとえば900万円に応じた数量のポイント、たとえば900万ポイントを付与可能ポイントとして当該スポンサー企業に設定し、当該スポンサー企業を識別する企業識別子に関連づけて記憶部113に記憶する。ファンが当該スポンサー企業が指定したアクションを実行したことに応じて当該ファンにポイント、たとえば100ポイントを付与した場合、それは当該付与可能ポイントの一部であり、装置110は、当該付与可能ポイントの残高を更新するか、付与済みポイントを加算して更新する。そして、複数回のアクションを通じてポイントの付与を受けたファンが、蓄積したポイントを使用可能なスポーツチームに対してデジタルギフトを贈答した場合、当該デジタルギフトに必要なポイント、たとえば500ポイントを加算して当該スポーツチームの獲得ポイントを更新する。当該スポーツチームは、装置110により提供されるスポンサーシップ支援サービスを運営する事業者から、獲得ポイントに応じた金額の支払いを受けることができる。
【0039】
このように、本実施形態では、スポンサー企業が指定したアクションを実行したユーザーに、当該スポンサー企業が対価を負担したポイントを付与し、当該ポイントを当該スポンサー企業によるスポンサーシップの対象であるスポーツチームに対するデジタルギフトに使用可とすることによって、試合中に露出を得るための物理的な広告物を必ずしも要しない、新たなスポーツチーム・スポンサーシップが可能となる。この新たな方式のスポンサーシップにおいては、広告効果として、ファンによって実行されたアクションを可視化することができることから、これは定量的に効果分析が可能な新たな広告機会を提供するものである。
【0040】
なお、上述の実施形態において、「のみに基づいて」、「のみに応じて」、「のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0041】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【0042】
また、図2において示される「開始」及び「終了」は、一例を示すものに過ぎず、本実施形態にかかる方法が図示された手順で必ず開始され、図示された手順で必ず終了することを意味するものではない。
【符号の説明】
【0043】
100 システム
110は 装置
111 通信部
112 処理部
113 記憶部
120 企業端末
130 チーム端末
140 ファン端末
300 商品購入画面
400 店頭設置物
410 NFC部品
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
100 システム
11装置
111 通信部
112 処理部
113 記憶部
120 企業端末
130 チーム端末
140 ファン端末
300 商品購入画面
400 店頭設置物
410 NFC部品
【手続補正書】
【提出日】2023-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツチームに対するスポンサーシップを支援するための方法。