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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081575
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20240611BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H01F17/00 B
H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097186
(22)【出願日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0168613
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 美▲グン▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾殷
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲尚▼益
(72)【発明者】
【氏名】朴 美貞
(72)【発明者】
【氏名】李 勇秀
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AB03
5E070BB03
5E070CB06
5E070CB12
5E070CB17
5E070CB20
5E070DA13
(57)【要約】
【課題】コイル部品の小型化のために外部電極が下面にのみ配置され、ビア電極を介して外部電極とコイルとが連結される構造を有するコイル部品に対する要求がある。
【解決手段】本発明の一側面に係るコイル部品は、第1方向に互いに対向した第1面と第2面を有する本体、上記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材、上記支持部材に配置されるコイル、上記支持部材の一面に配置されて上記コイルと連結されるパッド部、上記本体の第1面に配置される外部電極、及び上記パッド部と上記外部電極とを連結するビア電極を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに対向した第1面と第2面を有する本体と、
前記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材と、
前記支持部材に配置されるコイルと、
前記支持部材の一面に配置されて前記コイルと連結されるパッド部と、
前記本体の第1面に配置される外部電極と、
前記パッド部と前記外部電極とを連結するビア電極と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記パッド部の前記第1方向に沿った厚さは、前記コイルの厚さより薄い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記コイルは、
前記支持部材の一面及び他面にそれぞれ配置され、少なくとも一つのターンを有する第1及び第2コイル部、前記支持部材を貫通して前記第1及び第2コイル部を連結する第1ビア、並びに前記第1及び第2コイル部の最外側ターンからそれぞれ延長される第1及び第2延長部を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記パッド部は、前記支持部材の一面に配置されて前記第1延長部と接する第1パッド部、及び前記支持部材の一面に配置される第2パッド部を含み、
前記コイルは、前記支持部材を貫通して前記第2パッド部と前記第2延長部とを連結する第2ビアをさらに含む、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第2ビアは、前記第2延長部と一体に形成される、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第2ビアと前記第2パッド部とが接する領域には境界面が形成される、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記ビア電極は、前記第1パッド部と接する第1ビア電極、及び前記第2パッド部と接する第2ビア電極を含み、
前記第1及び第2パッド部のそれぞれは、前記支持部材の一面と接する上面、及び前記上面と対向した下面を有し、
前記第1パッド部の下面は前記第1延長部及び前記第1ビア電極と接し、
前記第2パッド部の上面は前記第2ビアと接し、前記第2パッド部の下面は前記第2ビア電極と接する、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1延長部は、前記第1パッド部と接する領域に段差が形成される、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記ビア電極は、少なくとも一部が前記パッド部の内側に延長される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記ビア電極は金属層を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記ビア電極は複数の層を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記ビア電極は、前記パッド部と接する金属層、及び前記金属層によってカバーされ、前記外部電極と接する絶縁樹脂層を含む、請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記ビア電極は導電性ペースト層を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記支持部材、前記コイル、及び前記パッド部をカバーする絶縁膜をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記本体をカバーし、前記外部電極を露出させる絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が徐々に高性能化、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品はその数が増加し、小型化している。
【0004】
コイル部品の小型化のために外部電極が下面にのみ配置され、ビア電極を介して外部電極とコイルとが連結される構造を有するコイル部品に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-068841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態に係る目的の一つは、外部電極が下面にのみ配置され、同じサイズに比べて有効体積が増加し、Rdcは減少したコイル部品を提供することである。
【0007】
本発明の実施形態に係る他の目的の一つは、支持部材の下面にパッド部を予め配置することにより、外部電極とコイル間の連結のためのビア電極を容易に形成することである。
【0008】
本発明の実施形態に係る他の目的の一つは、ビアホールに充填されるビア電極の充填品質を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、第1方向に互いに対向した第1面と第2面を有する本体、上記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材、上記支持部材に配置されるコイル、上記支持部材の一面に配置されて上記コイルと連結されるパッド部、上記本体の第1面に配置される外部電極、及び上記パッド部と上記外部電極とを連結するビア電極を含むコイル部品が提供されることである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、外部電極が実装面にのみ配置されることにより、同じサイズのコイル部品に比べて有効体積は増加し、Rdcは減少することである。
【0011】
本発明の実施形態によれば、ビア電極の配置のためのビアホールを一定の深さで加工することができ、工程効率が改善され、コイルと外部電極間の連結信頼性が高くなることである。
【0012】
本発明の実施形態によれば、ビアホールに充填されるビア電極の充填品質が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1の下部斜視図である。
図3図1の組立図である。
図4図1のI-I’線に沿った断面を示す図である。
図5図1のII-II’線に沿った断面を示す図である。
図6図1のIII-III’線に沿った断面を示す図である。
図7図1の底面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るコイル部品を概略的に示すものであって、図4に対応する図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るコイル部品を概略的に示すものであって、図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は追加の可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0015】
なお、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在し、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用するものとする。
【0016】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示されているため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0017】
図面において、T方向は第1方向又は厚さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、L方向は第3方向又は長さ方向と定義することができる。
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素に対しては同一の図面番号を付与し、これについての重複説明は省略する。
【0019】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的に様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0020】
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0021】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るコイル部品1000を概略的に示す斜視図であり、図2図1の下部斜視図であり、図3図1の組立図であり、図4図1のI-I’線に沿った断面を示す図であり、図5図1のII-II’線に沿った断面を示す図であり、図6図1のIII-III’線に沿った断面を示す図であり、図7図1の底面図である。
【0022】
一方、図1図3では、構成要素間の結合をより明確に示すために、本実施形態に適用できる本体100上の絶縁層700を省略して示している。
【0023】
図1図7を参照すると、本発明の第1実施形態に係るコイル部品1000は、本体100、支持部材200、コイル300、パッド部410、420、ビア電極510、520及び外部電極610、620を含むことができる。
【0024】
本体100は、本実施形態に係るコイル部品1000の外観をなし、内部にコイル300が配置されることができる。コイル300は、支持部材200によって支持されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0025】
本体100は、全体的に六面体の形状に形成されることができる。
【0026】
本体100は、図1の方向を基準に、厚さ方向Tに互いに対向する第1面101と第2面102、幅方向Wに互いに対向する第3面103と第4面104、長さ方向Lに対向する第5面105及び第6面106を含む。本体100の第3~第6面103、104、105、106のそれぞれは、本体100の第1面101と第2面102とを連結する本体100の壁面に該当する。
【0027】
本体100は、例示的に、後述する外部電極610、620が形成された本実施形態に係るコイル部品1000が2.5mmの長さ、2.0mmの幅、及び1.0mmの厚さを有するか、又は2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び1.0mmの厚さを有するか、又は2.0mmの長さ、1.2mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、又は1.6mmの長さ、0.8mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するか、又は1.0mmの長さ、0.5mmの幅、及び0.5mmの厚さを有するか、又は0.8mmの長さ、0.4mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これらに限定されるものではない。一方、上述の数値は工程誤差等を反映していない設計上の数値に過ぎないため、工程誤差と認めることができる範囲までは本発明の範囲に属すると見なすべきである。
【0028】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長さ方向Lと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長さ方向Lと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長さ方向Lと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、長さ方向Lと平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0029】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向Tと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向Tと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向Tと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、厚さ方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0030】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部における長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向Wと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向Wと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、上記断面写真に示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向した2つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向Wと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、幅方向Wと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0031】
あるいは、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定されることもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(Tip)の間に本実施形態に係るコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバーを回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用することができる。
【0032】
本体100は、絶縁樹脂と磁性物質を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性物質が絶縁樹脂に分散された磁性複合シートを一つ以上積層して形成することができる。磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であってもよい。
【0033】
フェライトは、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0034】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0035】
金属磁性粉末は非晶質又は結晶質であってもよい。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0037】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のうちいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
【0038】
一方、以下では、磁性物質が金属磁性粉末であることを前提として説明するが、本発明の範囲は絶縁樹脂に金属磁性粉末が分散された構造を有する本体100にのみ及ぶものではない。
【0039】
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
図3図6図7を参照すると、本体100は、後述する支持部材200及びコイル300を貫通するコア110を含む。コア110は、コイル300の最内側ターンの中心領域、すなわち、コイル300の巻回中心領域に配置されることができる。
【0041】
コア110は、磁性物質を含む磁性複合シートがコイル300の中央及び支持部材200の中央を貫通する貫通孔Hを充填することによって形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
支持部材200は本体100の内部に配置され、互いに対向した一面と他面を有することができる。支持部材200は、後述するコイル300及びパッド部410、420を支持する構成である。また、支持部材200は、トリミング工程によって中央部が除去されて貫通孔Hが形成されることができ、貫通孔Hにはコア110が配置されることができる。ここで、支持部材200に形成される貫通孔Hは、コイル300の最内側ターンの形状に対応する形態で形成されることができる。
【0043】
支持部材200は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、或いはこのような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例として、支持部材200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)などの絶縁材料で形成できるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
無機フィラーとしては、シリカ(二酸化ケイ素、SiO)、アルミナ(酸化アルミニウム、Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)で構成された群から選択された少なくとも一つ以上が使用できる。
【0045】
支持部材200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、支持部材200はより優れた剛性を提供することができる。支持部材200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、本実施形態に係るコイル部品1000の厚さを薄型化するのに有利である。また、同じサイズの本体100を基準に、コイル300及び/又は金属磁性粉末が占める体積を増加させることができ、部品特性を向上させることができる。支持部材200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル300を形成するための工程数が減少し、生産コストの削減に有利であり、微細なビア321、322を形成することができる。
【0046】
支持部材200の厚さは、例として、10μm以上50μm以下であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0047】
コイル300は本体100の内部に配置され、コイル部品1000の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル300は電場を磁場として保存して出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0048】
本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100の内部で支持部材200によって支持されるコイル300を含むことができる。コイル300は、コア110を中心に巻回された少なくとも一つのターンを有することができる。
【0049】
図1図4を参照すると、本実施形態のコイル300は、第1及び第2コイル部311、312、第1ビア321、第1及び第2延長部331、332を含むことができ、第2延長部332と連結される第2ビア322をさらに含むことができる。
【0050】
具体的に、本体100の第1面101と対向する支持部材200の一面に第1コイル部311、及び第1延長部331が配置され、本体100の第2面102と対向する支持部材200の他面に、第2コイル部312、及び第2延長部332が配置されることができる。
【0051】
図1図3図6図7を参照すると、第1コイル部311及び第2コイル部312のそれぞれは、コア110を軸として少なくとも一つのターンを有することができる。第1コイル部311及び第2コイル部312のそれぞれは、平面螺旋(spiral)状であってもよい。
【0052】
第1コイル部311は、支持部材200の一面においてコア110を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。第2コイル部312は、支持部材200の他面においてコア110を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。
【0053】
図3及び図6を参照すると、コイル300は、支持部材200の一面及び他面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部311、312を連結する第1ビア321を含むことができる。第1ビア321は、支持部材200を貫通するように配置されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
第1ビア321は、支持部材200の両面に配置された第1及び第2コイル部311、312を電気的に連結することができる。具体的に、図1の方向を基準に第1ビア321の下面は第1コイル部311の最内側ターンの端部と連結され、第1ビア321の上面は第2コイル部312の最内側ターンの端部と連結されることができる。
【0055】
図3及び図7を参照すると、コイル300は、第1及び第2コイル部の最外側ターンからそれぞれ延長される第1及び第2延長部331、332を含むことができる。
【0056】
第1延長部331は、支持部材200の一面に配置され、第1コイル部311の最外側ターンの端部から延長され、後述する第1パッド部410及び第1ビア電極510を介して第1外部電極610と連結されることができる。
【0057】
また、第2延長部332は、支持部材200の他面に配置され、第2コイル部312の最外側ターンの端部から延長され、後述する第2ビア322、第2パッド部420及び第2ビア電極520を介して第2外部電極620と連結されることができる。
【0058】
図1図3及び図5を参照すると、第2ビア322は、第2延長部332と第2パッド部420とを連結することができる。第2延長部332と第2パッド部420とは、支持部材200を中心に互いに離隔するため、支持部材200を貫通する第2ビア322を介して連結されることができる。
【0059】
ここで、第2ビア322は、第2延長部332と一体に形成されてもよい。ここで、一体に形成されるとは、第2ビア322と第2延長部332とが同じ工程で共に形成され、2つの構成間の境界面がないことを意味することができるが、これに限定されるものではない。
【0060】
図3を参照すると、例えば、第1外部電極610に信号が入力される場合、入力された信号は、後述する第1ビア電極510及び第1パッド部410を介してコイル300に印加され、第2パッド部420及び第2ビア電極520を介して第2外部電極620に出力されることができる。
【0061】
より詳細には、第1パッド部410に入力される信号は、第1延長部331、第1コイル部311、第1ビア321、第2コイル部312、第2延長部332、及び第2ビア322を順に経て第2パッド部420に出力されることができる。
【0062】
これにより、コイル300は、第1及び第2パッド部410、420の間で全体的に一つのコイルとして機能することができる。
【0063】
第1及び第2コイル部311、312、第1及び第2ビア321、322、第1及び第2延長部331、332のうち少なくとも一つは、少なくとも一つの導電層を含むことができる。
【0064】
例として、第1コイル部311、第1ビア321、及び第1延長部331を支持部材200の一面にめっきで形成する場合、第1コイル部311、第1 1ビア321、及び第1延長部331は、それぞれシード層及び電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一方の電解めっき層の表面に沿って他方の電解めっき層が形成されたコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、いずれか一方の電解めっき層の一面にのみ他方の電解めっき層が積層された形状に形成されてもよい。シード層は、無電解めっき法又はスパッタリングなどの気相蒸着法などで形成されることができる。第1コイル部311、第1ビア321、及び第1延長部331のそれぞれのシード層は一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。第1コイル部311、第1ビア321、及び第1延長部331のそれぞれの電解めっき層は一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0065】
第1コイル部311、第1ビア321、及び第1延長部331のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
図1図3を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、支持部材200の一面に配置され、コイル300と連結されるパッド部410、420を含むことができる。
【0067】
パッド部410、420は、図1の方向を基準に、支持部材200の下面にコイル300より先に配置される構成であって、実装面の外部電極610、620との連結信頼性を高め、ビア電極510、520の形成を容易にする機能を果たす。
【0068】
パッド部410、420は、支持部材200の一面に配置され、第1延長部と接する第1パッド部410、及び支持部材200の一面に配置される第2パッド部420を含むことができる。ここで、第2パッド部420は、支持部材200を貫通する第2ビア322を介して支持部材200の他面の第2延長部332と連結されることができる。
【0069】
一方、第2ビア322は、第2パッド部420の配置後に形成される構成であるため、第2ビア322と第2パッド部420とが接する領域には境界面が形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0070】
図3図5を参照すると、第1及び第2パッド部410、420のそれぞれは、支持部材200の一面と接する上面、及び上面と対向した下面を有し、第1パッド部410の下面は、第1延長部331及び第1ビア電極510と接するように配置されることができる。
【0071】
このような構成により、工程間において第1延長部331と第1ビア電極510間の整列が多少ずれても、第1パッド部410を介して電気的連結信頼性が維持されることができる。
【0072】
また、第2パッド部420の上面は第2ビア322と接し、第2パッド部420の下面は第2ビア電極520と接するように配置されることができる。
【0073】
このような構成により、工程間において第2延長部332と第2ビア電極520間の整列が多少ずれても、第2パッド部420を介して電気的連結信頼性が維持されることができる。
【0074】
また、第2ビア電極520が支持部材200を貫通せずとも第2コイル部312と電気的に連結できるため、ビア電極510、520の第1方向Tに沿った高さを一定に形成することができる。
【0075】
すなわち、ビア電極510、520の配置のためのビアホール加工時に、ビア電極510、520がコイル300と連結される領域が支持部材200の一面又は他面のうち、どちらなのかとは関係なく、パッド部410、420に接触する程度の一定の深さで形成することができる。これにより、工程効率が向上し、オープン不良なども減少することができる。
【0076】
図5を参照すると、パッド部410、420の第1方向Tに沿った厚さはコイル300の厚さより薄くてもよい。
【0077】
ここで、パッド部410、420又はコイル300の厚さとは、例として、パッド部410、420及びコイル300が示されるように切ったL-T断面に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、厚さ方向Tに対向したパッド部410、420又はコイル300の最外側境界線を連結し、厚さ方向Tと平行な複数の線分それぞれの寸法(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第1方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0078】
図2及び図3を参照すると、第1パッド部410と第1延長部331が接する領域において、第1延長部331の端部に段差が形成されることができる。これは、上述したパッド部410、420とコイル300との間の第1方向Tに沿った厚さの差に起因する構造であり、上記構造によって第1延長部331と第1パッド部410との間の接触面積が広くなるため、連結信頼性が向上することができる。
【0079】
パッド部410、420は、第1及び第2ビア321、322が配置されるビアホールが加工された支持部材200上にコイル300より先に配置されることができる。したがって、第1ビア321を形成するためのビアホールは支持部材200の両側を貫通する形態であるのに対し、第2ビア322を形成するためのビアホールは支持部材200の両側を貫通する形態であり、その一側は第2パッド部420によって塞がれた形態であることができる。
【0080】
パッド部410、420はめっき工程により形成されることができ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
図4図6を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、絶縁膜IFをさらに含むことができる。絶縁膜IFは、支持部材200、コイル300及びパッド部410、420を一体にカバーすることができる。
【0082】
具体的に、絶縁膜IFは、支持部材200と本体100との間、コイル300と本体100との間、及びパッド部410、420と本体100との間に配置されることができる。絶縁膜IFは、コイル部311、312、延長部331、332、及びパッド部410、420が配置された支持部材200の表面に沿って形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0083】
絶縁膜IFは、第1及び第2コイル部311、312の各隣接ターンの間、並びに第1及び第2延長部331、332のそれぞれと第1及び第2コイル部311、312との間を充填してコイルターンの間を絶縁することができる。
【0084】
絶縁膜IFは、コイル300と本体100との間、及び/又はパッド部410、420と本体100との間を絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。他の例として、絶縁膜IFは、パリレンではなく、エポキシ樹脂などの絶縁物質を含むこともできる。絶縁膜IFは気相蒸着法で形成されることができるが、これに限定されるものではない。他の例として、絶縁膜IFは、コイル300が配置された支持部材200に絶縁フィルムを積層及び硬化することにより形成することもでき、コイル300が配置された支持部材200の両面に絶縁ペーストを塗布及び硬化することにより形成することもできる。一方、上述した理由で、絶縁膜IFは、本実施形態において省略可能な構成である。すなわち、本実施形態に係るコイル部品1000の設計された作動電流及び電圧において、本体100が十分な電気的抵抗を有する場合であれば、絶縁膜IFは本実施形態において省略が可能な構成である。
【0085】
図4及び図7を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、パッド部410、420と外部電極610、620とを連結するビア電極510、520を含むことができる。
【0086】
具体的に、第1ビア電極510は第1パッド部410と第1外部電極610との間を連結することができ、第2ビア電極520は第2パッド部420と第2外部電極620との間を連結することができる。
【0087】
ビア電極510、520は、コイル300と外部電極610、620との間を本体100の内部で直接連結するための構成であって、本体100の側面上に連結されて下面に延長されるL字状の電極などに比べて、実装面の外部電極610、620とコイル300との間で電流が流れる経路が減少することによってRdcの低減効果を有することができる。
【0088】
図3を参照すると、ビア電極510、520は全体的に円柱形状を有することができる。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、角ばった柱又はテーパ形状の柱など、様々な形状に形成されてもよい。
【0089】
図4を参照すると、ビア電極510、520は、少なくとも一部がパッド部410、420の内側に延長されるように形成されることができる。すなわち、ビア電極510、520は、支持部材200にパッド部410、420及びコイル300を配置した後、磁性シートを積層して本体100を形成し、レーザ等を用いて形成されたビアホール内に導電性物質を充填することにより形成できるため、パッド部410、420の内側に一部が入り込んだ形態であることができる。
【0090】
ビア電極510、520は、深く形成されたビアホールの内部をめっきによって充填する工程が必要であるが、例として、ピロリン酸(Pyrophosphoric Acid)銅めっきで薄く銅(Cu)層を形成した後、さらにパルスめっきを施してビアホールの内部を充填することができるが、これに限定されるものではない。
【0091】
ビア電極510、520は金属層を含むことができる。本実施形態の場合、ビア電極510、520は金属成分が含まれた単層で形成されるが、これに限定されるものではなく、複数の層で形成されてもよい。
【0092】
ビア電極510、520は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
図1図5図7図8を参照すると、第1及び第2外部電極610、620は、本体100の第1面101に互いに離隔して配置され、第1及び第2 パッド部410、420を介してコイル300とそれぞれ連結されることができる。
【0094】
第1及び第2外部電極610、620は、スパッタリング等の気相蒸着法及び/又はめっき法で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0095】
第1及び第2外部電極610、620は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
第1及び第2外部電極610、620は、単層又は複数層の構造で形成されることができる。例として、第1及び第2外部電極610、620は、銅(Cu)を含む第1導電層、第1導電層に配置され、ニッケル(Ni)を含む第2導電層、第2導電層に配置され、錫(Sn)を含む第3導電層を含むことができる。第2導電層及び第3導電層のうち少なくとも一つは、第1導電層をカバーする形態で形成されてもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。第1導電層はめっき層であってもよく、銅(Cu)及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む導電性粉末と樹脂を含む導電性樹脂を塗布及び硬化して形成された導電性樹脂層であってもよい。第2及び第3導電層はめっき層であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0097】
図4図7を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100をカバーし、外部電極610、620を露出させる絶縁層700を含むことができる。
【0098】
絶縁層700は、本体100の第1面~第6面101、102、103、104、105、106のうち外部電極610、620が配置された領域以外の領域に配置されることができる。
【0099】
本体100の第1面~第6面101、102、103、104、105、106に配置された絶縁層700のうち少なくとも一部は、互いに同じ工程で形成され、両者間において境界が形成されていない一体の形態で形成されることができるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0100】
絶縁層700は、印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法で絶縁層700形成用絶縁物質を形成することにより形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0101】
絶縁層700は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系 などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO又はSiNを含むことができる。絶縁層700は、無機フィラーのような絶縁フィラーをさらに含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0102】
(第2及び第3実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るコイル部品2000を概略的に示すものであって、図4に対応する図であり、図9は、本発明の第3実施形態に係るコイル部品3000を概略的に示すものであって、図4に対応する図である。
【0103】
本発明の第2及び第3実施形態に係るコイル部品2000、3000は、本発明の第1実施形態に係るコイル部品1000と比較するとき、ビア電極510、520の具体的な構成が異なる。
【0104】
したがって、本実施形態を説明するにあたっては、本発明の第1実施形態と異なるビア電極510、520についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0105】
図8を参照すると、本発明の第2実施形態に係るコイル部品2000は、ビア電極510、520が複数の層を含むことができる。
【0106】
具体的に、本実施形態のビア電極510、520は、パッド部410、420と接する金属層511、521、及び金属層511、521によってカバーされ、外部電極610、620と接する絶縁樹脂層512、522を含むことができる。
【0107】
ビア電極510、520の第1層をなす金属層511、521は、パッド部410、420との安定的な連結のために、ビアホール内でのDCめっきによってコンフォーマルなめっき層として形成することができる。これにより、発生可能な内部空隙は、プラグ工程を通じて、絶縁樹脂層512、522で充填されることができる。
【0108】
金属層511、521は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0109】
絶縁樹脂層512、522は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系等の熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO又はSiNを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
図9を参照すると、本発明の第3実施形態に係るコイル部品3000のビア電極は、導電性ペースト層513、523を含むことができる。
【0111】
導電性ペースト層513、523は、半田ペースト、カーボン系ペーストのうち少なくとも一つで形成されることができるが、これに限定されるものではなく、導電性を有する公知のペーストはこれに該当することができる。
【0112】
以上のように、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更又は削除などにより本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。
【符号の説明】
【0113】
100:本体
110:コア
200:支持部材
300:コイル
311:第1コイル部
312:第2コイル部
321:第1ビア
322:第2ビア
331:第1延長部
332:第2延長部
410:第1パッド部
420:第2パッド部
510:第1ビア電極
520:第2ビア電極
511、521:金属層
512、522:絶縁樹脂層
513、523:導電性ペースト層
610:第1外部電極
620:第2外部電極
700:絶縁層
H:貫通孔
IF:絶縁膜
1000、2000、3000:コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9